ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 組織でさがす > 健康福祉局 > 健康福祉局 衛生研究所 > 平成30年度以降 学会発表

本文

平成30年度以降 学会発表

ページ番号:0000106380 更新日:2023年12月22日更新 印刷ページ表示

 学会発表は、行った調査・研究の目的や結果を多くの専門家の前で公表することにより客観的な評価を受けることができ、調査・研究をさらに充実したものにするために極めて重要です。

 令和4(2022)年度令和3(2021)年度令和2(2020)年度平成31(2019)年度平成30(2018)年度

令和4(2022)年度

生物科学部

学会名 全国公衆衛生獣医師協議会調査研究発表会
日時 令和4(2022)年9月8日~10月5日
場所 web開催 
発表者 生物科学部 末永 朱美
演題名 広島市域で分離されたカンピロバクター属菌の分子疫学解析について
内容

 2020年から2022年にかけて広島市域で分離されたカンピロバクター属菌29株について,PFGE解析,ペナーPCR法,mP-bit法による解析を行った。その結果,複数事例において分離された13株が3つの解析方法で全て同一型として分類されたが,事例間の関連は不明であった。また,3法を比較したところ,最も詳細に型別できたのはPFGE解析であったが,ペナーPCR法とmP-bit法を組み合わせることで,PFGE法と同等の解析を行うことができた。

学会名 第25回地域保健研究会(第1分科会)
日時 令和5(2023)年2月10日
場所 広島市
発表者 生物科学部 山本 美和子
演題名 cgMLST法により同一由来と確認された腸管出血性大腸菌感染症事例
内容  疫学調査により同一感染が疑われたが,MLVA法において同一由来と確認できなかった腸管出血性大腸菌感染症1事例を含む3事例について,次世代シーケンサーを用いたcgMLST法により解析した結果,同一事例内は遺伝的関連性が高く,事例間は関連性が低いことが示唆された。cgMLST法はMLVA法の解析結果と疫学的関連性に相違がみられる場合や,PFGE法の代替法として実施することが有効であると思われる。
学会名 第36回生活衛生関係業績発表会(兼地域保健研究会第二分科会)
日時 令和5(2023)年3月17日
場所 広島市
発表者 生物科学部 千神 彩香
演題名 ウエルシュ菌を原因とした食中毒事例の疫学解析
内容  ウエルシュ菌を原因とした食中毒事例で搬入された検体及び分離された菌株を用いて疫学解析を実施した。ウエルシュ菌が分離された便検体から実施したウエルシュ菌エンテロトキシン(CPE)のRPLAの凝集価は,発症者で高値を示す傾向が見られた。また,PFGE解析結果及び疫学情報から,分離されたウエルシュ菌のうち,cpe遺伝子陽性株は同一由来の食中毒起因菌と考えられた。
学会名 第36回生活衛生関係業績発表会(兼地域保健研究会第二分科会)
日時 令和5(2023)年3月17日
場所 広島市
発表者 生物科学部 川原 康嗣
演題名 次世代シーケンサーを用いたノロウイルスの遺伝子解析(クローニングの代替法として)
内容  カキ中に存在するノロウイルスの遺伝子型解析を行う際など,複数の遺伝子型の混在が疑われる場合は,必要に応じてクローニングを行った後,サンガー法による遺伝子型解析を行っている。しかしながら,当手法では,PCRの影響により優勢に存在する遺伝子型が検出されやすく,存在比の低い遺伝子型が検出されにくいことなどの課題がある。そこで,クローニングの代替法として,次世代シーケンサーを活用した遺伝子型解析について検討を行った結果,存在比の低い遺伝子型を含めた複数の遺伝子型が混在するノロウイルスの型別解析を行えることが示唆された。
学会名 第36回生活衛生関係業績発表会(兼地域保健研究会第二分科会)
日時 令和5(2023)年3月17日
場所 広島市
発表者 生物科学部 宇野 拓也
演題名 カキからのノロウイルス検出状況と市内における流行状況について
内容

 ノロウイルスによる感染性胃腸炎や食中毒の流行時期はカキの出荷シーズンと重なる。そこで,当所で検査を行ったカキからのノロウイルス検出状況と市内における流行状況との関連性について考察した。
 1シーズンを9月1日~翌年8月31日とし,2015/16~2019/20シーズンに採取されたカキ及び,食中毒発生時に採取した便,食品,スワブ,並びに感染症発生動向調査において提供を受けた便を用いてノロウイルス遺伝子型別試験を実施した。その結果,2018/19シーズンにおいてNoV GⅠの遺伝子型及び検出割合が概ね一致していたが,その他のシーズンにおいてはNoV GⅠ,GⅡともに遺伝子型の一部しか一致しなかった。

環境科学部

学会名 第36回生活衛生関係業績発表会(兼地域保健研究会第二分科会)
日時 令和5(2023)年3月17日
場所 広島市
発表者 環境科学部 吉川 葉月
演題名 広島市内河川の大腸菌群及び大腸菌の検出状況
内容

 公共用水域の水質汚濁に係る生活環境の保全に関する環境基準の大腸菌群数について,より的確にふん便汚染を捉えるため大腸菌数に見直しがされた。当所では,水質汚濁防止法に基づく公共用水域の常時監視のうち11地点の水質調査を実施しており,その内の6地点では,平成31年度から大腸菌群数と同時に大腸菌数の測定を実施してきた。今後の調査の参考とするため,大腸菌群数の検出状況,大腸菌数との関係を整理した。
​ 大腸菌群数の年平均値は太田川水系より八幡川水系が高い傾向にあった。単純比較はできないものの,大腸菌群数と大腸菌数の地点ごとや年度ごとの測定値の傾向は同様であった。また,大腸菌群数に比べ大腸菌数の方が基準値を超えることが少なかった。

学会名 第36回生活衛生関係業績発表会(兼地域保健研究会第二分科会)
日時 令和5(2023)年3月17日
場所 広島市
発表者 環境科学部 加藤 寛子
演題名 広島市における建築物解体等に伴うアスベスト飛散状況調査結果
内容

 当所では,平成27年からアスベストのうちクリソタイルを中心に検出する従来法に代わり,分析走査電子顕微鏡法(A-SEM法)により建築物解体現場の大気中アスベストの同定検査を行っている。
 平成27~令和4年度に検査した114試料のうち71試料(62.3%)で総繊維数濃度が1本/Lを超過し,うち29試料(25%)でアスベスト繊維が検出され,その内訳は,クロシドライト53%,アモサイト34%,クリソタイル13%であった。
 アスベストが検出された解体現場の事業者には,原因調査及び漏洩対策を指導した。
 A-SEM法の導入によりクロシドライトやアモサイトの検出が可能となったことから,従来法では見逃されていた可能性のある建築物解体現場のアスベストについて検出が可能となった。

ページの先頭へ戻る

令和3(2021)年度

生活科学部

学会名 第35回生活衛生関係業績発表会(兼地域保健研究会第二分科会)
日時 令和4(2022)年3月14日
場所 広島市
発表者 生活科学部 市川恵子
演題名 清涼飲料水の規格基準改正にともなう試験法の妥当性確認
内容  「食品,添加物等の規格基準の一部を改正する件について(清涼飲料水の規格基準の一部改正)」(令和3年6月29日付け,厚生労働省通知,生食発0629第4号)によりミネラルウォーター類の成分規格が一部改正された。成分規格が改正された項目について,「食品中の有害物質等に関する分析法の妥当性確認ガイドライン」(平成26年12月22日付け,厚生労働省通知,食安発1222第7号)に基づき試験法の妥当性確認を実施した。
 今回妥当性確認を実施した試験法について,ガイドラインが示す基準に適応することを確認したため,成分規格の適合判定に用いることが可能となった。

生物科学部

学会名 第24回地域保健研究会(第1分科会)
日時 令和4(2022)年3月28日~4月30日
場所 広島市(web開催)
発表者 生物科学部 青田達明
演題名 バンコマイシン耐性腸球菌の検出状況と分子疫学解析結果
内容  2020年から2021年にかけ,本市でバンコマイシン耐性腸球菌感染症の届出が急増したため,2018年以降の23事例で分離された25株について,菌種同定試験及び耐性遺伝子検出試験に加え,パルスフィールドゲル電気泳動(PFGE)法による詳細な分子疫学解析を実施した。25株は全てvanA保有Enterococcus faeciumであり,PFGE解析の結果,2020年と2021年に分離された合計19株が高い類似度を示すクラスターを形成した。このクラスターは複数の医療機関から分離された株で形成されていたことから,市域において遺伝的関連の高い株の拡散が示唆された。

ページの先頭へ戻る

令和2(2020)年度

生活科学部

学会名 第34回生活衛生関係業績発表会(兼地域保健研究会第二分科会)
日時 令和3(2021)年3月2日
場所 広島市(紙上開催)
発表者 生活科学部 松木 司
演題名 HPLCによる食品中のポテトグリコアルカロイド分析法の検討
内容  ジャガイモには,ポテトグリコアルカロイドと呼ばれる毒素が含まれており,その95%は,α-ソラニンとα-チャコニンである。今回,両物質について,HPLCによる分析法の検討を行った。
 一般試料として生ジャガイモ及びマッシュポテト,油脂試料としてポテトチップス及びフライドポテトを用いた添加回収試験の結果は,おおむね良好であった。
 また,ジャガイモ由来と思われる夾雑物ピークとα-チャコニンのピークとの分離を確認する事が重要である。

 

環境科学部

学会名 第47回環境保全・公害防止研究発表会
日時 令和2(2020)年11月19日
場所 川崎市(紙上開催)
発表者 環境科学部 村野勢津子
演題名 八幡川水系ダム湖における栄養塩等の長期調査結果
内容  長期モニタリングを実施している魚切ダム貯水の水質について,栄養塩を中心に測定結果をとりまとめた。
 魚切ダム,魚切ダム上流及び郡橋のいずれも,平成11年度から平成30年度まで20年間の栄養塩類の年平均値は減少傾向か横ばいであった。
 平成24年度から平成31年度までの月ごとの測定値を解析した結果,魚切ダムの水深0mと水深10mでは,季節変動に違いがある項目があることがわかった。
 また,平成27年8月及び平成31年7月は,水深0mにおいて複数項目で高濃度であったが,その際のクロロフィルaの値も高濃度であったこと及び採水時の記録から,ダム湖水面に繁殖した藻類の影響であると考えられた。

 

学会名 第34回生活衛生関係業績発表会(兼地域保健研究会第二分科会)
日時 令和3(2021)年3月2日
場所 広島市(紙上開催)
発表者 環境科学部 下田喜則
演題名 大気中のダイオキシン類高濃度地点における野焼き等由来物質の調査について
内容  本市において環境大気中のダイオキシン類が高い濃度が続いている地点がある。この地点周辺は農地利用が多く野焼きが頻繁に行われていると予想され,このことがダイオキシン類濃度を高くする要因の一つとして考えられる。今回,野焼き等によって生成されるレボグルコサン及びB[a]Pに着目し,ダイオキシン類濃度との関係を調査した。
 野焼き等が多いとされる秋季でレボグルコサン及びB[a]Pの濃度が高く,ダイオキシン類も高値であったことから,秋季のダイオキシン類の高値は野焼きの影響が大きいことが示唆された。なお,季節ごとのレボグルコサンとダイオキシン類濃度の変動が一致しないことがあり,今後試料採取の条件を検討する必要がある。

 

学会名 第34回生活衛生関係業績発表会(兼地域保健研究会第二分科会)
日時 令和3(2021)年3月2日
場所 広島市(紙上開催)
発表者 環境科学部 田坂葉子
演題名 平成31年度直鎖アルキルベンゼンスルホン酸およびその塩(LAS)の調査結果について
内容  平成14年,環境影響評価を考慮した水生生物保全環境基準が設置され,平成25年3月環境省告示第30号により,LASの環境基準値が追加された。分析法として固相抽出-液体クロマトグラフ質量分析(LC-MS/MS)法が示され,当所では,平成28年度からこの分析法の適用を検討し,LC-MS/MSを使用した河川水のLAS測定を行っている。平成31年度は,5月,8月,11月,2月の年4回,八幡川1地点,太田川7地点,瀬野川1地点で調査を行った。
 広島市内は,水生生物保全基準値の類型指定を受けていないが,いずれの測定値(0.0006mg/L未満~0.0019mg/L)も基準値(0.02~0.05mg/L)を超えなかった。季節変動を確認することは出来なかった。
 各LASの割合は,9地点すべてでC11(36-41%)が最も高く,次にC12(23-27%),C13(14-16%),C10(11-15%)で,C14はいずれも検出されなかった。

ページの先頭へ戻る

平成31(2019)年度

生活科学部

学会名 第56回全国衛生化学技術協議会年会
日時 令和元(2019)年12月5~6日
場所 広島市
発表者 生活科学部 鳩岡未沙子
演題名 広島市における平成30年7月豪雨災害時の災害支援飲料水検査について
内容  平成30年7月豪雨災害発生後,衛生行政部署と協力し被災した地域の井戸水69検体について飲料用適否省略不可項目11項目の試験を行った。あわせて,災害時と平成29年度平常時の検査結果を比較した。
 災害時は平常時と比較して不適率が高く,特に一般細菌及び大腸菌の項目で多くの検体が不適となった。災害時の塩化物イオン,硝酸態窒素,及びTOCの量については,平常時と比較して高く出る傾向があった。また,災害時の検体で濁度が上がるとともに大腸菌の検出率も上がる傾向があった。
 今回のような緊急時には,安心・安全な飲料水確保のために行政機関と検査機関が情報を共有し円滑な連携を持つことが重要である。

 

学会1 学会名 第56回全国衛生化学技術協議会年会
日時 令和元(2019)年12月5~6日
場所 広島市
学会2 学会名 第33回生活衛生関係業績発表会(兼地域保健研究会第二分科会)
日時 令和2(2020)年3月19日
場所  広島市
発表者 生活科学部 大平浩史
演題名 広島市内産農産物における残留農薬調査(平成21年度~30年度)
内容  農作物における残留農薬の問題は消費者の関心が高いことから,本市においては農作物の安全確保のため,生鮮農作物等の残留農薬検査を継続して実施している。今回,市内産野菜20品目200検体について,平成21年度から平成30年度の10ヶ年の農作物中の農薬の検査結果及び農薬使用状況をまとめた。検査結果をまとめたところ,検出数が最も多かったのが殺虫剤であり,その中でもネオニコチノイド系殺虫剤の使用が多い傾向が見られた。また,農薬が検出された検体について,農薬の使用記録の有無を確認したが,一部の検体で記録が確認されなかった。今後も市内産野菜の農薬残留実態調査を継続し,市民の食生活の安全性確保を図っていくことが重要と考えられる。

 

生物科学部

学会名 第31回日本臨床微生物学会総会・学術集会
日時 令和2(2020)年1月31日~2月2日
場所 金沢市
発表者 生物科学部 青田達明
演題名 広島市における5類感染症としてのカルバペネム耐性腸内細菌科細菌の検査状況
内容  2017年4月から2019年5月までに収集した22株について,β-ラクタマーゼ遺伝子検出試験及びβ-ラクタマーゼ産生性確認試験を実施した。届出菌種としてはE.coliが最も多く,9株であった。22株中11株からカルバペネマーゼ遺伝子であるblaIMP-6を検出し,1株からblaGES-24を検出した。本市におけるblaIMP-6保有株の蔓延が明らかとなった。

 

学会名 第33回生活衛生関係業績発表会(兼地域保健研究会第二分科会)
日時 令和2(2020)年3月19日
場所 広島市
発表者 生物科学部 藤井慶樹
演題名 一般食品からのノロウイルス検出法の検討-パンソルビントラップ法の最適化-
内容  ポリエチレングリコール沈殿法(PEG法)及びパンソルビントラップ法(パントラ法)について,人為的にノロウイルス(NoV)で汚染した食品からのNoV検出感度の検証を行った。
 PEG法の検出感度は低かったが,パントラ法については,NoVの回収に用いるパンソルビン及び抽出したRNAの逆転写反応に用いる逆転写酵素を選定し,検査系を最適化することで,検出感度が大幅に向上した。

 

学会名 第33回生活衛生関係業績発表会(兼地域保健研究会第二分科会)
日時 令和2(2020)年3月19日
場所 広島市
発表者 生物科学部 池田伸代
演題名 PCRによるカンピロバクター・ジェジュニのPenner血清型別法の検討
内容  Campylobacter jejuniの血清型別法として受身血球凝集反応を利用したPenner型別法(PHA法)があるが,型別率が低いことが知られている。PHA法で型別不能であった297株を既報に準じてマルチプレックスPCR法に供したところ,267株が型別可能であり,PHA法の型別率の低さを補うことができた。PHA法では型別できなかったがPCR法により型別できた株は,PennerB群,A群,R群,O群で多くみられた。

ページの先頭へ戻る

 

平成30(2018)年度

生活科学部

学会名 第32回生活衛生関係業績発表会(兼地域保健研究会第二分科会)
日時 平成31(2019)年2月8日
場所 広島市
発表者 生活科学部 山本泰子
演題名 災害時の井戸水検査に伴う一考察
内容  平成30年西日本豪雨災害で被災した地域,安佐北区,東区および安芸区から搬入された検体69件について11項目の試験を行った。あわせて,災害時と平成29年度平常時,それぞれの検査結果を比較した。災害時,一般細菌を検出する検体が増え,平常時6%の水質基準不適割合が21%に増えた。大腸菌の検出割合は,平常時13%,災害時17%だった。災害時に,TOCは1件,pH値は3件,不適検体があった。味,臭気,色度は,災害時,平常時ともに,不適検体はなかった。濁度は災害時平常時ともに,不適検体は,1件であった。塩化物イオン,硝酸態窒素については,平常時と比較して数値が高いものが多く見受けられた。
 災害時の濁度と大腸菌の関係を調べた。濁度0.1度未満では検出率7%,濁度0.1度以上では検出率39%で,そのうち濁度0.5度以上では検出率50%であった。濁度が上がると,大腸菌の検出率も上がった。

 

生物科学部

学会名 第21回地域保健研究会(第1分科会)
日時 平成31(2019)年2月4日
場所 広島市
発表者 生物科学部 兼重泰弘
演題名 広島市における風しんの発生状況
内容  2018年4月から12月10日までの間に風しん又は麻しんと診断された患者(疑いを含む。)の検体を用いて,風しんウイルスの遺伝子検査及び解析を実施した。11名の患者から風しんウイルスが検出され,うち6名が40~50代の男性であった。また,遺伝子型の分類を行った株のうち,海外輸入例と推察される株を除き,他の株はすべて1Eに分類され,国内で主に報告されている型と一致した。なお,適期とされる期間に採取した検体でもウイルスが検出されないものもあり,検査の精度を上げるためには,咽頭拭い液,尿,血液の3種類の検体で検査を行うことが,非常に重要であると考える。

 

学会名 第21回地域保健研究会(第1分科会)
日時 平成31(2019)年2月4日
場所 広島市
発表者 生物科学部 則常浩太
演題名 急性脳炎・急性弛緩性麻痺及び呼吸器疾患患者からのエンテロウイルスD68型の検出
内容  エンテロウイルスD68型(以下,EV-D68)は主に呼吸器症状を呈する患者から検出されるが,急性弛緩性麻痺(以下,AFP)等の神経症状を呈する患者からの検出も報告されている。当市において,2018年9月に急性脳炎及びAFPの届出があり,両症例から,EV-D68が検出された。また,同時期に呼吸器症状を呈する患者の検体の多くからEV-D68が検出された。VP1領域遺伝子の系統樹解析を行ったところ,2015年以降に当所で検出された株は全てlinege2に属した。また,2018年検出株は系統群A~Cに大別され,急性脳炎及びAFP患者から検出された株は系統群Cに属した。

 

学会名 第32回生活衛生関係業績発表会(兼地域保健研究会第二分科会)
日時 平成31(2019)年2月8日
場所 広島市
発表者 生物科学部 京塚明美
演題名 2018年に食中毒等で分離されたサルモネラ4:i:-菌株の解析
内容  2018年5月散発下痢症患者分離1株,6月集団食中毒事例分離8株,6月散発下痢症患者分離1株のサルモネラ4:i:-について薬剤感受性試験,PFGE法及び非定型ST確認遺伝子検査を行った。その結果,集団食中毒事例分離全株と6月散発下痢症患者分離1株は,同一由来であることが示唆されたが,5月散発患者分離株は,これらとは関連性が低いと考えられた。また,全ての株が,Salmonella thiphimuriumのH抗原の2相が欠落した非定型STと推定された。

ページの先頭へ戻る