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平和記念施設保存・整備方針 第4 平和記念施設の役割と機能

ページ番号:0000009631 更新日:2019年10月21日更新 印刷ページ表示

目次

平和記念施設保存・整備方針 第4 平和記念施設の役割と機能

1.平和記念施設の役割
2.平和記念施設の機能

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1.平和記念施設の役割

(1)平和記念施設の果たすべき役割

被爆後のごく早い時期から、爆心地である中島地区に“原爆死没者を慰霊”し、“世界恒久平和を祈念”するための公園と記念施設を整備しようとする構想が数多く提案されていた。
平和記念公園は、「恒久の平和を誠実に実現しようとする理想の象徴として、広島市を平和記念都市として建設することを目的とする」広島平和記念都市建設法に基づく記念施設として、平和記念資料館などとともに整備され、現在まで、原爆死没者の慰霊と世界平和を祈念するための「聖地」、国際平和文化都市の象徴としての「観光地」、市民の憩いの場である「都市公園」といった多様な役割を果たしてきた。
平和記念公園と平和大通り、平和記念資料館などの平和記念施設は、「被爆の惨禍を後世に伝え、平和について学び・考え・語り合う場、平和を願う世界の市民が集い・憩う場、行動する場」として、その機能を充実させる必要がある。

原爆犠牲者を慰霊し、鎮魂する場 核兵器廃絶と世界恒久平和を祈念する場 被爆の惨禍を後世に伝える場 平和を学び・考え・語り合う場 人々が集い・憩う場、行動する場 国際平和文化都市の象徴

(2)原爆ドームの役割と後世に残すべきもの

(1)原爆ドームとは何か

原爆ドームは、人類史上初めて使用された核兵器の惨禍を伝える「被爆の証人、悲劇の証」としてその形を現在に残す建物であるとともに、核兵器廃絶と世界恒久平和を求める誓いのシンボルとなっている。また、原爆ドームを介して、人々に核兵器の使用が放射能汚染などの地球環境の破壊につながることを想起させることも一つの役割といえる。
特に、被爆後60年が経過し被爆者が減少する中、今後は被爆資料などによる被爆体験の継承のウェイトが高くならざるを得ない。このような状況の中、原爆ドームは被爆体験がない者の想像力を助け、また破壊の様子を説明する糸口となるという点でより重要な意味を持ってくると考えられる。
以下に示すような「被爆の証人、悲劇の証」などの原爆ドームの持つ意義は、現在に生きる私たちが、「原爆ドームを将来の世代に理想的な姿で引き継ぐ」ことにより、伝えていくことができるものである。

被爆の証人、悲劇の証 人類に対する警告、戒め 地球環境破壊への警鐘 慰霊の象徴 平和の象徴 核兵器廃絶の象徴 平和記念公園の構成要素

<世界遺産説明板>

世界遺産原爆ドーム
人類史上最初の原子爆弾による被爆の惨禍を伝える歴史の証人として
また核兵器廃絶と恒久平和を求める誓いのシンボルとして

「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約(世界遺産条約)」に基づき
世界遺産一覧表に記載された
平成8年(1996年)12月7日 広島市

(2)原爆ドームの何を後世に残し伝えていくか

ア.原爆による破壊の惨状を示す物質的・視覚的要素
「原爆ドーム」の名称は、建物の頂上天蓋の残骸が傘状になっている姿から、「いつ頃からともなく、市民の間から誰いうともなく自然に言い出された」と言われている。
原爆ドームの有している後世に残すべき価値・メッセージは、原爆による破壊を象徴するドームの形のみならず、被爆した煉瓦・石材・鉄骨などの材料やそこに残る破壊・焼失の痕跡の一つひとつに存在しており、また、その位置及び姿は、現在の平和記念公園の設計において、その軸線(ビスタ)を構成する最も重要な要素となっている。

元安川側(西側)から見た原爆ドーム
元安川側(西側)から見た原爆ドーム

※原爆ドームの価値・メッセージを構成する物質的・視覚的要素

・オリジナル材建物を構成するレンガ・石材・鉄骨・モルタル塗などの材料・被爆の痕跡旧広島県産業奨励館の被爆による破壊・焼失の痕跡・外観、形状破壊された建物の外観、シルエット
被爆を象徴する「破壊された形状」や呼称の由来となった「建物頂上の傘状の残骸」・景観建物周辺からの景観(柵内や建物上空を含む)、「平和記念公園設計におけるビスタ」・位置原爆ドームの現位置

イ.旧広島県産業奨励館の文化的・精神的な歴史の破壊
被爆前の広島県産業奨励館は、広島の経済の中心であるとともに、文化振興に果たした役割も大きく、川面に映るその姿の美しさは水の都広島の象徴でもあった。そうした人の営みや文化が、一瞬にして破壊されてしまった歴史を原爆ドームは伝えている。

ウ.保存・世界遺産化を実現してきた平和を願う人々の思いや歴史
戦後、原爆ドームの存廃が議論された中、保存を決め、募金により保存工事を実施してきたこと、また、署名活動等により世界遺産化を実現させてきたことなど、平和を願う人々の思いやその足跡を原爆ドームは伝えている。

2.平和記念施設の機能

平和記念公園は単に「聖地」、「原爆犠牲者の慰霊・鎮魂の場」であるだけでなく、各平和記念施設やその周辺区域を含め、「被爆の惨禍を学び、平和を考える場」、また、人々が「集い、憩う場」としての多様な機能を有する場としていく必要がある。
人々が平和記念施設を「訪れ」、被爆の実相を「知り、学び、理解する」とともに、平和について「考え、語り合い」、その結果、人々が「行動する」ことに結びついていくことが必要である。
また、平和記念公園、河岸緑地・平和大通りは、人々が「集い、憩う場、行動する場」であるとともに、魅力ある街づくりの観点から「都市の賑わいの場」としての機能の一部を担っていくことが考えられる。

このページに関するお問い合わせ先

市民局 国際平和推進部 平和推進課 被爆体験継承担当
電話:082-242-7831/Fax:082-242-7452
メールアドレス:peace@city.hiroshima.lg.jp