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2018年02月08日記者会見「平成30年第1回市議会定例会提出案件について」

動画は下記からご覧ください。

(「広島市動画チャンネル(市長記者会見)」のページへジャンプします)<外部リンク>

市からの発表案件

【平成30年第1回市議会定例会提出案件について

<会見録>

市からの発表案件

平成30年第1回市議会定例会提出案件について

市長

 本日、平成30年の第1回市議会定例会の招集告示を行いました。開会は2月15日木曜日です。

今回の定例会には、全会計で総額1兆2,141億円余りの新年度当初予算案を提出します。詳細な内容については、先日、財政当局の方から説明していると思いますので、私の方からは、予算編成の基本的な考え方と注目していただきたい重点施策について、新規事業を中心に説明させていただきます。お手元に用意しています、資料1の「平成30年度広島市当初予算の概要」の10ページ「平成30年度当初予算のポイント」を御覧いただければと思います。

平成30年度の当初予算編成に当たりましては、広島駅周辺の装いが一新されるなど広島のまちづくりが確実に進んでいることが実感できる中で、これまでのまちづくりの基礎・基盤を踏まえつつ、「200万人広島都市圏構想」の下、「人口減少・少子高齢化に打ち克ち、世界に誇れる『まち』の実現に向けてワンステップ駆け上がるための予算」とすることに意を用いました。

「活力にあふれにぎわいのあるまち」の実現に向けては、「ひろしま都心活性化プラン」に沿って「楕円形の都心」の西の核である紙屋町・八丁堀地区の活性化を加速させるため、国の支援が受けられる都市再生緊急整備地域制度を活用した取組やエリアマネジメント活動の支援などを行うとともに、引き続き広島駅南口広場の再整備に取り組みます。

また、広島高速5号線や新交通西風新都線などの交通ネットワークの整備、西広島駅北口地区や西風新都におけるまちづくり、東部地区連続立体交差事業などを着実に進めます。

さらに、中山間地域・島しょ部については、地域住民による主体的なまちづくりの支援を基本に、新たな視点に立った総合的な活性化を図ることで地域コミュニティを再生することとし、農業による定住促進の取組など地域活性化の担い手の確保に重点的に取り組みます。

このほか、広島広域都市圏の市町と連携し、新たに、ICカードを活用した地域共通ポイント制度を導入するとともに、圏域の特産品の紹介や観光情報のPRを行う情報発信拠点を設置することで、ローカル経済圏を構築する取組を一層進めます。

「ワーク・ライフ・バランスのまち」の実現に向けては、自助・共助・公助の適切な組合せによる持続可能な地域福祉を構築するという考え方の下、「地域共生社会」を目指し、新たな計画を策定するなど取組を強化します。

中でも、子育て・高齢者支援を安定的に実施していくために必要となる、保育・介護人材の確保に向けた「ひろしま保育・介護人材応援プロジェクト」について、更なる事業展開を行うこととし、その取組の普及・定着を図っていきます。

また、介護予防・健康増進への活動を促進する「高齢者いきいき活動ポイント事業」について、地域住民の主体的な事業として定着するよう取り組むほか、新たに、外傷の軽症患者を受け入れる夜間救急診療所の整備や、圏域市町と連携して電話による救急医療相談等を行う救急相談センターの設置など、保健・医療・福祉の充実を図ります。

さらに、待機児童対策に引き続き全力で取り組むほか、「広島市教育大綱」に基づき、一人一人の児童生徒が、算数・数学などの確かな学力、異文化への理解に資する英語力、豊かなコミュニケーション能力といった資質・能力を身に付け、将来の可能性を最大限発揮できるよう、個に応じたきめ細かな質の高い教育を推進します。

また、東京オリンピック・パラリンピックを2年後に控え、4月の都市型スポーツの世界大会を始め、女子硬式テニスの世界大会、障害者中心の国際ヨットレース、フィギュアスケートの国際競技大会が広島で開催されます。本市としても、これらのスポーツ大会等の開催を支援し、市民が年間を通じて様々なスポーツに身近に触れる機会を確保するとともに、国内外から多くのスポーツ観戦者を呼び込むことによって、まちの活性化を図ります。

「平和への思いを共有するまち」の実現に向けては、引き続き世界の為政者に被爆地訪問を呼び掛けて「迎える平和」を一層推進するほか、国連で採択された核兵器禁止条約の批准・発効を促進するためにも、平和首長会議の加盟都市の更なる拡大を図っていきます。

また、こうした取組を確実に実施していくために、行政体制の面においては、企画立案業務を重点的に担う職員体制の確保と、実施業務における民間への委託化や非常勤職員の活用を推進します。

このように、限られた財源の中、引き続き事務・事業の見直しに取り組むとともに、効果・効率性の高い行政体制の構築に意を用いながら「選択と集中」を推し進め、広島の将来も展望しつつ、真に求められる施策について、重点的に予算配分しました。

それでは、新年度の予算案において、注目していただきたい重点施策について、市政推進に当たっての基本コンセプトに掲げた三つの要素に沿って、順次説明いたします。

第一の要素は、「活力にあふれにぎわいのあるまち」の実現に向けた取組です。

まず、「都市機能の充実強化」です。

「楕円形の都心づくり」の推進については、広島駅周辺地区について、南口広場の再整備等に向け環境影響評価や魅力ある空間整備の検討を行います。

また、紙屋町・八丁堀地区においても、事業者等によるエリアマネジメント活動の支援などを行い活性化を加速します。

大規模未利用地の活用方策の検討については、広島西飛行場跡地に関し、県と連携して幹線道路などの基盤整備を行うとともに、スポーツ施設を新たに整備するための実施設計に着手します。また、広島大学本部跡地の旧理学部1号館について、引き続き、保存・活用の方針に基づく活用方策の具体化に向けた検討を行います。

また、西広島駅北口地区において、土地区画整理事業に着手し、まちづくりの一層の推進を図るとともに、西風新都の都市づくりを推進するため、梶毛南地区及び善當寺地区において、西風新都環状線の整備を進めます。

さらに、東部地区連続立体交差事業については、昨日の本市、広島県、府中町、海田町の4者での合意を踏まえて、事業の早期実現を図ります。

公共交通については、総合交通戦略の改定に着手するほか、バス利用者の利便性向上などを図るため、再編路線のバス停の上屋や乗継地点の待合施設などの整備に対して補助を行います。

また、新交通西風新都線の整備に向け、予備設計や環境影響評価を実施するとともに、西広島駅や下祇園駅の自由通路の設計を行います。

さらに、広島高速5号線のトンネル工事等の進捗に合わせて、事業を行う広島高速道路公社に対し、出資及び貸付けを行うとともに、関連道路の整備を進めます。

自転車都市づくりの推進については、観光客向けのレンタサイクル事業について、市民の日常利用に適した商業施設などで貸出しや返却ができるようサイクルポートを新設し、市民利用の拡大を目指します。

次に、「産業の振興」については、ものづくり産業の強化の一環として、圏域の中小自動車部品メーカーの開発技術力向上を図るため、産学官等で構成する研究会を設置します。

また、新たに圏域の特産品の紹介や、観光情報のPRなどを行う、情報発信拠点を大型商業施設内に設置するとともに、ICカードを活用した、圏域で利用できる地域共通ポイント制度を導入します。

さらに、中山間地の中小企業の人材確保を図るため、空き家を活用した社宅の整備や、就職説明会への出展等に対する支援を新たに行います。

農林水産業については、魅力ある里山づくりの一環として、地域内の未利用材を薪に加工し、地域内で消費する「小さな循環モデル」を導入するため、薪加工場や薪ボイラーの整備に着手します。

また、新たに、地域主体で取り組む、耕作放棄地の再生・利用活動を支援するとともに、耕作放棄地となった小規模農地の基盤整備を行います。

さらに、魅力ある里海づくりとして、人工の藻場ブロックを試験的に設置し、藻場を再生するためのモデル事業を新たに実施します。

このほか、中央市場について早期の現地建替えに向け、事業手法等の検討を行い、基本計画を策定します。

次に、「観光の振興」については、外国人旅行者等に主要な平和関連施設などの周遊を促すため、スマートフォン用コンテンツの提供や、プロモーションに取り組む、ピースツーリズムを推進します。

また、圏域市町と連携し、「食」をテーマとした観光キャンペーンを実施するとともに、修学旅行生の増加に向けて、関東地方の中学校・高等学校等へ誘致活動に重点的に取り組みます。

さらに、歴史ある西国街道沿いの水辺の魅力を向上させるため、駅前大橋周辺の河岸緑地において、にぎわいづくりイベントを定期的に開催するとともに、京橋川両岸に設置されたオープンカフェ周辺のライトアップに向けて、実施設計を行います。

平和記念公園レストハウスについては、耐震補強や、旧中島地区の歴史資料展示に係る改修工事に着手するとともに、平和記念公園の園路の舗装改修を行います。

また、観光客の利便性を、更に向上させるため、交通結節点である広島バスセンターに、新たに観光案内所を設置します。

このほか、花と緑と音楽の広島づくりの推進として、平成32年に県内一円で開催する全国都市緑化フェアの基本計画及び実施計画を、県や県内市町と連携して策定します。

次に「中山間地域・島しょ部の活性化」については、定住者を呼び込むため、首都圏等で本市の中山間地域の魅力を情報発信するとともに、「ひろしま活力農業」経営者育成事業の応募要件を、就農地域への居住とした上で、新たに実地研修予定地を見学し、就農を体験するツアーを実施します。

また、中山間地域への進出プランを有する事業者の発掘や地域とのマッチングを行うための交流会を新たに開催します。

さらに、地域住民が掘り起こした空き家の物件調査を行い、その活用を支援するとともに、定住者同士の交流会を開催し、定住者のネットワークを形成するなど、地域の協力を得ながら定住者の受入態勢の構築を図ります。

また、新たに、似島臨海少年自然の家の有効活用策の検討や、安佐南区戸山地域と佐伯区湯来地域の交流人口増加につながる連携施策の検討を行います。

さらに、似島と小河内小学校跡施設を中心とした安佐北区小河内地区において地域おこし協力隊を活用した、地域の活性化に取り組むほか、超高速ブロードバンド環境を整備し、平成30年度から順次サービスを開始します。

第二の要素は、「ワーク・ライフ・バランスのまち」の実現に向けた取組です。

 まず、「雇用の促進等」については、保育・介護分野における人材確保・育成を図るため、保育・介護人財サポート事業の利用拡大に取り組むほか、介護が必要な人が地域において安心して暮らしていける体制づくりに向けて、ひろしま介護サポーターの養成や高校生・大学生向けの介護体験事業など新たな事業を展開します。

また、国、圏域の自治体、経済団体等が一体となって、新たに東京・関西圏の学生等を対象としたUIJターンの促進に取り組むとともに、圏域の大学や企業と連携して実施している有給長期インターンシップの対象者に東京・関西圏の大学生も加えます。

次に、「保健・医療・福祉の充実」です。健康寿命の延伸に向けた取組については、がん検診の受診率向上に取り組みます。

また、新たな取組として脳卒中・心不全の再発や慢性腎臓病患者の人工透析への移行を予防するため、看護師等による保健指導を実施するほか、多剤服薬による健康被害を予防するため、掛かりつけ医等への相談を促します。

医療提供体制の充実については、新たに、準夜帯に外傷の軽症患者を受け入れる夜間救急診療所を整備するとともに、圏域市町と連携して、電話による救急医療相談等を行う救急相談センターを設置・運営します。

また、県から本市への権限移譲に伴い、指定難病患者に対する医療費の支給などを行います。

高齢者が安心して暮らせる社会の形成については、まず、地域介護予防拠点や地域高齢者交流サロン等の実施か所を拡大するほか、昨年9月に開始した高齢者いきいき活動ポイント事業が、地域住民の主体的な事業として定着するよう取り組みます。

また、広島市高齢者施策推進プランに基づき、特別養護老人ホームの整備費補助を行い、平成32年度までの3年間で定員380人分の確保を図るとともに、老朽化が進む特別養護老人ホームなどの改築を行う事業者に対する補助制度を創設します。

さらに、認知症患者等の自宅を訪問して必要なサービスに結び付ける「認知症初期集中支援チーム」の設置数の拡大などを行います。

障害者の自立した生活の支援については、障害福祉サービスの利用援助などを行う委託相談支援事業所数を増やすことで、相談支援体制の充実強化を図ります。

また、障害者スポーツの振興を図るため、経済的負担が大きくなる国際大会や全国規模の大会等の参加費用を新たに助成します。

地域福祉の充実については、「地域共生社会」の実現に向けた計画を新たに策定するほか、育児・介護など複合化した課題を包括的に支援するため、住民に身近な相談機関に相談支援員を配置するモデル事業を実施します。

また、市民の寄附を促進し、共助意識を醸成するため、共同募金の活性化等を図る「あったかまちづくり推進プロジェクト」を検討します。

次に、「未来を担う子どもの育成」については、妊婦乳児健康診査や新生児聴覚検査等に係る費用を助成するとともに、発達障害児の早期発見と支援の充実に向け、5歳児モデル健診を実施し、課題や問題点の検証を行います。

また、中学3年生までの子どもの医療費の一部を補助するとともに、養護・療育体制の整備として、児童相談所及びこども療育センターの建替えや、北部こども療育センターの増築整備に取り組みます。

妊娠・出産への支援については、不妊治療に対する助成を行うとともに、妊産婦のニーズに応じた相談や育児技術の習得支援など、妊娠・出産、子育て期にわたる切れ目のない支援を行います。

待機児童対策については、保育園等の整備費補助を行い、平成31年度当初における受入枠を553人分拡大するとともに、待機児童の大部分を占める1・2歳児の受入れを促進するため、保育士を増員して受入増を図る私立保育園等に対して人件費などを新たに補助します。

また、保育士確保対策として、新たに、保育士養成校の学生を対象に、私立保育園等での就職体験や若手保育士との交流会を実施するとともに、私立保育園等の魅力向上などに資するスマートフォンアプリの導入に係る補助を行います。

子どもの居場所の確保については、新たに、本市が開設する全ての放課後児童クラブにおいて、一定の利用者負担の下で、長期休業中の朝の開設時間を延長するとともに、民間事業者には開設時間延長に係る運営費を補助します。

また、地域の子育て支援拠点やひとり親家庭等居場所づくり事業、学習支援事業の実施場所をそれぞれ拡大します。

さらに、子育て世代が容易に子育て支援情報を得ることができるよう、スマートフォン向けの「ひろしま子育て応援アプリ」を新たに導入・配信します。

教育については、特別研究校を新たに指定し、個別の学習支援が必要な児童生徒に対して、算数・数学に係る補充学習を行い基礎学力の定着を図るとともに、英語力やコミュニケーション能力の向上を図るための効果的な教育方法の開発などに取り組みます。

また、広島みらい創生高等学校が本年4月に開校するほか、児童生徒が急増している広島特別支援学校の校舎増築の設計に着手します。

このほか、いじめに関する総合対策については、学校・家庭・地域社会の連携による「まちぐるみ『教育の絆』プロジェクト」の実施校を拡大するとともに、いじめの早期発見・早期対応に向けた体制強化を図ります。

次に、スポーツの振興については、東京オリンピック・パラリンピックを2年後に控え、メキシコ選手団等の事前合宿の受入れなどに取り組むとともに、広島で開催される様々な国際スポーツ大会の開催支援やその競技大会(会場)の整備を行います。

また、子どもの競技人口の減少率が大きい柔道及び剣道について、競技人口が増えるよう、初心者向けの体験教室を新たに開催します。

文化芸術の振興については、広島交響楽団等による様々なコンサートや市街地でのまちかどコンサートの実施など、市を挙げて「音楽のあふれるまちづくり」に取り組みます。

また、浅野氏の広島城入城400年を迎える平成31年に向けて、記念事業を実施します。

次に、「安全・安心に暮らせる生活環境の整備」については、地域の良好な環境や価値を維持・向上させるための住民・事業者等による主体的な取組であるエリアマネジメントの円滑な導入が図られるよう、新たに全市的なルール作りの検討を行います。

また、安佐市民病院移転後の跡地活用については、地域の代表者等で構成する推進協議会において、引き続き検討を進めます。

災害に強く安心して生活できるまちづくりについては、「防災まちづくり基金」を活用した取組として、新たに、各小学校区の自主防災組織連合会が実施する防災訓練や、自宅で防災行政無線を受信できる民間サービスの利用を支援します。

また、防災拠点を中心とした公共施設の耐震化に取り組みます。

平成26年8月20日豪雨災害からの復興については、復興まちづくりビジョンに基づき、道路や雨水排水施設など防災・減災のための施設整備を進めるとともに、地域の復興まちづくりプランに基づく施設整備や、被災者の生活再建支援に取り組みます。

このほか、持続可能な低炭素都市の実現を目指し、市民・事業者・行政等が一体となって、「脱・温暖化!市民総ぐるみ推進キャンペーン」を実施します。

また、安定的なごみ処理体制を確保するため、恵下埋立地の整備を行うとともに、老朽化した南工場の建替えに向けて基本計画の策定に着手します。

第三の要素は、「平和への思いを共有するまち」の実現に向けた取組についてです。

まず、「核兵器廃絶と世界恒久平和の実現」です。国内外の都市が加盟する平和首長会議を中心に、2020年までの核兵器廃絶に向けた取組を一層推進します。

具体的には、本年4月にスイスのジュネーブ市で開催されるNPT再検討会議第2回準備委員会に出席するとともに、核兵器禁止条約の早期締結を求める署名活動を展開している高校生を派遣します。

また、6月に米国・ボストン市で開催される第86回全米市長会議年次総会に出席します。

次に、「迎える平和」の推進については、比治山公園「平和の丘」基本計画に基づき、民間事業者等と連携した公園管理運営等について検討するとともに、頼山陽文徳殿やまんが図書館などの施設整備を行います。

また、被爆の実相を正しく伝えていくための取組として、平和記念資料館本館の再整備を進めるとともに、原爆ドーム保存事業等基金を活用して、平和首長会議加盟都市の若者が広島で被爆の実相などを学ぶ青少年「平和と交流」支援事業などを実施します。

最後に、「効果的・効率的な行政の推進」についてです。

広島市基本構想及び第5次広島市基本計画について、平成32年度の改定に向け、総合計画審議会や区まちづくり懇談会の運営を行うなど、計画的に改定作業を進めていきます。

また、経済団体・大学・行政で構成する懇話会での意見交換を通じて、広島の拠点性強化や「200万人広島都市圏構想」の実現に向けた検討を引き続き行います。

このほか、厚生部組織の再編に合わせて、各区役所で行っている保健・福祉業務の一部を集約化した事務センターを設置した上で、その業務の委託化を行い、効果・効率性の高い行政体制の構築を図ります。

以上が新年度予算で注目していただきたい重点施策の概要です。

次に、組織・職員数等について説明いたします。

お配りしている資料の一番後ろにあります、「平成30年度組織及び職員配置の見直しについて」を御覧ください。

まず、組織については、社会経済状況の変化に伴う行財政運営に関する新たな課題に持続的に対応するため、企画総務局に行政経営部を設置します。また、「地域共生社会」の実現に向けた取組を推進するため、健康福祉局に地域共生社会推進室を設置します。さらに、高齢者・子ども・障害者等を含めた地域の包括的な支援体制づくりに取り組むとともに、地域における保健師の保健活動の充実を図るため、他の区役所に先駆けて、東区役所の厚生部に地域支えあい課及び福祉課を設置するなどの見直しを行います。

次に、職員数については、中央市場の再整備に向けた検討や、平成32年の全国都市緑化フェア開催に向けた取組の推進などのため、職員を増員する一方、社会経済状況の変化への対応や組織の再編、また、効果・効率性の高い行政経営のため、職員を減員し、小・中学校等の教職員を除き、差引約50人の減員を予定しています。

また、これまで説明いたしました各種施策を着実に推進していくためには、全ての職員にその能力を存分に発揮してもらうことが重要であります。そのため、職員一人一人が「ワーク・ライフ・バランス」を実現できるよう、時間外勤務の縮減やメンタルヘルス対策の充実などに取り組むとともに、女性職員のキャリア形成に係る研修会を実施するなど、職場環境の整備と女性や若手職員の育成に力を入れてまいります。

以上が予算編成等に関しての私のコメントです。よろしくお願いします。

記者

 予算全体、予算書を拝見しますと人口減少・少子高齢化の対策を柱とする予算となっていますが、現状、市の人口を見ますと増えていまして、拡大を続けているわけですが、この、将来を見据えて、今のうちからこれに手を打つと決めたお考えをお聞かせいただきたいのと、特に中長期の取組が求められる都心の活性化というのが一番最初の柱にきていますが、ここに込めた狙いというのも教えていただきたいと思います。よろしくお願いします。

市長

 長期的な視点での判断だと思っていまして、人口減少を言われて久しい中で、全体として減っている。しかし、部分的に見て、広島市や市の周辺の市町が増えているという部分もあるのですけれども。ただ、これもよく見てみますと、伸び率といいますか、伸びる数はだんだん減っています。だから、全体としての傾向が、いずれ我が市にもやってくる可能性が高い。そのときに起こってからでは間に合いませんから、それが起こる前により広い経済圏を設定して、その中での経済活動の、しかも循環型の経済活動の活性化を図ることで、この地域が他の地域より優れて、皆が生活しやすい良い地域ですよということを早め早めに発信する中で、少し広い領域で人口減少などに対応する問題を行政の費用対効果も考えながらやれる仕掛けを今から作っていかなければいけないと、そういう問題意識で組み立てると思っていただければと思うのです。そうすることで、これが完全に問題解消に役立つかどうかということに関してはまだ十分な検証はできていませんが、手を下さないで、あるいは拠点ごとで各町が競っていろいろな施策を展開して、こちらが良いでしょうというような争い方をする行政展開より、地域が一丸となってそれぞれが持っている有効な資産をお互いに活用し、お互い様ですよというエリア設定をできるような、そういう、まず環境、各首長さんの意識、それからそこに住んでいる方々の市民の意識を形成するために、どのような施策がいるかということで、随所にちりばめているというように受け止めていただければと思います。

記者

 JR西広島駅の北口の土地区画整理にいよいよ着手されるということですが、西広島駅自体を自由通路が造られたり、駅の橋上化というものが進んでいくと思うのですが、まち自体がかなりこれから変化というのをすると思うのですが、市長のこの事業に対する思い入れを教えていただければと思います。

市長

 思い入れということは、まあ夢をどんなふうに託しているかということにもつながると思うのですが、皆さん御覧のように、既に広島駅については、南北をつなぐ自由通路ができました。これを造ったことで駅のいわゆる交通結節点としての機能プラス、いわば鉄道で遮断されていたまちの南北をつなぐという、このことについて多くの市民の方は間違いなく利便性を感じておられると思っています。そして今度、西広島の方に同じようなことができればということで今事業展開していますが、これについては、循環型の都市ができないかなということでずっと言っていまして、その延長線上にあります。JRと西風新都を結ぶ(広島)新交通アストラム(ライン)があり、アストラム(ライン)を完全に循環型の交通体系にそれだけでするということは難しいとしても、新白島で結節点ができて、もう一つ西広島の方でアストラム(ライン)とJRをつなぐということが可能になれば、いわばJRと一体になった環状型の交通体系が出来上がると、その上でその駅の南北をつなぐ自由通路ができれば、これは広島の東と西にそういった南北をつなぐ自由な道ができて、旧市街地と西風新都の新しいまちをつなぐ、そういった循環できるようなまちが完成するといいますか、大きなフレームワークができるのではないかという思いです。それと同時に西広島駅の北側は区画整理事業ということで地元の方も、南側も含めてやっていますが、古い町並みをこういった取組をやる中で整理することで、いわば一つの事業展開にいろいろな思いを寄せていわゆる一石三鳥の取組をこの際やっていくことで、地域の活性化にも役立つのではないかと、そんな思いでやっています。

記者

 今もあったように、その都心部、広島駅に続き西広島駅でも区画整理に着手するということで、大型事業がまた続くことになるのですが、片や財政全体を見ると民生費がかなり伸びてきていると、かなり厳しい状況だと思うのですが、その財政健全化という意味、健全な運営という意味では、今年の予算ではどういう点に工夫されたのでしょうか。

市長

 今言われた点を自分なりに整理しますと、年々事業展開していくための、必要予算を確保するという課題とそれらを積み上げて5年、10年、20年長く見たときに市のいわば財政力といいますか、そういったものとの調和といいますか、どういう関係で整理しているのだろうかという御質問に等しいという受止めなのですが、自分自身の予算編成に当たっての大枠の判断なのですが、当初市の予算、特に支出の方を性質別であえて分けてみますと、一般会計の規模が大体6千億(円)でやっています。そのうちの投資的な経費、つまりいろいろなお金をつぎ込むと必ず資産が出来上がっていくといった類いの予算配分がここ近年は大体、全体予算の13%から14%ぐらいです。ですから、6千億からのオーダーからすると800億(円)とか多少前後しますが800(億円)とか1千(億円)の間ぐらい、この投資枠を維持しながら、いろいろな課題をその中にどうはめていくかということでやってきています。一方、いわば社会保障などの経費で、これは福祉サービスに掛かる予算ということで拾い上げますと大体、ほとんどで2千億(円)ぐらいです。この2千億(円)というオーダーがまたどういうオーダーかといいますと、6千億(円)の予算規模の中のいわゆる市民税等で上げてくる税収です。それとまたほとんど一緒です。2千億(円)の税収のうちの固定資産税が7,800(億円)。それから、個人市民税がそれと同額。あとは法人市民税とか、結局、市民税で入ってきているのとほとんど同額が福祉サービスに出ているということです。更に福祉サービスを消費的支出の中で一番大きいのは何かとなると、いわゆる生活保護等の扶助費です。これが、その年々のオーダーで大体1千400億(円)ぐらい出ています。これは着実にというか、いろいろな意味で増える可能性があります。この義務的経費の支出をきちっとやりながら、しかし将来的にまちの活力を落とさない、更に発展させるために必要な公共投資、何がいるかいうことを多くの市民の方に見せ、こんなことをやるのですよ、いるのですよというビジョンを見せながら、今申し上げた出力、投資的な経費大体7,800億(円)で置いていますから、その中にはめ込んでいく。そうするとあとは、プロジェクトをどういうふうに展開していくか、出力は一緒ですからね、いきなり全部やるということは言っていません。順番を追いながら優先度など、皆さんとのコンセンサス形成ができるところから時間を掛けても着実に、しかし夢はお見せするとこういう方向でやりたいのですよと、今の出力の中で確保すると、それをやることで将来を活性化し、今、目減りしかけている税収も落とさないようにする、場合によっては増やすというその希望を託してプロジェクトを紹介し、今ある福祉を確実に実行しながら、必要な事業展開をすると、そんな整理で組み立てていると見ていただけると思います。

記者

 貯金である、財政調整基金が財政運営方針の見込みより下回って、30億円前後ということですが、貯金が少ないことについては、「これはもうしょうがない」というお考えなのでしょうか。

市長

 「これはもうしょうがない」という言い方はしていません。本当に苦労しながらという感じです。財政運営方針を、元々立てた時に貯金をどれくらいにするかというのは、最初の課題でしたが、その当時は、それ以前にあった、いわば緊急事態といいますか、予測しがたい事態で起こった災害などの経費がどれくらい掛かったかということがありましたので、それを踏まえて、当初50億円程度ということでいったのが、財政運営方針に残っています。

 その後、これを掲げながら、貯金の目標ですから高く掲げて間違いないですが、その後、例えば直近の災害、8.20(平成26年8月20日豪雨災害)が起きました。そういったことの経験の中で申しますと、実はその以後、国も全国でいろいろな災害が多発することが、起こることが分かってきまして、結構、国の方も機動的に財源手当をしてくれるというのが、市長になった当初よりかはずっと状況が改善してきています。そういう意味で、以前ほど、そういった災害に備える額を高くしなくても良いのではないかという感触を今、確実に持っているというのが現状です。

 そんな中で、(平成)30年度の見込みを26億円としましたが、これも今まで7年間かけ財政経営をやってきたという観点からいうと、一応、予算を立てても執行残が残ったりすることもあったりすると、この額であれば効率的な予算執行や収納率の向上というようなことをもう一回、この年度を通じてやれば、ある程度、例年度並みの基金が確保できる余地もあるのではないかというぐらいの思いです。

ですから、これで満足しているわけではありませんが、今言った、いろいろな行政努力を積み重ねれば、何とかいける額ではないかという思いでいます。

記者

 先ほどの質問の関連ですが、(平成)28年度から31年度までの財政運営方針を掲げられていて、収支の均衡であるなど、市債残高の抑制を明記されていると思いますが、中期的に見た財政運営方針の進捗状況についての受止めというのは、いかがでしょうか。

市長

 決して、楽だという思いは全然なくて、厳しい状況だと思っています。ただ、今の中で特に重きを置いているのは、貯金の部分を今申し上げたのですが、もう一つは市の借金です。これは先ほど言ったようにビジョンを示して将来的に、このまちが良くなるのですよということを示す公共事業的なものを言っています。それは将来に向けて、良い世界になりますよということを言っているのと同時に、そのときに借金がどんどん膨らむのでは、結局、次の世代が、ここで作り上げた資産の返済にあたるばかりで、次の新しい仕事や世の中を良くするための取組の財源を食いつぶすことになります。

 この借財、借金の方は確実に減らすということは、苦しい中ですがやってきているつもりです。ただ、ここはもう一つ問題がありまして、我が市独自での借金の積上げは相当抑えてきてはいますが、国の方が臨時財政対策債という形で、地方交付税でくれる、現金でくれる分を国も「出せないから」ということで、借金を逆に割り当てて、交付税の一部を、「将来必ず返すから、とりあえず借金してくれ」というのがあって、そちらの方が積み上がってトータルで借金が増えているということです。

 そこのところは国の制度を信用するというか、それに寄りながらやるとすれば、だいぶ努力をしてきているつもりです。そういう意味で、先ほど言ったいろいろな財源を確保する上で、税収を上がらないのを上げる努力とともに、足らざる部分を交付税や公債を発行してやる。しかし発行する公債は安易に伸びないで、むしろ落としながら、その返還した枠の中で一定程度また再利用して、借金すると。こういう枠組みで、苦しいながらも経営努力を続けている、そういう姿だと思います。

記者

 今、市長がおっしゃった、入りの部分、市税収入をいかに増やすのかというところが大事だと思うのですが、個人市民税も、税金以上の部分がアップ分としては多くて、特に法人市民税が、今年度の見込みを元に組むと減少、この辺りどのように増やしていくか、現状というのはどう見てますか。

市長

 法人の方に関しては、国全体でいろいろなところで景気動向がうまくいっているのではないかと思いますが、正にローカルな部分でそれが十分浸透していないという部分もあるかという思いです。

 それは、やはり広島の企業群が、どこの地域も一緒ですが、中小企業という小さな零細企業ですから、その大きな企業がうまく収益を上げ、確保している部分が、系列下の中小企業にはまだ十分きていないということかと思いますが、直ちに、そこの構造をどうこうするということはできないのですが、今、期待しているのは、翌年度に我が市の税収に効果があるのは、とりあえず個人市民税に直結することは、企業が大変だろうけど頑張ってくれて、従業員の給料をちょっと上げることをこの機にやってくれれば、その部分が必ず翌年度税収入にプラスに働くということもありますので、大変かも分かりませんが、企業群がそういった中でも、是非、そこで働く方々への処遇を高めるということを全体で少し長い目で、そういった取組をやってもらうと、事態はもう少し良くなるのではないかという思いがします。

記者

 今おっしゃった、特に中小企業の収益改善の部分で、現場で苦しんでおられるのが人手不足です。なかなか中小企業に人が集まらないというのが、地方都市では大きな課題になっています。その辺りでマッチングであるとか企業への雇用に対する支援も今回組んでいますが、その件に関してはどのように考えてますか。

市長

 この問題も根本的な治療方法を我が基礎自治体として手法を持ってないので非常に悩ましいのですが、いわゆる一般的な経済原則でいうと需要と供給の関係がありまして、その需要面での供給とのバランスをやるときには価格を調整してやるのが経済原理ですが、人手不足が困るというのであれば、その不足をしている企業体がある程度、処遇を良くしてもっと人を呼び寄せるということを、教科書ベースではやるということになります。ところが実際の人を採用しようとする企業群が、今申し上げたようにトータルではだいぶ良くなっているが、まだ中小(企業)のところにその恩恵がいってない。そこで十分な原資を確保できないところで処遇を上げてくれとなると、苦しい、なんとかしてくれっていうのが今の有効求人倍率の問題ですね。

 そうするとそういったときに、中小企業の我慢の仕方ですが、ここもまた経済原理で私が直接どうこうっていうのは難しいですが、こういう中小企業でも伸びる可能性があるとすれば、民間などの金融機関などは、投資をどこにするかということで資金がだぶついていることがある。優良な企業にちゃんと原資を貸して、そしてその中で少し2,3年先を見て業務を改善するということで、処遇改善の契機とトータルの経営改善を図るというのをこの機に、大変な時期だがやるという企業が少しでも増えれば、事態をいいレベルで調整してもらえると思います。それを給料ではないから低い有効求人倍率が大変だと、何とかして一過性の問題解決を図ってくれというやり方をすると、結局チャンスを逃すと思います。だからここで、どこでどういう形で必要な原資を補給して、将来伸びたときにその貸し付けた原資が戻ってくるかというような、伸びる企業、やる企業とそういう原資を持っている金融機関などでうまくコンビネーションを組んでこの難局を乗り切ってもらう。そしてここの方への処遇を少し良くするということで全体のステージアップを図るという、いわばピンチをチャンスに変える状況にあるというようなポジティブな見方もあっていいと思います。ただ具体的な手段は書いていませんので、安易なこと言うなということになるかもしれませんが、でも必ずチャンスだというふうに考えていきたいと思っています。

記者

 改めてなのですが今回の予算編成、松井市政2期目の締めくくりともいえるものになるのかと思うのですが、松井市長御自身が今回の予算案をどう評価されているのかというのを、このポイントなどでおっしゃっているかもしれませんが、改めてお聞きできればと思います。

市長

 同じこと言ったのでは、またね。

記者

 そうですね。例えば短く、「〇〇(まるまる)な予算編成」みたいなキャッチーな言葉で言っていただくと非常にうれしいなと思います。

市長

 最初にいろいろ考えて職員とも相談してやったのはシンプルな言葉ですが、「世界に誇れるまちの実現に向けて」というのが私の市政の大きなスローガンです。今年の戌年にかけて「ワンステップアップ」ということで、ダジャレも入れているつもりです。「ワンステップ駆け上がるための予算」というのでどうでしょうか。いろいろな意味を込めて、三つの柱を立ててそれぞれ同時並行でやる。ベースは、活力・にぎわいをやる、上部構造のワーク・ライフ・バランスをやる。そして広島固有の平和の思いを共有する。それぞれについて一通りやる政策は展開して一定の効果が出ました。それをワンランク上げてみるという最後の予算としてやっていただけないかと。中身に入れば、この地域で市だけではなくて広域の都市圏、循環型の経済(圏)をつくるというベースを構築しながら、その上の上部構造の中では共助の精神です。全体がシュリンク(縮小)する中で競うという要素もいりますが、むしろ助け合う。理解して助け合って、その助け合う範囲を広げた中で自分たちの後期高齢者の方々を助けて、自分たちがやっていく。その思いをうまく平和の思いとつなげると世界恒久平和、核兵器のない世界ということと全く一致するという世界観がこの広島全体に広がるといえなくもないのです。

そういう意味で世界に誇れるまちの実現に向けてのワンステップアップの予算と言っていいかもしれません。

記者

 経済の先行きが不透明になる中で、行政の期待も上がるが、経常収支比率が上がっていくように、新規の事業というのはなかなかやりづらいというのが、どこの、全国でも悩ましい行政の共通の悩みだと思いますが、今回、松井市長が、事業はどこかで区切りを付けなければいけない。その選択と集中をしなければいけないというところで、一番悩まれたところは、どこにあったかというのをあればお伺いしたいのですが。

市長

 悩まれたとこ。いつも悩んでいるから、どれがと…。

 大型なプロジェクトに関して、よく皆さんから言われるのは、いろいろなことをやると申し上げていますから、なかなか決まらないではないかという御意見を頂きます。おっしゃいましたように、私自身は市内全体を見渡して、いろいろな意見がある。こんなことをやれたらなと言われる意見は、すべからく俎上に載せて、「こうやるときにどんな意見がありますか。どう思いますか」ということを、まず、いろいろな意味で確認するために時間を要するということは、多分、まちづくりにとってプラスだと思います。というのは、自分の生命がある間がまちではなく、いなくなってもこのまちは残るわけですから、多くの方が、その後、「まちをこのようにしたい」と言ったときに、こういうまちになったとき、どういう経過があって、どうしてなったのだろうということが、ちゃんと積み上がっていけば、1945年8月6日で1回、廃虚と化したまちのつくりにいろいろな歴史が残っていくと思います。誰かが決めて、いつの間にかというのではなくて、こういう議論をしながら、ここまで、このようになったまちですということ、それから積み上げていく、そして、それ以前の広島だった歴史・文化を持って、ここで、復活させてみたいと思いが出れば、それはできるようにということなので、いつも悩んでいるのは、今言った、過去と未来をつなぐための現時点での選択肢を、どちらにウエイトを置いてやるのが、今の方々にとって納得がいくかということを、いつも悩みながらやっています。抽象的ですがそう思います。あまり過去にこだわってもいけないし、将来こうだと言って夢ばかり言っても、現実離れしてはできない。とすると今やってきた中での、少しずつ延長線にあるということ。目に見える形で延長線をやり、更に実感できないとしても、その先はこんなものですよと言った上で一歩進めるということです。そうすると、それから自分が見て明確にどうも違うのではないかというものについては、今までやってきたのだけどもと言われても、悪いけど、選択と集中で、もうそろそろ、それは矛を収めて、この力をこっちに移してくださいと。そういう事業展開を図れないかという思いです。これは福祉の面で、一つ出しました。高齢者いきいき活動ポイント事業がありますでしょう。過去の高齢者の公共交通費の助成、これ自身、決してそれが悪いって言っているわけではないです。それをトータルな効果、発露を見ていくと、もっと有効活用する方法があるのではないかということで、こちらについて、徐々にシフトダウンしながら、新しいものをやるというやり方で、具体例としてお示ししたつもりです。それはいろいろな事業、類似のことはあります。どこかでぷちっと切って置き換えるのではなく、やっていることの良いところを吸収しながら、更に伸ばすためにどういう工夫をするかということを、やはり更に改良を加えるということを、今実践しているつもりです。

その他の質問

市立中学校での生徒の死亡事案に関するいじめの事実の全容の調査結果について

記者

 五日市観音中学校のいじめの問題で、先日、審議会がいじめの調査結果を公表されました。いじめが長期にわたってエスカレートしていく実態が明らかになったわけなのですが、学校側がいじめと認識していなかったという新たな問題も浮上しています。この点に関して、市長の受止めと、今回の予算に関連した部分もあるとは思うのですが、今後の対策についてお考えをお聞かせください。

市長

 この問題は非常に、何といいますか、個人的にも胸の締めつけられる思いなのですが、調べが進むにつれて、亡くなった生徒さんを傷付けるという状況が長く続いていたということが明らかになってきました。そして、御遺族が学校に何度もお願いをしていたのに、思いが届いていなかったことが分かります。その受け手の方も決して悪意があったとは思いませんが、そういう思いを十分受け止めるだけの状況になっていなかったと思います。そして、国全体でこのいじめなどについて、きちっとやろうということを行い、教育委員会も通じて注意喚起をしていたにもかかわらず、それが十分浸透していなかったという思いです。ですから、非常に事態を重く受け止めてます。二度とこういったことがないようにするための根本的な、あるいは抜本的なやり方をもっと考えなくてはならないという思いを今、非常に強くしています。だからといって、すぐにどうしたらいいかというアイデアがあるわけではないのですが、ただ気持ちは、いじめが起こっているから、それをいわゆる病理現象のように例えて処理するという発想で物事を考えるのではなくて、学校という生活共同体の中でいじめが起こらないようにする。いじめというのは、いじめる生徒といじめられる生徒がいるわけですから、いじめる側の生徒にならない、そういう生徒がいないように、どういう学校にするかという、もっと普遍的といいますか、一般的な状況づくりに力を入れることが大事です。同時に、起こった問題についての対処ももちろん必要です。だけど、もっと根源的なところの問題提起があったのではないかという思いです。そんな中で自分自身は今、少しだけ救われているのは、その問題の起こった学校で、聞くところによると熱意のある教員の先生が中心に、校内での先生と生徒のコミュニケーションをどうしたらよいのか、それから、学校生活の中でいろいろな生徒さんに影響の出てくるようなこと、いわゆる校内文化といいますか、それについて、学校環境をもっと改めた方がいいのではないかということで見直しをする機運といいますか、起き上がってそれをやっている先生がいると報告を受けました。これはとても大事なことだと思うのです。私自身は今、実際に起こったこの問題に関して、審議会にお願いをして、この学校等々の対応についての課題、洗出し、調査をやっていただいています。調査結果についてはしばらく時間が掛かりますが、それまで何もしないということが問題だと思いますので、もちろんそれが出れば、出たことに関しての意見やいろいろな指摘を受けて、万全の体制を講じたいと思いますが、時間がまだ掛かりますので、それまでの間としても、今申し上げたように、学校の中で熱意ある先生が今言ったような取組をされているということを聞きましたので、これを大事にしたいと思います。むしろ、教育委員会に直ちに、こういった先生の取組をどうしたら支援できるか考えてもらいたいと思います。そして、学校のいわゆる文化というものをもう一度、この学校で直せるかどうかチャレンジしてもらって、その良い成果を他の学校にも広げるために、どういうことができるかということもやっていただきたいのです。つまり、同じ生徒間同士でいじめる生徒がいる方が、いじめることがどれほど不幸なことかということをもっと分かってもらって、それをやることのない学校を目指してもらいたいのです。広島の場合は平和教育ということで、きちんと小・中・高と勉強できるという教育環境もあるわけですから、この一個人の行為、対応の問題として、人をいじめるということをしない、そういったことが自分にとって良くないことだということがもっともっと浸透するような、そして、それを生徒と教員が共有できるような学校文化をどのように作るかという視点で考えてもらいたいなという思いです。

※( )は注釈を加えたものです。

関連情報

平成30年度当初予算(概要・主要事業等)

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