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2015年01月29日記者会見「旧広島市民球場跡地の活用について外2件」
動画は下記からご覧ください。
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市政記者クラブからの代表質問
旧広島市民球場跡地の活用について
記者 一つ目の質問ですが、旧市民球場跡地のことで伺います。昨日の特別委員会で報告のあった、(旧市民)球場跡地の活用イメージ案について、市長の率直な御感想をお聞かせください。
市長 昨日の特別委員会で「旧市民球場跡地の(空間づくりの)イメージ」の報告をさせていただきました。これは平成25年3月に公表した活用方策を、具体的にイメージしてもらえるようにということで作業を進めてまいりまして、そのための予算が今年度予算として付いておりまして、その成果を発表するというスケジュールの中で、昨日ようやく特別委員会に報告することができたという位置付けのものでありまして、やるとすればどんなものができるかを、市民の皆さんに分かりやすく見ていただこうということで作成してきた成果だと思っています。
昨日の特別委員会の中で、資料の中身についての理解を深める議論を頂いたと受け止めていますけども、さまざまな意見があるということも一方で分かりました。
そういう意味では、今回の資料は、目に見える形で、やるとすればこんなこともあるんですよということが多くの方に周知できたということで旧市民球場跡地活用方策についての議論を深める一助になったのではないかなと受け止めています。
記者 にぎわいという点で一つ、伺いたいんですけれども、これまで活用策を巡っては経済界からもいろいろとにぎわいの部分で要望が出てきた中での、屋根付きのイベント広場というのは、市長としては、十分集客であったりだとか、にぎわいの部分では人が集まるのか、その辺りどうなると思っていらっしゃるのか伺いたいと思います。
市長 私自身の感想というか、客観的な皆様方の資料または状況判断ということの積み上げで、出てくるものであると思います。ですから、旧市民球場跡地をどうするかという議論をまさにいろんな場面でやっていただいていますので、どの程度にぎわいがあるのかということについても、そういった皆さんの議論の成果を待ちたいと思っています。
いずれにしても、皆さんの議論は、私自身の理解ですと、旧市民球場跡地の活用というものを考えたときに、今言われたように、この地をにぎわいのあるものにしようじゃないかということ、それから場所的なことも十分考慮に入れて、場所的な位置付けをより引き立たせるような使い方がどうしたらできるかという視点でやっていただいていると思いますので、それらの議論の成果を待ちたいと思います。
記者 市長の中では、市として、集客力は十分あるとお考えですか。
市長 その最後の判断については、もう少し皆さんの議論を待ちたいと思います。(にぎわいが)あるかどうかというのは、どれと比較して、という議論だと思いますので、それらの比較作業も今やっていただいていると認識しています。
記者 委員会とか、今後の議会の中で…。
市長 はい。
記者 関連で、ライトスタンドの解体についてなんですが、一部ファンからは反対の声が上がっているようですけど、今後こうした反対の声にどのように対応され理解を求められるのかと、こういった意見を踏まえて、今後、イメージの修正・見直しというのがあり得るかどうかの二点についてお聞かせください。
市長 昨日発表した(旧市民球場跡地の空間づくりの)イメージの中で、今残っていますライト側スタンドを取り壊してはどうかというのが具体的に提示され、現時点でこんなもんですよというのを示した中で、残した方がいいというご意見が出てまいりました。これは、仮に、今進んでいる他の活用方法で考える場合も、やはりそういったご意見が出てくる可能性もありますので、いずれにしても、こういったご意見も踏まえて、旧市民球場跡地の活用方策というのを確定していかなければいけないと思います。
そういう意味では、現時点でどの案が確定しているというわけではありませんから、確定案を絞り込む過程で、市民や関係者の意見を踏まえながらさらに検討を深めると、そういったご意見をどういう形で反映させるかということも含めて、考えていくべき課題があるということが明らかになったと認識しています。
記者 イメージ案は、今後、サッカースタジアムの作業部会の方で候補地が絞られていくときに、具体的にどういうふうに比較検討に用いられるのかなと思いまして…。
市長 昨日のイメージ案とですか。
記者 はい。
市長 そちらはもうすでに、1月半ばくらいに申し上げていますが、県と市と商工会議所の実務者レベルで作業部会を設置して、サッカースタジアムを造るという前提で考えたときに、まず、どこの場所にするかという判断を半年をめどにやっていくと。そして、候補地を絞りこんだときに、どういう事業体でそういった施設を作っていくか、まずそれをやっていただいて、もちろんトップ会談でそれを決めて、その後、1年をかけて具体的な作り方について一定の方向性を出すということにしています。まずこの手続きにしたがって、半年をめどに場所の設定が決まると思います。
それで、その場所がやはり旧市民球場跡地ということになれば、当然、事務作業の過程でだんだん分かってまいりましょうから、そのときに昨日お示しした(旧市民)球場跡地の(空間づくりの)イメージを踏まえながら、どちらがよりいろいろな意味でにぎわい、あるいは平和(記念)公園に近い場所としての機能発揮としてふさわしいかという議論をそこでしていただくことになると思います。
その場合に、決定方法も含めて、もう一回関係者でしっかり協議してやっていくということになろうかと思いますので、現時点で個別具体的なコメントというものは持ち合わせていません。その手続きに従ってやっていこうと思っています。
記者 確認なんですが、例えば作業部会で、(旧市民球場)跡地の方がほぼ有力候補になったとしても、その際に、イメージ案と比較してということになるんですか。
市長 そうですね、考え方としてはそうなると思います。そこに、さらに昨日などに出た、外野のライトスタンドをどうするんだということも加味して議論していくことになるんじゃないでしょうか。そういう問題点があるということが明らかになったと思います。
記者 今の決定方法に関して、以前もお聞きしたときに、旧(市民)球場跡地にサッカースタジアムという案が有力になってきて、かち合うときはまた三者で決定方法を見直すというお話なんですが、旧(市民)球場跡地は市の事業であって、それを県と商工会議所と三者で見直すというのは、何か市民にとって違和感があると思いますが、関係者というのはどういう形でかち合う場合にお話しになるのか、もう少し具体的にお話しいただけないでしょうか。
市長 違和感というのは何が違和感…。
記者 旧(市民)球場跡地の事業は、サッカースタジアムにするか、屋根付きの広場にするかということだと思うんですが、その際に、その決定方法を商工会議所と県と市とで話し合う…。
市長 (話し合う)のがおかしいということですか?
記者 そうですね。
市長 それは、どこがおかしいのでしょうか。市内にある場所ですけれども国有地について、県民、市民そして地元の経済関係者が関心を持っている場所ですから、皆が協議して、皆さんの合意を得ながら事業展開する、その協議がなぜおかしいのでしょうか。皆さんと話し合うことをしてはいけないということですか。
記者 そうではないですよ。
市長 それでやっています。
記者 そのときに、市はどうしたいのかということをまず…。
市長 どうしたいのかということではなくて、協議しながら決めていくものですから。皆さんの合意を得られるようにしております。
記者 ただ、市側の…。
市長 市側といったって、市だって職員が構成し、市民の意見を聞きながらまとめていくセクションですから、皆さんの意見を頂きながら作業しているということです。
記者 仮定の話になるかもしれませんが、もしサッカースタジアム(の候補地)が、旧市民球場跡地が有力になった場合、比較検討すると言われましたが、もし比較検討した際に、こちらのイメージ案の方が良いということになったら、また改めてサッカースタジアムについては検討し直すという形になるのか、それとも同時並行で両方の可能性を考えることになるのでしょうか。
市長 まさにそういうことが起こりますから、三者で改めて協議しなければいけないだろうと。サッカースタジアムを、市の多くの方が望んでいる資産として造っていこうということで協議しておりますし、それで、(旧市民球場)跡地の(空間づくりの)イメージと比較したときに、どちらになるか分かっていませんから、こちらに決まったらサッカースタジアムそのものはどうするんですかということが起こってきますから、そういったものも含めて、トータルで皆で協議していかなければいけないですね。
(サッカースタジアムを)造るための議論をしていたのに、ここの選択肢が漏れたからサッカースタジアムを造らないという議論になるんだろうかというのが疑問です。そうすると、やはりサッカースタジアムを造らなければいけないというんだったら、そのことを踏まえながら、この旧市民球場跡地の活用をよく考えなければいけないという重要な問題ですから、県、市、そして商工会議所、地元関係者の方々とよく協議していこうということです。
そしてその段取り感も改めて議論しないと、全部が中途半端になると思っています。多くの方々の意見をいただきながら、いずれも、いろんな希望をかなえるための具体策を改めて考えることが要りましょうと申し上げたんです。
記者 この問題に絡んでなんですけども、市民の間からも、一方の候補地の宇品地区のまちづくりのビジョンを具体的に示して、分かりやすくちゃんと比較するべきだという話があるんですが、その点についてはいかがでしょうか。
市長 そういったご意見は的を射た意見じゃないかと思います。
記者 それが示されていない…。
市長 誰が示すかは別として、示された方が議論が進むというのは間違いないと思います。
記者 それはこの半年間の間にいつ頃示されるんでしょうか。
市長 皆さんとの議論の中で今進んでいるのではないかと思います。港の管理というのは、主に国・県がやっている部分が多いわけですから、この3者で協議を進める中で、絞込みをする、あるいは他に行くというその議論の進展状況の中で、今言われたような全体像をお示ししないと皆さんが疑心暗鬼になるんじゃないかということですから、改めて申しますが、県・市・商工会議所と関係者の方がトータルに議論する中で、物事を決めていこうとしていると認識しています。
記者 跡地活用に関連して、広島商工会議所ビルの移転というのを前提にして考えていこうとなっていますが、市長としては跡地外に移転するかどうかも含めてまだ確定したものはないと思うんですが、いずれ市としては商工会議所に移転を正式に要請するようなタイミングとかはあるのでしょうか。
市長 旧市民球場跡地の(空間づくりの)イメージを示したときにも、薄い透けたような図で書いておりました。あそこは国有地というところにそれぞれの立場で施設ができていて、それが、皆が合意した案を作るときに、できたら関係者がその施設群を自主的に合意ができれば、自分たちもこうすべきだと、こうしないといけないというような合意形成をしていくのが一番その後の作業段取りに有効だと思っています。
どなたかが決め打ちして、「あなたこうしなさい」という関係に作業がなっていると思っていないんです。同じような立場で双方理解を深めれば、合意ができればいくんじゃないかという立場で今市は考えています。商工会議所もそういったこともある程度ご理解いただきながら、自分たちのまとまりとすれば、できればどなたかの発案で動くというような動機付けが出たほうが、自分たちの議論が進めやすいということだとお聞きしていますが、だからといってその話がなければ、全然動かないという話でもないとお聞きしています。
だから、もう一回言いますが、県・市・商工会議所皆さんが跡地活用についての議論を深める中で、それぞれの合意形成をしていくという手続きを今一所懸命やっているということで了解いただけないかと思います。どなたがリーダー(シップ)をとって、どうこう決めていくというのではない。本当に自分たちのまちを関係者皆で一所懸命考えましょうというスタンスで私はやらしていただいているという認識です。
都市整備局長 市長、一点、商工会議所、その他の民間ビルの土地所有は商工会議所、その他の民間で、そこは国有地ではありません。後は市長のおっしゃるとおりです。
小中学校の統廃合について
記者 小中学校の統廃合について伺います。文科省が19日に公立小中学校の適正規模・配置の基準など考え方を示した手引案を公表されました。これに対する市長の受け止めと今回の手引案の基準ですと、県内というか市内の学校にも統廃合の対象となるところもあると思いますが、今後どのようにされるおつもりでしょうか。
市長 この度、文部科学省が公表した手引きをざっと見てみますと、この手引きそのものは、各自治体が学校の統廃合をするかしないかということを考える際の参考資料だという位置付けで示されているというものなんですが、ただ、特徴があるのは具体的な基準等も提示して示されたということなんです。過去のずっと長い経過を見ますと、これと類似の判断は過去ずっとされているんです。
ところが一点違うのが、具体的な基準を提示した上で、小規模な学校だってメリットがあるんじゃないか、それを活かすということを考えてはどうか。あるいは小規模校のデメリットの解消策とか緩和策という、少し踏み込んだことまで言及されたということが私自身は注目に値する手引きじゃないかなと思います。
それはどういう事かと言うと、どっちかというと今まで学校に関しては、本来は児童・生徒を教育する施設、つまり文科省のラインで見て、それが主目的ということです。そして、適正配置ということを考えるに当たっても、児童の教育環境、教育ということをいかに効果的にやるか、それを中心に据えていた。そこに関係するいろんな問題にも言及していたけど、それを一所懸命考えましょうと言っていたのですが、今回、考慮事項についても具体的な基準を示したということなんです。
これは、直接言及されてはいないですが、思うに今回地方創生といいますか、地域のまちづくりということが国政上の重要課題、喫緊(きっきん)の課題になってきたという中で、そのことと、学校の配置ということについての整合性と言いますか、バランスをとるということにもう少し重きを置いていくべきじゃないかという判断が背景にあるんじゃないかと思うんです。
だから、私とすれば、地域住民にとって、地域のコミュ二ティの中核的な機能を持っている施設、もちろん教育施設ですが、地域にもっといろんな効果、機能を及ぼす施設であるということ、それを地域活性化とか地域創生ということにも重要な役割を果たす施設であるということを文科省の立場でも確認されたという点が、注目すべきところではないかなと思うんです。
そうしますと、今まで教育施設、文科省から示されたその主旨というものを踏まえながら、いろいろな小規模校の在り方について考えてきて、それを整理してきていたわけですが、今後は教育環境の向上という教育課題の側面と、その地域の活性化、地域問題をどのように考えるかということを、少しバランスを取って、両面から今後の学校施設を考えていくという命題をいただいたと思っていまして、これからの学校の統廃合に関しては、今言ったことを頭に置いて、教育委員会でしっかり議論していただくというステージに入ってきたんじゃないかなと思っています。
記者 この手引きで、学級数に応じて速やかに再検討する必要があるという基準が示されたのですが、それで市内の方でも小中学校が対象になるところがあって、山とか島とかに多いんですが、そういう意味で、地域のコミュ二ティを形成するいろいろな機能がある中で、市教委と連携するのですが、市長としては、いつ頃目途にどうしたいとか、具体的な思いというのがありますでしょうか。
市長 まだそのタイムスケジュールは出たばかりなので正直言ってありません。しかし、まさに今言われたように、ざっと調べてみても、学級数6以下の小学校が、全市に26校あります。それから、3学級以下の中学校というのが6校あります。その各校が今言われた都市部、住居地なのかさらに中山間地なのかという地理的なものも加味し、かつその地域内でのこの学校施設の地域との連携、今までの連携とこれからどうすべきかといった今後の見通しもしっかり議論しないといけないと思うんです。
どちらかというと、そこに居住されている方々が、高齢化してお年寄りばかりになって、次の世代、子ども達がいなくなるというのは確実になったから、じゃあ今後生徒数が減っていくから、その上に立って学校施設を(廃校していこう)という一直線の考え方だけでは済まないんです。むしろ、学校という教育の場があることで、そこに若い方々が来て、子育てということを可能にする、あるいはできたという環境があったら、それを起点に、またそこを上手く地域が利用して、その地域にお住まいの方々、もう少し若い層が住めるような学校とその地域そのものを少し組み替えて、多くの若い方を呼べるように、地域づくりをしていくという取組がどの程度可能かどうかということも加味して、その後の学校の在り方を考えると。地域全体の在り方とも関係しながら、その学校の統廃合を深く考えていくということだと思うんです。
今申し上げた抽象的な議論をするための素材とか、方法論もまだ分かっておりませんので、そういった方法論の確定、確立も踏まえながら教育委員会の中で議論していく。そうすると教育委員会のメンバーだけでは足りないかもしれません。他の方々の意見もオブザーバー、あるいは外からいただいて、地域づくりと関連させながら、学校の在り方を考えていただく。そういうもう少し大きな仕掛けを考えていかないといけないかなと思っています。
今言われた、いつまでにどうするというのは、ちょっとまだ考えは及んでいません。でも必ずやらないといけない課題だと思っています。
記者 もう一つこの手引きで、通学の距離は今まで小学校4キロ、中学校6キロという基準があったんですが、時間がおおむね1時間というのが案では示されているのですが、安佐南区の団地の若葉台というところがあるんですが、そこは小学生はバスで行っているんですが、中学生はだいたい4キロ以上歩いて行っていて、だいたい1時間くらいかかっているんじゃないかと思うんですが、そういうところも出てくるかもしれませんが、その辺はどのように受け止めていらっしゃいますか。
市長 今言われた個別の課題についての分析は十分出来ていませんけども、ただ、今段階でやっていますのは、その団地に住んでいる親の年齢層、子どもの推移ですが、そこにおられる子どもが、例えば義務教育課程、小中学校、高校までくらいだったら、9年間くらいまずベースとして動かないだろうというのを見込んで、住民票などからどれくらいおられて、年齢構成に応じて、学年数はどうなるというような、所要の条件を一定にした上での推計という形で取り込み、それに必要となる通学の話です、そういうことを今までやってきていました。
だからそれをもう少し複雑な演算といいますか、やっていく必要があると思うんです。その団地が放っておくと高齢化するというのを、そのままの状態にするのか、そこで高齢化していっても、もっと若い方が入って来られるような施策が10年の間にもし加味されたら、若い子ども達、小学生が維持されるという可能性が出てまいります。そうすると、それにふさわしい通学方法を暫定措置から、場合によっては恒常措置に変えなければいけなくなる。若葉台とか。そんな操作になると思います。
それを今まで縦系列でやっていましたので、横を連関させて、そういった影響があるかどうかということまでやらないで来ていますので、今度の通達などを前提にすれば、その発想方法を少し変えていかないといけないかなということまでは分かります。だけど、今どうすると聞かれると、申し訳ない、方法論までは分かるんですが、具体的なとこまで詰めきれていないということでご了解いただきたいと思います。
子ども・子育て支援新制度について
記者 「子ども・子育て支援新制度」のことで伺います。来年度から「子ども・子育て支援新制度」が始まる予定ですが、これまで2回アンケート等をなさっていらっしゃって、こちらを事業計画にどのように反映されたのかを教えていただけますでしょうか。
市長 この支援制度に係る事業計画の策定を進めていますが、確かに二つほど調査をやっています。一つが、25年9月に実施しましたけど、これは「子育て支援に関するニーズ調査」ということで、ここでは教育・保育施設、あるいは一時預かりなどの事業の利用意向等の調査です。
ですから、施設とか事業の必要量、どれくらいの方が望まれているかというのを調査しました。当然、そういった施設数と預かる児童の数を計上していくための基礎にしました。
もう一つが、25年12月にも調査しましたが、これは「子どもの生活に関する調査」というタイトルでやっていますが、内容は市立の小学校・中学校等で、児童・生徒を抽出しまして、その子ども達が普段過ごす場所、どういったところで過ごしていますかとか、相談等、どのようにして時間を費やしていますかというようなことで、学校での授業を受けた後の時間帯といった生活状況を把握するということでやった調査です。
その調査結果というのは、当然、子どもの遊び場と居場所をどういった形でセットするかとか、子どもがその時期どんな悩みを持っているかとかいうことも出てくれば、その相談を支援する機能強化ですから、それをどこでどう展開するかということです。
そういったことを織り込みまして、本体の事業施設群、そこで何人受け入れるということと、生活時間を通じて、それ以外のところでどんな子ども達の支援ができるかということを織り込んで、今事業計画を作っているという過程で、さらに現在は今言ったようなことを素案としてベースにしながら、市民の意見もさらにいただくということで最終とりまとめに入っているところです。
いずれにしても、27年度からこの事業計画に基づいた子ども・子育て支援施策を総合的に実施していけるような作業をしているという状況にあります。
記者 今回、事業計画を作っている過程で見えてきた市の課題などあれば教えていただきたいのですが。
市長 課題というか、これはこれから間違いなく起こってくるものと思うんですけども、市内の労働力人口をある程度維持、あるいは増やしていくと考えたときに、実は労働力として逆に労働力を欲する側からすると、壮年層の労働力なんですね。そして、男子の労働力だけでは賄えない人口構成となってくると、女性の労働力も重要と。壮年層の女性の労働力というのは、もう一つ、個々の家庭に戻れば子ども達を生み育てるというのが一番大変な時期にかち合う部分と競合するんです。
そうすると、将来の我が国の、あるいは我が市の状況を考えた時に、子ども達を生んで、しっかりした子育てをするという将来に向けての力配分と、現状における労働力、社会参加という形での労働力不足を補うという両面が女性の肩にかかっていて、それを実現していくためには、子達を生みやすい環境、とりわけ子ども達を育てる手間のかかるその時期に、子育てをしながら就業できるようにしようとすれば、子育て支援を行政としても今まで以上に力を入れなければいけない。
そして、一日の働く時間と子どもが就学する時間、その間が完全にどなたも一律になっていればいいですけども、さまざまな就労形態がありますから、多様な子どもの就学時間と家庭生活の間の時間がしっかり埋められるような対策・政策もやっていかなければいけないし、それは企業の方でも可能な限り家庭生活を考えた弾力的な就労方法も提供していただきながら、それでもうまくいかないところは地域全体、行政が一緒になって子ども達を育てる環境を作っていくということだと思います。
それが、象徴的に「待機児童ゼロ作戦」に収れんされるわけですけども、ただそれをやろうとすると、子育ての局面では例えば保育士、子ども達を面倒見る方々の資質と人数、その施設群、いい環境での子育てということが要るわけです。
学校そのものも先生方が丁寧な授業をするための学級編成と、各般に渡ってそれぞれの関係者の量と質を充実させていくということが、いずれの局面でも必要なんです。それを同時並行的にやっていかなければいけないということが今の課題でして、課題が多くある中で、実現できることがステップ・バイ・ステップ(一歩一歩)ということで、やや苛立ちにも似た感じがありますけど、裏返して強力にそういった対策をやっていく、やらなければいけないというのが、わが市の現状・課題だと思っています。
記者 今の課題に対して来年度から新しく取り組むことなどがあれば教えていただきたいのですが。
市長 今年度について、今言った子ども・子育て支援に関しては、必要な施設群をまずしっかり作って頂くために、民間の質を備えた施設群を供給して頂くための必要な支援を講じました。それから、国等がしっかり支援いたしますよという意味での認定制度、一定の基準を満たす施設群の建設とともに、もう少しがんばれば質の向上が図れる施設群がまだまだありますので、そういったものも一定の質を保つように、それを加速する支援策も講じました。
施設ができればそこで子ども達の面倒を見る保育士を増やしていくということもやらなければいけないんですけども、そういった資質を持った方々が一気にできるわけではないので、学生、そういったところから出てくる方々と就職のマッチングの機会を増やして、資格者を実際に社会に送り込むということ。そして資格を持ちながらも、就労条件が必ずしもご本人達の望みにかなうものではないということで他の職業に就く、あるいは当該職業から離れているような方をもう一回、就労条件を高めながら近付けていくということをやり始めましたので、それを継続していく、より充実したものにしていくということが要ると思います。
それは、今年度末までに待機児童ゼロということを目指して一定の政策を講じますから、その成果を見て、引き続きやるべき部分を検証して、対策を講じていきたいと思っています。
その他の質問
危機管理組織について
記者 市の危機管理組織の見直しについて伺います。先日の全員協議会の中でも担当課から説明があったと思うんですが、新年度から、現在消防局に作られている危機管理部署が市長直轄への移管が検討されていることについて、改めて新体制の狙いと、今回の災害で現状の危機管理部署での課題・問題点、どういった点が浮き彫りになったか、市長のお考えをお聞かせください。
市長 この度の災害対応に関しましては、今までの体制の中で私はできる限りのことをまずやるということでやらせていただきました。したがって、作業を進めている過程の中で、ここが不十分ではないか、問題があるんじゃないかというご指摘を多々受けまして、それは次にやるときの重要な検討課題というご指摘だと受け止めでやってまいりました。ご指摘いただいたことを私自身は否定してきたつもりはないんです。今の体制でやり抜かなければ、ここで物事を変えることはすぐにできないという現状認識でした。
したがって、頂いたさまざまな問題点を今の段階で整理すれば、気象情報等の収集・分析という作業と、災害対策本部の設置・運営業務が確かに一時期にひとつの部署に集中したということがあったと思います。元々そういう組織にしていましたから当然の結果であると。それと、消防局がやるべき本来の業務、消防活動、これに加えて災害対策本部の事務局、いろいろな調整をする業務、これも集中したということで、過度な負担があったというご指摘もあった。これも間違いではなかったということになろうかと思います。
そうすると、これを挙げて、組織上の問題・課題という受け止めでここを整理しなければいけないということになりました。その際は広く捉えて、危機管理部門の組織体制、途中でご意見を受けたときにシステムをどうするかという考えが先ですと、まず仕掛けをどうするか考えて、それを満たすような組織を考える。そういう手順で考えました。結果、危機管理部門の組織体制をきちんとさせていくということになったかと思うんです。
そういった受け止めをする準備をした中で、改めて避難対策等検証部会でのご意見を整理しますと、まず災害発生の予測の精度を高める仕組みが要るんじゃないか、これが一つの課題です。もう一つは災害が発生したときに住民が自らが的確に行動できる情報の提供、この仕組みも要る。もう一つは、組織内の情報の共有を図って、連絡体制も確立する、これも要りましょう。さらには、消防局が本来の活動である消火や救助活動の初動に専念できるようにするということも要る、これもそのとおりです。
もう一つ、より重要なことは、災害予防対策、起こらないような全庁的な調整を別途やっていかなければいけないという整理もありました。それをやるに当たっては、わが市役所のみならず、県警、自衛隊、関係機関との緊密な連携を取っておいて、もちろん備えておくんですけども、何か起こったときに直ちに動ける体制も要るということでした。
それが完全に全てではありませんが、大きくいうとそんなこと、それらを満足するようなシステムを考える。そのための組織の在り方ということで考えてまいりましたところ、一定の機能を市長事務部局に移管する、持って来る方が連絡調整ということに優れているんじゃないかというところまで判断がやってまいりました。
それに合わせて今詰めの作業をしておりますけども、27年度の当初予算と合わせて、具体的な組織体制図を議会にお諮りする状況になっています。今申し上げたようなことを満たせるような組織にするという整理です。
記者 現状では危機管理監は副市長が兼務されていると思うんですけども、組織の見直し、新体制の中での位置付けとしては専任になるような…。
市長 私自身、今まで副市長にこれを担当していただいたのは、今までの組織論からすると、それ自身は決して間違ったこととは思っていません。まずもって災害予防に関連する事業を所管しておりました道路交通局、下水道局、これを見るという立場。それからもう一つは、初動対応と危機管理を対応する消防局、この局も担任するということで、そのまとめ役として副市長に、危機管理監を充てていたわけです。これは今までの話です。
先ほど申し上げたようなシステムを構築するような組織改正を行いますから、より機動的に動けるようにするために、管理部門を市長事務部局という組織に下ろすわけですから、離れた組織で副市長を置いていたのを、ここに近付けて、もっと強化するための役割というものを考え直してもいいというようになっていると思うんです。
事務局の部門をまとめる方を置くということで、もっと機動的にという感じになっています。その辺も、先ほど申し上げた27年度の当初予算とワンセットで組織図をお示しできると思っています。
※ ( )は注釈を加えたものです。