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2012年12月19日記者会見「「広島おもてなしパス」の導入について外1件」
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市からの発表案件
「広島おもてなしパス」の導入について
市長 最初に「おもてなしの観光」について、二つの事業のうち一つ目からお話させていただきます。
まず「広島おもてなしパス」についてです。お手元に資料を配付しておりますので御覧いただければと思いますが、市内に宿泊する観光客に対して、サービスの向上という視点から、「路面電車フリーパス」と、「優待券」をセットにした「広島おもてなしパス」を、平成25年1月から導入するということになりました。
フリーパスの方は、路面電車を中心としたサービス提供ですけれど、このフリーパスと優待券を組み合わせた取組は、本市を訪れる観光客の方、(広島)滞在中の利便性を向上させながら、そういうことに「ありがたいな」と思う方がなるべく滞在期間を長くしていただけるように、そして、観光関連産業もいろんな利用客が出て、結果として振興を図ることができるというふうになればいいなということを狙ってやったものです。
名称として、「おもてなし」と言いましたのも、どちらかというと日本語で「おもてなしパス」としまして、略称が「ホップ」ですね。広島の「H」と、おもてなしの「O」とパスの「P」を足して「HOP」(パネルを提示しながら)、こういうことで「広島おもてなしパス」としています。
「Please enjoy our city hiroshima(広島を堪能してください)」、こんなことでやってまして、この英語名称の方は外国人の観光客の方に「おもてなし」という言葉と一致させるといいますか、日本語で理解してもらうというか、感じてもらうようにということをやったものです。
このパスを購入していただいた宿泊客は、路面電車については乗り放題、もちろん有効期間がありますけれど、乗り放題ということにしていまして、それから「優待券」の方は観光施設や飲食店の利用時に、割引などの特典が得られるようにということで、セットにした仕掛けです。
資料の2ページを見ていただくと、分かるようになっていますけれど、市内の21の店舗、ホテルとか旅館でこのパスを発券できるようにしています。
そして、特典を使って利用できる観光施設として、広島城とか現代美術館、県立美術館、ひろしま美術館、縮景園などの10の施設と、飲食店に関しては、お好み焼、瀬戸内料理、ラウンジ・スタンドバー、水辺のオープンカフェなど60店舗という店舗がこの券の利用対象となっています。
これらを取り扱うホテル・旅館、観光施設、飲食店を今後とも拡大させるつもりでいますが、とりあえずこれでスタートさせるということにしています。
フリーパスも、広島電鉄と一緒になって「路面電車フリーパス」ということでやっていますが、今後、路面電車以外の交通機関も取り込んでいく、関係機関と協議してフリーパスのエリアを広げることも視野においてやっていきたいというふうにしています。これが1点目のおもてなし観光の事業です。
「トラベルパル・インターナショナル」の開設について
市長 もう1つが「トラベルパル・インターナショナル」ということです。これは、インターナショナルということでお分かりいただけると思うんですけれど、外国人旅行者向けの街角観光案内所を開設したいと考えています。
お手元の資料にもあると思うんですけれど、(今年)9月に、日本人旅行者向けの街角観光案内所「トラベルパル」ということで、日本語的に言ったら「旅の友」ですね、「旅友(たびとも)」です。これを開設したところですが、このたび外国人旅行者に向けて、中国運輸局とも一緒にさせていただいたんですけれど、その中で、とりわけ訪日外国人旅行者受入環境整備事業を国の方でやっておられて、その一環として位置付けが得られて、観光案内所を作っていくことにしたものです。
当然ここでは、広島を訪れる外国人の方が必要とする情報を手軽に入手できるようにしますし、その際身近なニーズ、例えば休憩したいとかトイレを使いたいということがありましょうから、そういうことも対応できるようにすることで、広島滞在時の利便性の向上を図り、広島もなかなかいいじゃないかという旅行客が増えていくことを目的にしています。
名前については、親しい友ということで「パル」、旅行ということで「トラベル」で、日本国内版をやったのと共通のコンセプト(概念)ですので、外国人版ということで「インターナショナル」というのをつけました。
これをお店の入り口に貼っていただいて、ステッカー(パネルを掲示しながら)、これがお店に貼られていれば「トラベルパル」の店ですよということが分かるようにしています。
日本人客向けがこちらで、同じ図柄で色違いということ、あとインターナショナルが入っているかどうかということですけれど、・・・
記者 市長、顔がちょっと見えないので、顔が見えるように・・・
市長 あ、私の顔?(顔が見えるようにパネルを掲示しながら)これを見ていただいて、この両方のマークをしっかり宣伝していただきたいんです。けっこう市もしゃれたことするじゃないかと言っていただく、そうはいかんかな?
これは当然、こういったことを掲げる施設が多ければ多いほどいいんですが、スタートは22の施設を認定して、今月21日からインターナショナルの方を開設させていただきたいと。関係者のご理解が得られれば、利用がはかどれば、もっともっと自分たちもという施設が出てくると思いますので、こういうお店が市内の随所にあるという状況になればいいなと思っています。
それと、実際にこういった施設がおもてなしをきちっとする、外国人対応のスキルアップをしていただくということもいるので、「トラベルパル・インターナショナルネットワーク推進協議会」というものをつくり、施設間の情報交換、さまざまな連携を図るということも同時にやりながら中身の充実も図ることをやっていくことにしました。
今申し上げました二つのおもてなしの取り組みです。小さな一歩ですけれど、こういった取り組みを進めることで市全体としておもてなしをしっかりやっていこうという機運を醸成していきたいと考えていますので、報道機関の方でもよろしく周知をお願い申し上げます。以上2点のお願いというか報告です。以上です。
記者 市長は観光振興には力を入れたいということは就任当初からずっと言われていると思うんですけれど、現状の市のおもてなしというか広島市全体の観光のおもてなしということに関してはどういう認識を持ってらっしゃいますか。
市長 おもてなしをするための基本的な素材というか資源は、私は十分あると思うんです。それを演出する方法、それが必ずしも行きわたってないんじゃないかと思ったわけです。
広島にずっと住んでる方は、そういういろんな施設、いわゆる観光資源があっても身近に見てますから、何てことはない普通のものだという感じで、どこに何があってどういう状況だと知っているからわざわざ言わなくても当然だし、それを自慢たらしく言うのもどうかなという、ある意味で謙虚な態度が外から来た方々にとっては、広島はどうもパッとしないんじゃないかとか、そう受け取られているんじゃないかと思いますので、逆に、自分たちのいいところは、誇大広告はいけませんけれど、正確に知りたい方々にきちっと情報を提供できるようにする、こうなってますよとか。
そして、外から来た方々が、ここに行きたい、これはどんなもんだろうということを思われたときに、きちっと説明できるような、ソフトの部分についての取り組みをやれば、相当、埋もれた資産というか観光資源も掘り起こせるんじゃないかと思っていまして、そのための対応策としてこういうことを考えたというものです。
記者 これが一歩になるわけですけれど、具体的に。ある程度、ゴールはないのかもしれませんけれど、ここまで高めていきたいなというところは。
市長 これは、公約ということで、数字の約束をするのは基本的に好きじゃないと申し上げている中で、唯一数字を出しているもので、年間一千万人くらい広島に来られる方がいるので、最終的にはその2割アップを図る、それに結びつく対応になってるんじゃないかなと思っています。
記者 外国人30万・・・
市長 30万人ですね。倍にはしたいと申し上げましたから、それにつながる対応策ということで見ていただければと思います。
記者 そこを目標にしている?
市長 はい。
記者 もう1点なんですけれど、「おもてなしパス」のボードですけれど、それを横に持ちつつ、もう1回こう、顔が見えるように・・・。
市長 あ、顔が見えるように?(顔が見えるようにパネルを掲示しながら)はいじゃあこれで。こういうパスを発券する施設には、(お知らせを掲示しながら)こういうのをカウンターに置いてもらうようにするんですよ。
これはちっちゃいけれど、大きく撮っておいてください。これが表示されたものがありまして、「HOP」で、ホップ・ステップ・ジャンプの「ホップ」みたいに跳ねるという感じもありまして、これから頑張るぞという気持ちも込めていますので、その辺もうまく書いてください。
その他の質問
サッカー専用スタジアムの建設について
記者 先日、日曜日にサンフレッチェの優勝報告会がありまして、市長も参加されてましたけれども、大変盛り上がる中で、知事がサッカースタジアム建設に関して協力の意向と言えるような発言をされました。深山会頭もそれに準じた発言をされました。市長もその中で発言をされました。
あの、一丸になることがまず大事だとずっと言ってこられたと思うのですが、こういった発言が相次いだことについてはどうお感じになってるのでしょうか。
市長 非常に良い傾向じゃないかと思います。みんなが一緒の気持ちになれているということの、証拠というか、結果じゃないかなと思っています。
記者 知事の方も、その後の記者からの質問に答えて、市長と後で話もしてみたいと。あるいは昨日の商工会議所の深山会頭も、市長にまあ市にリーダーシップをとってほしいというような発言もされておりました。市長としてはどう動かれますか。
市長 今言っていただいた、県、知事を含めて県当局、それから商工会議所を中心とする経済界の方々、それと我々と、もう一つはサンフレッチェのファンの方とか、サンフレッチェ自身ですかね、会社。そういったところが、ぜひスタジアムを作って、広島のスポーツ振興を図ろうっていうような気持ちが一丸となってますから、これをしっかり維持できるようにして、そして、スタジアムの建設に向けて、どういう対応をしていくかということを、きちっと整理していかないといけないと思うんです。
気持ちはもう、方向性は出てまいりましたので、それを実現していくための具体的な段取りをどうするかという、少しクールと言いますか、冷静な判断をやっていかないといけないと思ってます。
そういった本当に物事を具体化していくときに、点検・検証しなければいけないテーマとかをきちっと皆で出しあって、誰がどういう役割分担で何をやるかというような、具体的な検討作業というものが次にいると思うんです。
それをやりながら、皆さんの熱意といいますか、一丸となったこのような状況が、サンフレッチェが、知事も言ってましたけれど、勝ったからわっとやろうと、負けたらもういいじゃないかということで、ファン層が離れたりするという状況ですと、仮に県市がいろんな過程で公的な支援をしながら、施設群を作っても、運営上その施設群が十分採算とれないと言いますか、うまくいかない状況になれば、逆の意味で、盛り上がったときはいいですけれど、落ち込んだ時に、なんて無駄な投資をしたんだろうということになったりしてはいけませんから、そういう先を睨んで、つまり今後のスタジアムの安定的な運営とか、最初申し上げた、本市におけるスポーツ振興にプラスに働くようにするために、どういった対応、施設がいるかということもしっかり議論を深めないといけないと思うんですね。
そういうことをやるために、どんな体制をとって、どういう段取りでやっていくかということを考えていく状況に入ったんじゃないかなと思います。年を越えれば、そういったことをやるために声掛けをしていく状況が来るんじゃないかなと思っています。
聞くところによりますと、33万集まってます皆さんの声を関係者から県市に届けるということをやるということが予定されているようですから、そういうのを受けて、県、市、商工会議所そういうところを含めて、話し合いを始めていければなと思っています。
記者 30万人の報告が来月わりと早い段階で、1月の早い段階であるということなんですが、その後には、県あるいは経済界との話し合いが始まるというふうに捉えてよろしいですか。
市長 始まるんじゃないでしょうかね。今みたいな状況では。当然やっていくべき状況が来ているのではないかという気がしますけどね。
記者 声掛けをしていくというのは、具体的に何か検討会を作ったり、協議会みたいなものを県や商工会と作る予定に・・・。
市長 そうですね。その辺もお話する中で出てくると思いますけどね。一定の議論をするための体制がいりましょうから。過去の事例等も踏まえながら、どういったものにするかということからまず議論を始める必要があると思うんですけれど。
記者 (検討会に)入るのは市と県と経済界。
市長 関係者をもっと広く入れてもいいんじゃないかと私は思いますけれど。多くの方に先ほど言った役割分担とか、どのようにして考えるかということも広くコンセンサスというか、納得していただくために、可能なかぎり関係者を多く取り込んでやったほうがいいなと思ってます。
記者 声掛けをする状況っていうのは、声掛けっていうのは市長が声掛けをされるということですか。
市長 多分、あ・うんの呼吸で知事も言われるんじゃないでしょうか。
記者 市長と知事があわせて声掛けをするという認識でよろしいですか。
市長 そうですね。深山さんも発議されるかもわからないですね。あの時の雰囲気だとね、みんながやりましょうっていうことを言ってましたからね。
記者 市長からも声掛けをしたいという認識ですか。
市長 そうですね。(署名の報告が)来れば、みんなでやりませんかということは言おうかなと思ってますけどね。
新政権に対する期待及び要望について
記者 先般の衆院選で、自民党政権に今後移ることになりました。それについて市長として率直な受け止めと言いますか、それと、これまで民主党の議員さんと黒い雨の問題に関しても期待をかけてた分も大きいかと思うんですけども、それに対して、政権が変わることでどんな影響が出てくるというように今考えていらっしゃいますでしょうか。
市長 私自身はまだちょっと具体的な影響がどのように出るかは、定かではないというか、自分自身ちょっと想定しかねている部分がありますけれど、少なくともその新政権との連携といいますか、どのようにしてお付き合いしながら市政を運営するかということについてのその基本的なところは現段階でも言えると思います。その辺を紹介したいと思います。
自分自身は市政運営に当たっての基本的な考え方として、三つの柱を立てているのはご承知のとおりだと思います。
まず、「活力とにぎわい」、「ワーク・ライフ・バランス」、「平和への思いの共有」というこの三つの柱を立てて市政を推進しておりますので、これをうまく進めていくために、国政とどのように連携しながらやるかという視点で考えていきたいと思っております。
それをやる具体的な方策の一つの方法論として、広島の広域経済圏を作り上げると。その中でヒト・モノ・カネを循環させるという仕組みを作りながらやると。それがうまく機能していけば、この経済圏が発展がすると。そのように考えていますので、今私が申し上げたのが上手くいくようにするために、国とどう付き合うかという視点で、新政権と連携を深めると言いますか、関係を確立していくということになるかと思います。
ですから、主体はあくまで我が市政の確立を目指して、国の政策といかに連携するかという視点で物事を考えると。これを基本にしたいと思っております。
それが基本姿勢でありますから、例えばという事で、今申し上げた「活力とにぎわい」、「ワーク・ライフ・バランス」、「平和」というような三つのそれぞれのポイントを例示的に申し上げますと、一番最初は経済の問題になりますよね、「活力・にぎわい」ですから。
直近の情報ですと、デフレ脱却・円高是正のための大型補正ということをやるような方向で動いているとお聞きしております。多分これはそういう方向に一歩踏み出すでしょう。
我が市もそういう中で、補正予算というものを大前提にどう我が市の予算を組むかということになるわけですけれど、私自身はそういった大きな流れの中で、少し踏みとどまって、何と言っても厳しい我が市の財政状況という事も考慮しながら、国の大きな政策とどこで接点を持たせるかということを考えていかなければいけないと思っています。
すなわち、今の厳しい財政状況というものが、いかにこれを脱却するかということをやろうとしているわけですから、別の意味で言えば、将来世代の負担を安易に増やすということは慎みたい。
そんな中でぎりぎりどういった景気浮揚策が可能かといった視点で、国から多分補正予算絡みでいろんな補助金とか、こういうのをやってはどうかということがくるかと思いますけど、それを今言った視点でチェックすると。どこを取り込んで、どこを押しとどめて頑張ると、そんな視点で今後政府との関係を確立していきたいと。これが一つ目ですね。
それから、もう一つ大きな話が福祉関係の予算と言いますか、これがあろうと思います。ただこれについては、どうもその民主党政権時代に自公民で合意いたしました、「社会保障と税の一体改革」というのは、多分これ自身着実に進められるんじゃないかなと思っておりますので、これはこの一体改革という中で、出てくる様々なアイデア、政策を我が市政における「ワーク・ライフ・バランス」の実現に資するようにどう取り組むかと、取り組んでいくかという事で、この政府の政策との間合いを取りたいと思っています。
あと、平和行政についてです。これについては、私とすれば、我が市のこの固有の思いであります、核兵器廃絶、世界の恒久平和の実現、これを目指すために、平和の気持ちを醸し出すというか、見ながら、同じように思っていただくために、ぜひとも踏まえるべきは被爆の実相です。こういったことを、為政者がちゃんと受け止めてもらいたいということは、国の内外について一緒ですので、為政者に発信し続けたいと思っています。
ですからこれは、政府がどのような立場で、いろんな政策を進められるとしても、この平和への思いを共有していただきたい。そういうまちであり続けるということについては、いささかもぶれることはありません。ですから、これに沿った立場を発信し続けて、その立場で施策を実行すると。このようにしたいと思っています。それが新政権との基本的な関係になるのではないかと思います。
記者 最後に為政者の方に受け止めていただきたいということなんですが、アメリカとの関係で、昨今も核実験があったばかりなんですけど、新政権では日米関係を強化していくというなかで、やはりそのあたりで、こう日米関係の中でそのアメリカに対して、より強く言ってほしい、言えるんではないかという期待の方が大きいのか、あるいはこう、なし崩し的に安全保障という形でこれまでを容認してしまうような形になるのか、そのあたりどのように期待を持たれているのかと思うんですけれど。
市長 そこは、新政権が外交、経済とか外交とか国政レベルで様々な判断をされて、アメリカとの関係構築を進められるということだと思うんですけれど、私は日本経由でアメリカということではなくて、日本政府の為政者に対してもアメリカ政府の為政者に対しても、それぞれに向けて被爆の実相ということをしっかりと受け止めた上で、外交政策をやっていただきたいと。被爆の実相ということを真に心で受け止めて、広島市民の平和への思いというものを、きちっと受け止められると、おのずと双方で方向性が出てくるのではないかと。
それぞれの国の為政者が、その国民の幸福、平和を願わないということはないはずですね。自らの国民をミゼラブル(みじめ)な状況にするという外交政策はありえないんですね。それを持ちながら、私から言わせればそれを実現するための手段方法論、現実のパワーポリティクス(権力政治)の中で、様々な立場があると思うんですけれど、それを乗り越えて共通の思いをしっかり持っていただくということを強調し続ける中で、そういった現実的な対立面をいくらかでも和らげながらやっていただくと。そのためのコア(中核)と言いますか、であり続けるということをやりたいと思ってます。
記者 簡単に三つあるんですけれども、自公が325議席取った今回の結果についての感想と、二つ目は、市長は自民党、公明党に推薦を受けて市長選は当選されたわけですけども、そういう意味では政権とのつながりというか、パイプというか、そういうものが強まるかなとお感じになられるかどうかということと、三つ目は民主党政権は出先機関の改革を進めていましたけども、そういう中でハローワークの権限移譲というのも進んだ面もあると思うんですけども、この辺りが今後何か影響を受けるかどうかということを簡単に説明いただければ。
市長 選挙結果で多くの議席を占めたということについては、私自身、マスコミ等で言われているような分析をそのまま受け止めている、私自身の格別のコメントはありません。ですから、この小選挙区制という制度がなせるのが、相当部分あるということ。
それと、前政権についてのさまざまな国民の評価も合わさって、こういう結果になったということをそのまま受け止めておりまして、それ以上でも以下でもないと思っています。
そして、新政権との私の選挙のときの応援関係、そういったことでどう受け止めるかということですけれど、私はもちろん応援していただいて市長になったという点で、選挙面でのご支援いただいたこと、これは心から感謝しておりますし、こういった意味での関係は、人間的な関係と言いますかね、そういう人としての感謝という気持ち、そういうのを通じて、しっかり連携したいと思います。
しかし、市政という行政展開を図るに当たっては、何と言っても、市政を推進するための両輪と言いますから、これは市議会というところと我々という中で、正に市の政治と言いますかね、そういったものを踏まえてやらなければいけないわけでありますので、個人的にシンパシー(共感)があるから、全面的に何でもかんでもということにはいかない部分があると思っています。
それは先ほど申し上げた、「活力・にぎわい」、「ワーク・ライフ・バランス」、「平和への思いの共有」という三つの柱を立てていくという行政推進の基本的立場を守りながら、新しい政権とのお付き合いをすると。そしてそれを踏まえて必要な議員の方と話をするということになりましょうからね。そことは分けてやれるんじゃないかと思っています。
それから、もう一つ、正に自分の申し上げた、「活力・にぎわい」、「ワーク・ライフ・バランス」、この2面ですかね、それを実現していくための方法として、何よりも地方分権ということをやらなければいかんと。
つまり、今までは、基礎自治体が福祉についての主たる担い手、そして労働、働くという場面の行政施策は、国・県が主体と、そういった実施主体が分離していた状況を、できればこの基礎自治体に多くの仕事を任してみてくれという考えで、ハローワーク等の問題についても取り組んでいるわけですから、これは政権が変わる変わらないに関係なく、我が市政を推進していくために、この立場で新しい政権にお願いして、今までやってきたことをしっかりやらしてくださいと。とりわけ来年になれば、大臣との協定をして、国の仕事を我が区役所でというようなことを申し上げていますから。これは、しっかり申し上げて、引き続きやると、やらしてくれということで臨みたいと思っています。
「世界に誇れる『まち』の実現に向けた取組」状況について
記者 松井市長が1年前に、「世界に誇れる『まち』」というふうにコンセプトを発表されて、これまでの進捗状況と、成果のあったものとか、印象に残っている取り組みがあれば、教えていただきたいと思います。
市長 一言で言うと「世界に誇れる『まち』」も、先ほど申し上げた、三つの柱をそれぞれ実現するために、いろいろな施策を展開しているわけですけれど、総じて、2年になろうとしていますけれど、この間、自分なりに手応えはあると申し上げたいと思います。
その手応えも、皆様方にとって、すごいな、こんなのができたなと受け止められるものでもないかもしれませんけれど、自分にとりましては、この市政の中でトータルでどういうふうにしていくかということが課題ですので、この手応えというのも、自らがやろうとすることについての基礎・基盤が出来上がりつつあると実感できるから、手応えがあると、こう言えると思っています。
あえて行政を二つに分けて、ハードとソフトに分けて申せば、ハード面では、象徴的に言えば、市内にある大規模な空き地、これらについての取り扱いをどうするかということを、いつの間にか市長が決めて、こういう方向でというやり方でなくて、皆さんに問題点を提示しながら、議論をしていただきながら、一定の方向性を出すという、まず方法論において、私のやり方が少し理解していただけてきているんじゃないかなと思っていまして、皆に問い掛けをしながら大きな方向性を出して、そして改めてそこの時点で自分なりの方向性を示し、具体的な対応をするときに、改めて皆の意見を聞きながらやるということが四つの象徴的な空き地ですね、駅の周辺、球場跡地、西飛行場の跡地、それから広大の本部跡地、こういったところについて、それぞれできつつあると思っています。
それからもう一つ、西風新都の扱いについても議論を進める中で、明確に見直しという方向は出しながら、少しずつ皆さんの意見もいただける状況ができてきています。そういう意味で確実に、前進しているという手応えですね。
ソフト面については、これをやっていくために、区役所に専門の組織を設け、活力を生み出すための事業というようなことも、わざわざ名前を付けたりしてやっていく中で、窓口職員が間違いなく地域の住民の方との話し合いのチャンネル、チャンスを増やして、アイデアを引き出すというような行動が見えるようになりました。
そして具体的な提案もいただき、それに対する援助方法として、助成の仕方、補助の仕方ですね、委託とか、助成金とかいうものについても弾力的な取り扱いができるような工夫をしていくということで、少し踏み出しましたので、これをさらに加速させる中で、地域でのまち起こし、それもやれると。
そしてその地域での展開を図りながら、最初に申し上げた広域都市圏での取り組みを目指すという、その方向性として、近隣の市町との連携も深めるということもやってきています。
西の方でいえば、山口の柳井市から、東でいえば、三原市ぐらいまでも含んで、広域の自治体との話し合いの中で協議を進めて、一定の共同事業をやりましょうということで、最初にできたのが、神楽を中心としたまち起こし(協議会)、そして来年になれば、酒と食ということで、もう一つのテーマでやるということで、一つ一つテーマを掲げ、市の境界線を乗り越えた連携事業をするという実績を深めながら、経済全体ですね、広域的な取り組みをするという足掛かりができたと思っています。
そしてさらには、瀬戸内海を越えて松山市とも連携を深めて、これは観光事業ということで、松山は、再来年あたりは瀬戸内海が日本で最初に国立公園に指定された年ということで80周年を祝うということで、大々的な観光施策を打ち出そうということで、ご相談を受けました。
協力するということもやりましたので、先ほど申し上げましたように、まだ外に向けて、胸を張って「これが成果だ」というものまで行ってないとしても、それが打ち出せる基礎・基盤が確実にできつつあるんじゃないかなと自分は思っています。そういう意味で、最初に申し上げた、手応えがあるという状況です。
未利用地の具体的な方向性について
記者 4大未利用地については、年度末までに、より具体な方向性を示すというのは現在も変わらないということですか。
市長 4大未利用地は、もう少し正確に申し上げますと、駅周辺ですと、二葉の里地区については、来年度中に土地区画整理事業が終わりますから、それを踏まえて次の施設群の誘致をどうするかという議論に着実に入ります。
その先行部隊として、イズミなどは既に進出を決めていただいている。そして高精度放射線治療施設等々ですね、これは県と一緒になってやるということがありますね。
その他残りの部分については、来年6月に国が売却を掛けるという中で、民間の購入が決まっていきますから、そんな中でまちづくりについての市の考え方を提示しながら、やっていくということになりますね。
南口の方につきましては、南口の駅の広場の再生ということについて、JR、広電、我々と、バス、タクシー関係者と今協議を進めていますから、それについての方向性が出ます。そしてそれを踏まえて、現行の路面電車の路線を変えるということについての地域の了解を得るための段取りに入る。
と同時に、Bブロック、Cブロックは今民間の業者が開発していますけれど、27年度の工事竣工ということに向けて着実に手続きは進んでいるという認識ですね。
そして球場跡地については、今の跡地の委員会の中での議論、1月には一定の整理ができると聞いておりますので、その報告を踏まえ、かつ市議会では、いろんな方からさまざまな意見をいただいていますので、それを総合整理して年度末のタイミングで私なりに基本的な整理、考え方を打ち出し、それらを踏まえて、さらに詳細な設計とかという次の段取りに入るという予定になっています。
西飛行場跡地については、県と共同で検討会が立ち上がりました。そこで今整理しております、あそこはスポーツ、レクリエーションという機能もあるし、防災機能もあるし、さらには雇用を生み出すエリアという三つの視点は欠かせないということで提示しておりますから、それらを踏まえて、地元関係者の意見も入れながら、どういう方向で対応していくかということ、この議論が深まるというのが次の段階。
広大の方の跡地は、元々この地が広島の知の拠点といいますかね、教育をリードする拠点でありましたので、そういった思い入れがある地点としての再整備ということを言っておられる。広大なども知の拠点ということを言っておられますから、正にそれを踏まえた上であの地域の民間への売却等も含めながら、再開発していくということです。これは方向性が決まっていますから、あと具体的な段取りをどうするかと。そんな状況じゃないかと思います。
東部地区連続立体交差事業の縮小について
記者 今のにちょっと関連するんですけども、交通問題で一つお聞きしたいんです。東部連立、JRの問題。結構今大きくこの間から縮小に向けての話というか出ておって、県と市の事業ですけども、かなり大きな問題に、東部の住民にとってはなっておりまして、これは今市長がおっしゃったいろんな開発とも絡むんですけども、東部の方で出ている一番大きな声は、二葉山のトンネル反対がようけあるのにやろうとして、で海田の方じゃみなやってくれと言ってるのにやらんじゃないかと。
市長の、県と市の姿勢ですけども、市長が来てから、だいぶんこの事業についての姿勢が変わったと。市長の意思としていわば地元の不満を、僕が言うんじゃないですよ、地元の不満を言うと、生活道路であるJRの連立を後回しにして、広域交通やさっきのおもてなしや外に向かってやる派手な事業は優先するじゃないかと、いうような声も出ておるんです。
市長の都市圏のまちづくりの方向性ですよね、姿勢として、後先をいわば入れ替えるように見えるかの姿勢も・・・
市長 どうかと。
記者 どうかと。それは何かの意思に基づくものなのか。あるいはさっきの近隣市町との友好関係と言うんであれば、かなり丁寧な説明もいるんじゃないかと思うんですけども、それをどうやって得られて、得るように持っていくのかというところを、姿勢としてお聞きしたいんですが。
市長 姿勢ね。姿勢はまっすぐです。今言われたご疑問が確かにあるだろうということを私も想像はつきます。しかし、都市づくりについてどこでも言うべきは、いつも言うんですが、鳥の目と蟻の目ですね、つまり地域住民の方々のいろんな意味での利害、得失と、鳥の目という市域あるいは大きなマクロの視点での寄与度と言いますか、貢献、それらをどうバランスを取っていくかということで私は判断をしていくということでありまして。
今言われたようなところでどうも軸があっち向いたりこっち向いたりしてるんじゃないかと、もし思われてるとすると、私としてはそういう気持ちはないと。今申し上げたマクロ・ミクロの視点で総合勘案して個別に判断していくってことをやらなきゃいかんと、こういうことです。それを貫いているつもりです。
ですから物事を決めた、あるいは決まれば、なぜこう考えてるか、こうなったかということを、やはりきちっと説明するということはやりますので、そこで明らかになるとは思いますが、まだまだ東部連立については、はっきり言って議論の過程です。
ですからこの見直しということをやることを通じて大きな影響が出るということも私なりに知っておりますし、それが同地域に抱えてる問題、どんなものがあるかということを、市長になってこの間いろいろ勉強しましたので、熟知していると言っても差し支えない状況にはあると思うんです。
ですから、この見直しを行うに当たっては、府中町、海田町の意見っていうものを十分に聞きながら、見直しをするというのが基本であります。現段階では言えるのはそこまでなんです。
ただそのときに、意見の聞き方はじゃあどうなんだと、こうなりましょうから、そのときには対話を通じてしっかり協議する中で連携を保ちながら、市の境界線も接している町でありますから、仲良くするっていうか最終的には双方が理解できるような状況をつくるということを忘れてはならないと思ってます。
自分自身も実際に要請活動などを受けて正式に町長さんの話を聞くというようなこともやりながら、また別途町長さん方とお話をするというようなこともやっていますので、そういった機会を通じていろんなチャンネルはあると思ってるんです。
ただ今ここであえて申し上げれば、こういった見直しをする中で、きちっと留意しなければいけない問題点というものを自分なりに整理してるつもりですけれど、一つは地域というものが軌道で今分断されていますからね、一体性を確保されるということが重要だということ。
それから学童とかお年寄りを含めた近隣の住民の方の安全性とか利便性の確保ということがいりますよということが言われてるし、そして多くのこの地域の方々が連立を本当に待ち望んでおられるということも頭に入れてます。
そしてさらには連立があるだろうというようなことを得心して既に立ち退いておられてね、立ち退いたんだからちゃんとやってくれということを言われる住民の方もおられるということも受け止めています。
ですからそれらを十分考慮しながらも、あとはもう一つマクロの問題、どう考えるかということについて県とともに検討を進めるという立場でありますので、こういった問題点とマクロの調和点がどの辺にあるかということを今探ってます。
その結果が出た時にはもちろん、県との協議の中で出てくるわけですけれど、それを県と一緒になって皆さんに説明するという状況も来ます、そこに至るまでの話も十分協議ということを通じながらやっていきたいと思っております。もうしばらくお待ちください。
記者 調和点というのは相当、無理じゃないですか。
市長 無理と言ったって、世の中というのはどこだってこれがいいと言ったら反対という方がいてやらなきゃいかんわけですよ。そして連続立体をやるといいながらここ長い間ほっといた事実をどう捉えるかですよ。
私(が市長)になって急になったわけじゃないんです。今までのそういった議論もちゃんと整理するということもやりますよ。でしょ。
「ひろしま菓子博2013」について
記者 少し気が早いんですが、来年広島の菓子博の開催の年でして、市にとっても一大イベントという事業かと思います。改めて成功へのお気持ち、決意と、イベント菓子博を市の産業振興、観光にどう結びつけていくかご所見をお願いいたします。
市長 菓子博はフラワーフェスティバルとかと連動するような中で企画されてて、目標として80万人の方をお招きして、(約)150億(円)の経済波及効果を想定しながら、関係者の方々一丸となってやっていただいてます。
そして100以上にわたるような企業・関係者が集まってこれをしっかり成功させるという動きが今起こってますし、これを契機にいわば外からの方に対しての広島のこういったもてなしの良さということと、それを仕上げていく中で、中心は菓子を作っている業界の方々、広島の中小企業の中で一定の分野ですけども、そういった方々が協力するという、今後のいわば産業発展の意思疎通を図るいい機会じゃないかと思うんです。
ですから観光産業振興、そしてもてなしというような、多面的に効果の見込める事業でありますから、本市としてもできる限りの協力をして、皆で盛り上げる、成功裏に導くようにしていきたいと思ってます。
この1年の市政運営に対する自己採点について
記者 この1年を振り返りまして、市政運営、自己採点するなら何点をご自身で付けられますか。
市長 あまり点数を付けるのは得意じゃないんですけど、手応えがあるということですので、点数は言わないけど、まあ合格点ということにしてください。皆さん合格点が何点かというのがありましょうからね、まあ60から70ぐらいの間ですか。あえて言えばね。
記者 去年はちなみに70点だったんです。
市長 じゃあ70にしておきましょう。落とすのはちょっと癪だからね。
※ ( )は注釈を加えたものです。