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2012年9月27日記者会見「政府の脱原発依存の方針に対する受け止めについて外2件」
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市政記者クラブからの代表質問
政府の脱原発依存の方針に対する受け止めについて
記者 まず一点目なんですけれど、政府が2030年代に原発ゼロを目指す「革新的エネルギー・環境戦略」の閣議決定を見送りました。市長は平和宣言のなかでも、「脱原発依存」のエネルギー政策を策定するように言われていましたけれど、今どのように受け止められていますか。
市長 あの、今言ったその閣議決定文を非常に短いんですけど読ましていただきますと、自分が読むところ、書きぶりが「今後のエネルギー・環境政策については、『革新的エネルギー・環境戦略』を踏まえて」いろいろあって「最後遂行する。」とこういう表現になっております。
この点についてはかねてから申し上げておりますとおり、エネルギー政策については、国民経済とか国民生活全般、それについての責任を持っております国が考えて決定していくというべきものだと考えておりますけれども、今回はまさに政府、国として責任をもってこの閣議決定が行われたと受け止めております。
したがって、この「革新的エネルギー・環境戦略」(平成24年9月14日エネルギー・環境会議決定)というのを踏まえて、我が国のエネルギー・環境政策を遂行するという方向性を国として打ち出したのではないかなと考えております。
記者 関連して、原発の問題では、同じ中国地方にある島根原発の3号機について建設を容認するということで政府は姿勢を示していますけど、これはその脱原発依存という方針と矛盾するのではないかという指摘もありますが、これについての受けとめはいかがでしょうか。
市長 ここについていろんなご意見があると自分なりに見てますけれど、この閣議決定の文言との照らし合わせでいきますと、先ほど申し上げた戦略、環境戦略、環境会議での決定を踏まえての後に、「国民の理解を得つつ、柔軟性を持って不断の検証と見直しを行いながら」理解を得つつ不断の検証を行いながら「遂行する。」というその文言に照らしてですね、まさにその議論を検討の途上にあると受け止めていいんじゃないかなと思うんですね。
ですけれど、私自身はこの閣議決定で重要なのはですね、「革新的エネルギー・環境戦略」を踏まえて、これがベースにありますからね、これをきちっとやってもらうのが筋じゃないかなと思っています。
オスプレイについて
記者 オスプレイの試験飛行が先週から岩国基地のほうで始まっているんですけれど、こちらについて、沖縄県や地元の岩国市あと広島県、あと廿日市市などの反発の声が出ていますが、市長はこれまで国の対応などを見極めたいということでしたけれど、改めて平和都市広島の市長として、何らかの態度を表明することは検討されていないのでしょうか。
市長 現段階で何らかの対応を表明するということは、現時点ではないと考えています。というのは、このオスプレイについての防衛省と外務省のこの配備についての概要というか文書なども読ましていただき、日米両政府が合意した内容、安全確保策で合意した内容とそしてその日本政府が安全宣言を出したっていうことをベースにこの文章を検証させていただきますと、一定の範囲の合意はしながらやってるということでありまして、この合意内容をやはりきちんと地元の方々に説明すると、分かっていただくように、理解を深めていただくということは当然やり続ける必要はあると思いますが、その対応をしっかりやってくれということが私の現段階の気持ちです。
私自身は、いわば試験飛行そのものについての基本的な考え方は、基礎自治体の長として、広島市民の安全・安心確保の観点でどういったふうにこれを捉えるかということをやりたいと思ってまして、今申し上げたような国の対応状況とか広島県も含めて、県と関係自治体がどのように対応しているかという動向を見ながら、市民生活への影響が本当にあるかどうかをやっぱり見極めると。
そして問題が生じるようであれば、市民の安全・安心を守る立場から国に対して適切な対応を求めるということをやるというのを基本とはしますけど、現段階では申し上げたような日米の行政の合意、そして安全宣言を踏まえながら地元へのしっかりした説明、地元の方々の納得のいくような対応をやってると、やろうとしているということを言ってるわけですから、その点はもう少し見守っていく必要があるのではないかなと思っています。
記者 追加してなんですけれど、今回このオスプレイの試験飛行に対して、防衛省などが関係自治体に説明に赴いたりして、それでもまだ各自治体が反発している状況なんですけど、そういう事前説明の在り方とかそういったものに対して何かこう思われていることはありますか。
市長 具体的にどういう手続きをされてるかはね、直接知ってるわけじゃなくて、今言ったような知り得る範囲での文書で検証してるところですけれど、自治体の市民の方々、関係するね、直結する市民の方々、それをやはり安全・安心の立場で守るべき首長さん、そういった方々が疑心暗鬼になるようなことのないように政府としてきちっと対応すべきだと思っています。個別にちょっと分かりませんけど、基本を守っていただきたいと思います。
記者 今おっしゃった、地元に疑心暗鬼のないようにとおっしゃったんですが、まさにそのそれが今回問題になって、その説明をしたけれど納得してない段階で試験飛行に踏み切ったというところが、今回起きた事象だと思うんですけれども、このことについてはどう思われますか。まさにそういうことが疑心暗鬼を招くことになると思うんですが。
市長 その個別具体的にですね、さっき言ったどちらの判断がより客観的で合理的かというのは、私自身直接に聴取してなくて、今言ったような話とか、マスコミ等の情報でしか知り得ないわけですから、どちらが正しい判断をしてるかというのはちょっと不明な部分があるので、個別のものについての評価は差し控えたいんですけれど、今言われたような事も含めてですね、市民の気持ちを受けてしっかり対応されている首長さん方の評価というかそういったものをきちっとやはり受け止めて、政府っていうのは対応すべきではないかなと思います。
記者 個別の評価をされないとおっしゃったんですが、そういう意味では今回この政府のやり方にまずさはあったというふうに。
市長 そこがまずかったかどうかというのは、ちょっと答えは留保させてください。このこと自身がどうかっていうのが、自分自身検証してないですから自信持って言えるわけではないですから。原則論というか一般論として、首長さん方が市民のためを思ってやっておられるのは間違いないという、同じような立場に立つ人間として考えたときに、その気持ちを受けて一生懸命やっているわけですから、それに沿った納得いくような対応を心掛けるというのはやはり政府の役割だと思ってます。
それがどこまでしっかりされているかどうかという点についての評価ということであれば、今回については十分に検証してないということで、受け止めていただきたいんですね。
新聞などで見ると、合意内容と違う飛行ルートをやってるじゃないかということもどうもあるような書きぶりも見えましたので、それについてこっちが今入手している「MV―22オスプレイの沖縄配備について(概要)」、防衛省と外務省のこの文書で見ますとね、オスプレイの安全性という、2(3)運用に係る安全性というとこに記述があって、「米軍施設・区域周辺における飛行経路について、可能な限り学校や病院を含む人口密集地域上空を避けるよう設定し、可能な限り海上を飛行すること」とこういう文章があるんですね。
多分この可能な限りという文言についての解釈みたいな所が、両当事者でどこまでその合意されてるかということが問題な気がするんです。
そこらへんをあやふやにして、もしやってればこういった問題も生じなくないと。文言としては可能な限りってのは対応してるんですよ。
その次の文でもね、「垂直離着陸モードや転換モードでの飛行について、運用上必要となる場合を除き、」云々と書いてあって、転換モードの時間を可能な限り短くすると。可能な限りというね、誰が見て可能だと判断するかとかね、そういったことが示されずにこういう文書になってるんですけどね、そのへんがいろんな議論を巻き起こしているんじゃないかと思いますので、先ほど申し上げた具体的な評価については、避けたいとこう申し上げたつもりです。
記者 市長はこの件に関しては、当初から問題が生じれば適切な対応を国に求める、見守っていくとずっと繰り返されているんですけど、その問題っていうのは具体的にどのような事を市長は考えられているのですか。
市長 問題と言いますけど、その前に広島市民の安全・安心への影響と申し上げております。普通の問題ではありません。広島市民についての問題と。
記者 広島市民への問題。
市長 飛行機が、オスプレイが飛ぶことについてのその範囲であります。
記者 それはだから、具体的に言うとどういう。
市長 具体的に言うと、例えばこの広島で飛行機が落ちたりするとっていうことでしょうね。
記者 広島市内で。
市長 それは市民の安全・安心に関連するでしょ。そんな意味じゃないでしょうか。具体的にと言われるから例示ですよ。具体的に言うと。
記者 でも落ちてからじゃ遅いですよね。
市長 だからそういう問題が起こるようであればと申し上げたんです。
記者 そういう懸念が生じれば。
市長 懸念という問題が生じるようであれば。
記者 落ちたらということですか。
市長 落ちたらじゃもう起こってるじゃないですか。言ってるとおり受け止めてください。
記者 一昨日、新しい防衛局長がですね、就任のご挨拶に来られたと思うんですけど、そのときは何か口頭でもなにか話を。
市長 これは新任の挨拶で、挨拶に来るのが遅れたんだけど、いろんな問題でバタバタしてたんでっていうことで会いました。その遅れたことについてのお詫びみたいなものですよ。
広島高速5号線二葉山トンネルについて
記者 次の質問は、高速5号線の二葉山トンネルについてです。議会のほうでも焦点になっておりましたけれども、住民からの意見を聴く時期ですとか、あと現時点での事業判断の進捗状況を教えてください。それと前回の説明会では大きな反発があったんですけれど、住民の不安を解消するためにどのようなことを検討されていますか。
市長 まず事業判断の進捗状況については、基本的な判断ポイントと言いますか、従来から申し上げております、市全体の利便性の向上ということと、それから、住民生活の安全確保、不安解消とこの二つの点をどう調和させる結論を出すかという視点で考えているというのは、これは変わっておりません。
そうした中で、住民との話し合いをどうするかということもあるんですけれど、この住民からの話を聴くということを、必ず最終判断までにやるということも変わっておりません。ただそこに至るまでの流れの中でいろんなその自分なりに問題点を整理しようということを今やってるところですけれど、昨日は市議会での5号線に関する決定、決議がなされました。
この決議をざっとこの見させていただきますと、やはりこの決議文の大半の部分を使って、本来の5号線問題の流れをちゃんと説明されて、そして本市の状況と照らしながら高速5号線というものの整理が重要であるとか、期待度が高いというそういうものになっております。
そういう意味で5号線についての評価を記述されながら、一方で議会として、やはり市民の意見を受けとめるという議会の立場をやはりきちっと表現されていて、関係住民の問題意識というものをある意味で代表して記述されているように思います。
すなわち、仮に建設するとしたら、その建設にあたっての安全な工法の採用、十分な事前調査の実施、そして、安全・安心を確保していくということ。それで安全・安心を確保するということをしながら、万が一被害が発生した場合には、しかるべき保障を誠実かつ確実に実施するということを強く求める。こういう流れの文書になっておりますので、これは一つの見解であるというふうに思ってます。ですから、この議会から出た決議につきましては、総合判断をしていく上で、ひとつの判断要素として受け止めていきたいと思っております。
ですから、重ねてスケジュールを申しますと、こういったものをしっかり頭に入れながら、さらにはその安心・安全の確保ということはどのような形で追究できるか、やるとすればですよ、そういったことも検討するということをもう少し深めながら、自分のある程度の整理がついた段階で住民のご意見もきちっと聴いて、決定にいたる最終プロセスでは、知事との協議を踏まえて事業判断するということをやっていきたい。
具体的な日時は今言った作業を、自分なりにいろんな事を考えますので、確定的な事は申せませんけれど、段階をおってやるということは間違いなくやるし、判断の最終についても前々から言っているスケジュールの中でやっていこうと思います。
記者 前から言っているスケジュールの中でということは、年内には判断するということですか。
市長 そういうことですね。やりたいと思います。
記者 先ほど、昨日の決議案の件で関係住民の問題意識を代表して表現しているという決議案について教えてください。これに反対する住民の不満はたくさん・・・
市長 私自身は、反対されている方々の意見というのは、安全なトンネル建設ができるのかということに尽きるんだと思うんですね。いろんなことを言われていますが、そこについて、その安全性の確保ということをしっかり言われていると、反対という表現ではありませんけどね。やるとすれば、こういったことが起こるという意味での捉え方をしているんじゃないかなと思うんです。
反対の理由といいますかね、反対の理由の部分を捉えて記述をされていると思いますよ。そういうふうに受け止めてください。
記者 先ほど、進捗に関して方針はおっしゃったと思いますが、具体的に工法について検討されているとか、不安の懸念を払しょくするための例えば手段はどういったことができるかということを検討されているのかとか、そこまで、もし踏み込んで挙げられるものがあれば、教えていただけないでしょうか。
市長 実際、私の頭の中では、そんな細かいとか、具体的なものまで至っていません。皆さんの、その反対と言われる方の問題意識がどういうところにあって、それを解決する術があるかどうかということ。
そのときに言われたように、具体的な手段がどの程度可能かどうかというのは、いろんな形で点検してもらってそれをもう一遍見て、可能かどうかということをやらないといけないですけど、自分自身が作業していなくて、事務方にいろんな問題に耐えるだけの作業はしてくれということで、今させています。まだ報告は受けておりません。
記者 5号線の関係なんですけど、さっきちょっとスケジュールの話が出ました。12月議会というところも一つのポイントかなとも思うんですが、少なくとも何月にはこうするとか、もう9月も終わりですし、その辺のスケジュールをもうちょっと明確に説明していただいた方が住民に対しての説得材料にもなるんじゃないかとも思うんですが。
市長 それはいろんな要素があって、確定日付はちょっとまだまだ自分として頭に描けていないんですけれど、少なくとも年内にと申し上げたのは、もし何らかの一定の対応をしなきゃいかんとなると、予算措置が要りますね。それは大体来年度予算ということですから、少なくとも2月議会には予算措置をして議会にお諮りすると、それで議会に諮るためのいろんな基礎資料を作るということになります。そうするとそれよりかさかのぼって作業が要りますからね。1月とか12月には作業が要りますね。
記者 12月か1月ですか。
市長 うん、要ります。そうするとその作業量にもよりますけど、そういった逆算していくと、年内に私自身が判断しないと、職員が必要な作業ができないだろうというぐらいのことで、年内にはと申し上げているというのを分かっていただきたいんですね。
その判断もいろんなことをお聴きしながら、住民とのお話をした後でやり、また県知事ともやらなくてはいかんですから、そこのところは、まだきちっとしたスケジュールは決まっていません。
だから少なくとも年内までにやっておかないと、何かやるときに、その後の手続きとして非常にタイトなものになるからというぐらいのところで、年内にはと申し上げていまして、そこで確定日付的なこととか、ちょっと今まさにきついので、まだまだ流動的であるということでご了解いただきたいと思います。
記者 住民の方なんかは、早く話をする機会を設けてくれといったような要請が相次いでいると思うんですが、それについてはどう対応するんですか。
市長 住民の方々は直接私に思いを届けたいという意味で早くとおっしゃっているというのは分からないでもないですけれど、早いから遅いからといって住民の方々が言われる中身が変わるわけではないと私は受け止めているんですね。
自分の今のこの問題の整理の仕方について、ご容赦いただけるなら、ある程度自分の考え方を整理して、お聴きするということにさせていただきたいということで、まだ住民とのお話をセットしていないということです。
だから、早くと言われる気持ちは分からないでもないんですけれど、早いから遅いからといって、住民の言われている方の御主張とか、ポイントは変化するものではないだろうと思っていまして、実際まだ事業に着手していないし、事業判断していないわけですからね。
その辺は、判断していかなくてはいかんという私の頭の整理の手法といいますか、それに少し沿っていただけないかなという気がしています。会うことは会いますし、話は聴きますので、もうしばらく時間をいただきたいと思っています。
記者 あともう一点、8月に受け取られた報告書についても、市長ご自身の検証作業というのは、繰り返しになるのかもしれませんが、どのくらい進んでいるのかをもう一度教えてください。
市長 どのくらいといって、何度か読んでいますからね、段々、報告書の重みなりがずっしりとのしかかっています。どうこうといって検証するといって、外に向けて言えるような検証方法はありませんけれどね。
だけど、今の話からいくと、基本、つまり市全体の利便性の向上という問題と関係住民の方々の安全確保というものをどうバランスをとるかということについて、さまざま思いを巡らしていますけれど、とにかくなかなか大変だなという思いは深まっているのは間違いありません。
記者 住民との話し合いについてなんですが、具体的にいつごろ考えていらっしゃるのかということと、伺っていると、住民と話して何か判断の材料にするというよりは、もう市長の中で考えが決まってからぎりぎりにやられるのか、どうなんでしょうか。
市長 先ほど申し上げたように、具体的な日時は申し上げられないんですけれど、私自身は決めて会うというつもりで言っているんじゃなくて、今いろんな形で、私が直接はお聴きしてませんけれど、文章なりで要望はいただいていますし、マスコミの皆さんを通じての皆さん方の意見というのも、拝聴しておりますので、それらについてどういうふうな対応をするのがいいだろうかというのが、頭の整理をしないで出るわけにはいかないと思っているわけですね。
そういうことでありますので、時間をいただきたいと申し上げているんです。
記者 先ほどのやり取りの中で確認したいんですが、あくまで住民の方から聴いて、それから判断するという流れでいいんですか。
市長 流れはそうです。総合勘案するということもしますから、いろんな方の意見をまず頭に入れて、そして考えて共同責任者である県知事とも協議して決定するというようにしています。
記者 知事との協議もあくまでも事業判断の前に設定するというパターン。
市長 相談してですね。県市が共同出資する公社というところが事業に当たっていますからね、形の上では両者がその公社の後見人ですからね。そういう立場なんですよね。だから相談しなきゃいかん、協議しないといかんと思っています。
記者 今年も残り3カ月しかないんで、そうすると、この秋ぐらいには知事とか住民との協議をやらないと、年内の判断に間に合わないんじゃないかと思うんですが。
市長 先ほど申し上げた年末という、今年中の範囲の中でそれを置いていかないといかんと思っていますから、具体的な範囲の中の話ですから、もう少し時間をいただきたい。順番はそうですから、そんなに1年も2年もかかるという話じゃないですから、ご勘弁いただきたいんです。
記者 先ほどの流れで12月までには判断すると、10月が間もなく来ようとしていますが、その2カ月という期間を知事の協議もあり、住民との対話もあると、その期間自体の長さというは、市長として長いか短いか、十分であるのか、その辺はどう考えていらっしゃいますか。
市長 長いとか、短いとか評価すること自身が頭にないですね。年内に処理しないと、本当の対話はできないと思っていますから。
記者 十分であると。
市長 十分かどうか、そういう期間についての評価はありません。事実として、それだけの範囲でやらなきゃならんと思っているということです。
記者 市長の方向性を決めたいわけではないと、頭の整理に時間がほしいと。非常によく分かるんですけれど、住民側からしたら、それは一体いつになるんだろうということでやきもきするところはあるとは思うんですよ。
それが9月も終わって、10月になりますんで、まだ30日もあるのか、それとももっともっとかかるのか、会うのがいつごろになるんだろうというのがあると思うんですね。
頭の整理というのは、もう1カ月以上かかるようなものなんでしょうか。
市長 だけど、これは3年間もずっとほったらかしていて、処理しきれないですから、私は本当にいろんな意味でしっかり考えたいと思っています。
住民の方々が私に直接その思いを伝えたいという気持ちも、自分としては分かっているつもりです。そこを絶対否定しているものではないということをまずご理解いただきたいんです。
しかしそこで、皆さん方とお会いして、本当にその場で「はいはい」と聴きましたということで別れることを期待されているんでしょうか、そこで言われることについてある程度自分がお答えするということを期待されているんじゃないかと実は思っているんですね。どうでしょうか。
言うだけで会うんだったら、文章でも何でもいいんですよね。それとか顔色見て判断されるということですか。きっと言われることについてのコメントなり、ここと同じですよ、回答を言えとか言われるんじゃないかと思うんです。
そこでどういうふうなお答えをするかということも含めて、ある程度整理しておかないと真摯な対応にならないんじゃないかと思っているということを分かっていただきたいんです。
記者 そうすると、しっかり考えたいと、自分なりの考えを住民に伝えたいと。
市長 伝えるようにすべく今自分なりに考えています。そしてそこで、そういうお答えをして、住民がどう反応されるかということも含めたうえで、それらを総合勘案して、知事とも相談して決定すると申し上げたんです。
まだ、かっちりしたものにしているわけではありません。まだまだ頭の中は、ある意味では柔軟に考えなきゃいかんかという部分があるということも分かっていただくというか、自分なりに理解しながらやっているつもりです。
記者 そういう伺いを聞いていると、早くても11月。
市長 まあ年内に。たぶん住民の方と対話するときに、決めきっているからこうですという話になるとは思っていないんです。いろんな意見を聴いて、こうじゃないかとか、こう思うとかいうことになって、さらにそれについてご意見が出たりして、そういうのを受け止めるかどうかということにもなるんじゃないかという、自分のですよ、想定ですよ、対話ということ言っているわけですからね。
だから、決めてぎりぎりのところで形ばかりでやるという形にはならない。その前に手順を言ってますでしょう。知事との協議があって決める。知事との協議より前だと。知事と協議するのだって、住民とやりとりするその期間。それが前だということの順番は言っているわけですから、それはアポ取りというか、そちらの日程取りとかをしっかりしていないから、確定日付は言えないと。ただ、その順番を踏むということで。
先程言われたように、そんなに長くないと言われれば、そうでしょう。限られた範囲ですから。いいんじゃないでしょうか。まだ足りないですか。もうじき出しますよ。後ろからというか、日程取りが出てくれば、お示ししますから。全然予告なしにやるということはありませんから。もうしばらくください。決めれば言いますよ。今の流れの中でお示しします。
記者 今のお話を聞いていると、しっかり考えたいと。聴いた後もしっかり受け止めたいということを考えたら・・・
市長 言われるように前後1カ月あればいいけど、真ん中と、そういう解釈していただいてもいいし。
記者 解釈します。
市長 どうぞ解釈はお任せします。その辺はもうしばらくすれば、出しますよ。日程も出しますから。今調整しているんで待ってください。
記者 さっき市長のお考えの中でも少しにじませてはいたとは思うんですけれど、実はそもそも住民との対話というのはどういう形で、何をされるのかイメージがわかないということもあると思うんですよね。
それで聴いていると、例えば現地に行って視察するのかとか、地元から話を聴いて、市長は先ほど話を聴いて、はい終わりというふうにはしたくないということをおっしゃっていたと思うんけれども、どこまで踏み込んだ話をされるのか、そういった具体的なものが全く今見えない、それはどうお考えなんでしょうか。
市長 見えませんね。そこもよくよく要望されている方の気持ちなり、どういうふうにされているかをある意味で想像しながら、考えないといかんと思っているわけです。
記者 今は白紙なんですか。
市長 先ほど申し上げましたように、いろんな問題について、相当勉強してきていますから、いろんな要素での判断材料は間違いなく貯まっています。だから、その分だけ悩ましいなと思っています。
そこで住民の方がそれを踏まえて、どういうふうに主張されて、どういうふうに言われるかということですね。その現場を見ろというお話は、現場といってもトンネルの地下が見えるわけじゃないですね。今ある住宅の状況しか分からないんですよ。
そして、一度はボーリング調査をさせてくださいということで言っていたのが、ボーリング調査をさせなくて、今度は議会ではボーリング調査をしなくてやったと、させないと言っていてしないということも議会答弁を通じてされているわけですよ。そういう主張されるような方と会うというときに、自分としてどういう対応をするという心構えでやるかということも、私は十分考えていかなければいかんと思っているわけです。
さまざまな要素がありますから、もう少し、お会いするということはお会いしますので、自分なりの対話というか、やり取りをするための整理をするための時間が欲しいということを申し上げている。分かっていただきたいと思います。
その他の質問
サッカースタジアムの建設要望について
記者 広島市の建設要望が出ていますサッカースタジアムについてお聞きしたいんですけれど。サッカー協会などが20万人の署名を集めたいということでサンフレッチェの選手なども署名活動を始めてます。そうした最近の動きについての市長の見方と、それと市長ご自身は広島市に4万人規模のサッカースタジアムが必要だと思われるのかどうか、そのあたり答えていただきたいんですけれど。
市長 現段階で判断を示すっていうのはちょっとまだいろんな意味で控えたいと思います。ただ前半のサッカースタジアムについての皆さんの動きというかお気持ちというのは非常に熱いものがあるというように受け取ってます。実際サンフレッチェも調子いいですしね、1位を走っているというようなことで、いろんな意味で広島の活力につながるということで、とてもいいことだというように思っているということは大前提になりますが。
そんな中で、建設についての動き、自分なりに実際把握してますのは、先月の初めに県のサッカー協会、それからサンフレッチェ広島、それから後援会の連名で、ポイントは官民一体となったサッカースタジアムの建設推進と、こういう要望書をいただきました。
ですから官民一体ということで、文章読むと官民ですからね、官がしっかりお金出して民がちょっととか、そういうこと考えると民官とかないんですね。そういう、いわば作るとした時のお金の出し方みたいな、とりあえずすぐに問題になるなと思いながら、そして建設となったときに、今言われた規模を含めての判断、留保したいのは、多くの方々を呼び込む施設をこの市に作るというふうにして、その施設群が本当に建設後もいきいきとした施設として動くためには多くの方に来ていただかないといかん。
そうすると市民のみならず、例えば広島県全域から来ていただくとか、海を渡って近くの四国から来ていただくとか、そういうふうにいわゆる観光とは違いますけどスポーツを通じて広島のにぎわいみたいなことも併せて考慮しながら、総合的に考えていくっていうのが方法としてはいいんじゃないかなって思うんですね。
そうするとそういったものとして皆さんが望まれるっていう状況を作っていただくのがいいなっていうようなことを考えながら今の状況を見てみますと、今言ったサッカー協会、サンフレッチェ、後援会、そういったところで今申し上げた官民一体の建設ということで、本市のみならず県にも要望書を出された、商工会議所にも出された、同友会にも出された。そういう意味で気持ちは一緒ですね、皆さんが盛り上げてやろうということを、しっかりやろうというところをされてますから、その方向について私は大いに賛同するものであります。
そして申し上げましたけど、さて建設となったときに具体的にどうするかという次の段取りを頭に浮かべますもので、ちょっと判断留保したんですけれど、重ねて市民のみならず県民とか多くの方がいいなと思うようにすると。
すると県民・市民のいわばスタジアムということになってくるとなると、つい先頃、昨日か、終わった議会でもやりとりご覧になってたと思いますが、いろんな県と市が共同して作る施設についての予算の負担割合について市議会議員の方がどういう意見を言われる方がおられるかということも頭に置かないといかんのですね。
そうするとそういったところの制度設計みたいなこともちらっと意識しながら、皆さんがどうしていただけるとそういう議論も乗り越えて本当にできるかと考えていかなきゃいかんですね。
だから本当に盛り上がってそういう負担について、そっちが全部持たなきゃいかんとか、県の施設だ、市の施設だ、という問題なんだろうかという気もしてて、そこら辺について、もし県民市民という両方の立場を持ってる多くの方がこうだと言っていただければね、議会でいろんな予算をつけていく段取りになったときに、ややこしい、複雑な議論もなく、するっといく可能性が高まるでしょ。そんな動きがあってほしいなというのが現段階での自分の気持ちです。
記者 いろいろ予算割合なども考えてらっしゃるというところも踏まえますと、市長としてはサッカースタジアムを、場所は別にしても、広島市に作るということに前向きな気持ちでいろいろ考えられてるというようにとらえていいんでしょうか。
市長 前向きと言われるとまたあれですけれど。いずれにしてもそういうものを真剣に受け止めてると考えてください。
もしやらなければいけないときには完成までのずっと見渡していろんなハードルがある中でそれをどういうふうにして皆さんでこなしていくかということにも留意しながらやっていかないといかん問題なんで、そこのところはまだ十分に見きれてないわけですから、私はこの段階でいいとか悪いとか言うんじゃなくて、こういうふうにやろうとしたときにこんな問題がありますねということをまずしっかり検証して、それを乗り越えるような皆さまの動きとかいうことを今強く期待しているということであります。
記者 市長ご自身としては、にぎわいのあるまちづくりということを掲げていらっしゃるとなると、サッカースタジアムはそういう役割を果たすと。
市長 果たしうると思っています。客観的に見てですね、そりゃあいいものがあって、先ほども一番初めに申し上げました、サンフレッチェが1位になってるっていうこと自体だって皆さん気持ちいいわけですしね。
その中で、いわば景気という、経済は気の問題ですから、非常に上向いた出来事になる可能性も高いですね。そういう意味ではプラスの材料であることは間違いないと思っています。
教育委員の選任について
記者 昨日も同意されていた教育委員会の教育委員さんが3人新たに変わると思うんですけど。今自殺問題とかですごい教育委員会の役割が重要になってると思うんですけれど、今回この3人を選ばれた狙いとか、基準みたいなものを教えていただければ。
市長 今回の教育委員会の委員の方々の選任は今起こった問題があるからというわけじゃなくて、任期切れといいますか、その時間的な問題の中で起こったものです。
教育委員そのものについては法律に基づいて選任するものでありますから、法律のレベルでまず言えば当然人格が高潔で教育・学術・文化に関しての見識がある方から、とこうなってます。そして配慮事項として年齢とか性別、職業等に著しい偏りがないようにしなさいというぐらいまで、そのような法律の根拠・規定があります。
それを踏まえて、本市が教育委員会の委員の構成をどうしているかということですけれども、今言った法律の規定を踏まえながら、従来からの多様な意見の投影と、それを教育行政に反映できるようにということをやってまして、教育分野の方をまず入れるというのは当然としつつ、その他経済、法曹、医療、心理とかNPO等々の分野の方も配慮して入れるというようなことをやってきているというのが今までの教育委員会委員の人選でありました。
今回もこういったように教育分野はじめ、いろんな分野の方をもって構成するという考え方は変わっておりませんが、今回3人の方が退任の時期が来たということを契機に、よりバランスのとれた構成になるようにということで考慮した結果、退任される委員の分野が、教育が2,教育関係者が2名なんですね、そしてNPOの方が1人ということで3名退任されましたので、今度の再任に当たっては教育分野から1名ということで、以前から減りました。
そして近年人選漏れとなっていたものですから、経済と医療の分野からということもやろうということで、人選した結果、今回の3人となったとご理解いただきたいと思います。
記者 あまりいじめ問題とかそういう状況は関係なく。
市長 それは当然こういった委員の方を選ぶときに先ほどのいわば人格高潔、教育・学術・文化に関しての視点ということでお願いしてますから、こういったいじめ問題にも今度お願いする方々、教育を通じ、あるいは医療・経済という分野でありますか、それぞれの分野と教育委員会の目指す知・徳・体のそういった調和を図るという視点でお持ちの知識なり経験をいかんなく発揮していただくという中でこういったいじめ問題にも対応していただけるんじゃないかなと思っております。
サッカースタジアムの建設要望について
記者 サッカーに関連した質問なんですけど。サッカースタジアムで官民一体となった建設推進ということを言われましたけど、民の一翼を担うであろう広島商工会議所ですけど、昨日会頭が会見で旧広島市民球場がサッカー場にはふさわしくないんじゃないかというような発言をされましたけど、それをどのようにお考えだろうかということと。もうひとつ、商工会議所ビルの移転については市の予定があれば検討したいというようなことだったんですけど、それについてのお考えを。
市長 今の発言、直接じゃないけど、中国新聞で見まして、そういうことを言われたということで。
私は、サッカー球場そのものが問題と言われたんじゃなくて球場跡地にどうかというそこの点だと思うので、それは一つのご意見かなと。場所に関してですよ。サッカースタジアムは先ほどお答えしたようなものですから。市内に作るかどうかということを今やられておりますから、その範囲で対応していきたいと思います。
それから移転の話ですよね、それについては今までは跡地の検討委員会の中では委員の方がいったん考え方を出すからっていうようなことで考えようと言ってたと受けてたんですけれど、その意見があるものは逆に市が言ってくれたら出すというふうになったんで、ちょっとあれ、という感じはしてるんですけれど。
その点については私としてはそう言われるんであれば跡地検討委員会の中の議論の延長からすると、動くことも含めてどういうお考えかということを聞くというのがいいんじゃないかと思うんです。移転するということもちょっと考えてみてくださいということは言わないといけないかなという気はしてますけれどね。
記者 それは誰にですか。
市長 商工会議所が聞きたいって言うわけですよね、そういうことを。だからどういう手順で物申せばいいかということも考えなきゃいかんのですが、跡地の検討委員会の中で議論してて、そこでは言おうと言われてたと。
ところがそっちのご本家の方では市から何かなきゃ言わんと言われたというんだから、どういったら跡地の中での議論がはかどるのかということをちょっと考えたいと思うんですね。
だから跡地の中での議論をいろんな意味で多角的にするためには動かすこともありうべしということを前提に議論していただくとありがたいと思いますので、そのお気持ちをどう伝えて、やっていくのがいいかなと思ってますということです。
※( )は注釈を加えたものです。