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平成27年第10回教育委員会議(8月定例会)会議録

平成27年第10回広島市教育委員会議会議録

 平成27年8月27日(木曜日)、平成27年第10回教育委員会議(定例会)を教育委員室において開催した。

1 開会及び閉会に関する事項

  • 開会 午前9時30分
  • 閉会 午後4時50分

2 出席委員

  • 委員(委員長) 井内 康輝
  • 委員 溝部 ちづ子
  • 委員 藤本 圭子
  • 委員 栗栖 長典
  • 委員 鈴木 由美子
  • 委員(教育長) 尾形 完治

3 事務局等の出席者

  • 教育次長 塩山 慎二
  • 青少年育成部長 熊田 一雄
  • 学校教育部長 隅田 一成
  • 指導担当部長 湧田 耕辰
  • 総務課長 橋場 忠陽
  • 施設課計画担当課長 竹田 幸生
  • 育成課長 蓼原 清道
  • 指導第一課長 島筒 篤
  • 指導第二課長 野間 泰臣
  • 生徒指導課長 開 英治

4 傍聴者等

 27名

5 議事日程

  • 議題1 平成26年度における不登校・いじめ・暴力行為の状況(速報値)について(報告)
  • 議題2 青少年交流事業の開催結果について(報告)
  • 議題3 平和教育について(報告)
  • 議題4 広島市立小学校及び中学校通学区域に関する規則の一部改正について(議案)
  • 議題5 平成28年度から使用する広島市立中学校用教科書の採択について(議案)【一部臨時会に継続審議】

6 議事の大要

井内委員長

 ただ今から、教育委員会議定例会を開催します。
 開会に先立ちまして、広島市では昨年8月20日未明の豪雨災害により甚大な被害が発生し、中学生1人、小学生1人を含む75名の尊い命が失われました。お亡くなりになられた方々に哀悼の意を表するため、黙とうを行いたいと思います。
 皆様御起立ください。
 黙とう
 (一同黙とう)
 黙とうを終わります。皆様、ありがとうございました。
 ただ今から、教育委員会議の定例会を開催いたします。本日は傍聴の方もお見えになっておられますが、お手元にお渡ししております注意事項をよくお読みになられて静粛に傍聴していただきますようお願いいたします。
 本日の議事録署名者は、藤本委員と鈴木委員にお願いをいたします。よろしくお願いします。
 それでは早速、議事に移ります。本日の議題はお手元の議事日程のとおりですが、議題5につきましては教科ごとに審議を行うこととしており、資料の分量が多いので、別綴じにしております。
 また、審議が長時間に及ぶことから、本日は国語、社会、数学、理科の審議を行い、残る教科は、明日の教育委員会議で審議を行います。
 それでは議題に入ります。議題1「平成26年度における不登校・いじめ・暴力行為の状況(速報値)について」を議題といたします。本件は報告案件でございます。内容につきまして、生徒指導課長から説明を受けます。よろしくお願いします。

生徒指導課長

 それでは、議題1「平成26年度における不登校・いじめ・暴力行為の状況について」報告をさせていただきます。
 資料の2ページをお開きください。
 不登校・いじめ・暴力行為の状況は文部科学省の調査に基づいて取りまとめたものであり、この調査は各学校から提出されたデータを生徒指導課で集計し、県教委を経由して文部科学省に提出したデータでございます。今後、文部科学省は全国の都道府県のデータを集計して公表する予定になっております。なお、県教委におきましては、先日、8月17日、広島県全体の状況について、既に公表しているところでございます。
 まず、「1」の「不登校の状況」ですが、平成26年度の不登校児童生徒数は、小学校では273人で、これは在籍児童数に対する割合でいうと0.42%、およそ240人に1人になります。中学校では723人で、割合は2.48%、およそ40人に1人になります。高等学校は38人で、割合は0.64%、およそ150人に1人になります。小中高等学校の不登校児童生徒数の合計は1,034人であり、前年度と比較して15人増加しております。
 続いて、3ページを御覧ください。
 「2」の「いじめの状況」ですが、マスコミでも報道されたところですが、先日の8月17日、文部科学省は全国の都道府県教育委員会に対して、いじめに関する調査については調査結果を見直して再度回答するように指示をしたところでございます。そのため、本市教育委員会におきましても、現在、再調査中でありますので、調査結果がまとまり次第、再度、教育委員会議で報告させていただく予定にしております。したがって、本日はいじめの状況については報告を控えさせていただきます。
 続きまして、「3」の「暴力行為の状況」ですが、平成26年度の暴力行為の発生件数は、小学校では183件、中学校では367件、高等学校では5件、合計555件であり、小・中・高等学校の暴力行為の発生件数の合計は前年度と比較して49件減少しております。いじめを除く不登校、暴力行為の状況の詳細については、別冊の基礎資料に示しております。本日は特徴的な部分についてのみ、説明をさせていただきます。
 それでは、別冊の方を御覧ください。まず、不登校から説明させていただきます。別冊の1ページを御覧ください。「2」の「不登校児童生徒数の推移」でございますが、グラフの一番上の合計を御覧ください。平成20年度の不登校児童生徒数の1,221人をピークとして、なだらかな減少傾向が見られます。
 続きまして、2ページを御覧ください。
 「3」の「学年別人数」ですが、学年が進むにつれて不登校児童生徒数が増加し、特に小学校6年生から中学校1年生にかけて増え幅が大きく、中1から中3にかけてさらに増加しております。中学校1年生で増加する要因としては、いわゆる中1ギャップといわれますように、小学校から中学校へのシステム等の環境の急激な変化への影響があると考えており、小学校と中学校が連携した取組をさらに充実させることが必要であると考えております。中学校2年生、3年生で増加する要因としては、学業の不振や友人関係のトラブルをきっかけとして学校に居場所を見出せないなど、学校生活に対する意欲の減退などがあると考えております。
 3ページを御覧ください。
 「5」の「不登校になったきっかけと考えられる状況」(複数回答)でございますが、表の下から6番目にある「不安など情緒的混乱」が338件で最も多くなっており、次いで「無気力」が318件、「いじめを除く友人関係の問題」が226件となっております。
 5ページを御覧ください。
 「8 『登校する・できるようになった』児童生徒に対して、特に効果のあった学校の措置」(複数回答)でございますが、表の下から6番目にある「電話や迎えなどによる登校支援」が74件で最も多くなっており、次いで「スクールカウンセラー等による専門的な相談」が72件、「家庭訪問による相談・支援」が70件となっております。
 6ページを御覧ください。
 「9 相談・指導を受けた機関等」、複数回答でございますが、表の下から2番目にある「スクールカウンセラー、ふれあいひろば推進員による指導」が小中学校ともに多く、小学校では141人、これは不登校児童生徒の52%、2人に1人はスクールカウンセラーかふれあいひろば推進員に相談・支援をいただいています。中学校では318人、不登校生徒の44%、これもほぼ2人に1人といっていいと思われます。高等学校の13人をあわせて合計472人となっております。
 以上、平成26年度の不登校の状況説明をさせていただきました。
 今後の対応・対策でございますが、この資料でもお分かりになるように、不登校のきっかけや要因は様々であることから、今後も子供の良質な人間関係づくりを促進する「子どもの人間関係づくり推進プログラム」、あるいは課題の兆候を示す児童生徒を早期に把握し、スクールカウンセラーなどと連携した、「いじめ・不登校等への早期支援プログラム」、あるいはスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーなどを活用しながら、児童生徒の生活環境などの把握・改善に継続して取り組み、不登校の未然防止に取り組みたいと考えております。また、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーなどの専門家の増員も視野に入れながら、不登校児童生徒への支援体制の充実に向けて取り組んでいきたいと考えております。
 続いて、暴力行為について説明させていただきます。
 11ページを御覧ください。
 「1 暴力行為の発生件数」ですが、平成26年度、小学校では183件の暴力行為が発生しており、前年度の141件と比較して42件増加しております。内訳を見ますと、生徒間暴力が81件から111件と増加しております。
 次に、中学校の暴力行為は平成26年度に367件発生しており、前年度の459件と比較して92件減少しております。内訳を見ますと、全ての形態で減少しておりますが、特に対教師暴力が111件から54件と減少しております。
 12ページを御覧ください。
 「3-1 学年・男女別加害児童生徒数」、実人数でございますが、暴力行為の加害児童生徒数は中学生がかなりのウェイトを占めております。男女別でいうと、ほとんどが男子児童生徒になっております。中学1年生は123人、中学2年生は100人、中学3年生は104人となっております。
 17ページを御覧ください。
 ここの「(3) 指導等の内容」でございますが、これは「5」の「加害児童生徒に対する学校の指導の内容」でございます。表の下から2番目の「保護者の協力を求めて、家族関係等の改善・調整」が543件で最も多く、次いで「被害者等に対する謝罪指導」が421件、「ルールの徹底や規範意識を醸成するための指導」が407件となっております。
 以上、平成26年度の暴力行為の状況について説明をさせていただきました。
 資料から見ましても、暴力行為の発生件数は平成22年度、5年前ですが、5年前の723件をピークに減少しておりますが、小学校の暴力行為の発生件数は増加傾向にあります。その要因としては、1つ目として特定の学校の特定の児童が繰り返し暴力行為を起こす傾向がみられます。2点目は、暴力行為を繰り返す児童に規範意識があまり身に付いていない。3点目、自分の感情をうまくコントロールができず、言葉に表すことが苦手な児童がいることなどが考えられます。
 この小学校の暴力行為の増加への対応といたしましては、平成25年度から全ての小学校にも中学校と同様に生徒指導主事を配置したところでございます。また、年間30時間の生徒指導に関する研修もしておりますので、こういう研修とか生徒指導体制の構築の徹底について、また学校と連携しながら取り組んでまいりたいと思います。
 また、先ほどの不登校でも申しましたように、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーなどの専門家との連携も必要不可欠でありますので、こういう専門家との連携も図ってまいりたいと考えております。
 以上で、平成26年度における不登校・いじめ・暴力行為の状況についての報告を終わります。

井内委員長

 ありがとうございました。ただ今の説明につきまして、何か御質問等ございませんでしょうか。

鈴木委員

 意見ですけれども、医学などでアレルギーを持った子供がおられますが、その方への指導よりも親への指導、お子さんの親に対する指導というものに力を入れてはどうかといった流れが、今、起きているのですが、その観点からしたときに、不登校であるとか、暴力行為をしているお子さん自身に働きかけるとともに、親御さんも大変悩んだり、苦しんでいると思いますので、親御さんはワークショップみたいものに頼っていらっしゃるのですよね。親はどうしても孤立しがちになりますので、その方々が悩みを打ち明けながら、お互い励まし合っていくようなワークショップみたいなものをやりたいと思いまして、そのようなことについては何かなされているのか、そういうことなどでお考えがあるかという意見をお聞きしたいというのが1点です。
 続けてもう1点は、暴力行為の件に関しまして、今年度から警察の方と教育委員会の方とのワークショップの仕組みを入れられたと思いますけれども。

尾形委員(教育長)

 サポートセンターですね。

鈴木委員

 その仕組みを入れることによって、何か良かった点、メリットがあった点などがありましたら、教えていただきたいと思います。

生徒指導課長

 まず、1点目ですけれども、いじめ、不登校、暴力行為、いずれにしても保護者と教員の連携は必要不可欠で、緊密な連携を図る必要があると思っております。確かに、課題を抱える子供さんをお持ちの保護者の方、多くの方が悩まれておられます。不登校については、本市では以前から不登校の子供さんをお持ちの保護者会、これは「木の実の会」と言っているのですけれども、これを早い段階、2、30年前からやっております。月に1回、やっておるところでございます。これは心理の専門家の臨床心理士がスーパーバイザーで入って、毎月約10名から15名ぐらいの保護者が参加されて、各保護者が持たれている悩みをそこで出して、お互いでアドバイスとか、そういうような形で行っております。それ以外は、やはり、先ほど申しましたようにスクールカウンセラーが個別に保護者へのカウンセリングで支援をしております。
 同じように、今度はスクールソーシャルワーカーの方は、家庭環境を改善しなければならない家庭について、保護者の方とお話をしながら支援をしているところです。いずれにしても、教員が当然、保護者と連携しなければいけないところですが、教員には言いにくいところも保護者の方はどうしてもあると思うので、そういうところは教員以外の専門家を活用しながら、今後も進めてまいりたいと考えております。
 2点目の暴力行為のサポートセンターとの連携、あるいは警察との連携ですが、先ほど申しましたように、平成22年度に暴力行為が700件を超えてピークでした。そのときは、中学生が右肩上がりでどんどん、どんどん増えておりました。そのときの方策の1つとして、警察OBの方をスクールサポート指導員ということで支援をいただきまして、暴力行為が繰り返されている中学校に派遣して、先生方と一緒に徘徊する子供へ相談活動を行ったり、あるいは別室で簡単な学習をしたりというように警察OBの方の支援をたくさんいただきました。そういうことで中学校は、ここ3、4年、暴力行為が右肩下がりで減少していますので、今後、小学校にも必要に応じて、警察OBの方の支援をいただこうと考えております。
 それプラス、先ほど鈴木委員から御指摘があったように、「少年サポートセンターひろしま」ができました。サポートセンターはいろんな活動をしていますが、課題を抱えた子供さんを週に1回集めて、基礎的な勉強を見たりとか、体験活動を通して規範性を身に付けさせるなど、いろんな取組をしております。また、警察の少年育成官が、これは以前からもあったのですが、学校に出向いて、非行防止教室で、全ての子供さんにいろんな社会のルールとか、ネット上のいじめとか、いろんなことを指導していただいておりますので、今後も警察、あるいは警察OBの方の活用も充実させながら取り組んでまいりたいと思っております。

青少年育成部長

 今の「少年サポートセンターひろしま」の補足になりますが、県警OBが県警の方からスクールサポーターということで、中学校へ行っていますけれど、これだけではちょっと足りないというところがありまして、この少年サポートセンターを4月に立ち上げるに当たって、県警OBから広島市の方で、やはりスクールサポーターのような仕事をする職員を、自立支援相談員という名称で4名、この少年サポートセンターに就けています。当面、中学校へ行っておりますが、今、生徒指導課長が言いましたように、今後は小学校の方へも、広島市の自立支援相談員として動くようになる予定です。
 それと、「少年サポートセンターひろしま」が、今一番力を入れているのが少年の居場所づくりで、少年サポートルーム事業というのを北庁舎別館の4階を借りて、毎週1回しております。これはそういう非行等が過去にある、あるいは被害を受けた小学生から高校生ぐらいの子供たち三十数名が週1回来て、学生ボランティアとかと一緒に、コミュニケーション能力を上げるようなことをやっております。それと、隔週ですけれど、学習支援を望む子は学習支援も、マンツーマンの形でやっております。
 子供たちもここへ来ている子は前向きで、ここに来る子供たちをもっと増やしていくようなことを学校とこちらに詰めている育成官等が連携しながらやる、また、今度、地域でこういうサポートルーム事業を展開していくことを考えています。

鈴木委員

 学校だけ、家庭だけで抱える問題ではありませんので、県の御協力をいただけるなら、是非、学生たちが楽しく学校で過ごせるように、指導していただきたいなと思います。

藤本委員

 まず、不登校の方で質問ですけれども、この実数には保健室登校であるとか、ふれあいひろばに登校している子供の数は入っていないということになるのでしょうか。

生徒指導課長

 ふれあいひろばも保健室も登校しておりますので、欠席日数には入っておりません。とにかく、学校を年間30日以上休んだ子のデータでございます。

藤本委員

 資料の5ページのところにあります、8番の登校できるようになった児童生徒に対して、特に効果のあった措置というところを見ますと、内部のスクールカウンセラーあるいはスクールソーシャルワーカーという専門家の存在というのが、まず、2つ大きいのだろうなという点で、最も大きいのが、教員の電話や迎えや家庭訪問といったような働きかけです。そういった子供とのつながりを維持しようとする、非常に手間隙のかかる働きかけの部分が、とても大事なのだということがよく分かります。それが大事なのだということの一方に、教員にかかる負担という部分がありまして、学級運営への支障というのも、事実、生じざるを得ないケースもあると思います。そういった意味で、実際、学校運営の上でそれぞれの学校がどのような形で工夫をして、そういったような、学級に課題を抱える生徒がいる担任の先生をサポートしたり、その学級の他の生徒をサポートしたりするために、どういったような工夫がなされているのか、その点がもしお分かりであれば教えてください。

生徒指導課長

 生徒指導上の課題のみならず、課題の大きい子供さんが所属している学級については、加配の教員をその学校に配置して、増員をするというのが、まず1つ大きな支援としてあります。次には、ふれあいひろば推進員もそうですけれども、先生方は授業の空き時間がないので、不登校の子供さんとか別室での不登校傾向の子供さんへの支援が教員だけでは難しいということで、ふれあいひろば推進員のような、有償ボランティアと我々は呼んでいるのですが、そういう方をいろいろな課で入れております。生徒指導課では、ふれあいひろば推進員、あるいは先ほどの警察OBの生徒指導支援、特別支援教育課では、特別支援アシスタントなど、いろいろな人を派遣することで先生方の負担の軽減を図っています。
 あるいは実際に指導方法について、教育委員会の指導主事が学校へ助言することで課題の大きい子供へ関わる効果的な指導などで時間が軽減されるなど、いろいろなところでサポートはしています。
 ところが、委員が御指摘のように、確かに先生方の負担、特に生徒指導に係る負担が大きいのは事実でございます。どうしても保護者と家庭訪問で会おうと思えば、夜7時、8時、場合によっては9時、10時という家庭訪問も聞いておりますので、本当に先生方が頑張っている姿もたくさん報告を受けております。教育委員会といたしましても、今後も学校への支援体制を強化してまいりたいと考えております。

藤本委員

 教育委員会からの支援もそうですし、学校の体制としても、その辺りをきちっとサポートできる体制を、各学校長がきちっと確立していく必要があるというように思います。
 質問ですが、中学校の暴力行為の件数は減っているけれども、小学校の件数は増えているという点を見ますと、やはり、ちょっと低年齢化をしているという部分が見て取れるのですが、その原因についてはどのように分析していらっしゃるのですか。

生徒指導課長

 まだ、詳細な原因の分析は済んでいないのですが、先ほども申しましたように、特定の学校の特定の子供が暴力行為を繰り返す傾向があります。多い子は1人で10件ぐらいカウントしている子供さんもおります。それと、やはり子供の身体的な発達で、一昔前の子供さんよりも体つきもしっかりしていますし、いろんなメディアの影響とか、スマホなどのネット環境の問題があって早熟化というか、より早くいろんな情報を身に付けています。プラスに出る場合はいいですけれども、マイナスにも出る傾向もあります。そういうところもかなり影響していると考えられます。

藤本委員

 資料16ページのところで、連携した機関の中に病院等の医療機関というのがあるのですが、それは具体的にはどういった機関と、どのような連携になるのでしょうか。

生徒指導課長

 暴力行為を繰り返す子供さんの保護者の方が、我が子に対して少し気質的なところで何かあるのではないかというような思いをお持ちの保護者もおられまして、療育センターとか、いろんな病院に行って検査を受けるというケースも、ここに計上しております。

藤本委員

 分かりました。そういったADHD等の発達障害の二次的障害として暴力行為が出るということもよく知られておりますので、そういった辺りの対応も必要かと思います。
 最後に、少年事件のようなケースで私が担当するような場合には、あまり事件処理ではそう関係はないけれど、とにかく、その子供に対してこれまであったこと、自分が印象に残っていることを何でもいいから、とにかく書いてみなさいという指導をします。先ほど課長さんが言われたように言語表現という部分ですけれど、とにかく何でもいいと、自分の頭の中に浮かんできたこと、これまであった出来事で自分の中で心に残っていること、何でもいいから、とにかくたくさん書いてごらんと言って書かせます。最初は本当に書けないのですけれど、なかなか文章が書けないし、書くことがないと言って、ちょっとしか書けないのですけれど、続けて働きかけをすることによって、どんどん、どんどん、これまであった出来事とか、昔こういうことがあったとか、こういうことがあって自分はこの時にこう思ったとか、そういうものが、どんどん、どんどん出てきて、その子自身がそれまであった出来事を自分の中で整理をしていくような作業を始めるというケースがあって、そうなってくると、だんだん落ち着いてくるという傾向があります。言語表現ができるという部分もとても重要かなと思いますので、そういったことも指導の中にさらに生かしていただければなと思います。

栗栖委員

 不登校の生徒が多い学校と暴力行為が発生する学校の関連性のようなものというのはあるのですか。

生徒指導課長

 昨年度データについては、まだ、そこまで検証していないのですが、何年か前にそれを検証したことがあるのですけれども、あまり直接的にはリンクはしていなかった結果があります。

栗栖委員

 もし、個別の学校での状況で、関連性を検証していただいて、特定の学校でそういう事案が増えていれば、そこは学校全体のマネジメントの問題もあると思いますので、是非、フォローしていただければと思います。

溝部委員

 不登校の児童生徒数は全体的にいえば減少の傾向にありますけれども、とはいえ、中学校の子供たちが何十人に1人がまだ不登校であるということは大変大きな問題かなというように捉えています。それで5ページのところで効果のあった学校の措置などを見ると、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、あるいは先生方、様々な対応がありまして、関わってくださっているのではないかと思いますけれども、加配の教員だとか、全校に生徒指導主事を配置しているとか、スクールカウンセラーとか、それぞれに頑張っていらっしゃると思うのですけれども、それぞれが、いかに連携を図って、役割分担というか、効果的に進めるかというようなことについて、今一度取り組んでいただいたらどうかなと思ったりしているのですけれども、この辺りはいかがですか。

生徒指導課長

 溝部委員がおっしゃられるとおり、組織的なチーム対応というのは本当に重要で、やはり、課題を抱える子供の支援はみんなが情報を共有化して、指導方針を決めて、役割を分担して対応することが、本当に重要だと思います。そのために教育委員会では以前から、3人ぐらいの教職員でチームを組んで不登校の児童生徒を支援していただきたいというようなことを校長会、研修会で指示しています。今後も、教員3人プラス、先ほどのスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、ふれあいひろば推進員、こういう専門家もチームに組み入れて、生徒指導体制の再構築について、いろんな場面で学校には伝えていこうと思っております。

溝部委員

 よろしくお願いします。

井内委員長

 不登校の問題も暴力行為の問題も、やはり、どのような指導を、そういう学生の子にしていくかという中身ですよね、それをもう少し皆さんで対応していただいて、我々も含めて検討する必要があるのではないかなというような気がしております。ありがとうございました。これからも活動の方をよろしくお願いします。
 それでは、進めたいと思います。
 次に議題2「青少年交流事業の開催結果について」を議題といたします。本件は報告案件でございます。内容につきまして、育成課長から説明を受けたいと思います。お願いいたします。

育成課長

 育成課長でございます。「青少年交流事業の開催結果について」御報告をいたします。これらは7月8日の教育委員会議で、すでに各事業概要について御報告申し上げたものでございます。
 5ページをお開きください。「2015広島市・大邱広域市青少年交流事業」について御説明いたします。目的、主催、事業期間、主な日程は予定どおりで、また、「4」の「参加者」についてもほぼ予定どおりでした。写真を御覧ください。左から7月31日のグループ別の活動、8月1日の竹弓体験、また同日の大邱青少年オウルハンマダンで大邱市民に書道パフォーマンスを披露しているところでございます。
 「6」の「成果」として、参加者は韓国の生活習慣や文化について学びながら相互理解を深め、グローバルな視野を広げる契機となりました。また、今後も日韓の友好親善の架け橋となりたいとの意見を醸成することができました。今回は、MERSコロナウィルス感染症の影響で本事業が実施できるかどうか、教育委員の皆様方に大変御心配をおかけいたしましたが、参加青少年は終始変わらぬ情熱で、一生懸命準備いたしました。
 また、受け入れてくださった大邱市側も、共にMERSの試練を乗り越えて交流をしてまいりました。先日行いました事後研修のときに、全員に感想を発表してもらいましたが、「大邱の青少年やホストファミリーにとてもよくしていただいた」「生活習慣や文化の違いをよく理解して、その違い、言葉の違いも乗り越えて交流ができた」、また「帰国後も交流を続けたい」「日韓交流の懸け橋になりたい」「語学をもっと勉強して、韓国以外の国際交流ももっとやりたい」というような意見が出ております。
 「7」の「事業後の成果の広報」でございますが、7月の定例会のときに成果を十分に広報し、活用すべきだという御意見を委員の方にいただきましたので、11月15日の「国際交流・協力の日」において、事業報告会を行うとともに、報告会の資料や参加者が書いた感想文を広島市ホームページで公開させていただくこととしております。
 次に6ページを御覧ください。
 「平成27年度広島・長崎市児童生徒平和のつどい」の開催結果についてです。この事業も目的、主催、事業期間、主な日程は予定どおりで、また、「4」の「参加者」もほぼ予定どおりでございました。
 写真は左から、8月22日の平和公園での原爆死没者慰霊碑への献花、広島平和記念資料館見学、原爆の子の像への折鶴奉納をしているところです。
 「6」の「成果」としまして、広島・長崎両市の児童生徒が本市における平和学習を通して平和意識を醸成し、世界恒久平和の実現に貢献する意欲と態度を育むことができました。また、参加者は集団生活や体験学習を通じて、自主性や社会性を培い、青少年リーダーは指導力や実践力を養うことができました。原爆被害の実相について、広島市・長崎市両市の子供たちは、自分の都市についてはよく知っていても、意外と相手の都市については知らない子供が多くございました。世界で2つの被爆都市の子供たちが1年おきにそれぞれの都市を訪問して、互いの都市の原爆被害の実相に触れて、平和意識を醸成することは非常に大切だということを感じております。
 また、前回、長崎市を訪問したときに非常によくしてもらったから、今回はお返しに広島側が頑張って、もっともてなそうというように、この2つの都市の間でいい意味の連鎖があって、この事業が38年間も続いてきたのだというように思っております。先ほどの大邱市との交流事業についても同様のことが言えると考えております。
 「7」の「事業後の成果の広報」としまして、事業概要や参加者が書いた感想を広島市ホームページで公開してまいります。
 7ページを御覧ください。
 「青少年国際平和未来会議ヒロシマ2015」の開催結果についてでございます。この事業も目的、主催、事業期間、主な日程は予定どおりで、「4」の「参加者」もほぼ予定どおりでございました。写真は左から、8月6日の原爆詩の朗読、それと背景には、ここの後ろの背景に写っておりますが、本市の基町高等学校の創造表現コースの生徒が被爆者の体験を聞きながら描いた絵画を後ろでずっと映写しました。
 また、真ん中は8月11日から始まったグループディスカッション、右は8月13日のヒロシマアピールの様子です。
 「6」の「成果」としまして、21カ国24都市から参加した青少年が11日間の様々なプログラムに参加する中で、本事業のこれまで10年間の歩みを振り返り、今後も平和貢献活動を効果的に展開していくための方策についてディスカッションを行い、ヒロシマアピールをまとめて発表いたしました。
 また、参加青少年は言葉や文化の違いを乗り越えて、世界恒久平和の実現に向けて、共に行動する同志としての絆を深めることができ、グローバル人材の育成につながりました。
 先ほど申しました10年間の歩みにつきましては、被爆70周年事業としてOBを招へいいたしまして、その人たちの帰国後のこれまでの活動を発表してもらうことにより、参加者に、今年が10年目の節目を迎えたことやこの事業の意義について、よく理解をしてもらいました。それを踏まえて、ディスカッションでは7つのグループに分かれて、今後の未来会議をさらに発展させるための方策や、帰国後各自が平和のためにどのような活動をすべきかを話し合ってヒロシマアピールをまとめました。
 また、OBを中心に地域ごとのリーダーを決めて各地の事後活動を集約し、ホームページに掲載し、活動を継続していく計画を練りました。
 参加した青少年は寝食を共にしながら、世界恒久平和の実現に向けて、心をひとつにして、今年度の事業期間は終了いたしましたが、帰国後も本事業がムーブメントとして参加者それぞれの国・都市で継続していくものというように考えております。
 「7」の「事業後の成果の広報」ですが、11月15日の「国際交流・協力の日」において事業報告会を行うとともに、報告会資料や参加者が書いた感想を広島市ホームページで公開をさせていただきます。
 9ページを御覧ください。「第23回世界スカウトジャンボリー広島ピースプログラム」の開催結果についてでございます。この事業も目的、主催等、開催期間、日程は予定どおりで、参加者もほぼ予定どおりでございました。
 写真は左から、「5」の「日程」のところの7月30日から8月5日までの欄にありますスカウトからのメッセージ、また、真ん中が慰霊折鶴製作、8月6日に行われました原爆の子の像への折鶴の献呈式の写真でございます。
 「6」の「成果」ですが、2万5,000人を超える世界のスカウトたちが本市で様々なプログラムに参加する中で、被爆の実相に触れ、被爆者の思いを体感し、世界恒久平和の実現に向けて主体的に行動する態度を養いました。平和記念資料館の見学では、皆、衝撃を受けたようで、立ち止まって熱心に見学し、滞留するために大混雑になりました。
 また、国際会議場で被爆の被害についてというDVDを鑑賞して、その後、被爆体験記の朗読、被爆詩の朗読体験により、被爆者の思いを体感してもらいました。その後、「スカウトからのメッセージ」で参加者の意見や感想を発表してもらいましたが、その中で「原爆の惨禍から美しい都市に生まれ変わった広島に感銘を受けた」とか、「帰国後に平和の大切さを周りの人に伝えたい」などの意見も発表されました。また、なかには自分から進んで意見発表するとステージに上がったのですが、涙のために長い間話ができないスカウトや、そのスカウトを励ますというような場面もございました。2万5,000人の青少年が帰国後、各々の都市で平和への思いを伝えてくれるものと思っております。
 また、本事業の概要についても、広島市のホームページで公開をさせていただきたいと思っております。御説明は以上でございます。

井内委員長

 ありがとうございました。ただ今の説明につきまして、何か御質問はございますでしょうか。

栗栖委員

 被爆70周年記念事業の青少年国際平和未来会議の方に私も出席をさせていただきました。

育成課長

 ありがとうございました。

栗栖委員

 8月6日の午後、そのときの感想でございますが、言葉や文化の違う若い人がたくさん集まって、平和に関してそれぞれの思いを述べるということ、そういうことを通じて平和に対する意識が高まるというのは、非常に素晴らしいことだと思いました。是非、こういう会議をまた広島で開催される時には、諸外国の方の意見などを聞くチャンスなので、広島の若い人にもっとPRして、諸外国の人と接する機会を増やしていただくと、特に若い人の平和に関する意識が高まるのではないかなと思いました。是非、続けていただきたいと思います。

育成課長

 ありがとうございます。
 できるだけ、たくさんの広島の、特に若い人が参加して、諸外国の方の意見を聞けるように、PRを続けてまいりたいと思います。

尾形委員(教育長)

 大邱は毎年ずっと続けている事業で、それから、未来会議はこの度23都市、それから今回70周年ということもあって、世界スカウトジャンボリー、これが世界155か国ということで、かなり多くの青少年が広島の地へ来ている、そして、その被爆の実相に触れてくれたということは、私は、これは得難い体験をしてくれたのではないかと思います。
 その証拠に、さっき、課長からもありましたが、資料館に入ったら途中で立ち止まって、そこで絶句するというシーンが何度もあるという中で、やはり、本当に実相というのを捉えて、その子らがその場に立った時に、昭和20年8月6日のそのとき、その時点からということが、何より得難いことじゃないかなと思います。そういう姿を見たときに、本市の子供たちも一緒にこの青少年会議でも、これだけのことに関わっていく中で、改めて広島に育つ子供としてどうすべきかと、平和についてどう考えているか、どうして行動すべきかということも、随分深まったということも出席しながら感じておりました。こうした事業というのは、非常に得難い、本市の独自の事業だと思いますので、特に70周年ということもあったのですけれども、それを活かして、また、特に未来会議などは、世界でのネットワークをよりきちっと結び付きを強くするというような取組を、また、あるといいなと思っております。

井内委員長

 青少年の相互理解を深めるための事業として、スタッフの一人一人が事業をやっているというように思っているので、それは、是非、ネットワークづくりということで、継続性が重要だろうと思いますので、その点はこれからもちゃんとした企画を作っていただきたいと思っております。
 どうも、ありがとうございました。次の議題へまいりたいと思います。
 次に議題3でございます。「平和教育について」を議題といたします。本件は報告案件でございます。内容につきまして、指導第一課長及び指導第二課長から、説明を受けたいと思います。よろしくお願いします。

指導第一課長

 それでは、議題3「平和教育について」報告をさせていただきます。最初に「こどもピースサミット」について、指導第一課から報告させていただきます。
 資料11ページを御覧ください。
 目的と経緯は御覧のとおりです。
 「3」の「取組内容」は8月6日までの取組をまとめております。まず、最初に各小学校の6年生児童から意見文を募集しましたところ、市立小学校で141校、広島特別支援学校、鶴学園なぎさ公園小学校、合わせて143校から意見文が1万800点出てきました。その中で校内審査を経まして、教育委員会の方で意見文397点から20点を選定いたしました。そして、その20点、20名の子供たちが会しまして、「平和の歌声・意見発表会」を6月13日に行いまして、そこの中からピースサミット大賞2名を選出いたしました。
 そして、こども代表20名は6月27日に「平和への誓い」検討会議におきまして、8月6日に発信する「平和への誓い」の内容について話し合いまして、原案を作成いたしました。そして、その原案をもとに8月6日に、こども代表2名、今年度は白島小学校の桑原悠露くん、矢野南小学校の細川友花さんが小学校6年生の代表として世界へ発信いたしました。
 今後はこども代表20名による意見文集を作成したりとか、小学校6年生全員に参加賞を贈呈する予定でございます。
 次の12ページ、13ページ、14ページ、15ページには、桑原くんと細川さんの書いた作文を掲載しておりますので御覧ください。以上でございます。

指導第二課長

 続いて、指導第二課から「中学生による『伝える HIROSHIMA プロジェクト』について」、御報告をいたします。
 16ページを御覧ください。
 まず、「1」の「目的」についてですが、本市が進める平和ノートを活用した平和教育や英語教育の成果を生かして、中学生が英語でメッセージを伝えるという活動を通して、平和への意義、教育の向上、それからグローバル人材の育成につなげたいという目的でございます。
 「2」の「経緯」でございますが、被爆70周年記念事業として、本年度初めて行いました。
 「3」の「取組内容」ですが、平成26年度中学生2年生を対象に平和メッセージを募集しました。応募数は34校、作品総数は2,522点です。それを校内審査していただきまして、教育委員会に60点応募がありまして、その中から19点を選定いたしました。
 メッセンジャーとして、事前研修を5回行いました。内容としては、被爆体験講話、留学生とのグループワーク、海外の人へのインタビューなどでございます。メッセージの発信については、8月5日に駐日大使など23名に英語で平和メッセージを伝えました。
 また、8月6日には平和公園において、英語で平和メッセージを伝えるとともに、「ひろしま子ども平和の集い」、「青少年国際平和未来会議」において、英語で平和メッセージを発信いたしました。
 17ページを御覧ください。
 今後の予定でございますが、メッセージ集の作成・配布を行っていきたいと思っております。それから、平成28年度においても、本事業を行いたいと思っておりまして、現在募集をしているところでございます。
 参考といたしまして、メッセンジャーの感想を一部抜粋しております。「価値観の違う人との話し合いの中で、より多くの考えを持つことができた」あるいは「戦争を止めるために、自分に何ができるかまで、深く考える力がついた」、「自分から積極的にコミュニケーションをとろうとすることがいかに大切かをとても感じた」、「これからも、原爆の恐ろしさなど、伝えていかなければならないという使命を感じた」というような感想がありました。
 次の18ページが19名のうちの1人が作成いたしました英語の平和メッセージでございます。その日本語訳が19ページということで、御参考にしてください。報告は以上です。

井内委員長

 ありがとうございました。ただ今の説明につきまして、何か御質問等はございますでしょうか。

栗栖委員

 この「こどもピースサミット」につきましても6月13日の意見発表会に参加させていただき、子供たちの発表内容を実際に聞かせていただきました。私は、こういう平和な時代に、特に原爆に対する意識が風化しつつある時に、こういう活動を通じて児童が、自分の身近なおじいちゃん、おばあちゃん等に体験の話を直に聞いて、そして自分で平和について考えて、自分の思いをまとめていくということは、非常に素晴らしい取組であるという印象を持ちました。
 また、11ページの「3」の「会場での感想や意見の交流」のところでも、ある御婦人がこういう子供たちの話を聞いて、「生きていて良かった」ということの発言をされました。私も感激しました。ただ、会場の参加者については、他の学校からも、もっとたくさん来てほしいなと思いました。また、せっかくの発表の内容を、文集として発信されるそうですが、もっとマスコミを通じたり、いろんな方法で、市全体へ発信をしていただければ、発表した児童たちの思いがみんなに伝わって、広島の平和教育全体のレベルがもっと高くなってくるのではないかという印象を持ちました。それについて、是非、今後検討いただければと思います。「こどもピースサミット」は、広島ならではの取組であり、大変素晴らしいという印象を持ちました。

溝部委員

 中学生によるプロジェクトですけれど、今年初めて中学生を対象に行われたということで、大変有意義だったと思っております。子供たちは平和学習を通して、平和の大事さというのはよくよく承知していると思うのですけれども、このように相手がいて、交流を通して実感を伴った平和学習をするというのは、そんなにあることではないので、是非、来年度以降も続けていけたらいいかなと思います。今回、初めて70周年で、というように聞いておりますけれども、形はどうなるかは分かりませんけれども、是非、中学校にそういう機会があるようにお願いしたいなと思います。これが1点です。
 もうひとつは、駐日大使23名に対して平和メッセージを伝えたのですけれども、その大使等の反応の方はいかがでしたでしょうか。

指導第二課長

 大使の皆さんは大変感動されまして、一緒に写真を撮ったり、連絡先をメモでくれないかとかという形で、お礼のメッセージを本人に伝えたいというような思いを、皆さん持たれていました。

溝部委員

 ぜひ、国に持ち帰っていただきたいなと思います。

鈴木委員

 私もこういう試みは賛成なのですが、具体的にこのメッセージは、子供たちは学校の時間で何かの時間に書かれたのか、それとも自由に書かれたのかということを、まず、お聞きしたいと思います。というのは、当分続けるということになりますと、特別な時間ではなく、これが当たり前になっていった方がいいのかなと思いました。今年はどのようにされたのかということと、来年度に向けてどのようにお考えになっているのかということをお聞きしたいと思います。

指導第二課長

 英語の授業や総合的な学習の時間、平和学習をした後の時間、特別活動の時間など各学校によって様々なのですが、一定の時間を設けて、生徒が平和メッセージを書くという取組をした後に、校内審査をして決定ということでございます。

鈴木委員

 これを書くということに対して、生徒さんの反応といいますか、やってみたいというようなところだったのか分かりますか。

指導第二課長

 各校長先生に聞きますと、応募してきた生徒は、是非やりたいという意欲が高かったと伺っております。

鈴木委員

 それは今までの平和教育の継続性の中から、自分たちこそがやらなければならないという思いがあって、そうなったのでしょう。18ページを見ていたら、右の一番下にレスポンスをどうぞというのがありますが、これは機能しているんですか。

指導第二課長

 はい。

鈴木委員

 何かレスポンスはあったのですか。

指導第二課長

 今のところはありません。

鈴木委員

 そうですか。ホームページのどの辺りになるのですか。

指導第二課長

 18ページの下に、四角囲みでの矢印がありますが、「Hiroshima P2 Walker」というホームページに、この19名のメッセージが載っておりまして、「Search」というところをクリックしていただきますと、返信できるというような形になっております。

鈴木委員

 レスポンスをいただくと広がったということですね。ありがとうございます。

尾形委員(教育長)

 ひとつ補足して、紹介も兼ねてさせていただきたいのですが、さっきの議題2には、高校生以上の青少年になるのですが、今言った二つのものは小・中学校、いわゆる義務教育段階の子供の平和教育の成果の発表会になるのですが、最初の小学校6年生対象の「こどもピースサミット」というのは、被爆50周年の時にスタート、平和教育の第1回だったのですね。今、これは20回目になるのですよ。20回目になって、今、応募数は全ての小学校6年生が応募してきておるというところまで、広がりをみせているのですけれども、要は、この基本になっているのは平和ノートです。本市で平和教育の小・中・高12年間を通したプログラムを作っており、その副教材というか、教科書的なものを作っているのですが、その平和ノートをもとにした学習のひとつの成果というように捉えています。
 それで、実際に今の「こどもピースサミット」も、私は出席してみたのですけれど、子供たち20名の発表を聞きながら被爆の実相、それを継承していく、発信していく面で非常に深まりというのを感じました。やはり、この平和ノートの学習の成果が私はあるのではないかと思います。というのは、おじいさん、おばあさん、曾おじいさん、曾おばあさんに、被爆体験のある場合は被爆の体験をずっと一生懸命聞こうとする。その中で非常に一つ一つを深く掘り下げていく。原爆手帳のことまでもかなり深まりがあるぐらいまで、深まって学習をしています。その他にも、そろばん塾の先生から被爆体験を聞いたと。少しでもそれをリサーチしていって、それを生かそうとする。だから、それだけ被爆の実相の継承というところへ非常に深まりが出てきているというように思いました。
 特に、今回の最終的な「平和への誓い」の中では、土砂災害で亡くなった同級生を失った子供の、いわゆる身近な友達を亡くすということが、どういう悲しみがあるかというところから出発して、原爆での犠牲者の身内の方々の思いとか、そういう気持ちをしっかり共感するとか、想像する。そういったことをしっかり出てきた、深まりのある、そういう遺産だと思います。これは小学校では、提示的なそういう評価で見せております。深まりも出てきております。
 もう一つの中学校の方の「伝える HIROSHIMA プロジェクト」というのは、中学生もしっかり発信をしていこうと、今回70周年を契機にスタートしました。被爆体験を継承し、そして発信していこうと。それを英語で伝えるというのは、ある一つの学校での取組が実際にありまして、それを発展させるということで、今回行ったわけです。
 この子供たち一人一人に、最終的に賞状を渡したのですが、やはり、子供がものすごく達成感を持っている。それはなぜかというと、英語で自分の平和の考え方や思いをメッセージとしてきちっと仕上げたという達成感と、それが実際に伝わったということ。跳ね返ってくる言葉があったということで、非常に達成感を持ったということを一人一人が語っておりましたし、そういう意味では非常に有意義な大切なプロジェクトだなと思います。
 これは今後、今、御意見をいただいたように、広げていけるような方向で進めていきたいと思いますので。そういう意味では、平和ノートによる学習の、要は本市の目指す言語活動ですが、そういうことも相まって深まるように指導して、それが広がりをみせてきているのではないかなというように、私は思います。

井内委員長

 だいたい、平和に対する心というのを、言葉にして公の場で発表できる機会を与えてあげるというのは大変いい目標になるだろうと思うし、私も、是非、この中学生のプロジェクトも続けていただきたいと思います。よろしくお願いします。
 それでは次に進めさせてください。議題4でございます。議案第30号「広島市立小学校及び中学校通学区域に関する規則の一部改正について」を議題といたします。本件は審議案件でございます。議案の内容につきまして、施設課計画担当課長から、説明を受けます。よろしくお願いします。

施設課計画担当課長

 それでは、広島市立小学校及び中学校通学区域に関する規則の一部改正について説明いたします。
 資料の20ページを御覧ください。本日、御審議いただきますのは、佐伯区の石内東地区開発事業が完了し、住居表示を実施するため、当該地区に町の区域が設定されたことによりまして、今後、同地区の入居に伴う児童生徒に対応するため、佐伯区の五月が丘小学校及び石内小学校の通学区域を変更しようというものでございます。
 まず、対象の区域でございます。これは1枚めくっていただきまして、23ページの右側の図面を御覧ください。
 現行規則での五月が丘小学校の通学区域は図面の中央の方の太枠の線で表示した区域でございます。これが五月が丘団地でございますが、周辺は石内小学校の通学区域となっております。この五月が丘小学校区の下、南側ですけれども、斜線で表示した区域が、この度、住居表示が実施され、石内小学校の一部から五月が丘小学校区に変更しようとする区域でございます。
 今回の通学区域の変更に当たりましては、当開発地の住居エリアから五月が丘小学校までの通学距離、あるいは石内小学校までの通学距離、それから通学時間等を比較、検討いたしました結果、当開発地に近接する五月が丘小学校の通学区域に設定することが最適と考えております。なお、本案につきまして関係する地元町内会等への説明を行い、御了承をいただいております。
 それでは、元に戻っていただきまして、資料20ページでございます。
 以上のことから、「1 改定理由」にございますように、石内東地区開発事業が完了し、住居表示を実施するため、当該区域が表の右のとおり、石内東一丁目から石内東四丁目までの町の区域が設定され、また、当該区域を石内小学校の通学区域から五月が丘小学校に変更する必要があることから、通学区域に関する規則の一部改正を行うものでございます。
 「2 改正の内容」といたしましては、五月が丘小学校の通学区域に石内東一丁目から石内東四丁目までを加えようとするものでございます。
 「施行期日」につきましては、本日の教育委員会議での決定をいただきまして、交付の日から施行することとしております。
 以上が御審議いただく通学区域の変更の内容でございますが、この規則改正の本文を21ページ、それから新旧対照表を22ページのとおりとしております。
 なお、当該区域の中学校につきましては、従前から五月が丘中学校区でございます。規則の規定上も五月が丘中学校の通学区域は、五月が丘小学校の学区としていることから、改正する必要はありません。
 以上でございます。
 御審議のほどよろしくお願いいたします。

井内委員長

 ありがとうございました。それでは、ただ今の説明につきまして、何か御質問や御意見はございますでしょうか。
 これは新しく造成された区域ですよね。全くまだ家は建っていない段階ですね。

施設課計画担当課長

 はい。まだ造成工事が完了したばかりでございまして、開発業者からの聞き取りによりますと、平成28年度から順次、入居を予定しているとのことです。

井内委員長

 結構、五月が丘小学校までは距離がある。バス通学になるのでしょうか。

施設課計画担当課長

 23ページの図をもう一度お開きいただけますでしょうか。23ページの斜線の開発事業区域の上側の方ですが、上側の方が主に住居用地になっております。その辺から五月が丘小学校までは、だいたい距離にいたしまして1.7キロぐらいでございます。一方、石内小学校までは3キロを超える距離になります。

井内委員長

 距離的には石内小学校の方が遠いですね。

施設課計画担当課長

 そうです。

井内委員長

 結構、山とかあるから大変かなと思いますが。他には御質問はございませんか。
 (質問等なし)
 それでは議案第30号「広島市立小学校及び中学校通学区域に関する規則の一部改正について」、御異議ございませんでしょうか。
 (異議なし)
 それでは異議なしと認めまして、本件は原案どおり議決することといたします。
 次に、議題5に移るのですが、教科書の問題でございますので、教科書を少し揃える準備が必要なので、5分ほど休憩をさせていただきます。
 10時50分から再開させていただきます。

 (休憩)

井内委員長

 再開いたします。それでは、議題5 議案第31号「平成28年度から使用する広島市立中学校用教科書の採択について」を議題といたします。本件は審議案件でございます。議案の内容につきまして、指導第二課長から説明してください。よろしくお願いします。

指導第二課長

 それでは、「平成28年度から使用する広島市立中学校用教科書の採択について」、御審議をお願いいたします。資料につきましては、資料1と資料2を御用意しております。
 まず、これまでの教科書の採択の経過及び採択審議会答申の内容について説明をいたします。
 資料1の1ページを御覧ください。
 これまでの教科書採択の経緯についてですが、5月8日の教育委員会議で平成28年度から使用する中学校用教科書の採択について、上段の広島市教育委員会の枠の中にありますように、採択基本方針の決定、採択審議会への諮問事項の決定、採択審議会委員の委嘱又は任命を行い、図の丸2にありますように採択審議会へ諮問いたしました。
 さらに。図の丸3にありますように、72名の調査員を任命いたしました。また、中段の広島市教科用図書採択審議会の枠内にありますように、採択審議会を設置し、5月22日に第1回の審議会を開きました。この採択審議会では教育委員会の諮問事項に基づき、教科書を調査するための観点で定め、調査員に示すとともに、図の丸4にありますように調査員に教科書の調査・研究を依頼いたしました。
 これを受け、中段の調査員の枠内にありますように、調査員は本市の実態や生徒の状況を踏まえ、採択審議会の示した観点について、種目ごとに具体的な視点を設定し、その視点に沿って全ての教科書について調査・研究し、図の丸5にありますように、採択審議会に報告いたしました。
 この報告を審議するため、7月14日、17日に採択審議会を開催いたしました。この採択審議会では、本市の生徒に最も適切な教科書を採択するために、本市の実態や生徒の状況を踏まえ、全ての教科書について審議し、各教科書の特徴及び「よりふさわしい」「ふさわしい」の意見を付して、図の丸6にありますように、教育委員会に答申をいたしました。以上が経過でございます。
 次に、資料の1の2ページを御覧ください。
 これは文部科学省発行の中学校用教科書目録(平成28年度使用)に登載された中学校用教科書の一覧でございます。なお、次の3ページに発行者の正式名を示す一覧を記載しておりますので参考にしてください。
 次に、答申の概要についてですが、国語を例にして説明をいたします。資料の2の8ページを御覧ください。
 1枚開き、教科・種目があって、その次の国語の1というところからが国語になります。
 答申の概要についてですが、国語の1から、ずっと見ていただきまして、国語の8までが国語の答申の内容となっております。まず、国語の1ページを見ていただきますと、「本市の実態や生徒の状況」、それから「2」として「調査・研究の観点と視点」を記載しております。表に示しておりますように観点といたしましては、「基礎・基本の定着」、「主体的に学習に取り組む工夫」、「内容の構成・配列・分量」、「内容の表現・表記、言語活動の充実」の5つの観点について具体的な視点を丸1から丸10まで定めております。
 次のページからが各教科書の特徴及び意見となっております。国語科においては、5者全ての教科書において審議し、それぞれゴシックで示しております、先ほど説明いたしました5つの観点及び視点に沿って、その優れた点や特徴をまとめております。さらに、この答申の中の1者について「よりふさわしい」、もう1者について「ふさわしい」と意見が付されております。なお、ここに並べている発行者の順は、先ほど説明いたしました中学校用教科書一覧における順序となっております。この答申に基づいて、この後、種目ごとの教科書、いずれを採択するか御審議いただくということになります。どうぞよろしくお願いします。

井内委員長

 ただ今の説明を聞きますと、5つの観点に照らし合わせて教科ごとに具体的に視点を設定して、本市の実態でありますとか、生徒の状況も照らし合わせて調査員が全ての教科書の内容等について、調査・研究されたということでございます。
 また、採択審議会においては、この調査・研究結果をもとに審議をされまして、答申がまとめられています。この答申に示された内容や意見を踏まえて、本市で使用する教科書を決定していくという方針のもとに審議をしていただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。よろしゅうございますか。
 (異議なし)
 それでは、報告される種目の順に審議を進めてまいりたいと思います。まず、国語について、答申の説明を指導第二課長からお願いします。

指導第二課長

 それでは国語について説明をいたします。先ほど見ていただきました国語の1というページを御覧ください。
 まず、本市の実態や生徒の状況でございますが、本市は古典や伝統文化に触れることができる史跡や、文化芸術に触れることができる施設が充実した地域であります。また、各区に図書館があり、優れた古典や書物に身近に触れる機会が多い地域であります。
 生徒の実態といたしましては、平成26年度の「基礎・基本」定着状況調査及び全国学力・学習状況調査によりますと、本市の生徒の学力の実態として、自分の考えを表わす際に根拠を示すことは意識されているが、根拠として取り上げる内容を正しく理解した上で活用する力に課題がある。また、文章や資料から必要な情報を取り出し、伝えたい事柄や根拠を明確にして自分の考えを書くことについて、文章や資料から必要な情報を取り出してはいるが、それらを用いて伝えたい内容を適切に説明する力に課題があるとまとめられております。
 調査・研究の観点と視点については、先ほど御覧いただいたとおりでございます。
 それでは、各者について具体的に説明をしていきます。答申の中身がたくさんございますので、抜粋して説明させていただきたいと思います。
 まず、東京書籍について御覧ください。
 「2」の「主体的に学習に取り組むための工夫」というところの「(2)問題解決的な学習を実施するための工夫」の2つ目の丸(〇)を御覧ください。教科書があると思うのですが、1年生の109ページをお開きください。109ページから113ページまで意見文の学習が掲載されております。ここでは、目標と学習の流れを示し、「学習を振り返ろう」と、自己評価をする欄を設けております。また、111ページを御覧ください。「言葉の力」というところがございますが、学習のポイントを示し、学習の手助けとしております。
 次に、「言語活動の充実」でございますが、2つ目の丸(〇)印、教科書は今見ていただいております1年生の290ページを御覧ください。巻末の資料編となっておりますが、そこで手紙・新聞・レポートなど、様々な言語活動例を290ページから297ページまで掲載しております。
 答申の国語の3ページを御覧ください。意見として、ただ今、説明したような理由を付して、思考力、判断力、表現力の育成を目指す「ひろしま型カリキュラム」を推進している本市の取組や自分の考えを表わす際に、根拠として取り上げる内容を正しく理解した上で活用する力や、文章や資料から必要な情報を取り出し、伝えたい事柄や根拠を明確にして自分の考えを書く際に、取り出した情報を用いて、伝えたい内容を適切に説明する力に課題がある本市生徒の状況に対応することができるものであるという理由を付して、東京書籍の教科書は本市で使用する教科書として、「ふさわしい」という意見となっております。
 次のページをお開きください。学校図書についてでございます。学校図書につきましては、「1」の「基礎・基本の定着」の「(1)」の2つ目の丸(〇)印を説明いたします。1年生の教科書の282ページをお開きください。そこでは読書教材の後の学習という設定になっており、「読書案内」を設けて関連する本を紹介するというようなものになっております。
 次に、目次を御覧いただけたらと思います。答申で申しますと、「5」の「言語活動の充実」の丸(〇)印のところでございますが、教材名にスピーチ、インタビュー、プレゼンテーション、ディベート、パブリックスピーキング、グループパネルディスカッションなどの言語活動例を示しております。
 次に、国語の5ページの三省堂を御覧ください。教科書は1年生の79ページをお開きください。答申では、「1」の「基礎・基本の定着」の「(1)読書と情報活用」というところの2つ目の丸(〇)印を説明いたします。「『読書郵便』を楽しもう」というのが、1年生の79ページにございます。本を紹介するなどの読書活動を設定しております。
 次に、1年生の227ページを御覧ください。答申では「4」の「内容の表現・表記」の「(2)文字の大きさや配色等の工夫」の2つ目の丸(〇)印を説明いたします。各学年でテーマカラーを設定しており、このテーマカラーで見出しの背景やインデックスの色を統一しております。1年生ではオレンジ、2年生では緑、3年生は青というようにしております。
 続いて、1年生の教科書の260ページをお開きください。答申では「5」の「言語活動の充実」の2つ目の丸(〇)印でございますが、巻末の「資料編」です。インタビュー、アンケート、手紙、はがき、メールなど、様々な言語活動例を示しております。
 続いて、答申の国語の6ページ、教育出版について説明いたします。教科書は1年生の134ページをお開きください。答申では、「1」の「基礎・基本の定着」の「(1)読書と情報活用」の2つ目の丸(〇)印を説明いたします。読書教材の後に、「本の世界へ」を設け、関連する本を紹介しております。
 次に、同じく1年生の160ページ、161ページを御覧ください。答申では「2」の「主体的に学習に取り組む工夫」の「(2)問題解決的な学習を実施するための工夫」の2つ目の丸(〇)印の説明です。意見文の学習では、学習の流れを示し、「目標と振り返り」で自己評価する欄を設けております。
 続いて1年生の317ページを御覧ください。答申では「5」の「言語活動の充実」の2つ目の丸(〇)印でございます。巻末の「言葉の自習室」に、インタビュー、バズセッション、案内、報告など様々な言語活動例を示しています。これが317ページから322ページまで記載をしております。
 続いて、答申の国語の7ページ、光村図書出版を説明いたします。教科書は1年生の88ページをお開きください。答申では、「1」の「基礎・基本の定着」の「(1)読書と情報活用」の3つ目の丸(〇)印を説明いたします。「私が選んだこの一冊 読書紹介しよう」として、本の紹介をするなどの読書活動を設定しています。
 次に、2年生の32ページをお開きください。答申では、「1」の「(2)伝統と言語文化に関する内容の記述」の4つ目の丸(〇)印を説明いたします。2・3年生では、古典単元以外の単元にも、古典教材が掲載されております。
 続いて、今、見ていただいている2年生の172ぺージを御覧ください。答申では、「2」の「主体的に学習に取り組むための工夫」の「(2)問題解決的に学習を実施するための工夫」の2つ目の丸(〇)印を説明いたします。意見文の学習でございますが、目標と学習の流れを示し、「学習を振り返る」で自己評価する欄を設け、「生活に生かす」で日常生活のつながりを示しております。
 続いて、1年生の38ページをお開きください。答申では、「2」の「(2)」の3つ目の丸(〇)印、「学習の窓」として学習のポイントを示し、学習の手助けとしております。
 続いて、答申の8ページを御覧ください。教科書は1年生の280ページを御覧ください。答申は「5」の「言語活動の充実」の2つ目の丸(〇)です。巻末の「学習を広げる」というところでございます。読書感想文、インタビュー、アンケート、通信文、資料の工夫の仕方など様々な言語活動例を示しております。280ページ、281ページ、それから284ページから292ページまでとなっています。答申の国語の8ページ、意見のところを見ていただきますと、ただ今説明したような理由を付して、審議会では光村図書出版の教科書は本市で使用する教科書として、「よりふさわしい」という意見となっております。以上が国語についての説明です。

井内委員長

 ただ今、国語について、指導第二課長から採択審議会の答申の説明がありました。あと、本も実際に見せていただきました。御質問、御意見はございませんでしょうか。

溝部委員

 国語というのは、中学校になっても、小学校においても非常に重要な教科だと思っているのですけれども、まず、学力を定着させるという意味でも、言葉の教育という意味でも、国語に対しての興味、関心が持てないと、なかなか学習が前に進んでいかないのではないかと思います。そういう意味で、各者が興味、関心を促すような教材の見せ方といいますか、あるいは教材そのもの、これについて、少し教えていただければと思います。

指導第二課長

 答申では、「主体的に学習に取り組む工夫」という「2」の観点でございます。その中で学習意欲を高めるための工夫というところがございます。東京書籍では、各学年の各単元の扉に、例えば1年生では詩、2年生では短歌、3年生では俳句を掲載したり、日本語の豊かさに関心を持たせるため、行事や遊びなど、四季を楽しむ言葉を示したりしています。それからスピーチの学習では、「ことわざ」を紹介する教材を交流しながら話す材料を集めるという活動を示しております。
 続いて、学校図書につきましては、同じく「主体的に学習に取り組む工夫」を見ていただきますと、学習意欲を高めるための工夫として、各学年とも、各単元の扉にテーマに合わせた詩の一節を掲載しており、先ほどの東京書籍と同じようになっております。それから、スピーチの学習では、「お気に入り」を紹介するための教材を設けて、聞き手のコメントを「コメント-マップ」にまとめるというような活動を示しています。
 次に三省堂につきましては、同じく主体的に学習に取り組む工夫を見ていただきますと、各学年とも、「歌のことば」として歌詞を掲載しており、スピーチの学習では、先ほどの2者と同様な教材を設けております。
 続いて、教育出版でございますが、「主体的に学習に取り組む工夫」の「学習意欲を高めるための工夫」としては、各学年に「四季のたより」という季節にちなんだ和歌や俳句などを工夫する教材、また、スピーチの学習では、「通学路安全マップ」など身近なことを報告する教材を設けて、分かりやすい伝え方を話し合う活動を示しています。
 最後に光村図書出版でございますが、「2」の「主体的に学習に取り組む工夫」の「学習意欲を高めるための工夫」ですが、各学年とも「季節のしおり」として、季節にちなんだ名文や季語などを掲載しています。また、日本語の豊かさに関心を持たせるために、後見返しに色の名前、あるいは由来を示しております。スピーチの学習では、「好きなもの」を紹介する教材を設けて練習をしたり、聞き合う、表現し合う活動を示しています。それから、1学年で「広島江波山桜」を掲載しており、各者それぞれ工夫を重ねております。

溝部委員

 各者工夫しておられるというのがよく分かります。中でも、東京書籍の第1学年で原爆を取り上げた教材文が掲載されていること、それから光村図書出版において第1学年で「広島江波山桜」を取り上げているというところが素晴らしいなというように思いました。

井内委員長

 ありがとうございました。他に御意見はございませんでしょうか。

藤本委員

 当初、お話いただいた本市の実態と生徒の状況のところで、根拠を活用していく力に課題がある。必要な情報を取り出すことはできるけれども、それを根拠にして自らの考えを書くことについて、適切に説明する力に課題があるということで、論理的思考力ということになると思うのですけれども、その部分に弱さがあると。これは、仮に広島じゃなくて日本の場合は、そういった論理的思考力、自らの考えを表現するという部分がちょっと弱いのかなというように思うのですが、各者教科書、そういったプレゼンテーションとかいうような手法を、それぞれ紹介し盛り込んであるのですけれども、その中で特にこの2者が、そういった論理的思考力の部分を身に付けるという点で優れていると判断された審議会の意見について、もう少し詳しく説明してもらえますか。

指導第二課長

 思考力、判断力、表現力というところが、やはり、課題となってきておりまして、それは本市で進めております「ひろしま型カリキュラム」でこの3つの力の向上を目指しているわけです。これは学習指導要領でも、基本的な方針となっております。それについて、調べ、考え、表現するという授業を展開していくということが重要ではないかというような意見が出ました。そういう視点で、審議会で教科書を各者見られました。例えば東京書籍の1年生109ページを御覧ください。
 先ほども説明いたしました意見文の学習のところなのですが、目標と学習の流れを示しております。東京書籍では、振り返りと自己評価する活動というのを設けております。この振り返りと自己評価をする活動を設けているのが、今、見ていただいております東京書籍と三省堂。三省堂は184ページから187ページになります。それから教育出版、これも1年生の教科書ですが、教育出版1年生の160ページ、161ページ。光村図書出版は、意見文は2年生で学習することになっております。2年生の教科書の172ページ、175ページ。先ほど見ていただきました。
 その他の学校図書にも意見文の学習というのはございますが、今、見ていただいた東京書籍、三省堂、教育出版、光村図書出版では、振り返りと自己評価する活動を設けております。その中で、光村図書出版は175ページを見ていただきますと、「生活に生かす」というコーナーがございます。ここで日常生活とのつながりを示しているというのが特徴であるというような意見が出されました。
 さらに、東京書籍と光村図書出版は、学習のポイントを示すコラムを設けておりまして、それは東京書籍ですが、1年生では111ページの言葉の力、根拠を示すというコラムでございます。それから、光村図書出版は2年生の171ページ、「学習の窓」、「明確な意見文を書くために」。この2者がそのようなコラム的なものを設けているので、学習の手助けとなるのではないかという意見が出ていました。

鈴木委員

 本市の独特の取組として、やはり、言数、「ひろしま型カリキュラム」があると思うのですが、「ひろしま型カリキュラム」は生活に生かしていくとか、日常化していく、自分が活用する力にしていくということだと思うのですが、国語で学んだことを生活に生かしていくという点から見たときに、各者に、審議会でどのような意見が出ているのか教えてください。

指導第二課長

 今、見ていただいた光村図書出版の生活に生かすというのがあるのがいいのではないかというような意見が出たことと、それから言語活動の例を各者とも巻末に示しております。光村図書出版の1年生でいえば284ページからになります。それから、順番でなくて申し訳ないのですが、教育出版は1年生です。316ページから。それから、三省堂は260ページ。それから、学校図書は言語の学習ですね、巻末の284ページからの部分が文法的なものになります。学校図書は文法でまとめて掲載されています。それから、東京書籍290ページからというようになっております。学校図書はなかったのですが、その他の発行者は各者とも巻末に資料として、様々な言語活動例を示しています。原稿用紙の使い方であるとか、手紙の書き方を示しておりまして、その示し方は様々ありますので、こちらがいい、こちらがどうかというような意見が出ています。

鈴木委員

 「ひろしま型カリキュラム」と関連して、生活に生かしていくという観点があるということは大事なことではないかと思います。

栗栖委員

 光村図書出版が「よりふさわしい」となっていますが、この答申の冒頭に、それぞれ各教科書の読書活動のことに触れられているのですけれども、特に光村図書出版は、冒頭に読書活動を設定しており、基礎・基本の定着のための工夫があります。それを取り出されているというのは、この読書活動に関して、特に光村図書出版の特徴があるのでしょうか。

指導第二課長

 「読書活動を将来に渡ってしていくということが大切である」などの意見がありまして、各者とも読書教材は掲載しておりますが、東京書籍、学校図書、教育出版、光村図書出版は読書教材の後に関連する本を紹介しております。例えば東京書籍の1年生の82ページを御覧いただけたらと思いますが、82ページから93ページまでが読書教材となっております。読書1というのがあって、その後94ページ、95ページの読み比べようでは、本で世界を広げようということで、戦争・平和に関連するような本の紹介をしております。
 それから、学校図書の1年生の266ページから280ページまでが読書教材となっておりまして、282ページに読書案内があります。先ほど言いました東京書籍、学校図書、教育出版、光村図書出版は、読書教材の後に関連する本を紹介するようにしておりますが、その中で特に三省堂と光村図書出版は、自分で選んだ本を紹介するなどの読書活動を設定していることが特徴であるというような意見がありました。三省堂でいえば、1年生の79ページの読書郵便を楽しもうというものです。1年生の79ページです。それから、光村図書出版は1年生の88ページと89ページです。この2者が自分で選んだ本を紹介するなどの読書活動を設定した特徴であって、なかでも光村図書出版は目標、手順、振り返りチェックというような活動が含まれているのではないかという意見がありました。

尾形委員(教育長)

 読書は非常に重要なものだと思うけれど、読書についての、いわゆる扱い方は、紹介が多いですか。

指導第二課長

 はい。

尾形委員(教育長)

 東京書籍のように比較するようなところもあるけれど、意見文などの扱いの中で、例えば比較をするとか、比較して考えてみるとか、比較しながら自分の考えをまとめていくといったことはどうですか。

指導第二課長

 それは意見文のところで申しますと、東京書籍の先ほど見ていただいた109ページから113ページです。そこの111ページで長所・短所を書き出して、根拠を考えて、その中で下に表がありますが、AとBそれぞれの長所と短所をまとめようという活動があります。それから、112ページのところで、読み合って感想を交換するというような設定をしております。それから、光村図書出版は、意見文は2年生なのですが、先ほど見てもらいました172ページです。
 172ページのところの目標の次に学習の見通しを持とうとありますが、そこに意見文を読み合って助言し合おうというのがございまして、それが具体的には174ページです。意見文を読み合って助言し合おうというところで、3つの観点を示して、交流の仕方などを示しています。さらに、次につなげようというところで、学習を振り返って説得力のある意見文を作る中で、反論を想定して考えて読むというようなことを行っています。

尾形委員(教育長)

 今のは、意見文とか根拠を明確にするとか、先ほどの振り返り、自己評価といったところに各教科書に差異が出ているということだと思います。

井内委員長

 今の自己評価に関しては、光村図書出版のが一番明確にしてあるのですかね。

指導第二課長

 光村図書出版の場合は、今、見ていただきました175ページに、次につなげようというところがあります。ここでチェックするようになっていて、チェックをしたのちに生活に生かすとなっています。

井内委員長

 生活に生かすという言葉は光村図書出版しかないですね。

指導第二課長

 学習を振り返るというのは各者ともございます。例えば三省堂でいえば意見文の187ページですが、学習を振り返るというのが目標となっており、各者とも振り返りは設定しております。

溝部委員

 学習に見通しを持つということで、その学習の目標とか学習の流れというのは、どの程度提示されていますか。

指導第二課長

 例えば光村図書出版では、1年生・2年生の巻頭の方を見ていただけたらと思うのですが、目次がございまして、その後8ページです。ここで学習の見通しを持とうということで、どんな学習をするのかというのを、国語は話すこと、聞くこと、書くこと、読むことというのがあるのですが、それごとに教材名と何を学習するのかというのを、ハッパのマークを示して見通しを持たせています。東京書籍では、目次がございまして、その後6ページ、1年生の6ページです。領域別学習一覧というのがありまして、同様に話すこと、聞くこと、書くことというところで、文章で示しております。その上で、言葉の力を探しに行こうという、次の折込みになっております、これから1年間で学ぶことというような示し方をしております。
 それから、学校図書は1年生の8ページの教材で扱う内容ということで一覧にし、同様の示し方をしております。三省堂も1年生の6ページの領域別学習一覧のところで、付けたい力ということで、星取表のような形で示しております。学校図書につきましては、巻頭を見ていただきますと、目次は示しておりますが、今のような状況は示されていないということでございます。
 したがって、学校図書を除いて、各者ともそれぞれ工夫しながら、目標を確かめていくということになります。

井内委員長

 今の見通しとか、目標設定とかいうのは、2年生、3年生には付いてはいないのですね。1年生のとこで明示してあるのがほとんどですね。

指導第二課長

 光村図書出版は2年生でも8ページにあります。

井内委員長

 付いていましたか。

指導第二課長

 目次の後に、それぞれ付けられています。

井内委員長

 分かりました。

尾形委員(教育長)

 言語活動の中で、聞く活動については、目次に書いてあるのだけれど、学び的な差異というか、特徴があるということなのですか。

指導第二課長

 話す・聞くの時間のおよその目安というのが定められていまして、それに沿った教材数はほぼ変わりがありません。

尾形委員(教育長)

 変わらない。

指導第二課長

 学習過程でどうなのかということを審議会の中でも話題になったのですが、先ほど、書くのところで見ていただいたような学習過程を、例えば東京書籍では、スピーチのところの115ページで学習の流れを示して、次のページから具体的な学習活動を示しています。
 光村図書出版では、1年生の教科書では56ページです。好きなものを紹介しようでスピーチの学習ですが、先ほどの書くことと同じで、目標を示して、学習の見通しを示し、次のページから具体的な学習活動に入っていって、59ページですが、感想を伝え合おうということで交流をして、最後に振り返ってチェックをして、生活に生かすという流れにしております。というように、各者とも工夫を凝らしていますが、光村図書出版は生活に生かすという流れにしています。

溝部委員

 学習の流れを示してあるということは、子供たちにとっては、自分でも学びができるなと思うのですけれども。目標は、たぶん、どの会社もあるように思いますが、各教材で、学習の流れを全部示してあるのはどこですか。

指導第二課長

 東京書籍と光村図書出版は、今、見ていただいたとおりなのですが、三省堂では25ページの下に旗のマークで目標を示して、学習の流れを簡潔に示し、29ページで振り返るという示し方をしております。
 次に学校図書ですが、1年生の43ページの下に、下向きの三角印で、一文でスピーチの仕方をつけるという目標と学習の流れを示して、46ページの丸6で、コメントをもとにスピーチを振り返ろうとございます。
 それから、教育出版は1年生の158ページになります。教育出版では目標を示し、下のチェック欄に振り返りを設けています。その横の上に、手順を示して具体的な学習活動を進めていくという設定となっており、160ページに目標と振り返りを設けているというように、繰り越されています。

溝部委員

 中学校に入ると古典という教材が出てくると思うのです。その扱いについてはどうですか。

指導第二課長

 古典教材については、どの者も扱っております。東京書籍では各学年で扱うことにしているのですが、1年生の目次のところを見ていただきますと3ページになります。文化に触れるの古典の世界で、伊曽保物語、竹取物語、それから2年生で目次のところを見てみますと、3ページでございますが、伝統文化を楽しむという観点で、枕草子、徒然草、平家物語、それから漢詩。3年生で目次は3ページでございますけれど、万葉・古今・新古今の和歌集、それから、奥のほそ道、論語という形になっています。というように、各者とも、教材が様々違う場合や万葉・古今・新古今が別の学年で出ているということはありますが、古典は必ず設けているという形になっております。

溝部委員

 古典に初めて接するという状況ですけれども、たぶん、学習を進めるに当たって工夫をしているようなことがありますか。

指導第二課長

 工夫をしているのでいえば、光村図書出版の2年生の目次でございます。光村図書出版では、2年生と3年生にもあるのですが、目次の3ページの「5」のところに、いにしえの心を訪ねる古典教義となっておりますが、それに加えて、例えば2ページの「1」の広がる学びへというところがございます。詩・小説を学んだ後に、古文、枕草子というのがあり、現代文の学習をした後のつながりで古文を学習するという工夫をしております。

井内委員長

 だいたい、質問は出たように思います。国語に関しては、本市の課題、これは先ほど全国的な問題ではないかという質問がありましたが、文章、資料から取り出して、伝えたい事柄や根拠を明確にして、自分の考えを書くことに課題があるのではないかという御指摘がありました。それに対してどうするか、各者工夫をしておられますけれども、光村図書出版の教科書が「よりふさわしい」という答申が審議会から挙がっております。
 東京書籍も、目標と学習の流れを示している、学習を振り返ろうというようなところで、よりいいポイントをついておられるとは思います。自己評価から生活に生かそうというところで、光村図書出版の方が全体としては強いのではないかなというところが、今、浮き彫りになってきたかなと思います。
 皆様の御意見も踏まえ、以上のことを総合的に考えますと、国語については、光村図書出版が「よりふさわしい」というように考えられますので、国語については、光村図書出版を採択するということでいかがでございましょうか。
 (異議なし)
 それでは異議がないということでございますので、国語は光村図書出版を採択するということにしたいと思います。どうもありがとうございました。
 それでは、書写について、答申の説明を指導第二課長からお願いいたします。

指導第二課長

 よろしくお願いします。答申の国語の書写の1ページを御覧ください。まず、「本市の実態や生徒の状況」についてですが、1つ目の丸(〇)印の本市の実態の中では、先ほどと特に変わらないということでございます。2つ目の丸(〇)印でございますが、本市の生徒の実態として、授業において硬筆や毛筆を用いて、事態や筆順に注意して丁寧に書く態度は概ね定着しておりますが、書写で学習した内容を日常生活に生かすことができない生徒が多いことが課題でございます。
 調査・研究の観点ですが、観点は以下、全て5観点と同じですので、省略させていただきます。視点は丸1から丸8を定めております。
 次の2ページでございます。まず、東京書籍について抜粋して説明いたします。「2」の「主体的に学習に取り組む工夫」の5つ目の丸(〇)印でございますが、15ページを御覧ください。東京書籍の15ページでございます。各教材の最後に「振り返ろう」として評価の観点を示しています。その評価の観点に沿って、できたが丸(〇)印、もう少しが三角(△)として、自己評価を記入する欄を設けております。
 次に、その次の丸(〇)印でございますが、教科書は12ページを御覧ください。始筆・送筆・終筆を「トン・スー・ピタッ」と擬音語を用いて説明をしております。
 続いて、教科書は100ページ、101ページを御覧ください。答申は、「5」の「言語活動の充実」の最後の丸(〇)印でございます。巻末の「資料」でございますが、「いろいろな書式」として、封筒、はがき、原稿用紙、新聞、ポスターセッション用の資料の書き方などを示しております。
 答申の3ページを御覧ください。ただ今説明したような理由を付して、東京書籍の教科書は本市で使用する教科書として、「ふさわしい」という意見になっております。
 答申の次のページを御覧ください。学校図書でございます。ここでは、「2」の「主体的に学習に取り組む工夫」の一番最後の、5つ目の丸(〇)印ですが、教科書は13ページをお開きください。各教材の最後に「振り返って…」というものがございますが、評価の観点を示しております。
 次に86ページをお開きください。答申は「5」の「言語活動の充実」の最後の丸(〇)印でございます。3学年ですが、教材「書写を生活に生かそう」で、「修学旅行で」、「荷物を送るときに」、「お祝いに」など、身近な場面を設けて、学習や日常生活に生きる様々な言語活動例が86ページから93ページまで示されております。
 続いて、答申の次のページの三省堂でございます。「2」の「主体的に学習に取り組む工夫」の一番最後の丸(〇)印を説明します。教科書は11ページです。各教材の最後に「振り返ろう」として評価の観点を示しております。
 次の答申は「5」の「言語活動の充実」の最後の丸(〇)印です。教科書は78ページを御覧ください。巻末の「資料編」がございます。「日常の書式」として、便箋、封筒、荷物の送り状、のし袋、掲示物、ノート、原稿用紙の書き方が示されておりまして、それが78ページから84ページまでございます。
 続いて、答申の次のページの教育出版でございます。「2」の「主体的に学習に取り組む工夫」の一番最後の丸(〇)印です。教科書は17ページでございます。各教材末に「振り返ろう」として評価の観点を示しております。その観点に沿って、できたら丸(〇)印、もう少しであれば三角(△)印というように、自己評価を記入する欄を設けております。
 続いて、答申の「5」の「言語活動の充実」の最後の丸(〇)印です。教科書は114ページをお開きください。巻末に「書式の教室」というのがございます。そこで手紙、封筒、一筆箋、はがき、包み紙、エアメール、原稿用紙、国語のノート、メモ、志望理由書、小包の伝票などの書き方が、119ページまで示されております。
 答申の次のページを御覧ください。光村図書出版です。「2」の「主体的に学習に取り組む工夫」の最後2つの丸(〇)印です。5番目と6番目の丸(〇)印を説明します。10ページを御覧ください。各教材の最後に「学習を振り返る」という欄がございまして、評価の観点を示しています。その観点に沿って、できたら丸(〇)印、もう少しであれば三角(△)という印で自己評価を記入する欄を設けています。同じく10ページに、始筆、送筆、終筆を「トン・スー・トン」と擬音語を用いて説明しています。
 次に、答申の「3」の「内容の構成・配列・分量」の「(1)」の3つ目の丸(〇)印です。教科書は今見ていただいている10ページになります。全教材が見開きの2ページで学習できるようにページの割付がされております。
 続いて、答申の「4」の「内容の表現・表記」の3つ目の丸(〇)印です。教科書の22ページをお開きください。楷書と行書と比較して、行書の特徴を示しております。また、筆使いや筆圧の違いを示しています。
 次に、答申の「5」の「言語活動の充実」ですが、巻末の60ページをお開きください。「資料編」として、「日常の書式」として手紙、封筒、はがき、送り状、願書、のし袋、原稿用紙の書き方などが67ページまで示されております。
 言語活動の最後の丸(〇)印でございますが、教科書は今見ていただいております68ページからになります。「活用のヒント」、「情報を集めて、整理する」、ずっとページをめくっていただきますと、「情報を発信する」、「学校行事を盛り上げる」など、学習や日常生活に生きる様々な言語活動例を示しています。
 答申の次のページを御覧ください。ただ今説明いたしましたような理由を付して、意見として光村図書出版の教科書は本市で使用する教科書として、「よりふさわしい」となっております。説明は以上で終わります。

井内委員長

 ありがとうございました。ただ今の書写についての採択審議会の答申の説明がございましたけれども、御質問、御意見はありますでしょうか。

溝部委員

 毛筆教材の数に、少し違いがあるように思うのですが、これはどう考えたらいいですか。

指導第二課長

 東京書籍は3年間で毛筆を12教材提示をしております。内訳は、1年生が5教材、2年生が5教材、3年生が2教材です。学校図書は3年間で20教材、毛筆があります。学年の内訳は、1年生が8教材、2年生が8教材、3年生が4教材。三省堂は3年間で12教材でございます。学年の内訳は、1年生が7教材、2年生が4教材、3年生が1教材です。教育出版は3年間で14教材。学年の内訳は、1学年で6教材、2学年で5教材、3学年で3教材であります。光村図書出版は毛筆が3年間で13教材。各学年は1学年が6教材、2学年が5教材、3学年が2教材でございます。
 したがいまして、一番多いのが20教材、一番少ないのが12教材で2者、続いて13教材、14教材ということで、学校図書が20教材で一番多いですが、書写にあてる時間数が決められておりますので、教材数が、今のように20から12という違いはありますが、時間数からいえば、12教材であっても十分だと思います。

溝部委員

 分かりました。

栗栖委員

 広島市の課題として、書写で学習した内容を日常生活に生かすことができていないということが挙げられているのですが、これは具体的にはどういうことなのでしょうか。

指導第二課長

 書写の時間に、例えば毛筆で時間をかけて丁寧に、一字一字、とめ、はね、はらいというのを気を付けながら書くということは、ほぼできております。これは硬筆でも同様でございます。ところが、それを他の授業でノートをとる際に生かされているかというと、文字を一字一字丁寧に書くとか、文字を揃えて書くとかいうことなどができていないという課題であります。

栗栖委員

 そういう課題に対して、「よりふさわしい」のは光村図書出版で、「ふさわしい」というのが東京書籍が挙げられていて、2つに共通しているのが、東京書籍は「トン・スー・ピタッ」で、光村図書出版は「トン・スー・トン」とあります。擬音語を用いて、その説明をしているということなのですが、そういうことが課題に対処できるということになるのですか。

指導第二課長

 今の毛筆の基本についてですが、審議会の意見として、毛筆の持ち方、鉛筆の持ち方もそうなのですが、筆を、例えば半紙に下ろすときの筆圧、下ろした後に書き進めるときの筆圧とかスピード、終筆のときの止め、穂先と根元の動きとか筆圧というところからすれば、同じ筆圧で同じように書く生徒が多い中で、擬音語を用いているということはスピードであったり、筆使いであったりというところからすれば分かりやすいのではないかという意見です。

鈴木委員

 一つは見開き2ページになっていることの使いやすさというのがあると思うのですが、これは1者だけではなくて、その他の教科書でどうだったのかということを聞きたいと思います。

指導第二課長

 見開きになっているのは1者だけとなっています。これも審議会の中で意見が出たのですが、光村図書出版の11ページを見ていただきますと、地球という文字の教材がございます。左のページがいわゆるお手本になっていて、右のページが主として濃いほうが穂先で薄い方が根元ということになるという形で、穂先と根元の動きが示されているので教えやすいし、生徒にとって学びやすい、書きやすいという意見が出ました。

鈴木委員

 もう1点なのですけれど、先ほどの意見も関係しているのですが、筆を使って何かを書く機会はあまりないと思うのですけれど、字画のバランスであるとか、美しい書き方とか、相手に分かりやすい書き方ということを考えると、私は光村図書出版の最後の辺りが割と充実しているといいますか、「テダレ」の書き方のあたりから始まって、リーフレットの書き方ですとか、情報を集めて整理するということなどが、他の教科にも応用はできることかなと思ったり、ポスターとかレポートなどを書くときに、硬筆で書くバランスとか美しさみたいなものが反映しやすいのかなと思ったりしたのですが、そういう言語活動の部分というのは、他者においては何か違いがあるのでしょうか。

指導第二課長

 今、委員に御指摘いただいたのは、光村図書出版の68ページから70ページです。実際の生活等、他の教科授業場面で生かすということができることだと思いますが、例えば東京書籍では100ページ、101ページに記載しています。原稿用紙と新聞、ポスターセッション用の資料ということになっています。それから、学校図書は86ページ、87ページに修学旅行の新聞、86ページが拡大したもので、87ページが全部というようになっています。それから、三省堂は78ページになります。こちらの方は封筒と水引、各者ともあるのですが、ずっと読み進めていただきますと84ページに「日常の書式」ということで、ノートと原稿用紙の書き方があります。それから、教育出版は114ページからが「書式の教室」となっており、118ページに原稿用紙の書き方があります。今、おっしゃったように光村図書出版が一番ページを取っています。

溝部委員

 「言語活動の充実」については、今、お示しいただいて、各者がすごく工夫をされているなと思ったのですが、ちょうど、この見出しのところですよね。光村図書出版にあるとおっしゃったのですが、それは他者はいかがですか。

指導第二課長

 他者は、今、見ていただいたところが学校生活の中での活用というところになります。

溝部委員

 この辺りが、情報を発信するとか、情報を集めて整理するという活用のページですかね。

指導第二課長

 東京書籍では42ページからになります。ここは封書と便箋なのですが、44ページでは、家庭科の時間に幼稚園や保育園を訪問した後に、お礼の手紙を書いて、自分の思いを伝えるというような活動設定になっています。情報発信ということでいえば、新聞を作ったりとか、レポートを書いたりとか、お礼の手紙を書くというような活動は各者ともなされています。

溝部委員

 では、もう一つ、中学校に入ると行書が、初めて出てくるのですが、その扱いの工夫についてはどうですか。

指導第二課長

 行書の工夫については、先ほど鈴木委員からもありましたが、左右見開きになっているのが光村図書出版で、22ページ、25ページになります。光村図書出版では、左のページに楷書、右のページに行書ということで、これが折込みになっており、折込みを開きますと行書の朱書、それからその右に筆使い、筆の運び方という説明があります。
 これが東京書籍では30ページと31ページで、行書の筆の動き方のパターンというのを学習して、31ページに朱書がございます。33ページの下のところに行書と楷書の違いを示しておりまして、次の32、33ページに原寸大のお手本というようになっています。それが行書を一番最初に学ぶもので、次の34、35ページからが違う字を学習していくということになります。
 次に、学校図書ですが、32ページにある行書の特徴を理解して書こうというところです。行書は御承知のように楷書と筆順が違う文字があったりするのですが、その筆順を記したりとか、一画ずつ、はねとか、点とか、はらいとかの違いを学習したりするような形で示しています。ちょっと後先説明してしまいましたが、30ページ、31ページに返っていただきますと、「草原」という手本を示した後に、書き方を記すという示し方になっています。
 それから三省堂は30ページになります。30ページでは、「生」という字の楷書を上に、行書を下に示しておりまして、楷書でいえば、4画目と5画目は、当然、一画ずつ書くのですが、それが行書ではつなげて書くという字から示していております。左のページに行書の特徴を示していていまして、次の32ページで続けて説明して、33ページで穂先の使い方を朱書で、34、35ページでほぼ原寸大の手本を示しています。
 それから、教育出版は40ページです。教育出版では、行書が生まれた歴史、簡単ではありますが、背景的なことから入って、行書の特徴を41ページで述べ、それから42ページで楷書と行書の違いを、「和」という字をもとに、左のページと右のページで示して、次の44ページで筆使いを学ぶとなっています。それから、とめ、はね、はらいが変わってくる「大」という字の書き方を体験して、次の46ページで「大木」、右のページにお手本、左のページに朱書というような形で示してあり、それぞれ工夫があります。

尾形委員(教育長)

 基本になる始筆、送筆、終筆、そして筆圧とか筆使い、こういった点はかなり多く扱っているということですね。

指導第二課長

 先ほど説明したとおり、東京書籍と光村図書出版には、単純なことであるのですが、擬音語というのがあり、それがないと、生徒への教え方に違いがあるという意見が出ておりました。

尾形委員(教育長)

 筆の動きは、かなり大きく、分かりやすく扱っていますね。中学校で、初めて行書を学習するのですよね。

指導第二課長

 はい。

尾形委員(教育長)

 行書との出会いと、楷書との違いをどのように示していますか。

指導第二課長

 楷書と行書を並べて示し、比較しているということです。

溝部委員

 右、左にあると、とても分かりやすいですね。

尾形委員(教育長)

 そうですね。特に筆の動きがよく分かりますね。それと、硬筆へのつながりが大事だと思うのだけれど、毛筆から硬筆へのつながりという点では、どこの者も扱ってはいるのだけれども、毛筆の姿勢とか、筆使いとかをやった後に、すぐに硬筆へとうまくつなげていくとか、硬筆の時にそれが生きていくとか、そういった点ではどうですか。

指導第二課長

 毛筆は硬筆の基礎として、必ず行うというのが学習指導要領にございますので、各者とも毛筆を学んで硬筆にというような工夫はなされております。例えば光村図書出版でいえば、11ページを見ていただきますと、「地球」という文字ですが、毛筆で書いた後に、鉛筆マークでこれを硬筆で書くというような工夫を各者ともしております。

井内委員長

 今の御質問の中でもあった、書くときの姿勢とかですね、その解説に関しては、そう差はないのですか。

指導第二課長

 巻頭の方に全者とも取り上げておりますが、光村図書出版は4ページ、5ページから毛筆を中心に取り上げて、5ページの左上で鉛筆の持ち方というようになっています。それから、用具の扱い方ということになっています。
 それから東京書籍は、4ページになります。姿勢、筆記用具の持ち方というところを4ページの方で説明しておりまして、5ページに鉛筆の写真がありますが、児童生徒がよく授業観察に行きますと、左の良くない例がありますが、書写の授業では、こういう鉛筆の持ち方というのをきちっと学習するというのを東京書籍は意図して取り入れているのが特徴です。
 それから、学校図書は4ページになります。書くときの姿勢を毛筆と硬筆と男女別で写真であります。それから、毛筆のときには大筆の場合は肘を机に付けないで書くということになるのですが、ここでは机に腕をつけて書く方法と左手を付くというような違いを示して、工夫をしております。
 それから、三省堂は4ページになります。上から5ページの方が小筆、上の方で墨汁ですね、先ほどの小筆の2つの書き方、それから下の方に、三省堂の場合も良くない鉛筆の持ち方、C、Bもよく見かけますがこれをきちっとAのような形にしますというようなことになっています。
 それから、教育出版は2ページが折込みになっておりますが、それを開いていただきますと3ページ、4ページ、5ページになります。毛筆と硬筆の書き方。それから、教育出版はボールペンを取り上げて、ボールペンの場合はボールを滑らしながら書かなくてはなりませんので、少し鉛筆を立てて書くというようなことで工夫をしております。
 それぞれ写真の数とか、大きさとか違いがございますが、それぞれ工夫しながら姿勢について取り上げています。

井内委員長

 毛筆から硬筆へというところを重視しながら、各者ともそれぞれやっておられるところでしょうね。
 そうすると、決めなければいけないのですが、書写に関しては、書写で学習した内容を日常生活に生かすことができるようにという視点が、一番大きな課題だろうという御指摘があります。それに関して見るならば、各者ともですね、具体的な活用のヒントということ、特に光村図書出版では手紙、封筒、はがき、送り状等々の書き方を丁寧に説明しておられるのに加えて、情報を発信するというような言い方で様々な言語活動例を示している点でいえば、国語全体にいえることですが、思考力、判断力、表現力の育成を目指すという「ひろしま型カリキュラム」の趣旨に沿った内容が盛り込まれているのではないかなという評価が採択審議会の答申に応えているように思います。
 そのような理由で、光村図書出版の教科書は「よりふさわしい」という評価になっておりますが、いかがでしょうか。
 では、以上のことから、書写については光村図書出版が、「よりふさわしい」と考えられますので、この教科書は光村図書出版を採択するということにさせていただきたいと思いますがいかがでしょうか。
 (異議なし)
 どうもありがとうございました。書写については光村図書出版を採択するといたします。
 それでは、審議は一時中断をさせていただきたいと思います。昼の休憩といたします。
 午後1時20分から再開をさせていただきたいと思います。

 (休憩)

井内委員長

 それでは再開をさせていただきます。引き続きまして、議案31号「平成28年度から使用する広島市立中学校用教科書の採択について」を議題といたしますが、まず、社会の地理的分野を議題といたします。答申の説明を指導第二課長からお願いします。

指導第二課長

 引き続きお願いします。社会科は4種目ございますが、まず、地理的分野について答申の説明をいたします。社会の地理的分野の1ページをお開きください。まず、本市の実態についてですが、1つ目の丸(〇)印でございます。官公庁や商業施設の集まる地域、工業、農業、漁業が行われている地域、住宅造成による住宅地が広がる地域や豊かな自然の残る地域など、それぞれに異なる特色を持つ地域が分散しており、様々な地理的事象を観察・調査することができる地域です。また、近年の都市再開発、高速道路の整備など、変化の大きな地域もあり、次代の変化を調べる学習にも適しております。
 次に、生徒の状況ですが、地理的事象に対する興味・関心が高く、基礎的知識が概ね定着している生徒は多いのですが、様々な資料を的確に読み取ったり、自分の解釈を加えて論述したり、意見交換したりする力に課題があります。
 「2」の「調査・研究の観点と視点」はどの教科も同じ観点でございますが、地理的分野については御覧の丸1から丸9の視点について答申がなされております。
 次のページをお開きください。まず、東京書籍について抜粋して説明いたします。「2」の「主体的に学習に取り組む工夫」についてですが、「(1)」の3つ目の丸(〇)印でございます。東京書籍の43ページをお開きください。中項目の冒頭に小学校で学習した語句を5つ程度掲載し、小学校との関連を図っております。
 次に、答申の「(2)」の「問題解決的な学習を実施するための工夫」の4つ目の丸(〇)印でございますが、教科書は25ページをお開きください。コラムとして「地理スキル・アップ」というのがございます。グラフや地形図の読み取り方、時差の調べ方など、地理的技能を身に付けるようにしております。
 次に、答申の次の丸(〇)印でございます。教科書は158ページをお開きください。「えんぴつマーク」がございます。この「えんぴつマーク」のコーナーでは、「グラフから、1950年代から70年代にかけて増えた年齢層を読み取りましょう。」あるいは「地図を見て、小麦・大麦の生産が盛んな地域の特色を気温や降水量などに注目して説明しましょう。」など、資料から情報を読み取って考える課題を示しております。
 答申の次のページをお開きください。「5」の「言語活動の充実」についてですが、1つ目の丸(〇)印でございます。教科書の165ページをお開きください。見開きごとに「確認」で学習内容をまとめ、「次の語句を使って説明しましょう。」、「〇〇に触れながら、説明しましょう。」、「例をあげて説明しましょう。」、「一文でまとめましょう。」などの指示により説明する課題を設定しております。これは233ページにも同様にございます。
 それから、次の丸(〇)印でございます。教科書は195ページを御覧ください。中項目「世界の諸地域」の各州の学習及び中項目「日本の諸地域」の各地方の学習で、「なぜ」という発問により研究課題を示し、学習したことを「図」や「表」、「ウェビングマップ」、「地図」などの方法で整理させ、研究課題について考えたことを自分の言葉でまとめる活動を設定しております。これは201ページにも同様にございます。
 以上、説明してきました理由を付して意見として、東京書籍の教科書は、本市で使用する教科書として、「よりふさわしい」となっております。
 答申の次のページを御覧ください。教育出版についてでございます。「2」の「主体的に学習に取り組む工夫」の「(2)」の4つ目の丸(〇)印でございます。24ページを御覧ください。「地理にアプローチ」というコーナーがございます。グラフや地形図の読み取り方、時差の調べ方などの地理的技能を身に付けるようにしています。
 次に、答申は、「5」の「言語活動の充実」の1つ目の丸(〇)印でございます。教科書は75ページをお開きください。見開きごとに「ふりかえる」で学習内容をまとめ、「まとめてみよう。」「整理しよう。」「書き出そう。」などの指示により、説明する課題を設定しています。
 続いて、帝国書院でございます。答申の次のページをお開きください。ここでは、「2」の「主体的に学習に取り組む工夫」の「(2)問題解決的な学習を実施するための工夫」、4つ目の丸(〇)印でございます。教科書は32ページをお開きください。「技能をみがく」というコラムがございます。グラフや地形図の読み取り方、時差の調べ方など地理的技能を身に付けられるようにしています。
 続いて、139ページを御覧ください。答申は、次の丸(〇)印でございます。コーナーとして「やってみよう」というのがございます。「グリーンランドの形を、地球儀と図丸5で比べ、なぜ形に違いがあるのか、図丸1を手がかりにして考えてみましょう。」とか、「A-B間の長さをはかり、A-B間の実際の距離は何mになるのか計算してみましょう。」など、資料や地図などから情報を読み取って考える学習課題を示しております。
 答申の次のページをお開きください。言語活動の充実の1つ目の丸(〇)印でございます。教科書は71ページをお開きください。見開きごとに「確認しよう」あるいは「説明しよう」で学習内容をまとめ、「書き出してみよう。」「説明してみましょう。」「確認してみましょう。」などの指示により、説明する課題を設定しています。
 次に、教科書の181ページを御覧ください。答申は次の丸(〇)印でございます。中項目「世界の諸地域」の各州の学習及び中項目「日本の諸地域」の各地方の学習で、学習の最後に「図でまとめてみましょう。」「自分の言葉で説明してみましょう。」などの指示によって、考えたことを自分の言葉でまとめる活動を設定しています。
 以上、説明しました理由を付して意見として、帝国書院の教科書は本市で使用する教科書として、「ふさわしい」となっております。
 続いて、答申の次のページをお開きください。日本文教出版についてです。ここでは、答申の「1」の「基礎・基本の定着」の「(2)国際社会で主体的に生きていくための基盤となる知識・技能を身に付けさせる工夫」の4つ目の丸(〇)印でございます。教科書は100ページをお開きください。中項目「世界の諸地域」でございます。最後の特設ページ「世界の諸地域をふりかえろう」で、世界の諸地域の基礎的な知識をまとめる課題を示しております。
 続いて、答申の「2」の「主体的に学習に取り組む工夫」の「(1)」の「学習意欲を高めるための工夫」の2つ目の丸(〇)印でございます。教科書は186ページを御覧ください。「広島」に関する資料として、「広島市の都心と路面電車」、「広島市北部の住宅地と新交通システム」、「渋滞する広島市内の道路」の写真、地図、グラフなど、計12点の資料を掲載しています。これが186ページから189ページまで示されております。
 続いて、答申は、「5」の「言語活動の充実」の1つ目の丸(〇)印でございます。教科書は85ページをお開きください。見開きごとに「学習の確認と活用」で学習内容をまとめ、「箇条書きで答えよう。」、「次の言葉を使って説明しよう。」、「イラストにして発表しよう。」、「クラスで話し合おう。」などの指示によって説明する課題を示しております。
 以上が地理的分野についての答申でございます。よろしく御審議ください。

井内委員長

 ありがとうございました。ただ今、社会の地理的分野について指導第二課長の方から採択審議会の答申の御説明がございました。御質問、御意見、ありませんでしょうか。

藤本委員

 学習指導要領に歴史的な背景との接続ということが書かれており、知識の定着という意味でも歴史的な背景を理解した上で、地理的な知識を獲得していくことが非常に有用だと思うのですが、この辺りについて各者はどのような形を取っているでしょうか。

指導第二課長

 学習指導要領では、御指摘のように地理的分野と歴史的分野は並行して、主に1、2年生、一部歴史的分野は3年生で学習するようになっております。そうしたことから、地理的分野と歴史的分野のそれぞれの教科書を用いながら行うということを基本としております。
 そうした中で、東京書籍につきましては、例えば232ページをお開きいただけたらと思いますが、ここでは関東地方の学習をするのですが、東京都の学習の中で、地理的分野と歴史的分野の関連を図るという意味で興味・関心を持たせるために、233ページにございますように、「地理にアクセス」ということでオリンピックと東京という形で触れるということをしております。
 それから、同様のことは日本文教出版では、同じ東京を見ていただくと分かりやすいと思いますが、222ページを御覧ください。東京を学習するようになっておりますが、首都東京がこれまで担ってきた役割について、学習を首都東京の役割とか、一極集中の光と影という形で学習をしたり、世界と東京の関わりの中でどういう役割を果たしてきたかというような関連付けをしたりしております。そうした中で、ここでは223ページの下にございますが、学習の確認と活用の形で学習のヒントを出していたり、その上にオリンピックの開催決定を喜ぶ人たちの写真を掲載するという形になっております。このような工夫が各者なされております。

鈴木委員

 本市では、資料を読み取って解釈を加えて論述したりする力が課題であるということですが、資料とかグラフを読み取って論述したり、説明したりする用意が各者あるかと思うのですけれども、それについてはどのようになっているか教えていただければと思います。

指導第二課長

 答申でいえば、問題解決の学習というところになりますが、東京書籍、教育出版、清水書院、帝国書院は、コラムやコーナーを設けて、グラフや地図、地形図の読み取り方、時差の調べ方など、地理的技能を身に付けるように各者ともしております。
 その中で東京書籍と帝国書院は、コーナーを設けて、資料から情報を読み取って考えるように課題を設定しています。これは先ほど見ていただいた項目です。

鈴木委員

 全体的に工夫が見られるということですか。

指導第二課長

 はい。それから、もう1点の自分の解釈を論述したり、意見交換したりする力に課題があるのですが、これも各者ともに見開きや項目ごとに学習をまとめて整理して、自分の言葉で表現するようにしています。
 例えば東京書籍では、165ページを見ていただけたらと思いますが、一番下に机と椅子のマークがございますが、「日本の農業、林業、漁業から1つ選び、その産業をPRするようキャッチフレーズを考えましょう」で、自分の考えを持ち、まとめるようにしています。これが帝国書院では、71ページを見ていただけたらと思うのですが、右下に先ほどの答申でも説明しましたが、「確認しよう」「説明しよう」というような形で言語活動を行っています。

溝部委員

 地理では、自然環境に関する特色を体感するということが大事だと言われておりますけれども、防災教育との関連についての扱いはどのように違いますか。

指導第二課長

 防災教育につきましては、東京書籍の152ページを御覧ください。ここでは、自然災害と防災への取組の学習で、土石流について本文に二行で示して、コラムで土石流と人間の活動について地理や説明を工夫しております。それから154ページ、155ページ。「深めよう」ということで、震災と防災、減災の取組、それから184ページを開いていただきますと、豪雨がもたらす土砂崩れと水害、その下の豪雨と開発がもたらす赤土被害、それから205ページでございますが、「地理にアクセス」というのがあります。そこで阪神・淡路大震災の教訓、さらに241ページを御覧ください。ここも「地理にアクセス」というところで大震災の爪痕、それから264ページから275ページ。身近な地域の調査というところの267ページに、通学路を観察するなど、海抜を確認するというような学習を行っています。
 帝国書院では、防災については144ページをお開きください。日本の様々な自然災害という形で土石流について、本文に二行掲載され、それから絵図が一部掲載されております。次の146、147ページで自然災害に対する防災や減災について、それから、次の148、149ページの特設ページ「トライアル地理」で、ハザードマップの活用についての学習、さらに、252ページの特設ページ「地域を知ろう」というところで、岩手県宮古市の復興に向けた取組、それから元に戻るようで恐縮ですが、171ページ。九州地方の自然環境で、集中豪雨の土砂崩れを本文で扱うという形になります。

溝部委員

 だいたい両者とも扱っているのですね。

指導第二課長

 そうです。

溝部委員

 特に充実しているのは今の2者ですか。

指導第二課長

 いずれの者も、今、説明したページ数程度で、様々な話で災害について取り上げ、ただ今見ていただいたように自分たちの地域についてどうなのかという学習を進めていくというような掲載の仕方になっています。

栗栖委員

 答申では、東京書籍が「よりふさわしい」、帝国書院が「ふさわしい」というようになっているのですが、東京書籍が「よりふさわしい」とした理由の冒頭に、「小学校で学習した語句を掲載して、関連を図ることによって」という記載があるのですが、このことと主体的に学習に取り組む工夫との関連は、どんなことがあるのでしょうか。

指導第二課長

 東京書籍の43ページを見ていただけたらと思います。例えば3章の「世界の諸地域のはじまり」のところで、小学校で左のようなことを学習しましたねという振り返りをさせて、これまで学習したこととこれから学習することの関連を図るようにしています。これは、生徒が学習の見通しを立て、学習で振り返ることで自主的に学ぶ態度を育むことができて、学習意欲の向上につながると考えています。

栗栖委員

 それぞれの章の冒頭に、振り返りがあり、それとつなげることによって授業で深めていくということですね。

指導第二課長

 はい。

尾形委員(教育長)

 現行の学習指導要領に基づく現行の教科書、その中にはまだ書かれていないと思うのだけれども、平成26年の1月に、いわゆる領土と自然災害に関わる部分についての充実ということで、指導要領解説書の改定がなされたと思うのですが、新しい教科書には、それについて各者どのように記載されているのですか。

指導第二課長

 今、教育長がおっしゃったのは、1月28日付で文部科学省初等中等教育局長から発出された一部改正の通知です。中学校の地理的分野では、これまで領土問題として北方領土と竹島については触れられていたのですが、新たに尖閣諸島については、国の固有の領土であり、現に我が国がこれを有効に支配しており、解決すべき領有権の問題は存在しないことを、その位置や範囲を理解することが必要であると書き加えられました。また、竹島、北方領土については、より丁寧に指導するように改定がなされております。
 各発行者とも、本文で北方領土、竹島、尖閣諸島については記述されておりまして、これに対応しております。その中で、東京書籍は133ページをお開きください。さらに、「地理にアクセス」で沖ノ島の護岸工事と尖閣諸島の写真、その上に竹島の写真を掲載しています。日本の領土返還、歴史と北方領土ということで、写真とともに本文で触れております。
 さらに、次の134、135ページの「地理にアクセス」というところで、日本列島を構成する島々、竹島、北方領土、尖閣諸島ということで対応しております。
 帝国書院では、126ページになります。帝国書院では、上に写真がございますが、北海道から見える北方領土の島々、それから下に北方領土の写真、そこを訪れているお墓参りをされている人々の写真や、ビザなし交流訪問団の人々の写真とともに本文で触れています。それから、127ページで竹島、さらに尖閣諸島ということを取り上げております。
 教育出版は130ページになります。日本の領土をめぐってということで、日本の国境による様々な動きということで、領土問題を話し合う日露首脳会談など。それから、その横に地図。次のページに竹島、尖閣諸島の地図を下に写真や年表などを付して、本編で取り上げております。
 それから、日本文教出版でございますが、118ページになります。こちらでも、日本の地図、拡大した竹島、尖閣諸島、北方領土。それから右のページで、島々の写真や人々の写真等を付して、本文で北方領土、竹島、領土問題の解決に向けて尖閣諸島を取り巻く問題ということで、新たに加わった尖閣諸島も含めて、各者とも領土については適切に取り上げております。コラムがあるのは東京書籍と帝国書院だけになります。
 また、付け加えになりますが、歴史的分野、公民的分野においても、領土問題についてはそれぞれ各者とも解説しております。

尾形委員(教育長)

 「地域調査の具体的な活動を通して」ということでいえば、例えばテーマ設定とか、仮説を立てるとか、実際の調査をするとか、調査をした後、また、論述する、まとめて、それをまた意見交換をするといったアクティブラーニングに向けた学習をしていただきたいと思っていますが、そのようなことを意識した特徴はありますか。

指導第二課長

 いずれの者も身近な地域調査というのを取り上げています。東京書籍は264ページから、小学校との関連を左で図りながら、身近な地域について地域調査をしています。それが266ページ。267ページは情報を集める、それから268ページでそれを地図に載せたり、270ページでテーマを決めて調査計画を立てるということで、調査テーマを決めて仮説を立てたりしながら、272ページで野外観察や聞き取り、273ページで、実際の情勢を記す、274ページで調査した内容ごとに資料を整理する、276ページでグループ調査の例が述べてあって、278ページで調査結果をもとに記事をつくる、次のページで考察しまとめる、280ページで将来像の発表会というような学習過程を設定しています。
 帝国書院では260ページです。身近な地域の調査ということで、266ページで地域調査のテーマを決める、268ページで調査方法を考える学習、次の270ページで実際に調査をしていく、次の272ページで資料を集めて使う、最後、274ページで調査結果を発表するという学習過程です。
 教育出版では、251ページでございます。第4章で身近な地域の調査ということで、次のページから地域を歩いて野外観察をしよう、次のページで地形図の見方、256ページで調査テーマの設定と計画の立て方、258ページで工場を調べよう、それから260ページで商店街の調査の例を見る、262ページで発表会、次の263ページで発信、264ページで記録するという順になっています。
 最後、日本文教出版では255ページでございます。身近な地域調査ということで設定されていて、256ページでテーマの設定準備、258ページで調査の進め方、260ページで野外観察のポイントと調査の進め方、264ページで地域の語りを調査結果をもとにまとめるなどし、265ページでレポートのまとめ方、268ページで自分たちにできることを考えようというようになっています。

栗栖委員

 本市の生徒には、読み取ったり、解釈を加えて意見交換をしたりする課題があるということで、例えば「よりふさわしい」という東京書籍であれば、小学校との関連とか、それぞれの見開きごとに確認しましょうということで課題設定がある。帝国書院では、小学校との関連はないのですが、それぞれのページに「確認しよう」「説明しよう」という欄があるということですが、東京書籍の方が帝国書院よりも、「よりふさわしい」となった、その理由は何かあるのでしょうか。

指導第二課長

 審議会の中では、全者とも、コラムなどによって、例えばグラフとか地形図の読み取り方などは身に付けられるようにしてある中で、東京書籍と帝国書院は、資料から情報を読み取って考える学習課題を示しているのが特徴的だという意見がありました。
 また、全者とも見開きごとに学習した内容を説明したり、各中項目で考えたことを自分の言葉でまとめる学習を設定しています。
 そうした中で、東京書籍は見開きごとに「何々に触れながら説明しましょう」「例を挙げて説明しましょう」など、多様な指示により説明する課題を設定しているということ。それから、中項目の学習で、「なぜ」という発問によって研究課題を示して、学習したことを「図や表」「ウェビングマップ」などの多様な方法で整理させて、研究課題について考えたことを自分の言葉でまとめる活動を設定しているところが特徴であるという意見が出されております。
 例えば東京書籍の195ページを見ていただきますと、195ページの下の方に中国・四国地方の追究テーマはということで、テーマ設定がしてありまして、そこの右下に中国・四国地方の追究テーマというのが「なぜ何々なのでしょうか」という形で示されています。これが201ページを開いていただきますと、中国・四国地方の学習を振り返ろうというところで、丸1では「語句の整理」、丸2で学習したことを活用して追究するということで、「ウェビングマップ」を使って、追究テーマについてまとめるというページが関連しているところがいいのではないかという意見が出ておりました。

井内委員長

 そうですね。やはり、思考力を養うという面でいえば、今の東京書籍の方が発問の仕方、それから深めよう、それからまとめようということに具体的な、より細かい指示が出ているという感じがしますね。後は、教育長が言われた学習指導要領に従った防災教育と領土問題に関しても、各者それほど差はないとみてよろしいでしょうかね。
 ということならば、今の審議会の答申で東京書籍が、「よりふさわしい」という意見になっておりますが、社会の地理的分野に関しては、東京書籍の教科書を採択することでいかがでしょうか。
 (異議なし)
 それでは、異議がないということで、社会の地理的分野に関しては、東京書籍の教科書を採択することにいたします。ありがとうございました。
 それでは、次にいきたいと思います。社会の歴史的分野に関してです。まず、答申の説明を指導第二課長からよろしくお願いします。

指導第二課長

 歴史的分野の1ページを御覧ください。まず、本市の実態についてですが、1つ目の丸(〇)印でございます。古代から現代にいたる歴史的建造物や遺構などが多く、身近な地域の調査を通して、歴史を直接感じることができる地域です。また、人類が決して忘れてはならない原爆ドームなど、平和の原点となる場所があります。
 次に、生徒の状況ですが、歴史的事象に対する興味・関心が高く、知識も豊富な生徒が比較的多いのですが、歴史的事象の意味・意義や特色、事象間の関連を説明したり、課題を設定し追究したりする力に課題があるという答申となっております。5つの観点に対して、視点を丸1から丸9まで答申ではなされております。
 次のページを御覧ください。歴史的分野は発行者が8者ございます。少し多いですが、抜粋を説明していきます。まず、東京書籍についてです。「2」の「主体的に学習に取り組む工夫」の「(1)学習意欲を高めるための工夫」の2つ目の丸(〇)印でございます。教科書は140、141ページを御覧ください。各大項目の冒頭2ページにわたって、前大項目の終末と本大項目の冒頭を既習事項と未習事項を連ねて年表で示しております。
 次に、答申は「2」の「(2)問題解決的な学習を実施するための工夫」のところの4つ目の丸(〇)印でございます。教科書は12ページを御覧ください。「歴史スキル・アップ」というコラムがございます。歴史地図・系図・絵巻物などから情報を読み取る方法を説明しております。さらに、17ページまで見ていただきますと、「調査の達人」というのを設けて、歴史の資料の読み取り方、発表の仕方など、調査の方法やまとめ方などを説明しています。
 答申の次のページを御覧ください。「5」の「言語活動の充実」でございますが、1つ目の丸(〇)印です。教科書は111ページを御覧ください。小項目ごとに「確認」というのがございます。学習内容をまとめ、「次の語句を使って説明しましょう。」や「共通点やちがいを挙げましょう。」などの指示によって、説明する課題を設定しています。
 答申は次の丸(〇)印になります。教科書は139ページをお開きください。この時代の特色を捉えようというものでございます。各大項目の最後の特設ページとして、「この時代の特色をとらえよう」などで、「ウェビングマップ」、「比較表」、「ディスカッション」、「年表」、「プレゼンテーション」などの方法で時代の特色を説明し、話し合う活動、学習を設定しています。同じページでございますが、答申は次の丸(〇)印です。今、見ていただいています特設ページで、次代の特色を自分の言葉で簡潔にまとめる課題を設定をしています。
 以上説明いたしました理由を付して、意見として、東京書籍の教科書は、本市で使用する教科書として、「よりふさわしい」という答申となっております。
 答申の次のページをお開きください。教育出版でございます。「2」の「主体的に学習に取り組む工夫」の「(1)」の5つ目の丸(〇)印です。教科書は、教育出版の262ページをお開きください。見開きとなっておりますが、262、263ページで「人物から歴史を探ろう 丸7」ということで、特設ページとして原爆の子の像と平和首長会議について取り上げております。
 続いて答申は、「5」の「言語活動の充実」の2つ目の丸(〇)印です。教科書は130ページをお開きください。各大項目の最後に特設ページを設けております。「学習のまとめと表現」で「歴史新聞」、「キャッチフレーズ」、「ミニレポート」など、様々な方法で時代の特色を説明し、話し合う活動を設定しております。
 答申は次のページです。清水書院でございます。「2」の「主体的に学習に取り組む工夫」の「(2)」の2つ目の丸(〇)印です。教科書は38ページをお開きください。「歴史のとびら」というページでございますが、特設ページでフィールドワークの方法、図書館の使い方、まとめ・発表の方法について説明しています。
 次の「言語活動の充実」の最後の丸(〇)印、教科書は275ページでございます。歴史学習の最後の特設ページです。現代社会の一員として、大事にしていかなければならないことは何かを考え、説明する学習を設定しています。
 答申は次のページです。帝国書院になります。ここでは、「2」の「主体的に学習に取り組む工夫」の「(2)」の3つ目の丸(〇)印です。教科書は33ページをお開きください。「技能をみがく」というコラムがございます。情報の集め方、絵巻物の見方、情報をもとに考察する方法、レポートのまとめ方を説明しております。
 また、その次のページを御覧ください。「言語活動の充実」というところですが、1つ目の丸(〇)印です。教科書は129ページでございます。「確認しよう」「説明しよう」というものでございます。小項目ごとに学習内容をまとめ、「何々の言葉を用いて説明してみましょう。」「違いを説明しましょう。」などの指示により説明する課題を設定しています。
 次に、答申は2つ目の丸(〇)、3つ目の丸(〇)印になります。教科書は137ページでございます。「学習のまとめ」ということで、各大項目の最後に特設ページを設けております。「イメージマップ」、「歴史上の人物に手紙」、「カードを作成」などの方法で時代の特色を説明し、話し合う学習を設定しています。また、そのページでは、課題の特色を文の空欄に言葉を入れる形でまとめる課題を設定しております。
 以上説明いたしました理由を付して、意見として、帝国書院の教科書は、本市で使用する教科書として、「ふさわしい」という答申になっています。
 答申の次のページをお開きください。日本文教出版です。ここでは、「2」の「主体的に学習に取り組む工夫」の「(1)」の最後の丸(〇)印でございます。教科書は92、93ページをお開きください。「でかけよう!地域調べ」という特設ページがございます。ここでは、草戸千軒町遺跡についての調査の事例を取り上げています。
 次に、答申の「5」の「言語活動の充実」の2つ目の丸(〇)印です。教科書は203ページをお開きください。各大項目の最後の特設ページで「とらえよう!何々の特色」で、「表の作成」、「グループで学習した項目の整理」などを行って、時代の特色を文章で説明し、話し合う学習を設定しております。
 続いて、自由社でございます。答申は次のページになります。ここでは「1」の「基礎・基本の定着」の「(1)」の3つ目の丸(〇)印です。教科書は44ページをお開きください。「古事記」、「日本書紀」について、小項目を設けて、2ページにわたって記述するとともに、特設ページ「もっと知りたい」で2ページにわたって「国譲りと古代」について、説明しております。
 それから、答申は「5」の「言語活動の充実」の最後の丸(〇)印です。教科書の279ページをお開きください。歴史学習の最後の特設ページで、日本の歴史の特色について、エッセイやスピーチで表現する学習を設定しています。
 続いて、答申の次のページ、育鵬社でございます。ここでは、「2」の「主体的に学習に取り組む工夫」の「(1)」の3つ目の丸(〇)印です。教科書は98ページになります。各大項目の冒頭4ページにわたって、歴史上の人物や出来事、当時の生活のイラストを年代順に記載しております。
 答申は「5」の「言語活動の充実」の最後の丸(〇)印でございます。教科書は279ページを御覧ください。日本の歴史を体感するということなのですが、歴史学習の最後の特設ページで、400字程度の文章にまとめる学習を設定しております。
 答申は次のページでございますが、学び舎です。「2」の「主体的に学習に取り組む工夫」の「(1)」の4つ目の丸(〇)印でございます。教科書は250ページをお開きください。答申の「2」の「(1)」の4つ目の丸(〇)印。「広島」に関する資料として、「原爆ドーム」、「原爆の子の像」、「原子力平和利用博覧会」の写真を掲載するとともに、「被爆者が描いた絵」、「峠三吉の『にんげんをかえせ』の詩」、「「マンガ『はだしのゲン』英語版」を掲載しております。
 続いて、「5」の「言語活動の充実」でありますが、1つ目の丸(〇)印です。教科書は191ページをお開きください。各大項目の最後の特設ページ「学習のまとめ」で、「前の時代との比較」などを行い、時代の特色を考え、話し合う学習を設定しております。歴史的分野についての答申の説明は以上でございます。

井内委員長

 ありがとうございました。ただ今、社会の歴史的分野について、指導第二課長から採択審議会の答申の説明がございました。何か、御質問、御意見はおありでしょうか。

溝部委員

 歴史上の人物の取り上げ方の数に違いがありますが、これはどう考えたらよろしいですか。

指導第二課長

 取り上げられている人物は、育鵬社が436名と多くなっています。小学校の学習指導要領では、取り上げる人物を示しておりますが、中学校の学習指導要領では取り上げる人物は示しておりません。学習した内容を活用して、その時代を大観して表現する活動、各時代における変革の特色を考えて、時代の変換の様子を捉える学習などを通じて、歴史的事象について考察・判断し、その成果を自分の言葉で表現するというような学習になっております。
 したがいまして、時代を大観して表現するということができるという学習を設定しているということからいえば、人物が多い、少ないということは影響はないということです。

溝部委員

 分かりました。

栗栖委員

 本市の実態と生徒の状況の課題に対して、一番ふさわしい教科書というのが大きなスタンダードなのですが、一番最初の1ページのところを読みますと、決して忘れてはならない原爆ドームなどを構成しているものがあります。広島の教育の特徴として平和教育というのがありますが、その平和教育と今回の歴史の教科書との関連というものは何かあるのでしょうか。

指導第二課長

 本市が進めている平和学習との関わりについてですが、各者とも平和について取り上げています。例えば東京書籍では、特設ページを設けております。230ページをお開きください。特設ページとして「私たち歴史探検隊 5」というのがございます。原爆ドームの保存と平和の願いについて、調査の過程を取り上げています。また、コラムで原水爆禁止運動について説明しております。
 これが帝国書院では、233ページになります。ある少女の日記ということで、「広島第一県女 1年6組森脇さんの日記」を掲載し、その上に原爆投下前の産業奨励館周辺と原爆投下後の写真を取り上げております。
 それから、教育出版では262ページでございます。人物から歴史を探ろうという丸7で、平和を願う人々と平和の再建を生きるということで第五福竜丸の展示館、その下に原爆の子の像、それから平和首長会議というのが取り上げられています。広島について取り上げているのは以上です。

鈴木委員

 歴史ですので、事実も基礎知識として大事なのですけれども、それらがどのように関連して世界が動いているかということを学ぶことができたらと思います。本市の実態のところで、事象についての関心はあるけれども関連を説明したりするところが弱いということですが、関連を理解させるための工夫がされているということがありましたら教えていただきたいです。

指導第二課長

 先ほど東京書籍の年表を説明をいたしました。例えば東京書籍140ページをお開きください。ここでは江戸時代を学習した最後のページが左のページで、これから学習する明治時代に入っていくところが次の学習になります。東京書籍ではこれまで学んだ近世の江戸時代、安土・桃山時代、戦国時代、室町時代を示すということと、右のページに明治時代を示し、前との関連を図るようになっています。
 教育出版を見ていただきますと、130ページ、131ページになります。教育出版では130ページで近世の特色と、128ページからまとめの学習のページがあるのですが、次の131ページからこれから学ぶ近代の年表について示しております。
 日本文教出版の144ページをお開きください。日本文教出版では、148ページで、これから学習する近代の年表と江戸時代との関係を示しています。
 帝国書院については136ページです。ここは近世の終わりで、振り返ろうということで語句を入れながら年表を整理するということで、年表を示しています。次は192ページに年表が出てきます。ここでは、明治時代の終わりのところなのですが、このように学習を振り返ろうというところで、江戸時代と明治時代の語句を整理するという形で、前の時代と関連付けながら整理させています。
 あと、まだ数者ありますが。

鈴木委員

 結構です。このように各者によって違いがあって、だいたいは終わりのところでまとめて、またもう一回出るという形で、両方が両面になっているということですね。

指導第二課長

 東京書籍はそうでございます。

溝部委員

 子供たちの力という話をすると、思考力、判断力、表現力に大きな課題があるということなのですが、そういう意味で課題を設けて追及して、さらに意見交換するというような設定が随所にあるような気がしますが、特に、「よりふさわしい」と、「ふさわしい」の2者についてはどういう取り扱いになりますか。

指導第二課長

 多くの発行者が小項目ごとに学習をまとめて説明するという課題を設定しております。様々な話し合いをさせたり、説明させたりということになっているのですが、特に東京書籍は小項目ごとに説明しています。それから、プラス面とマイナス面から説明してみましょうなど、多様な指示によって説明する課題を設定しているというのが特徴的であると審議会で意見が出ました。例えば東京書籍の111ページを見ていただけますでしょうか。桃山時代のところですが、別のページで見ていただきますと机のマークがありまして、20字程度で説明しましょうというのが次のページに出てきて、さらに大名や朝廷に比べて、江戸幕府が大きな力を持っていた理由を説明しましょうというように、各ページにこのような課題が設定してあるのが特徴であるという意見がありました。それから139ページを見ていただきますと、ディスカッションをしてまとめようというところがあって、その最後にディスカッションをして自分の考えをまとめ直しましょうというように、文章でまとめる活動ができるような工夫があるという意見が出ておりました。

井内委員長

 全体的に見て、以前に比べて、近代史、現代史の部分が厚くなっていると思うのですが、ほとんど同じ分量でしょうか。

指導第二課長

 これまでの中学校の歴史的分野の学習の課題として、近代、現代を十分に学習していないということがございました。そのため、近現代史について、しっかり学習するようにということが文部科学省からあり、各者とも全体の約半分を近現代史で取り扱うようにしておりまして、この取り扱いについては全者とも46%から52%の間で、そう差はないということです。

井内委員長

 その中で、やはり、避けて通れないのは、先の大戦の関連で従軍慰安婦問題であるとか、侵略であるとか、戦争に対しての反省であるとか、そういうことの評価についてはどうでしょう。

指導第二課長

 従軍慰安婦についてですが、慰安婦という文言が出てくるのは学び舎1者でございます。281ページをお開きください。そこの河野洋平官房長官の1993年、当時の官房長官の談話の一部要約がございます。そこに慰安所が設けられ、慰安婦の募集、移送というような文言が出てまいりますが、他の7者についてはその慰安婦という文言は出てきておりません。
 例えば東京書籍で申しますと、227ページを見ていただけますでしょうか。植民地と占領地というのがございます。その中で、「日本は植民地や占領地でも厳しい動員を行いました。多数の朝鮮人や中国人の意思に反して日本に連れて来られ、鉱山や工場で劣悪な条件下で労働を強いられました。こうした動員は女性にもおよび、戦地で働かされた人もいました」というような書き方があります。
 他の者についても、教育出版、清水書院、帝国書院、日本文教出版、自由社、育鵬社につきましても、多少文言は違いますが、強制連行というような言葉なども用いておらず、見ていただいたような形で記載をしております。

井内委員長

 分かりました。

尾形委員(教育長)

 中学校の歴史学習は、最も大きなねらいというのは、やはり、歴史のあらましというか流れというか、それを大観していくことです。大観して、それを、例えば移り変わりとかつながりとかを意識させながら、出来事を位置付けながら理解していくということが、中学校の歴史学習で一番大きなことだと思います。こうした中学校のねらいから各者をみて、違いや特徴といったことはありますか。

指導第二課長

 今、教育長がおっしゃったように、学習指導要領では歴史的分野の目標の1つに歴史にみられる国際関係や文化交流のあらましを理解させ、我が国と諸外国の歴史や文化が相互に深く関わっていることを考えさせるとともに、他民族の文化、生活などに関心を持たせ、国際協調の精神を養うというように定めております。これを受けまして各者とも国際関係や文化交流のあらましについて、適切に記載されております。
 また、目標の1つに歴史的事象に対する関心を高め、我が国の歴史の大きな流れを世界の歴史を背景に、各時代の特色を踏まえて理解させ、それを通して我が国の伝統と文化の特色を広い視野に立って考えさせるとともに、我が国の歴史に対する愛情を深め、国民としての自覚を育てると示されております。これにつきましても、各者とも、学習した内容を活用して、その時代を大観して表現する活動、各時代における変革の特色を考えて、時代の変換の様子を捉える学習などを通じて、歴史的事象について考察し、判断し、その成果を自分の言葉で表現する学習を重視されておりまして、これについては各者とも取り扱っております。

井内委員長

 将来的な流れからいうと、近現代史の方に50%ぐらい重点が置いてあると。やはり、先ほどの東京書籍において、先の大戦での、子供たちが不幸な出来事に関するきちっとした評価といいますか、事実としてはきちんと述べているというところが見えますね。本市の課題として、歴史的事象を単に覚えるのではなくて、その関連性であるとか意義であるとか、そういうことを学ばせるという意味では、設問が非常に細かいのは、東京書籍ですかね。それから、ディスカッションをしてまとめてみようみたいな問いかけといったところも、きちっとなされているように思うので、答申も東京書籍が「よりふさわしい」のではないかなという意見のようですが、どうでしょうか、皆さま。以上のことから、社会の歴史的分野については、東京書籍を採択するということでよろしいでしょうか。
 (異議なし)
 それでは、この社会の歴史的分野については、東京書籍の教科書を採択することといたします。どうもありがとうございました。
 それでは、次に進みたいと思います。社会の公民的分野についてでございます。では、答申の説明を指導第二課長から、よろしくお願いします。

指導第二課長

 それでは、公民的分野の1ページ、答申を御覧ください。まず、本市の実態についてですが、国や地方自治体の政治機関や全国規模の支社・支店が集中し、中国地方の中心都市として、政治、商工業の中心的機能を果たしております。第一次産業から第三次産業まで様々な産業が見られ、現代生活全般を概観できる地域であります。
 次の生徒の状況といたしましては、ひろしま型カリキュラム「言語・数理運用科」の取組などから、資料を読みとり.情報を取り出す力は定着してきています。しかし、それらを関連付けて多面的・多角的に考察し、自分の意見をまとめたり、説明したりする力に課題があるという答申となっています。
 5つの観点に対して、視点は丸1から丸9まで定めております。それでは、公民的分野について、各者の概要を抜粋して説明いたします。
 次のページ、東京書籍です。「2」の「主体的に学習に取り組む工夫」の「(1)」の4つ目の丸(〇)印です。教科書は117ページをお開きください。各大項目の冒頭で、小学校で学習した語句を10程度掲載し、小学校との関連を図っております。
 次に、答申の「2」の「(2)」の2つ目の丸(〇)印です。教科書は98ページを御覧ください。特設ページがございます。刑事事件の模擬裁判、それから110ページをお開きください。地域の問題を題材にした特設ページ「公民にチャレンジ」でございます。ここで意思決定を行う活動を設定しております。
 次に、答申は「2」の「(2)」の4つ目の丸(〇)印になります。教科書、ページが返って恐縮ですが、34、35ページをお開きください。大項目の冒頭で、これから学習する内容に関連した事例について自分の考えを持たせ、大項目の最後、68、69ページでございますが、学習したことをもとに、その事例について再度考え、表現する課題を提示しております。
 答申は次のページを御覧ください。「言語活動の充実」の2つ目の丸(〇)印でございます。教科書101ページでございます。先ほどの歴史でも見ていただきましたが、見開きごとに「確認」で学習内容をまとめ、「次の語句を使って説明しましょう。」というような指示により、説明する課題を設定しています。これは105ページを見ていただきますと同様にあります。
 それから答申の次の丸(〇)印になります。教科書は68ページを御覧ください。各大項目の最後の特設ページで学習したことを基に、プレゼンテーションやパネルディスカッション、ディベートなどを通して、自分の意見を発表する活動が設定されています。
 これは教科書の114ページをお開きいただきますと、市長選に立候補しようと課題に、さらに深めるというところで、パネルディスカッションというページがあります。
 以上、説明したような理由を付して、東京書籍の教科書は本市で使用する教科書として、「よりふさわしい」という答申があります。
 答申の次のページを御覧ください。教育出版です。「2」の「主体的に学習に取り組む工夫」の「(2)」の2つ目の丸(〇)印です。教科書は102ページをお開きください。特設ページ「言葉で伝え合おう」で、刑事事件の模擬事件の地域の問題を題材に意思決定を行う活動を設定しております。
 続いて、答申の「5」の「言語活動の充実」の最後の丸(〇)印です。教科書は114ページをお開きください。特設ページ「言葉で伝え合おう」で、プレゼンテーションやポスターセッション、ディベートなどを通して、自分の意見を発表する活動が設定されております。
 答申の次のページ、清水書院です。「2」の「主体的に学習に取り組む工夫」の「(2)」の1つ目の丸(〇)印です。教科書は50ページをお開きください。小項目で「どのように」あるいは「どのような」という発問を示しております。
 答申は次の丸(〇)印になります。教科書は34ページをお開きください。「風船」マークがございます。このように、随所に「風船」マークを付し、「自由とわがままはどうちがうのだろうか。考えてみよう。」などの課題を提示しております。
 答申の次のページ、帝国書院です。「2」の「(2)」の2つ目の丸(〇)印です。教科書は82ページを御覧ください。特設ページ「トライアル公民」というのがございます。刑事事件の模擬裁判や地域の問題を題材に意思決定を行う活動を設定しています。
 次に、答申のその次の丸(〇)印の「2」の「(2)」の3つ目の丸(〇)印です。教科書は30、31ページです。大項目の冒頭の「学習の前に」で、これから学習する内容に関連した事例について、自分の考えを持たせ、大項目の最後、これは59ページになりますが、学習したことをもとに、その事例について再度考え、表現する課題を提示しております。
 答申の「5」の「言語活動の充実」の2つ目の丸(〇)印です。教科書は115ページを御覧ください。見開きごとに「確認しよう」あるいは「説明しよう」がございます。学習内容をまとめ、「何々を本文から書き出してみましょう」あるいは「なぜ何々なのか説明しよう」とうような指示により、説明する課題を設定しております。
 答申は次の丸(〇)印です。教科書は155ページを御覧ください。特設ページ「トライアル公民」というのがございます。ディベートやディスカッションなどを通して、自分の意見を発表する活動が設定されております。
 答申の次のページを御覧ください。今、説明いたしました理由を付して、意見として、帝国書院の教科書は本市で使用する教科書として、「ふさわしい」という意見となっております。
 答申の次のページです。日本文教出版でございます。「2」の「主体的に学習に取り組む工夫」の「(2)」の2つ目の丸(〇)印です。教科書は112ページをお開きください。特設ページとして「明日に向かって」で、刑事事件の模擬裁判や地域の問題を題材に意思決定を行う活動を設定しております。
 答申の「3」の「内容の構成・配列・分量」の「(2)」の3つ目の丸(〇)印です。教科書は79ページをお開きください。「アクティビティ」というコラムがございます。「人口ピラミッドの変化」あるいは「選挙制度」など、関連する内容や事例を取り上げ、さらに深く考える課題を設定しています。
 それから、答申の「5」の「言語活動の充実」の3つ目の丸(〇)印です。教科書は、少し返っていただいて79ページをお開きください。「チャレンジ公民」というページがございます。ブレインストーミング、ディベートなどを通して、自分の意見を発表する活動を設定しています。
 答申の次のページ、自由社でございます。ここでは、「1」の「基礎・基本の定着」の「(2)」の3つ目の丸(〇)印です。教科書は148ページを御覧ください。「もっと知りたい」という特設ページです。領土をめぐる問題について、「北方領土」「竹島」「尖閣諸島」の問題を取り上げております。また、裏表紙のところですが、開いていただきますと2ページにわたって、「我が国の領域」で「北方領土」「竹島」「尖閣諸島」などの写真を掲載しています。
 次に、答申の次のページ、育鵬社になります。ここでは、「1」の「基礎・基本の定着」の「(2)」の3つ目の丸(〇)印でございます。教科書は178ページを御覧ください。「理解を深めよう」という特設ページがございます。領土をめぐる問題について、「北方領土」「竹島」「尖閣諸島」の問題を取り上げております。
 次に、答申の「2」の「主体的に学習に取り組む工夫」の「(2)」の2つ目の丸(〇)印です。教科書は110ページを御覧ください。「やってみよう」という特設ページがございます。刑事事件の模擬裁判や地域の問題を題材に意思決定を行う活動を設定しております。これは118ページにも、観光資源を探そうということで、地域おこしの例を扱っております。
 次に、答申の「言語活動の充実」の最後の丸(〇)印です。教科書は95ページをお開きください。「やってみよう」という別の特設ページなのですが、「ディベートをやってみよう」ということで設けております。
 以上が公民的分野についての答申の概要でございます。よろしくお願いいたします。

井内委員長

 ありがとうございました。ただ今、社会の公民的分野について、指導第二課長から採択審議会の答申の内容の説明がございました。何か御質問、御意見はありますでしょうか。

藤本委員

 裁判員制度についてはまんべんなく取り上げているという説明を受けましたけれども、主権者教育の点については、どのようになっていますでしょうか。

指導第二課長

 公職選挙法が改正されて選挙権が18歳に引き下げられたということに関連した御質問だと思うのですが、各発行者とも、今、おっしゃったように裁判員制度を取り上げております。それから、市民参加ということで、東京書籍、教育出版、帝国書院、日本文教出版、育鵬社は特設ページで課題について考えたり、話し合ったり、学習活動を設定しております。記述の内容については、各者とも違いはありません。選挙に関することにつきましては、東京書籍でいえば、76ページを御覧ください。政治参加を選挙というところで取り上げて、チャレンジで選挙シュミレーションというのをやることになっております。そして、78、79ページまで、政治参加と選挙のページとなっています。
 帝国書院につきましては、68ページを御覧ください。選挙制度とその課題というところで取り扱っています。
 教育出版でございますが、75ページをお開きください。国民の代表を選ぶ選挙ということで、75、76、77ページで取り扱っております。
 清水書院でございますが、64ぺージです。選挙の仕組みということで、64、65ページで取り扱っております。さらに日本文教出版では、78ページです。選挙の意味と仕組みということで、78、79ページで取り上げております。それから自由社でございますが、78ページです。選挙による政治への参加ということで、78、79、80、81ページで取り上げております。それから、育鵬社でございますが、90ページにございます。選挙の仕組みということで、90、91ページで取り上げておりまして、ページの差はありますが、いずれの者も取り上げております。
 ただ、検定は昨年度でしたので、選挙権は18歳という記載でありますけれど、18歳になったということについての対応等については、今、文部科学省の方で検討中であるということです。どうするかということは改めて通知がきてからになります。

藤本委員

 平和教育プログラムとの関連なのですが、最終的に核軍縮であるとか、恒久平和について考えていくということになると思うのですが、「ふさわしい」、「よりふさわしい」の東京書籍、帝国書院について、その辺りの扱いがどのようになっているか教えてください。

指導第二課長

 国際関係ということで取り上げておりまして、東京書籍では184ページをお開きください。世界の貧困問題ということで取り上げております。ページが逆になって恐縮ですが、178ページからが様々な国際問題ということで、地球環境の問題、温暖化や、それから180ページでエネルギーの問題。それから、今、見ていただいた184ページで貧困問題。それから188ページで新しい戦争ということで平和な世界に向けてということ。それから192ページで文化の多様性の尊重。194ページで日本と外交の現状と課題ということで取り上げております。さらに198ページで、世界とつながる日本、200ページで世界平和のためにということで取り上げます。
 帝国書院につきましては、166ページを御覧ください。166ページからは世界平和の実現を目指してということで、国家と国際社会、168ページは領土をめぐる問題、170ページが今なお解決しない紛争、172ページが核兵器の脅威と軍縮、174ページが戦争の被害と人権、176ページが国際連合の働きとその仕組みということで、以下省略させていただきますが、国際社会との関わり、平和についてというのは取り上げております。

溝部委員

 最終的に、持続可能な社会形成という観点というところで、公民のまとめはできるのではないかと思うのですけれども、解決すべき課題を見つけて、探求し、自分の考えを表現していくというような、そういうまとめに当たるような学習の活動についてはどのように取り扱われていますか。

指導第二課長

 東京書籍で申しますと、205ページをお開きいただけたらと思います。終章というのがありまして、よりよい社会を目指すという単元で、まとめとして学習をする設定です。そこでは、社会科の総まとめとして、208ページでレポートを作成するという活動を設定しており、212ページでは、探求を社会参画につなげるというような課題で示しております。
 帝国書院では、197ページをお開きください。よりよい社会を目指してというところで、持続可能な社会について考えるということで、レポートを作成し、202ページ、203ページでレポートにまとめる、それから204ページで、もっと広い世界に目を向けるということでまとめる文章を書くというような扱い方になっています。

鈴木委員

 今の御意見は、本市の課題の多面的・多角的に考察して、自分の意見をまとめるということに考え直せると思うのですけれども、そういう視点から見たときに、東京書籍が「よりふさわしい」とされた考えがあれば教えていただければと思います。

指導第二課長

 34ページをお開きいただけたらと思います。大項目の冒頭「やってみよう、さらに深めるために」で、1から12までのカードを示しながら学習を進めていきます。続いて、68、69ページを見ていただきますと、ここではディベートを行うことになっています。探求しようということで、先ほどのカードを使い、ディベートをしながらまとめていく、69ページには、カードの検討例などが示されている。そのようなことなどが評価できるという意見が、審議会の中でございました。

鈴木委員

 根拠をもって説明できるような力が付けられるようになっているということですね。

指導第二課長

 はい。

尾形委員(教育長)

 人権の尊重と日本国憲法からなる大項目の冒頭で、「ちがいのちがい」について課題を投げかけていますね。その大項目の最後に、さらに「ちがいのちがい」を追究し、ディベートをやるというような形で活動していますが、こういう形の学習の構想というか、仕方を組んでいる教科書というのは、他の教科書にもあるのでしょうか。単元の最初と終わりに学習をしたことを生かしてまとめていくようなひとつの流れを構造的に作っている。他の教科書でもそうですか。

指導第二課長

 他の教科書においても、冒頭に学習課題を設定し、学習の終わりにまとめ学習をするという活動を設定しております。例えば帝国書院で申しますと30ページを開いていただけたらと思いますが、「学習の前に」というページで、暮らしをよくする政治を考えてみようという課題設定をしております。ページの下のA、Bのように、例を何例か示しています。それから、「第2部で学ぶこと」というコーナーが31ページにございます。このコーナーの内容を踏まえて学習を進め、58、59ページの「『学習の前に』を振り返ろう」というコーナーで振り返りをしております。審議会の中では、このように全ての教科書について見たところ、先ほど見ていただいた東京書籍の方が明確ではなかろうかというような意見が出ておりました。

栗栖委員

 公民の大きなテーマがある中で、国際社会の中で、世界の平和の実現を目指してということで、様々な課題が現代でもあります。例えば我が国でいうと、近隣諸国との領土の問題や拉致の問題が残っているのです。公民の教科書としての取扱いに各者の違い等があるのでしょうか。

指導第二課長

 領土問題について、公民的分野の教科書は全ての教科書で取り上げております。ほぼ1ページから3ページで扱っており、1ページで取り上げているものと3ページで取り上げているものがあるのですが、新たに加わった「尖閣諸島」を含めて、取り扱うようにしております。
 一方、拉致の問題につきましては、東京書籍の192ページを御覧ください。このような形で拉致問題を扱っています。教育出版は191ページになります。それから、帝国書院は167ページです。日本文教出版は187ページです。自由社については59ページ。この者が最も取り上げておりまして、161、162、163ページです。次に育鵬社ですが、79ページ。それから182、183ページ。今、見ていただいた6者は取り上げておりますが、清水書院については記述がございません。

井内委員長

 公民というものの位置付けというか、かなり、地理的分野と、それから歴史的分野とオーバーラップしているところもありますね。それをどう整理して、公民での本当のねらいはどこにあるかということを位置付ける説明というのが、例えば東京書籍だと、最初の表見返しの2ページ目ですかね。そういう形で取り上げていて、これはどの者にもこういう傾向はあるのだろうと思うのですけれど、私なりに公民の学習というのが初めての生徒にとっては、理解しやすいのかなという印象を受けますが、どうでしょうか。

指導第二課長

 いずれの発行者も公民的分野の最初に公民の学習について記載しております。学習を始める前にという形で扱っております。
 書き振りは様々ございますが、それを書いているという点では変わりはないです。

井内委員長

 それは受ける側のイメージですね。

溝部委員

 公民というのは子供たちにとっては、どういう学習をするのかなというような分野なのですけれども、それより小学校からの接続みたいなのは何か工夫がありますか。

指導第二課長

 先ほど、答申の説明の際に申し上げたことの繰り返しになって恐縮なのですが、例えば東京書籍でいえば5ページをお開きください。そこで男性のイラストがあって吹き出しの形で、小学校では左のようなことを学習しましたということで、10個程度の語句を示して、関連を図るという工夫をしています。

井内委員長

 公民の位置付け、あるいは小学校との関連ですね。それから、あと、「ちがいのちがい」を探究しようとか、追究しようとか、そういう意味合いでいえば公民のねらいに関する詳細がかなり絞られていて、この東京書籍の方が「よりふさわしい」という審議会の答申がありましたが、これに賛成をして、社会の公民的分野については東京書籍を採択するということで、いかがでしょうか。
 (異議なし)
 それでは、この社会の公民的分野については東京書籍を採択するということにさせていただきたいと思います。ありがとうございます。
 それでは、あと、社会がもうひとつ、地図がございます。次に社会の地図について、答申の説明を指導第二課長からよろしくお願いします。

指導第二課長

 社会の地図の1ページを御覧ください。まず、本市の実態についてでございますが、太田川のデルタ地形に位置し、自然環境にも恵まれるとともに、古代遺跡などの歴史的資源も豊富であり、地理的・歴史的分野におけるフィールドワークに適しています。また、第一次産業から第三次産業まで様々な産業が見られ、地域調査や体験活動を行うのに適しております。
 次に、生徒の状況ですが、地図に対する興味・関心が高く、読図や作図などの学習に積極的に取組むことができる生徒が多いです。しかし、社会的事象を形成している背景や理由について地図を有効に活用して説明したり、自分の解釈を加えて論述したりする力に課題があるという答申になっています。5つの観点に照らして視点丸1から丸8まで定めております。
 次のページを御覧ください。まず、東京書籍について抜粋して説明いたします。「2」の「主体的に学習に取り組む工夫」の「(2)」の2つ目の丸(〇)印でございます。地図帳は131ページを御覧ください。キャラクターの吹き出しで、「さまざまな地図と見比べて考えてみましょう。」「土地利用と地形にはどんな関係があるかな。」など、地図を活用した学習課題を示しております。
 次に、地図の13ページをお開きください。答申は次の丸(〇)印になります。「2」の「(2)」の3つ目の丸(〇)印です。資料に「ジャンプ」のマークを付して、その資料と関連のある資料が掲載されたページを示しております。
 次に、答申の「5」の「言語活動の充実」です。地図は46ページを御覧ください。キャラクターの吹き出しで、「1980年と2010年とでは、自動車工場の分布にどんなちがいがあるのかな。それはなぜだろう。」というような発問で、学習課題を示しております。
 以上、説明いたしました理由を付して、意見として、東京書籍の教科書は、本市で使用する教科書として、「ふさわしい」という答申となっております。
 次のページ、帝国書院についてです。答申の「2」の「主体的に学習に取り組む工夫」の「(2)」の2つ目の丸(〇)印です。地図帳は75ページをお開きください。「やってみよう」のコーナーで、「1500m以上の山をさがし、朝鮮半島の地形の特色を確認してみよう。」「那覇と福岡、那覇とタイペイの長さをはかり、実際の距離を計算して比べてみよう。」など、地図を活用した学習課題を示しております。続いて、地図帳の25ページをお開きください。答申は次の丸(〇)印になります。「地図を見る目」のコーナーで、「黄河や長江を上流に向かってたどり、景観や土地利用の変化に着目しよう。」など、読図の視点を示しております。
 地図帳は57ページをお開きください。答申は次の丸(〇)印になります。世界各州の地図に、同緯度・同経度・同縮尺の日本を示しております。
 続いて、答申は「5」の「言語活動の充実」でございます。地図帳は113ページです。「やってみよう」のコーナーで、「甲府盆地の地形や特色を確認し、そこでの土地利用の変化やようすで気づいたことを話し合ってみよう。」「1月の降水量が日本海側で多い理由を、丸6図と丸8図から説明してみよう。」などの発問により、考えたことを表現する学習課題を示しております。
 答申の次のページを御覧ください。以上、説明しました理由を付して、意見として、帝国書院の教科書は、本市で使用する教科書として、「よりふさわしい」という答申となっています。
 地図についての説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。

井内委員長

 ありがとうございました。ただ今、社会の地図について指導第二課長から採択審議会の答申の説明がございました。御質問、御意見はございませんでしょうか。

溝部委員

 地理的技能を身に付けるということが地図の場合だと、とても重要になってくると思うのですが、その技能の習得に向けて、両者の記述に違いがあるかどうかをお願いします。

指導第二課長

 社会科の地図の基礎・基本としては、経度・緯度、縮尺などの地図を見る上で必要な基本的知識と、知らない地域を地図を頼りに訪ね歩いたり、既存の地図から地理的事象を読み取って、地理的事象を地図を通して追究して捉えたり、地域の諸事象や情報を適切に地図化したりするという技能があります。これについては2者とも申し分ないと思われます。そうした中で、先ほど説明いたしましたが、審議会の中では、例えば、ヨーロッパの地図のところに同緯度・同経度・同縮尺の日本というのがあり、これがあることにより、日本との気候の違いであるとか、位置的な関係ということがとらえやすいのではないかというような意見が出ておりました。

溝部委員

 今の特徴は、とてもいいと思いますね。

指導第二課長

 帝国書院の45ページです。

鈴木委員

 地図は、地理と歴史とを関連させて学習するものだとは思うのですけれども、本市の課題にもありますけれども、地図に関心を持って、地図を見て勉強をしたいというときに、その手立てというのは両者に、どのように記述されていますでしょうか。

指導第二課長

 先ほど説明させていただいたことでいえば、吹き出しの形で関連する学習が示してあるところがございます。東京書籍では、キャラクターの絵があって、例えば46ページでございますが、それはなぜという形で示すという工夫をしています。
 一方、帝国書院は、例えば75ページを開いていただくと、「えんぴつマーク」で「やってみよう」というところがあります。東京書籍と同様に「比べてみよう」という形で示しております。両者ともキャラクターか「えんぴつマーク」の違いはありますが、きちんと示しております。
 それから、今、見ていただいた帝国書院の5ページをお開きください。黄色い見出しがございますが、この地図帳の使い方、地図の構成について、オーストラリアを例にして説明があります。
 それから、次の7ページの方に地域の特色を比べるというのがあるのが帝国書院の特徴で、それと同様のものが東京書籍では、例えば5ページでございますが、この地図の活用の方法というのが示されているというような違いがございます。

尾形委員(教育長)

 例えば「地図を読んで、それを活用していく」の中で大事なこととして、いわゆる防災についての内容があると思いますが、等高線を見ていくとか、あるいはハザードマップを見ていくとか、土地の形状から土砂崩れが起こりやすいとか、特別警戒区域だとか、自ら危険を察知して避難するとか、身を守るといった防災教育の大事な視点がたくさんあると思いますが、2者だけど、扱いに違いがあるとしたら、そこはどうですか。

指導第二課長

 帝国書院は143ページ、144ページが「日本の災害と防災」の話です。東京書籍は135、136ページとなっております。帝国書院の方は見開き2ページにわたって、「日本の地震と火山の分布」「東日本大震災の被害」「プレートの断面図」、「気象による災害」「自然災害に対する構え」「地形図と防災マップ」など、地図や絵図、写真を掲載し、「やってみよう」でその対策の方法を調べ、地形図で津波の着いたときにはどこに避難するかなどの課題をする設定をしております。
 一方、東京書籍の方はハザードマップの例が135ページの「3」にございますが、今言われたような示し方というのはございません。

井内委員長

 社会の他の分野とこの発行者が違っているところは構わないのですか。地理も歴史も東京書籍を採択をしようということで、先ほど吟味しましたけれど、地図が帝国書院であっても、別に何も支障はないのでしょうか。

指導第二課長

 それは問題ないと思います。いずれの発行者も学習指導要領に基づいて、作成して検定を経ておりますので、地理の教科書の発行者と地図の発行者が違っても問題ないです。

井内委員長

 全然問題ない。

栗栖委員

 見た目の色合い、濃淡、例えば中四国でいくと、帝国書院は90ページのところで、東京書籍は85、86ページのところで、比べてみると若干見た目も濃淡があるのですが、この辺りは選定されるに当たって何か違いがあるのですか。

指導第二課長

 審議会の中で、今、御指摘があったようなことを踏まえた意見が出されました。ある委員からは、例えば、東京書籍の方は色合いが目にやさしいのではないか、帝国書院の方はちょっと鮮やかすぎ、目への入り方はどうなのかなという意見がございました。一方で、その地形の高低というところから見ますと、帝国書院の方が濃さが鮮明になっているのではないかというような意見もありました。
 また、例えば広島県と書いてある文字の端の方を比べていただきますと、東京書籍の方は枠取りが白になっています。帝国書院の方は黒い縁取りになっておりまして。この見え方はどうなのかというところで随分議論に時間がかかったのですが、結果として、いずれにおいても、これらは個々人の差があるのではないかというように落ち着きました。高低が見やすいという点からいえば、帝国書院の方がよりいいのではないかなという意見が出ておりました。

溝部委員

 帝国書院の地図の中の「地図を見る目」というコーナーとか、「やってみよう」というコーナーがとても目について、子供たちが学習を進めるのに有効であろうと思っています。最初に私が問いました地理的な技能のところでは、ほとんど違いがないということでしたが、このようなものが東京書籍の場合はどのように配置されていますか。

指導第二課長

 キャラクターの吹き出しの形で出ております。例えば66ページの南アメリカ州なのですが、男の子の絵が描かれて吹き出しの形で示されております。東京書籍は、このように疑問を提示するという形になってします。今、委員がおっしゃった、例えば88ページ、帝国書院は「調べよう」という形でも、指示が出されているという違いがあります。

井内委員長

 御質問はよろしゅうございますか。先ほどから出ております色合いのことというのも、どれも見たところ同じですが、やはり、この帝国書院の方が、高さがよく分かるというのはあるでしょうね。これからやってみようという、そういう意欲をかき立てるという面でも、東京書籍よりも帝国書院の方が「よりふさわしい」と思いますので、社会の地図につきましては、この帝国書院の教科書を採択することとしたいと考えられますが、いかがでございましょう。
 (異議なし)
 それでは、この社会の地図は帝国書院の教科書を採択することといたします。ありがとうございました。
 それでは、一時審議を中断して、休憩をいたします。10分ほど休みたいと思います。
 午後3時35分から、また、再開をさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。

 (休憩)

井内委員長

 それでは、再開をさせていただきます。引き続き、議案第31号「平成28年度から使用する広島市立中学校用教科書の採択について」、今度は数学を議題といたします。では、答申の説明を指導第二課長からしてください。

指導第二課長

 数学の1ページを御覧ください。まず、本市の実態についてです。市街地の商業・工業地域、近郊の住宅地、農業地域など、学校を取り巻く状況は様々であり、生徒の学習環境も多様な地域でございます。
 次に生徒の状況ですが、平成26年度の「基礎・基本」定着状況調査及び全国学力・学習状況調査によりますと、本市の生徒の学力の実態として、数量や図形に関する基礎的基本的な知識技能は定着しておりますが、図表やグラフなどを適切に用いて問題を解決したり、自分の考えを数学的に表現したりする力に課題があるという答申となっております。
 次に、調査・研究の5つの観点に従って、視点を丸1から丸9まで定めております。
 次のページをお開きください。まず、東京書籍について、答申の抜粋を説明いたします。「1」の「基礎・基本の定着」の「(1)」の1つ目の丸(〇)印でございます。1年生の教科書の68ページを御覧ください。多くみられる誤答を「まちがい例」として示し、その誤りを指摘したり、正しく直したりする活動を5例掲載するとともに、279ページを開いていただきますと、巻末の「まちがいなおし」で、正答例を示しております。
 続いて、答申の「(2)」の2つ目の丸(〇)印でございます。教科書は1年生の45、46ページを御覧ください。各学年の特設ページ「学び合い」で、その章で学んだことをもとに考え説明し合う学習活動を掲載し、側注に「自分で考えてみよう」「友だちの考えを知ろう」「話し合ってみよう、ふり返ってみよう」「深めてみよう」の順に、学習課題を示しております。
 続いて、次の丸(〇)印ですが、教科書は1年生の244、247ページをお開きください。各学年の巻末に、日常生活にみられる事象を題材とした活用問題を6例扱っております。
 続いて、答申の「5」の「言語活動の充実」の3つ目の丸(〇)印です。教科書は1年生の226ページを御覧ください。「数学発見レポート」「レポートにまとめよう」で、レポートの書き方を示すとともに、書く順序やポイントを側注で示しております。
 続いて、次の丸(〇)印でございますが、1年生の26ページを御覧ください。側注の「マイノートプラス」で、式や図などの数学的な表現を書くときの注意や工夫を示しています。それは様々なページにございますが、例えば39、89ページなどでございます。
 答申の次のページを御覧ください。以上、説明いたしましたような理由を付して、意見として、東京書籍の教科書は本市で使用する教科書として、「よりふさわしい」という答申になっております。
 次のページをお開きください。大日本図書でございます。ここでは、「1」の「(1)」の1つ目の丸(〇)印。教科書は1年生の81ページをお開きください。多くみられる誤答を「どこがちがう?」と示して、誤りを指摘したり、正しく直したりする活動を2例掲載しております。
 続いて、答申の一番最後「5」の「言語活動の充実」の最後の丸(〇)印でございます。教科書は1年生の93、94ページを御覧ください。「研究しよう」「レポートを書こう」で、レポートの書き方を示すとともに、ポイントを側注で示しております。
 答申の次のページを御覧ください。学校図書でございます。ここでは、「1」の「基礎・基本の定着」の「(1)」、丸(〇)印でございますが、教科書は1年生の46ページです。多くみられる誤答を「正しいかな?」として示して、その誤りを指摘したり、正しく直したりする活動を2例掲載しております。
 続いて、答申は「2」の「(2)」の2つ目の丸(〇)印です。教科書は1年生の50、51ページを御覧ください。各学年の特設ページ「数学的活動」で、その章で学んだことをもとに考え説明し合う学習活動を掲載しております。
 続いて、答申の「5」の「言語活動の充実」の3つ目の丸(〇)印です。教科書は1年生の259、260ページを御覧ください。「レポートの作成」「レポート例」で、レポートの書き方を示すとともに、ポイントを側注で示しております。
 続いて、次の丸(〇)印です。教科書は1年生の32ページを御覧ください。本文中に「例」として、模範解答で式や図などの数学的な表現を書くときの注意や工夫を示しております。同様のものは69ページ、103ページなどにございます。
 以上、説明いたしました理由を付して、意見として、学校図書の教科書は本市で使用する教科書として、「ふさわしい」という答申になっています。
 次のページをお開きください。教育出版でございます。ここでは、「1」の「(1)」の1つ目の丸(〇)印です。教科書は1年生の45ページをお開きください。多くみられる誤答を「まちがい」として示して、その誤りを指摘したり、正しく直したりする活動を4例掲載しております。
 続いて、答申は「2」の「(2)」の2つ目の丸(〇)印です。教科書は1年生の82、83ページを御覧ください。各学年の特設ページ「みんなで数学」で、その章で学んだことをもとに考え説明し合う学習活動を掲載しています。
 次に、答申の最後、「5」の「(1)」の3つ目の丸(〇)印です。教科書は1年生の252から255ページでございます。第1学年の「資料の活用」で、レポートやポスターなどにまとめる方法を説明しております。
 答申の次のページをお開きください。新興出版社啓林館でございます。ここでは、「1」の「(1)」でございます。教科書は1年生の41ページを御覧ください。多くみられる誤答を「誤答例」として示し、その誤りを指摘したり、正しく直したりする活動を2例掲載しております。
 次に、答申の一番最後、「5」の「(1)」の3つ目の丸(〇)印です。1年生の220ページ。また、啓林館は別冊「MathNaviブック」というものを設けております。その別冊の34ページと本体の220ページを合わせて御覧ください。第1学年の「資料の活用」、別冊「MathNaviブック」で、レポートの書き方を示すとともに、書く順序やポイントを側注で示しております。
 続いて、答申の次のページでございます。数研出版です。ここでは、「5」の「言語活動の充実」の1つ目の丸(〇)印です。教科書は1年生の49ページをお開きください。「伝え合おう」のコーナーで、根拠を明らかにして筋道立てて説明する学習活動を掲載しています。
 続いて、1つ飛ばしまして、最後の丸(〇)印です。教科書は1年生の56、57ページを御覧ください。側注の「NOTE」で、式や図などの数学的な表現を書くときの注意や工夫を示しております。同様なものは、89ページ、131ページにもございます。その他のページにもございます。
 続いて、答申の次のページでございます。日本文教出版です。ここでは、「1」の「(1)」の1つ目の丸(〇)印です。教科書は1年生の79ページを御覧ください。多くみられる誤答を「まちがいの例」として示し、その誤りを指摘したり、正しく直したりする活動を3例掲載しております。
 続いて、一番最後になりますが、「5」の「(1)」の3つ目の丸(〇)印です。教科書は1年生の268、269ページを御覧ください。「数学レポートをかこう」「数学レポートの例」で、レポートの書き方を示しております。
 以上が数学の答申の内容でございます。よろしく、御審議をお願いします。

井内委員長

 ありがとうございました。ただ今、数学について指導第二課長から採択審議会の答申の説明がございました。この数学につきまして、御質問、御意見はございませんでしょうか。

栗栖委員

 本市の課題の中で、グラフなどを適切に用いて問題を解決したり、自分の考えを数学的に表現したりする力に課題があるというように認識されているのですが、具体的にはどんなイメージなのでしょうか。

指導第二課長

 各発行者ともコーナーを設けておりまして、根拠を明らかにして、数学的に表現して説明する学習活動を掲載しています。例えば東京書籍の1年生の63ページをお開きください。ちょうど、真ん中あたりにQマークとして、ここでは「説明してみよう」なのですが、「考えてみよう」「調べてみよう」「見直してみよう」というフレーズを付して、活動のねらいが生徒に分かるように工夫をしています。
 同様のものは、大日本図書でいえば、1年生の52、53ページでございます。緑色で「利用しよう」「伝えよう」のコーナーがございます。
 学校図書では、18ページの「伝える」のコーナーで、「説明してみましょう」という形で示しています。
 教育出版では、25ページの「伝えよう」のコーナーで示しています。
 それから、啓林館の1年生の23ページになります。「自分の言葉で伝えよう」のコーナーです。
 それから、数研出版は1年生の49ページの「伝えよう」というマークがあります。
 最後、日本文教出版は1年生の29ページを見てください。「説明しよう」という吹き出しがあります。
 以上、見ていただいて、全者とも「説明しよう」、「伝えよう」等のコーナーがございます中で、最初に見ていただいた東京書籍の方は、「説明してみよう」のコーナーで具体的な指示がされているのが特徴的なのではないかという意見が審議会では出ていました。

鈴木委員

 数学は積み重ねの勉強が必要ですので、小学校からの確認といいますか、小学校で何を学んで、中学校でどのようにし、あるいは小学校をもう一回振り返って気付いたことが補足される感じかなと思いますけれど、そういうことについて各者においては、どのように取り扱われているのでしょうか。

指導第二課長

 例えば東京書籍では228ページを御覧ください。学びをつなげるということで、算数の振り返りが、折込みになっております。このような形で算数の振り返りのページがございます。
 それから、大日本図書の282ページです。小学校の復習という形で計算問題を3ページにわたって掲載しています。それから、順番が替わって恐縮なのですが、学校図書では277ページです。小学校の計算を1ページで掲載しております。
 教育出版では、裏見返しになっています。切り取って立体を作るページの次のページでございます。小学算数のまとめということで、次のページから折り返しになっていますが、9ページで掲載しています。
 それから、啓林館は、別冊の「MathNaviブック」で押さえてありまして、その中の最初4ページから小学5年、次の6、7ページが小学4年から6年というような示し方で、4ページにわたって示しております。
 数研出版ですが、こちらは4ページになります。巻頭の4ページのクイックチャージで、算数の復習を5ページから9ページ扱っています。
 それから最後の日本文教出版ですが、こちらは巻末の方にあります。248ページから255ページまでの「算数を振り返る」で、8ページ扱っています。
 ということで、ページ数の差はそれぞれありますけれど、いずれの者も算数の復習を示しています。

藤本委員

 本市の自分の考えを数学的に表現したりする力に課題があるという点と関連するのですが、どの教科書にもレポートについての記載がある。説明のとき、数研出版だけないのですね。あとは、全てレポート作成に関する表記がある中で、東京書籍が、「よりふさわしい」とされる理由として、何か特別秀でたところがあるのでしょうか。

指導第二課長

 東京書籍の1年生の226ページを御覧いただけたらと思います。それから、学校図書は260、261ページになります。東京書籍の方はレポートにまとめようということで、左の方に丸1から丸5で、項目とどのようなことを書くかというのが示されています。同様に、学校図書もレポート例というように示されておりまして、こちらは教科書の向きを置き換えて大きく示しておりますから、今見ていただいた東京書籍と同様に左右に何を書くのかということが示されております。
 いずれもこのように示されていて、学校図書の方がより詳しく学ぶことになっております。審議会の意見として、東京書籍が丸1から丸5までコンパクトに示しており、学校図書の方は、左右見るような形になっているので、東京書籍の方が分かりやすいのではなかろうかという意見が出ていました。

溝部委員

 同じような質問なのですけれども、基礎的、基本的な学力の土台がないと、算数、数学というのは難しいと思うのですけれど、日々、基礎的、基本的な学力の定着を図るような丁寧な工夫というのはどういうところにあるのですか。

指導第二課長

 例えば東京書籍では、等号の書き方を説明しているところがあります。26ページを御覧ください。例の1で回答、左に等号を寄せて書く、「マイノートプラス」で、等号は縦に揃えて書くと安定すると示しています。数学を学ぶとつまづく生徒は、この等号の位置が揃えて書けないというようなことがよくありますので、こういうところを丁寧に、説明しております。
 それから、学校図書で同様のところをいえば、103ページを御覧ください。付箋紙を貼ったような黄色いところですが、見直したときに分かりやすいように、「=」等号を揃えて書いておこうと示しています。
 数研出版ですが、1年生の教科書の89ページに「NOTE」というのが、右の側注にあります。等号の位置ということで、いずれも示しております。示し方として東京書籍の方が、子供にとって分かりやすいのではないかという意見が出ておりました。

溝部委員

 算数離れ、数学離れをなくすという意味もありますけれども、ともに学び合うといいますか、一人がレポートを書くという学習は各者あるように思ったのですけれども、互いに学び合うというところはどういう状況ですか。

指導第二課長

 東京書籍の45ページを御覧ください。節の冒頭なのですが、「Q」として先ほど説明した「考えてみよう」というのがあって、丸2で自分のまとめ方を説明してみようという学習過程を設定しております。それから46ページの「5」です。「話し合ってみよう」というところで、サクラさんとユウトさんのもとめ方を比べてみて、似ているところ、違うところを話し合う活動など、数学の様々な考え方を交流し合うというような課題設定をしております。
 同様なのは学校図書ですが、例えば82ページをお開きください。ユウゴさんの考えとチカさんの考えというのが「Q」としてありまして、その下に「説明してみましょう」、それから25ページで、チカさんからもう1回「説明してみましょう」というような学習活動を設定しています。いずれの者も、説明したり考えの違いを交流したりする活動を設定しています。

溝部委員

 学校図書の251ページからの「さらなる数学へ」というところの中に、262ページの辺りから協同学習を進めて、発表の仕方とか、非常に丁寧に記述があるのですけれども、こういうものが今の子供たちには、私はとても参考になると思いますが、同じようなものが他者にございますか。

指導第二課長

 東京書籍の1年生は、イラストで説明しています。啓林館の1年生は8ページに話し合いや発表が入っています。それから、東京書籍は学び合いのページというのが、3年生の6ページにあります。1年生にも6ページに学び合いのページというのがあります。
 それから、日本文教出版は6ページ、7ページにありまして、「考えを伝え合おう」を示しています。
 それから数研出版については、3ページに「使い方」というのがありますが、自分の考えを分かりやすく伝えましょうという記号を付すような形になっています。
 それから、教育出版は6、7ページ、1年生ですが。「話し合うときは」ということで、伝えることを扱っています。

溝部委員

 各者、そういうところは大事に扱っているということですね。

尾形委員(教育長)

 東京書籍の3年の242ページから活用の問題が入っています。例えば、今、数学で勉強したことを日常の問題の解決に生かすとか、グラフを読み取って、それを解決するとか、そういう力が非常に重要であるということですね。そうすると、ここの東京書籍で扱っているようなページは、他者にはないのか、東京書籍が特に豊富に扱っているのか。見てみると、どこにもグラフを解くとか、レポートは確かにある。そういう活用の扱いについてはどうですか。

指導第二課長

 例えば学校図書でいいますと、巻末にございます。264ページに「調べてみよう」、次の266ページに課題学習、次のページで「秀吉の大失敗」、270ページで「複雑な形の面積」ということで、様々な事例を示しています。

尾形委員(教育長)

 日常生活でグラフを使うとか、数学を日常生活で活用するための工夫についてはどうですか。

指導第二課長

 いずれの者も巻末の方で活用の問題というのは出てくるのですが、特に日常的なものでは、東京書籍と学校図書です。

尾形委員(教育長)

 いわゆる、B型問題、PISA型学力というか、「言語・数理運用科」との関係を考えたときに、観光客数と商品とか、水の節約とか、平均値とか、日常の身の回りのものと数学を関連させるように、授業を改善していくという視点が大切になる。そういった授業を改善する工夫について、特徴のある教科書があったら教えてください。

指導第二課長

 いずれの者も、日常生活に見られる事象が冒頭になっております。正負の数というところで見比べていただけたらと思うのですが、東京書籍の8ページになります。
 それから啓林館は12ページになります。日本文教出版は10ページになります。数研出版は16ページ。教育出版が9ページになります。大日本図書は9ページになるのですが、写真という形になっています。これだけ見ていただいても違いが分かります。

井内委員長

 だいたい、よろしいでしょうか。今、御説明があったように東京書籍ですと、レポートの書き方から学びのページへつないでいく、みんなで勉強するというような形も出ています。分かりやすい小学校とのつながりもある。最後に、是非、また、学びを生かすということで、日常に数学を生かせるというような説明についても、少し東京書籍の方が優れているなという印象を受けました。
 数学については、この東京書籍の数学の教科書が採択に値すると思いますが、いかがでしょうか。
 (異議なし)
 よろしいですか。では、異議なしということで、この数学に関しては、東京書籍の教科書を採択することにいたします。ありがとうございました。
 それでは続いて理科について、答申の説明を指導第二課長からよろしくお願いします。

指導第二課長

 理科の1ページを御覧ください。まず、本市の実態でございますが、中心部に商工業地域が多く、マンションや大規模な商業店舗も増えてきていますが、周辺部は山や川など自然に恵まれ、比較的自然から直接学ぶことができる地域でございます。また、こども文化科学館、安佐動物公園、植物公園、江波山気象館などの施設があり、様々な分野の事象を観察・調査することができる施設が整っている地域であります。
 次に、生徒の状況でございますが、平成26年度の「基礎・基本」定着状況調査によりますと、本市の生徒の学力の実態として、観察・実験に対する興味・関心は高いようです。しかし、事象とその要因を関係付けて説明したり、観察・実験の結果を分析・解釈し事象が起こる要因を見い出したりする力に課題があるというふうに挙がってきております。
 5つの観点に属した視点は丸1から丸9に定めております。
 次のページを御覧ください。それでは、各者の答申について抜粋して説明をいたしますが、まず、東京書籍についてです。「2」の「主体的に学習に取り組む工夫」の「(2)」の4つ目の丸(〇)印を御覧ください。教科書は1年生の4ページと5ページになります。各学年の巻頭に「探求の流れの例とこの教科書の使い方」を設けて、探求の過程を示しております。
 続いて、次の丸(〇)印になります。1年生の81ページ、83ページをお開きください。各単元に、「じっくり実験しよう」のコーナーを設定し、考察のポイントを具体的に示しております。
 次のページを御覧ください。「言語活動の充実」の5つ目の丸(〇)印です。教科書は1年生の58ページを御覧ください。「学びを活かして考えよう」というコーナーで、学習したことを活用して説明する場面を設定しています。
 次の丸(〇)印ですが、1年生の7ページをお開きください。第1学年に「話し合いのしかた」や「発表のしかた」を示しております。
 以上、説明しました理由を付して、意見として、東京書籍の教科書は本市で使用する教科書として、「ふさわしい」という答申となっております。
 次のページをお開きください。大日本図書でございます。ここでは、「2」の「主体的に取り組む学習する工夫」の「(2)」の5つ目の丸(〇)印でございます。教科書は1年生の126、127ページを御覧ください。各単元に終章として「学んだことを活かそう」を位置付け、学習したことを活かして課題を解決する活動を設けております。
 次の「4」の「内容の表現・表記」の「(2)」の3つ目の丸(〇)印です。1年生の12、13ページを御覧ください。吹き出しの中の文章は、文節により改行をしております。
 次のページですが、学校図書を御覧ください。「1」の「基礎・基本の定着」の「(2)」の3つ目の丸(〇)印です。第1学年の「基本操作 グラフの書き方」で、2種類のグラフの書き方と各グラフの失敗例を説明しております。また、グラフの利点と誤差について記述をしております。37ページになります。それから、同様のものは116ページです。
 続いて、次の丸(〇)印でございますが、教科書は1年生の153ページです。第1学年の「基本操作 顕微鏡の使い方」で、観察の失敗例を写真で示し、その対処法を説明しております。
 続いて「4」の「内容の表現・表記」の「(1)」の4つ目の丸(〇)印です。教科書は、学年が代わって恐縮ですが、第2学年の巻末資料、304ページをお開きください。教具として原子カードを付しております。
 続いて教育出版、次のページでございます。「1」の「基礎・基本の定着」の「(2)」、2つ目の丸(〇)印です。教科書は1年生の31ページを御覧ください。観察・実験の説明では、手順のまとまりごとに見出しを付けるとともに、禁止事項・注意事項にマークを付して示しております。注意事項は4種類のマークで示されております。
 続いて「4」の「内容の表現・表記」の4つ目の丸(〇)印、1年生の272ページを御覧ください。各学年の巻末資料に、教具として、カメラ作成シート・原子モデルカード・星座早見作成シートが各学年に付されております。
 答申の次のページを御覧ください。新興出版啓林館です。「2」の「主体的に学習に取り組む工夫」の「(1)」の4つ目の丸(〇)印です。教科書は1年生の220ページを御覧ください。日常生活に見られる身近な事象について、「どうして何々なのだろうか」と問いかける形で、学習課題を示しています。
 次の「2」の「(2)」の5つ目の丸(〇)印です。教科書は1年生の125ページをお開きください。第1学年の「物質」の学習では、最初に探究的な学習を設定し、その具体例を示しています。
 答申の次の丸(〇)印でございます。教科書の方は別冊「マイノート」というのがございますが、そちらの12ページお開きください。別冊「マイノート」に考えたことや予想したことを記述できる欄を設けております。
 答申は次のページをお開きください。「5」の「言語活動の充実」でございます。6つ目の丸(〇)印です。教科書は1年生の256、257ページです。第1学年と第2学年の巻末に「理科における話し合いと発表」を設け、観察・実験前後の話し合い、発表の仕方を説明しております。
 もう一度、1年の別冊「マイノート」の15、17ページを御覧ください。答申は次の丸(〇)印になります。観察・実験前後に分析・解釈したことを表現するため、「サイエンスアプローチ」を設けています。
 それから、答申の一番最後の丸(〇)印になります。1年生の教科書153ページをお開きください。第1学年の観察・実験の考察では、「結果何々から」という表記を入れて、結果との対応を示しております。
 以上、説明しました理由を付して、意見として、啓林館の教科書は本市で使用する教科書として、「よりふさわしい」という答申となっております。
 以上が理科についての主な答申でございます。よろしく御審議お願いいたします。

井内委員長

 ありがとうございました。ただ今、理科について指導第二課長から採択審議会の答申の説明がございました。これにつきまして、御質問、御意見ございませんでしょうか。

溝部委員

 2、3日前に全国学力状況調査の中で、理科のことが出ていましたけれども。そんな中で、実験・観察ということがとても効果があるということと、興味・関心を引くというようなことも出ておりました。それを踏まえて、実験・観察、野外観察を重視することが大切と言われておりますけれども、その中で技能の習得といいますか、実験・観察における技能の習得については、各者どのような記述があるのかなということが1点です。
 2点目は、本市の子供たちは実験・観察は好きだけれども、分析して考察することに課題があると、指摘されています。その分析して考察するための学び方について、どのように説明・指導しているだろうかということを知りたいと思います。

指導第二課長

 まず、1点目の実験・観察の技能についてです。実験・観察の準備・方法・手順について、各発行者とも図解や写真を掲載して説明しております。また、実験操作のコツや注意事項をマークで示しています。
 そうした中で東京書籍と学校図書、それから新興出版啓林館におきましては、2種類のグラフの書き方と失敗を説明する。それから、グラフの利点と誤差についても示すという工夫をしております。
 具体的に見ていただきますと、1学年の東京書籍の109ページでございます。ここでは試験管を使った実験なのですが、スッテプ1、ステップ2、ステップ3というように、「物質を溶かす」「熱して溶かす」「冷やす」「蒸発させて観察する」というように、それぞれの手順を示しています。
 それから、右上に赤い注意マークを付し、眼鏡を掛ける、液体をこぼさない、やけどに注意するなどの指示をしています。
 それから大日本図書では121ページを御覧ください。同様に水溶液から物質を取り出すという実験ですが、実験の手順、物質を湯に溶かす、冷やしたときに観察する、ろ過する、加熱、答えを観察するという手順を示しております。ここでは、注意事項として「注意」という形で、保護眼鏡をつけるという指示があります。
 それから学校図書では、64ページを御覧ください。同様の実験ですが、準備、物質を溶かすということで、方法を四角1、2、3、4、5というような形で手順を示し、その中で特に加熱するときに注意するところを示しております。
 さらに教育出版でございますが、45ページ。同様の実験でございます。準備物でチェックを付けるところがあり、方法を四角1から四角4までの手順、図とともに示していまして、黄色い四角で保護眼鏡と廃棄物についてを示しています。
 それから啓林館でございますが、153ページです。新興出版啓林館では目的、実験に必要なもの、方法をステップ1からステップ3で示しています。それから右上に安全眼鏡、要換気、廃液処理、やけど注意というような形で禁止事項を示しています。いずれも実験は取り上げておりまして、禁止事項についても取り上げ方は様々ですが、注意すべき事項を示しているという工夫がされています。
 それから2点目の観察・実験の結果を分析・解釈し要因を見い出したりする力の学び方ということでございますが、各者とも考察などの場面で「予想してみよう」「考えてみよう」「話し合ってみよう」という欄を設けて、事実や根拠に基づいて結果を予想したり、観察・実験の結果から自分の考えを表現する学習活動を位置付けております。そうした中で東京書籍と新興出版啓林館におきましては、巻頭や巻末に「話し合いのしかた」や「発表のしかた」を示しております。また、新興出版啓林館では、先ほども説明いたしましたが、別冊「マイノート」というのを付しておりまして、その中で予想したり、分析・解釈したことを記述できるようにしています。それから、「結果何々から」という表記を入れて、結果との対応を示すようになっておりました。
 具体的には、新興出版啓林館の別冊「マイノート」の12ページを御覧ください。最初に課題をどのように調べなければならないかを考え、解釈し、いろいろ学習を進めて書いていくようにして、12ページの丸3のところで、「友だちの考えを記入してみよう」という指示により、意見交流した内容を記入していく形にしております。

鈴木委員

 今のことに関連するのですが、私も実験・観察の結果から考察するという、因果律を明確にするというのが理科の特徴だと思っています。その点では、結果から見るというのが明確に出ているというのは、いいことだと思いました。今は物質の変化のところだけなのですけれども、東京書籍では、生物や地学でも同じように因果律が明確であるのがいい点です。

指導第二課長

 東京書籍の1年生の35ページをお開きください。ここでは光合成の学習をするところなのですが、今、御指摘があったようなことでいえば、結果の見方というところの「考察のポイント」、その上に実験の方法というものを示しています。
 それが新興出版啓林館では39ページになります。同様の実験をするところなのですが、まず、「予想してみよう」ということで予想し、観察の目的を示す、それから方法をステップで示す、それから結果を考察するというような流れとなっています。

鈴木委員

 新興出版啓林館の方は予想があって、結果があるというところに特徴があるという感じですかね。

指導第二課長

 はい。

鈴木委員

 面白いなと思ったのは、小学校と呼び方が変わるところがありますね。小学校では「実」と読ませるけれど「果実」に変わるとか、理科表現が変わるところがあるのですけれど、そういう説明などは入っていますか。小学校との関連はどのように説明されていますか。

指導第二課長

 新興出版啓林館では16ページを御覧ください。「振り返り」のコーナーで、小学校5年生の花のつくりの学習を示しています。そういう振り返りをしながら、次の17ページから「花のつくりと働き」というところで花弁などという言葉を学習するような流れになっています。それから今、御指摘いただいたのが21ページです。小学校5年の振り返りと、その下に小学校で「実」と呼んでいたものを中学校では「果実」と呼ぶことを示しています。
 東京書籍では20ページに同様の学習をするところがございます。「これまでに学んだこと」というところで、小学校6年を振り返っています。

鈴木委員

 新興出版啓林館の方が詳しく、「振り返り」みたいなマークがあって、分かりやすいものになっていますね。

尾形委員(教育長)

 新興出版啓林館は別冊があるという点で、他者と違いますね。この別冊の活用というのはどんなものがあるのですか。これをワークシート的に使うことによって、実験がスムーズにできるとか、実験からいろいろな仮説が出るとか、まとめるとか、気付きを記入できるとかという良さがあるとかあれば教えてもらいたい。もう一つは、最後に振り返って、いろいろなページに力試しもあるが、これは他者にはないものであるが、どのように評価していますか。

指導第二課長

 審議会の中では、この「マイノート」が話題になりました。その中で、各中学校、学校ごとに学習ノートのような副教材を購入し、保護者が負担するのですが、それが「マイノート」が付いていることによって、保護者負担が軽くなるという点でいいのではないかというような意見もありました。一方で、生徒が記述したり、文章表現したりするところについては、やや詳しすぎではないかというような意見もありました。また、レポートのようなもので学習させていかなければならないのではないかというような意見もありました。

溝部委員

 この「マイノート」は理解のゆっくりした子だとか、理科があまり得意じゃない子にとっては、とても丁寧な書き方がしてあって有効かなと思います。

指導第二課長

 はい。

尾形委員(教育長)

 理科については、子供の思いとか、問う力というか、そういったところが非常に大事だと思うのですが、子供の疑問、はてなマーク等、かなり、子供のことが随所にあるような気がします。そこは他者にも見られるのですが、疑問を持つことや問う力は、理科の観察で一番大事な出発点だと思うのですが、そのことについて、工夫しているところはないのですか。

指導第二課長

 先ほど、教育長が数学のところで生活との関わりを指摘されましたが、理科も、生活の中から疑問を見い出して、いろいろ調べたり、観察したりして、実験したりして、生活に関連してくるということが必要ではないか考えています。
 そうしたことからいえば、例えば新興出版啓林館の1年生、220ページを御覧ください。ペットボトルの実験がございまして、上と中ほどと下に穴が開けられていて、なぜ水の勢いが違うのかというような考察をするという設定なのですが。新興出版啓林館では、はてなマークで、下の穴ほど水が勢いよく飛び出すのはなぜなのかという、生活から関連することを疑問形で設定されます。
 それが教育出版では、113ページから設定されていますが、水圧はどのように水中の物体に働いているのだろうかという部分から入りまして、115ページに透明な亜鉛と水を入れて実験するというようになっています。
 それから学校図書は、122ページになります。同様の実験をするようになっているのですが、ここでは女の子のイラストで「水の低いところほど、穴からいきおいよく飛び出しているね」というせりふを示しています。
 それから大日本図書については、182ページです。水圧のところでいえば、はてなマークで「水中では圧力はどのように働くだろうか」という疑問を示しております。
 それから東京書籍は184ページでございます。同様にペットボトルの説明があって、水圧という説明で、下に「予想してみよう」と示されています。審議会の中では、一番「ふさわしい」のは啓林館であり、なぜだろうかという問いかけを行っていますので、より生徒に分かりやすいのではないかというような意見が出ていました。

栗栖委員

 考える力とか、興味を持たせるという意味で、やはり各者ともいろいろ工夫はされていると思います。日常生活との関連というのは、各者ともより工夫されていると思いますが、やはり新興出版啓林館は、どうしてだろうかと問いかける形で学習課題を示しているということが大きな特色のひとつだろうということと、「マイノート」、先ほど審議会で出たというように、うまく活用すれば、考える力が非常に付いてくるような教材なのかなと思います。そういう点では、この理科に関していえば、私は新興出版啓林館の方が、この答申の意見と一緒ですが、「よりふさわしい」のではないかというような印象を持っています。

井内委員長

 理科が好きでないというのは、自然に起こっている現象に対して、なぜだろうかと思うか、思わないかということから始まるわけですよね。それを証明する実験をして、その結果をうまく説明できるということが求められる能力だと思います。全ての分野についての基本だろうと思いますが。そういう視点で見ると、啓林館の教科書というのは、なぜだろうかという問いかけをしているし、あとで予想したものを証明していくという手順についても、説明が工夫されているという感じがします。
 ということで、この理科の教科書については、新興出版啓林館の教科書が「よりふさわしい」と思われますので、新興出版啓林館の教科書を採択したいと思いますが、いかがでございましょうか。
 (異議なし)
 それでは理科については、新興出版啓林館の教科書を採択するということで決めさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
 本日の審議はここまでということにさせていただいて、議案第31号「平成28年度から使用する広島市立中学校用教科書の採択について」は、継続の審議としたいと思います。続きは明日の教育委員会議、臨時会でございますが、議題1として審議を再開させていただきたいと思います。
 本日の教育委員会議を終了いたします。
 次回の教育委員会議は、8月28日(金曜日)午前9時30分からです。

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