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平成26年第9回教育委員会議(8月定例会)会議録

平成26年第9回広島市教育委員会議会議録

 平成26年8月27日(水曜日)、平成26年第9回教育委員会議(定例会)を教育委員室において開催した。

1 開会及び閉会に関する事項

  • 開会 午前 9時30分
  • 閉会 午後 4時45分

2 出席委員

  • 委員(委員長) 井内 康輝
  • 委員 溝部 ちづ子
  • 委員 藤本 圭子
  • 委員 栗栖 長典
  • 委員 鈴木 由美子
  • 委員(教育長) 尾形 完治(議題6の審議から出席)

3 事務局等の出席者

  • 教育次長 川添 泰宏
  • 青少年育成部長 熊田 一雄
  • 学校教育部長 隅田 一成
  • 指導担当部長 湧田 耕辰
  • 教育センター所長 市川 昭彦
  • 教職員課長 梶田 英之
  • 教職員課服務・健康管理担当課長 野間 泰臣
  • 指導第一課長 島筒 篤
  • 指導第二課長 登 民夫
  • 特別支援教育課長 児玉 安司
  • 生徒指導課長 開 英治

4 傍聴者等

 なし

5 議事日程

  • 議題1 平成25年度における不登校・いじめ・暴力行為の状況(速報値)について(報告)
  • 議題2 平成27年度広島市立高等学校の入学定員について(報告)【非公開】
  • 議題3 教職員の人事について(議案)【非公開】
  • 議題4 教職員の人事について(代決報告)【非公開】
  • 議題5 平成26年度広島市教育委員会事務点検・評価報告書について(議案)【非公開】
  • 議題6 平成27年度使用広島市立高等学校用教科用図書の採択について(議案)【非公開】
  • 議題7 平成27年度使用広島市立広島特別支援学校及び広島市立小・中学校用(特別支援学級)教科用図書の採択について(議案)【非公開】
  • 議題8 平成27年度から使用する広島市立小学校用教科書の採択について(議案)【非公開】

6 議事の大要

井内委員長

 それではただ今から、教育委員会議の定例会を開催いたします。まず冒頭に、今回の安佐北区、安佐南区の大変な豪雨、土砂災害で多くの方がお亡くなりになられた、あるいは行方不明ということで、さらに、我々が守るべき中学生1人、小学生1人が犠牲になられたということを本当に痛恨の極みとして感じております。会議の冒頭に皆さんで、犠牲者の皆さん方を追悼する意味で、黙とうをしたいと思いますので、どうぞよろしく御協力のほどお願いいたします。
 黙とう。
 (一同黙とう)
 お直り下さい。どうもありがとうございました。
 本日は、傍聴の方がいらっしゃらないということなので、この部分を割愛させていただきます。
 本日は、尾形委員が災害対応業務のために1時間ほど遅れての出席となりますが、その間も定足数は満たしております。なお、その間の教育長の職務代行者は、教育長の職務代行者に関する規則第2条により、教育次長となります。よろしくお願いいたします。本日の議事録の署名者でございますが、栗栖委員と鈴木委員にお願いをいたします。
 それでは、議事に移ります。本日の議題は、お手元の議事日程のとおりでございますが、審議に入ります前に、本日審議予定の議題2から議題8までにつきましては、広島市教育委員会会議規則第7条第1項第3号、第4号及び第8号の規定に該当することから、審議を非公開としたいと思いますが、御異議ございませんでしょうか。
 (異議なし)
 はい、それでは、異議なしと認めまして、議題2から議題8までについては非公開と決定いたしました。それでは、議題に入ります。まず、議題1でございます。「平成25年度における不登校・いじめ・暴力行為の状況(速報値)について」を議題といたします。本件は、報告案件でございます。内容につきまして、生徒指導課長の方から説明を受けたいと思います。よろしくお願いします。

生徒指導課長

 はい、それでは議題1、平成25年度における不登校・いじめ・暴力行為の状況について報告をさせていただきます。資料の2ページをお開きください。平成25年度における不登校・いじめ・暴力行為の状況は、文部科学省の調査に基づいて取りまとめたものでございます。この調査は各学校から提出された不登校・いじめ・暴力行為のデータを生徒指導課で集計し、県教委(県教育委員会)を経由して文部科学省に提出いたします。今後、文部科学省は全国のデータを公表することになっております。したがって、本日報告する、本市のデータについては、確定値ではなく速報値という取扱いになります。なお、県教委は8月8日(木曜日)に広島県内全体の状況について、既に公表しているところでございます。
 まず、「1 不登校の状況」ですが、不登校とは何らかの心理的、情緒的、身体的、あるいは社会的要因・背景により児童生徒が登校しない、あるいは、したくてもできない状況にあることをいいます。なお、不登校児童生徒数は、不登校を理由として30日以上欠席した者の数になっております。表を御覧ください。過去5年間のデータを示しております。一番右端に昨年度、平成25年度の数値を示しております。小学校では、257人で、これは、在籍児童数に対する割合でいうと0.39%。およそ255人に1人になっております。中学校は712人で、割合は2.44%、およそ41人に1人になります。高等学校は50人で、割合は0.84%、およそ120人に1人になります。小・中、高等学校の合計は1,019人であり、前年度と比較して、全体で23人減少しております。
 続いて3ページを御覧ください。「2 いじめの状況」ですが、いじめとは、当該児童生徒が一定の人的関係のある者から心理的、又は物理的な影響を与える行為を受けたことにより心身の苦痛を感じているものをいいます。表を御覧ください。平成25年度の認知件数は、小学校で135件、中学校124件、高等学校3件、合計262件であり、前年度と比較して全体で312件減少しております。「3 暴力行為の状況」ですが、暴力行為とは、児童生徒が、教師の胸ぐらをつかんだり、教師に暴力をふるったりする「対教師暴力」、児童生徒同士のけんかなどの「生徒間暴力」、見知らぬ児童生徒や大人に対して暴力をふるう「対人暴力」、学校の窓ガラスやトイレのドアなどを故意に破損させたり、修復が必要な落書きなどの「器物損壊」の4つに分類され、それぞれの形態ごとに実態把握を行っております。表を御覧ください。平成25年度の暴力行為の発生件数は、小学校で141件、中学校で459件、高等学校4件、合計604件であり、前年度と比較して全体では7件増加しております。これら、不登校・いじめ・暴力行為の状況の詳細については、別冊の基礎資料に示しております。時間の関係もあり、特徴的な部分についてのみ説明させていただきます。
 まず、不登校から説明をさせていただきます。別冊の1ページを御覧ください。「2 不登校児童生徒数の推移」ですが、グラフの一番上の合計を御覧ください。平成20年度をピークとして、5年連続減少しています。「子どもの人間関係づくり推進プログラム」などの予防的生徒指導の推進や小中連携の取り組みの成果がある程度出ているものと考えております。小学校については、平成21年度までは、少しずつ減少していました。その後、不登校児童が増加した年度もありますが、ほぼ横ばいの状況が続いております。昨年度の平成25年度は257人で、平成24年度の268人と比べると11人減少しております。中学校については、平成16年度以降、800人台で推移していましたが、平成24年度に705人と大きく減少し、平成25年度は712人となっており、7人増えております。高等学校については、平成17年度から、文部科学省の調査が始まっており、平成24年度は69人で前年度より31名増えましたが、昨年の平成25年度は50人で、再び減少に転じております。
 2ページを御覧ください。「3 学年別人数」ですが、学年が進むにつれて、不登校児童生徒数が増加し、特に小学校6年から中1にかけて増え幅が大きく、中1から中3にかけてさらに増加しております。中学1年生で不登校生徒が増加する要因といたしましては、いわゆる「中1ギャップ」といわれますように、小学校から中学校へのシステム等の環境の急激な変化への不適応があると考えております。中学2から3年生で増加する要因としては、学業の不振や友人関係のトラブルをきっかけとして、学校の中に居場所を見い出せないなど、学校生活に対する意欲の減退などがあると考えております。
 3ページを御覧ください。「5 不登校になったきっかけと考えられる状況」では、表の下から6番目、太字でアンダーラインを付けておりますが、不安など情緒的混乱が331人で最も多くなっており、次いで、無気力が283人、次に、いじめを除く友人関係の問題が213人となっております。
 続きまして、6ページの「9 相談・指導を受けた機関等」では、表の下から2番目にある、「スクールカウンセラー、ふれあいひろば推進員による指導」が、小中学校ともに多く、小学校では147人、不登校児童の約57%。中学校では、291人、不登校生徒の41%となっています。
 以上、平成25年度の不登校の状況を説明させていただきましたが、不登校児童生徒数は、ここ数年減少傾向が見られるため、現在各学校が取り組んでいる、生徒指導に関わる小中連携や子どもの良質な人間関係づくりを促進する「子どもの人間関係づくり推進プログラム」、課題の兆候を示す児童生徒を早期に把握しスクールカウンセラーなどと連携した「いじめ不登校等への早期支援プログラム」の2つのプログラムを継続して取り組み、不登校の未然防止に努めたいと考えております。また、不登校児童生徒数は、減ってはおりますが、依然として1,000人を越え、憂慮すべき状況であるため、担任や教職員を中心にしながら、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー等の専門家の援助も受けながら、今後は増員も視野に入れながら、不登校児童生徒への支援体制の充実に向けて取り組んでいきたいと考えております。
 続いて、いじめについて説明させていただきます。12ページを御覧ください。「3 いじめの発見のきっかけ」ですが、表の上から7番目にある「当該児童生徒の保護者からの訴え」が99件で最も多く、次いで、「本人からの訴え」が53件、「学級担任が発見」が34件となっています。いじめの発見のきっかけとして、保護者や本人からの訴えや教職員などの発見が多いことから、やはりいじめの早期発見に向けては、担任を中心とした教職員が保護者との密接な連携を図るとともに、教育相談を充実させることが重要であると考えております。
 15ページを御覧ください。「6」の「(1)いじめる児童生徒への対応」では、表の一番上の「学級担任や他の教職員が状況を聞く」が252件で最も多く、次いで、「学級担任や他の教職員が指導」が235件、「保護者への報告」、「いじめられた児童生徒やその保護者に対する謝罪の指導」が127件となっております。
 19ページを御覧ください。「7 いじめの現在の状況」ですが、これは平成25年度に認知したいじめについて集計したデータです。表の一番上にありますように、「解消しているもの」が、小学校では135件のうち100件の74.1%、中学校では124件のうち81件、65.3%、高等学校では、3件のうち3件で100%、高等学校では全て解消しています。これに、表の2番目の「一定の解決が図られたが、継続支援中」のものを含めると、小学校では100件に25件を加えた合計125件、92.6%、中学校では81件に32件を加えた合計113件、91.1%が解消しております。なお、「解消に向けて取組中」が、小学校で3件、中学校で5件ありますが、今年の7月末現在で、全てのいじめが解消していることを各学校から報告を受けております。
 以上、平成25年度のいじめの状況について説明させていただきました。平成25年度のいじめの認知件数が減少した要因としては、平成24年度末にいじめの未然防止、認知したいじめへの適切な対応、基盤となる教職員の力量アップの3つを柱としたいじめに関する総合対策を策定し、この教育委員会議の勉強会でも何度も見ていただいた、いじめに関する総合対策ですが、この総合対策を策定し、平成25年度から、そのいじめに関する総合対策に取り組んだことが減少した要因の一つと考えられます。具体的には、その総合対策の中において、「みんなで語ろう!心の参観日」や、まちぐるみ「教育の絆」プロジェクトなど、児童生徒の体験活動の充実を図ったこと、また、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、警察OBのスクールサポート指導員を増員したり、活動時間を拡充したことで、いじめの未然防止の強化が図られ、いじめの発生件数自体が減少し、結果としていじめの認知件数の減少にもつながったと考えております。今後は、広島市いじめ防止等のための基本方針に基づき新たに設置いたしました「広島市いじめ問題対策連絡協議会」、あるいは「広島市いじめ防止対策推進審議会」との連携を図るなど、いじめ防止のための対策をより一層強化していきたいと考えております。
 続いて、暴力行為について説明させていただきます。22ページを御覧ください。「1 暴力行為の発生件数」ですが、平成25年度、小学校では141件の暴力行為が発生しており、前年度の117件と比較して、24件増加しています。内訳を見ますと、器物損壊が11件から27件と増加しております。次に中学校の暴力行為は、平成25年度に459件、前年度の472件と比較して13件減少しています。内訳を見ますと、生徒間暴力、器物損壊は減少していますが、対教師暴力は68件から111件と増加しています。中学校における対教師暴力が増加した要因としては、学校が警察や警察OBのスクールサポート指導員との連携を強化し、毅然とした指導を行ったため、対教師暴力が増加したものと考えられます。
 23ページの「3-1 学年・男女別加害児童生徒数(実人数)」ですが、暴力行為の加害児童生徒数は中学生がかなりのウエートを占めており、中学1年生が109人、中学2年生は167人、中学3年生は126人となっております。男女別でみると、圧倒的に男子児童生徒の占める割合がほとんどでございます。
 以上、平成25年度の暴力行為の状況について説明させていただきました。暴力行為の発生件数は、平成22年度の723件をピークに減少しております。その要因といたしましては、平成22年度より実施している「いじめ・不登校等への早期支援プログラム」が定着してきたこと、あるいは、スクールサポート指導員による学校への支援を強化したこと、あるいは暴力行為を繰り返す児童生徒については学校、地域、関係機関などによるサポート会議で対応策を協議するとともに、関係機関と連携した毅然とした指導を行ったことなどが考えられます。
 しかしながら、小学校の暴力行為の発生件数は増加傾向にあり、その要因として、特定の学校の特定の児童が繰り返し暴力行為をおこす傾向が見られることから、暴力行為を繰り返す児童生徒の状況として、規範意識が身についていない、自分の感情をうまくコントロールできないことが考えられますので、こういうところへの指導も強化する必要があると考えております。小学校の暴力行為の増加への対応としては、昨年度より、全ての小学校に配置した生徒指導主事を中心とした生徒指導体制の充実を図ることができるよう、学校と教育委員会の連携をさらに図るとともに、暴力行為を繰り返す子どもへの支援にも、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーとの連携を個に応じた支援の充実を務めてまいりたいと考えております。以上で報告を終わります。

井内委員長

 はい、ありがとうございました。ただ今の説明につきまして、御質問等はございませんでしょうか。
 まず私から。暴力行為の状況に関してですが、中学校の対教師暴力が、平成24年度から増えていますよね。

生徒指導課長

 はい。

井内委員長

 そのときの説明で、毅然とした対応をしたのでというふうにおっしゃったと思いますが、これはどういう意味ですか。

生徒指導課長

 はい、平成25年度から警察OBのスクールサポート指導員を16名から24名に増員させていただきました。24名が、二人一組で12校の問題行動が多くて生徒指導上しんどい中学校に入りました。今まではどちらかというと、問題行動を繰り返す子どもに対して、家庭との連携とか教育相談的な手法で指導していたところを、問題行動を繰り返す子どもには、やはりいけないことはいけないと警察との連携を深めたり、被害届の提出が増えたということによって、被害届を出せば、警察は必要があれば逮捕したりしますし、暴力行為としてもカウントしますので、そういう面で毅然とした指導をしたために、「対教師暴力」が増えたと考えております。これは、一時的には「対教師暴力」で増えますが、長い目で見れば、「対教師暴力」の再発防止につながるものと考えております。

井内委員長

 つまり、同じことがあったのだけれど、表へ出てきたというようなことですか。

生徒指導課長

 そうです。

井内委員長

 今までは、親御さんに言ったりして済ませてきたことを警察への情報とか学内での周知とか、そういう意味で、表沙汰になったからこれは増えているということ、そういう意味ですか。分かりました。

栗栖委員

 よろしいですか。

井内委員長

 はい、どうぞ。

栗栖委員

 いじめの件数が減ってきているというのは、いろんな対策が功を奏しているのではないかということで、非常にいい方向だと思います。引き続き、地道な取組を継続していただきたいと思います。不登校がトータルで1,000人近いのですが、これは減らしていきたいと思います。例えば、この別冊の2ページの「学年別人数」のところで、中3が306人いますが、これは、一年間で不登校になった方が306人ということですか。

生徒指導課長

 いいえ、新たに、不登校になった子どもさんではなくて前年度からのも含みます。

栗栖委員

 全体の人数ということですね。

生徒指導課長

 はい。

栗栖委員

 この306名のうち、中学校を卒業する時点で不登校が解消された方もいると思いますが、この中で、不登校が原因で、進学できなかった人というのは、どのぐらいおられるのですか。

生徒指導課長

 不登校の子どもさんのうち、進学ができた、できなかったというデータは、ちょっとうちの方では、取っていません。

栗栖委員

 取っていないのですか。

生徒指導課長

 各学校から報告を受ける中では、今は、高等学校も不登校だからということで入学を認めないということはなくて、逆に不登校を経験した子どもさんを特化して教育をしたいという学校もありますので、以前ほどはなくて、ほとんど希望すれば、学力の問題がありますので、そこは別ですけども、不登校だけで高校進学が不利になるようなことはほとんどない状況です。

栗栖委員

 このデータを見ると、中3のときに306名いたのが、高1で急に23人になっています。これは中3で不登校になった生徒は、高校に行っていないというように見えるのですが、そういうことではないのですか。

生徒指導課長

 そうではなくて、このデータはあくまでも市立学校ですので、中学校までは64中学校で、高校は8校しかありませんので、母数自体が少ないので、一律には比較できません。

栗栖委員

 不登校で一番気になるのは、不登校が原因で進学できず、その児童生徒にとってはやはり大きな人生のつまずきになりますので、そうならないようにできるだけ不登校に対して、効果的な手を打っていただいて、未然防止に努めていただきたいと思います。そのためには、不登校のきっかけになった原因とか問題点、また特に効果のあった学校の措置等をしっかり分析していただいて、特に「中1ギャップ」というように原因が分かっているようなこともありますので、小中の連携強化の取組等不登校未然防止に向けた具体的な取組を引き続きしっかりお願いしたいと思います。

生徒指導課長

 はい。

指導担当部長

 追加で一つ付け加えます。
 進学を含めて、中3卒業段階での進路ということで申し上げますと、進路の決定者の調査を毎年ずっと行っておりまして、当初は3月段階でいうと、やはり、数十人未決定者がおります。それをまた、卒業後も追跡調査をしまして、学校が卒業後も進路に関する相談に乗ったりと、ケアは行っております。もちろん、その中には、縁故で就職をして、残念ながら長続きしない卒業生も出てきたりもしますけども、市立の学校でいうと、例えば、広島市立大手町商業高等学校の方に進学をしたり、そこで、手厚いケアを受けたりしております。そういった、生徒指導課のこういった状況と、中学校を所管する指導第二課との連携の中で、ケアを現在行っているという状況でございます。

栗栖委員

 今般、新しい構想の定時制高校では、きめ細かい運営ができるということで、不登校などの受け皿ということでも大きく評価また期待されるべき構想だと思います。

指導担当部長

 はい、そうです。

栗栖委員

 そのような役割を意識しながら、新しい定時制の方も進めていけばいいと思います。

指導担当部長

 はい、ありがとうございます。

溝部委員

 いじめの件ですが、数字的にみると平成24年度に比べて、随分減少しているということで、総合対策の効果でしょうし、先生方が随分取り組んでいらっしゃるんだろうというように推測いたします。それで、いくつか質問といいますか、疑問点があります。まず、12ページの「いじめの発見のきっかけ」のところで、やはり、学級担任、それから保護者、本人、当たり前といえば当たり前なのですけれども、学校の先生が頑張っておられる姿がよく見えるのですが、この中で、上から4行目の「アンケート調査」のところがですが、すごく、アンケート調査に力を入れてどんなアンケート内容にしようかとか、時期的なものとか、回数的なこととか、随分検討しておられると思いますが、3とか2とかという発見回数が、少ないと見るのか、あったと見るのか、ちょっとそこは分析の仕方がいろいろあろうかと思います。アンケートに頼りすぎてもいけませんけれども、アンケートをどのように取るかとか、取り方、時期、回数、内容について、検討すべき課題ではないかと思いました。
 それから、13ページに、「いじめられた子どもの相談の状況」なんですけれども、一番下の「誰にも相談していない」というのは、かなりの数に上っています。これは、その後どうしているのかと、心配しているところです。それから、14ページです。今、全国的に、小学校高学年、中学校とLINEによるいじめというのが、非常にクローズアップされているにもかかわらず、このデータ結果はほとんどありません。小学校が0で、中学校も7で、圧倒的に少ないなと思いますが、このあたりの実態はどうなのかと思います。さらに、広島市教育委員会の取り組みの中で、ネットパトロールをしておられて、書き込みのチェックをしておられると聞いておりますので、この辺りはどのようになっているのかということについても教えてください。

生徒指導課長

 はい。

溝部委員

 それから、どんどん行きますが、15ページですが、いじめの対応をした一番下の表ですが、担任が把握とか教職員が状況を聞くとかずっと、非常に大きな数字のあった中で、下から4番目の「保護者への報告」の件数が、半分ぐらいしかありません。130のうちの小学校でいえば60と、全てのいじめに対する対応状況で、保護者と全てを連動してやっておられるのではないのかと思いますので、これは、保護者へ報告しない案件があるのかというところがちょっと疑問に思いましたので、お願いいたします。
 それから、もう一点ですが、17ページですけれども、下から3番目、これも対応なんですけれども、「当該いじめについて、教育委員会と連携して対応」という件数が、小学校24件、中学校20件と、多いか少ないかはちょっと分かりませんが、これも全てのいじめが、教育委員会に上がってくる状況ではないのかと思われるのですが、データで見るとちょっと心配なものですからいかがでしょうかと思いました。

井内委員長

 はい、それでは、一つずつ、よろしくお願いします。

生徒指導課長

 一番最初が、アンケート調査の回答の数が少ないということですが、我々も、こんなに少なくはないと把握していますので、学校が、例えば4月、5月に対応したものが、ちゃんと3月末の調査に反映しているかどうか少し疑問なところはあります。アンケート調査で、当然、いじめが発見できれば、それはいいのですが、我々としてはいじめを認知する方法としてのアンケートもありますし、未然防止、「もし自分がいじめを受けたら、アンケート調査があったときに、いざというときには書けばいいんだな」、あるいは、「もしいじめをしている子どもさんがいれば、今、自分はいじめをしているけれども、こういうところで自分がやっとるいじめが、先生に分かってしまう」というような警鐘という意味での効果もあると思います。以前、学校でやると周りの子どもが、あの子はいっぱい書きよるから何か、先生にいじめを訴えとるのではないかというように書きにくいというのもあって、自宅へ持って帰らせることもありましたが、委員御指摘のように、やっぱり、いじめのアンケートの回数であるとか、いつの時間帯にするか、どこの場所でするか、アンケート調査のやり方を検討してみたいと思います。今の実態としては多いところでは、毎月1回やっているところが一番多くて、多くの学校が2カ月に1回程度やっています。だから、校長先生方からの話の中で、子どもらがアンケート慣れしたところも実際としてあるから、回数が多ければいいというわけではないという声も聞いていますので、この辺りをもう少し、委員御指摘のように、検討をしてみたいと思います。
 それと、13ページの「誰にも相談していない」というのは、横に項目がいろいろありますが、これは同じレベルではなくて、一番右は「学校が認知するまでに誰かに相談しているかどうか」ということで、学校が把握してからは、当然、いろんな教員とかスクールカウンセラーと保護者と連携しているのですが、認知できるまでで、誰も相談していなかったケースです。

溝部委員

 担任にも相談したし、スクールカウンセラーさんにも相談したけれども、その前は誰にもしていないという意味ですか。

生徒指導課長

 はい。そういう意味の項目です。

溝部委員

 そうなのですね。

生徒指導課長

 同じレベルで。

指導担当部長

 表現を正確にするということですね。

溝部委員

 そういうことなのですね。
 だったら、この欄は、いらないような気がします。

生徒指導課長

 学校に出す文は長いのですが、こう、表で作るときに、誤解のあるような表現ですね。

溝部委員

 それなら、心配はないのですけれども。

生徒指導課長

 ここは書き方を検討します。

井内委員長

 そうですね、表現の問題ですね。

生徒指導課長

 次は、LINEですね。

溝部委員

 はい。

生徒指導課長

 LINEは、今、いろんな事例が挙がってきています。一番多いのは、仲のいい友達同士で、LINEのグループを作って、10人ぐらいで、少し、友達同士でトラブルがあると、Aさんだけをどけて残りの9人で、新しいグループを作ると、そうなったときに、いじめなのか、友人関係上のトラブルなのか、微妙なところがあります。もちろん、個人的なメールで「あんたなんか、うざい、死ね」というのであれば、当然いじめなので、そういうところで、この資料の中では、まだ、ネット上のいじめの件数が反映されていないところはあります。実態としてはかなりあるのだと思いますが、子どもさんが教員や保護者に訴えていないことが、このデータには表れていないのが、かなりあると思われます。
 当然、ネットの問題は、ネット上のいじめもですし、今度は、もっと大きく捉えて、ネットの依存症、こっちの方も大きな問題で、両輪で取り組んでいかなければいけない。子どもによっては3秒ルールでメールが来たら3秒以内に返さないと仲間外れにされるとか、LINEの場合は、メールを出したら、相手方が読んだか読んでいないか、既読というのがすぐ出るので、ひどいときにはお風呂に入るときも、スマホを持って入るとか、その辺の携帯とのうまい付き合い方の指導も大きな課題の一つだと思います。

青少年育成部長

 昨年度から非行防止・自立支援担当の職員によるネットパトロールというのをやっております。今年の6月から予算を取りまして、専門業者に委託してネットパトロールというのを、その職員の行うものに併せてやるようにしまして、件数としては、もう、かなり出ております。ただ、いじめとかいうことではなくて、包括的に、子ども同士が被害に遭っていないかとか、あるいは子どもが性風俗のような兆候のようなものや触法がないかということで、Aランク、Bランク、Cランクということでやりながら、Aランクであれば、たとえ夜でもすぐに教育委員会にも学校にも直接通知すると、あるいは自殺みたいな予告なり、殺すぞみたいなのがありましたら、Aランクになりまして、それは、即、業者の方から直接警察とかあるいは学校の方に言って、教育委員会の方にも言うという形であります。そういうのは今のところございません。特に、ネットパトロールの中でいじめが出てきたというような、大きいものはないと思います。
 もう一つ、いじめの相談窓口の広島市のホームページというのがあります。今年度、さらにちょっとそこを改良しまして、私立、国立も含めて全部の小中学校にいじめの相談窓口がありますというカードを作って全校に配りました。こちらの方に、結構、匿名でも「いじめられている子がいますよ」とか、「私はいじめられている」というのもあって、それはすぐ連絡を生徒指導課の方へ取って、すぐ学校、現場へ指導主事を派遣しています。

生徒指導課長

 はい、続きまして、15ページの「保護者への報告」ですが、これがいじめの認知件数の半分ぐらいしかない、基本的には保護者への報告があるはずだという御指摘がございました。おっしゃられるとおりです。基本的には、保護者への報告はありますので、271件全部を我々が1個ずつ学校へ電話して、「本当ですか」というような確認はできていないので、ちょっと学校の報告数が少なすぎると思います。基本的には委員御指摘のように、保護者に全部伝えています。ただ、保護者までといったら、謝罪の会までもっていくかどうかは、その事案とか、被害を受けた子どもさんと親の意向がありますので、基本的にこれは全部の案件は実行できていると思いますし、学校からの報告では全部、ここまで確認できています。今後、データの確認を検討します。
 続いて、17ページの下から3番目の「当該いじめについて、教育委員会と連携して対応」したかどうかですが、委員御指摘のようにいじめが認知されたら全部報告は上がります。被害側の保護者の意向で、教育委員会も、例えば「謝罪の会に立ち会ってほしい」、「教育委員会も現場に来てほしい」というように学校と教育委員会の職員が一緒に実際に対応した件数です。

溝部委員

 報告は全部だけれども、一緒に対応したのは、この件数という意味ですね。

生徒指導課長

 はい。

溝部委員

 はい、分かりました。

鈴木委員

 それぞれに一件ずつあるのですけれども。

生徒指導課長

 はい。

鈴木委員

 まず、不登校の案件ですが、2ページのところで、中2から急に増えるということがあるかなと思うのですが、具体的に6ページを見ますと、スクールカウンセラーとか、ふれあいひろばの指導というのがパーセンテージの高いといったことを考えると、中学校になるとかなり個別的な状況が強くなっているということがいえるのではないかと思います。そうするとスクールカウンセラーもですし、あるいは、思春期外来といった個別な対応を今後していく必要があるのかなと思いました。特に中学校はその先がありません。小学校は次に送れるのですが、中3の後の保証ということを考えたときにかなり個別化、つまり、3ページの5の状況などを考えますと、無気力とか不安などというのは、先生が対応できない問題です。親も対応できない、専門家に対応していただくというのがいいやり方ではないかなと思うのですが、現在スクールカウンセラーの配置というのは中学校に対して、どのぐらいの頻度でいらっしゃるのかというのを教えてくださいというのが一点です。

生徒指導課長

 一つずついきましょうか。

井内委員長

 はい。どうぞ。

生徒指導課長

 スクールカウンセラーについては、先程説明したいじめに関する総合対策のところでかなり活動時間を増やしていただいて、小学校が週4時間、中学校、高等学校、特別支援学校が週8時間というように措置しています。これは、本当は養護教諭のように、本務者がある学校にずっと勤務すれば一番いいのですが、財政的な問題とか、国の事業で3分の1、国のお金を補助を受けております。今後も、スクールカウンセラーは、不登校にも、いじめにも、暴力行為にも全てに教職員へ助言をしていただいたり、個別のカウンセリングに効果が出ていますので、今後さらに増員をしていこうと思います。以前勉強会で過去の相談件数の一覧表をお示ししたように、平成24年度が約2万件ぐらいのカウンセリングが平成25年度は3万件、1万件ぐらい増えて、これからますますスクールカウンセラーのニーズが深まると思いますので、委員御指摘のように中学校も思春期からは心理の専門家の支援がないと教員だけでは対応が困難な状況があると思います。

鈴木委員

 例えば、Q&Aみたいな冊子を作って、子どもたちに事例みたいなのを伝えて、「こんな事で悩んだときはこうしようね」のようなものが、パンフのような形で配布されていると相談もしやすくなると思います。「ああ、みんな悩んでいるんだ」と思うことで少し気持ちも楽になるんだと思うので、個人で悩んでいる子たちを何とかしていくということがこれからの課題かと思います。

生徒指導課長

 はい。

鈴木委員

 それから、いじめに関してですが、減っているということで喜ばしいことではありますが、0(ゼロ)にしていくという課題になっていきます。20ページを見ていただきたいと思うのですが、小学校と中学校の取り組みの違いというのがはっきり分かるデータだと思うのですが、小学校は効果的なことがはっきりしていると思います。だから、教職員間で共通の理解を図る、3番目の学級会などで指導を行う、それから、3番目に多いのが、校内組織です。多いところは効果的ってことが大体分かっていて行われていると思います。中学校を見てみると、ほとんど横並びです。これが要するに、中学校は多様であるから学校、学校で行っているので、あまり違いがないというようにみるのか、効果的なものがまだ見えていないというように考えるのかだと思います。データの読み方として、学校によって状況が違うから、この学校だったら教職員間の共通理解、この学校だったら組織体制だというような動きなのか、小学校のように特徴的なものがあるのではないかと思われているか、そこのところを教えてください。

生徒指導課長

 基本的には小学校も中学校も重要な取り組みは同じだと思います。担任1人が抱え込むのではなくて、組織的にやる。保護者との連携、該当の子どもへの指導、全体指導、再発防止によって、それは、ベースは同じだと思います。ただ、御指摘のように中学校の対応がばらばらというよりも、やっぱり個々のケースが、小学校の子どもさんの抱えている課題よりも多様化したり、ちょっと深刻化したケースの方の割合が高いので、こういう個々に応じた支援になっていくと、生徒指導課では分析しております。それから、若干、先程申しましたようにベースのところが中学校も小学校も一緒ですから、もし、ベースのところが中学校でできていない状況があれば、生徒指導課の方から学校の方に助言を強化してまいりたいと思います。

鈴木委員

 要するに、小学校の先生方にはこういうのが効果的ですよ、それで十分対応できる、中学校の場合は、こういうケースの場合はこんな指導がいいですよ、こういうケースの場合はこういうのがいいですよというのは、個別対応をお示しすると効果的というように理解しましたので、リーフレットを作られるかどうかは別として、先生方がうちの学校のいじめはこういうパターンだな、だったら、この対応がいいというふうなのが分かるようにしていただけるといいかなと思います。

生徒指導課長

 その点は、校長会に、随時、事例を報告していろんな先生方にお示ししていますので、今後そこをさらに増やしていこうと思います。

鈴木委員

 データで読んでくるのですね。多様な複雑な子も出てくるであろうと。それから、暴力行為で昨年も、たぶん、同じだったと思うのですが、中1から中3の男子がすごく多いのですが、中3になるとちょっと減る傾向があるというのが、23ページで見ていただけるかと思います。私は、十数年前に広島県警と共同研究をしたことがあって、非行群と非行していない群で、何が違うかっていうデータを取ったことがあります。明らかに、違ったのは、規範意識です。規範意識がないのです。例えば、「100円を拾ってどうするか」みたいなときに、届け出るか、自分で使うかみたいなのに明らかに差があります。そういう規範意識にすごく差があるから、規範を教えればいいのかと考えると、中2、中3で、立ち直る子がいます。立ち直る子の特徴は、損得が分かる子です。このままやっていたら損だと、変わった方がいいと思う子というのが、立ち直るのです。その立ち直りを支えるのが、学力ですよ。そのときに学力がある子は次が見えるのですね、受験しようと。学力がない子は、もう何もなくなって、そのまま変わらないっていう状況がありましたので、暴力の問題ではありますが、暴力に対する生徒指導とともに、学力補充をやっていただきたいなと思います。学力があれば、次の学校があって、希望が持てる、そうすると、今のままじゃ損だなみたいな感覚が生まれるのですね。これは、十数年前なので、今の子どもにあてはまるかは、分かりませんけれども。たぶん、このままでは駄目だということを一方では思いながらもどうにもならない中で、男子は遊び型非行が多いのですので、その遊び型から少し未来を変えていくというのが一つだと思います。
 もう一点ですが、これは質問ですが、先程と同じく23ページのところで、特定の児童生徒が繰り返しているので実数が上がっているということをおっしゃったと思うのですが、そう考えると、たぶん、その感情のコントロールができない子どもたちが一定数いるということになると思うのです。そしたら、その感情のコントロールができる、アンガーコントロールの方法であるとか、構成的グループエンカウンターによって自分の考えを言葉で言えるようにする練習などがあります。そういう特定のお子さんがいらっしゃるようなところで、アンガーコントロールの授業を特別活動などで入れてみるとか、構成的グループエンカウンターの専門家の人に来てもらって実際にやってみるなどして、それで効果が上がるとなったら、次、起きそうなときに、やるとか、もう、全部の学校でやることによって、予防ができるといったことがあると思うのですが、いつも特定の子が繰り返しているであろう学校というのは、特定できていると思うのですが、そういうところに対する御指導というのは、今、どのようなかたちでされているのかなというのが質問です。

生徒指導課長

 はい。問題行動、暴力行為を繰り返す子どもさんの場合、ほとんどがやっぱり、家庭環境が劣悪な場合が多いです。そういう場合は、今は、ソーシャルワーカーが、経済的な支援とか保護者が精神疾患的な方についても医療関係につなげたり、そういうようなものを今はメーンでやっています。中学生になって14歳になれば、今度は逮捕とか関係機関との連携で、逮捕が目的ではないけれども、再発防止で関係機関と連携した指導という面で、警察との連携になりますけれども、小学生の場合は、まだ、関係機関との連携というよりも、教員の関わりの方がメーンになりますので、先程申しましたように、スクールソーシャルワーカーとの関わりが多いです。暴力行為も不登校もいじめもですが、基本的には全部、子どもさんが学校での生活が適応できていなかったり、友人関係がうまくいっていなかったりするので、先程申しましたけど、平成22年度から予防的生徒指導で2つのプログラムをやっています。これは、広島大学と教育委員会が連携したプログラムですけれども、まずは授業中4人グループで、できるだけ子ども同士で関わって良質なコミュニケーションを経験させることで、何か困ったことがあったら、友達に相談しようとか。アンガーコントロールとか構成的グループエンカウンターも当然やっていますが、予防的生徒指導の中にはライフスキル、これを年間6時間ぐらい取って、やろうというようにしていますので、そういうようなスキル学習的なところも、未然防止のところで小学校の早い段階から取り組んでいます。個別には関係機関や専門家のチーム支援というところでやっております。

教育センター所長

 教育センターでは、先程生徒指導課長から説明した学校の取組に加え、今年度の研修の柱の一つとして子ども理解を掲げています。まさに昨日、プール学院大学の松久眞実准教授を講師にお招きし、「子どもと教師の感情のコントロール」と題して子ども理解研修を実施したところです。
 この研修には、本市の約500名の先生方が参加してアンガーマネジメントという、子どもの感情をコントロールすることや教員がどう対応するかという先生自身の感情コントロールについて、具体的なお話をいただきました。
 背景は様々でしょうが、子どもが非常に感情的になる時に、先生が、どう、その子どもの感情を鎮めていくかが重要になります。
 講話の一部をご紹介すると、子どもが非常に感情的に怒鳴ったり暴言を吐いたりした場面では、子どもの語尾を繰り返し、「~と言いたいくらいつらいんよね。」「~で怒ってるんよね。」などの言葉をかけ,子どもの思いを,まず受け入れる。その際、とにかく、ゆっくり低いトーンで先生が接する。そうやって子どもに寄り添った対応をすることによって子どもの感情がだんだん抑えられていく。
 また、先生が感情的に子どもに対峙すると、子どもはますます感情が高まるので、そのときに備えて先生自身がどういう心構えでいるのか、いかに子どもと同じ土俵に立たずに対応するのかなど、まさに、現場の実態に根差した話をされまして、私も聞きに行きましたが、非常にいい話でした。
 教育センターでは、先程の学校の取組を研修という側面から支援できるよう、教育センターの研修の中でも重点的な研修として位置付けて実施しています。

鈴木委員

 はい。この成果が来年出るということですね。

教育センター所長

 そうですね。非常に学校の実態に根差した話でしたので、参加された先生方も参考になったと思います。

鈴木委員

 日々ですよね。日々のやりとりの中で、ものすごく自分が怒っていても、相手が静かに聞いてくださることで、自分を抑えていける、先生の方も(子どもが)怒ったら怒るではなくて、聞くことによって子どもって変わるというのが分かっていけば、学校自体が変わってくると思いますので、すぐに数値に表れなくても、だんだんといい雰囲気になるのではないかなと思います。

藤本委員

 一つ質問と意見があります。質問ですが、暴力行為のところです。26ページですけれども、「加害児童生徒に対する学校の対応」で指導した者の内訳が出ていますが、スクールサポーターの方はこの中ではどこの欄に入るのでしょうか。右側のその他の者に入るのでしょうか。

生徒指導課長

 「その他の者が指導」に入ります。

藤本委員

 不登校、いじめ、暴力行為とそれぞれ御説明いただいて、他の委員の方もたくさん示唆をいただいてますけれども、やはりその共通する部分で、子どもの抱えてる問題とか困り感という部分では、やはり共通している部分がたくさんあると思います。
 その中でやはり重要なのは、効果のあった、どういう対応が効果的であったのかという視点が、やはり重要だと思います。示唆いただいたその研修会での子ども理解というのは、非常に重要だなと思いますし、またスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーという外部専門家の方の関わりという部分、また思春期になりますとやはり先生側の対応というだけでは難しいので、今、言われましたが、そういった思春期の精神医療の専門家の方に、関わっていただく必要があるのではないかと思います。
 特に暴力行為を起こすような生徒については、抱える問題の中で家庭の環境もありますし、その子自身の特質というか、性格的な偏り、あるいは発達障害的なものの中で、ADHD等の、小学校の時にそういう診断を受けなかったけれども、そういう部分での二次障害的なものが出た上での暴力行為というのも、割とあると思いますので、そういったような思春期、精神医療との専門家との連携という部分も必要になるというふうに思いますし、また広島市で熱心に取り組んでいただいている3割未満ですね、平均通過率3割未満の低学力の子どもの問題を解決することが、解決につながる部分もありますし、またこの中で重要だと思ったのは、意欲を持って活動できる場の設定という部分で、その子ども自身がそういうふうに活躍できる場を設定するというのは、どの不登校、いじめ、暴力行為、どの点についてもやはり効果があるんじゃないかなと思います。
 またスクールカウンセラーについては、そういう、スクールカウンセラーにつながる子はいいのですが、家庭的に親があまりそういう部分で関心がない場合にはつながらないケースも非常に多いので、そういった子をどうやって救い上げていくかという部分もありますし、そういった意味で、全ての問題が非常に複雑に絡み合い、けれども解決するキーというか、ポイントというか、視点の部分では共通する部分があるというようなところがあるので、やはり全体的な視野を持って見る必要があると思います。ここに問題として挙がってる不登校であるとか、暴力行為を起こす、そういった児童生徒が今回新設される、大手町商業高校の後に新設されるですね、そういったフレキシブルスクールの方に入っていくという、そういう実情があると思いますので、その辺りは生徒指導課と指導第二課との連携も非常に重要になってくると思いますし、またそのフレキシブルスクールでうまくやっていくには、中学校、小学校の段階で、どういったような課題に対する取り組みが必要なのかという視点も必要でしょうし、やはりその点は課をまたいで、全体的な視野と動きをもって対応していただけると、この全体の数値というものも、だんだんと全体的に改善していくだろうなと思いましたので、引き続きよろしくお願いしたいと思います。

井内委員長

 はい、ありがとうございました。充実した資料だったので、大変多くの視点と御意見をいただいたように、大変いい議論ができたのではないかと思います。どうもありがとうございました。
 それでは、次へ移らせていただきます。次の議題2から議題8までは、先程お諮りしたとおり非公開となりましたので、傍聴人、報道関係及び関係者以外の方は退席していただきますようにお願いいたします。

(非公開部分省略)

井内委員長

 それでは、再開をさせていただきます。続きまして議題6でございます。議案第26号「平成27年度使用広島市立高等学校用教科用図書の採択について」を議題といたします。本件は審議案件でございます。議案の内容につきまして、指導第二課長から説明を受けます。よろしくお願いします。

指導第二課長

 それでは失礼します。議題6、議題第26号「平成27年度使用広島市立高等学校用教科用図書の採択について」、次ページ以降の平成27年度使用広島市立高等学校用教科用図書の採択に係る資料に基づき、御説明をいたします。高等学校の教科書採択ですが、各学校が毎年編成している教育課程に則し、次年度の教科用図書を、教育委員会において毎年採択をしております。
 それでは、議案内容について説明をいたします。
 まず4ページの「広島市立高等学校・特別支援学校高等部用教科用図書の採択について」を御覧ください。高等学校においては、生徒一人一人の個性を最大限に尊重するための幅広い教育を推進するため、それぞれ教育課程に特色を持たせており、各学校の教育課程に則して適切な教科用図書を選定するという観点から、各学校が専門的な調査研究に基づき選定し、申請した教科用図書について、各学校の教育課程に照らして検討し、適正と認めたものを採択することとしています。高等学校においては、本市の採択の基本方針に基づき、学校の特色や、生徒の実態等を十分考慮した調査研究を行いまして、保護者や地域の代表等を含む、教科用図書選定委員会における最終検討を経て選定を行っております。
 1ページを御覧ください。総括表に記載しているとおり、各高等学校において選定され、各学校長から申請されている使用希望教科用図書は、合計670点となっております。2ページには各学校別の選定教科書点数の内訳を示しております。なお、学校長から提出された、各学校の申請書等は、学校別申請を御参照いただければと思います。各学校から申請があった、使用希望教科用図書については、各学校で実施された調査研究、選定手順等を含め教育委員会指導第二課において、文部科学省が作成した教科書目録から選定しているのか、各学校の教育課程に則した適切な教科用図書となっているか、選定にあたり、本市の採択基本方針に基づいているかなどの観点により内容について調査、検討を行い、その結果、その全てにおいて適正であることが確認できました。以上のことから、各学校長から申請されている教科用図書と同一の教科用図書を平成27年度使用広島市立高等学校用教科用図書として採択することが適切であると考えています。御審議のほど、よろしくお願いいたします。

井内委員長

 ありがとうございました。それでは、審議に入りたいと思います。ただ今の説明につきまして、何か御質問、御意見等がございませんでしょうか。これは、各学校の中で選ばれるときには、そのもともとの、その選択基準に合うような教科書があって、それを学校の先生たちが独自で検討されるという仕組みなのでしょうか。

指導第二課長

 4ページを御覧になっていただければと思います。まず、「1」が教育委員会で定めております基本方針でございます。「2」の「採択手順」ですが、説明いたしますと、まず校長が校内に、次年度使用の教科用図書選定委員会を設置いたします。選定委員会では、教育委員会が定めた方針に基づきまして、まず教科用図書を調査する観点を定めます。次に調査員が、選定委員会が示した観点に沿って、全ての教科用図書を調査研究し、選定委員会に報告をいたします。選定委員会の方で、調査員の報告が、様々な教科から上がってまいりますので、審議いたしまして、全ての教科用図書について、教育委員会に申請をいたします。教育委員会の方で選定委員会の申請のもとに審議しまして、各校ごとに、種目ごとに1種の教科用図書を採択するというかたちをとっております。

鈴木委員

 よろしいですか。2ページに一覧表がありますよね。採択の一覧表があると思いますが、そこに各教科、新規と継続っていうのが書いてあると思うのですが、まず新規と継続の意味の違いを教えていただきたいということで、それがわかってから次の質問させていただきます。

指導第二課長

 新規と申しますのは、今年度初めてこの教科書目録の27年度版から新たに教科書を申請するという場合には新規としています。継続につきましては、昨年度採択された教科書を、2カ年かけて学習する教科等ございますので、その場合に継続としています。新規と継続を合せて670としています。

鈴木委員

 質問したいことは、先程学校ごとに選定する場合には、各学校の教育課程独自のものにされるというふうに言われていましたよね。

指導第二課長

 はい。

鈴木委員

 そうしますと、その採択したときに、その新規が割と多いなというふうに思ったのですけれども、今年度から教育課程として、新しく何か考えてこられてそれでこう、新規が増えているのか、そういうことではなくてということなのですか。

指導第二課長

 年度ごとに変わります。

井内委員長

 舟入高校なんかは、コミュニケーションコースみたいなのがありますよね。そうするとそこだけは別の教科書を選ぶことができるということになるのですね。

指導第二課長

 そうなります。

井内委員長

 そこは、学校の独自の判断でということになりますね。

指導第二課長

 学校では、27年度の入学者の教育課程そのものを作成しておりますので、それに基づきまして、教科書を選定しています。

溝部委員

 各高校の選定委員会規約ですけれども、組織の中の選定委員会の委員のメンバーの数は、高校によって非常に振れ幅があるように思うのですが、何かそこには理由があるのですか。例えば20人の学校があれば、7人、8人のところもあるのですけど。

指導第二課長

 各学校ごとで決めていただいているところです。

溝部委員

 その委員の中に、保護者とか地域の代表という項目がありますが、その必ず入らなければならないのですか。それともどちらでもいいのですか。入っても入らなくてもいいのですか。

指導第二課長

 保護者の方や地域の方に、開かれた採択という観点から入っていただくよう、指導しているところでございます。

井内委員長

 以上でよろしいですか。それでは、議案第26号「平成27年度使用広島市立高等学校用教科用図書の採択について」、御異議はございませんでしょうか。
 (異議なし)
 それでは異議なしと認めまして、本件は提案どおり可決することといたします。ありがとうございました。

井内委員長

 次に議題7、議案第27号「平成27年度使用広島市立広島特別支援学校及び広島市立小中学校用(特別支援学級)教科用図書の採択について」の議題に入ります。本件は審議案件でございます。議案の内容につきまして、特別支援教育課長から、まず説明を受けたいと思います。

特別支援教育課長

 よろしくお願いします。議案第27号「平成27年度使用広島市立広島特別支援学校及び広島市立小・中学校用(特別支援学級)教科用図書の採択について」の説明をさせていただきます。
 最初に、広島市立広島特別支援学校及び広島市立の小・中学校の特別支援学級で使用する教科用図書の採択について、説明いたします。お手元のファイルの「資料」のインデックスのついている25ページをお開きください。
 まず、「1 広島市立広島特別支援学校で使用する教科用図書」についてです。知的障害のある児童生徒を教育する特別支援学校におきましては、小・中学校の通常の学級に在籍する児童生徒とは異なり、特別支援学校学習指導要領に基づいて、教育課程が編制されているため、通常の学級で使用しております「文部科学省検定教科書」を使用せず、表の「教科用図書の種類」にありますように、「文部科学省著作教科書、いわゆる『ほし(☆)本』とよばれています」及び「一般図書」を使用することとなっております。
 このうち、「文部科学省著作教科書」については、後程指導第一課から提案いたします「検定教科書」と同じく、原則4年ごとに採択替えを行うことになっておりまして、今年度は、小学部用の採択の年となっております。
 また、「一般図書」については、個々の児童生徒の実態に応じて選定するものであることから、毎年採択を行うこととなっており、今年度も採択が必要となります。
 続きまして、「2 広島市立小・中学校特別支援学級で使用する教科用図書」についてです。小・中学校の特別支援学級においては、児童生徒の障害の実態により、その児童生徒に応じた教育課程を編制できるため、通常の学級と同じ教科の目標や内容に取り組む児童生徒、また下学年の教科の目標や内容に取り組む児童生徒、また、特別支援学校の教科の目標や内容に取り組む児童生徒が在籍しています。
 そこで、小・中学校の特別支援学級におきましては、個々の児童生徒が取り組む目標や内容に応じて、表の「教科用図書の種類」にありますように、通常の学級と同じ「文部科学省検定教科書」及び「文部科学省著作教科書」や「一般図書」を使用することとなっています。
 このうち、「文部科学省検定教科書」については、小学校用又は中学校用として採択した教科書を通常の学級と同様に使用することとなっているため、この場での採択は必要ありません。
 一方で、「文部科学省著作教科書」及び「一般図書」につきましては、特別支援学校と同様に採択を行う必要があります。
 まとめますと、今年度は、広島市立広島特別支援学校及び広島市立小・中学校の特別支援学級で使用する「一般図書」と「文部科学省著作教科書」のうち「小学部用の図書」について、採択していただくことになります。
 それでは、まず「一般図書」について御説明いたします。1枚めくっていただき、27ページをお開きください。広島市立の小学校・中学校・特別支援学校(小学部・中学部)用教科用図書の「採択の基本方針」及び「採択の手順」を載せております。
 これは、5月の教育委員会議において定めていただきました「1 採択の基本方針」に基づき、「2 採択の手順」を定めております。特別支援学級用につきましては、採択手順の丸7と丸8の手順になります。
 続いて、1枚めくっていただき、28ページをお開きください。同様に広島市立高等学校及び特別支援学校(高等部)用教科用図書の「採択の基本方針」と「採択の手順」を載せております。
 それでは次に、29ページを御覧ください。広島市立広島特別支援学校及び広島市立小・中学校(特別支援学級)の平成27年度使用希望教科用図書選定手順・申請書の例を載せております。
 まず、特別支援学校の例でございますが、先程の基本方針及び採択の手順に基づきまして、校長は選定委員会を設定し、観点を定め、丸2調査員は観点に沿って調査研究を行い、選定委員会に報告し、丸3選定委員会はこの報告をもとに審議を行い、最終的に丸4学校長が決裁を行ったのち、教育委員会に申請しております。
 30ページには、特別支援学校の申請書の一例として、小学部1年生のものを載せております。個々の児童の実態に合わせて、「一般図書」を選定し、申請していることが分かります。
 お手元の資料では、31ページから小学校の例を載せており、33ページから中学校の一例を載せておりますが、特別支援学校と同様、基本方針及び採択手順に沿って、申請が行われております。
 皆様のお手元に、申請された「一般図書」の一部を用意しておりますので、御覧になっていただければと思います。
 特別支援学校の他の学年や他の小・中学校も、同様に選定及び申請を行っており、各学校から申請された一般図書は、37ページから47ページの一覧にありますとおりでございます。
 以上、「一般図書」について説明させていただきました。それではお手元の資料の「案」のインデックスのついております1ページをお開きください。
 特別支援学校及び各小・中学校から申請があった「一般図書」をまとめますと、「1 広島市立広島特別支援学校」につきましては、小学部用45点、中学部用30点、高等部用53点、あわせて128点となります。また、「2 広島市立小・中学校特別支援学級」につきましては、小学校は96校から206点、中学校は53校181点、あわせて149校から387点となります。
 これら申請のあった「一般図書」の具体について、3ページから載せております。3ページから7ページは広島特別支援学校から申請のあった「一般図書」です。同じく、8ページから13ページは小学校、14ページから19ページは中学校から申請のあった「一般図書」となっております。
 以上、特別支援学校及び各小・中学校から申請された「一般図書」を特別支援教育課において検討し、採択の基本方針に基づき適正なものであると判断しましたので、平成27年度に使用する教科用図書として、採択をお願いするところです。
 次に、「文部科学省著作教科書」について説明いたします。資料の21ページをお開きください。「文部科学省著作教科書」につきましては、文部科学省が著作の名義を有する図書であること、1種類しか発行されていない教科書であること、前回採択した平成22年から変更がないことから、採択の基本方針に基づき適正なものであると判断し、引き続きこの表にあります10点の採択をお願いするところであります。該当の「文部科学省著作教科書」の一部を皆様のお手元に用意しておりますので、御覧いただければと思います。
 以上、御審議の程、よろしくお願いいたします。

井内委員長

 はい、ありがとうございました。それでは、審議に入りたいと思います。ただいまの説明につきまして、何か御質問、御意見等がございませんでしょうか。今、配っていただいている現物の教科用図書は、各委員違うものですね。

特別支援教育課長

 はい、お一人お一人で種類の異なる教科用図書を用意しております。一般図書も著作教科書も用意しております。

鈴木委員

 校内の選定委員会で選定を行うということですが、その際、これまで使用して有用であったかという観点も入っていますか。

特別支援教育課長

 これまで使用してどうだったかということについても選定委員会で吟味した上で、さらによいものがあればそちらを選定していくということになります。

鈴木委員

 学校の先生が使いやすいものを選んでいるということでしょうか。

特別支援教育課長

 子どもの実態に応じて何がよいのかという視点で考えております。

鈴木委員

 たくさんの資料が入っていますので、かなり勉強をされて選んでいると思います。

井内委員長

 文部科学省著作教科書は毎年新しいものが出ているわけではないですよね。

特別支援教育課長

 出ておりません。

尾形教育長

 次の改訂時期はいつでしょうか。

特別支援教育課長

 定まっておりませんが、学習指導要領の改訂時期に合わせて改訂されるだろうと思います。

栗栖委員

 通常の学級のものと異なり、個々の児童に合わせて採択していくということであり、一般図書を選ぶ先生方は大変ですね。

特別支援教育課長

 教育センターにたくさんの本を展示しておりますが、それでも実態に合わないと考えられる場合には、一般の本屋さん等で何かいいものはないかと探しておられ、おっしゃるとおりとても大変な作業であると思います。

井内委員長

 それでは、議案第27号、「平成27年度使用広島市立広島特別支援学校及び広島市立小・中学校用(特別支援学級)教科用図書の採択について」、御異議はございませんでしょうか。
 (異議なし)
 異議なしと認めまして、本件は提案どおり可決することといたします。どうもありがとうございました。

井内委員長

 では、次に議題8へまいります。議案第28号「平成27年度から使用する広島市立小学校用教科書の採択について」を議題といたします。本件は審議案件でございます。議案の内容につきまして指導第一課長から説明を受けます。よろしくお願いします。

指導第一課長

 本日は、平成27年度から使用する小学校用教科書の採択について御審議いただきます。資料につきましては、資料1と資料2をお配りしております。
 それでは、これまでの教科書の採択の経過及び採択審議会答申の概要について説明いたします。資料1の1ページを御覧ください。
 まず、これまでの教科書の採択の経過についてですが、5月15日の教育委員会議で、平成27年度から使用する小学校用教科書の採択について、上段の広島市教育委員会の枠内にありますように、「採択基本方針の決定」、採択審議会の「諮問事項の決定」、「採択審議会委員の委嘱又は任命」を行い、図の丸2にありますように、採択審議会へ諮問しました。さらに、図の丸3にありますように、60名の調査員を任命しました。また、中段の広島市教科用図書採択審議会の枠内にありますように、採択審議会を設置し、5月23日に第1回教科用図書採択審議会を開きました。この採択審議会では、教育委員会の諮問事項に基づき、教科書を調査する観点を定め、調査員に示すとともに、図の丸4にありますように、調査員に調査研究を依頼いたしました。これを受け、中段の調査員の枠内にありますように、調査員は本市の実態や児童の状況を踏まえ、採択審議会の示した観点について、種目ごとに具体的な視点を設定し、その視点に沿って全ての教科書について調査研究し、図の丸5にありますように、採択審議会に報告しました。この報告を審議するため、7月10日、16日に採択審議会を開催しました。この採択審議会では、本市の実態や、児童の状況を踏まえ、最も適切な教科書を採択するため、全ての教科書について審議し、各教科書の特徴及び「よりふさわしい」「ふさわしい」の意見を付して、図の丸6にありますように教育委員会に答申しました。以上が経過でございます。
 資料1の2ページを御覧ください。これは、文部科学省発行の「小学校用教科書目録(平成27年度使用)」に登載された小学校用教科書一覧です。なお、3ページには、発行者の正式名を示す一覧を掲載しておりますので参考にしてください。次に答申の概要についてですが、国語を例にして説明いたします。資料2の2ページを御覧ください。2ページから7ページが国語の答申となっております。まず、「1 本市の実態や児童の状況」とありますが、一つ目の丸(○)に本市の実態を、二つ目の丸(○)に児童の状況を示しております。また、「2 調査・研究の観点と視点」とありますが、表に示しておりますように、「1 基礎・基本の定着」、「2 学習方法の工夫」、「3 内容の構成・配分・分量」、「4 内容の表現・表記」、「5 言語活動の充実」の五つの観点について、具体的な視点を定めています。視点は種目ごとに違います。3ページを御覧ください。「3 各教科書の特徴及び意見」とありますが、3ページから7ページにかけて、5者全ての教科書について審議し、それぞれゴシックで示しております五つの観点に沿って、その優れた点や特徴をまとめております。さらに、この答申の中の1者につきまして、「よりふさわしい」、もう1者につきまして「ふさわしい」と意見を付されております。なお、ここに並べている教科書の発行者の順は、先程説明しました小学校用教科書一覧に出ている順によっておりますので、説明上、ページが前後する場合がありますので御容赦ください。この答申に基づきまして、この後、種目ごとにどの教科書を採択するか御審議いただくことになりますので、よろしくお願いいたします。

井内委員長

 はい、ただ今の御説明につきまして、まず、御質問、御意見等はございませんでしょうか。教科書採択の仕組みですね。それについて御説明をいただいて、採択審議会を行って、調査員が選ばれて、調査に基づいて採択審議会から答申されたものを、この教育委員会議で審議します。

溝部委員

 教科書の採択にあたって、一つ一つの教科書の十分な調査研究が必要と思うのですけれども、審議会から調査員の方に、調査してくださいと言って、どのぐらいの期間をかけて調査研究をされていますか。

指導第一課長

 1か月間です。

溝部委員

 1か月ですか。

指導第一課長

 はい。調査員によっておよそ1か月で調査研究を行いました。

井内委員長

 調査員から出てきた報告を採択審議会が審議する時間はどの程度ですか。

指導第一課長

 審議会ですか。
 2回ありまして、3時間ずつぐらいですね。計6時間程度、審議しております。

井内委員長

 そして、調査員のお書きになった報告書と採択基本方針に関するその整合性といいますか、そういうものも採択審議会で審議していただいたのですね。教科書の内容については、調査員が調査研究されていると理解していいですね。
 そして、採択審議会で、「よりふさわしい教科書」と「ふさわしい教科書」を選んでいただいているということですよね。

栗栖委員

 調査員というのは、それぞれの教科の専門の先生が選ばれているわけですか。

指導第一課長

 小学校におきましても、各教科の校長先生や先生方の中に、それぞれ専門的に研究されている方がいらっしゃいますので、その方々を任命しております。

栗栖委員

 その調査内容というのは、今使われている教科書に対する現場の意見も考慮されていると理解してよろしいですか。

指導第一課長

 現在その教科書を使って、どの特徴がいいのか、子どもにとってこれはいいのかというのは、よくよく分かっておられる先生です。

鈴木委員

 確認ですけれども。

井内委員長

 はい、どうぞ。

鈴木委員

 採択の基本方針などは共通事項として審議させていただいたと思いますけれども、資料2にあるような、児童の実態などというものを加味して調査が行われたということでよろしいでしょうか。

指導第一課長

 本市の実態や児童の状況ですが、種目ごとに示しております。これは、調査員がまとめたものです。

井内委員長

 ただ今の御説明のとおりで、五つの観点について、種目ごとに具体的に視点を設定して、本市の実態や児童の状況に照らし合わせて、調査員が全ての教科書の内容等について調査研究されたということを確認しました。採択審議会においては、この調査研究を基に審議されたものと思いますので、先程の方針で、審議を進めさせていただきたいと思いますが、皆さんいかがでしょうか。
 (異議なし)
 はい。それでは、異議なしということで報告される種目の順に、審議を進めていきたいと思います。よろしくお願いします。まず、国語についてですね。答申の説明をお願いします。

指導第一課長

 はい。それでは、資料2を使いまして、国語について具体的に説明してまいります。国語の方針は2ページから7ページに掲載しております。先程申しました、「1 本市の実態や児童の状況」に示した内容を踏まえ、「2 調査・研究の観点と視点」がございまして、5者全ての教科書について審議して、3ページから7ページの「3 各教科書の特徴及び意見」にそれぞれの教科書についてまとめております。まず2ページを御覧ください。「本市の実態や児童の状況」といたしまして、「本市では、児童の思考力・判断力・表現力の育成を目指して、指導事項を明確にすることや、言語活動の充実を図ることなどに重点を置いた授業改善を推進している。また、全小学校第1学年から第4学年において帯時間を設定し、読んだり書いたりすることの反復学習を継続している。平成25年度『基礎・基本』定着状況調査によると、本市の児童の学力の実態として、漢字の読み・書きは概ね定着しているが、慣用句や主語・述語の関係等の言葉の特徴やきまりに関する事項の定着には課題があることが挙げられる。また、タイプ2の調査結果から、いくつかの資料を関連付けて考えたり、条件に従って自分の考えを記述したりするなど、実生活や各教科の様々な場面に活用する力に課題があることが明らかになった。」と示しております。「2 調査・研究の観点と視点」を御覧ください。先程の「本市の実態や児童の状況」を踏まえ、国語は五つの観点それぞれに表に示した視点を設定しております。それでは、3ページを御覧ください。ゴシックで示した1から5の五つの観点、そしてそれぞれの観点を(1)、(2)のような視点で教科書の特徴をまとめております。これから「よりふさわしい教科書である」という意見を付されている3ページの「東京書籍」と、「ふさわしい教科書である」と意見を付されている7ページの「光村図書」の教科書について説明いたします。まず、3ページの「東京書籍」の教科書は、「2 学習方法の工夫」の「(1)問題解決的な学習を実施するための工夫」や、また、「3 内容の構成・配列・分量」の「(3)系統性と反復性の工夫」及び、「5 言語活動の充実」の「(1)学校図書館機能の活用」において大きな特徴があります。はじめに「2 学習方法の工夫」の「⑴問題解決的な学習を実施するための工夫」について説明いたします。特徴として、丸(○)の一つ目、「各単元を『つかむ』、『取り組む』、『振り返る』、『広げる』という構成にしている。」と書いてありますが、このことについて具体的に教科書で説明いたします。「東京書籍」の教科書の4年生の上巻の6ページから7ページを御覧ください。「国語の学習を進めよう」というコーナーを設けまして、各単元を「つかむ」、「取り組む」、「振り返る」、「広げる」という4段階で構成していることを示し、問題解決的な学習を実施するための工夫を施しています。このことを具体的に説明いたしますので、「東京書籍」の教科書で4年上巻33ページを御覧ください。まず、「つかむ」段階で学習のめあてをつかみます。本ページの右上にある「段落どうしの結びつきを考えて読み、文章のまとまりをとらえる」が、学習のめあてです。続けて39ページを御覧ください。「取り組む」段階で、ここにある「てびき」に沿いまして、大事なことに気を付けながら学習を進めます。次に40ページをお開きください。「振り返る」段階で、左下にありますように、「筆者の説明のまとまりをとらえて、感想を伝え合うことができましたか。」という振り返りの観点を示し、学習したことやできるようになったことを確かめるようにしています。次に41ページを御覧ください。最後に「広げる」段階で、学習内容を他教科等の学習や実生活に活用することができるように、「言葉の力」や、「ひろがる」のコーナーを設定しています。他の単元もこのような構成になっており、問題解決的な学習の過程を繰り返すことができるようになっております。このことは2年生から6年生の教科書に同じように示しています。なお、「ひろがる」のコーナーについては、後程説明いたします。また、答申に戻らせてください。特徴といたしまして、さらに「2 学習方法の工夫」の「(1)問題解決的な学習を実施するための工夫」の丸(○)の二つ目、「問題解決的な学習の基盤となるノート指導を行うために、各学年に『国語のノートの作り方』を設けている。」と書いてありますが、具体的に教科書で説明いたします。4年生の上巻の20ページから21ページを御覧ください。「国語のノートの作り方」を設け、系統的なノート指導が行うことができるようにしています。このことは1年生から6年生の教科書に同じように示しています。続きまして答申にお戻りください。次に「3 内容の構成・配列・分量」の「(3)系統性と反復性の工夫」について説明いたします。特徴として丸(○)の一つ目、「学習内容の活用を促すために、『つながる』のコーナーを設けて、既習事項を示している。」と書いてありますが、このことについて教科書で説明いたします。4年生の上巻26ページを御覧ください。「つながる」のコーナーを設け、既習事項との関連を示しています。このことは3年生から6年生の教科書に同じように示しています。答申に戻ります。特徴としてさらに「3 内容の構成・配列・分量」の「(3)系統性と反復性の工夫」の丸(○)の二つ目、「他教科や実生活での活用を図るための『ひろがる』のコーナーを設けている。」とありますが、先程も少しありましたが、このことについて教科書で説明いたします。4年生の上巻29ページを御覧ください。「ひろがる」のコーナーを設け、学習内容を他教科等の学習や実生活で活用することができるよう工夫しております。このことは2年生から6年生の教科書で同じように示しております。また、答申にお戻りください。終わりに「5 言語活動の充実」の「(1)学校図書館機能の活用」について説明いたします。特徴として丸(○)の一つ目、「各学年に図書館の活用の仕方を学ぶ『図書館へ行こう』の小単元を設けている。」と書いてありますが、教科書では、4年生の上巻22ページを御覧ください。「図書館へ行こう」の小単元を設定し、児童の主体的な学校図書館機能の活用を促す工夫をしています。このことは1年生から6年生の全学年の教科書に同じように示しています。もう一度この答申を御覧ください。特徴といたしまして、「5 言語活動の充実」の「⑴学校図書館機能の活用」の丸(○)の三つ目、「2年生以上の夏休み前の時期に読書へ誘う『本は友達』の小単元を設けている。」と書いてありますが、教科書では4年の上巻の84ページから89ページを御覧ください。「本は友達」の小単元を設け、夏休み前の読書活動の充実を図っております。このことは、2年生から6年生の教科書に同じように示しております。答申に戻ります。以上の特徴から、意見として「東京書籍の教科書は、本市で使用する教科書としてよりふさわしい」、その理由として、「東京書籍の教科書の特徴は、児童の思考力・判断力・表現力の育成を目指して、指導事項を明確にすることや言語活動の充実を図ることになどに重点をおいた授業改善を推進している本市の実態や、実生活や各教科等の様々な場面に国語科の学習内容を活用する力に課題がある本市児童の状況に対応することができるものである。」と付されています。次に7ページを御覧ください。「光村図書」の教科書は、「1 基礎・基本の定着」の「(2)言葉の特徴やきまりに関する事項の扱い方」や「5 言語活動の充実」の「(1)学校図書館機能の活用」と「(2)ねらいに応じた言語活動の設定及びその工夫」の点において大きな特徴があります。はじめに「1 基礎・基本の定着」の「(2)言葉や特徴やきまりに関する事項の扱い方」について説明いたします。特徴として丸(○)の二つ目、「『読むこと』の単元末の『言葉』に特徴的な言葉の用法を取り上げている。」と書いてありますが、このことについて教科書で説明いたします。「光村図書」の教科書の4年上巻24ページを御覧ください。「読むこと」の領域の単元末の「言葉」のコーナーに、教材文で使用している特徴的な言葉について、その用法を取り上げ、言葉の特徴やきまりについての学習内容の定着を図る工夫をしています。このことは2年生から6年生の教科書に同じように示しています。答申を御覧ください。次に「5 言語活動の充実」の「(1)学校図書館機能の活用」について説明いたします。特徴として丸(○)の一つ目、「各学年に読書活動の充実を図る単元『本は友達』を設けている。」と書いてありますが、教科書では、4年上巻90ページから101ページを御覧ください。「本は友達」の単元を設け、「読書活動を知る」、「教材文を読む」、「読書活動を行う」という三つのステップで読書活動の充実を図る工夫をしています。このことは1年生から6年生の全学年の教科書に同じように示しています。答申にお戻りください。終わりに「5 言語活動の充実」の「(2)ねらいに応じた言語活動の設定及びその工夫」について説明いたします。特徴として丸(○)の二つ目、「『読むこと』の単元は、手引きを2段落で構成し、上段に読みの観点を、下段に言語活動の手順を示している。」と書いてありますが、教科書では、4年上巻48ページを御覧ください。単元末の手引きの下段に、言語活動の手順を示し、「言語活動を通して指導事項を指導する」ことを実現できるようにしています。このことは3年生から6年生の教科書に同じように示しております。それでは、もう一度答申にお戻りください。下段でございますが、以上の特徴から意見として、「光村図書の教科書は、本市で使用する教科書としてふさわしい」、その理由として、「光村図書の教科書の特徴は、言語活動の充実を図ることに重点を置いた授業改善を推進している本市の実態や言葉の特徴やきまりに関する事項の定着に課題がある本市児童の状況に対応することができるものである。」と付されています。以上のことから答申は、「よりふさわしい教科書」として「東京書籍」、「ふさわしい教科書」として「光村図書」となっております。これで、国語の説明は終わります。御審議よろしくお願いいたします。

井内委員長

 はい。ありがとうございました。「東京書籍」の教科書を「よりふさわしい」、次いで「光村図書」の教科書を「ふさわしい」ということで、答申をいただいたところでございます。何か、御質問、御意見ございますでしょうか。どうぞ。

栗栖委員

 この採択の仕組みですが、答申に「各教科書の特徴及び意見」というのがありまして、そのうちの一つが「よりふさわしい」、もう一つが「ふさわしい」、残りの三つは何も意見がしていないというかたちになっています。答申というのは、どういう位置づけになるのですか。

指導第一課長

 これは、審議会では、例えば国語でしたら、5者の中から、2者をまず選びまして、その中で、「よりふさわしいもの」と「ふさわしいもの」という二つを教育委員会議にかけて、審議していただくというかたちです。

栗栖委員

 二つについて、審議ということになるわけですか。教育委員会議で協議して、「よりふさわしい教科書」について1種目ずつ、国語についてはこれ、算数についてはこれというかたちになるわけですか。

指導第一課長

 はい。1種目ごとに、御審議をお願いします。

栗栖委員

 だから、あくまでもこの議案というのは、「よりふさわしいという審議会の意見が付いたものを採択します」という議案ではなく、二つの中から、この会議の中で最終的にこちらにしましょうということを一つ一つ種目ごとに決議していくということですか。

指導第一課長

 そういうことです。

井内委員長

 よろしいですか。

栗栖委員

 いいです。

井内委員長

 今、御説明いただいた「東京書籍」と「光村図書」、今、二つが推薦されていますね。そういう答申があるので、我々としては、どちらにするかということについて、この場で最終決定をしたいということです。「よりふさわしい」と、「より」がついているのですから、それを、もし覆すとすれば、それなりの根拠というか理由が必要だろうと思います。そういう意味での御意見をいただきたいと思います。

溝部委員

 全国学力・学習状況調査でも、B問題に課題があると言われています。「東京書籍」ですけれども、答申の中に、「活用する力に課題がある本市の状況に対応している」と書いてあります。どの辺りにそれが顕著に表れているかということを教えてください。

指導第一課長

 具体的には国語の観点や視点のうち、教科書でいいますと、先程説明いたしました6ページから7ページです。ここに「2 学習方法の工夫」の「(1)問題解決的な学習を実施するための工夫」を見ていただくと、特徴が分かるのですけど、各単元を「つかむ」、「取り組む」、「振り返る」、「広げる」という構成にしまして、自主的、自発的な学習につながるように工夫しております。
 また、「国語のノートの作り方」ということで、問題解決的な学習の基盤となるノート指導を行うために教科書でも事例を示しております。こういう点に、思考力・判断力・表現力を培うという部分を示していると考えております。審議会でも、そういう意見をいただきました。

溝部委員

 それは「光村図書」の中にもあるにはあるけれども、「東京書籍」がより顕著にあるということですね。

指導第一課長

 そうです。

鈴木委員

質問というよりは意見でよろしいですか。
 今、御説明いただいた「東京書籍」と「光村図書」の該当のところを見させていただきましたが、今、御指摘だった6ページ、7ページ、そして、20ページ、21ページの「国語のノートの作り方」などを見たときに、大変具体的な指示がなされているというように思います。これから問題解決的な学習をするというのは、子ども自身がすることになりますので、例えば「つかむ」、「取り組む」、「振り返る」、「広げる」の、今自分は「振り返る」をやっているんだなとか、今自分は「広げる」をやっているのだなということが、自分で分かって学習ができるという点で、自分で学んでいくという観点から見たときに、「東京書籍」の方がいいかなと思いました。
 また、29ページ「広げる」のコーナーを見せていただいたのですけれども、これがなかなかできないのですね。「授業で習いました」で終わって、実生活につながらないという傾向がある中で、このように「広げる」のコーナーがあって、実生活につないでいくということが工夫されていると思いました。また、124ページの「図書館に行こう」のところを見ましたら、子どもたちが自分でこの教科書を見て図書館に行ったら、「この辺りに本があるな」というのを調べやすいというような内容になっていて、そういう意味で本市の課題とされていた自分の考えを記述したり、実生活に生かしたりしていく、活用していくという点において、「東京書籍」の教科書というのは効果的ではないかなと私は思いました。

藤本委員

 質問ですけれども、先程からお話が出ている応用力とか、他教科での知識を引き出したりして、応用していくというところの問題の中で、今は国語の教科書ですけど、他の社会とか理科とか、同じ発行者であれば、そういうものと内容的にリンクさせているというようなことはあるのでしょうか。

指導第一課長

 国語の言語活動を基盤として、それぞれの教科において言語活動を重視しているというのは、どの教科書も特徴が見られます。ただ、この「東京書籍」の教科書の特徴が全ての教科書で生きているかどうかということについては、若干、教科によって差があると思いますので、これからまた、それぞれの教科書について見ていただければと思っております。

藤本委員

 もう一点の質問が、「東京書籍」はビジュアル的に分かりやすい記述になっているなと感じるのですが、裏表紙のところにカラーユニバーサルデザインとユニバーサルデザインというところがあります。これは字形とかそういった具体的な内容としては、どういうことになるのでしょうか。

指導第一課長

 児童にとってフォントや色やレイアウトについても、読みやすくデザインされたものをユニバーサルデザインと呼んでおります。これは各者とも温かみのあるデザインや色使いを用いたり、大切な箇所にはマークを付したりとか、線で囲んだり読みやすい文字を使用したりするなどの配慮をしています。どの教科書にも、こういう工夫は見られますので、特徴としては、取り立ててここに表記しておりません。

井内委員長

 よろしいでしょうか、質問。だいたい、分かりますか。

尾形委員(教育長)

 この五つの観点を踏まえて、特徴を捉えておられますが、どの教科書も特徴というのはそれぞれもっているわけですね。その中で、今、本市の進めている問題解決とか表現力の育成とか、書く活動の重視とか、こういった点に着目した時に、「東京書籍」のものが、学習過程や指導過程に非常にマッチングしていると思います。しかも、ノート指導の「書く」というところは、今の学力テストでも無答率が非常に高いということが課題にもなっていますが、特に「書く」ということに力が入っているので、最もこれがふさわしいのではないかなという気はします。

井内委員長

 私もこの「国語のノートの作り方」というページがいいなと思いました。やはり文章化して記載していくという、この行為そのものが思考力を高めるのにも大変役に立つだろうと思います。これはきちんとしたページとしてセッティングしてあり、上手に使えればいいなという気がしています。
 それでは、意見が出尽くしたということで、以上のことを勘案いたしまして、答申にありますように、国語については「東京書籍」の教科書がよりふさわしいと考えてよろしいでしょうか。国語については、「東京書籍」を採択するということになりますが、よろしいでしょうか。
 (異議なし)
 それでは異議なしということで、国語につきましては「東京書籍」の教科書を採択することにいたします。どうもありがとうございました。それでは次に書写ですね。答申の説明を事務局からお願いいたします。

指導第一課長

 それでは、これから書写について説明いたします。書写の答申は8ページから14ページです。8ページの「本市の実態や児童の状況」を御覧ください。「本市は、各小学校におきまして、小学校教育研究会国語部会が主催する『書き初め会』を実施しており、年のはじめに硬筆や毛筆の作品を書くことにより伝統と文化に触れる体験をさせている。毛筆を使用する書写の指導は、担任が担当する以外に、学校によっては、主幹教諭や特定の教科担当教諭等、担任以外の教諭が担当することがあり、書写の学習内容を実生活や各教科の様々な場面に生かすことができにくい現状がある。生活環境の二極化により、家庭において年賀状や手紙を書く経験が少ない児童がおり、学習内容の定着が図りにくい状況がある。また、入学前に誤った筆記具の持ち方や姿勢等を習得している児童がおり、その改善が困難な状況がある。」と示しております。次に、「2 調査・研究の観点と視点」を御覧ください。先程の「本市の実態や児童の状況」を踏まえまして、書写の五つの観点について、ここに示している視点に沿って教科書の特徴をまとめています。これから「よりふさわしい教科書である」と意見が付されている9ページの「東京書籍」と、「ふさわしい教科書である」と意見を付されている12ページの「教育出版」の教科書について、説明いたします。
 9ページの「東京書籍」の教科書は、「1 基礎・基本の定着」の「(2)書く姿勢、筆記具の持ち方、用具の扱い方等の示し方」や「2 学習方法の工夫」の「(2)学習内容の定着のための工夫」の点において、大きな特徴があります。はじめに「1 基礎・基本の定着」の「(2)書く姿勢・筆記具の持ち方・用具の扱い方等の示し方」の丸(〇)の四つ目、「2年に観察などの際に座って書くときの姿勢を示している。」と書いてありますが、教科書では東京書籍の教科書の2年生の17ページを御覧ください。観察の際に、座って書くときの姿勢を写真で示して、他教科や実生活で学習内容を生かすことができる工夫をしております。答申を御覧ください。特徴としてさらに、「1 基礎・基本の定着」の「(2)書く姿勢、筆記具の持ち方、用具の扱い方等の示し方」の丸(〇)の五つ目、「3年生以上の各学年に筆を左手で持つ児童のために用具の置き方を示している。」とありますが、このことについて教科書では4年生の4ページを御覧ください。「用具の置き方とあつかい方」に、「左手で筆を持つ人は用具を左右逆に置いてもよい。」と示し、左利きの児童に対して配慮しています。このことは、3年生から6年生の教科書に同じように示していいます。答申を御覧ください。次に、「2 学習方法の工夫」の「(2)学習内容の定着のための工夫」について説明いたします。特徴として、丸(○)の一つ目、「毛筆の学習は硬筆から導入している。毛筆教材の後、同じねらいをもつ硬筆教材を取り上げ、毛筆と硬筆の関連を図っている。(硬筆→毛筆→硬筆)」と書いてありますが、このことについて教科書で説明いたします。4年生の教科書の8ページを御覧ください。「調べよう」のコーナーを設け、まずは硬筆で書かれた文字を示し、横画の長さや間隔を調べたり比べたりさせるなど、硬筆による導入を行っております。その後、毛筆で書く学習へとつないでいます。最後に「広げよう」のコーナーを設け、毛筆による既習事項を他の文字に生かして硬筆で書くコーナーを設けています。こうした工夫により、毛筆を使用する書写の指導が、硬筆による書写の能力の基礎を養うことにつながるようにしています。このことは、3年生から6年生の教科書に同じように示しております。答申に戻ります。以上の特徴から、「東京書籍の教科書は、本市で使用する教科書としてよりふさわしい」、その理由として、「東京書籍の教科書の特徴は、書写の学習内容を実生活や各教科の様々な場面に生かすことができにくい本市の実態や、正しい筆記具の持ち方や姿勢等が定着しにくい児童の状況に対応することができるものである。」との意見が付されています。
 次に答申の12ページを御覧ください。「教育出版」の教科書は、「2 学習方法の工夫」の「(2) 学習内容の定着のための工夫」の点において、大きな特徴があります。それでは、「2 学習方法の工夫」の「(2)学習内容の定着のための工夫」について説明いたします。
 特徴として、丸(〇)の一つ目、「毛筆の学習は硬筆から導入している。毛筆教材の後、同じねらいをもつ硬筆教材を取り上げ、毛筆と硬筆の関連を図っている。(硬筆→毛筆→硬筆)」と書いてありますが、このことについて教科書では、教育出版の教科書の4年生の13ページを御覧ください。「学習の始めと終わりに書こう」と指示し、「ためし書き」と「まとめ書き」の欄を設けています。まずは硬筆で「ためし書き」を行わせ、その後毛筆で書く学習へつなげています。最後に「まとめ書き」を硬筆で行わせ、さらに「生かそう」のコーナーを設け、毛筆による既習事項を他の文字に生かして硬筆で書くコーナーを設けています。こうした工夫により、毛筆を使用する書写の指導が硬筆による書写の能力の基礎を養うことにつながるようにしています。このことは3年生から6年生の教科書に同じように示しております。答申にお戻りください。以上の意見として、「教育出版の教科書は、本市で使用する教科書としてふさわしい」、その理由として「教育出版の教科書の特徴は、書写の学習内容を実生活や各教科の様々な場面に生かすことができにくい本市の実態に対応することができるものである。」との意見が付されています。以上のことから、答申は「よりふさわしい教科書」として、「東京書籍」、「ふさわしい教科書」として「教育出版」となっております。以上で書写の説明を終わります。御審議、よろしくお願いいたします。

井内委員長

 ありがとうございました。ただ今、書写につきまして事務局から採択審議会の答申の説明がございました。御質問、御意見がありますでしょうか。

栗栖委員

 これは国語と書写というのは関連があると考えていいのだろうと思いますが、国語を「東京書籍」とした場合に、書写もそれに合わせると、「東京書籍」の国語における四つの視点が書写においても踏襲されていると理解してよろしいのでしょうか。

指導第一課長

 国語の教科書で取り上げている教材を書写の教科書にも取り上げているケースがありまして、同一の発行者で関連を図っている内容もありますので、国語と書写で教科書を揃えれば指導をしやすいというメリットも考えられます。

鈴木委員

 意見ですが、先程もノート指導というように、書くということが強調されていたように思うのですが、それらの教科書を見比べましたときに、「東京書籍」の方は書く箇所が多いといいますか、この本自体を習うだけじゃなくて自分で書いて確かめることができるという点で、生活につなぎやすいと思いました。
 あと質問ですが、先程「東京書籍」の方は左利き用の記述があると書いてありましたが、ユニバーサルデザインの観点から、これは必要だと考えられたのですか。教えていただければと思います。

指導第一課長

 この左利き用という視点が示してあるのは「東京書籍」だけです。他の教科書はそこまで示してないということで、特徴として取り上げております。

鈴木委員

 ユニバーサルデザインの観点からもいいかなと思いました。本人もやりにくいですよね。右にあると使いづらいかなと思いました。

溝部委員

 一つは感想です。「東京書籍」の教科書は、見開きのところに目次がありますが、この左側のこの縦の帯、これは素晴らしいと思って、今見ています。「止め、はね、はらい」がきちんとできない子どもたちがたくさんいて、大人もというか大学生もなんですけど。この「止め、はね、はらい」は、筆順にも連動しますので、すごく重要だと思います。これは非常に面白く記述されていて、子どもたちが興味深く学習できる構成になっているのかなと思って、今見せていただきました。これは感想です。
 一点質問ですけれども、学習指導要領では、実際の日常生活に役立つとか学習活動に役立つような指導の在り方に工夫がいるというようになっていると思いますけど、それがこの両方の教科書の中でどこにあるかなというところを教えていただければと思います。

指導第一課長

 「東京書籍」の4年生28ページと30ページです。28ページは「書き初めをしよう」、30ページは「年賀状を書こう」、こういう部分に出ています。これは他の教科書にもこういうことは出ています。

溝部委員

 これはすごく大事ですよね。

指導第一課長

 併せて先程示しました2年生の16ページです。

溝部委員

 そうですね。「観察したことを書こう」ですね。

指導第一課長

 「観察したことを書こう」、こういうところで日常生活に生かす工夫がしてあると思います。

溝部委員

 分かりました。

栗栖委員

 採択の仕組みのことですが、この書写の調査員というのは、先程の国語の調査員の方とは、別の方ですか。

指導第一課長

 これは国語と同じです。

栗栖委員

 一緒なのですか。

指導第一課長

 はい。国語の教科の中で書写を取り扱っているからです。

栗栖委員

 書写は、国語の中に入ってるのですか。

指導第一課長

 はい。

栗栖委員

 例えば、本市の実態とか児童の状況のことで課題を出されているのですけれども、例えば国語であれば、学力調査というデータがありますので、ある程度客観的な根拠に基づいて分析が可能なのですが、書写では、そういうものがないですよね。したがって、ここの実態把握が教科書採択に関して非常に重要になってくると思います。それは調査員の方が分析されるわけですね。したがって、日頃から、どの種目についても共通ですが、例えば書写に対しては書写についての問題意識をもっておられる調査員の方を指名することが重要だと思います。実態把握がしっかりしていれば、それに基づいて、一つ一つの観点について検討できると思います。実態把握が不十分であれば、当然検討する観点が変わってきますから、調査員を指名されるときに、教育委員会としても日頃から、この種目はこの方が造詣が深いということを、よく認識をしておく必要があるという印象を持ちました。

指導第一課長

 重要なことだと思います。やはり調査員は教科の中でも専門的に研究されている方を考えております。また、各種目それぞれ、担当指導主事がサポートしていますので、そういう面で、学習指導要領に照らして客観的な内容を示すことはできると考えております。

栗栖委員

 私は、調査員の人選がしっかり行われていること、また、公正さが担保されていることが大前提となりますが、この点は信頼させていただくとして、審議会において調査員の調査をベースに議論が尽くされたのであれば、書写についてもそうですが、どの種目についても、審議会の答申を尊重したいと考えます。

井内委員長

 はい、鈴木委員。

鈴木委員

 例えば「東京書籍」の4年生の12ページなどを見てみますと、「左右」という漢字があると思いますが、その下のところに「5年で学習する『在』や『布』などとも関係するよ」と書いてありますよね。これは重要で、「5年生で習うのだよ」ということをイメージしながらここで習うと、5年生で習ったときに、あのときに習ったなというようになって、系統性が出てくると思います。そういう点では、つくりがよくできていると思います。
 あとこれは、重要な内容かどうか分かりませんが、海外などでは漢字というのはとても関心をもたれているもので、漢字の意味を習うのですね。この中では「麦」と書くページがあったと思いますが、「麦」と漢字を習いながら、「『麦』というのは冬に踏まれて強くなるんだよ」とか、「我慢が大事だ」とか、こういうことも付加して習っていくものですので、それは採択にかかわるのか、指導にかかわるのかということはありますけど、そういう文字が持つ意味というのも書写は伝える必要があるということを視点に入れられるといいかなと思いました。

尾形委員(教育長)

 「止め、はね、はらい」、これらを正確に書くということが、書写で一番大事なことだと思います。そういうときに、硬筆と毛筆の関連性というのが、なかなか現場の実態からもうまくつながらない。そういう意味では、せっかく硬筆でうまくやっても今度は毛筆でやったらそれに生きていない、毛筆でやったことが今度は硬筆で生きていない。こういった面で、各教科書を見たときに硬筆、毛筆、また硬筆に返るところのつながりとか、そういうのはいいかたちで示されているなと、こういうのは学習に生きるということを考えました。

井内委員長

 「東京書籍」はこうした考えなどが、しっかりしていますね。

溝部委員

 しっかりしています。

井内委員長

 それでは意見も出尽くしたようでございます。書写については今までの御意見を踏まえまして、「東京書籍」が一様によりふさわしいになりました。「東京書籍」を採択するということでよろしいでしょうか。
 (異議なし)
 それでは書写は「東京書籍」を採択することになります。どうもありがとうございました。
 よろしいですかね。それでは続いて社会について、答申の説明を事務局からよろしくお願いします。

指導第一課長

 それでは社会について、説明いたします。社会の答申を15ページから19ページに掲載しております。まず15ページの「1 本市の実態や児童の状況」でございますが、「本市には、官公庁や商業施設が集まる地域、工業・農業・漁業がおこなわれている地域、宅地造成により住宅地が広がる地域、豊かな自然の残る地域など、それぞれに異なる特色をもつ地域が分散している。社会的事象を学ぶ社会科にとっては、様々な分野の事象を具体的に観察・調査することができる環境にあるため、児童が興味・関心をもちながら学習することができる好条件の市域である。国際平和文化都市である本市で学ぶ児童は、平和に対する意識が総じて高い。また、様々な社会的事象への関心も高く、体験的な学習にも積極的に取り組むことができる。しかし、自ら課題を見付け、見通しをもって課題解決を図る力、また身に付けた知識や調べたことを基に、社会的事象の特色や相互の関連、意味について考える力には課題がある。」と示しています。「2 調査・研究の観点と視点」を御覧ください。先程の「本市の実態や児童の状況」を踏まえて、社会では五つの観点それぞれに表に示した視点を設定しています。16ページを御覧ください。ゴシックで示した1から5の五つの観点、そしてそれぞれの観点を(1)、(2)のような視点で教科書の特徴をまとめております。これから、「よりふさわしい教科書である」と意見の付されている16ページの「東京書籍」と「ふさわしい教科書である」と意見の付されている18ページの「光村図書」の教科書について説明をいたします。16ページの「東京書籍」の教科書は、「1 基礎・基本の定着」の「(2) 国際社会で主体的に生きていくための基盤となる知識・技能を身に付けさせるための工夫」や「2 学習方法の工夫」の「(2)問題解決的な学習を実施するための工夫」及び「5 言語活動の充実」の「(1)調べたことや考えたことを適切に表現する力を育成するための工夫」の点において大きな特徴があります。
 はじめに「1 基礎・基本の定着」の「(2) 国際社会で主体的に生きていくための基盤となる知識・技能を身に付けさせるための工夫」について説明いたします。特徴として丸(〇)の二つ目ですが、「6年上『長く続いた戦争と人々のくらし』で、被爆前の原爆ドーム、現在の原爆ドーム、原子爆弾投下後のまちの様子、平和記念式典の4枚の写真と平和記念資料館館長の話を文章資料として掲載している。」そして、丸(〇)の三つ目ですが、「6年下『わたしたちのくらしと日本国憲法』では、見開き2ページの読み物資料「『平和学習の街ヒロシマ』をたずねて」として8枚の写真と文章資料を掲載している。」と書いてありますが、教科書では東京書籍の教科書の6年生上巻128から129ページを御覧ください。ここでは「長く続いた戦争と人々のくらし」で、被爆前の原爆ドーム、現在の原爆ドーム、原子爆弾投下後のまちの様子、平和記念式典の4枚の写真と平和記念資料館館長の話を文章資料として掲載しています。また6年生の下巻でございますが、52ページから53ページを御覧ください。「わたしたちのくらしと日本国憲法」では、見開き2ページの読み物資料「『平和学習の街ヒロシマ』をたずねて」として8枚の写真と文章資料を掲載しています。このように児童にとって身近な教材が多く掲載されていることから、児童は実感を伴って主体的に学習に取り組むことができると考えられます。答申にお戻りください。次に「2 学習方法の工夫」の「(2)問題解決的な学習を実施するための工夫」について説明します。特徴として丸(〇)の一つ目、「見開きで『学習の進め方』いうページを設け、『つかむ→調べる→まとめる→いかす』という学習課程を示している。」と書いてありますが、このことについて教科書では6年生の上巻16ページから17ページを御覧ください。「学習の進め方」というページを設けまして、「つかむ→調べる→まとめる→いかす」という学習課程を示すことにより、問題解決的な学習を充実させるための工夫を施しています。また、このことは全ての学年の教科書に同じように示しております。答申にお戻りください。終わりに「5 言語活動の充実」の「(1)調べたことや考えたことを適切に表現する力を育成するための工夫」について説明いたします。特徴として丸(〇)の一つ目、「各単元の『まとめる』や『いかす』の学習過程において、児童が調べたことや考えたことを表現するための言語活動例を示している。」、そして丸(〇)の二つ目、「5年生では、年間を通して、次の16の言語活動を例示している。」と書いてありますが、このことについて教科書では、
 5年生の下巻の24ページを御覧ください。「まとめる」の学習過程におきまして、「キャッチコピーにまとめる」という言語活動例を示しています。また、5年下巻の57ページを御覧ください。「いかす」の学習過程におきまして、「夢の工業製品を考える」という言語活動例を示しています。これらのように、各単元の「まとめる」や「いかす」という学習過程におきまして、5年では16の言語活動を例示しています。そして、その数は違いますが、全学年の教科書に同じように言語活動例を示しています。また、東京書籍の教科書で取り上げているような言語活動例は、広島市で実施している言語・数理運用科の学習と関連したものが多くありました。このことは、ひろしま型カリキュラムで本市の児童の思考力・表現力の育成を図る上で重要な特徴と言えます。では、答申にお戻りください。以上の特徴から意見として、「東京書籍の教科書は、本市で使用する教科書としてよりふさわしい」、その理由として、「東京書籍の教科書の特徴は、児童が興味・関心をもって学習を進めることができるものであり、自ら課題を見付け、見通しをもって課題解決を図る力、また、身に付けた知識や調べたことを基に、社会的事象の特色や相互の関連、意味について考える力に課題がある本市児童の実態やひろしま型カリキュラムを進める本市の状況により対応することができるものである。」との意見が付されています。次に18ページを御覧ください。「光村図書」でございますが、この教科書も「1 基礎・基本の定着」の「(2)国際社会で主体的に生きていくための基盤となる知識・技能を身に付けさせるための工夫」や「2 学習方法の工夫」の「(2)問題解決的な学習を実施するための工夫」及び「5 言語活動の充実」の「(1)調べたことや考えたことを適切に表現する力を育成するための工夫」の点において大きな特徴があります。はじめに、「1 基礎・基本の定着」の「(2)国際社会で主体的に生きていくための基盤となる知識・技能を身に付けさせるための工夫」について説明いたします。特徴として、丸(〇)の二つ目でございますが、「6年『戦争の時代から平和の時代へ』で、被爆直後の原爆ドームの1枚の写真と原爆による広島市の被害の様子を表す地図を資料として掲載している。また、見開き2ページの読み物資料『焼け野原から平和都市をめざして』で4枚の写真と文章資料を掲載している。そして丸(〇)の三つ目、「6年『暮らしの中に生きる憲法』では、原爆の子の像の1枚の写真と碑文を資料として掲載している。」と書いてありますが、教科書では「光村図書」の6年生の135ページを御覧ください。「戦争の時代から平和の時代へ」で、被爆直後の原爆ドームの1枚の写真と原爆による広島市の被害の様子を表す地図を資料として掲載しています。146ページから147ページでは、見開き2ページの読み物資料「焼け野原から平和都市をめざして」で4枚の写真と文章資料を掲載しています。また177ページでは、「暮らしの中に生きる憲法」で、原爆の子の像の1枚の写真と碑文を資料として掲載しています。このような児童にとって身近な題材は、児童が主体的に学習取り組む上で意味あるものだと考えられます。答申を御覧ください。次に「2 学習方法の工夫」の「⑵問題解決的な学習を実施するための工夫」について説明いたします。特徴として、丸(○)の一つ目、「見開きで『ようこそ○年生の社会科へ』というページを設け、『見つける(ホップ)→調べる・話し合う(ステップ)→まとめる・広げる(ジャンプ)』という学習過程を示している。」と書いてありますが、このことについて教科書で説明いたします。6年生の2ページから3ページを御覧ください。「ようこそ、6年生の社会科へ」というページを設け、「見つける(ホップ)→調べる・話し合う(ステップ)→まとめる・広げる(ジャンプ)」という学習過程を示すことにより、問題解決的な学習を実施するための工夫を施しています。このことは、全ての学年の教科書に同じように示しています。答申にお戻りください。終わりに「5 言語活動の充実」の「⑴調べたことや考えたことを適切に表現する力を育成するための工夫」について説明いたします。特徴として丸(〇)の一つ目、「各単元の『まとめる・広げる』の学習過程において、児童が調べたことや考えたことを表現するための言語活動例を示している。」そして丸(〇)の二つ目、「5年では、年間を通して、次の13の言語活動を例示している。」と書いてありますが、このことについて教科書で説明いたします。5年生の32ページから33ページを御覧ください。「自分の地域と比べてみよう」として、表にまとめるという言語活動例を示しています。また、5年の46~47ページを御覧ください。「地域を紹介するパンフレットを作ろう」として、パンフレットにまとめるという言語活動例を示しています。これらのように、各単元の「まとめる・広げる」という学習過程におきまして、5年では13の言語活動を例示しています。そして、このことは全学年の教科書に同じように示しています。このような多くの例示は、児童の思考力・表現力を高める上で大切なものと考えられます。
 答申へお戻りください。以上の特徴から意見として、「光村図書の教科書は、本市で使用する教科書としてふさわしい」、その理由として、「光村図書の教科書の特徴は、自ら課題を見付け、見通しをもって課題解決を図る力、また、身に付けた知識や調べたことを基に、社会的事象の特色や相互の関連、意味について考える力に課題がある本市児童の実態に対応することができるものである。」との意見が付されています。以上のことから、答申は「よりふさわしい教科書」として「東京書籍」、「ふさわしい教科書」として「光村図書」となっております。これで社会の説明を終わります。御審議、よろしくお願いいたします。

井内委員長

 ありがとうございました。社会について、今、事務局から採択審議会の答申の説明がございました。何か御質問、御意見はございませんでしょうか。

溝部委員

 地図だとか地球儀だとか、統計だとか、年表だとかという基礎資料を使って、社会科の授業は行う必要があると思いますが、2者について、それを効果的に活用するというような場面がございますか。

指導第一課長

 「東京書籍」の5年生下ですね。見開きのところに、「まなび方コーナー」を設けまして、見る・聞く・ふれるとか、読み取るとか、表す・伝えると、こういうかたちで各ページに、それぞれ示しているところです。
 次に「光村図書」ですが、5年生の5ページです。この本に出てくる「大切」というページから、地球儀を活用するとか、電子メールを書くとか、調べたことを整理するとか、このようなかたちで各ページに示しています。

鈴木委員

 両方の教科書とも広島のことが取り上げてあって、やはり広島の平和教育というのは意味があることだということがこれでも分かったと思います。少し思いましたが、問題解決学習というのはどこもやっているとは思うのですが、「いかす」ということを取り上げるというのは大事だなと思います。「広げる」まではできて、次にそれを自分の生活に生かしていくということが大事だと思います。そう考えたときに、ひろしま型の言語・数理運用科のテキストに書かれてあることと割と近いというのが、「東京書籍」だと思いました。そうすると、両方を照らし合わせながら見る中で、子どもたちが付加したり、類推したりしながら勉強できるという点で、この「東京書籍」がいいかなと思いました。

指導第一課長

 鈴木委員の御意見ですが、審議会でも、「いかす」ということで社会参加につながっていくのではないかという意見が出ていました。

鈴木委員

 社会科というのは、暗記になってしまうのですよね。何年に何が起きたと。でも、それは今の私たちの生活につながっていて、自分たちもその主体なのだという感覚を育てていくというのが大事なので、いろんな教科で習っていることがつながっていくということは、いいかと思います。それを審議会で議論されていたことはいいことではないかと思います。

井内委員長

 今問題になっている領土問題ですね。この扱いに関してはどうでしょうか。

指導第一課長

 領土問題は各教科書によって、扱いの違いや記述自体大きな差異はございません。小学校の学習指導要領に示された内容には、小学校段階では領土については、わが国の領土の東西南北の端とか、北方領土を扱うこととされています。各発行者で共通して5年生の国土に関する単元におきまして、東西南北端、北方領土、竹島、尖閣諸島について取り上げ、それぞれ位置を地図上に示すとともに文書資料を掲載しております。
 例えば、「光村図書」の5年生です。16から17ページを御覧いただければお分かりだと思います。「光村図書」は、北方領土は元からの日本の領土、竹島は日本固有の領土というように扱っています。どこも同じような表現で記述しています。

井内委員長

 「東京書籍」も同じですか。

指導第一課長

 同じようなかたちですね。

尾形委員(教育長)

 各者とも学習指導要領に沿って、記述に差異はないということですね。

指導第一課長

 差異はありません。

井内委員長

 フェアな記述なのですね。

指導第一課長

 そうですね。

井内委員長

 教科書を比較すると、そう変わらないですね。

指導第一課長

 変わらないですね。

溝部委員

 「東京書籍」は、問題解決的な学習のスタイルを踏んでいて、全ての項目がそういうふうになっていて、とても見通しをもちやすいですね。そういうところが、先生方がいいというふうに言われているところでしょうね。

指導第一課長

 溝部委員の意見は、審議会でも皆さん方がそれをおっしゃっています。

溝部委員

 そうでしょうね。

尾形委員(教育長)

 それで、本市が最も中核としている言語・数理運用科と平和教育のプログラムなどと並行的に学習することができる。平和教育に力を入れ、関連性を持たせて、最終的には、本市の平和記念式典や原爆ドームを取り上げるというかたちで、かなりページ数を割いています。平和教育プログラムとうまく関連させながらの指導、また、問題解決的な学習の最も中核である言語・数理運用科と関連させながらの指導ができると思います。

井内委員長

 ただ被害の実態を知ろうというだけではなくて、それからどう立ち直って、「じゃあこういうことが起こらないようなためにはどうするのか」ということについての話合いの糸口になるような、そういう記述があれば、それが「ひろがる」、「つながる」ということだと思うので、なかなかいいつくりだと思います。

尾形委員(教育長)

 最後のところに「『平和』を築くために自分たちができることを考えよう」というのがありまして、最終的に、本市では6年の全ての子どもたちが意見文を書いていますけど、ここにつながってくると思います。

井内委員長

 だいたいよろしいですか、議論は。では以上のことからですね、社会については審議会の御意見は、「東京書籍」が「よりふさわしい」、「光村図書」が「ふさわしい」となっていて、皆さんの御意見を総括すると「東京書籍」が「よりふさわしい」ということでよろしいでしょうか。
 (異議なし)
 では、社会については、「東京書籍」の教科書を採択するということにしたということでよろしいですね。それでは、社会は「東京書籍」を採択するということにいたします。ありがとうございました。
 それでは、その社会に続いて地図ですね。地図につきまして、答申の説明を事務局からしてください。

指導第一課長

 それでは地図について、説明いたします。答申は20ページから22ページに掲載しております。まず20ページでございますが、「1 本市の実態や児童の状況」、これは社会と同様でございますので、割愛させていただきます。次に21ページを御覧ください。ゴシックで示した1から5の五つの観点、そしてそれぞれの観点を(1)、(2)のような視点で教科書の特徴をまとめています。これから、「よりふさわしい教科書である」という意見が付されている22ページの「帝国書院」と「ふさわしい教科書である」との意見が付されている21ページの「東京書籍」の教科書について、説明いたします。まず22ページの「帝国書院」の教科書でございますが、「2 学習方法の工夫」の「⑴興味・関心を高めるための工夫」や、「4 内容の表現・表記」の「(1)学習内容との適切な関連付けがなされた挿絵・写真等の活用」、「(2)配色や文字の大きさ等の工夫」や「5 言語活動の充実」の「(1)調べたことや考えたことを適切に表現する力を育成するための工夫」の点において、大きな特徴があります。はじめに、「2 学習方法の工夫」の「(1)興味・関心を高めるための工夫」について説明いたします。特徴として丸(〇)の三つ目、「『中国地方』のページで、『広島市のようす』という主題図を掲載し、爆心地からの距離や原爆の被害状況を示している。」と書いてありますが、教科書では帝国書院の教科書の24ページを御覧ください。「広島市のようす」という主題図を掲載しまして、爆心地からの距離や原爆の被害状況を示しており、本市の児童が興味・関心をもって活用できるような工夫を施しております。答申を御覧ください。「4 内容の表現・表記」の「(1)学習内容との適切な関連付けがなされた挿絵・写真等の活用」について説明いたします。特徴として、丸(〇)の三つ目、「『日本の歴史』のページで、13か所の世界文化遺産を地図に示し、7枚の写真を掲載している。また、日本の歴史の主な出来事を示した年表や江戸時代の交通路、昔の国名(明治元年)や歴史の舞台になった場所等を示している。」と書いてありますが、このことについて教科書では69ページから70ページを御覧ください。「丸1日本の歴史の主なできごと」として年表を掲載し、「丸2江戸時代の交通路」、「丸3むかしの境界」、「丸4歴史の舞台となった場所」を地図に示し、6年生の歴史学習の際に活用できるように工夫しております。答申を御覧ください。「4 内容の表現・表記」の「(2)配色や文字の大きさ等の工夫」について説明いたします。特徴として、丸(〇)の一つ目、「カラーユニバーサルデザインに配慮しており、赤色文字の都道府県名や国名には黒色で縁取りをして読みやすくしている。また、山地や川、県境や自動車道等が識別しやすい配色にしている。」と書いてありますが、教科書では23ページから24ページ、先程のページでございますが、赤色文字の都道府県名には黒色で縁取りがしてあります。また、山地等を土地の高低を分かりやすい配色で、県境や自動車道等を識別しやすい配色で示しており、社会の学習で活用する情報を取り出しやすいように工夫をしております。最後に答申を御覧ください。「5 言語活動の充実」の「(1)調べたことや考えたことを適切に表現する力を育成するための工夫」についてですが、特徴として丸(〇)の一つ目、「児童が調べたことや考えたことを表現する力を育成するために次のような言語活動例を示している。丸1 自分の住んでいる都道府県や知っている都道府県の紹介文を書く。丸2 防災への意識を高めるために、防災マップを作成する。」と書いてありますが、教科書では83ページを御覧ください。「防災マップづくり」としてテーマを決めて、町歩きによる調査をし、調べて分かったことや考えたことを防災マップとしてまとめるという言語活動例を示しています。答申にお戻りください。以上の特徴から意見として、「帝国書院の教科書は、本市で使用する教科書としてよりふさわしい」、その理由として、「帝国書院の教科書の特徴は、社会の学習において必要な情報を取り出しやすく有効に活用できるものであるとともに、自ら課題を見付け、見通しをもって課題解決を図る力、また、身に付けた知識や調べたことを基に、社会的事象の特色や相互の関連、意味について考える力に課題がある本市児童の実態により対応することができるものである。」との意見が付されています。
 答申の21ページを御覧ください。「東京書籍」の教科書は、「2 学習方法の工夫」の「(2)問題解決的な学習を実施するための工夫」や「3 内容の構成・配列・分量」の「(1)地図や資料等の配列」、「5 言語活動の充実」の「(1)調べたことや考えたことを適切に表現する力を育成するための工夫」の点において大きな特徴があります。はじめに、「2 学習方法の工夫」の「(2)問題解決的な学習を実施するための工夫」について説明いたします。特徴としての一つ目、「『~調べてみよう』『~をはかってみよう』『~をさがしてみよう』等、活動を促す記述を掲載している。」と書いてありますが、教科書では11ページですが、「あなたの住んでいる都道府県について、地図帳を開いて調べてみよう。」、14ページには、「鹿児島市から那覇市までと、那覇市から台湾までの距離をはかってみよう。」また20ページには、「この島はどのあたりにあるのかな、さがしてみよう。」というキャラクターの吹き出しを示し、児童に活動を促しています。その他にも活動を促す記述を多く記載しています。答申を御覧ください。「3 内容の構成・配列・分量」の「(1)地図や資料等の配列」について説明いたします。特徴として丸(〇)の一つ目、「A版94ページ」、そして丸(〇)の二つ目、「日本全図は400万分の1、各地方図は原則として100万分の1、都市圏などの拡大図は50万分の1から5万分の1、世界地図は4000万分の1から2000万分の1の縮尺で示している。」と書いてありますが、教科書では49ページを御覧ください。教科書の大きさはA版で大きく、北海道地方は160万分の1の大きさで掲載しております。最後に「5 言語活動の充実」の「(1)調べたことや考えたことを適切に表現する力を育成するための工夫」について、説明いたします。特徴として丸(〇)の一つ目、「児童が調べたことや考えたことを表現する力を育成するために次のような言語活動例を示している。丸1自分が住んでいる所の気温や降水量を調べて、グラフをかく。丸2行ったことのある所や行ってみたい所を記入して、自分だけのさくいんを作る。」と書いてありますが、教科書では88ページを御覧ください。「マイ・インデックス」として、行ったことのある所や行ってみたい所を記入して、自分だけのさくいんを作るという言語活動を掲示しています。それでは以上の特徴から意見として、「東京書籍の教科書は、本市で使用する教科書としてふさわしい」、理由といたしまして、「東京書籍の教科書の特徴は、自ら課題を見付け、見通しをもって課題解決を図る力、また、身に付けた知識や調べたことを基に、社会的事象の特色や相互の関連、意味について考える力に課題がある本市児童の実態に対応することができるものである。」と意見が付されております。以上のことから、答申は「よりふさわしい教科書」として「帝国書院」、「ふさわしい教科書」として「東京書籍」となっております。これで地図の説明は終わります。よろしくお願いいたします。

井内委員長

 はい、ありがとうございました。地図について、ただいま、事務局から答申の説明がございました。御質問、御意見、ございますでしょうか。

鈴木委員

 地図は、あまり変わらないのですよね。この2者について、子どもに見やすいとか、何かそういう理由がありましたら、教えてください。

指導第一課長

 先程ちょっと説明させてもらいました、赤字に縁取りで黒くしてあるところです。「帝国書院」の23、24ページのところで、広島県で言いますと、赤字に、外が黒枠なのですね。これが、「東京書籍」は、赤字だけとか、そういうところで違いがあるなという意見がありました。

鈴木委員

 先程、北海道のことが出まして、北海道と比較してみたのですけれど、縮尺が違うというのは、ちょっと面白いなと思ったのですよ。「帝国書院」は、この枠に入るってことは、縮尺が違うということです。「縮尺とは何だろう」というふうに考えると言いますか、だから、考えるというポイントが少し違っていて、違いが出るのかなと思いました。「東京書籍」は縮尺を同じにしていますが、「帝国書院」の方は、縮尺を変えていることで、地図の見方、みたいなのも勉強できるかなと思いました。

井内委員長

 あと、社会において使う地図というのは、それぞれ先生が「ここを見てごらん」というような格好で使われますよね。だから先生方の使いやすさというのは、やっぱり一番大事にすべきだと思います。先生方の評判はどうなのでしょうか。「帝国書院」というのは、これまでに使われてきているのですか。

指導第一課長

 「帝国書院」の69ページですが、「歴史の舞台になった場所」ということで、合戦とかが書いてあって、歴史の教科書との関連が深いということで、審議会でも意見が出ておりました。

井内委員長

 なるほど。歴史と、結び付けてあることですね。より、これを有効に使えるということなんですね。

指導第一課長

 ええ、そうですね。

尾形委員(教育長)

 これ、何年生から使うのでしたか。

指導第一課長

 4年生からです。

井内委員長

 3年間使えるわけですね。

指導第一課長

 はい。

尾形委員(教育長)

 4年生だったら、どの辺りを使うのですか。

指導第一課長

 中国地方辺りです。

尾形委員(教育長)

 6年になったら、今言ったように歴史との関連で、年表が入っているので、69ページなどは、地理との関連付けができやすいといえると思います。

指導第一課長

 はい。

尾形委員(教育長)

 もう一つ、面白いと思ったのは、最後のところにある「地震・火山の災害と防災」というところです。教育活動全体を通しての防災教育ということで、各教科との関連がありますが、この中には、プレートが示してあったり、マップを作るということがあったりして、まさに生かすというからマップ作りへ入っていくというようなところは工夫してあると思っています。

指導第一課長

 教育長の御意見はですね、審議会の方でもしっかり出ていまして、防災マップ作りは大事なことのようです。

井内委員長

 はい、それじゃあ、よろしゅうございますか。

藤本委員

 質問ですが、今回は小学校のことなのですが、内容的に中学校の先生の御意見というのも反映されているのでしょうか。

指導第一課長

 中学校の先生との連携ということでは、この教科書の視点としては、ちょっと難しいところです。

井内委員長

 はい。それでは、この地図につきましては、答申のとおりと考えられるということでございます。それで、これは「帝国書院」の教科書を採用するということで、よろしいですか。
 (異議なし)
 はい。それでは、地図につきましては、「帝国書院」の教科書を採択することにいたします。はい、どうもありがとうございました。

井内委員長

 それでは一旦休憩で、3時に再開いたします。

 (休憩)

井内委員長

 続いて、算数ですね。答申の説明を事務局からしてください。

指導第一課長

 それでは、算数について説明します。算数の答申は、23ページから29ページでございます。まず、23ページを御覧ください。こちらの「本市の実態や児童の状況」は、最後にまとめて説明させていただきたいと思いますので、御覧ください。次に24ページを御覧ください。ゴシックで示した観点とそれぞれの視点でまとめております。これから、「よりふさわしい教科書である」という意見が付されている24ページの「東京書籍」と「ふさわしい教科書である」という意見が付されている26ページの「学校図書」の教科書について説明します。24ページの「東京書籍」の教科書につきまして、「1 基礎・基本の定着」の「(1)基礎的・基本的な知識及び技能の定着のための工夫」や、「2 学習方法の工夫」の「(2)問題解決的な学習を実施するための工夫」と、「(3)作業的・体験的な学習を実施するための工夫」や、「4 内容の表現・表記」の「(1)挿絵・写真・図表等の資料の活用の工夫」及び「5 言語活動の充実」の「(1)自分の考えを説明・表現する学習活動を充実させるための工夫」の点において大きな特徴があります。はじめに、「1 基礎・基本の定着」の「(1)基礎的・基本的な知識及び技能の定着のための工夫」について説明します。特徴として、丸(〇)の三つ目でございますが、「単元末に、評価問題とは別に練習問題があり、繰り返し練習できるようチェック欄が2つある。」と書いてありますが、東京書籍の教科書の5年生の上巻の45ページを御覧ください。「小数のかけ算」の単元末に、「力をつける問題」のページがありまして、問題番号の左にチェック欄が二つあります。繰り返し練習でき、学習内容の定着を図る工夫を施しています。このことは、2年生から6年生でも同様でございます。
 次に答申を御覧ください。「2 学習方法の工夫」の「⑵問題解決的な学習を実施するための工夫」についてですが、特徴として、丸(〇)の三つ目、「45分の授業の進め方が、授業を進めながら分かるように、各学年数単元ずつ単元の中に詳しく示している。」と書いてありますが、教科書では、5年の上巻の19から21ページでございます。「考えよう伝えよう」というタイトルで、「
 自分で考える」、「自分の考えを書き表す」、「友達の考えを知る」、「みんなで話し合う」、「まとめる」、「使う」という授業の進め方を示し、分かりやすい問題解決的な学習を実施するための工夫を施しております。2年生から6年生も、同様でございます。続いて「2 学習方法の工夫」の「(3)作業的・体験的な学習を実施するための工夫」では、特徴として、丸(〇)の二つ目、「3年生『重さ』では、指示された物を重い順に並べる問題において、作業的・体験的学習を促すために、写真から重い順を判断できないようになっている。」と書いてありますが、教科書では3年生の下巻、23ページから24ページでございます。23ページに示してある六つの物を重い順に並べる問題です。24ページの二つの写真を見ると、のりとつみ木が、はさみと一円玉がつり合っております。この写真だけで、のりとはさみの重さを比べようと思っても、基にするものが違うため、どちらが重いのか、写真から判断できないようになっています。重い順に並べるためには、その後、実際に重さを比べる活動が必要となります。このように作業的活動を促す工夫を施しております。答申を御覧ください。「4 内容の表現・表記」の「(1)挿絵・写真・図表等の資料の活用の工夫」についてですが、丸(〇)の二つ目、「4年『直方体と立方体』では、細かく段階を経て立体を理解するために、具体物の写真、見た目の写真、見た目の図、展開図、見取り図の順で内容を表している。」と書いてありますが、教科書では4年生の下巻の91から99ページを御覧ください。91から92ページには、身近にある具体物の写真を示しています。92から94ページは、具体物に近い見た目の図を示しています。94から95ページには、見た目の図を広げた展開図を示しております。96から99ページには、展開した後、全体の形が分かる見取図を示しております。細かく段階を経て示しているため、児童が立体を理解しやすくなっております。答申を御覧ください。最後に「5 言語活動の充実」の「(1)自分の考えを説明・表現する学習活動を充実させるための工夫」について説明いたします。丸(〇)の三つ目ですが、「5年『台形の面積』では、3人の考えを説明するために図と式を示し、数学的な表現を用いた説明を途中まで例示してある。」とありますが、5年生の下巻の45ページでは、代表的な3人の考え方を、図と式と言葉を用いて示しております。図と式から友達の考えを読み取ったり、図と式と言葉を関連付けて考えたりするための工夫を施しています。また、適切な数学的な表現を用いて、途中まで説明し、続きを児童が考えるようになっております。児童が筋道を立てて考え、表現し、説明するための工夫を施しております。それでは、答申を御覧ください。以上の特徴から、意見として、「東京書籍の教科書は、本市で使用する教科書としてよりふさわしい」、その理由として、「東京書籍の教科書の特徴は、児童の思考力・判断力・表現力の育成を目指して、めあてを明確にし、算数的活動に重点をおいた授業づくりに取り組み、また、基礎的・基本的な知識及び技能の定着を図っている本市の実態に適切に対応でき、さらに、量感覚の定着や図形の理解、また、筋道を立てて考え、表現し、説明することに課題がある本市児童の状況に、より丁寧に対応することができるものである。」との意見が付されております。次に、26ページ御覧ください。「学校図書」の教科書の特徴についてですが、はじめに、「1 基礎・基本の定着」の「⑴基礎的・基本的な知識及び技能の定着のための工夫」について説明します。特徴として、丸(〇)の三つ目、「単元末に、評価問題とは別に練習問題があり、繰り返し練習できるようにチェック欄が2つあり、答えも巻末にある。」と書いてありますが、教科書では、学校図書の教科書の5年生の63ページ、また276ページを御覧ください。「小数のかけ算」の単元末に、練習のページがあり、問題番号の左にチェック欄が二つあります。繰り返し練習できるよう、工夫しています。また、276ページに答えがあり、自分で答え合わせができるようになっています。学習内容の定着を図る工夫を施しています。3年生から6年生の教科書でも、同様でございます。答申を御覧ください。「2 学習方法の工夫」の「⑵問題解決的な学習を実施するための工夫」についてですが、特徴として、丸(〇)の三つ目、「45分の授業の進め方が、授業を進めながら分かるように、各学年数単元ずつ単元の中に示している。」と書いてありますが、教科書では、5年生157ページから158ページを御覧ください。「振り返り」、「自分の考え方を書き表す」、「友達に考えを説明する」、「図を見て式を書く」、「まとめる」、「確かめる」という授業の進め方を示し、問題解決的な学習を実施するための工夫を施しています。3年生から6年生まで、同様でございます。最後に、「5 言語活動の充実」の「⑴自分の考えを説明・表現する学習活動を充実させるための工夫」についてですが、特徴として、丸(〇)の三つ目、「5年『台形の面積』では、4人の考えを説明するために、図を示し、その中の1つの考えだけ、数学的な表現を用いた説明を例示している。」と書いてありますが、このことについては、5年生の192ページを御覧ください。4人の考え方を図で示し、その中の1人の考え方を、適切な数学的な表現を用いて示しています。図から、式と言葉を考えたり、適切な数学的な表現で説明したりするための工夫を施しております。はい。それでは、答申を御覧ください。以上の特徴から、意見として、「学校図書の教科書は、本市で使用する教科書としてふさわしい」、その理由と致しましては、「学校図書の教科書の特徴は、児童の思考力・判断力・表現力の育成を目指して、めあてを明確にし、算数的活動に重点をおいた授業づくりに取り組み、また、基礎的・基本的な知識及び技能の定着を図っている本市の実態や、筋道を立てて考え、表現し、説明することに課題がある本市児童の状況に対応することができるものである。」との意見が付されております。以上のことから、答申は、「よりふさわしい教科書」として「東京書籍」、「ふさわしい教科書」として「学校図書」となっております。以上で算数の説明を終わります。御審議、よろしくお願いいたします。

井内委員長

 はい、ありがとうございました。ただ今、算数について、事務局から審議会の答申の説明がございました。何か、御質問、御意見、ございますでしょうか。

溝部委員

 子どもたちの学ぶ意欲を高めるための工夫が施されているような箇所がございますか。

指導第一課長

 5年生、「東京書籍」の5年生上の7ページを御覧いただければと思います。「数の仕組みを調べよう」という単元ですが、ここに、実際の写真を使って、ハンマーを投げるときの投げる場所の直径とかいうかたちで、具体物、写真を用いて、より子どもに分かりやすい考えを導入するというかたちで扱っております。例えば、もう一つ、「学校図書」の5年生を見ていただければと思います。8ページを御覧ください。「小数と整数」の単元の中で、東京マラソンの実際のコースを使っていると、こういうふうな工夫をされて、両教科書とも、そういう身近なところで、分かりやすい工夫を施されているようです。

鈴木委員

 意見ですが、算数で大事なのは、基になる考え方ではないかと思います。基になるのは何か、基準とか単位から、多いか少ないかみたいなのを考えたとき、「東京書籍」には、重さを数で表そうという作業的活動を入れておられるというようなことを説明いただいたのですけども、23ページのとこで、一つ一つ数えるのは大変だから、基にするものを決めようというふうに、子どもが考えて、「・・・」になっていますよね。「・・・」の先を考えるということによって、確認するものを決めるのは何がいいか、例えば、それを同じものでないといけないのだなというふうに、子どもたちが考えるという、そういう思考活動が入っているというのが、本市課題であるところの、思考力、判断力、表現力であるところの思考力の部分ですかね、与えられた情報を筋道を立てて考えるというところの道筋が示されているのではないかなと思いまして、その点でよいかなと思いました。

指導第一課長

 今の考え方は、「東京書籍」のものは、途中まで考えを示して、そこから考えてみようというかたちで、どの学年にも同じようなかたちで示しています。そして、審議会の方でも、丁寧に扱っていると意見が出されました。「学校図書」の方は、どっちかと言えば、活動重視で、そこから広げていくというかたちです。そこに少し違いがあります。

鈴木委員

 図形の理解はいつも課題でして、図形のところをどうやって子どもたちが分かるようにするかということも大事かなと思いました。45ページのところも子どもの言葉で説明してあって、あとは、自分で考えるというところが、考えやすいかなと思いました。

溝部委員

 単元の数はいっしょですか。学習指導要領で内容は決まっていると思うのですが。

指導第一課長

 そうですね、「東京書籍」はですね、上下合わせて16単元ですね。

溝部委員

 1年間で。

指導第一課長

 はい、16単元です。「学校図書」は、16から17ということで、5年生のまとめというかたちで入れていますね。

溝部委員

 ああ、なるほど。

指導第一課長

 単元の数自体は同じですね。はい。

溝部委員

 ほぼ、一緒ということなのですね。

指導第一課長

 はい、ただ表現が違います。単元の表現は、それぞれちょっと違いますよね、はい。内容は同じです。

溝部委員

 まとめたら一緒ですね。

指導第一課長

 はい。

溝部委員

 今、「学校図書」と「東京書籍」に見比べているのですが、「学校図書」のいいところは、5年生の見開き、算数探検隊の次のところに、「算数を始めよう」みたいなページがあって、その辺りは、とてもいいですよね。これ、全部の教科書にあるのかなと思ったら、5年生にしかないのですよ。4年にはない。4年にもありますか。 

指導第一課長

 あります。

溝部委員

 全部ありますか。

指導第一課長

 はい、全学年にございます。

溝部委員

 これもすごく大事ですよね。「東京書籍」のいいところはですね、どの単元も、はじめの1ページは既習学習の復習なのですよね。例えば、3年生下の22ページ、23ページ、先程説明があった重さのところですけれども、22ページで既習事項をちゃんと復習して、その学びを基に、23ページから新しい単元に入るという構成ですよね。これは子どもにとっても先生たちにとっても、いいのだろうなと思います。あと、「東京書籍」のよいところは、キャラクターがすごく効果的に扱ってあります。これは、先生方の意見はどうなのですか。このキャラクターの扱いは。ちゃんと授業で扱っておられるのですか、復習の手掛かりになりますね。

指導第一課長

 5年生の上巻の、19ページから21ページ辺りに人がいたりとかして、キャラクターが入っています。

溝部委員

 はい、すごく入っていますよね。あちこちにね。

指導第一課長

 入っていますね。はい。

溝部委員

 これ、やっぱり大事なのですかね。

指導第一課長

 「学校図書」も、ところどころで、キャラクターがあります。

溝部委員

 「学校図書」もたくさんありますね。

指導第一課長

 はい。

溝部委員

 それぞれの考え方を表しているということですね。

鈴木委員

 質問ですが、練習問題の数がありますが、評価するときに、練習問題の数というのが、関係してくるかと思います。習ったら分かるっていうことと、それ以上の発展的な力があるということがあるかと思うのですけども、その辺について、両方、練習問題、力をつける問題で、「東京書籍」の方はもう一つ仕上げっていうのが入っていると思ったのですけども、その練習問題の数について、何か意見がありましたでしょうか。

指導第一課長

 はい。答申の方に、それぞれ、「3 内容の構成・配列・分量」の「(2)補充的な学習や発展的な学習の取り扱い」の中の、丸(〇)の三つ目、補充問題と発展問題のページ数ということで、各者、全て比べております。そんなに大きな差があるわけではありません。

鈴木委員

 2種類ぐらいあるということですね。補充する問題と発展問題。

指導第一課長

 そうですね。

井内委員長

 はい、よろしいでしょうか。はい、それでは、算数については「東京書籍」の方が「よりふさわしい」、「学校図書」の方が「ふさわしい」ということになっておりますが、「東京書籍」の教科書を選ぶということでよろしいでしょうか。
 (異議なし)
 はい。それでは、算数については、「東京書籍」の教科書を採択することにいたします。ありがとうございました。
 はい、次は理科でございます。答申の内容につきまして、説明をお願いします。

指導第一課長

 それでは、これから、理科について説明します。理科の答申は30ページから36ページでございます。30ページを御覧ください。「本市の実態や児童の状況」は御覧ください。次に、「よりふさわしい教科書である」という意見を付されている34ページの「教育出版」と、「ふさわしい教科書である」と意見を付されている31ページの「東京書籍」の教科書について説明します。34ページの「教育出版」の教科書でございますが、はじめに、「2 学習方法の工夫」の「(1)興味・関心を高めるための工夫」について説明します。特徴として、丸(〇)の三つ目でございますが、「広島市内の写真(森林公園こんちゅう館、こども文化科学館、江波山気象館、健康科学館、清掃工場、太田川、ホタルプロジェクトの様子、植樹の様子)を掲載している。」と書いてありますが、教科書では、4年生の71、74ページを御覧ください。こども文化科学館等の写真を掲載し、本市の児童の興味を引く工夫を施しております。

尾形委員(教育長)

 74ページですか。

指導第一課長

 74ページ、江波山気象館です。このことは、3年生から6年生の教科書に、同じように示しております。次に答申の方でございますが、「(2)問題解決の能力を育成するための工夫」についてですが、特徴として、丸(〇)の一つ目、「全学年において、2ページ使用し、理科の学習の進め方の順序が分かるように各学年で学習する内容を例としてイラストと文字で示すとともに、各学年で重視すべき問題解決の能力についても記述している。」と書いてありますが、教科書では、5年生の4ページから5ページを御覧ください。問題解決の過程を、「やってみよう」、「はてな」、「予想しよう」、「計画しよう」、「調べよう」、「結果から考えよう」、「分かった」の順を示すとともに、「学んだことを使おう」と記述し、学んだことと活用することを意識付ける工夫を施しています。5年生で学習する「ふりこ」の単元を例にしまして、それぞれの段階でどのような学び方をするのか分かるように、工夫を施しています。さらに、その学年で育成すべき問題解決の能力が分かるように、記述されております。答申を御覧ください。「4 内容の表現・表記」の「(1)挿絵・写真等の示し方」でございますが、特徴として、丸(〇)の一つ目、「4年『季節と生き物』では、導入において小学校で見られる動物や植物の春夏秋冬の様子を2ページずつ使用し掲載している。」と書いてありますが、教科書では、4年生の6ページ、60ページ、102ページ、148ページを御覧ください。見開き2ページを使用し、校庭の様子とともに、サクラの木の様子を、春夏秋冬ごとに大きく掲載しております。また、その季節に見られる植物や動物の写真を掲載し、季節による様子について、写真で容易に比較できるよう工夫しています。答申を御覧ください。終わりに、「5 言語活動の充実」の「(1)観察・実験の結果を整理し、考察する学習活動の工夫」について説明します。特徴として、丸(〇)の二つ目、「5年『ふりこ』おいて、実験の結果を表に表し、『結果から考えよう』という項目を立ててグラフ化させ、グラフの比較から考察に進むようにしている。」と書いてありますが、教科書の5年生64ページを御覧ください。「エネルギー」の領域です。問題解決の過程におきまして、考察する学習活動を充実させていくために、「結果から考えよう」という項目を立てて、結果から考察へ進む際の過程を、丁寧に行う工夫を施しています。また、「結果から」と記述することで、結果から何が言えるのかを意識付ける工夫を施しています。そして手書き風の表とグラフ例を示し、実験した結果も、表とグラフで表すことの必要性を示す工夫を施しています。さらに考察する際の手立てとして、グラフ化させ、条件を変えたときのふりこの周期の違いを容易に比較できるよう工夫を施しております。答申を見てください。以上の特徴から、「教育出版の教科書は、本市で使用する教科書としてよりふさわしい」、理由としましては、「教育出版の教科書の特徴は、児童が興味・関心をもって学習を進めることができ、問題解決の過程に沿って学習を進め、学習内容の活用を意識付けるものであり、『基礎的・基本的な知識及び技能を活用する力』『観察、実験の結果などについて、その要因や根拠を考察し、説明すること』に課題がある本市児童の実態により対応することができるものである。」と付されています。次に31ページを御覧ください。「東京書籍」でございます。はじめに、「2 学習方法の工夫」の「(1) 興味・関心を高めるための工夫」についてですが、特徴として、丸(〇)の三つ目、「広島市内の写真(森林公園こんちゅう館、江波山気象館、鈴張川)を掲載している。」と書いてありますが、教科書では、3年生の155ページを御覧ください。森林公園こんちゅう館等の写真を掲載し、本市の児童の興味を引く工夫を施しております。5年生の教科書も同様に示しています。答申を御覧ください。「(2)問題解決能力を育成するための工夫」の丸(〇)の一つ目、「全学年において、2ページ使用し、理科の学習の進め方の順序が分かるようにイラストと文字で示され、各学年で重視すべき問題解決の能力についても記述している。」と書いてありますが、教科書では、5年生の2、3ページを御覧ください。問題解決の過程を、「問題をつかもう」、「問題」、「予想しよう」、「計画しよう」、「観察1、実験1」、「結果」、「考えよう」、「まとめ」の順を示すとともに、「説明しよう」と記述し、学んだことを使用して説明させる工夫を施しています。答申を御覧ください。「5 言語活動の充実」の「(1)観察・実験の結果を整理し、考察する学習活動の工夫」についてございますが、特徴として丸(〇)の二つ目、「5年『ふりこのきまり』におきまして、実験の結果を表に表し、『考えよう』という項目を立ててグラフ化させ、グラフの比較から考察に進むようにしている。」と書いてありますが、5年生の148ページを御覧ください。この単元は「エネルギー」の領域です。問題解決の過程におきまして、考察する学習活動を充実させるために、「考えよう」という項目を立てて、結果から考察へ進む際の過程を丁寧に行う工夫を施しております。また、手書き風の表とグラフ例を示し、実験した結果も表とグラフで表すことの必要性を示す工夫を施しています。さらに、考察する際の手立てとして、グラフ化させ、条件を変えたときのふりこの周期の違いを容易に比較できるよう工夫を施しております。答申にお戻りください。以上の特徴から、意見として、「東京書籍の教科書は、本市で使用する教科書としてふさわしい」、その理由として、「東京書籍の教科書の特徴は、児童が興味・関心をもって学習を進めることができ、問題解決の過程に沿って学習を進め、単元末に説明する活動を位置付けてあり、『基礎的・基本的な知識及び技能を活用する力』『観察、実験の結果などについて、その要因や根拠を考察し、説明すること』に課題がある本市児童の実態に対応することができるものである。」と付されています。以上のことから、答申は「よりふさわしい教科書」として「教育出版」、「ふさわしい教科書」として「東京書籍」となっております。以上で、理科の説明を終わります。よろしくお願いいたします。

井内委員長

 はい、ありがとうございました。理科についてただ今、事務局の方から、審議会の答申の内容の説明がございました。何か、御質問、御意見ございませんでしょうか。

溝部委員

 持続可能な社会を構築するっていう課題があって、子どもたちもそういう視点で育てられていると思うのですけれども、環境教育の視点で、理科の教科書の中で、どのように扱っていますか。

指導第一課長

 環境教育の一層の推進から、地域の特性を生かした保全、こうした内容の学習や、環境への負荷に留意した学習の充実を図ることが挙げられています。中でも、「教育出版」の教科書では、「かんきょうミニずかん」について、6年生の200ページから205ページで紹介されています。

溝部委員

 「東京書籍」の方にはないのですか。

指導第一課長

 「東京書籍」の方も、6年生の188ページにあります。

溝部委員

 入っているのですね。分かりました。

鈴木委員

 本市が課題としているのは、活用力だと思うのですね。分かったことを使って次に生かしていくっていうことです。先程の学習の進め方というところが見開きにあるというところを比較してみますと、「東京書籍」の方は、まとめて説明するというところなのですけれども、「教育出版」の方は、「分かった」、「既習事項を使って次の新しい疑問を発見する」というところがあって、習ったところを生かして次を考えるという構成がよりよいのではないかと思いました。先程の「ふりこ」のところでも、自分で活用して、自分で作っていけるといったところが使いやすいと思います。

溝部委員

 そうですね、やっぱり、問題解決的な学習の最たる教科だと思いますけれども、その道筋がちゃんと、特に「教育出版」の方では、「はてな?」から始まって、「調べよう」、それから「調べた結果」、「分かった」という、一連の流れに全て統一されてあるので、学習は進めやすいかなと思いました。それから、同じくこれは、「教育出版」の後ろ表紙に、「安全の手引き」というのがあり、これは素晴らしいと思いました。「東京書籍」の方にありますか。これは、中にあるのですかね。

指導第一課長

 中に入っています。

溝部委員

 「教育出版」は分かりやすくていいですよね。後ろ表紙にあるっていうことは。全学年にあるのだろうと思ったのですけど。ここすごく大事なことです。

指導第一課長

 安全の手引きですね。全学年ですね。

溝部委員

 ここにあるということで、分かりやすい配置ですよね。

指導第一課長

 はい。

 あと、溝部委員のお考えから、問題解決能力ということで、審議会でも解決の足跡が残っているということで、すごくこれはいいのではないかという意見が出ておりました。

井内委員長

 理科の特徴だと思うのだけど、「教育出版」の方は、「予想しよう」、「計画しよう」みたいなのがあって、すごく大事だと思います。理科の勉強っていうのは、「どうしてこういうことになるか」と、予想を立てて、何かをするっていう、そういうステップがないといけないんですよね。だから、「東京書籍」は、全体を通して、全部、「つかむ」、「調べる」というふうな流れでやっていますよね。だから、ちょっと理科としての特徴から言うと、「教育出版」の方がいいかなというふうな印象をもちました。想像力ですよね。
 他は、よろしいでしょうか。

尾形委員(教育長)

 今、委員長が言われた仮説を立てると言うところは確かに大事です。今の「ふりこ」の67ページでも、探究していくという態度、最後は、こっちの方は、「きまりまで見つけてみよう」とか、最後に「やってみよう」「長さと関係があるのではないんかな」というところを、「やっと分かってきた」、「もう一度、刻みを小さくしてみよう。何か決まりがあるんじゃないか」というところで、きまりまで探究してみようというところもいいのではないかなという気がしました。それと、さっき説明もありましたが、季節感というか、同じところの春夏秋冬を示すというのはいいなと思います。これは初めてですね。こういう構成は。

指導第一課長

 ここに示されたのは、観音小学校でございます。観音小学校のグランドです。

尾形委員(教育長)

 それがまた、季節によって、同じところが変わっていくというのが入っています。これが見開きで使ってあって、違いに気付くことができると思います。

井内委員長

 観音小学校とは知らなかったですね。

溝部委員

 知らなかったですね。書いてないですね。

指導第一課長

 4年生の6ページにですね、観音小学校まで書いてないですけど、広島県広島市と書いてあります。

井内委員長

 うん、書いてある。

溝部委員

 書いてありますね。

井内委員長

 はい、わかりました。他には御意見ございませんか。それでは、理科については「教育出版」の方が良さそうだということで、「教育出版」の教科書を採択するということでよろしいでしょうか。
 (異議なし)
 はい、ありがとうございました。では、理科は、「教育出版」を採択することにします。ありがとうございました。それでは次にまいりましょう。生活について、答申の内容の説明を事務局からお願いします。

指導第一課長

 それではこれから、生活について説明します。答申では、37ページから45ページでございます。37ページを御覧ください。こちらについては、「本市の実態や児童の状況」、「調査・研究の観点と視点」を示しております。御覧ください。38ページを御覧ください。これから、「よりふさわしい教科書である」と意見を付されています38ページの「東京書籍」と、「ふさわしい教科書である」と意見が付されております41ページの「教育出版」の教科書について説明します。38ページの「東京書籍」の教科書は、「1 基礎・基本の定着」の「⑵自分と身近な人々、社会及び自然とのかかわりに関心をもつための工夫」や「3 内容の構成・配列・分量」の「(1)単元・内容の配列及び分量」及び「5 言語活動の充実」の「(1)伝え合う活動を通した交流の場の設定やその工夫」の点において大きな特徴があります。はじめに「1 基礎・基本の定着」の「(2)自分と身近な人々、社会及び自然とのかかわりに関心をもつための工夫」についてでございますが、特徴として、丸(〇)の三つ目、「町探検では、探検を3回設定し、同じ場所、人に繰り返しかかわる探検が設定されている。」と書いてありますが、東京書籍の教科書の下巻21ページを御覧ください。21から31ページまでが、「どきどきわくわくまちたんけん」という単元で、1回目の町探検を設定しております。次に24、25ページを御覧ください。このように町探検の計画を立て、26、27ページのように町探検に出かけます。28、29ページを御覧ください。町探検で見つけたことを教え合い、1回目の町探検は終了です。70から71ページを御覧ください。「もっとなかよしまちたんけん」という単元で、2回目の町探検の計画を立てて、72、73ページのように、2回目の町探検に出かけます。74、75ページでは、さらに、3回目の町探検に出かけ、町の人と、仲良くなります。このように、町の人と繰り返しかかわる単元を3回設定し、地域の良さに気付き、愛着を深めることを大切にする工夫をしています。さらに30ページ、31ページを御覧ください。1回目の町探検から、2回目、3回目の町探検までに、地域に関心をもつページとして、「やってみようまちでさがそう」のページを設定しております。これは、地域の生活の工夫や、季節の移り変わりなどに気付くような冊子を示しており、学校での授業以外でも、地域に関心をもたせる工夫が施されており、繰り返しかかわる活動の支援となっております。答申を御覧ください。次に「3 内容の構成・配列・分量」の「(1)単元・内容の配列及び分量」について説明いたします。特徴として、丸(〇)の二つ目、「スタートカリキュラムを示しており、保護者向けの説明文がある。」丸(〇)の三つ目、「生活科についての保護者向け説明文が掲載されている。」と書いてありますが、教科書では、上巻の1ページを御覧ください。「どきどきわくわく1ねんせいすたあとぶっく」として、9ページにわたりまして、スタートカリキュラムが特設してあります。また、1ページの左下に、「保護者の皆様へ」のコーナーを設けて、入学当初の学校生活や児童の学習についての説明文を示すことで、入学当初の生活にスムーズに適応できる工夫を施しています。さらに、裏表紙の「保護者の皆様へ」では、保護者に向けた生活科の学習の説明文を設けることで、生活科の学習において、保護者の協力を得ることができるよう、工夫が施されています。最後に、「5 言語活動の充実」の「(1)伝え合う活動を通した交流の場の設定やその工夫」についてですが、特徴として、丸(〇)の四つ目、「巻末の『べんりてちょう』に、『見つけたことから考えよう』という思考を促す手立てが示されている。」と書いてありますが、下巻の103ページを御覧ください。巻末に、言語活動の例を示した「べんりてちょう」を設けております。112ページを御覧ください。「見つけたことから考えよう」と示し、見つけたこと、気付いたことから考える工夫が、施されています。具体的な活動や体験の中から、思考を促すための工夫が施されております。答申にお戻りください。以上の特徴から、意見として、「東京書籍の教科書は、本市で使用する教科書としてよりふさわしい」、理由として、「東京書籍の教科書の特徴は、具体的な活動や体験を行う中で、思考を促す活動や気付きを表出する表現活動を行い、気付きの質を高め、児童の意欲の向上につながる指導計画及び指導方法の工夫に重点を置いた授業づくりを推進している本市の実態や、地域や自然とかかわるなどの体験する活動や繰り返しかかわる活動が少ない傾向にある本市の児童の状況に対応することができるものである。」と付されています。次に41ページを御覧ください。「教育出版」の教科書でございますが、はじめに「1 基礎・基本の定着」の「(2)自分と身近な人々、及び自然とのかかわりに関心をもつための工夫」について説明します。特徴として、丸(〇)の三つ目、「町探検では、探検を3回設定し、同じ場所、人に繰り返しかかわる探検が設定されている。」と書いてありますが、教科書では、下巻の16ページを御覧ください。16ページから33ページまでは、「まちが大すきたんけんたい」という単元で、1回目の町探検を設定しています。22、23ページでは、このように探検計画を立て、24から27のように、町探検に出かけます。そして、32、33ページで、町探検で発見したことを伝え合って、1回目の町探検は終了です。そして、52、53ページでございますが、「えがおのひみつたんけんたい」という単元で、1回目の町探検を思い出し、54、55ページでは、2回目の町探検に出かけます。そしてさらに、56、57ページで、3回目の町探検のとき、仕事にチャレンジさせてもらいます。このような、町と人と繰り返しかかわる探検を3回設定し、地域の良さに気付き、愛着を高めることを大切にする工夫を施しております。答申を御覧ください。次に、「3 内容の構成・配列・分量」の「(1)単元・内容の配列及び分量」についてですが、特徴として、丸(〇)の二つ目、「スタートカリキュラムを示している。」丸(〇)の三つ目、「生活科についての保護者向けの説明文が掲載されている。」と書いてありますが、教科書では、上巻の2ページです。「わくわくドキドキしょうがっこう」として、12ページにわたりスタートカリキュラムを示してあります。表紙裏には、「保護者の方へ」を設け、保護者に向けた生活科の学習についての説明を設けることで、生活科の学習において、保護者の協力を得ることができるよう工夫されています。答申にお戻りください。以上の特徴から、意見として、「教育出版の教科書は、本市で使用する教科書としてふさわしい」、理由と致しましては、「教育出版の教科書の特徴は、地域や自然とかかわるなどの体験する活動や繰り返しかかわる活動が少ない傾向にある本市の児童の状況に対応することができるものである。」と付されています。以上のことから、「よりふさわしい教科書」として「東京書籍」、「ふさわしい教科書」として「教育出版」となっております。以上で、生活科の説明を終わります。御審議、よろしくお願いします。

井内委員長

 はい、ありがとうございました。生活について、審議会の答申の説明がありました。何か、御質問、御意見、ございますか。

溝部委員

 生活科の場合は、気付きというのは非常に大事で、知的な気付きを大切にするような指導だとか、得られた気付きをより質的に高める指導というのが、テーマだと思いますけれども、両方の教科書の中で、それが分かるところがあるでしょうか。

指導第一課長

 教科書で説明しますと、「東京書籍」の26から27ページ。上巻です。朝顔の芽が出た様子を写真で提示し、発芽を示しています。他の植物の発芽についての例示と比べ、「チョウみたいなかたち」という表現を示し、気付きを質的に高める工夫を施しています。

鈴木委員

 関連してですが、先程御説明していただいたのは、3回、町に出るっていうのが、非常に特徴だったのですが、その質がちょっと違っていると思いました。「東京書籍」は、最初は物と出会って、次に人と出会って、最後、自分がやってみる。大根を抜くとか、ピザでパンを作るとかっていうふうに主体化していると思うのですね。「教育出版」を見てみると、それがお手伝いレベルなのです。私が見た限りですけれど。やはり物を作って、自分が主体となって、町の一員なのだと生活科は、そういう参加することが大切だと考えてみると、本市の課題としてある、繰り返し関わっていくということとか、質を高めるという点において、「東京書籍」はいいのではないかなと思いました。

指導第一課長

 審議会の方でも、「教育出版」の教科書は、発言のヒントなどがあり、主体的な学習を施すために工夫がされているのではないかという意見は出ていました。

溝部委員

 両方とも、教科書の一番後ろの付録のようなところが、とっても充実していますよね。これを読み比べながら、より一層いいのはどちらかなというふうに見ているのですけども、「べんりてちょう」の方が、内容として深いかなというふうに思っているところです。

鈴木委員

 索引になっているので分かりやすい。

溝部委員

 そうねえ。うん。

井内委員長

 生活科というのは、1年生、2年生でこの上下巻をやるわけですか。それで、この中には社会、理科を一緒にやっているという考え方ですね。町を見ようということと、自然を見ようというのは、ちょっと混在してるのだけど、どう整理するのかなと思います。ちょっとレベルが違う、つまり、こっちは社会、こっちは理科というふうな従来型の考え方で言えば、どちらも同じような構成ということですね。

指導第一課長

 幼稚園や保育園からの発達段階で考えると、一段階、合科的な総合的な学習があった方が、なじみやすいのではないだろうかということで、こういう教科が設けられたということです。

井内委員長

 ということですね。

鈴木委員

 低学年は未分化というふうにされていて、自然に方向付けて考えるのと、社会に方向付けて考えるというのが、両方入っている教科です。3年になったら、理科、社会というふうに分かれていく。カリキュラムの説明なのですけど、言われたように、はっきりと分ける必要があると思うんですよ。これは自然に方向付けられていて、これは社会に方向付けられているっていうことが、教科書で示されているところが大事だと思います。幼児から小学校に入って、社会科的なこと、理科的なことのような発達段階の流れです。だから、例えば「秋と友だちになろう」というようなことがあったときに、友だちになるってことに意味があるわけではなくて、秋とは何か、秋に何が変わるのか、春にあった野花が秋にはこう変わっていくっていう自然のことわりみたいなものです。理科というのは日本にしかないらしいですよ。ローマ字で理科って言えば通じるらしいです。よその国はサイエンスなのですね。理科というのは自然のことわりを学ぶのだということを聞いたことがあります。理科は、自然の移り変わりを知り、社会は社会のことわりを知るということです。

井内委員長

 今の説明で大変よく分かりました。そうやって言われたら、ヒューマンというようなことと、こう対比しながら学べという方向なのですよね。

鈴木委員

 まだ親が、生活科を習っていない世代なのですよね。だから、保護者向けに生活科って何をするのですかというのが入っているのがいいと思います。

尾形委員(教育長)

 スタートカリキュラムが入っています。「教育出版」の方は、スタートカリキュラムはどこからどこまでですか。「わくわくどきどき小学校」というところまでですか。

指導第一課長

 「教育出版」は、13ページです。

尾形委員(教育長)

 13ページのところですね。「東京書籍」もスタートブックになっていますが。

指導第一課長

 9ページです。

尾形委員(教育長)

 スタートブックは「自分でできるよ」、最後は、「明日も楽しみだな」となっています。生活科だから、自分と人とのかかわりとか、人と町とのかかわりとか。特に「東京書籍」の1年の下巻なんかを見ると最後の3回目の町探検を終わった後で、人に伝えたいというか、今度はここの町のすてきなところを伝えたいなとかね、人、そしてそれから町と自分とのかかわりとか、まさに生活科のねらっているところが効果的かなという気がしました。「東京書籍」はね。

指導第一課長

 審議会では、町探検のところがかなり取り上げられています。

尾形委員(教育長)

 面白いね、町探検の話。

溝部委員

 基本的には何回行ってもいいのですよね。何回とかないのですよね。

指導第一課長

 これ以外の教科書は2回です。

溝部委員

 そう。複数回行くということは確かですよね。

指導第一課長

 3者が3回で、4者が2回です。結構取り上げ方が違いますね。

尾形委員(教育長)

 教師がこれを手に取ったら授業したくなると思います。楽しいから、やってみたい気がしますよね、この教科書を見ると。

溝部委員

 命に関する内容っていうのはどこかに入っていますか。

指導第一課長

 命ですか。巻末に、「東京書籍」の112ページの「あんぜんにきをつけよう」で、「教育出版」は、下巻の108ページの防災的な「大雨が降る」こういうふうなところです。

溝部委員

 もう一つ、動植物の命はどうですか。

指導第一課長

 ハムスターですかね。「東京書籍」では、上巻58ページに、「みんなでどうぶつをかおう」、ウサギ、ハムスターとか。

溝部委員

 様子がおかしいときに先生に相談しようとかですね。

指導第一課長

 そうですね。きれいな手で触ろうというのもあります。

栗栖委員

 生活科は発行者が一番多いですね。これはやはり取り組みやすいということですか。検定によるのですかね。

指導第一課長

 そうですね、多い少ない、そこは何とも言えないのですが。

井内委員長

 それではだいたい議論はよろしいでしょうか。それでは生活についてはですね、「東京書籍」のがよりふさわしいということですね。ですから、「東京書籍」を採択するということでよろしいですか。
 (異議なし)
 それでは、生活科は「東京書籍」の教科書を採択することにいたします。ありがとうございました。
 はい、続きまして音楽ですね。答申の説明を事務局からお願いいたします。

指導第一課長

 答申ですが、46~48ページに示しております。
 まず、46ページを御覧ください。46ページには「本市の実態や児童の状況」を示しておりますので御覧ください。また、「調査・研究の観点と視点」についても御覧ください。それでは、「よりふさわしい教科書」であると意見を付されております47ページの「教育出版」と「ふさわしい教科書である」という意見を付されている48ページの「教育芸術社」の教科書について説明いたします。47ページの「教育出版」の「1 基礎基本の定着」の「⑶技能を定着させるための工夫」について説明いたします。特徴として丸(〇)の二つ目、「2年生では鍵盤ハーモニカで『指かえ』、『指くぐり』、『指またぎ』を使う曲を1曲扱い、弾き方を写真で示している。3年では復習のため、オルガンで『指くぐり』と『指またぎ』の二つを同時に使う曲を1曲扱い、写真で示している。」と書いてありますが、教科書では教育出版の2年、21から23ページを御覧ください。「ドレミで歌ってからひこう」の単元ではこのように、黒鍵二つの山、三つの山と見立てて「指かえ」について音階や指の番号を示しながら3段階に分けて写真と言葉で説明しています。また、「指くぐり」や「指またぎ」についても写真と指の番号、言葉で示し、簡単な練習曲を用いて丁寧に扱い、定着を図っています。これは、3年生の教科書にも繰り返し同じように示しております。このように技能を定着させるための工夫を施しております。答申を御覧ください。特徴として、丸(〇)の四つ目、「3年生のリコーダーの導入では、リコーダーのつくりと構え方、穴のふさぎ方を写真で示している。」と書いてありますが、教科書では3年生の教科書の16ページを御覧ください。リコーダーのつくりを示すとともに18ページのように構え方を写真で大きく示しております。続いて、18ページ、19ページを御覧ください。リコーダーの運指やタンギングについて絵と言葉で示しております。また、息の入れ方につきましては、大きなシャボン玉をつくるときのよう息で吹くように、イラスト付きで説明しているなど、技能を定着させるための工夫を施しています。答申を御覧ください。「4 内容の表現・表記」の「⑴表現と学習内容の適切な関連付け」でございますが、特徴として、丸(〇)の一つ目、「国歌は2ページで扱っており、歌詞と楽譜を示しており、さらに、細石の写真や歌詞の大意の説明を示している。」と書いてありますが、教科書では5年生の教科書、72から73ページを御覧ください。細石の写真や歌詞の大意を示すことで表現の内容を関連付ける表記の工夫を施しております。これは1年生から6年生の全ての教科書において示しております。答申にお戻りください。特徴として、さらに丸(〇)の二つ目ですが、「共通教材は見開きで縦書きの歌詞と楽譜で示している。大きなイラスト、もしくは写真でページ全体が1枚の写真のようなレイアウトになっている。全ての曲に活動のポイントを示している。」と書いてありますが、教科書では5年生の教科書の8ページを御覧ください。大きな写真を示しており、また、10ページのようにこいのぼりにまつわる話や「リズムの違いを生かして歌おう」、「曲の中で一番盛り上がるところを見つけて歌おう」と歌うときのポイントになる言葉を楽譜の下に示しております。さらに、歌詞の意味を示すことで歌詞の情景を思い浮かべやすくし、内容と表現とを適切に関連付け、豊かな表現につながる工夫を施しております。最後に「5 言語活動の充実」でございますが、「(1)鑑賞における言語活動の工夫」についてですが、特徴として、丸(〇)の三つ目、「2年以上の巻末には、『音楽を表すいろいろな言葉』のページが設けられ、さらに言葉を見つけた場合は、新たに記入できる欄がある。」ということで、教科書では5年生の75ページを御覧ください。「音楽を表すいろいろな言葉」を書く欄を設け、「速さや強さを表す言葉の例」や「音楽の感じを表す言葉の例」などを示しております。音楽を通して気が付いたり、感じたりしたりしたことを表現する言葉を書きためることで感じたことを言葉で表すことができるよう工夫を施しております。答申にお戻りください。以上の特徴から意見として、「教育出版の教科書は本市で使用する教科書としてよりふさわしい」、理由といたしまして、「教育出版の教科書の特徴は、児童の生活経験の乏しさから共通教材に表現されている状況を思い浮かべることができず、感じたことを言葉で表すなど、豊かに表現することができにくく、音楽活動の基礎的な能力、特に楽器の演奏に課題がある本市児童の状況に対応することができるものである。」と付されております。続いて、48ページを御覧ください。「教育芸術社」の教科書でございますが、はじめに、「2 学習方法の工夫」の「⑴音楽づくりの学習の扱い」についてでございますが、特徴として、丸(〇)の一つ目、「『音楽づくり』として、全学年でリズムづくり、旋律づくりの活動が設定され、1年から3年はイメージを音楽で表す活動が設定される。」と書いてありますが、教科書では4年生の教科書41ページでございます。音楽づくりの活動の手順を示し、それに沿って活動すると音楽をつくることができるよう工夫を施しております。リズムづくり、旋律づくりの活動は1年から6年全ての教科書に同じように示しております。答申を御覧ください。「4 内容の表現・表記」の「⑴学習内容等の適切な関連付けでございますが、丸(〇)の二つ目、「共通教材は見開きで縦書きの歌詞と楽譜で示している。大きなイラスト、もしくは写真がある。全ての曲に歌の説明を示している。」と書いてありますが、教科書では6年生の教科書39ページでございます。御覧ください。このように大きな写真を示しています。さらに歌詞の意味を示すことで歌詞の状況を思い浮かべやすくし、内容と表現を適切に関連付ける表記と工夫を施しております。それは1年生から5年生全ての教科書に同じように示しております。答申の最後でございますが、「5 言語活動の充実」の「⑴鑑賞における言語活動」についてでございますが、特徴として、丸(〇)の一つ目、「鑑賞する際のポイントや児童の発言の例を示しており、気付いたことや感じとったことを友達に伝えようと促す文がある。」ということで、教科書では3年生の45ページでございます。鑑賞する際のポイント、キャラクターと吹き出しを示しております。また、2年生の55ページです。こちらも同様に児童絵と吹き出しで感想の例を示しています。感じたことを言葉で表現することができるよう鑑賞における言語活動の工夫を施しております。答申を御覧ください。以上の特徴から、意見として、「教育芸術社の教科書は本市で使用する教科書としてふさわしい」、その理由として、「教育芸術社の教科書の特徴は、感じたことを豊かに表現することができにくい本市児童の実態に対応することができるものである。」と付されております。以上のことから、「よりふさわしい教科書」として「教育出版」、「ふさわしい教科書」として「教育芸術社」となっておりますので、御審議よろしくお願いいたします。

井内委員長

 はい、ありがとうございました。ただ今、音楽について説明がありました。何か御質問,御意見ございませんでしょうか。

鈴木委員

 質問といいますか、「教育出版」の3年生の67ページに手話が入っているのですけども、これはどの教科書にもあるのですか。「教育出版」の特徴なのかなと思うのですが。

指導第一課長

 これはですね、あるところとないところがあります、これは「教育出版」の特徴の一つではあります。

鈴木委員

 感想としては、2年生のところで見せていただいた69ページの、音楽を言葉で表すっていうのがありましたよね。これ、ある国の例として優しさを音楽で表しなさいとか、オレンジの色を音楽で表しなさいみたいなのがあるのです。そうすると、十人十色になるのです。すると、多様な楽しみ方ができて、音を楽しむとか、言語で共通の感覚が育っている点で面白いと思いました。こういうところはいいなと思いました。

溝部委員

 「教育出版」の教科書の、一つずつの楽曲の右のページ、例えば5年生の16、17ページ、これは合唱の響きで聞き比べるという単元ですけれども、その楽曲のところの右の上に音楽を構成する要素、こういうことに気を付けてこの楽曲を聞きましょうとかいうようなものは、全てのところで載っていますね。音楽の構成要素だと思うのですが、そういうことを意識しながら先生も子どもたちも学習ができるのではなかろうかということが、いいところだなと思います。同じように教科書の学年の一番後ろには、その楽曲の音楽の元とか、共通事項が全部まとめてあって、さっきの言語活動のところもそうですけど、そこは学習するのに分かりやすい教科書の仕立てになっているというように思います。「教育芸術社」も同じようにやっているのですが、そこのところが少し抽象的というのか、子どもたちにとっても目標だとかめあてがちょっと広すぎるかなというのを感じています。音づくりは「教育芸術社」の教科書がいいというふうに私は判断しております。感想でした。

指導第一課長

 溝部委員の意見は、まさに審議会で議論になりまして、音楽づくりのほうでは「教育芸術社」でしょうが、やはり、言語活動の充実という面で、用語の解説であるとか、そういうのが丁寧に書かれているのは「教育出版」ではないかという審議会の議論になりました。

溝部委員

 そうですね。あとは唱歌だとか、民謡だとか郷土の歌とか、日本の歌とかをとても大事にするように方向性が出ていると思いますが、両方とも同じぐらい扱っておられますよね。

井内委員長

 日本の伝統芸能ですね。何か他に御意見はございますか。音楽については審議会からは「教育出版」が「よりふさわしい」という答申が出ておりまして、それから、「教育芸術社」は「ふさわしい」ということになっておりますが、特別、これに反するようなことはないと思いますので、音楽については「教育出版」の教科書が「よりふさわしい」と考えてよろしいでしょうか。
 (異議なし)
 それでは、音楽は、「教育出版」を採択するということにいたします。どうもありがとうございます。続いて、図画工作でございます。答申の説明は事務局からお願いいたします。

指導第一課長

 はい。それでは図画工作について説明いたします。答申では49から51ページでございます。まず49ページの「本市の実態や児童の状況」、また「調査・研究の観点と視点」については御覧ください。続いて、これから、「よりふさわしい教科書である」という意見が付されている51ページの「日本文教出版」と「ふさわしい教科書である」という意見が付されております50ページの「開隆堂」の教科書について説明いたします。51ページを御覧ください。まず、日本文教出版の教科書でございますが、はじめに「1 基礎・基本の定着」の「(1)題材の目標の示し方」について説明いたします。特徴として、丸(〇)の一つ目、「学習のめあては四つの視点でマークと文で題材名の横に示している。」と書いてありますが、教科書では3・4年生の上巻20、21ページを御覧ください。「うれしかったあの気持ち」の絵を描く題材について題材名のすぐ横に学習のめあてを「心にのこったことを楽しみながらかこう。」「心にのこっている、あらわしたい場めんを考えよう。」「そのときの気もちが表れるようにくふうしよう。」「友だちのあらわし方のよさを見つけよう。」というように四つの視点で示しています。どんなことをどのように表すのか等、めあてと見通しをもつことができるよう工夫を施しております。続いて、「1 基礎・基本の定着」の「(2)材料・用具の取り扱いと表現方法の紹介」でございます。これについて説明いたします。特徴として丸(〇)の一つ目、「巻末の6ページで材料・用具の取り扱い方について掲載している。初めて扱う用具や材料については名前や取り扱い方を詳細に解説している。」と書いてありますが、教科書では「日本文教出版」の教科書、3・4年生の下巻、巻末の52~57ページを御覧ください。これは学習指導要領に合わせて初めて使う材料や用具について詳細に記載しております。これにより、児童の生活経験の不足を補い、材料や用具について正しく理解することで図画工作への苦手意識が軽減できるよう工夫が施されています。このことは1・2年生から5・6年生の教科書に同じように示しています。続いて、答申を御覧ください。「2 学習方法の工夫」の「⑴興味、関心を高めるための工夫」でございますが、丸(〇)の三つ目、「リード文を授業の導入時に使いやすい言葉で示している。」と書いてありますが、教科書では3・4年生の上巻、20から21ページを御覧ください。「うれしかったあの気持ち」の絵をかく題材で「心にのこったことはどんなことかな。どんな気もちがしたのかな。かんじたことがあらわれるようにかいてみようというリード文を示し、どんなことを絵に表すのか発想の手がかりを持たせる工夫を施しております。さらに、「2 学習方法の工夫」の「(2)活動の流れやポイントの示し方」についてでございますが、特徴として、丸(〇)の一つ目、「題材の始めから片付けまでの流れや制作過程に沿うように写真や文、枠等を配置している。」と書いてありますが、教科書の3・4年生の下巻の12~13ページを御覧ください。これまで特徴として紹介した四つのめあてとリード文で導入し、児童がイメージを膨らませる段階、制作する段階、確かめる段階、そして、活動後の片付けの段階というように、段階を追うように説明や写真を掲載しております。必要に応じて「気をつけよう」というコーナーを設けて安全についても示しております。これにより、見通しをもって計画的に表現活動に取り組めるよう工夫を施しております。これは、1・2年から5・6年の教科書に同じように示しています。最後に、「5 言語活動の充実」の「(1)鑑賞における言語活動の工夫」についてでございますが、丸(〇)の三つ目、「アートカードの活用や芸術作品の鑑賞の仕方を紹介している。」と書いてありますが、教科書では5・6年生の上巻の11ページでございます。ここでは、教科書で取り上げている作品をアートカードとして扱う題材としておりますが、これは各地の美術館が制作しているアートカードを意識したものであり、児童の生活する学習環境に左右されず、美術館と連携した鑑賞学習を推進するための工夫を施しております。答申にお戻りください。以上の特徴から、意見といたしまして、「日本文教出版の教科書は本市で使用する教科書としてよりふさわしい」、その理由として、「日本文教出版の教科書の特徴は活動への見通しがもてず、計画的に粘り強く表現活動に取り組めないなどの本市児童の課題や美術館の有無など児童の学習環境に大きな違いがある本市の実態に対応することができるものである。」と付されております。続いて答申の50ページを御覧ください。「開隆堂」の教科書でございます。はじめに、「1 基礎・基本の定着」の「(2)材料・用具の取り扱いと表現方法の紹介」について説明いたします。特徴として、丸(〇)の一つ目、「巻末2~4ページで材料・用具の扱い方について掲載している。その学年で初めて扱うものだけでなく、以前扱ったものについてのコーナーも設けている。」とありますが、教科書では「開隆堂」の3・4年生の下巻の巻末42~45ページを御覧ください。「もう一度確かめよう」というコーナーを設けまして、1・2年生の下巻で紹介したカッターナイフや3・4年生の上巻の教科書で紹介したのこぎりについても掲載しております。このように児童の生活経験の不足による図画工作への苦手意識の軽減を図る工夫が施されています。最後に、「2 学習方法の工夫」の「(2)活動の流れやポイントの示し方」について説明いたします。特徴として、丸(〇)の二つ目、「題材の最後に『ふりかえって話し合おう』という自己評価コーナーを掲載している。」と書いてありますが、教科書では3・4年生の下巻27ページを御覧ください。題材の最後に、「ふりかえって話し合おう」のコーナーを設け、活動を振り返る視点を示し、めあてを確認し、自分の達成度を自己評価できるようにしています。このように、活動のめあてや見通しをもたせるための工夫が施されています。答申にお戻りください。以上の特徴から、意見として、「開隆堂の教科書は、本市で使用する教科書としてふさわしい」、その理由として、「開隆堂の教科書の特徴は、生活経験の不足から図画工作に苦手意識をもっているという本市児童の課題に対応する他、活動への見通しを持つことができず、計画的に粘り強く表現活動に取り組めないという本市児童の状況に対応することができるものである。」と付されております。以上のことから答申は「よりふさわしい教科書」として「日本文教出版」、「ふさわしい教科書」として「開隆堂」となっております。以上で図画工作の説明を終わります。よろしくお願いいたします。 

井内委員長

 はい、ありがとうございました。ただ今、図画工作について事務局から審議会の答申の説明がございました。御質問、御意見ございませんでしょうか。

鈴木委員

 「日本文教出版」を見ると、単元のはじめのところにねらいが四つ書いてありますけど、それは教科書の最初のところの目次にあって、造形遊びをする活動とかもありますし、楽しんですること、考えること、工夫することっていうねらいを書いてある所が要所にあると、子どももそれを見て、今日はこれをするのだなって分かりやすいかと思いました。それと、気を付けることと片付けが入っていることはいいとこだと思いました。片付けまでが授業ですよね。はじめの準備があって、片付けまでが入って授業だというのを子どもが意識できる、あるいは先生が教えてくれると思いますけども、そういう授業の見通しがもてるという点で、「日本文教出版」が扱いやすい教科書ではないかなと思います。

指導第一課長

 さっきの意見、これも審議会でも出されていました。

溝部委員

 質問でいいですか。教科書の内容とは関係ないのですけれども、どっちにしても盛りだくさんですよね。20項目ありましたかね。5年生も6年生もって考えたときに、図工が1年間に50時間の5年生、6年生なのですけれども、これは全部やっておられるのでしょうか、

指導第一課長

 そうですね、教科書はたくさんの題材が掲載されていますね。計画的に授業を実施するということが大切だと思います。

溝部委員

 見て学ぶってところもたくさんあるっていうことですね。

指導第一課長

 そうですね、はい。鑑賞とかは特に。

溝部委員

 感想ですけれども、今の鈴木委員のおっしゃったこととよく似ていますけども、「開隆堂」のいいところもいくつもあるなと思いました。振り返りがあるというのはとても素敵なことで、これが1点。それから、目次のところに使う材料が列挙されていますよね、あれもとてもいいなというふうに思いました。「日本文教出版」は、巻末が何といっても、材料とか使い方とか、基本的な事項が非常に充実しているので、これはもう大変素晴らしいなと思って見ました。以上です。

井内委員長

 はい。他に御意見ございますか。

鈴木委員

 私も感想を付け加えるなら、美術館が入っているのがいいことだと思います。「日本文教出版」にありました。住んでいる地域もいろいろありますので美術館にはなかなか行けないという子どもたちが、ここで美術館の本物の写真を見て、行ってみたいなって思えるような仕組みですよね、アートカードですかね。美術館に方向付けられているという、そういう例があるというのはいいことだなと思いました。

指導第一課長

 アートカードはこちらの教科書にしかないのですよ。

鈴木委員

 ああ、そうなのですか。

指導第一課長

 はい、「日本文教出版」だけですね。

井内委員長

 私もいいなと思いましたね。ぜひ、本物に触れてほしいという希望があります。外国へ行ったら、日本の絵を見るために一生懸命、美術館へ行くのだけど、日本の美術館にはあまり行かないという傾向があるので、本物に触れるということを美術館で体験して、それをアートカードに残すというのはとてもいい、大きな特権ですね。他はよろしいですか。それでは、図画工作は、「日本文教出版」の教科書がふさわしいということで審議会の答申どおりで、よろしゅうございますか。
 (異議なし)
 それでは図画工作は「日本文教出版」の教科書を採択いたします。どうもありがとうございました。
 次へまいりましょうか。次は家庭ですね。家庭について答申の説明を事務局からお願いします。

指導第一課長

 それでは家庭について説明いたします。答申は52から54ページでございます。52ページでは「本市の実態や児童の状況」、また「調査研究の観点と視点」としておりますので御覧ください。これから、「よりふさわしい教科書である」と意見を付されております54ページの「開隆堂」と「ふさわしい教科書である」という意見が付されている53ページの「東京書籍」の教科書について説明いたします。54ページの「開隆堂」の教科書でございますが、「基礎・基本の定着」の「(3) 基礎的・基本的な知識・技能の習得の工夫」について説明いたします。特徴として、丸(〇)の二つ目、「実習や計画の手順を分かりやすく横一列の帯で表記し、手順ごとに図・絵・写真を併記している。」と書いてありますが、教科書では、「開隆堂」の教科書の48ページを御覧ください。「みそ汁のつくり方」が示してあります。視線の流れを考慮して手順をオレンジ色の横一列の帯で示しております。特に、調理実習の手順は丁寧で児童によく分かるように説明と写真で示しております。このことは、他の題材でも同じように示しております。
 答申を御覧ください。次に、「2 学習方法の工夫」の「(1)実践的・体験的な活動をとおして、実感を伴って理解するための工夫」についてでございますが、丸(〇)の一つ目、「実践的・体験的な活動の事例及び作品例として73事例取り上げている。」と書いてありますが、教科書では106から107ページを御覧ください。既習内容を生かして家族や地域の人々に感謝の気持ちを伝える事例を1題材の中で、四つ取り上げています。多様な事例を取り上げることで、児童の意欲が高まり、実践的・体験的な活動をとおして実感を伴った理解につながる工夫が施されています。このことは他の題材でも同じように示しております。答申を御覧ください。次に、「3 内容の構成・配列・分量」の「(2)生活に生かす工夫及び発展的な学習に関する工夫」についてでございますが、特徴として、丸(○)の四つ目「学んだことを家庭で活かせるように『家庭で実践しようチャレンジコーナー』を5年生で3回、6年生で2回設定している。」と書いてありますが、教科書では50ページを御覧ください。実践例や製作例、調べ学習例などを豊富に示すことにより、長期休業を利用して学んだことを実践することができるように工夫が施されておいます。
 終わりに、「4 内容の表現・表記」の「(1) 挿絵・写真等の資料の活用の工夫」についてでございますが、特徴として、丸(〇)の一つ目、「活動内容が分かるように写真を数多く掲載している。」と書いてありますが、教科書では6ページを御覧ください。題材のはじめは、必ず題材名やめあてとともに写真で示すことにより、題材の見通しは一目でもてるよう工夫が施されています。さらに、答申へお戻りください。以上の特徴から意見として、「開隆堂の教科書は本市で使用する教科書としてよりふさわしい」、理由といたしまして、「開隆堂の教科書の特徴は、日常生活に必要な基礎的・基本的な知識や技能を家庭で習得する環境が少なくなっているという本市の実態や学習したことを生かして家庭で実践する力に課題がある本市児童の状況に対応することができるものである。」と付されています。続いて、答申の53ページを御覧ください。「東京書籍」の教科書でございます。はじめに、「1 基礎・基本の定着」の「⑶基礎的・基本的な知識・技能の習得の工夫」についてでございますが、特徴として、丸(〇)の三つ目、「巻末拡大版の実物大写真では、左利きや個に応じた方法を説明している。」と書いてありますが、教科書では、東京書籍の教科書、114から124ページを御覧ください。「いつも確かめよう」というコーナーを設けて、特に115、117ページの包丁の使い方や、119ページで針の使い方を実物大の作業場面の写真を掲載したり、左利きの場合を併記したりと基礎技能の習得について個に応じた工夫を施しております。答申を御覧ください。次に、「2 学習方法の工夫」の「(1)実践的・体験的な活動をとおして実感を伴って理解するための工夫」についてでございますが、特徴として、丸(〇)の一つ目、「実践的・体験的な活動の事例及び作品例として54事例を取り上げている。」と書いてありますが、教科書では、109~112ページを御覧ください。家族や地域の人々に感謝の気持ちを伝える事例を1題材の中で三つ取り上げています。新聞、手作りプレゼント、パーティといくつかの事例を取り上げることで児童の意欲も高まり、実践的・体験的な活動を通して実感を伴った理解につながる工夫が施されています。このことは、どの題材でも同じように示しております。終わりに、「3 内容の構成・配列・分量」の「(2)生活に生かす工夫及び発展的な学習に関する工夫」ですが、特徴として、丸(〇)の三つ目、「学んだことを家庭で生かせるように自由研究を各学年、2回ずつ設定している。」と書いてありますが、教科書では51ページ、81ページを御覧ください。ここでは「自由研究」のコーナーを設けることにより、学習内容を実生活に活用することができるような工夫が施されております。最後に、答申にお戻りください。以上の特徴から、意見として、「東京書籍の教科書は本市で使用する教科書としてふさわしい」、理由といたしまして、「東京書籍の教科書の特徴は、日常生活で必要な基礎的・基本的な知識や技能を家庭で習得する環境を少なくなっているという本市児童の状況に対応することができるものである。」と付されております。以上のことから、答申は「よりふさわしい教科書」として「開隆堂」、「ふさわしい教科書」として「東京書籍」となっております。よろしくお願いいたします。

井内委員長

 はい。ありがとうございました。ただ今の家庭についての採択審議会の答申の説明について、何か御質問、御意見はございませんでしょうか。

溝部委員

 言語活動の充実という点ではいかがですか。

指導第一課長

 溝部委員の御指摘のとおり、学習指導要領の改訂に伴い、言語活動を充実するということは、とても大事な観点ということです、2者の教科書については言葉や図表などを用いて学ぶ活動場面を多く設定しております。特に「開隆堂」でございますが、52ページを御覧ください。「じょうずに使おうお金と物」の題材の最初に「話し合おう」という場面を設定しております。また、53、54ページも「話し合おう」と設定していて、また、55ページは、今度は、「やってみよう」ということで、「買い物名人〇か条」というように話し合いや発表活動を充実するように工夫しております。

溝部委員

 はい。

鈴木委員

 最初のところには、本市の課題として、「家庭で実践する力が不十分ではないか」とありましたが、習ったことを確認するにはどのようにすればよいか考えますと、例えば、先程も御説明がありましたけども、「開隆堂」を見てみますと、73ページに卵焼きの様子が写真でありますよね。子どもたちがやってみた時に、うまくいったかどうか分かりやすい。写真で、しかも順序よく、最初にこれ入れて次はこれ入れてというのが分かりやすくなっていますので、家庭で実践する力ってことを考える時に、写真での場面展開が入っているのはいいことだなと思います。

指導第一課長

 調理例が「開隆堂」は写真で、「東京書籍」は絵なのですね。

鈴木委員

 洗濯のところも、84、85ページですが、洗うところが「もみ洗い」と「つまみ洗い」なんか、写真で入っていますので、言葉でなかなか分かりませんけども、写真であれば、やってみようかなという感じになるかと思います。靴下は、自分で洗える物ですから実践につながるのではないでしょうか。

溝部委員

 「開隆堂」のめあて、「できたかな」、「調べよう」、さらに「チャレンジコーナー」という非常にきちんとしたコーナーがそれぞれにあって、子どもたちが分かりやすくできるだろうなと思います。

指導第一課長

 学校でできることは限界があるので、家庭で教科書を見てできるということで、やはり、いい教科書ではないかと思います。

井内委員長

 この家庭の授業時間はどのくらいですか。

指導第一課長

 5年生は60時間、6年生になりますと55時間ですので、週あたり1から2時間です。

井内委員長

 1から2時間ですね。
 はい。他に御意見ないですか。
 それでは、この家庭については「開隆堂」の教科書がよりふさわしいという審議会の答申でございましたが、これでよろしゅうございますか。
 (異議なし)
 はい、ありがとうございます。
 では、家庭については「開隆堂」の教科書を採択するということにします。どうもありがとうございました。
 はい、次は保健でございますね。それでは最後です。保健について答申の説明をよろしくお願いします。

指導第一課長

 はい、それでは最後に保健です。保健についてでございますが、答申では55から60ページでございます。
 まず最初に55ページの、本市の児童の実態、児童の状況、また、調査・研究の観点と視点につきましては御覧ください。
 次に、「よりふさわしい教科書である」という意見を付されております57ページの「大日本図書」と「ふさわしい教科書である」として残されています60ページの「学研」の教科書について説明いたします。
 最初に57ページの「大日本図書」の教科書でございますが、はじめに、「2 学習方法の工夫」の「(1)興味・関心を高めるための工夫」について説明いたします。特徴として、丸(〇)の三つ目、「自分の成長の仕方や、望ましい生活習慣についての学習では、シールを使用する学習活動を設定している。」と書いてありますが、教科書では「大日本図書」の教科書の3・4年生の16ページを御覧ください。隣のページに「シールを使ってやってみよう」というコーナーを設けまして、1年間で伸びた身長をはさみで切って貼ったり、朝食の献立を貼ったりする活動を行います。右の身長のシールは18、19ページの「大きくなってきた私」で、また、左の食べ物のシールは26、27ページの「よりよく成長するための生活」で活用できます。このように、自分の成長や生活に関して興味や関心を高めるための工夫を施しております。
 次に、答申を御覧ください。「2 実生活、実社会に関連付けられるような記述や内容等」についてでございますが、特徴として、丸(〇)の一つ目、「3年の『けんこうな一日の生活のしかた』では食事、運動、休養、睡眠について、4ページにわたって掲載している。」と書いてありますが、教科書では3、4年生の6から9ページを御覧ください。毎日の生活を17の場面で振り返り、見直す活動を設けております。また、健康に過ごすために食事や運動、休養・睡眠のとり方等についても記述も充実しておりまして、実生活、実社会に関連付けられるような工夫を施しております。
 答申の終わりにお戻りください。以上の特徴から、意見として、「大日本図書の教科書は本市で使用する教科書としてよりふさわしい」、理由といたしまして、「大日本図書の教科書の特徴は、児童が自分の生活習慣に興味・関心をもって学習を進めることができるものであり、児童の基本的な生活習慣の定着を図る取組及び学習したことを実生活に結び付けられるような授業づくりを推進している本市の実態や睡眠時間に課題がある本市児童の状況に対応することができるものであるとされております。
 続いて、60ページを御覧ください。「学研」の教科書でございます。特徴として、「2 学習方法の工夫」の「(2)実生活・実社会に関連付けられるような記述や内容の工夫」について説明いたします。特徴として、丸(〇)の一つ目、「3年の『1日の生活のしかた』では、食事、運動、休養・睡眠について4ページにわたって掲載している。」と書かれておりますが、このことについては、教科書では3、4年生の6から9ページでございます。毎日の生活を6つの場面で振り返り、見直す活動を設けるなど、健康に過ごすための食事や運動、休養・睡眠のとり方について児童の実態において学習を深めることができ、実生活・実社会と関連付けられるというような工夫をしております。
 答申を御覧ください。以上の特徴から、意見として、「学研の教科書は本市で使用する教科書としてふさわしい」、理由として「学研の教科書の特徴は、児童の基本的な生活習慣の定着を図る取組及び学習したことを実生活に結び付けられるような授業づくりを推進している本市の実態や睡眠時間に課題がある本市児童の状況に対応することができるものである。」と付されております。
 以上のことから答申は「よりふさわしい教科書」として「大日本図書」、「ふさわしい教科書」として「学研」となっております。
 以上で保健の説明を終わります。よろしくお願いいたします。

井内委員長

 はい、ありがとうございました。
 ただ今、採択審議会の答申の保健についての説明がございました。御質問、御意見はないでしょうか。

溝部委員

 教科書の大きさですけれども、これがいいかなと思いました。ページ数はほぼ一緒、内容もほぼ一緒で。それから、「大日本図書」は、他の教科書と同じですけれども、「やってみよう」とか、「調べてみよう」とか、明確に何をめあてにしているのかは分かりやすいと思いました。

鈴木委員

 子どもがこれを手にとったときに、シールがあるって、すごく魅力的だなという感じがしまして、シールを貼るために、ご飯を食べようとか、早く寝ようとかみたいな思いもあって、大事なことは保健も学ぶことじゃなくて、実践することだと思いますね。学校の時間ってあまりないですよね。今、溝部委員もおっしゃったようにこの厚さ、大きさというのは魅力的かなと思いました。

指導第一課長

 授業時数が、3・4年生で4時間。

藤本委員

 年間ですか。

指導第一課長

 4時間ずつです。5・6年生で8時間程度です。8時間ずつですので、少ない時間の中で、いかに効果的に学習できるかというのは大事なところです。

溝部委員

 薬物とか、飲酒とか、煙草とか、あの辺りのことは、どちらにも載っているのですか。

指導第一課長

 それぞれ載っておりまして、5・6年生の44ページ。

井内委員長

 そこではもう少し病気のこと、ある意味では生活習慣病に関係するような内容で、今の煙草の問題もそうですけど。食べ過ぎに注意しようとか、そんなものがあるのですね。

指導第一課長

 6年生が病気の予防として、病気の発生原因、予防の方法、喫煙、飲酒、薬物乱用が健康に与える影響の学習を各者、扱っています。

井内委員長

 病気の予防というのがあるのですね。

溝部委員

 生活習慣病ですね。

井内委員長

 ええ。なんか今日の新聞だったかな、がん教育をやろうといって、取り組んでおるとこもあるらしいけど、そのうち、そういうものも入るかもしれない。なかなか、今の時間数では、やれるような状況じゃないですね。
 はい、よろしいですか。他に何か御質問はございませんか。
 はい、それでは保健についてはですね、「大日本図書」の教科書が「よりふさわしい」という見解の答申でよろしゅうございますか。
 (異議なし)
 はい、ありがとうございました。
 それでは「大日本図書」の保健の教科書を採択するということにいたします。どうもありがとうございました。
 はい、それじゃあ、以上ですね、小学校の全種目について審議をいたしまして、それぞれの教科書について採択を決定させていただきました。

指導第一課長

 長時間にわたり、ありがとうございました。採択理由につきましては御審議いただきました内容を基に整理させていただければと思います、

井内委員長

 それでよろしいですね。ありがとうございました。

指導第一課長

 はい、ありがとうございました。資料を回収させていただきます。

井内委員長

 以上で、議案第28号「平成27年度から使用する広島市立小学校用教科書の採択について」は、それぞれの種目の採択について議決しました。御異議ございませんでしょうか。
 (異議なし)
 それでは異議なしと認めまして、これで終了いたします。ありがとうございました。
 以上で予定の議題は全て終了いたしました。
 本日の教育委員会議を終了いたします。
 次回の教育委員会議は、9月12日(金曜日)午前9時30分からです。

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