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平成25年第9回教育委員会議(8月定例会)会議録

平成25年第9回広島市教育委員会議会議録

 平成25年8月28日(水曜日)、平成25年第9回教育委員会議(定例会)を教育委員室において開催した。

1 開会及び閉会に関する事項

  • 開会 午前 9時30分
  • 閉会 午前11時30分

2 出席委員

  • 委員(委員長職務代行者) 溝部 ちづ子
  • 委員 藤本 圭子
  • 委員 栗栖 長典
  • 委員 鈴木 由美子
  • 委員(教育長) 尾形 完治

井内康輝委員(委員長)は欠席

3 事務局等の出席者

  • 教育次長 川添 泰宏
  • 青少年育成部長 児玉 尚志
  • 学校教育部長 隅田 一成
  • 指導担当部長 湧田 耕辰
  • 教育センター所長 生田 一正
  • 総務課長 橋場 忠陽
  • 指導第一課長 市川 昭彦
  • 指導第二課長 登 民夫
  • 特別支援教育課長 島筒 篤
  • 生徒指導課長 開 英治

4 傍聴者等

 5名

5 議事日程

  • 議題1 平成24年度における不登校・いじめ・暴力行為の状況(速報値)について(報告)
  • 議題2 平成26年度広島市立高等学校の入学定員について(報告)【非公開】
  • 議題3 平成26年度使用広島市立高等学校用教科用図書の採択について(議案)【非公開】
  • 議題4 広島市立広島中等教育学校用教科用図書の採択に係る基本方針について(代決報告)【非公開】
  • 議題5 広島市立広島中等教育学校用教科用図書の採択について(議案)【非公開】
  • 議題6 平成26年度使用広島市立広島特別支援学校及び広島市立小・中学校用(特別支援学級)教科用図書の採択について(議案)【非公開】
  • 議題7 平成25年度広島市教育委員会事務点検・評価報告書について(議案)【非公開】

6 議事の大要

溝部委員(委員長職務代行者)

 ただ今から、教育委員会議定例会を開催します。
 本日は、傍聴の方もお見えになっておられますが、お手元にお渡ししております注意事項をよくお読みいただき、静粛に傍聴していただきますようお願いします。
 本日は、井内委員長が所用により欠席されていますので、私が委員長の職務を代行させていただきます。
 なお、井内委員長は欠席されていますが、定足数を満たしています。
 本日の議事録署名者は、栗栖委員と鈴木委員にお願いします。
 それでは、議事に移ります。
 本日の議題は、お手元の議事日程のとおりですが、本日審議予定の議題2から議題7までにつきましては、広島市教育委員会会議規則第7条第8号の規定により、審議を非公開としたいと思いますが、御異議ありませんか。
 (異議なし)
 それでは異議なしと認め、議題2から議題7までについては、非公開と決定しました。
 それでは、議題に入ります。
 議題1「平成24年度における不登校・いじめ・暴力行為の状況(速報値)について」を議題といたします。
 本件は報告案件でございます。内容につきまして、生徒指導課長から報告を受けます。

生徒指導課長

 それでは、議題1「平成24年度における不登校・いじめ・暴力行為の状況」について、報告をさせていただきます。
 資料の2ペ-ジをお開きください。
 平成24年度における不登校、いじめ、暴力行為の状況は、文部科学省の調査に基づいて、本市教育委員会で取りまとめたものです。
 この調査は、各学校から提出された不登校、いじめ、暴力行為のデータを生徒指導課で集計し、県教委を経由して、今後、文部科学省に提出されます。今後、文部科学省は、全国のデータを集計して公表する予定になっています。したがって、本日報告する本市のデータについては、確定値ではなく速報値ということになります。
 1の「不登校の状況」ですが、「不登校」とは、何らかの心理的、情緒的、身体的、あるいは社会的要因・背景により、児童生徒が登校しない、あるいは、したくともできない状況にあることを言います。なお、不登校児童生徒数は、「不登校」を理由として30日以上欠席した者の数になっています。
 表を御覧ください。
 右端に平成24年度の数値を示しています。
 小学校は268人で、これは在籍児童数に対する割合でいうと0.41%、およそ246人に1人になります。
 中学校は705人で、割合は2.41%、およそ42人に1人になります。
 高等学校は69人で、割合は1.16%、およそ86人に1人になります。
 小・中・高等学校の合計は1,042人であり、前年度と比較して、全体で110人減少しています。
 続いて3ページを御覧ください。
 2の「いじめの状況」ですが、「いじめ」とは、当該児童生徒が、一定の人間関係のある者から、心理的、物理的な攻撃を受けたことにより、精神的な苦痛を感じているものをいいます。
 表を御覧ください。
 平成24年度の認知件数は、小学校270件、中学校291件、高等学校13件、合計574件であり、前年度と比較して、全体で357件増加しています。
 3の「暴力行為の状況」ですが、「暴力行為」とは、児童生徒が教師の胸ぐらをつかんだり、教師に暴力を振るったりする「対教師暴力」、児童生徒同士のけんかなどの「生徒間暴力」、見知らぬ児童生徒や大人に対して暴力を振るう「対人暴力」、学校の窓ガラスやトイレのドアなどを故意に破損させたり、修復が必要な落書きなどの「器物損壊」に分類され、4つの形態ごとに実態把握を行っています。
 表を御覧ください。
 平成24年度の暴力行為の発生件数は、小学校117件、中学校472件、高等学校8件、合計597件であり、前年度と比較して、全体では49件減少しています。
 これら不登校、いじめ、暴力行為の状況の詳細については、別添の基礎資料に示しています。時間の関係もありますので、特徴的な部分についてのみ説明させていただきます。
 まず、不登校から説明させていただきます。
 基礎資料の1ペ-ジを御覧ください。
 2の「不登校児童生徒数の推移」ですが、グラフの一番上の「合計」を御覧ください。
 平成20年度をピークとし、4年連続減少しています。これは、「子どもの人間関係づくり推進プログラム」等の予防的生徒指導の推進や、小中連携の取組の成果が出ているものと考えています。
 小学校については、平成15年度以降、平成21年度までは少しずつ減少していました。その後、不登校児童が増加した年度もありますが、ほぼ横ばいの状況が続いており、平成24年度は268人で、23年度の287人と比べると19人減少しています。
 中学校については、平成15年度の965人と比べると、平成24年度は705人に減少しており、平成23年度と比べると122人減少しています。要因としては、小中連携の取組の成果により、中学校1年生の不登校生徒数が減少していることが、中学校全体の不登校生徒の減少につながっていると考えられます。
 高等学校については、平成17年度から調査を始め、平成24年度は69人で、23年度の38人と比べると31人増加していますが、ほぼ横ばいの状況が続いています。
 2ページを御覧ください。
 3の「学年別人数」ですが、学年が進むにつれて不登校児童生徒数が増加し、特に、小学校6年生から中学校1年生にかけて増え幅が大きく、中1から中3にかけて更に増加しています。
 中学1年生で増加する要因としては、いわゆる「中1ギャップ」と言われるように、小学校から中学校へのシステム等の環境の急激な変化への不適応があると考えています。
 中学2・3年生で増加する要因としては、学業の不振や友人関係のトラブルをきっかけとして、学校の中に居場所を見い出せないなど、学校生活に対する意欲の減退などがあると考えています。
 3ページを御覧ください。
 5の「不登校になったきっかけ」では、表の下から6番目にある「不安など情緒的混乱」が301件で最も多くなっており、次いで「無気力」が273件、「学業の不振」が204件となっています。
 6ページを御覧ください。
 9の「相談・指導を受けた機関等」では、表の下から2番目にある「スクールカウンセラー、ふれあいひろば推進員による指導」が、小・中学校ともに多く、小学校では153人(不登校児童の57%)、中学校では272人(不登校生徒の約40%)となっています。
 以上、平成24年度の不登校の状況を説明させていただきましたが、不登校児童生徒数は、ここ数年減少傾向が見られるため、現在、各学校が取り組んでいる生徒指導に関わる小・中連携や、課題の兆候を示す児童生徒を早期に把握し、スクールカウンセラーなどと連携した「いじめ・不登校等への早期支援プログラム」に継続して取り組み、不登校の未然防止に努めたいと考えています。
 しかしながら、中学校においては、不登校生徒が122人減少していますが、依然として憂慮すべき状況であるため、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー等の専門家の増員も視野に入れながら、いわゆる「中1ギャップ」の解消に向けて取り組んでいきたいと考えています。
 続いて、いじめについて説明させていただきます。
 11ページを御覧ください。
 1の「いじめの認知件数の推移」ですが、平成18年度の調査から、文部科学省がいじめの定義を変更したため、グラフが不連続になっています。
 いじめの認知件数は、平成19年度の273件をピークに、その後は、200件前後で推移していましたが、平成24年度は574件と、前年度の217件の約2.6倍に増加しております。
 これは、昨年度、いじめ問題が大きくマスコミで報道されるなど、社会問題化したことにより、児童生徒や保護者の学校への相談件数が増えたことが考えられます。また、各学校が、より一層、児童生徒の言動や内面などをきめ細かく把握したり、いじめに係るアンケート調査を実施する際に、児童生徒が答えやすくなるような質問項目を工夫したりするなどの取組を行ったことによると考えられます。
 2の「いじめの認知件数の学年別・男女別内訳」では、小学校6年生では69件、中学校1年生では133件と、小学校6年生から中学校1年生にかけていじめの認知件数が約2倍になっています。これは、小学校で構築されていた人間関係が、中学校への進学に伴って再編成される際に、生徒間における人間関係構築上のトラブルが表面化するためと考えられます。
 12ページを御覧ください。
 3の「いじめの発見のきっかけ」ですが、表の上から7番目にある「当該児童生徒の保護者からの訴え」が、全体で143件と最も多く、次いで「本人からの訴え」が121件、「学級担任が発見」が99件となっています。
 いじめの発見のきっかけとして、保護者や本人からの訴えや、教職員などの発見が多いことから、いじめの早期発見に向けては、担任を中心とした教職員が保護者との緊密な連携を図るとともに、教育相談を充実させることが重要であると考えています。
 15ページを御覧ください。
 6の(1)の「いじめる児童生徒への対応」では、表の一番上の「学級担任や他の教職員が状況を聞く」が541件で最も多く、次いで「学級担任や他の教職員が指導」が430件、「保護者への報告」が271件となっています。
 19ページを御覧ください。
 7の「いじめの現在の状況」ですが、これは平成24年度に認知したいじめについて集計したデータです。表の一番上にありますように「解消しているもの」が、小学校では270件のうち223件(82.6%)、中学校では291件のうち198件(68%)となっています。
 この数字に、表の2番目の「一定の解消が図られたが継続支援中」のものを含めると、小学校では223件に38件を加えた合計261件(96.7%)、中学校では198件に72件を加えた合計270件(92.8%)が解消しています。
 「解消に向けて取組中」が、小学校で4件、中学校で12件、高等学校で1件ありますが、今年の7月末現在で、全てのいじめが解消していることを確認しています。
 以上、平成24年度のいじめの状況について説明させていただきました。
 平成24年度の認知件数は、大きく増加していますが、認知件数の多い少ないよりも、いじめをいかに早期に認知し、認知した個々のいじめが重篤ないじめになる前に解決することが大切であると考えています。
 こうしたことから、今後も各学校において、「いじめの兆候・サインチェックリスト」などを活用し、児童生徒の状況を的確に把握するとともに、児童生徒に対して「いじめに関するアンケート」や教育相談を定期的に行うなどして、認知したいじめへの適切な対応にも努めていきたいと考えています。
 また、今年度、各学校においては、「いじめの未然防止」と「認知したいじめへの適切な対応」を二つの柱とした「いじめに関する総合対策」に取り組むとともに、本年6月に制定された「いじめ防止対策推進法」の趣旨を踏まえ、より一層、いじめ対策の充実を図ってまいります。
 続いて暴力行為について説明させていただきます。
 22ページを御覧ください。
 1の「暴力行為の発生件数」ですが、平成24年度、小学校では117件の暴力行為が発生しており、前年度の94件と比較して23件増加しています。内訳を見ますと、「器物損壊」は32件から11件に減少していますが、「生徒間暴力」は36件から72件に倍増しています。
 次に中学校の暴力行為は、平成24年度に472件発生しており、前年度の543件と比較して71件減少しています。内訳を見ますと、「対教師暴力」、「生徒間暴力」、「対人暴力」、「器物損壊」のいずれも減少しています。
 23ページを御覧ください。
 3の「学年・男女別加害児童生徒数」です。暴力行為の加害児童生徒数は、中学生がかなりのウエートを占めており、中学1年生は94人、中学2年生は174人、中学3年生は128人となっています。
 以上、平成24年度の暴力行為の状況について説明させていただきました。小・中・高等学校の暴力行為を合計した発生件数は、平成22年度の723件をピークに減少していますが、小学校の暴力行為の発生件数は増加しています。
 暴力行為の発生件数が減少した要因として、丸1平成22年度より実施している様々な課題の予兆を示す児童生徒を早期に把握し、早期支援を行う「いじめ・不登校等への早期支援プログラム」が各学校で定着してきたこと、丸2警察OBであるスクールサポート指導員による中学校への支援を強化したこと、丸3暴力行為を繰り返す生徒については、学校・地域、関係機関などによる「サポート会議」で対応策を協議するとともに、その結果を基に相談活動を行ったり、関係機関と連携した毅然とした指導を行ったことなどが考えられます。
 また、小学校の暴力行為の増加への対応に当たっては、今年度より、全ての小学校に配置した生徒指導主事を中心とした生徒指導体制の充実を図ることができるよう、学校への指導を徹底していきたいと考えています。
 さらに、暴力行為の背景に、ネグレクトなどの虐待に関わるケースも見られるため、スクールソーシャルワーカーによる早期の家庭環境の改善に向けた支援の充実にも努めてまいります。
 以上で、報告を終わります。

溝部委員(委員長職務代行者)

 たくさんの報告なので、まず、「不登校」のところから、御質問等はございませんか。

鈴木委員

 小6と中1の連携をスムーズにするということで、中1のところはかなり解消されてきたと思うのですが、中2というのは難しい学年だということが、今回の調査でも明らかになったと思います。それについて、これまで行ってきた取組と、今後取り組んでいく必要があると考えているものがありましたら、教えてください。

生徒指導課長

 委員御指摘のように、中学校1年生になると、いわゆる「中1キャップ」で不登校・いじめ・暴力行為が急増します。中学1年生については、小中連携を強化しています。例えば、中学校の教員が小学校に出向いて、小学校6年生の子どもを対象に模擬授業をする、あるいは小学校6年生の児童が中学校に出向いて部活を体験するなど、小学校6年生の子どもが中学校に進学することに対する不安や恐れを解消するような取組を強化したことが、かなりの減少に現れたと思います。
 中学2年生についてですが、中2というと、中1の時の緊張感が和らぎます。中学3年生になりますと、進路がありますので、勉強に取り組まないといけないということで、少し中だるみの状況になります。そういうところは、各学校で様々な体験活動、あるいは平成22年度から行っている予防的生徒指導、これは広島大学と連携してプログラムを作成しましたが、そういった協同学習や早期支援プログラムをさらに充実させることによって、中2の問題行動の減少に取り組んでまいりたいと思っています。

藤本委員

 まず質問ですが、基礎資料の6ページに「相談、指導を受けた機関等」として適応指導教室というのがありますが、どのような場で、具体的にどのような指導をされているのかというところをお聞きしたいと思います。
 また、その前の5ページに、「『登校する・できるようになった』児童生徒に対して、特に効果のあった学校の措置」の項目がありますが、個々に発生した不登校の事案について、学校から教育委員会への報告がどの程度あり、教育委員会から学校に対する支援がどの程度あったかを教えてください。

生徒指導課長

 まず、「適応指導教室」についてですが、生徒指導課で4つの教室を運営しています。教育委員会の直営の施設で、「ふれあい教室・中」、「ふれあい教室・東」、「ふれあい教室・西」、「ふれあい教室・北」の4つを運営しております。
 それぞれ、市の施設の中に子どもの居場所を確保して、学習支援をする指導員と相談員を配置しております。指導員は教員の免許を持った者です。
 学校と同じように、授業をしている指導員と、スクールカウンセラーのような役割をする相談員を配置しております。毎年、約百人ぐらいの子どもを支援しています。
 適応指導教室で少し不登校の状況が改善すれば、各学校にある「ふれあいひろば」につないでいって、「ふれあいひろば」から自分の学級に戻るというステップを考えております。
 次に、5ページの8「特に効果のあった学校の措置」です。
 効果があった方策はバラバラです。特別にこれが多いといったものはありません。このことから、不登校はそれぞれの子どもの状況に応じた支援が必要だということが読み取れると思います。
 委員御指摘の、教育委員会がどれほど不登校の子どもに関わっているかということですが、まず一つは先ほど述べた、広島大学と連携した予防的生徒指導に関する二つのプログラムを実施するように、学校と教育委員会が連携しながら定着を進めております。
 二つ目は、人的措置として、先ほどの適応指導教室があります。引きこもりではなく、外に出ることはできるが、学校には行けない子どもは適応指導教室で支援しています。
 学校には行けるが、自分の教室に入れない子どもは、「ふれあいひろば」で支援しています。「ふれあいひろば」には、ふれあいひろば推進員を教育委員会で措置しています。中学校区にはスクールカウンセラーを配置して、中学校のスクールカウンセラーが小学校の児童へのカウンセリングを担当するようになっています。
 同じように、カウンセリングではなくて、家庭環境の改善のためには、スクールソーシャルワーカーを今年度から各区に1人措置して、不登校の支援を行っているところです。
 以上でございます。

溝部委員(委員長職務代行者)

 不登校の質問を受けたところですけど、ずいぶん減っているということで、いい傾向にあるとは思うんですが、それでもまだ千人はいるということで、これに今後、取り組んでいく必要があると思います。
 私の方から一点質問ですが、小中高と数字が出ていますが、例えば3ページで、小学校で不登校になった子どもが中学校に行ったときにやはり不登校なのか、どこかできちっと解消しているのかといった追跡調査みたいなことを行っていますか。

生徒指導課長

 きちんとした追跡調査は行っておりません。
 委員から御指摘を受けて、確かに生徒指導課で追跡調査をする必要があるなと思ったところですので、今後取り組んでいきたいと思います。
 いろいろな学校の校長先生から報告を受けた私の印象ですが、小学校のとき不登校だった子どもが中学校になって登校できるようになったという報告はかなり受けています。
 逆に小学校で不登校だった子どもが、中学校でも不登校を継続しているという報告も受けています。
 中学校で不登校が改善された理由としては、小学校からの情報が中学校に上がって、中学校が4月1日から家庭訪問とかいろいろな支援をすることができるということがあり、かなり効果が上がっています。小学校が持っている情報を中学校に伝えるというのは、不登校の改善に大きな役割を果たしていると考えています。

溝部委員(委員長職務代行者)

 続きまして、「いじめ」の方にまいりたいと思います。
 御質問はございますか。

栗栖委員

 19ページに「解消しているもの」とありますが、何をもって解消というのでしょうか。

生徒指導課長

 いじめの中身によって違いますが、例えば小学校低学年くらいで「〇〇ちゃん嫌いよ」とか「キモいね」とかいうようなことであれば、双方の子どもを呼んで仲直りをさせるような取組を行っています。そこで「ああいいよ。これから言わんとってね。」という感じで人間関係が修復できれば、そこで解消というふうに判断しています。ただし、解消したからといって次がないとは限りませんので、そこは継続的に教員が観察しています。
 逆に犯罪行為を伴うようないじめ、例えば傷害、暴行、恐喝、こういうようないじめについては、被害者及び加害者の保護者と連携して謝罪の会をして、そこで一定の理解が得られた段階で解消というように考えております。先ほど申しました、犯罪行為を伴ういじめについては、警察との連携もしているところです。

栗栖委員

 「解消に向けて取組中」とありますが、これも全て解消していることを確認済みということは、数字では全てのいじめが解消したことになるんですよね。それが理想ですが、現実にはなかなかそういう状況になるのは難しいと思います。これは速報値なので、今からいろいろ分析をされて、対応等を検討されると思うんですが、先ほどの不登校のように、全部ケースが違うと思うんですよね。抽象的な言い方になって申し訳ないんですが、やっぱり対応の仕方もきめ細かく、先生方が関心を持って対応していただくということが必要と思います。「解消した」というものについても、引き続き、しっかりと関心をもって対応していただければと思います。

生徒指導課長

 「解消に向けて取組中」についてですが、このデータは学校から3月末に生徒指導課に出されますので、例えば3月に発生したいじめは、まだ対応中のものもあり、それがほとんど解消に向けて取組中ということになっております。
 それと、栗栖委員から御指摘があったように、一旦いじめが終わったとしても、その後どうなるかは分かりません。データによれば、いじめた子はいじめられた子にもなるし、いじめられた子はいじめた子にもなります。それほど、今の子どもは、集団の中の人間関係が複雑になっておりますので、委員から御指摘があったように、教職員が今まで以上にきめ細かく子どもを観察したり、未然防止に取り組む必要があると思います。
 それと、学校だけでは限界がありますので、保護者としっかり連携をとりながら、学校と家庭が連携した取り組みを進めていきたいと考えています。

栗栖委員

 「いじめの発見のきっかけ」として、保護者からの訴えが多いということは、逆に言うと、これらについては、学級の先生が普段の学校の中では発見できなかったということなんですかね。

生徒指導課長

 教職員が発見するまでに、保護者や子どもから訴えがあったということになります。

栗栖委員

 いじめというのは根が深いというか、先般もLINEの研修会に行かせてもらったんですが、ああいうものでいじめの元になる仲間外しというか、親とか先生が気づかないところで物事が進んでいます。大人の世界では分からないようなことが子どもの世界ではあって、それがいじめの原因になっているという実態もよく分かりました。きめ細かい指導が大切だと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

鈴木委員

 小学校では保護者の方が、中学校では本人が訴えれば、解消に向かうことも大事だと思います。一般的に、言っても変わらないと思うから、言ってもしょうがないという考えを持ちがちですけど、そうではなくて、自分から先生に、あるいは保護者に言うことで解消に向かう。それから保護者の方も黙っていないで、先生に相談していただければ解消に向かう。解消に向けて努力をしているということを示すことで、悩む子どもが少なくなると思います。13ページの「誰にも相談していない」子が小学校では多いですが、親に言う、先生に相談する、中学校ではスクールカウンセラーに相談することによって、解消に向かうことが大事だと思います。

生徒指導課長

 委員から御指摘のあった13ページの一番右の「誰にも相談していない」が一番大きな課題だと思っています。このデータは、学校が最終的に認知したいじめで、その過程で誰にも相談していない、具体的には学校がアンケート調査で把握した際、今まで誰にも言ってないとか、他の子どもからの訴えで分かったといったものです。いじめを受けた全ての子どもが、周りの大人あるいは友達の誰かに、いじめられているというSOSを発信できるような学級・集団づくりに取り組む必要があると思います。
 それと、先ほど申しましたいじめ防止対策推進法が6月に制定され、9月から施行になっております。その中では、各学校がいじめの防止に関する基本方針を定めるようになっておりますので、各保護者に各学校の取組をしっかり周知して、学校・家庭・地域が連携したいじめの防止に今後も取り組んでまいりたいと考えております。

溝部委員(委員長職務代行者)

 12ページに「アンケート調査など学校の取組により発見」というのがかなりの件数がありますが、アンケートは、今、年間何回実施しておられますか。

生徒指導課長

 これは各学校によって違って、一番多い学校は月に1回、毎月やっております。少ないところでも、年間3回程度はしております。

溝部委員(委員長職務代行者)

 学校によって回数が違うというのは、何か意味がありますか。

生徒指導課長

 特に教育委員会の方から、年間何回しなさいというような指示ではなくて、学校の状況、子どもの実態に応じて、年間複数回アンケートをするように言っておりますので、各学校にバラつきがあります。

溝部委員(委員長職務代行者)

 アンケートも皆さん相当工夫をしながらやってらっしゃると伺っているんですけれども、アンケート調査による効果ということはありますか。

生徒指導課長

 一つはいじめを受けている子どもが、直接教員に言えない場合に、書くということで訴えることができるということがあります。
 そして、いじめをしている子どもにとってみれば、いじめの調査・アンケートがあるというのは、やっぱりいじめはいけない、やってはいけないんだという効果もあります。
 あるいは、今は先生に言うまではないんだけども、今後いじめがひどくなったり、自分が被害にあったら、このアンケートに書けば先生に訴えることができるんだということを子どもに自覚させるような効果があると聞いております。
 ただし、アンケートは万全・万能ではありませんので、一つのいじめを把握するツールでしかありませんので、あまりアンケートばかり学校がとらわれすぎると、なかなかうまくいかないところがありますので、一番いいのはアンケートをしながら教育相談、気になる子どもへの声かけが大事だと思います。

溝部委員(委員長職務代行者)

 平成24年度は574件ということですけど、先ほどの話だとほぼ解消している状況にあるということですが、これは根本に関わることなので、是非いじめは絶対になくすという方向で、教育現場も保護者も取り組んでいく必要があると考えますので、これからも教育委員会議の中ではしっかり考えていきたいと思っております。
 最後になりますけれども、「暴力行為」についてはいかがですか。

鈴木委員

 中2が課題、圧倒的に男子が多いということで、理由があるのか分からないですけれども、プロレスごっこみたいなのが遊びなのか暴力なのかといったときに、分かりにくい部分があるのかなと思ったりするんです。
 暴力行為を未然に防止するために、何らかの指導をされているということがありましたら教えていただきたいと思います。また、中2で急に増えているということは課題だと思いますので、何らかの手立てが必要ではないかと思いますが、もし御意見があればお願いします。

生徒指導課長

 特定の学校の特定の子どもが暴力行為を繰り返す支援といたしましては、先ほど申しました警察OBのスクールサポート指導員を2人一組で学校に派遣して、先生と一緒にその子に相談活動などをするようにしております。これは一定の成果が出ております。
 先ほど委員からも御指摘があった、遊びなのか暴力行為なのか、あるいはいじめなのか、やられている方の子どもの心情を学校は大事にしなければいけないと思います。やっている方は遊びの一環でも、やられている方は精神的にすごく苦痛を感じている場合もありますので、そこは被害を受けている子どもの心情を大事にしながら、今後も取り組んでいこうと思います。
 それと中学校2年生の男子生徒の暴力行為がこのグラフでも特化されております。繰り返しになりますが、暴力行為の未然防止のために予防的生徒指導、授業中に子どもと関わる場面を増やすとか、予兆を示す子どもに早期に支援することによって未然防止に努めていきたいと思います。なかなか特効薬はないんですけども、継続して取り組んでまいりたいと考えております。

鈴木委員

 犯罪防止教室みたいなのは開いてらっしゃるんでしょうか。

生徒指導課長

 全ての学校で、警察の少年育成官とか、NPOの方とかがやっております。

藤本委員

 全体としては、中学校の暴力行為の件数が減っていることの要因の一つとして、先ほどサポート会議ということを説明いただきましたが、具体的にどのようなメンバーで行われているのでしょうか。

生徒指導課長

 対象になる子どもの状況によって変わりますが、一般的には学校の校長先生、教頭先生、生徒指導主事、担任が学校関係者です。場合によっては教育委員会も職員を派遣させます。それに加えて、警察の方では各警察署の少年育成官、児童相談所のケースワーカー、福祉的な視点が要る場合は生活課の職員というように、そういう方を交えたサポート会議が一般的でございます。

藤本委員

 スクールソーシャルワーカーもメンバーに入っているのでしょうか。

生徒指導課長

 福祉的な視点があれば、スクールソーシャルワーカーも入ります。

藤本委員

 不登校も含めて全般的な問題に関わることですけども、私個人としては生活の乱れも一つ大きな要因というふうに思います。
 早寝・早起きや朝ご飯といった生活態度がきちんと守られていれば、かなり解消される部分もあるのではないかと思います。生活の乱れという部分については、やはり保護者がまずはきちんと整えるべきことだとは思うのですが、学校から指導等を行っても難しい家庭に対して、教育現場としてどのように対応すべきなのかということは考えておられると思うし、実際されておられると思いますけども、今後もやっていただきたいと思います。
 もう一点は、栗栖委員からLINEの話も出ましたが、報道等によればネット依存といわれる子どもたちが増えている中で、昼夜逆転とかがあります。ネット自体は悪いものではないんですが、使い方によってマイナスの影響という部分があって、その辺りの判断がなかなか子どもには難しいと思います。
 そして、パソコンとかを使用することによる脳への影響という部分で、例えば夜それを使った場合に、スイッチを消して横になったとしても、一時間以上脳は覚醒した状態になるという話も聞きます。また、そういったような部分で今自分たちが使っている道具がどのような影響を自分たちに与えているのかということを、育成課も取り組んでおられると聞いています。非常に大きな問題になってくると思いますので、引き続き対応を検討いただければと思います。

溝部委員(委員長職務代行者)

 全体を通して御意見とかあれば。

栗栖委員

 不登校、いじめ、暴力行為について、家庭との連携が重要になってくると思うんですが、家庭に説明しても、うまく連携してやっていただける家庭であれば、おそらく解決に向かっていくんでしょうけど、なかなかそういう家庭ばかりではありません。そうなると、生徒が疎外感を感じて暴力行為に走っていったり、精神的に不安定になったりします。家庭との連携の仕方で、いい方法はありますか。

生徒指導課長

 スクールソーシャルワーカーが担っている部分が大半です。委員御指摘のように、家庭環境によって子どもの生活の乱れなどの影響が出ている場合もあります。このときは、スクールソーシャルワーカーが直接その保護者に会って、いろいろストレスを解消したりとか、悩みを聞いたり、支援が必要な場合は関係機関で、家庭環境の改善に取り組んでいるところでございます。
 スクールソーシャルワーカーは、平成20年度から始まりまして、3人体制だったのが、今年度は5人から8人に増員していただきました。
 これからますます、このスクールソーシャルワーカーの担う役割は大きくなるんではないかと思います。学校の教員も一クラス40人の子どもを抱えておりますので、担任一人では限度がありますので、スクールソーシャルワーカーと連携しながら、今後もやっていきたいと考えております。

栗栖委員

 学校訪問の際、先生方と話をさせていただいたときに、「いろいろな家庭の方がおられるので、なかなか話ができないときに、スクールソーシャルワーカーの方がきちっと対応されて、いい方向に向かっている。」という実例の話もお伺いしました。スクールソーシャルワーカーとの連携強化により、児童生徒がこういうことにならないように、もし数の充実が必要ということがあれば、しっかり対応していただければと思います。

溝部委員(委員長職務代行者)

 学校というところは楽しくなければいけませんし、どの子も成長できて、良かったなという思いを残すようなところが学校だと思っています。しかし、こういう問題があるということは、非常に残念に思っています。
 広島市は独自で様々な取組をしていますので、今後も広島市はこういう事案については最大の取組をしてアイデアを豊かにやるという方向で検討していきたいと思いますので、是非よろしくお願いします。
 ありがとうございました。
 次の議題2から議題7までは、先ほどお諮りしたとおり、非公開となりましたので、傍聴人、報道関係、及び関係者以外の方は、退席していただきますようお願いします。

 (傍聴人等退席)

 (非公開部分省略)

溝部委員(委員長職務代行者)

 以上で予定の議題は全て終了いたしました。
 本日の教育委員会議を終了いたします。
 次回の教育委員会議は、9月26日(木曜日)午後2時からです。

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