今、なぜ学校での働き方改革が必要なの?
これからは、変化の激しい時代に応える教育が求められます
小学校の英語教育やプログラミング教育などが新たに始まります。これらは社会の急激な変化が進む中で、子どもに次の時代を切り開くのに必要な力を育むためのものです。また、いじめ防止や特別支援教育の充実なども含め、教員には、さらなる教育活動への対応が求められます。
一方で、教員の長時間勤務による健康への影響が課題となっています
学校の教員は、学習指導だけでなく、生徒指導や部活動指導、保護者や地域との連携など業務が多岐にわたり、夜間や休日でも業務を行うことがあります。そのため、長時間勤務による健康への影響が課題となっており、勤務時間(1日当たり7時間45分)に応じたメリハリのある働き方に改めていく必要があります。
先生たちは
人材の確保という課題もあります
多くのベテラン教員が退職する時期を迎え、教育現場ではこれまで以上に新規採用者の確保が急務となっていますが、採用試験の競争倍率は年々低下傾向にあります(下表参照)。今後も高い志を持った多くの人が教員になりたいと思えるよう、魅力的な職場環境にすることが、子どもたちによりよい教育を続けていくことにつながります。
【広島県教員採用試験の倍率】
区分 |
平成20年度 |
平成27年度 |
令和2年度 |
小学校 |
5.4倍 |
2.7倍 |
1.6倍 |
中学校 |
14.8倍 |
4.9倍 |
2.9倍 |
よりよい教育のため教職員に「時間と心のゆとり」を
子どもたちによりよい教育をするためには、学校の教職員に「時間と心のゆとり」が必要です。ところが、休む暇もなく働いている教職員が少なくありません。そのため、保護者や地域の人々が「学校に何をやってもらうか」から、「学校に対して何ができるか」という意識を持ち、「学校のサポーター」になることが、大切だと思います。
学校業務改善アドバイザー※ 川島高之氏
※働き方改革を推進するため、文部科学省が全国に派遣する有識者