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広報紙「ひろしま市民と市政」

広島市ホームページ令和6年1月1日号トップページトピックス人と地域でつくる住み心地いい私たちのまち

人と地域でつくる 住み心地いい 私たちのまち

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新春対談2024

広島市長
松井一實
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アナウンサー
枡田絵理奈


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広島市長 松井 一實(まつい かずみ)(70)

 あけましておめでとうございます。2024年が市民の皆さんにとって良い年でありますよう、お祈り申し上げます。


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フリーアナウンサー 枡田絵理奈(ますだ えりな)(38)

 神奈川県横浜市出身。
 2008年にTBSテレビに入社し、「チューボーですよ!」「クイズ☆タレント名鑑」「スーパーサッカー」「ひるおび」「いっぷく!」などの番組のメインキャスターのほか、オリンピック、FIFAワールドカップなどでスポーツキャスターとして中継を担当。
 2015年、広島東洋カープ・堂林翔太選手との結婚を機にTBSを退社し、広島市に移住。現在はフリーアナウンサーとして活動中。8歳、6歳、4歳の3児の母。


 市長新春対談のお相手は枡田絵理奈さんです。TBSテレビでアナウンサーとして活躍後、広島東洋カープ・堂林選手との結婚を機に東京から広島に移住し10年目を迎えられます。人の温かさがあふれる広島のまちづくりや広島広域都市圏の魅力などについて語り合いました。

広島型地域運営組織「ひろしまLMO(エルモ)」のまちづくり

 「ひろしまLMO」とは、地域内の各種団体(下図)が連携して、さまざまな地域課題の解決に取り組む「新たな協力体制」であると市が認定した組織のことです。
 市は、持続可能な地域コミュニティの実現に向け、「広島市地域コミュニティ活性化ビジョン」に基づき、「ひろしまLMO」の設立・運営支援を行っています。

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人の温かさを感じるまち

市長 枡田さんは東京都から広島市に移住して今年で10年目を迎えられますが、仕事や子育てなど、普段どのような日常を送っておられますか。

枡田 夫がシーズン中かシーズンオフかで、もう別人のような生活をしているのですが、シーズンオフのときは、夫も毎日練習が終わったら家に帰り、家族団らんの時間を過ごせます。今は貴重な家族時間を楽しんでいますが、シーズン中になると遠征で県外だったり、ホームゲームの日も深夜に帰宅したりするので、なかなか子どもたちとは時間が合わず、一人で子育てをしています。また、私が東京や他県で仕事をすることも多く、その際は私の両親が広島に来てくれるので、両親の力も借りながら仕事と子育てをしています。その両親も、広島での生活をすごく気に入ってくれて、広島で過ごす日数が年々増えてきています。

市長 子どもたちからすると、おじいちゃん、おばあちゃんがそばにいて面倒を見てもらえるというのは幸せなことですね。さらに広島での生活を気に入っていただいているのは、とてもうれしいです。ご両親は広島のどのようなところを気に入られたのでしょうか。

枡田 それは、人の温かさだと思います。コロナ前は両親が広島に来ることもあまりなく、ご近所さんが、祖父母の代わりをしてくださっていました。例えば家からスーパーに行く途中、ご近所のおばあちゃんが泣いている息子に声を掛け、ポケットからティッシュを出して鼻を拭いてくれたこともありました。子育て世代の友達もたくさんできて、公園で子連れ同士遊んでいて夕方になったら順に買い物へ行き、その間、子どもたちをみんなで見て、悪いことをすれば叱ることも。案外、他のママに言われる方が素直に聞くんですね。そんなふうにご近所同士で支え合って子育てをしてきました。コロナ禍に両親が手伝いに来てくれるようになって、普段、私がお世話になっているそういうご近所さんたちやママ友たちを紹介したんです。大都会にはない近所付き合いというものが広島には残っていて、人の温かさに触れることができるところが、二人共、気に入っているようです。

市長 なるほど。もともと大きな平野があって人口が増え発展してきた関東や関西とは違い、広島市は今でこそ人口120万近い大きな都市ですが、地形的には平野が狭くて山に囲まれて。その山を含む周辺の市町と合併して、ここまで大きくなってきました。旧来の市町の地域コミュニティが残っているから、お互いにご近所で支え合う風土や人の温かさが残っているのかもしれませんね。一方で、都会ではそういったご近所に頼らなくても、自分が対価を払ってサービスを購入すれば生活できると考える人が増えてきて、地域と交流する人が減り、枡田さんが感じられた人の温かさが残るまちが少しずつ減少してきている現状もあります。ですから、田舎と都会のそれぞれの良さを生かしつつ、時と場合によって使い分けられる、そんなまちであり続けながら、人の温かさが残るようなまちづくりを積極的にできたらなと思っています。

枡田 人の温かさが残る、私たちの好きな広島のまちがこれからも残ってほしいですね。

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地域を元気にするひろしまLMO(エルモ)

市長 そんな人の温かさが残る居心地の良いまちであり続けるために、市は地域コミュニティの活性化を重要施策の一つとして掲げ、現在、「ひろしまLMO」という取り組みを進めています。聞いたことはありますか。

枡田 はい、耳にしたことはあります。

市長 地域を見ると、地域活動への参加者の高齢化が進み、活動に参加しない若者も増えるなど、限られた人が地域の中で活動している状況となっています。そういう中で、地域活動にまずは参加してもらえるよう環境を整備しようと考え、始めた取り組みがひろしまLMOです。いろいろな団体が一堂に集まり、取り組み内容を話し合う。そして、一つの団体を作り上げ、市に申請し、その団体を市がひろしまLMOとして認定する。ひろしまLMOに対しては、人件費、活動拠点維持管理・運営費、地域課題を解決するための事業経費として合計で年度上限額600万円の運営助成金を毎年交付することとしています。さらに、今までまちづくりに取り組む地域の団体が個々に市(区)に申請し、市が出していた補助金についても、来年度からは市社協を通じてひろしまLMOにまとめて出すという方式に転換したいと考えています。現在(令和5年12月18日時点)17の団体をひろしまLMOと認定していて、今後は、市内に141ある小学校区全てで、ひろしまLMOと認定した団体が活動することを目指しています。枡田さんのように県外から移住してきた人が地域活動に気軽に参加し、自分のまちの魅力や地元の温かみを感じてもらえることを願っています。

枡田 まず住人がその地域のことを愛していて、まち全体が活気づいて生き生きとしている、そんなまちに魅力を感じます。中国地方で頑張っている企業を紹介するテレビ番組に出演させてもらっているのですが、お会いする多くの人が、一度他県に出たけど、自分が育ってきたまちの元気がなくなってきたので、再び元気にしたいとUターンなどして働いていらっしゃる。そういう思いを持った人たちが動き出すと、地域が息を吹き返すということを見てきました。ひろしまLMOもそうだと思いますが、地域を元気にしたいという輪が大きくなって、ものすごいパワーを生み出すのではないかと思います。

地形から見る広島広域都市圏の魅力

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市長 市を地形から見ると、中心部のデルタ部分とそれを取り囲む平野、さらに中山間地で構成されています。全体の面積は約900平方キロメートルに対して、都市機能が充実しているデルタ部分は約45平方キロメートルぐらい。広島広域都市圏は、広島市中心部からおおむね60キロ圏内で構成しています。大阪市役所を中心とした関西、東京都庁を中心とした関東と比較すると、距離感をイメージしやすいと思います(下図)。
枡田 地図で比較するとよく分かります。60`って確かに広いですね。

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市長 広島広域都市圏は実はほとんどが山。その中で市が都市の性格と田舎の性格の両方を保持している理由は地政学的に見ても明らかですね。私が、この中山間地の生活とデルタの生活両方をうまく調和させながらまちをつくることを目指す理由がここにあります。田舎主体の生活をしながらたまに都会に行く、都会の生活をしながら休日に田舎の生活に触れる。そういったお互いの良さを生かしたまちづくりというのは、おそらく東京や大阪と違う都市づくりにつながると考えています。広島広域都市圏内の住民がお互いに行き来して、圏域全体を元気にすることを目指しています。
枡田 私も圏内をよく行き来します。安芸太田町、北広島町、安芸高田市、東広島市、呉市など。特に三次市にある観光農園や廿日市市の宮島にはよく行きます。1時間ちょっとで行けるのに旅をしたような気分を味わえますね。
市長 そうですね、圏域の範囲を60`としたのは、まさに時速60`の車で1時間程度で行けるからです。
枡田 なるほど。だからこの範囲なのですね。
市長 広島駅とか紙屋町・八丁堀のデルタ部の狭い領域に、音楽やスポーツ、文化を楽しめるいろいろな機能を充実させる。それを圏域の人々の財産として利用していただく。そういう発想で東京への一極集中ではなく、この地域に住み続けたいと思う人を増やしていきたいです。

広島広域都市圏

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ひろしま都市犬 はっしー

広島市の都心部からおおむね60キロの圏内にある、東は三原市エリアから西は山口県柳井市エリアまでの28市町で構成しています

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移住してきたからこそ分かるまちの魅力

市長 移住してきたからこそ分かる枡田さんの、広島広域都市圏の魅力や良さなどはどこだと思いますか。

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枡田 東京から引っ越してきても、不便を感じることがほとんどなく都市機能が充実しているなと感じます。広島駅も通るたびに工事が進み、どんどん都市として成長していると感じます。息子は乗り物が好きで、市内の路面電車はいろいろなタイプがあって博物館みたいだし、新幹線や電車、バスもあって交通手段が豊富なところも魅力だと思います。一方で、いちご狩りをするとか、海や山に行こうとなると、関東にいた頃は、かなり前から計画していましたが、広島では、思い立った日に気軽に行くことができます。最近は子どもたちと図鑑を片手に、川で生き物観察をするなど、豊かな自然があるからこそできる遊びを楽しんでいます。

市長 まさに外から来た人だからこそ気付く地域の魅力ですね。実は、そういったものを見いだすことが地域の活性化につながると考え、自分たちの地域の魅力を地域外の人と接することで再発見してもらおうと、広島広域都市圏交流活動促進事業※を始めました。これは、広島広域都市圏内の町内会などの団体が、他の地域の催しなどを見に行ったり参加したりする場合、交通費を1人当たり最大1万円支給する制度です。これを活用して地域間での交流も進めばいいなと思います。

※団体間の交流やイベント出展、地域資源の視察などで公共交通を利用する際の経費を補助する事業

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家族で宮島へ。年に数回出掛けるほど子どもたちもお気に入り

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三次市の観光農園で果物狩り
(写真はいずれも枡田さん撮影)


広島の魅力を再発見してほしい

市長 枡田さんはインスタグラムで広島の魅力を発信しておられますが、その思いなどを教えてください。

枡田 インスタグラムのフォロワーを見ると県外の人もたくさんいます。“広島に来たときにはここを訪れてほしい”など、全国の人に広島の魅力を知ってほしいという思いがあります。でも、広島に住む人たちにこそ、こんないいところがあるってことを改めて気付いてもらいたいとも思っています。広島に引っ越して来られたフォロワーの人から、私のインスタグラムを広島のガイド代わりに使っているとコメントをいただいたこともあります。それで、私自身がガイドブック的な存在になって、そういう人も住みやすくなればという思いで更新しています。

市長 お薦めの施設、環境などを発信していただけることはとてもありがたいです。とりわけ、広島に移住してきた人には喜ばれると思います。

人のつながりを大切にこれからのまちづくり

市長 最後に枡田さんから市民の皆さんへメッセージをお願いします。

枡田 市長のお話にもあったように、お金を払えば便利なサービスが受けられ、インターネットなどでも人とつながることはできます。でも本当に困ったときに助けてくれるのは、普段接している人たちだと思います。アナログというか、リアルでしか生み出せない人の温かさみたいなものもやっぱり大事にしていきたいなと、今日あらためて感じました。市民の皆さんも地域活動に積極的に参加して、人とのつながりをより強くしていってほしいなと思います。

市長 県外から来られた人が、広島の良さをしっかりと実感してくれているということを確認できて大変心強く思っています。市が大事にしているコンセプトとして自助・共助・公助というのがあって、自助も公助も必要ですが、共助、お互いさまで、助け合いを大事にできるまちにしたいなと思います。山・海があって都心部もある、この広島広域都市圏全域を市民の皆さんが楽しんでいただけるよう、電車やバスといった公共交通についても市が支援し、利便性を享受してもらえるようにしていきます。

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詳しくは市ホームページで

広島市地域コミュニティ活性化ビジョン
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ひろしまLMO
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広島広域都市圏交流活動促進事業
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持続可能な地域コミュニティについて、あなたも一緒に考えてみませんか

持続可能な地域コミュニティの実現に向けたシンポジウム

◆対象者:2.小学生以上
◆日時:2月4日日曜日午後2時〜5時(予定)
◆会場:国際会議場
◆内容:1.島根大学教授・作野広和氏による基調講演、枡田絵理奈氏も参加するトークセッション、2.ワールドカフェ(少人数に分かれての意見交換)
◆申し込み方法:市ホームページで、1月26日金曜日までに。先着1.300人、2.100人
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◆問い合わせ先:コミュニティ再生課(電話504-2867、ファクス504-2029)


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