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広報紙「ひろしま市民と市政」

広島市ホームページ令和3年8月1日号トップページトピックス平和を誓い、清水をささげます

平和を誓い、清水をささげます

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「滝の観音」(西区己斐上町)で清水をくむ谷さん

 平和記念式典で開式前に行われる「献水(けんすい)」は、水を求めながら亡くなった原爆犠牲者を慰霊するため、原爆死没者慰霊碑に清水(せいすい)をささげる行事です。

清水の採水場所(市内17カ所)

●東区
 牛田新町 浄水場
 牛田新町 天水(あまず)
 温品八丁目 清水谷
●南区
 似島町東大谷
●西区
 田方 斉神(さいのかみ)
 三滝山 三滝
 己斐上町 滝の観音
●安佐南区
 上安町 荒谷山
 緑井町 権現山
 沼田町 窓が山
●安佐北区
 安佐町小河内
 可部町 福王寺
 深川四丁目(中深川)
 白木町市川
●安芸区
 矢野西五丁目
 阿戸町景浦山
●佐伯区
 屋代町 竜神釜(りゅうじんがま)

 献水は、昭和49(1974)年に山田節男(やまだせつお)市長(当時)が長崎の平和祈念式典で行われていた献水行事に感銘を受けたことをきっかけに、広島でも毎年、式典開始前に実施するようになりました。 
  献水でささげられる清水は、地域と深い関わりや由来のある名水など、市内17カ所から採水されています。

清水は式典終了後「平和の池」に

 各所から集められた清水は、地元住民の代表の皆さんによって、慰霊碑前に置かれた一対の水おけに注ぎ入れられ、献水のために供えられます。
 式典終了後は、慰霊碑を囲む「平和の池」に注がれます。
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亡くなられた人の供養のため献水を行います

 谷安啓(たにやすひろ)さん(42・写真)は、17年前から毎年、式典前の献水を行っています。
 広島市で育った谷さんですが、以前は献水のことをあまり知らなかったそうです。偶然見たテレビ番組で、献水活動を行っていた故宇根利枝(うねとしえ)さんを知り、献水のお手伝いをしたいと一緒に活動をするようになりました。「宇根さんは自らも被爆者で、あの日亡くなられた人に水をあげられなかったことを悔い、高齢の小さな体で、式典当日の献水を30年にわたって務めあげた人です。式典以外にも、広島にある120カ所以上の慰霊碑に清水をささげる活動を50年以上も続けました」と谷さん。そんな宇根さんの「平和を願い、命を大切にするいちずな思い」に心を打たれ、献水活動を引き継ぐことを決めたといいます。
 式典当日は、夜中のうちに『滝の観音』に向かい、滝で身を清めた後にくんだ清水を、平和記念公園に届けます。谷さんは「原爆犠牲者と宇根さんたち先人の供養のため、今年も献水を行います。宇根さんの奉仕の心を忘れずに、体が続く限り、活動をしていきたい。そして、次の世代に引き継いでいきたいですね」と決意を語ってくれました。
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「滝の観音」の滝口

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今年も式典の規模を縮小し、会場への入場制限、交通規制を行います
 新型コロナウイルス感染症対策のため、式典会場への入場規制があります。詳しくは、こちら

原爆投下時刻に黙とうを
◆日時:8月6日午前8時15分から、9日午前11時2分から
 原爆投下時刻の8月6日金曜日午前8時15分(広島市)と9日休日午前11時2分(長崎市)をサイレンなどでお知らせします。原爆死没者の霊を慰め、世界恒久平和の実現を祈念し、1分間の黙とうをささげましょう。

会場周辺でデモ行進を行う団体の皆さんへ
 被爆者や遺族などの心情に配慮し、式典の時間帯(午前8時〜8時50分)のアピールは、拡声機の音量を絞るなどのご配慮をお願いします。

◆問い合わせ先:市民活動推進課(電話504-2113、ファクス504-2066)

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