冬が深まり、草木に霜の降りる日が多くなってきました。今回は、園内の奥にある日本庭園を紹介します。
日本庭園では、春の梅、初夏の花菖蒲(はなしょうぶ)、秋の紅葉など、植物の季節ごとの移ろいを楽しめます。では、冬の楽しみは何でしょう。それは、松の「雪吊り」です。
雪吊りとは、“りんご吊り”とも言い、雪の重さで枝が折れないようにするための技法です。豪雪地帯の冬の風物詩で、金沢の兼六園のものが有名です。設置のため高さが15mにもなる芯柱(しんばしら)に職人が素手で登り、放射状に張る縄を頂点から投げる様子は圧巻です。
雪の少ない広島で雪吊りをする目的は、もっぱら鑑賞用です。当園では高所作業車を使って11月下旬に設置し、3月下旬ごろまで展示しています。雪をかぶった様子は風情があり、冬の写真撮影にお薦めですよ。
◆問い合わせ先:植物公園(電話922-3600、ファクス923-6100)
◆休館日:金曜日、1月1日金曜日・祝日〜3日日曜日
雪吊りと紅白梅