シカやイノシシなど、野生動物の生息域の拡大により、農作物の被害が区内に広がっています。特にシカは近年、住宅地にまで出没するようになり、相談も多く寄せられています。今回はシカによる被害を防ぐための対策などを紹介します。
◆問い合わせ先:農林課(電話831-4950、ファクス877-2299)
こんな被害が出ています
「畑の野菜や庭の草花を食べられた」
「住宅街を運転中、車の前に飛び出してきた」
「早朝、犬の散歩中に出くわした」
「子どもが遊ぶ公園にフンが落ちていた」
高さ1.8メートル以上の電気柵やワイヤーメッシュ柵などで田畑の周りを囲み、侵入を防ぎます。特に電気柵を設置して24時間通電させると、より効果的です。シカは下からくぐり抜けようとするため、地面と平行に、効果のある高さにすることも重要です。
電気柵を設置した八木在住の西村健(たけし)さんに聞きました
西村さんは、畑のホウレンソウをシカに食べられたことがきっかけで、5年ほど前から市の補助金を活用して対策を始めました。「はじめはネットで囲んでいましたが、十分な効果がなく電気柵に変えました。電気柵を設置してからはシカが侵入することもなく、効果が出ています。育てた野菜をシカから守るため、これからも対策を続けていきたいです」と話します。
シカを見たら大きな音などで山へ追い払い、「人は怖い」と覚えさせましょう。毘沙門台東町内会では、定期的に煙火(えんか)(音花火)の音でシカを山に追い払う活動を行っています。
追い払いに取り組む毘沙門台東町内会の皆さんに聞きました
煙火でシカを山へ追い払う様子
毘沙門台東町内会の皆さん
同会副会長の石川義美さんは「毘沙門台東は花の多い美しい町ですが、4年ほど前から、町内会で花壇に植えた花の新芽をシカに食べられるようになりました。住居の庭に植えられた花木にまで被害が及ぶようになったため、このままではいけないと農林課に相談し、現在の活動を行うようになりました。今年は5人が動物駆除用の煙火の講習会を受講するなど、継続的な活動に取り組んでいます」と話します。
同会長の瀬川龍男さんは、成果はまだ完全ではないとしながらも「安心、安全に生活できる、美しい町を守るため、これからも地域の理解をいただきながら、協力して取り組みを続けていきたいです」と話します。
シカに食べられたハクサイ
シカは餌を探すために出没します。例えば、野菜や果実を収穫せずにそのまま放置したり、雑草を刈らずに放置したりするなど、気が付かないうちに餌を与えていないか、今一度周囲を確認してみましょう。
野生動物による農作物被害などでお悩みの人は、お気軽に農林課へご相談ください。
補助金制度の活用をはじめ、地域の状況に応じた対処方法を一緒に考えましょう。
農林課 森田専門員
区では、地元猟友会の協力を得て有害鳥獣駆除班を編成し、猟銃などによる駆除を実施しています。駆除班員は目立つようオレンジ色のベストを着用し、事故防止に細心の注意を払い活動しています。ご理解とご協力をお願いします。