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2020年12月18日記者会見「新型コロナウイルス感染症について外1件」
動画は下記からご覧ください。
(「広島市公式チャンネル(YouTube)(市長記者会見)」のページへジャンプします<外部リンク>)
■市政記者クラブからの代表質問■
【新型コロナウイルス感染症について】
記者
まず1点目です。新型コロナ(ウイルス)の感染症についてということで、12月10日に県が「新型コロナ感染拡大防止集中対策」の素案を発表し市内の酒などを提供する飲食店で、酒などの営業時間の短縮を要請することとしています。これにより飲食店の経営の影響が懸念されますが、これに対する市長の受け止めと酒などの提供時間の短縮を行った飲食店に対して、県は協力金の支給などを決定しましたが、市として独自の支援を検討されているかお聞かせください。これがまず1点。
次2点目にいきます。2点というのはこの感染症についての話で、2点目は知事は広島市においてはステージ4に近い状態となっていると表現していますが、市長の御認識をお聞かせください。
もうひとつあります。これから年末年始が控えていますが、その過ごし方について改めて市長から市民に向けてメッセージをお願いいたします。
まずここまで御答弁いただければありがたいです。
市長
3点の御質問ということで、まず1点目ですけれども、これまで本市としましては感染拡大防止ということと、社会経済活動の両立ということを目指して、そんな中で感染拡大防止対策に取り組んできたというところでありますけれども、現下の差し迫った状況を考えますと、危機を乗り越えるためには感染拡大防止にシフトする。これを優先して県と連携して取り組む必要があるというふうな認識にいたっております。本市の経済状況に関しましては、今年の4月の国による緊急事態宣言のもとで大きく落ち込んで、夏以降少しずつ持ち直すという動きがあったんですけれども、直近の状況は皆さん御存じのように感染者数が急増しているという状況です。そのために県の方では昨日から市中心部の酒類の提供を行う飲食店に対しての酒類の提供時間とか、それから営業時間短縮要請をするということになりました。これに先立つ12月12日以降は市民に対しまして外出機会を削減するように要請されているということと合わせますと、この年末年始、本来であればかき入れ時でしょうけれども、大変厳しい状況ということで、飲食店大変な状況になるというそんな状況にならざるを得ないですけど、そんな捉え方をしております。この営業時間短縮等に協力した飲食店に対して県が協力金を支援するというふうになっていますけれども、財源の方に関しましては当面国から臨時交付金が出てくるということですが、それ以外自治体でも補完するという割合がありまして、その部分については市も一部負担して県と一緒に対応しようということで打診をしておるところであります。そんな中で我が市独自の支援策ということなんですけど、これに関しましては実は最近飲食関係の団体の方から感染拡大にある中で、この防止にぜひ協力したいという観点に立って自分たち独自で休業する店舗ですね、年が越せるように支援したい。それから市が実施しているテナントオーナーへの支援事業なんかも利用促進とか、いろいろ困りごとをまとめて相談するということをやって、いろいろな取り組みに全面的に協力したいんだけどということがありまして、こういった協力体制を組みたいので、市の方に対して一緒になって乗り越えるために市の方も協力支援できないもんだろうかというふうなお話が来ております。そういった申し出を受けまして今その支援策を検討中でありまして、年末年始を乗り越えるためにという視点もあるんですけれども、できれば来週中に具体的な内容を発表できるように検討を急いでいきたいというふうに思っております。これが1点目のお答えになるかと思います。
2点目はステージ4に近いかどうかと、どういう認識かということですけれども、これに関しましては、実は(政令)指定都市ベースで比較してまいりましたので、こんな状況であります。
赤い折れ線が広島市の状況でありまして、直近ですと一気に順位が上がるというふうなことでありまして、札幌、大阪、名古屋、東京を抜いているというふうな状況になっております。そういう意味では感染の新規報告者数が最近1週間でポンと伸びております。ステージ4の基準25人を大きく上回っておりますので、間違いなくステージ4に近い状況という認識で物事に当たらなきゃいかんというふうに思っているとこであります。
それから、あと市民の方々への改めてのメッセージということでありますけれども、これについては、昨日も実は過去最大となる97人感染者発表せざるを得ないと、そんな状況下にあります。この感染者の新規報告者数、12月以降に急速に増加しておりまして、今申し上げたように他の政令指定都市を抜く勢いになっております。問題は陽性が確認されたものの具体的な診察にいたらない患者も出ていると。病状確定するための診察ができないというようなこともありましたので、直近では千田町の夜間救急病院(千田町夜間急病センター)をセンターですね、救急センターを閉じまして、これをチェックするといいますか、いうことで本当に陽性は出たけれどもしばらく経過を見るべきか、直ちに病院で治療するべきか、そういったことを判断するという作業に入っているんですけれども、それくらい受入体制ひっ迫してきているという中で、さらには自宅におられる方に関しては、そういった状況が続いていますので、保健センターの職員が自宅におられる患者に健康観察をするといいますか、1日1回は大丈夫ですかということを聞くようにするという体制にシフトすると、そんな状況であります。さらに昨日は新聞にも載っておりますけれども広島市民病院でクラスターが発生いたしまして、19日の朝まで出産期を除いて救急搬送の受け入れを中止する。そういった体制がとれなくなったということであります。これを、見ていただくと分かりますけれども、お一人でも陽性が出て、さらに間違いなく重症といいますか、中等症症状があって、医療対応をしないといけないとなりますと、その治療をするための体制確保のために、通常の医療体制の方を組み替えてシフトさせるといったようなこともしないと、できない状況でありまして、これが引き続きどんどんと続けば間違いなく、通常の医療体制の崩壊ということも起こりかねない状況。お正月の時期の寒い時期ですので、高齢者の方などは通常からでも、いろいろな緊急医療が必要とされるという方が非常に多いわけですから、それと重なりそうな状況でありますので、数字で見るレート数なんかを超えて、非常に危機的な状況にあると、いわば、切迫した状況であります。したがって県と連携して、感染の防止を優先するということに注力をしたいということであります。そこで人が集まるということ、人が接触するということ、それは感染リスクを高めるという直接の原因でありますので、その抑制を図るということで、先日は本市主催のイベントを中止延期するということをいたしましたし、本市所管の施設は休館して、皆様方にこういった人が集まること人が接触する機会を減らすということをぜひ個々人の対応の中でも気をつけていただきたいという意味でメッセージといいますか、対応したところであります。したがいまして市民の皆様には、今までもよくお願いしておりますけど、改めてマスク着用とか手洗い、さらには三密回避、そして換気、こういった基本的な感染対策を徹底していただくと同時に、一番のポイントは、飛沫感染ですから人と人との接触の機会をとにかく減らすと、外出の機会、外出というのは家族以外いろいろな話も積もって、何かとやり取りをしたいという方と会うためのものが外出にあると思いますので、そういった接触を減らすということをぜひお願いしたいと思います。そうしないと、先ほど申し上げたような状況が、可能性から、さらには現実のものになるというふうなひっ迫した状況にあるということであります。
もうひとつは、市役所としてもやっている対応なんですけれども、職員の、あるいは職場の対応であります。感染症になっている職場とか市民の方に直接の窓口業務というものを除いた職場に関しましては、平日の出勤者を減らすために最大6時間ずらした時差出勤をするようにしておりますし、土日も含めた勤務の割り振りもやる。あるいは年次休暇取得促進もお願いする。そしてテレワーク、これを可能な限り拡充するということで、市役所での人の接触も避けるという意味で出勤者数の削減に取り組んでおります。職員個々人には罹患しておられる方もおりますけれども改めてお一人お一人に注意を促す、自覚していただくという対応をしております。つきましては、市内の事業主の方々におかれても今申し上げた時差出勤とか休暇取得、テレワーク、こういった勤務対応を工夫をしていただいて、従業員が人と人との集まりとか、人との接触を減らすという環境設定を可能な限りしていただくということをお願いしたいと思います。これから年始年末を迎えるんですけれども、ある意味で特別な時期ということで、この時期の旧交を温めるいろいろなおつきあいをしたい、できないものかと考えておられるというのも、承知の上なんですけれどもぜひとも切迫した危機を抑え込むためにお一人お一人が今申し上げたような行動を心がけていただくし、事業者の皆さん方がそういった行動を促しやすいような状況設定をしていただくと。皆でこの危機を乗り越えるという、心構えと、その心構えを行動に移すということを重ねてお願いしたいと思います。
記者
市長にお聞きした方がいいのかどうか。資料の中で、広島市が1位になって。これは政令市の中で広島市が今トップになっているというふうなことを示したデータと。
市長
新規の感染者は、はい。
記者
改めてそういうふうに急増しているということで、独自の支援策も考えるという話だったのですが、その支援策の中身を来週具体的に発表したいとおっしゃっていたんですけど、対象としてはどうなんでしょう。やっぱりお店であったりとか、飲食店で。
市長
中心は飲食店関係の団体の方なので、たぶん、ここは、県の方はお酒を出す出さないを非常に審議されていますけれども、ここを飲食といったお酒を出す出さないに関係なく、この組織をされているとかね、何か喫茶店のようなところで、要するに人が集まる飲食関係を束ねておられます。お世話されているので、そういったところに向けて要請をして支援をするのだから我慢してくれと、こんな対応をやっていきたいので、市としても一緒にやってくれないかと、こんな話になっています。工夫していきたいと思います。
記者
分かりました。じゃあ今のところ、具体的には来週なんでしょうけれども、県よりかはちょっと範囲が広くなりそうなことをイメージして。
市長
市全体で、もちろんやりたいと思います。
記者
ありがとうございます。
記者
支援策について私ももう少し聞かせてください。ちょっとごめんなさい、イメージができないんですけれども、まず具体的なこういったお話が出てきた流れとしては、飲食店で組織されている団体の方から、自分たち独自で休業がしたいから市としても協力してくれないかというお話があったという理解で。
市長
休業じゃなく、休業せざるを得ない店舗、休業しようと考えているところを、助けてあげたいと、促したいということですね。強制じゃなくて、自分たちのグループの中でお互いに、多少餅代といいますかね。年越しの支援をするから自分たちで休もうじゃないかとか。それからテナントオーナー支援事業を今やっているんですけれども、これでもっともっと店舗を借りている方の家賃支援なんかをもっとやっていこうじゃないかとか。それをやるためには、いろいろな行政的な支援をこういうふうに利用したらいいよとか、そういう相談も既にされているんだそうですけれども、それらも全面展開して、とにかく営業をしないでみんなが接触する機会を減らせるということに協力したいと。そうすると営業を休む方にいくらかいろいろな支援をするということと、その引き換えにやってみないとみんながなかなか納得しないから、その辺を市も一緒になってやっていくようになると、こんなイメージなんですね。
記者
なので、それは具体的には金銭を。
市長
金銭ももちろん、相談事もあるし、いくらかの金銭も出したいと、こんなことですね。まだその辺が市の方の、役割ということになるんじゃないかと思うんです。実際、共助の精神で社会福祉協議会を通じて、地域の団体などに支援していますからね。それと同じような扱いも考えているかなと思っております。
記者
分かりました。なので、これは休業を促進するという言い方をすると。
市長
休業を促すというんですかね、休業する方をお互いに助け合おうじゃないかといったイメージですね。
記者
分かりました。ありがとうございます。
【今年1年の総括と来年に向けた展望について】
記者
今年1年の総括と来年に向けての展望についてということで、今日は今年最後の定例記者会見となります。今年は新型コロナウイルスの世界的流行や核兵器禁止条約の批准国が50か国に到達したことなど、記憶に残る出来事が様々ありましたが、この1年を振り返って、総括と来年に向けた展望をお聞かせください。
市長
非常に大変な状況ですけど少し短めにまとめると、できたら、このピンチという状況なんですけれども、皆で頑張ってチャンスに変えていこうというぐらいの気持ちで取り組みをやっていかなくてはいかんというのが展望になると思います。それに向けて、なぜそんなふうに考えるかというのが振り返っての総括ということになるかと思います。御存じのように今年、この新型コロナウイルス感染症が世界的流行というのが最も大きな出来事でありました。感染者が急増する深刻な状況の中、先ほども申しましたけれども、両立すなわち感染拡大防止と社会経済活動。この両立を目指すという政府もそれにしたがって、それにのっとってやってきたんですけれども、切迫した危機的な状況という中でやはりこれについては感染拡大(防止)優先ということを最終局面で振り返って今、取り組んでいるという状況であります。したがってこの防止に全力を注ぐんですけれども、この全力を注ぐべき感染拡大防止対策は、飛沫感染ということを考えて最終的にはやっぱり市民お一人お一人の行動によりますし、従業員とか働いている方の職場の環境設定、事業展開のしかた、営業のしかた。そういったところ。あるいは勤務のしかたにもよりますので、皆が、人が集まり接触するという機会を、経済活動的には大変なんですけれども可能な限り減らす。やむを得ない場合は、いわゆる三密を避けるということでありますけれども、それより一番確実な接触するところを避けるということ。それをやり続けなければいかんなということを改めて考えさせられる日々ということです。そしてそんな中でそれを乗り越えた先、あるいはまちづくりをどういうふうに進めるかという課題はずっと横たわっておりまして、当然、成熟社会の中で少子高齢化、人口減少。この課題に挑むということをやろうとして、今年の6月には市の総合計画を策定してようやくまちづくりビジョンが確定したといいますか、自分にとっては出来上がりまして、持続可能性を追求すると。そのための様々な課題を整理し方向性を示したと。で、そしてそれを実現していく上で共に助け合う「共助」ですけれども、一緒に取り組む。これは平和の課題の方にも出てくる「連帯」ということは、同じような問題意識を持って方向性を共有して取り組んでいこうというふうなことを言っている最中で、またこれが出てきたということがありますので、奇しくもコロナ禍における住民同士が一緒になって物事に対応するという際に、基本的な考え方と方向性を一にします。そういう意味では間違った方向性ではなかった。問題は何より早急にそれを発動してコロナ禍を乗り越えなければいかんということかなと思います。そういう意味では「共助」ということの精神とその具体的な取り組みを日常生活でできるような、そういった状況をつくっていくこと。そしてこれが根づけば間違いなく本市が目指す地域共生社会というものの基盤も強くなるんじゃないかなというふうな思いもしています。それからもうひとつは、平和への願いというか、広島固有の課題でありますけれども、自国第一主義によることなく連帯して脅威に立ち向かおうというふうなことを平和宣言でも申しましたけれども、来月22日に発効予定となっている核兵器禁止条約。これがこういった取り組みの重要な一里塚になったということであります。これを揺るがないものにしていく実際の取り組みができる条約にしていくということがこれからの課題でありますけれども、当面は今核兵器を持っている国、世界的に国連レベルで認められた5か国と、認められてないけど持っているといわれる4か国。こういったところは、まず絶対に核兵器を使うということをしないこと。核兵器を使う戦争しないようにするという、そういった状況設定を各国の為政者がやりながら平和を維持しながら、そしてその先に核兵器をなくすという目標をきちっと据えて核軍縮不拡散の先に核兵器禁止、廃絶があるんだと。これを市民社会の総意にするというそういった宿題をやり続けるということが重要かなというふうに思います。そしてもうひとつサステナビリティ、持続可能性については、ついこの間議会でも発言いたしました。これは日本もようやく明言しましたけれども、2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにすると。自分たちの住む環境そのものを持続可能なものにするという大きな課題に応えるひとつの目標であります。こういったことをしっかりと方向性を一にして市民、事業者。一緒になって取り組んでいくというふうに思っています。そういう意味では最初にも申し上げましたように非常にピンチですけれども、目指すべき方向、課題がはっきりしていますのでそれに向けてこれをチャンスに変える。そういった様々な取り組みをやっていく。その際の重要な基本コンセプトは「共助」であり「連帯」であるというふうに思っています。そういう意味で皆さんと一緒になって頑張るぞというふうに思っています。以上です。
【その他の質問】
【サッカースタジアム建設について】
記者
先ほどまでコロナの話、今年非常に大きい話として言及があったんですけれども、もう少し細かな話しでいきますと、市にとっても大きな事業としてサッカースタジアム建設についての事業があるかと思うのですが、この事について今年を振り返りますと3月に基本計画の決定があり、そのあとに予算措置が議会に承認されるといった、いろいろなことが大きくサッカースタジアムにとっては進んだ年だったというふうに思います。一方で後半には県と市の費用負担の割合というものが、まだ合意にいたってないということで解決する課題として残されてきたかと思うんですけれども、この課題を含めて来年、このサッカースタジアムについてどう取り組んでいきたいと考えていらっしゃるか、市長のお考えを聞かせてください。
市長
これも今説明がありましたように着実に進んでいると認識しています。現在、設計・施工する事業者の公募をしていまして、今年度末、ですから来年の3月末までには事業者を選定して、新年度に設計に着手するという予定で物事を進めている認識であります。従いましてこの先の目標値は、引き続き令和6年の開業を目指すということ。それで逆算していくとそれに間に合うよう作業を進めるということでありまして、令和3年は今言った業者を選定した後、設計に入るわけですから、そのための令和3年度予算、必要な予算を作らなければならないということであります。そのスケジュールに乗っ取って事業を進めていきたいというふうに思っています。費用負担について県の方では、もともとが、こういったスタジアムを造って、あの辺りの具体的な設計は、県民といいますか、市民だけでなくてもっと広く多くの方に有用なものだということが、まだまだ実感できる状況にないので議論を詰めたいと、こういうふうなお話しをされていますが、私自身は、もともとが知事も発案あって一緒にやっていこうということで、やれるはずだということですしね。あとは、技術的な問題ですから、それを多くの方が納得いく設計にしていくという、まず方向性は共有できているんですね。検証できるどうかというのは、まず予算を付けながら段取りを付けて確認していくということでもいいんじゃないかという思いなんですね。実際、さっきも新聞でも言っていただいていますけど、ひろぎん(広島銀行)とか中電(中国電力)なども、広島市のために出すというか、それぞれ県域、中国地方全体で事業展開されている企業が、組織を上げて寄附をするということは、それなりに広い範囲での貢献度が認められるということがあるから御寄附いただけるという決断もできているんだと思うんですね。そういった状況を見ていただければ、県の議会の方でも、十分理解が進むんじゃないかというふうに思っています。
※( )は注釈を加えたものです。