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2020年4月9日記者会見「自民党の河井議員夫妻をめぐる公職選挙法違反)の発生について他2件」
動画は下記からご覧ください。
(「広島市公式チャンネル(Youtube)(市長記者会見)」のページへジャンプします<外部リンク>)
■市政記者クラブからの代表質問■
【自民党の河井議員夫妻をめぐる公職選挙法違反(買収疑惑)について】
記者
まず1つ目ですが、自民党の河井議員夫妻をめぐる公職選挙法違反についてです。
広島地検は、3月24日、自民党の河井案里氏と夫の河井克行前法相の秘書を公職選挙法違反の罪で起訴しました。更に、この事件に絡み、河井夫妻が複数の首長や県議、市議に現金を渡していたとの疑いにより、広島地検が捜査しているとの報道があります。こうした河井夫妻の一連の問題について、市長の受け止めをお聞かせください。
市長
お二人の秘書が起訴されたことにつきましては、今後の裁判を通じて事実関係が明らかになっていくものと考えております。そうした中で河井夫妻につきましては、昨年の夏の参議院議員選挙に関わる様々な報道がなされておりますけれども、私としては、まず早急に、例えば首長とか県議、市議への現金授受といったことも含めて、事実関係が明らかになるように河井夫妻本人が責任をもって国民にしっかり説明をされるべきものではないかと考えております。
【平和記念式典について】
記者
2つ目ですが、平和記念式典についてです。
新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受けて、本市で8月に開催が予定されている平和記念式典について、今後どのように準備を進めていかれるのかお聞かせください。
市長
平和記念式典は、昭和27年以来、途切れることなく続けているものであります。そして今年が被爆75周年という節目の年でありますから、現下の状況、とりわけ新型コロナウイルス対策を十分にやらないといけないという状況下でありますけれども、対策を十分にとるということとうまく調和させながら式典は開催していきたいと考えているところであります。具体的に、どんな対策だということになるわけですけれども、密集とか密接を確実に避けるということが重要になろうかと思います。そうしたときに式典のあり方を皆さんにも分かっていただくようにしながら、密集・密接を避けなければいけないということになろうかと思いますので、そういったときに、例えば式典というものが原爆の犠牲者・死没者、その方々の慰霊をするためのものであるという性格と同時に世界に向けて平和をアピールするということも目指すものである。あるいは、平和教育といったこともやれるという、ある意味で複数の要素を持ち合わせた式典だと思うのですけれども、そういった中でこの事態の中では、例えば、今回は慰霊ということに目的を絞るということで式典をやりたいと思いますと。したがって、その慰霊という観点からいろいろ考えて、密集・密接を避けるということをしていくと、参列者の方や参加者、大幅に御遠慮いただくというふうなことをやって開催する。そんな、例えば展開といいますかね、そういったことになるのではないかと思うのですけれども、いずれにしても今言ったような考え方も含めて式典の開催方法そのものに関して被爆者を始め式典に関する方々の意見も伺いながら、そしてもう一方で(新型コロナウイルス)感染症の状況というものも見極めながら、できたら5月中に具体化するという作業をしていきたいと思っているところであります。
記者
例えば、例年いろいろな都道府県の代表様とか御高齢者がいっぱい集まると思うのですが、規模をある程度縮小してやるということまで大体視野に入れていらっしゃるかということをお聞かせください。
市長
はい。視野に入れています。5月中と申し上げるのは、いろいろな形で、招待者などにどういう形で御案内するかという事前手続きも要りましょうし、直前にというわけにはいきませんので、それぐらいのタイミングで、規模感とかあるいは今までのとおりですと警備の話もありましょうし、資材の提供をやる業者契約等いろいろなところに絡んでまいりますので、今申し上げた考え方でいいのかということも含めて、十分協議した上で決めていきたいと思います。
記者
質問が戻るのですが、河井夫妻の関係で安芸太田町の町長さんが辞職するという事態までいかれたのですけれども、市長も広域都市圏等でよく御存知の首長さんではないかと思うのですが、そのことについてはちょっと一言、もしコメントできればお願いしたいのですけれども。
市長
首長さんの中で受止めですね。自ら現金を受けたということについて道義的責任ですか、そういったことを感じてお辞めになる方も出られているという事実がまずあるわけですから、そういったことも含めて選挙で多くの方の支援を受けて国政の場に出ておられるわけですから、そういった方への説明責任も含め、また、投票した方々、選挙民という、いろいろな立場の方に対する、本当にどうなっているのだろうということを皆さん疑問に思っておられると思いますので、それをしっかり果たしていただくことの重要性がますます増したということじゃないかなと思いますけどね。
記者
先ほどのお話は、式典に限った話だと思うのですけれど、式典の前後に慰霊碑に参拝する方がすごく多くいらっしゃると思うのですが、そういったことの規制も含めて検討されるお考えはございますか。
市長
当然考えていかなきゃいけないかなと思うのですね。平和公園の限られたスペースの中に、今までですとだいたい1万2000席ぐらいの席を用意して招待者に来ていただいて、ああいう配列で式典をやると。今のままですと、このままコロナウイルスが続くようであれば、密集・密接というものに該当するということでありますから、そういった点をどうするかとか。それから、お子たちによる「ひろしま平和の歌」の合唱などもありますね。そういったこともお子たちも交えてその場でやるのがいいのかどうかとか。更には、式典は50分ぐらい長時間あるわけですけども、その間、公園内に例年ですと5万人程度の方がざっと見えるのですね。そういう方々に対する取り扱いも含めて考えなきゃいけないということですので、まず規模感とか、式典の時間の配分とか、それに要する警護とか、先ほど申し上げた機材の配置、一連のものが変わってくると思いますので、関係者と十分協議してやりたいと思います。
記者
式典の50分だけじゃなくてその前後も含めた、例えば入場規制とかそういったことも含めて。
市長
やるかどうかも含めてですね。様々に考えなきゃいかんと思っています。ですから、今までと同じようにはできないのではないかということは前提ですけど、開くための方策を、どういう意味づけをして、位置づけをしてやるかということで式典の開催方式もいろいろ工夫ができるんじゃないかと思います。
記者
関連して補足なのですけども、まさに5万人ぐらいの方が例年ずっといらっしゃると。これは言い方が難しいところではあると思うのですが、そういった方々に対してもできれば来ないでほしいというようなメッセージを発することも考えていますか。今回は来ることは控えてほしいというか。
市長
今思っていますのは、例えば先ほど申し上げたいろいろな要素があるのですけども、今回は本当に慰霊ということを中心でとなれば、いろいろな法要とか何とかということの宗教の事例を考えたときに、ごくごく限られた方を呼ぶ性格のものにちょっと性格換えしてやりますので、皆さんの式典への参加はマスメディアを通じて間接的にやっていただいた方がありがたいとか、言い方もあると思いますけど、例えばそんなふうにするとかいったことになると思うのです。いずれにしても現場に来た中で警備体制を敷いて、1人2メートルずつ空けてそこに並んでくださいというのも、たぶん現場ではしづらい状況になると思いますので、現場でのトラブルを避けるための事前の周知方法と、式典のあり方についての性格付けをしっかりした上で皆さんに納得いただいた形での開催方式をどう考えるかということをやろうかと思っています。
記者
関連なのですけれどもすみません。先ほど様々な要素がある中での一例として、慰霊を大事にする考え方もあるとおっしゃいましたが、今のところの市長のお考えとしては、その要素の中でいうと慰霊の場としての意味合いを最も重視した形での開催を考えてらっしゃるということでしょうかね。
市長
はい。私自身慰霊は絶対に外せないものだと思いますので、例えばそういったことをすればいろいろな式典開催方法についての調整をすることで、皆さんに理解いただける可能性が高いのではないかと思っていますけど。
記者
関連して1点なのですけど、市長がおっしゃった式典の役割として、世界に向けての平和アピールというのもおっしゃって、ただその中で今回は慰霊という観点に焦点を当てるということでしたけど、となると参加者を制限する中で、各国大使というのはどちらかというと世界に向けての平和アピールの部分かと思うのですけれど、各国大使の参加を今回は遠慮するとか、具体的にこの方々たちはちょっと今回は御遠慮いただこうという候補があるのかどうか教えていただけますか。
市長
具体的な候補というのはありません。各国、今までは、日本におられる大使館の方々は本来ならば各国の要人に直接広島に来てくださいと、海外から来てくださいということをやり、それが難しい場合でもできたら代表者として各国の大使なり大使館の方に来ていただければというなりお願いしていましたけども、逆転して、むしろ中心は大使館におられる方で来ていただいた方がいいと案内するようになるかも分かりませんしね。人数的なものは問い合わせなどしてどうかということで会場数を制約すれば、来る方の人数制限をお願いするとかいったことになっていくと思いますけども。具体的にそこまでまだ考えていませんけども、いろいろな問題というか世界に向けて発信する場合におけるメッセージ性をどの程度考えるかマスコミ等通じてできれば引き続きしっかり流していただきたいと思いますけどもね。その場に実際に集まる方々をどういう配置でどんなふうにお願いするかは、慎重に考えたいなと思います。
【NPT再検討会議の延期について】
記者
新型コロナウイルスの世界的な感染拡大によって、3月28日に国連よりNPT(核兵器不拡散条約)再検討会議の延期が正式に発表されましたが、改めて、市長の受け止めをお聞かせください。
市長
これ自身は、正式決定前にも少し所感として申し上げておりましたけども、それと変わるものではありません。NPTそのものを発効してから50周年、そして被爆75周年という節目の今年開催予定であったものでありますけども、現下の状況の中で開けないということになりました。この会議自身は5か国の核保有国、そして、それ以外の国、更に5か国に関してはその同盟国を含む、そんな構造の中で、190を超える締約国が核軍縮等についての実質的な議論を行い、しっかりと合意をまとめていただけるようにするための重要な会議でした。ただ実際に、開催に至るまでは(核保有国、非核保有国の対立により)なかなか合意ができないのではないかと(予想されると)いうような状況の中での問題でした。そこで、そういったことに対応して、会議の開会中には平和首長会議会長として、また広島市長としてこの会議の中でそういったところに参加させていただいて、NPT体制のもとでの核軍縮を進めることの重要性をしっかりと訴えて、各国為政者に取組を進めていただくとか、更には被爆者を始めとして広島の高校生など多くの市民団体にも発信活動をしてもらって、しっかりとした取組を(実施してほしい)ということを(各国政府代表等に)訴える、そんな準備もされていた中での開催延期ということであります。大変残念だというふうに思っております。しかしながら、ものは考えようで、なかなかまとまりが付かないのではないかと言われていた中で、関係各国、とりわけ核保有国とその同盟国、あるいは非核保有国との間で、核軍縮を進展させなければいけないということに関して真剣な対話をすることができる時間的余裕ができたと捉えてもよい側面もあろうかと思います。むしろそこの部分に着目して、平和首長会議としては、できたらこの間、タイミングをみて各国政府代表に向けて、再検討会議で実のある議論ができるように求めるという意味で、誠実な交渉をしていただくということをしっかり要請するような共同アピール(文)の発出などができないかなと思います。いずれにしても長崎(市)などと相談して、タイミングをみて(共同アピール文の発出などを)やれればという思いも持っているところであります。
■その他の質問■
【経済に関する独自政策について】
記者
対策本部委員会議の方で話をされて、いろいろなメッセージを込められているのはよくわかったのですけれども、一つ、経済対策のところで。いわゆる、「緊急支援フェーズ」と「V字回復フェーズ」と「医療フェーズ」で市の独自策を打ち出したいという話をされました。これから、もちろん、5月上旬までに検討を始めたいとおっしゃっているのですけれども、もう少し具体的に、何か形が見えているものがあれば、例えば、お店の方に、ちょっと報道されましたけど、事前にチケットを買ってもらって、収束した後にそれで買ってもらうみたいな、そういう取組も独自に進んでいるようなのですが、そういうもっと小さな具体像が、もしあれば教えていただきたい。
市長
まさに、今言われたような話でありまして、今回のコロナウイルスの事態に対応する、対応の仕方についての基本的な問題意識なのですけれども、本部長会議の中でちょっと言いましたけども、本来であれば、人類とウイルスが闘うっていう構造みたいになっている中で、別に、学者によれば、最終的にはウイルスと共存するということを最終目標にしながら、どうこなしていくかということをやらなきゃいけない局面だというふうなことを言われている中で、実際、保健センターやそういったとこで、一斉に窓口の職員が「陽性か陰性か」や、発熱した方々に当たっていくときに、現実問題とすれば、公衆衛生上、公衆の、公共の福祉のためということと、個人の人権、プライバシーの保護という、この価値観のぶつかり合いの中で、なかなかうまく調整できないと。そうすると、まさに、健全な方と罹患した方の争いみたいな感じになって、全然話が違った方向で揉めたりするというようなことにぶつかりながら、情報提供をしてやってきていると。そうした中で、この経済活動という面に重きを置きますと、これはやはり、何らかの対応をしなくてはいけないのだけれども、国が経済活動を縮小するために要請したのだから、国としての他律的な要因で縮小したのだから、それの被害は原因となったところが費用を補填しなくてはいけない。それがないかぎり、強行法ができてないかぎりはやらなくてはいけないと。そういった議論の方にまた移って、なかなか、制度設計がうまくいかなくて、いわば、議論をしながら、理解が深まるということはいいことでしょうけど、実際に日々刻々、被害が拡大している方々にとっては、なんともしがたいという状況だと思ったのですね。そうした中で、これもマスコミ等を通じて実際に業者の方のお話を聞いたりすると、もう待っておれんから、自分らとして、食材を提供する業者からすると、自分のところに来ると、密集・密接が起きるのだから、それぞれお宅に配ると。それを買ってもらえば、その間の収入が入るのだからというふうな話をして、それをやっているという方もおられるし、それから、クーポンをやっていて、1年先の購入を約束していただいて、運転資金をやると。自助努力といいますか、そういうことをやられているのですね。そうであれば、それを共助の段階に高めて、政府と個人の対立ではなくて、地方自治体のコミュニティといいますか、地域のまとまりの中でそういったものを早く、皆さんの取組の中でしのげる方法を基礎自治体として何か支援できないかというふうに思ったのですね。ただ、そのときに、支援するやり方について、行政ですから公平性とか公正性みたいなことも加味したときに、どういう形で支援をピックアップしてやるかということを考えなければいけないと思いまして、担当部局の方に今日、本部会議で発言したような趣旨で言って、こういった生死に関わるようなものを助けるための仕掛けをちょっと考えてくれという宿題を実は出したという、そういう状況なのです。ですから、様々な取組で、本当にこれならば即効性があって、かつ、コロナウイルスが下火になったときに利用者がドッと出るような仕掛けとかワンセットで、皆さん個人でとか考えておられるのがあるだろうから、いいものを推奨すると。それに対して、必要な費用が当然伴いましょうから、そこを出す工夫をしてくれというようなことを言っております。ちょっと、具体的にこうだということまで言えませんので、一応、時間を区切って、早くという気持ちでやりたいなというふうに思っています。ですから、市民の中で、こういうやり方でいいのではないかというような御意見を頂ければ、それを支援できるような枠組みを作るという作業をやっていきたいなというふうに思っているところであります。
記者
例えば、そういうクーポンを作ると公平性があるので、作ったところに対して、その支援したお金をちょっと支援するとか、そういうふうなイメージ。
市長
そうですね。全額とはいかないとしても、それをするために、立ち上げのための費用がいるかもわかりませんし。いわゆる、配送なんかすると、配送業者といろいろな手間をかけてやる交渉なんかに、コストがかかればそれを支援してあげるとか。動機付けをした方々に励ましになるような支援方法であっていいと思うのですね。元々は、売り買いの中でのお金のベースは決まっていて、共助ですから、具体的にサービスを受ける方が対価を事前に収入のない方にお払いしていて、その後のサービスは受容的になるけど、まあいいじゃないかと、今お困りなんだからと、こういうふうなことになっている。それらに関わる事務費や何かがもしあれば、行政としていくらか出すとか、更に、値段を割り引く等をやるのだったら、その割引の一定率を行政としても支援してあげるとか、工夫は様々な余地があると思うのですね。その辺をちょっと考えてもらえないかなということを担当者に今、指示しているという状況であります。
記者
経済に関する独自政策の関連なのですけれども、これ、金額的な規模感であるとか、あとは、時期ですね、いつごろまでに始めたいというようなお考えというのはありますか。
市長
始めたいのは、先ほども目標値を言いまして、できたら5月上旬からでも動けるように早急にやってくれということを言っています。規模感も、これは実際、市が独自財源を出しますけど、今、補正予算をまた6月まで組めませんから、それまでにやるとすると、予備費とかを上限の中に置いて、その中で使えるようにするということになろうかと思います。
記者
金額的には、具体的に、例えば、1億円規模とか、そういう何億円とか。
市長
まだ、そこまでは決まっていない。仕掛けによりますし。だから、取組の対象者がどれぐらいいるかを決めて。でも、予備費の、多くのオーダーありますから、それのいくらかは使うとか、トータルで億のオーダー出してもいいのではないかぐらいの気持ちは持っていますけどね。
【市立学校の臨時休業について】
記者
新型コロナウイルスに関連して2点なのですけれども、まず学校について、学校再開を今週からしているかと思うのですけれども、保護者とか「学校再開して大丈夫なのか」とか、ネットでも「休校にしてほしい」っていうような署名が集まっている中で、先ほど市長が本部員会議で、「一斉臨時休校も含めた措置について教育委員会に対して要請したい」というふうにおっしゃっていましたけれども、例えば、何らかの見通しがあったりとか、市長の考えが今どういったふうな考えなのか、もうちょっと具体的にお伺いできますでしょうか。
市長
今回、元々学校の扱いについて、政府で全体でという指示が出たときにも、現場の実情を考えながらというようなこともやりましたし、現場の実情は今言われたように、こういう、政府全体が緊急事態宣言ということをやるような状況の中で、局面が変わったのではないかというふうに感じておられる御父兄の方たくさんおられるということで、そういう方々からのいろいろなお話が学校に入っているというのを聞きました。そういった中で例えば、政令指定都市、全国20都市ありますけれども、その中で緊急事態宣言の対象にならないような、まあ広島はなっていませんから。そういう都市が10都市あるのですけれども、それをざっと見たりすると、そのうち5都市が休校措置にするというふうな、ちょっと方針をだいぶこう変えてきているというような状況にありまして、それから先ほど、本部会議のときにも言ったのですけれども、本当に、もし自分が感染者になったときに、どういう行動をするかといったときに、お子たちの中に一人でも発症したときに、そのお子たちが、例えば、家族が都市部の感染地域に行ったりして、こう、ウイルスを持って帰ってくるという事例が広島でも出始めていますから、そういった御家族の中に、またお子たちが持っていて、また学校に行くという可能性もひょっとすると高まっているのではないかというふうな恐れがだいぶ出てきたものですから、その辺をよく考えてもらって、かつ、給食とかいろいろな準備態勢もありましょうから、関係者とよく協議をしてもらって、本当にコロナウイルスに打ち勝つための、いわゆる拡大を加速化させないための重要な局面だということを多くの方に納得していただけるならば、切り替えて休校措置とかいうこともやってもらっていいのではないかと、そういう気持ちを込めて、教育委員会にお願いしたということであります。
【新型コロナウイルス感染症患者に関する情報公開について】
記者
すいません、もう一点、コロナウイルスに感染した患者の発表についてなのですけれども、連日大変お忙しい中、職員さんたち患者さんに寄り添いながら、聞き取りをされた上での発表ということを重々承知してはいるのですけれども、やはり他都市とか県の発表に比べて、非公開という点が多いのではないかなと、記者クラブの中でもそういうふうに受け止めが広がっているのです。年代とか性別といった基本事項が全て非公開っていうケースもあって、これでは情報を受け取った側も、じゃあ、どうしたらいいのだろうと、余計不安になったりとか、そういった事態もあるのではないかなと、そういう、どう受け止めていいか分からないこともあるのではないかなと思ったりもしていて、その辺り、情報公開に関して改めて市長の考えをお伺いできますでしょうか。
市長
それも先ほども、ちょっと申し上げたとこなのですけれども、結局、マスコミとして非公開のような情報について、多くの方に的確な情報が提供できないというふうな思いでおられるということだと思うのですけれども、そのときの構造はウイルスに感染した方についての正確な情報を感染してない方々に届けないと、その方々の被害、意思とか、そういったことに対する十分な行動予測を立てるための情報提供として不十分ではないかと、そういう点が強いのではないかと思うのです。そうすると、その行動というのは、結局、自分は非感染者、だから感染した人のことをちゃんと言ってくれないと我々は困るのだということで、出せ出せと、こう言われるのですけれども、もう一方で現場の職員などは、感染した方に聞くと、自分の名前が出てしまうと、いわゆる差別・区別の対象になったりするじゃないかと、だから、伏せてくれと。必要最小限の治療に必要なこととか、濃厚接触者の接触状況なんかについては、自分の名前を伏せてくれるのであったら言うけれども、それまで言うのだったら言わないとかいうことで、ものすごい現場は困っているわけです。その中で、むしろ、その方の情報を皆さんにお知らせするということに注力してやるよりかは、行動した中身を言っていただいて、伏せるから教えてくださいと、そして、なるべくあなたのことを分からないようにしながらも、影響を抑制するための動きをしますからという言い方をして、情報を取るということをしっかりやっていただいているというか、いうのが現状であります。だから、そこで私自身も申し上げたのは、もし自分が感染したら、どう行動するだろうということをしっかり健常者のことも考えていただいて、一緒になってやろうじゃないかと申し上げているのです。これは、人間が動物であるかぎり、正常な機能を維持するために、異常なものを排除するとかということをやるという本能があるのですけれども、その排除の仕方について、もう少し理性を働かせて、もし自分がそちらの立場になったときにどう思うだろうかということも、ちょっと考えていただくとどうかなと思うのですね。特にここを強調したいのは、原爆という被害を受けて、いろいろな意味で差別にあったとかいう方は、このような思いを他の誰にもさせてはならないという、そういう考え方をベースにしながら今の問題に対処するという、そういうことが問われてるのではないかと思うのですよね。だから、マスコミの皆さんの情報不足だという気持ちも分からないわけではないのですけれども、そういう差別の対象とかいうふうになりたくない、たまたま自分も被害者になったのに、なぜ急に、こんなに自分のプライバシーを暴かないといけないのかと、責めまくられるのだと、こういうふうなことをどうも言われるらしいのですよ。そこもちょっと考慮していただきたい。その点については、ある意味で、広島が伏せているところが多いというのは、それに相当考慮して対応させていただいているというのが原因かも分かりませんけれども、引き続き御配慮いただきたいというふうに思います。
記者
確かに患者さんがすごく不安になる、自分がかかっているということが、ネットとかでもかなり情報が上がってきたりしますし、不安になるっていう状況もものすごくよく分かるのですけれども、例えば年代と性別だけとかだったら特定までには至らないのではないかなというふうに考えているのです。国とかから、ここまでは公開しなさいというような決まりがない中で患者さんとの交渉ってすごく難しいのではないのかなっていうのは重々分かっているのですけど、例えば年代と性別だけでも公開していただけるとか、今後そういうふうな形で調整をしていただくとか、そういったお考えはありますでしょうか。
市長
確かに、その一定の整理基準を設けてやるということ自身は、ある意味ではこういう問題に悩まなくて済むという局面はあるのですけど、実はこういった情報は、市という公的機関だけが把握しているのではなくて、いろいろな形で何らかの情報のヒントがあれば民間の方々同士で、ネットワークでいろいろな情報が飛び交っているという実態があるようなのです。それでその当該者の方は、民間情報として自分のことが、どれくらい分かっているかどうかということを気にしながらされているのですね。会社勤めであれば同僚が、「今日、来なかったからどうなったのだ」と臆測で言うと、それが伝わり伝わって、出たところで「ああ、やっぱり」とか特定されたとか、こちらは出していませんと言うのですけど、出したのではないかと、こういういざこざが起こるのですよね。だから一律に、どうも言えないっていうか、その方に関する情報が民間の中でどういう形で共有されているかも見通せない。御本人が一番よく知っているわけですね。だからこれが、分かっちゃうと自分が特定されるというふうなことを言われて「だから出さないで」とかこう言われているのですね。申し訳ないけども、ここで何らかの判定基準といいますかね、出して、ここまでは出すということも申し上げられないという現状をちょっと理解していただくと。なるべく御当人の納得を得て引き出すということは引き続きやりますので、よろしくお願いします。
記者
関連の情報公開に関することなのですけれども。そうすると、例えば同じ規模の地方都市で大阪ですとか580何人とかですね、福岡130何人。全員・年代・性別・居住区を出していて、また今最も関心が高い、この緊急事態宣言の対象地域との行き来とかですね、特記事項として東京都との往来ありとか全部出ています。全部出ているのですけども、広島が出ていないっていうことは先ほど市長がおっしゃった、広島の過去の歴史を踏まえた上の対応だということですか。それとも、そのなぜこの差が出てくるのかが、ちょっとよく分からないのですけれども。その大阪と福岡が、例えばですけれども、どういう対応しているのか正直分からないのですけれども、結果として同規模の都市で出ていないのが広島市ぐらいしかないのではないのかなと思うぐらい、他調べても全部出ているのですけれども、その差がどこから来るのかというのをもう一度教えていただけますか。
市長
まあ、私自身の思いは発症する方、要するに現場で当たらなきゃいけない方の人数が2桁3桁とかになるとですね、そこら中にいるからということで、その近隣の方も、都市部であればほとんど気にしないし、お隣がどうかというような情報も元々ないのではないかと思うのです。まあ広島は、都市といわれながら結構中都市であって、結構お隣というか近い者同士の情報がどうも分かっているような感じなのですよ。だから、数が少ないというその裏返しとして出てしまえば、どうも周りの人から分かってしまうということをどうも秘匿される方が言われるのですよね。それと、そういったことを言われる中で、先ほど申し上げたように広島として、たまたま犠牲になった方のそういう気持ちも大事にしながらかつ悪い影響が広がることの防ぎの方をまずやって、これがいるからみんなで何とかしましょうということで出せば、やっぱり差別を助長するようなことにもなりかねない。理性ある方はちゃんとわきまえていますけども、それをやることで、そうでない動きを支援するような側面もなきにしもあらずで、秘匿される方はそのことをすごく気にされているから、そこももう少し大事にしていいのではないかというふうな思いですよね。だから両面あると思います。
記者
そうすると、その地域特性も踏まえた対応をしているということなのでしょうか。
市長
それもあって、そういうふうに言っていただいていいと思います。
【市外から来る人への対応について】
記者
分かりました。ちょっともう一点お伺いしたいのですけれども、緊急事態宣言が出てこの対象地域になっている地域からの、入市といいますか、往来を自粛したり、自粛要請を呼びかけたり、転勤とか引っ越し以外で、あと2週間自宅に待機するよう要請したりする自治体が今増えているのですけれども、広島市としてこういう対応は今後、すでに決まっていた方以外のいわゆる普段の移動ですね、私用ですとか出張とかもあるかもしれませんが、そういう広くそういう方を対象に呼びかけることとかは検討されていますか。
市長
今日の朝の本部員会議でも申し上げたのですけども、例示的に言ったのですけども、その精神は、新年度に移動されて、しかも7都府県から来られた方がおられます。だから実際に動いておられますから、来るなじゃなくて、来た方々に関してはできる限り御自身の行動歴を記録するなどして、自らの健康管理を徹底してくださいというふうにまず申し上げています。そしてそれに関連する企業とか大学、新入学ありますから、そういった組織がきちっと従業員とか学生の健康管理をするということに意を用いてくださいと。そしてその上で発熱・咳・倦怠感あるいは味覚・嗅覚異常などの症状があれば、直ちに保健センターに相談していただくと。そうするならば、そこで感染が疑われたら、優先的にPCR検査を実施致しますのでと、協力をするという覚悟の上でしっかり自分の行動を見てくださいというふうな言い方にしているのですけど。一律、駄目というようなことは先ほど申し上げた精神からすると、広島としてはなかなか難しいのではないかと思っています。
記者
確認ですけれども、今後移動される方に対しても特に。
市長
ええ。ですから来る方々に関して、そういうこの地域はまだまだ感染の度合いが低いわけですから、高いところから来た人はもし自分が持っていたら困るのではないかという思いを持って自分の行動をしっかりしてくださいということを皆さんにお願いしたいと思っています。
記者
転入者の関係なのですけれども、優先的に検査を行うということを朝おっしゃられましたけれども、検査件数自体を見ると相談件数からして検査件数って10分の1ぐらいですかね、検査になっているのは。その上で転入者の検査を優先していくということで、検査態勢の拡充とか、これで十分であるとかどのような評価になるのでしょうか。
市長
もちろん検査をやるときに相談があって、今言った症状があり、先生方から見て確かに検査が必要だということをやれば、人数的に、こう争っていったときには先にでも致しますよっていうメッセージです。それでその検査態勢なども、もちろん全体の検査態勢については県の方でも医療システムの拡充、充実という視点から調整していただいていますので、それらを踏まえながら、かつまた現場では我が市の職員が、業務体制をしっかり手当致しまして、職員自身がやりすぎて自分が倒れたりすることのない、まあ件数増えていますのでね、うまく対応できるような勤務体系にシフトするというふうなことで対応していきたいというふうに思っております。
記者
もう十分検査は行われているという評価でしょうか、それとも実はもっと足りない。
市長
十分というか、しっかりやっていますしそのために職員が本当に苦労しています。だから、この職員の方に、何て言いますか犠牲者がでない、倒れたりしないようにですね、ちゃんと職員体制を補充するということで、このこなしをやっていけないかなというふうな状況であります。
【経済に関する独自政策について】
記者
すいません、市の独自の経済政策についての確認なのですけれども、テイクアウトに軸足を移した飲食店などという例示がありますが、これ飲食店以外の業種にも可能性はあるのでしょうか。
市長
ええ、もちろん。中小零細規模の当座の生業の中で日々お世話にならなきゃいけないそういう業務だけども、人が集まる、そして人が密接してそういう商売をやっているような中でそれを防ぎながら業を営まなきゃいけないっていう方であれば、種類であればね、工夫してどうするかということを言っていただければ、その工夫をうまく転がせるような支援をするという発想で行きたいと思っています。
※( ) は注釈を加えたものです。