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ページ番号:0000013150更新日:2019年10月21日更新印刷ページ表示

2019年5月10日記者会見「2020年NPT再検討会議第3回準備委員会への出席等について(帰国報告)」

動画は下記からご覧ください。

(「広島市動画チャンネル(市長記者会見)」のページへジャンプします)<外部リンク>

市からの発表案件

2020年NPT再検討会議第3回準備委員会への出席等について(帰国報告)

市長

 この度、2020年NPT(核不拡散条約)再検討会議第3回準備委員会への出席等を目的として、4月28日から5月5日までの8日間の日程で、米国・ニューヨーク市を訪問いたしました。そのポイントについてお話をしたいと思いますので、詳しくはお手元の資料を後程、御覧いただければというふうに思います。

まず、今回の出張において、様々な発信活動を行いました。4月30日に、国連職員や各国の外務省職員の子供たち1,500人余りが在籍する国連国際学校を訪問いたしまして、核超大国の米国に住む高校2年生ですね、高校2年生約130名に対して、被爆の実相を伝えて、ヒロシマの心を伝えるという講演を行いました。

VTR試聴

非常に熱心に耳を傾けてもらいまして、「核保有国はいまだに軍拡路線を進めているけれども、核兵器廃絶に向けてどのように取り組んでいくことができるのか。」という質問がありました。私の方では、「為政者が使えない兵器で脅すという(核)抑止力のナンセンスさを自覚して、根底から発想を変えていくことが必要であると、そして市民社会は被爆の実相を認識した上で、核兵器は決してあってはならないものだという信念を持って、それを実践してくれる為政者を選ぶ力を身につけていく必要がある。」というふうな答えをいたました。

次に、5月1日には、準備委員会のNGO(非政府組織)セッションで3番目のスピーカーとしての発言を行いました。

VTR試聴

「被爆者は核兵器禁止条約の早期発効と核兵器廃絶に向けた核軍縮の具体的な進展を切望しているけれども、核抑止力に依存する安全保障体制の中で、核保有国はNPT第6条の核軍縮の誠実交渉義務を果たさず、核兵器の近代化を進めている。平和首長会議は、被爆者の切実な願いを受け止め、世界中のパートナーと為政者を後押しする環境づくりを進めていくので、核保有国を含む全ての国が真剣に対話して、知恵を出し合い、対決的安全保障を協調的安全保障に転換するための為政者のイニシアティブを要請する。」といったことを発言いたしました。

5月3日には、今回、平和首長会議が核兵器廃絶への貢献を認められ、ハーシー・プライズを授与されることになりました。その授賞セレモニーに田上長崎市長、カウニーデモイン市長、小溝理事長と共に出席いたしました。ステージの右手には9.11のサバイバーツリーと、昨年送りました広島の被爆樹木の種から育った苗が置かれておりまして、中央の巨大スクリーンに大きく平和首長会議と私たちの名前が映し出され、非常に華やかな演出になっておりました。

VTR試聴

平和首長会議による被爆樹木の取組が紹介された後に、最初の受賞者として4人で登場いたしまして、ハンマーをかたどったこの賞のトロフィーを昨年の受賞者である、フィンICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)事務局長等から受け取った後に、私が「核抑止の考え方をこれで叩き壊そう。ヨイショ!」ということで声を上げて振り下ろしまして、広島から持参いたしました千羽鶴を掲げまして、これが希望のシンボルというふうな紹介を行いました。この呼び掛けには会場、大変盛り上がりまして、米国の市民に平和首長会議の核兵器廃絶に向けた思いをアピールして、共感を得られたのではないかというふうな感触を得ました。

これらの私の発信活動の他には、次代を担う若者による発言・発信活動といいますか、そういった場も設けられました。4月30日に国連国際学校を訪問した時に、日本語と地理を学ぶ高校1年生約40名を前にして、今回派遣した高校生8名が核兵器禁止条約の早期締結を求める署名活動をはじめ、各学校で取り組んでいる平和活動の報告を行いました。各校の特色ある活動紹介の後に、「活動を始めたきっかけは何か。」、「核兵器がいまだなくならない世界情勢をどう思うか。」など活発な質問を受けまして、派遣高校生たちがそれぞれ堂々と回答しておりました。

質疑応答の後は小グループに分かれてのディスカッションが行われまして、より詳しく派遣高校生が行っている活動について尋ねられた他、広島を訪問したことのある高校生から被爆の実相に触れることの重要性についての発言があるなど、同世代の若者同士の膝を突き合わせての交流が進みました。同校の先生からお聞きしたところによりますと、今回の行事の後に生徒たちから、「自分たちも核兵器廃絶に向けて何かをしたいと思っていたんだけれども、今回ヒントをもらえた。」、「署名活動に取り組みたい。」といったような声が上がったというふうに聞いております。

また、派遣高校生は、5月2日には平和首長会議主催のユースフォーラムで、長崎のユース代表や海外の3つの若者による平和活動団体の代表、こういったところと一緒に、自分たちの取組を発表いたしまして、意見交換も行いました。コメントをお願いした中満軍縮担当上級代表の他、被爆者、多くの若者、それから平和首長会議役員都市代表等、約100名が会場に駆けつけまして、熱気あふれる雰囲気の中で、各国の若者は堂々と核兵器のない世界に対する思いを語り、多くの拍手を受けておりました。

意見交換の場では、広島の高校生たちに対しまして、「自国の若者と平和交流を行ってほしい。」、「自都市の若者に対する平和教育に役立てたい。」との声が寄せられておりました。日本被団協の木戸事務局長からは「自分たち被爆者は存命のうちに核兵器廃絶を見届けられないかもしれないけれども、核兵器から人類を守ることは全ての人がやらなければならないことである。今日の若い皆さんの活動報告を聞き希望を感じた。」といった言葉がありまして、参加した若者は自信を持って今後の活動を続けていこうと決意を新たにしておったようであります。

こうした、私や若い者による発信活動の他には、今回の出張では、様々な方とお会いして、連携を深めることができたのではないかと考えています。今回、被爆者のお二人とは、ヒバクシャ国際署名の目録を(サイード2020年NPT再検討会議第3回準備委員会)議長にお渡しになる際、あるいはユースフォーラムの他、地元で開かれましたニューヨーク市民向けの行事等で、協働することができました。

また、核兵器禁止条約推進国のオーストリア、ニュージーランドの政府代表とお会いした際には、平和首長会議の取組に信頼を寄せているとの言葉を掛けていただきました。また、準備委員会では米露をはじめとして激しい議論の応酬がありまして、厳しい情勢が続いているけれども、自分たちは歩みを止めることなく着実に批准国を増やして、核軍縮を進めていくための努力を行うので、今後も平和首長会議の市民社会における世論醸成・拡大の取組によって、各国政府を核軍縮に向けて後押しするよう期待しているといった言葉をいただきました。私の方からは、特に若い世代の核兵器廃絶に向けた意識高揚に力を入れていきたいといったようなことを述べておきました。

その他、中満軍縮担当上級代表やサイード議長にもお会いいたしまして、来年のNPT再検討会議を成功に導くため、締約国との協議を準備委員会後も続けていき、核軍縮進展のための文書をまとめることを目指す、議論のたたき台になる勧告案を作成し、合意形成を目指したいといったようなお話を伺いました。

その後で、高見澤大使とお会いした際には、厳しい情勢の中で日本政府も核保有国と非保有国の有識者による賢人会合で橋渡しの取組を行っており、今後も(サイード)議長と協議を継続していきたいと、今後活路が開けるきっかけとして新しい軍縮不拡散教育の推進、市民社会の関与が考えられるといった言葉がありました。小溝理事長から、全米市長会議で平和首長会議への賛同決議が昨年まで13年連続で採択され、米国内で10余りの州・市議会で同様の決議が採択されていることを紹介いたしまして、平和首長会議のネットワークにより今後も世界中で世論を醸成していきたいといったようなことを伝えました。

次に、英国のリドル(軍縮)大使ともお会いいたしまして、核保有国としてやるべきことをしっかりやっていきたい、また透明性を担保するための核政策のレポートを発出して、市民社会などからフィードバックを得て対話を進めていきたいとのお話を受けました。

私の方からは「貴国のように透明性や対話を重視する姿勢を他の国も持てば、意見はまとまっていくので、他の核保有国をリードして、被爆者の戦争、核兵器をこの世からなくしたいとの強い思いを受け止めて、核兵器廃絶に向けて歩みを進めてほしい。」といった要請をしておきました。

次に、今回の訪米中に行った米国内の加盟都市拡大の取組についてお話をいたします。5月1日に、今年3月のワシントンD.C.における核兵器廃絶に向けた決議採択の原動力となったNGOメンバーと面会いたしまして、平和首長会議の取組を紹介し、同市の加盟に向けての協力を要請いたしました。要請を行った方はホール氏なんですけども、今後、このホール氏には、カウニー市長や米国在住の専門委員と連携しながらワシントンD.C.の加盟に向けて働き掛けを行ってもらえるよう、3人を引き合わせるということも行ってまいりました。

5月2日には、デブラシオニューヨーク市長と親交の深い、米国のリーダー都市であるカウニーデモイン市長に同席していただいて、2017年に続いて2度目のデブラシオ市長との面会を実現いたしました。

カウニー市長が、全米市長会議における13年連続の平和首長会議に対する賛同決議の採択や米国内で広がる決議採択の動きについて紹介をされました。その後、米国をはじめ核保有国の軍拡路線は憂うべきものであり、世界の市民社会における核兵器廃絶に向けた世論醸成・拡大に取り組んでいる平和首長会議に加盟して共に市民を守るために行動しようと働き掛けられました。

デブラシオ市長からは、「政策アドバイザーがいるので、このアドバイザーに今後も情報提供をお願いしたい。しっかり検討していきたい。」との回答がありましたので、カウニー市長等から働き掛けを継続していただこうというふうに思っているところであります。

今回の出張期間中には、デモイン市の他にクロアチアのビオグラード・ナ・モル市、オーストラリアのフリマントル市など平和首長会議の役員都市の皆さんと共に連携も深めることができました。ユースフォーラムにも駆けつけていただきまして、若者に対して励ましの言葉も掛けてもらいました。

また、5月3日の役員都市の意見交換会には、3市の他にインドのコーチ市もスカイプで参加いたしまして、市民の安心・安全な生活を守るため、各都市で行われております自然災害対策、貧困・難民支援対策、平和教育施策、先住民との共生に向けた取組など多岐にわたる報告がありまして、有意義な意見交換の場となりました。今後も加盟都市の市長が取組を紹介する場を設けて、相互の取組を発展させていこうという確認を行いました。

また、11月にドイツのハノーバー市で開催する理事会に向けて、次期ビジョンや行動計画についても現行動計画に掲げる目標を踏襲しながらも、更に検討を深めるということにいたしまして閉会いたしました。

以上が今回の出張の概要であります。準備委員会での各国政府間の議論は、出席する前に予想していたよりもはるかに厳しくて対立的なものでありました。核保有国と非保有国の対立だけではなくて、核保有国間の間でもお互いの正当性を主張し、相手国を非難することに終始するといった場面も多くありまして、今後の核軍縮を進めていく道程は非常に厳しいものがあると感じました。

しかしながら、各国の為政者が自国第一の考え方に捉われて、排他的、対立的な状況にあるからこそ、世界の市民社会が違いを乗り越えて連帯をして、核兵器廃絶に向けた大きな潮流を作って、為政者の政策転換を促して、後押しをしていくために担う役割といったものは非常に大きくなっていると考えています。

そうした考えから、条約発効から50周年という歴史的な節目を迎える来年のNPT再検討会議に対する期待を込めて、平和首長会議の共同アピールを全国連加盟国に向けて発出する等の準備をしているところであります。その中で、NPTは第二次世界大戦後に結ばれた最も重要な条約の1つであり、NPTが具現化する国際的な利益は、全ての国家と人々の利益につながるものであると考えていると。全ての参加国代表に対して、相違点を乗り越えて真剣に対話し、具体的な核軍縮・不拡散措置を確実に進展させるための創造的な解決策を生み出していただきたいといった要請をしたいと考えております。

今後とも、市民社会の幅広いパートナーと協力して、為政者を後押しする環境づくりをたゆまず進めていきたいなというふうな思いでおります。以上であります。

記者

 今回の訪問の中で準備委員会の中で、最も手応えを感じられた部分を教えていただきたいのと、あと、先ほど激しい意見の応酬があったとおっしゃられましたけど、逆に一番厳しさを感じられた部分、ここを教えていただければと思います。

市長

 手応えといいますか、これは平和首長会議としての取組に関してですが、今言った厳しい議論が行われている中で、逆に核兵器を持っている国の大使などから、市民社会を代表としてしっかりした世論づくりをしようとしていること、これは中満軍縮代表にも言えることですけども、そういった取組をこの際、本当にしっかりしてほしいというふうなお話をいただきました。実際問題、各都市における市民に一番近い要請組織として、市があるわけでありまして、外交上の特別な権限があるわけではありませんけれども、市民という方々の意思が反映される国家組織があるわけでありまして、その市民に直結する場で、しっかりとした平和への考え方とか、基本的なものの考え方を広めていこうということを、こういう時期だからこそしっかりやっておいてほしい。それを若い方々に是非、やるということを進めてほしいと、このこと自身は我々もやってきていますということを申し上げたら、その点についての評価をいただけたかなというふうな思いでありまして、一層しっかりやろうということであります。それから対立についての印象に関しては、核兵器保有国で今マスコミ等でも情報が随分流れておりますけども、今まで締結していた条約の締結破棄を巡って問題が起こる、あるいは次なる条約の更新をどうするかといった問題について、その当事国がこういった事態を、いわば、厳しいものにするということをせざるを得ないのは、相手方の責任だといった理屈で、公の場である意味で非難合戦をするということ、それはもう一つは根底に抑止力といいますか、抑止力というのはある意味で脅しに使うといいますか、相手をいろんな意味で威嚇するということ自身が一定の効果があるという、その実態を、まあ、現実を踏まえた中で、抑止力は不可欠、それが安全保障だといいつつ、その安全保障を自分たちがしっかり守ろうとする中で、それを脅かす行動を相手方するから仕方なしに今までの約束についての見直しといいますか、それを破棄をせざるを得ないという、相手方に責任転嫁をするというような議論が横行しているというのを目の当たりにいたしまして、非常に厳しいなと、相手方はなんらかの行動を起こすという前に、自分自身が先ほど言った対立的な物事の発想ではなくて、協調的な発想で、相手の対応を見ていこうというようなことを、もう少しやってもらえれば、違う事態が、違う展開があるのではないかというふうな思いでありますけども、それを個別具体的に「どうしろ」っていうようなことがなかなか言えない歯がゆさも感じながら、厳しいなというような思いをいたしました。

記者

 国連のグテーレス事務総長やNPT再検討会議の次期議長に選ばれたラファエル・グロッシ大使などが、その被爆地、広島を訪問するようなNPTの本会議の前に広島を訪問するという意向を示されていますが、それをどういうふうに受け止められますか。

市長

 それについては、歓迎いたします。実際に、今後のNPTに向けての様々な意見の取りまとめをして、各国政府への様々な働き掛けをしていく局面にあって、被爆の実相というものを自らの目で確認した上でやっていただくということは、ある意味ではそれぞれの対応の力の源になると思いますし、原爆の非人道性、あるいは被爆の実態の壮絶さということを考えていただければ、そういったものを使用すること、あるいはそれを使用する事態を招くことそのものに大きな問題があるんだということをしっかり踏まえていただければ、交渉する上での力にもなるんじゃないかと、そんな思いで、そういう意味から歓迎する立場にいます。

記者

 今回、市長が出発前の会見で、現地で被爆者の思いを広げていって、核兵器がない世界が必要だという大きな潮流をつくることが、ヒロシマの役割だというふうにおっしゃったと思うんですけれども、その辺り、今回出席されてみて、手応えを感じられた部分であったりとか、お感じになったもの、それがもしあればということが1点お伺いできればというのと、改めて今回の、先ほどのお話の中でも、各国間の溝の深さというのを感じられたというお話があったかと思うんですけれども、今後改めて、この広島市として、この核兵器のない世界の必要性というのを訴えていくために、どのようにされていくかということを教えてください。

市長

 今の2つの御質問には、あえて言えば一つの答えになるわけですけども、核兵器が作動して、人類にどういった被害を及ぼすかというその事実を本当に知り、その被害を受けた方々の思いなど、それが一過性のものではなくて、どんなに長期に続き、そして、無辜の民を傷つける兵器かと、そういう意味では、本当に地球そのものを滅ぼしかねない破壊力を持っているということを実感した上で、この兵器を使った交渉をすることは、どれほど意味があるかということを分かっていただく必要があると思うのですね。国連軍縮委員会関係の方々、あるいは、そういった場での国際会議で各国代表で議論されている方々で、核兵器のない世界が理想だということをまず言われてお話をされる方、おおむね、そのことは分かった上での話しぶりなのですけども、それをより多くの方が、実相を知り、取組を始めれば、この思いは間違いなく広がると思うのですね。そして、具体的な対策をどうするかについては、それぞれ専門家の方がおりますから、その知恵をいただくということ。当然、具体的な核兵器をなくすプロセスでは不可欠、必要な対応なのですけども、その思いの原点ですよね。被爆の実相というものを知るということの重要性を、改めて痛感したということ。その痛感するということをしていただくための原動力は、やっぱり被爆地、ヒロシマ、ナガサキ、そして、今おられる被爆者の方々だと思うのですね。こういった方々がだんだん少なくなっている中で、その被爆の実相を、いかに、この世界全体の共通情報とするかということを今、一生懸命やらないといかんし、戦争を経験していない次の世代にも、それをしっかり伝えることで、その後の国民世論、あるいは政治的な意志形成に大きな影響を及ぼすわけですから、そこにしっかりとファクトファインディング、事実を知ってもらうということをやる必要があるということを、まず痛感したんですね。そういった中で、国連でのNPTの再検討会議に向けての調整をしなきゃいかんという職務、あるいは、そういうことをやろうとしている方々が、今の国益ベースの議論に、いわば、ぶち当たって、その思いがなかなか進まないと。直接、そういう為政者を説得するとしても、今の安全保障をどうするのかと。自分たちの利益手段を守るための対応からすれば、理想ということが分かったとしても、現実の対応がなかなかできないという、そういう壁にぶち当たっておられるという中で、改めて市民社会の方から、そういった思いをしっかり醸成してもらえれば、環境も変わるんじゃないかと。自分たちもやるけども、平和首長会議も市長さんたちが集まり、市民の意見をしっかりと醸成することをやってもらうとありがたいっていうのは、そういう枠組みの中でのお話をいただきましたので、平和首長会議の目指すところは間違ってないし、多くの方の期待を受けているんだなというふうな実感が得られた会議だったというふうに思います。

記者

 中満国連事務次長とも、来年の本会議に向けて議論のたたき台となるような報告書案を作成していこうというふうなお話をされたということですが、来年に向けて、今後どういった準備や行動をしていきたいかと、今お考えでしょうか。

市長

 私自身は、今申し上げましたように、国連でやっていく個々の準備作業に個別具体的に、どういうふうにしてもらいたいとかっていうところまで、ものが言える権限の話、それから情報もあるわけではないので、その辺りは国連関係者、特にそれを専門にしている方々の支援に大いに期待するわけですけれども、その知恵の根源となる原動力の部分に関しまして、そういった取組をされる方々に、本当に核兵器を意図的であれ、ミスであれ、とにかく使用してしまうことの不都合さと言いますか、非人道性と。そういったことをよくよく頭にたたき込んで、それが十分認識されてない方への対応に関しては、まずその事実を自分たちの言葉でできないとしても、被爆者の言葉、あるいは広島市という、長崎市という被爆地の存在をわきまえた上で考えていこうじゃないかと。それは単に、ヒロシマ、ナガサキの問題ではなくて、人類共通の課題なんだと。地球の持続可能性を左右する大きな問題なんだということをわきまえた上で、やってもらいたいということ。その命題を解決するための作業をしているんだという意識が明確に入れば、もう少し違った対応になるはずだと信じているんですね。その点を関係する方々、会える方々に、くどく申し上げて、いわゆる協調的な外交関係、対話といったことをやっていただくようにということを引き続きやりたいということであります。

記者

 対決的安全保障から協調的安全保障への移行が重要だと訴えられたということで、それでも各国様々な安全保障のジレンマを抱える中で、実際に転換していくための具体的なプロセスについてどう考えているか教えてください。

市長

 どう考えているかという御質問に対して、何かいいアイデアを持っているかというふうな御趣旨での質問であれば、私自身が明確なアイデアを持っているわけではないというふうに申し上げざるをえません。実際、そういった作業をやる経験をしているわけではありませんし、各国それぞれの実情をつぶさに見て、中東問題、北東アジア問題あるいは、米露問題、米朝問題、それぞれ個別の課題なり解決に当たっては、今申し上げた対決的な事態に立ち入った原因がそれぞれ別個にあると思うのです。そして、その対決的な安全保障を議論するというそのやり方そのものを協調的な安全保障にするという発想でやってもらいたいという、何て言いますかね、方法論を認識していただきたいということを強く述べるにとどまるのですけれども。しかし、あえて申せば、具体的な交渉をそれぞれ見ている中で、決定的に対決的か協調的かという分かれ道は、いわば、相手を威嚇する行為の中で、最終的な腹として武力行使もいとわないのだよということを大っぴらに言いながらやるのとね、本当のところは武力行使は避けたいし、やりたくないのだと、だけど、その交渉事を自分の方の利益について有利に進めるためには、こういったやり方をせざるを得ないのだというところで、ギリギリの外交交渉を進めているとするならば、それをもう一歩、協調的なものにするために、最後は話し合いによって妥協するといいますか、解決の道を探ろうじゃないかと、そういう思いがあるのだということを提示してもらう中で、協議を進めるという場の設定ができるようにすれば、違っていくと思うのですね。その場の設定するための条件提示、先ほど申し上げたように、それぞれの対立行動がどういった原因で起こっているかによりますから、どの部分について協調的な問題提起をすれば、その状況が生まれるかなというのは分かりませんから十分な事は言えませんけども、あえて抽象的に言えば、そういった方向性を対決的なものから協調的なものへするのだという意思決定をすれば、必ずいろいろな知恵が出てくるのではないかなというふうに思っているということであります。

記者

 来年の再検討会議までに、今年の8.6が来るわけですけれども、そこの平和宣言という場が1個アピールの場としては大きなものかと思うのですけれども、これまでも、市長のお話の中では、被爆者の思いというのを共有してもらうためのものだと、その中で核兵器禁止条約への参加というのは、特にそこに盛り込むというお考えではないというお話だったかと思うのですけれども、今回のこの準備会合に参加されてみて、そのお考えというものに、少しその辺、変わられた部分とか、そういうところっていうのはおありだったでしょうか。

市長

 私自身の平和宣言の在り方に関しては、あえて言えば、今回の会合を通じて間違ってないなというふうに確信をしたというふうに言っていいと思います。実際に市長としてのいわゆる、オフィシャルな意味での権限など、考えですね、権限はそうなのだけど、役割といいますか、被爆をした方々を多く抱える都市、そして、その気持ちを代表する都市の首長として、世論あるいは、世界、いろいろな組織と対峙していく時に、あるいは、対峙しながらも、いろいろな意味でこの思いを共有していただく方々になっていただきたいというふうにしていこうとする際には、やはりファクト、事実をしっかりと訴え、そのことがどんな組織でも、その組織をコントロールしているのは人間ですから、個々の人間の方にこの被爆の実相というものをしっかりと理解してもらい、どんなに非人道性、強いものかといったようなことを分かっていただければ、それまでと違った方向性を打ち出すあるいは、打ち出そうとする努力をする意志が芽生えるということを信じているというか、信じたいと思うのです。実際、いろいろな方と話していると立場を超えて、分かっていただける部分があるのです。あとは、その意志を変えていくための組織の中のいろいろな部分の調整をやらない限り、一人が変わったからといって、その方がリーダーシップを発揮すれば一気に変わるという情勢ではないということも、また明白な事実なので、そういった環境ということを言っていますけれども、市民社会の環境を変える中で、そういう、とりわけ為政者が選ばれるプロセスの前段のところをしっかり変えるという努力をやり続ける。そして、このヒロシマの心を広げるということこそ、この広島市の役割ではないかと、役割にするべきではないかと。それをしっかり発信し続けることが重要ではないかということなんですね。8月6日は、その日にセットとしているという意識ですので、引き続き、このアピール性の強いメッセージをどう出せるかなというふうな思いでいます。

その他の質問

平和記念資料館本館のリニューアルオープンについて

記者

原爆資料館(平和記念資料館)のリニューアルオープンの関係でお聞きします。この大型連休中も多くの人が来られて、対前年比で10連休中は62パーセント増という数字もありましたけども、このリニューアルオープン後の滑り出しの状況をどのように評価されていますかということをお聞きします。

市長

 まあ、滑り出しは、リニューアルオープンした時期が大型連休ということと重ね合わせて、今言われたように多くの方がみえたのではないかなというふうな思いであります。そうですね、ある意味でリニューアルオープンするという事前の周知もあり、そして、その中で原爆被害の凄惨さや非人道性、そして、被爆された遺族の方々のお一人お一人の苦しみ、悲しみといった、まさに実相をちゃんと伝えるような展示に変えましたよというようなことを言ってきておりました。そして、その展示については、それまでに今までの展示と変えていくことについての様々な議論なども交わされておりましたので、そういった視点から興味を持たれた方もあったのではないかと思います。更に、外国人などがうんと増えているという点に関しては、近いところではアメリカの現職大統領がみえて、広島をいわば、道徳心の目覚めの地というふうな位置付けで世界発信していただいたようなこともありますので、その思いを実感する、そういった状況になったのはなぜなのだろうというような意識がある方が、この機会に平和記念資料館を見てみようというふうに思って来られたそういった成果というか、結果として訪問客が増えたのではないかと、来館者が増えたのではないかというふうに思っています。

記者

 連休中には、最長で2時間待ちになるとか、途中でこれ以上並ばないでくださいという措置をとるような状況まで発生したということなのですけども、また8月6日にかけて多くの来館者が来られると思うのですけども、そこらへんに向けて何か新たな対策とかっていうことを考える必要性があるのではないかと思うのですが、そこらへんはどのようにお考えでしょうか。

市長

 先ほど申し上げたように大型連休とかの効果と今申し上げたリニューアル効果と、ひと言にまとめていいか分かりませんけども、そういったことが重なっての来館者が多く来られて対応にちょっと苦慮したという事実があったのは事実なのですけども、今回の処理も安全性確保のために入館を御遠慮いただかなければならない日があったのは事実なのですけども、そういった中で開館時間を20時まで延長するということを5月の3日から5日まで行いまして、その措置をやって以降は、いわば来館時間が分散されたということもあるでしょう。入館を御遠慮いただくという事態は発生しなかったということを経験しています。従って、こういった経験を踏まえて、この夏の時期に、またこういった事態があるかもしれないということが当然予想されますので、来る方々への事前の情報告知ということを徹底するために、例えば平和記念資料館のホームページなどで、混雑日の予想、あるいは館内の混雑状況をリアルタイムで確認できる動画の配信っていうようなことをやっているのですがということを毎回しっかり周知するということ、それを(周知について、報道機関に)助けていただくということをやりながら、8月5日・6日は今までもそういった経験があるので、開館時間延長もやってきておりますけど、この5日・6日にこだわることなく、お盆の期間を含めて開館時間の延長ということも検討するというふうにしたいなと思っています。

記者

 開館時間の延長となると、設置条例か何かの規則の改定みたいなのが必要ですか。

市長

 そうですね、内部手続きが、いらない。内部の運用、意思決定すればいいよね。はい、できます。

※( )は注釈を加えたものです。

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