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ページ番号:0000013139更新日:2019年10月21日更新印刷ページ表示

2018年12月20日記者会見「広島平和記念資料館本館のリニューアルオープンについて外3件」

動画は下記からご覧ください。

(「広島市動画チャンネル(市長記者会見)」のページへジャンプします)<外部リンク>

市からの発表案件

【広島平和記念資料館本館のリニューアルオープンについて】

市政記者クラブからの代表質問

  • 【二期目の任期最終年を振り返って】
  • 【サッカースタジアムについて】
  • 【平成30年7月豪雨災害から半年を迎えるに当たって】

〈会見録〉

市からの発表案件

広島平和記念資料館本館のリニューアルオープンについて

市長

 広島平和記念資料館本館のリニューアルオープンについての発表をさせていただきます。

 お手元の資料を御覧いただければと思います。(資料の)1の「本館リニューアルオープンの日程について」であります。

 広島平和記念資料館は、国の重要文化財であります本館の耐震化や、被爆の実相をより分かりやすく伝えるための展示更新などを目的として、施設の改修や実物資料を中心とした展示整備を行う再整備事業に取り組んでおります。

 平成29年の4月にリニューアルオープンいたしました東館に続いて、この度、本館のリニューアルオープンの日程をゴールデンウィーク前の平成31年4月25日木曜日と決定いたしましたのでお知らせをいたします。

 なお、本館の耐震改修工事については、被爆75周年に当たる2020年の平和記念式典の開催に支障を生じさせることのないよう全ての事業を完了させるという方針を堅持しながら、本館リニューアルオープン後も引き続きやっていきたいと考えております。

 皆様に新しい平和記念資料館の姿をイメージしていただくために、(資料の)2のとおり、リニューアル後の観覧動線と展示内容についてお知らせをしたいと思います。

 まず、観覧動線につきましては、下の図にお示ししておりますように、展示内容については、(1)の「導入展示」と(2)の「被爆の実相」におきまして、パノラマ写真やコンピューターグラフィック、被爆者の遺品や被災写真などの実物資料を御覧いただくことで、被爆を自らのこととして肌で感じていただけるようにしております。

 次に、(3)の「核兵器の危険性」と(4)の「広島の歩み」におきまして、解説パネルなどを御覧いただくことで、核兵器開発の歴史や核兵器廃絶に向けた動き、広島の復興への取組などを知識として習得していただけるようにしております。

 さらに、(5)の「企画展示」では、専門性の高いテーマ、話題性のあるテーマなどを様々な切り口から常設展示を補完する展示として行っていくようにしております。

 このうち、この度リニューアルする本館の展示の概要については3にありますとおり、被爆の実相の全体像を俯瞰してもらう東館の「導入展示」と、新しい本館の、都市の破壊壊滅や多くの死者・負傷者があったことをその場に立っているかのように観てもらう「8月6日のヒロシマ」ゾーン、そして被爆者や遺族一人一人の苦しみや悲しみと向き合ってもらう「被爆者」ゾーンという三つの展示を重ね合わせたことで、段階的に具体性が高まっていくような展示構成としておりまして、あの日、きのこ雲の下で何が起こったのか、またその後、広島の人々がどのような悲しみや苦しみを背負って生きてきたのかなど、被爆の実相を観る方に肌で感じてもらうようにしております。

 また、リニューアルに合わせて、来館者に核兵器禁止条約について世界各国の批准状況などをより分かりやすく伝えるために、東館の1階の情報コーナーにおいて掲示している批准国数に加え、新たに国名を掲示するなど、条約をめぐる状況に関する展示を充実させるように考えております。

 本館のリニューアルオープン後は、国内外のできるだけ多くの人々に、こうした本館・東館を合わせた平和記念資料館全体の展示を一体のものとして御覧いただくことで、これまで以上に被爆の実相を深く理解するとともに、核兵器廃絶と世界恒久平和の実現を願うヒロシマの思いを共有していただくことを期待しているところであります。

 私からの説明は以上です。

記者

 来年春に予定どおりオープンすれば、約2年の閉館を経て、改めてオープンするということになるんですけれども、現在被爆者が高齢化をして直接の証言を聴くということが徐々に難しくなりつつあります。その状況はさらに今後進んでいくと考えられるのですけれども、その中で、このリニューアルオープンした平和記念資料館が果たしていく役割、果たし続けていく役割についてはどのようにお考えになっていますでしょうか。

市長

 今申し上げましたように、この平和記念資料館はいわば被爆の実相を自らその場に居合わせたごとく体験していただけるような施設として、今回リニューアルオープンするというふうなことにしております。

 そして被爆を実際に体験された方々の思いですね、そういったことについては被爆者の証言といった生のお気持ち、言葉を別途、確認していただくということがとても重要になるんですけれども、その際に例えば県の内外とかっていうことを区分けいたしまして、(国立広島原爆死没者)追悼(平和)祈念館、国の方が造ってくれていますね、そこで被爆の証言集とかいろんなものを記述されたものとかですね、映像とかもあります。ああいったところと一体にやりながら、さらにまた市の方でやっているこの平和記念資料館の方でもですね、被爆の実相に関しての様々な今までの発言とか文章とかありますのでね、そういった県の内外を問わず、多くの方の証言も体感した上で実際に遭った方がどういうふうな思いでいるかということも合わせて知っていただくことで、被爆者の言う、「このような思いをほかの誰にもさせてはならない」ということをある意味できちっと受止めていただけるっていうようなことを引き続きやっていきたいと思います。

 そういう意味では2本柱ですね、被爆者の思いを受止めていただけるような対応を追悼(平和)祈念館と一緒にやりながら、きのこ雲の下でそういうもの(被爆者の体験)を実体験したようなことを感じる施設として平和記念資料館の東館、本館の展示を続けていくというふうなものにしたいと思ってますけどね。

記者

 その実物資料の展示を、よりしっかり見てもらえるような構成にしているというのも、意図としてはその辺りを重視してのことでしょうか。

市長

 はい。実際にいろんな意味で感じていただく、受止めていただくということをしっかり、より多くの方にそういった疑似体験といいますか、それをしていただくということが重要かなと。様々な議論はあるんですけど、その議論の出発点と言いますか、それをしっかりと感じていただく実感していただくというふうにしたいと思っています。

記者

 今回のリニューアル来年の4月25日と発表されましたけれど、当初よりリニューアルオープンの予定が遅れましたけど、そこに関する受止め、やっとこぎつけたということだと思うんですけど、そこに関する受止めを教えていただいてよろしいでしょうか。

市長

 実際この平和記念資料館の生い立ちを考えますと、丹下健三さんの設計ということで新たにあの地に造るということになって、多分戦後ですから建築資材なんかも十分でない中で、デザインとしてはいろんな意味を、思いを込めて造った建物であり、ですから何というんですか、形といいますかね、フィギュアとしてはこう非常に優れているんですけれども、時間が経ってその構造物をしっかりしたものにしようということで点検してみたところ、素材が必ずしも十分でないとかっていうことが新たに分かって、当初予定していたよりか改修のための時間が掛かるとかですね。そして本来の姿を原型どおり残そうとすると、関係する省庁との調整がいるとかっていうことが度重なりまして、当初考えたとおりの整備スケジュールというのにはならなかったんですけれども、でもそういったことを乗り越えてようやく完了ということになりましたので、そのこと自体非常に喜ばしいというかありがたいことだと思っています。

 実際この改修計画は、基本的な部分は私が市長になる以前の平成22年に大枠ができていまして、それをしっかり実現していくということが私の仕事というか思いでやってきましたから、何とか間に合った。しかも、来年のゴールデンウィークに、再来年はちょうど2020年、被爆75周年ですから、その8月6日の(平和)記念式典には今申し上げた耐震工事もですね、きちっと完了して本当に新しい姿で見ていただけるという、そういうスケジュールの中には何とか収まりそうなので、ある意味では一安心というような思いでいます。

 来年のゴールデンウィーク前のところ(でのリニューアルオープン)はまだ建物内の話でありまして、建物、構造物そのものは先ほど申し上げたように戦後の建物でありながら、ピロティーっていうんですか柱の上に構造物を載せるということですから、誰が考えても地震などに対しては決して頑丈な建物でないということで、根っこから造り直して耐震構造にするという大掛かりなことをやる。それをやり始めると、この地が元々多くの方が住んでいた地域で、遺構が出てきた。その遺構の保存もどうしようかということで、それについての皆さんの御意見を伺いながらの対応ですから、こちらも当初の予定どおりはいってないんですけど、そういった思いを上手く整理できてですね、先ほど申し上げた被爆75年にあたる年の8月6日までには間に合いそうだという、スケジュール時間に収まっていますので、そのことが良かったなと思い、一安心と関係者に感謝するというような気持ちであります。

記者

 先ほどのお話の中で、核兵器禁止条約に関する展示を今回、充実させるというお話があったかと思うのですけれども、このあたりの、ここに込めていらっしゃる思いであったりとか、それを御覧になった来館者の方にどのようなことを感じて、また考えてもらいたいかっていうことのあたりを教えていただいてよろしいでしょうか。

市長

 これについては、今度の被爆疑似体験をしていただけるような東館、本館の構造になりますけども、そういった中で、動線を先ほど申し上げたように見ていただきますと、まず、東館に入って、原爆投下のありさまを、全体像を見ていただいて、そして、本館に移ってですね、被爆の実相それぞれのコーナー設定の中で、8月6日のその日の状況とか、さらには被爆者自身のいろいろな身の回りで起こったものを展示するコーナーがありまして、そこで見てきてまた東館に戻ると、そのときに、先をどう考えていただくかといった中で、じゃあ今のこの核兵器をめぐる世界情勢がどうなっているんだろうというふうに思いを展開していただきたいですね。「自分たちが遭ったような目にほかの人に遭ってほしくないな」と願う気持ちをそのまま感じたときに、「じゃあ世の中どうなってるんだろう」というふうに見ていただいたときに、当然、こんなものはこの世からない方がいいという思いを分かっていただく。そこと現実のギャップが、どの辺にあるかということを見ていただく上で、とても重要なマイルストーンといいますかね、一里塚が今できてるのではないかと。今までは、長い歴史の中で、核があることを前提にしながら、不拡散とかね、あるんだけどそれを縮小する、核軍縮をするという世界体制であったんだけど、そういった議論の中で、国連の場で、もう一歩進めてそれを禁止する、そういったことをやめていくという、そういう状況ができているということはですね、廃止に向けての流れがちゃんと方向性が出てきているというふうな受止めをしていただきたいんですね。そうすると、じゃあ、そういった条約ができて批准している国が、どんなところがあるんだろうかというふうな知識までも入れていただくということを、トータルでこの思いの実現に向けての個々人の意識を覚醒させていただきたいとそんな思いなのですね。そういう意味では、お一人お一人市民社会の中でのこの核をめぐる気持ちと現状認識をしっかり持っていただく、そういう一連の展示がうまくいけばなというような思いです。

市政記者クラブからの代表質問

二期目の任期最終年を振り返って

記者

 幹事者から3問質問させて下さい。最初に二期目の任期の最終年振り返って、質問させていただきたいんですが。今年、二期目の任期の最終年ということで、この1年を振り返って達成されたと思うこと、またやり残したと思われることをお聞かせ下さい。

市長

 二期目の最終年ですかね、今年1年はそういった位置づけでありますけれども、自分の基本的な仕事の進め方については、市長になって以降ずっと変わっていないという思いでありまして、「対話・ビジョン・実行」というような手法を貫くということをやってきた思いでいます。そんな中で抽象的にいえば、政策の種をまいた取組がちょっとずつ芽を出し始めているという状況だという認識でいます。

 その政策については、一応3つのエリアに分けて、「活力とにぎわい」、「ワーク・ライフ・バランス」、「平和への思いの共有」という3つの分野で今まで整理していますので、その順でちょっと点検いたしますと、「活力とにぎわい」に関しましては、一番直近ですと二期目すぐになって、平成27年にはグローバルMICE都市ということで選定してもらってですね、国から、これはいろいろな意味でお客さんに来ていただく、そういう都市になりますよということを認知してもらったというスタートがあったんですけども、そういう形で来ていただく都市の姿にしながら、では受け入れる態勢をどうしていくかということを考える中で、今ようやく(広島)駅の方も整った中で、ようやく紙屋町・八丁堀の地区が今年の10月に都市再生緊急整備地域に指定されるということになりました。これも、やはりわが市の取組というものを国家レベルで認知してもらって、それに必要な支援措置を講ずるという、そういう国とのやりとりがようやくできたということでありますので、いわば同地域の活性化の起爆剤になろうと思うのです。そして、そんな中でいわばモデル的な取組ができる仕掛けもできたと。つまり、商工会議所ビルの移転・建替を伴う再開発をあの地域の中でやって、行政と経済界が一緒になった取組をするという、いわば一体的な取組のリーディングケースという位置づけもできました。具体的な内容はこれから詰めていくということです。

 そして同時に、グローバルMICE都市というのは、来ていただいた方々をまちの中でもてなす仕組み、1か所にとどまるというわけでなく、このまち全体を移動していただくということを考えたときに、どういう仕掛けがいるのかということを考える中で、それはもちろん交通機関の協力を得て、今、紙屋町・八丁堀地区と(広島)駅前の周辺地区をつなぐ都心環状線「エキまちループ」という新しいルートもつくっていただきました。ぐるぐる循環するということは自分の一つの課題ですけども、このまちの中を容易に移動していただけるようになるという。これも5月から始まったということで、最初申し上げた、種をまいた取組が芽を少し出したと、こういうふうに思います。これが、まず「活力とにぎわい」ですね。

 それから、「ワーク・ライフ・バランス」に関しましては、仕事という生活時間帯とそれ以外の生活の中の時間帯をうまく調整していただくというようなことができれば、市民として、いいまちだなと感じていただけるという中で、その時間確保を図ったうえで、では個々人のおつきあいはどうするかといったときに、共生ですね、お互いに助け合う、地域共生型社会というものを目指したいということがもう一つありまして。時間調整はそういった共生をするための時間をどう生み出すかというぐらいのイメージでやってきておりまして、そんな中で、1つそれを実感していただける取組というのが、ようやく動きだしたのが、自分の認識で、高齢者いきいき活動ポイント事業というふうなものとして位置づけています。地域住民の方が主体的な取組をすると、それを行政がうまく支援しながら、従前の政策の組み替えという要素も入れながら、こういった皆が助け合って事業展開をするというやり方が少しできてます。実際、もう1年調査して、実施状況についても利用者の意見を聞きながら政策変更部分についての調整をもう一度やらなければいけないところもありますけども、方向性は見えてきたということであります。

 そのほか、共生社会の中で、これから家族単位でいろんな問題を抱えたときに、1個1個役所の窓口にお願いするんじゃなくて、トータルで窓口一本化して、問題があればそういったものを受止めて処理する体制に持ち込むことで、住民同士の共助の精神をより高めるということができないかということで、今年先行したもので、東区の方でやりましたけど、保健師が地区を担当しまして、地域のいろんな取組をフォローしていくというふうな体制で今動き始めました。結構、役所と地域のいろんな活動をしている方との距離が縮まってですね、うまくいっているぶん、されど問題はありますけど方向性は出ました。これをうまく展開しながら全区でやれるような方向にいけないかなというような問題がありますね。

 その他、子どもの居場所。これは家庭で子育てをする中で、家庭を構成する両親、旦那様、奥様も社会参加ということをやる必要が出てきたときに、じゃあ子育てを一定程度ですね、みんなでやっていただくことをやらないと、そういった分業というのはできませんから。そうすると、子どもの居場所を確保していかなければいけない。それが、放課後児童クラブであったりするという問題もあるというわけですけども。そういった中で、夏休みの時期ですね。1年間通して子ども達は、学校行っている間はいいですけども、学校がなくなったときにじゃあどうするか。仕事は続いてるわけですから。すると、そういったものについて夏季の休業中の対応も少し考えると。これは今までやってきた政策の中で、少し負荷がありますから、一定程度負担などもしていただくことも、これも税金でやっている公助に加えて共助といいますかね。実際に恩典を預かる方々に、いくらかちょっと負担してもらいながら広げていくことをやりました。これも一つの仕掛けについて芽が出たというような思いでありますね。

 それからあとは、時間帯を使って自分でいろいろな楽しみをしていくこと。スポーツなんかはね、参加する方もいらっしゃるけども観戦といいますか、それを見ることでいろんな意味で刺激を受けていくこともありますので。そんな中では、いろんな世界レベルの、皆さんがいいなと思うようなスポーツを広島に引っ張ってくるということをやってまして。今年であれば、4月に都市型のスポーツですね、アーバン(スポーツの)「FISE WORLD SERIES Hiroshima(2018)」というのを初めてやりまして、また来年の4月もということを今やりつつありますし、10月には、スポーツといっても健常者だけじゃなくてね、障害者の方も含めていろんな方が住んでいる中で、障害者の方だって参加できるスポーツがありますよということを、しかも世界レベルでの取組があるということを見ていただくのに小型ヨットレースですね、「(2018)ハンザクラスワールド&インターナショナルチャンピオンシップ(広島大会)」も開催できましたし、それから12月には、再来年の2020年のオリンピックに向けて事前合宿なんかもやっていただくことで、広島にすごく熱い思いをもっておられるキューバ共和国と野球選手の事前合宿についての合意も取り付けることをやりましたから、断片的ではありますけども、いろんな思いをちょっとずつですね、随所で実現する仕掛けもやってきたなということですね。

 あと、平和への思いの共有に関しましては、先ほど言った平和記念資料館と、これは前から続けてきている仕上げに掛かっているんですけど。私自身は、ヒロシマの思いを国家ベースじゃなくて市民社会ベースで多くの方に受止めてもらう手段として、平和首長会議を大事にしようということでずっと取り組んできています。だから、各都市にいる、市民を代表する首長さん方が、自分たちも市民と同じ方向で頑張るよということを言っていただけるような、そういう都市を増やすためにということで取組をしてきて、現在163の国・地域、7688の都市まで増えましたし、特にここは強調したいのは、国内に関しましては99%ですね、(ほぼ)全ての都市は入っていただいていますね。あと残りの未加盟都市が9都市までになりました。1桁になりました。これは、こういう平和の問題をいろいろと政争の具にしないと、そういうことをするためにヒロシマは言っているんじゃないですよと。被爆者の思い、戦争があることとか、原爆を使ってとんでもないことになるという、そういう、世界が変な道にいかないということを、みんな共通に思っていただけるようにしようと。それを実現することについて様々ありますのでね、それが良い悪いじゃなくて、目標をちゃんとみんなで持っていただくということを言ってきている中で、ここまできていますから、これをある意味では世界に広げることができないかという思いでやってきています。

 そこで、そうは言いながら国際情勢、なかなか皆様御存じのように、ロシアやアメリカといった中での動きをみるとですね、決してそういう方向に進んでいるとは多くの方は受止められない状況にあるということも、また現時点ありますので、そこで今申し上げた市民ベースの思いを、逆に国家という裃を着ない形で考える、そういう環境作りを今言った形でしながら、もう一度、この思いを発信していただける、その著名人といいますか、影響力がある方に広島に来ていただいて、この広島の地から有効なメッセージを発信していただく。そのために被爆地訪問を、「迎える平和」ということをやっているということでありまして、そんな中で、ローマ法王も日本に来る折に、じゃあ広島、長崎にということをようやく言っていただける状況ができたかなと思いますしね。そして2020年のオリンピックのときには、オリンピックは平和の祭典ということで認識されておりますから、例えばバッハIOC会長なども広島に来ていただくということを、できないかということも今やっていると、そんな状況であります。

 それを受けて、やり残したこと。今言ったようなことをですね、いずれも芽が付いたばかりですからね、しっかり仕上げていかなきゃいけないというのが、やり残した思いでしょうし。それからあとは、よく話題になるのは、これからのまちづくりですか。紙屋町・八丁堀の再開発、商工会議所モデルができるというけども、もっともっと他の箇所もいっぱいありますからね。民意をうまく盛り上げて、それを広げていく。面的な広がりを確保するということもいりましょう。それからサッカースタジアムの建設もやるということはずっと申し上げていますが、これも関係者の了解を得ながら確実に進めるということもいりましょう。それから先ほど言った、MICEですね。こういった多くの方が広島に来て会議をしながら、広島の平和というものを実感していただけるチャンスを増やすということになりますので、誘致促進ですかね、こういったことも県、あるいは地元の経済界、あるいは学校関係者と一緒になってやるというようなこともあります。そして、何といってもそれが平常時で機能するための装置、セットですけども、4年前とまた今年経験した災害、こういったことがあったときにですね、災害から、何か起こったときに、それを復興して早く立ち上げて、単に戻すのではなくて、より良いものに戻すという、転んでもただでは起きないぞというような対応をしっかりやるということと同時に、災害が発生しないような仕掛け、特に避難情報などを出せば多くの方がきちんと避難していくようにするため、ある意味ではトータルで災害に強いまちということもですね、しっかりやっていかなきゃいけないという思いでありまして、どれも完成というものになってないのですが、でも最初申し上げたように一定の方向性、種はまいて、少し芽が出てきてという認識ですので、これを育てるということをやっていきたいなというふうに思っています。

記者

 ワーク・ライフ・バランスのところで(高齢者)いきいき(活動)ポイント事業を挙げられたんですけども、ただワーク・ライフ・バランスといった場合は、やっぱり現役世代の長時間働かざるを得ない状況をいかに解消するか、その解消を促していくかということが柱になるかと思うのですが、その点の現役世代のワーク・ライフ・バランスという意味では、今どういった手応えがあり、どういった課題が残っているんでしょうか。

市長

 このワーク・ライフ・バランスは、私が現役時代の概ね15,16年前に政府の方で言い始めた言葉でして、生涯を通じての生き様についての問題意識なんですね。日々の労働時間と労働時間以外の家庭生活、生涯を通じての働く時間と社会参加の時間。そんな思いでありまして、今申し上げたのは、現役時代、うんと働いてきた方々が現役から退いたときに、地域社会との接点を持つ、そういったところで、共助というもので、うまくいく世界があるよというふうにすれば、現役世代で働くときにそれを頭に入れながら、しっかり現役生活を有効に過ごせると、そういうまちでありたいというぐらいの意味付けで申し上げています。現役世代におけるワーク・ライフ・バランスは、昨日なんかも(市役所で行われた市政課題セミナーのテーマで)やってますけど、例えば、女性なんかに、今顕著に見られてますけど、家庭と仕事のバランスをどうとるか、子育ても自分たちの責任や介護の責任も持ってて、しかし、人口減少の中で、総体としての社会参加、就労への課題っていうのは女性に掛かってきてます。そうするとバランスをとるためにどうするか。かつ、今見るとM字型就労といいますか、いったん若い頃は出るけど、子育て期で退職すると、また現役に戻らないから、ただ、夫婦で共稼ぎなんかするときの収入確保するために、非正規で働くという方々が多いという問題がありまして、そういった問題をうまくならしていくためには、正規、非正規の処遇格差ということを解消するというやり方で女性の社会参加も引き続きやりながら、かつ、現役世代を続けるために子育て期の先ほど申し上げたように、子育てを地域が一緒にやる。で、学校で預かってる時間帯に夏休みがあるけど、夏休みに入ると、子どもたちを育てる、面倒を見るところがないから、それをしっかりやるということで、継続して社会参加できるようにする等々と。現役世代のところについて、いろいろな切り口でやってることが、仕事と仕事以外の生活のところ、バランスをとるということにある程度、ベクトルが向いて動いてますからね、そうでないエリアのところについて、こういった目で、しっかりその対策を打ってないので、あえて、(高齢者)いきいき(活動)ポイント事業ということを取り上げて説明したつもりであります。

サッカースタジアムについて

記者

 2点目です。新しいサッカースタジアムを3候補地から選ぶ作業に入ると、先の市議会で表明されましたけれども、今後の具体的な選定方法とスケジュールについて教えていただければと思います。

市長

 今の件に関しましてはですね、今月(12月)の9日に基町連合自治会定例会が開催されまして、その場で市の取組方針が各自治会長に報告されるということが行われました。その報告の内容のポイントはですね、騒音や渋滞などには十分対策をとることが可能であると、いろいろ言われていますけど可能なんだと。だから、今後は中央公園広場を加えた3つの候補地の中から、最終的な候補地を選定する作業に入っていきたいと考えてますということを申し上げておりますので、それがベースとなります。そして、その報告したことを今、各住民に周知が図られている、そんな状況という認識でおります。したがいまして、広島県、広島市、商工会議所が連携して3つの候補地について改めて検討を加えるということですね、今まで、もともと、アクセス性とかスタジアムの利用者の観点、それから経費面、周辺への影響という観点からの評価、比較検討を行ってきておりますけども、改めてこれを3つのところについてやるということになりますけど、今後はもう一つですね、この地域が都市再生緊急整備地域というようなことで網をかぶせましたのでね、都市活性化の観点というようなことも加えて、全体を比較検討するというふうなことをやるというステージになってます。あと、スケジュール感ですけども、現時点においてはですね、今申し上げたような視点で比較検討に入るということにしたばかりでありましてですね、選定時期(については)、少なくとも現時点では、未定ということでおります。方向性は決めましたけど、いつまでにということにはなってません。今言った3つの比較をしっかりやっていこうということであります。

記者

 先ほどの説明の中で都市活性化の観点も加えてというお話がありましたけども、3つの候補で言うと、具体的には中央公園広場と旧広島市民球場跡地のところになると思いますけど、都市活性化の観点も加えてという部分をもう少し詳しく説明いただけますでしょうか。

市長

 (旧広島市民)球場跡地も中央公園広場もね、今度の都市再生緊急整備地域のエリアに入ってますからね。そうすると、都市活性化していくときにトータルで考えてですね、よりどちらがいいだろうってこともですね、考えるきっかけになってるんじゃないかということを申し上げたつもりです。

記者

 その(広島)みなと公園を除いた2つを中心に考えるという意味ではなくて、あくまで3つ(から選定するということでしょうか)。

市長

 3つを調べながらそういった問題意識で点検をしてみようということですね。

記者

 先ほどスケジュール感は、まだ決まったものはないということでしたけども、次のステップとしては、三者の会議であるとか、もしくはサンフレッチェを加えた四者の会議(を行うことになるのでしょうか)。

市長

 今までも三者でやって、おおむねの方向性なりの議論を深めて、そしてサンフレッチェにも確認をするといいますかね、意見を聞いて、そして決定というその段取り感は変わってません。

 だから、それをいつ、どういうタイミングでやるかについては、現時点でもう少し作業をやろうという意気込みで今動いてますけどね。いつどうやるというとこまでは決まってないということを申し上げてます。

記者

 二期目の(任期最終年を振り返っての質問)方で、先ほどサッカースタジアム建設について関係者の了解を得ながら進めていくという話もありましたけど、一方で基町アパートの住民たちはまだ反対の立場を崩していない中で、やはりその住民たちの了解も得た上で判断を最終的にされるのか、その辺りを教えてください。

市長

 その点に関しましてはね、手続きはとても重要だというふうな思いがあります。それと同時に今起こってる現状について、賛成できないということを言われてる方々の、なぜかということについては相当議論を自分たちは深めたつもりなんですね。

 「中央公園広場への建設には賛成できないということに変わりはない」ということを地元の方々が言っておられるということも重々承知しております。いろいろお話されて、単に嫌だからとか、むしろあっちの方がいいんじゃないか、だから、いらないとか様々な理由あるんですけども、我々が受止めるべき問題は、もし、あそこに仮に作るとすると騒音とか渋滞、様々な問題があるので、それについての対策ができないんではないかというふうなことをですね、できるかどうかはやってみなきゃ分からないというのもありますけども、でも、いろいろ備えをするということも十分されないんじゃないかというなこと(意見)もありますので、それについては対応が可能であるんだよ、こんなふうにやった事例もありますよということを、自分たちにすれば時間を掛けながら地域住民の方々としっかり対応を重ねてきてるという事実は、まずあるという、ここがスタートになりますと同時にもう一つ、これとの取引とかうんぬんじゃないんですが、元々、自分たちの住宅のありようについてですね、市として市営住宅ですからね、それをちゃんとやってもらいたいという気持ちもあるということをお聞きしましたので、それはそれで、きちっとやるということを、また別途でやってますからね。賛成ではないことに変わりないという御意向あるとしても、そのいわば論拠といいますかね、そういったものについて自分たちとしてはできるだけの対応をしてるということがスタートになってるというのが今の思いであります。

 従いまして、申し上げたように3つの候補地を前提として県・市・商工会議所で選定作業に入るというふうにお伝えしたわけでありましてね、この対応をしながら同時に地元の方々の方は、もう一つそのときの意思表明として賛成できないことに変わりないんだけども、「住民の生活を第一として引き続き検討委員会において行政と協議していく」というふうなことも言っていただいてます。

 だから、そこの手続きのところをしっかりですね、押さえてですね、この協議をするという中で、選定作業を同時並行でやるという決断をしたところであります。

 必ずや御理解いただけるんじゃないかなと。賛成ではないということは変わりないとしても、こういった手続きをやることについてのですね、理解は得たんじゃないかというふうな思いでやっています。

平成30年7月豪雨災害から半年を迎えるに当たって

記者

 7月の豪雨災害の件でお伺いしたいのですが、間もなく豪雨災害から半年を迎えようとしている中で、復旧の現状についてどう捉えていらっしゃるか、また今後の復興にどう取り組んでいきたいか、教えていただけますか。

市長

 現状に関しましては、大きく整理いたしますと、土石流が流れ込んだ民有地の土砂の撤去がありましたし、被災した家屋の撤去ということがあります。それから、壊れた道路や河川等の復旧という物理面での対応っていうのがあります。そして、被災された方々、今なお避難生活をされている方々の、普段への生活に一刻でも早く戻っていただくための支援というのを引き続きやると。こういった対応策の整理ができるのですけれども、ハードの方に関しましては、民有地の土砂撤去に関しては、1,125件(1,121件を1,125件に訂正)の要望を受けているのですが、このうち1,068件、95%が完了いたしましたので、土砂撤去などは、まあまあ進んでいると。それから、被災した家屋の撤去につきましても、撤去の時期なども様々含めていろいろな要望も聞いておりまして、現在236件の要望がありますけども、その要望に対して、完了、もっと後でもいいよというのもありますから、そういったことも踏まえて、実際、撤去できたのは38%、89件、撤去完了というような状況であります。あと、道路、河川等の公共土木の復旧に関しましては、339か所。道路、橋りょうで155か所、河川で162か所、下水で18か所、公園で4か所。この復旧工事を予定しておりまして、これをやるためには国の支援等も仰ぐということで、査定作業がありますね。具体的に、災害査定だと、どれくらいの修復工事がいるかということを認知してもらう作業を今やっておりまして、現在、大体7割の査定を終えています。完了するのは来年の月末、1月末に完了するだろうというふうなことでありまして、それを経て、具体的な工事に入るという段取りになっています。

 その他、国と県によりまして、砂防堰堤も造るということで、今10の地区で16基が造られるということが決定されました。その10(地)区のうち、7地区に関しましては、先月から順次、計画案を作りまして、こういった形になりますよということを地元の方々に説明して意見を聞いている。残り3地区についても、来月には計画案を示していけるような状況でありまして、いずれにしても、こういったことを踏まえて、住宅再建をされている地区もあるというような状況であります。

 被災者支援については、自分たちのきちっとした住居が確保できない方について、引き続き仮の住まいを提供して、次の準備ができるまで従前な対応をすること。その間でも、様々な問題があればフォローするということですね。この支援をしっかりやっていこうというような状況であります。

 そういった中での取組、方針ですけども、被災が大きかった地域に関しては、その地域そのものに、自分たち、これから住んでいいのだろうか、どうだろうかと、4年前のときと同じような思いがありましてね、そうすると、こういった施設を直すだけではなくて、この際、こんなこともできないだろうかとかですね、こういうふうにする方が、より安全安心だし便利になるというような意見が出てくると思いますので、先ほど申し上げたような計画案を作る、そして、示す中で、順次、皆さんの意見も聞きながら、そういった対応を含めた形での復旧工事をやるということを基本にしていきたいなというふうに思っています。

 そして、これは、特に地元の要望を聞きながら、国との費用調整なんかで問題になるんですけども、原則、国は元の形に戻すための費用は当然出さなきゃいかんと。だけど、良くしなきゃいかんというのは、みんなが良くしようっていったら、予算がぽんぽん跳ね上がりますしね、新規の設備を作るのと一緒になるというようなことですから、なぜ改良しなきゃいかんかとかね、より良いものにしなきゃいかんかとか、そういう議論が予想されるので、それは先ほど申し上げた、被災が大きい地域住民の方々の安心安全を確保するためには、単に戻すだけじゃなくて、こういったところもいるのですよということを、ちゃんと言えるような作業手順を踏みながら、可能な限り、多くの方が安心安全なまちになるなということを感じていただけるような復旧作業をやっていきたいというふうな思いでいます。

記者

 政府の中央防災会議が水害ですとか、土砂災害の避難基準として今3段階になっているものを5段階に細分化するという案が今出ていますが、被災者の中からは、かえって細分化することによって、判断基準が難しいという声も上がってきてます。このように警戒レベルごとの判断を細分化することについて市長はどのようにお考えかお聞かせください。

市長

 避難情報を受止める側と出す側の整理の問題だっていう思いを持っていまして、いろんな形で今まで避難情報はどういった対応をすべきかという行為対応を整理して、ずらっと並べてみるだけみたいなものだったので、この行為対応を受止め側からすると、このレベルでどういった対応を期待するというふうなことを理論的に分けていくとっていうことで、たぶん5段階(4段階を5段階に訂正)っていうような整理をされたんじゃないかというふうな受止めなんです。

 ですけど、これ類似の作業は実は4年前のときにも自分たちがやった思いがありまして、そこまで厳格にやってませんけども、出す側で色づけをしたとしても、それをしっかり受止めて自らのこの地域における危険度と照らし合わせて自分の問題だという受止めがないと行動に移らないということの方が私は重要だというふうな思いがありまして、国の方で整理されたものを、もちろんきちっと整理して、これから住民の方々に発信するということも要るのかと思いますけども、今何よりも4年前と今回の経験からしたことは、そういったことの整理を受止めてもらって混乱しないようにするということをしながら、現場で自分の周りのところでどんな状況になっているかっていうことを、よりダイレクトに認識していただけるような、あるいは知っていただけるような仕掛けをもっとっもっと凝らした上でそれで見て振り返って、それを国の方でやっていくということですね。情報の整理をどう受止めてもらえるかということをやればですね、細分化することが良い悪いという、○×の質問よりかですね、より皆さんが避難行動に結びつくような対応をどうするかという議論といいますか、整備の方が進むと思うんです。だからそんなに多いか少ないかどっちがいいかっていうことを今段階であまり気にしなくてもいいなというのが自分の思いです。

※( )は注釈を加えたものです。

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