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2018年10月05日記者会見「第11回ヒロシマ賞受賞者の決定について外3件」

動画は下記からご覧ください。

(「広島市動画チャンネル(市長記者会見)」のページへジャンプします)<外部リンク>

市からの発表案件

【第11回ヒロシマ賞受賞者の決定について】

市政記者クラブからの代表質問

  • 【基町地区のまちづくりとサッカースタジアムについて】
  • 【都心の再開発について】
  • 【平成30年7月豪雨災害から3か月を迎えて】

<会見録>

市からの発表案件

第11回ヒロシマ賞受賞作家決定について

市長

 この度、第11回ヒロシマ賞受賞の受賞作家をアルフレド・ジャー氏に決定したことを発表させていただくとともに、概要について説明させていただきます。お手元の資料の1ページをご覧ください。ヒロシマ賞は核兵器廃絶と世界恒久平和を希求する「ヒロシマの心」を、美術を通じて広く世界にアピールすることを目的として、人類の平和に貢献した作家を顕彰し、あわせて、ヒロシマにインスピレーションを受けた作品を創作していただくためのものであります。平成元年、1989年に創設して3年に1回の割合で授与しております。

 この度の受賞作家、アルフレド・ジャー氏は、チリ出身の方であります。世界各地で起きた歴史的な事件や悲劇、社会的な不均衡に対して、綿密な調査と取材に基づくジャーナリスティックな視点をもって対峙しながら、社会的、政治的、人道的な問題を人々に伝えてきた作家であります。その手法としては、公共の場での作品の提示や、写真、映像、そして建築的な空間造形を伴った五感に訴えかけるような美しいインスタレーションなどを駆使しておられます。これまでの40年近くにわたるキャリアの中で、ヴェネチア・ビエンナーレやサンパウロ・ビエンナーレ、ドクメンタ、これはドイツ・カッセルで5年に一度開催される国際美術展などであります。そういったところで、数々の国際美術展に参加し、また、世界各地の美術館で個展を開催するなど国際的に活躍してきておられます。2012年にはベルリン市内の3つの美術館を使用した回顧展が、2014年にはフィンランドのキアズマ現代美術館でも大規模な回顧展が開催されております。

 続いて、受賞理由についてであります。ジャー氏は、1995年に広島市現代美術館で開催された被爆50周年記念展「ヒロシマ以後」に参加し、ヒロシマのための作品を制作するなど、ヒロシマと深く関わってきておられます。また、近年は東日本大震災と福島の原発事故の問題にも強い関心を持っておられて、今日の問題としてヒロシマを捉えるような新たなメッセージ性の強い展覧会を期待されることから、今回の受賞となったものです。

 受賞記念展が開催される2020年に、広島は、ちょうど被爆75周年を迎えますけれども、それはちょうどジャー氏が初めてヒロシマに関わってから25年目の年にも当たります。現代美術館に所蔵されている1995年制作の作品から、四半世紀を経てジャー氏の表現がどのように変わったのか、そして今日のヒロシマを取り巻く状況に今回はどのように応えてくれるのかと、大きな期待を寄せているところであります。また、世界的に活躍されているジャー氏の受賞は、ヒロシマ賞を世界にアピールする上でも大変効果があるのではないかと考えています。

 続いて、受賞作家決定までの経緯について申し上げます。本年6月までに、世界の美術館の館長や美術評論家などの委員と、これまでにヒロシマ賞受賞作家である特別委員により26名の候補作家が推薦されました。この中から、国内の美術館長や美術評論家などで構成する選考委員会で審査を行いまして、3名に絞り込みました。この結果を基に、建畠晢(たてはたあきら)、埼玉県立近代美術館館長、多摩美術大学学長を会長とし、美術専門家、広島経済界や、私も入った受賞者選考審議会におきまして、アルフレド・ジャー氏が選定されたものです。この受賞者選考審議会の審議結果を踏まえて、受賞作家をアルフレド・ジャー氏に決定したものです。最後に、今後のスケジュールについてでありますけども、ジャー氏の受賞記念展の日程や展示内容の検討など開催準備を行い、2年後の平成32年、2020年の夏から秋にかけて、授賞式とジャー氏の受賞記念展を広島市現代美術館において開催する予定にしております。2020年は、東京オリンピック・パラリンピックの開催もありまして、多くの内外の来広者が期待されるために、それにふさわしい展示会としたいというふうに考えています。

 お手元の資料の2枚目以降は、受賞作家やヒロシマ賞に関する参考資料であります。参考にしていただければと思います。説明は以上です。

市政記者クラブからの代表質問

基町地区のまちづくりとサッカースタジアムについて

記者

 まず第一点なのですが、基町地区のまちづくりとサッカースタジアムについて伺いたいと思います。サッカースタジアムの建設をめぐり、将来を見据えた基町地区のまちづくりビジョンなどにつきまして、住民の方への説明会が9月18日から10月2日にかけて行われたと思いますが、その説明会の報告を受けての市長の受止めをお伺いしてもよろしいでしょうか。

市長

 個別説明会に関しましては、20ある基町地区の自治会を近接地区毎に6つに分けて開催いたしました。延べ267人の住民の方々に参加いただきました。市の方からは、基町地区のまちづくりとサッカースタジアムについて、6月に開催した住民説明会で質問や意見をいただいた事項に丁寧に回答するとともに、まちづくりについて、若年世帯の割合を25%とすることや中層棟の建替などを内容とした「将来を見据えた基町地区のまちづくりビジョン」、素案でありますが、これを提示いたしまして、ご参加いただいた住民の皆さんに説明をし、(住民の皆さんからは)様々な意見がありました。

 サッカースタジアムに関しましては、例えば「子供たちの将来のために、近くにサッカー場があっても良いのではないか」、「サンフレッチェ広島を応援しておって、スタジアム建設に大賛成である」という意見もあったのですが、「スタジアムができると、市営住宅は日が当たらなくなるのではないか」、「交通渋滞がさらに悪化するのではないか」、「憩いの場や避難場所として機能が損なわれるのではないか」といった意見も出されました。これらの懸念事項に関しましては対応策があることを重ねて説明いたしました。しかし、最終的には、そばにはない方が良いという意見が多いという状況があったところであります。

 私としては、まずサッカースタジアムについては、今回の個別説明会の状況を含む、これまでの経過というものをしっかり踏まえながら、今後の進め方を「基町の明日を考える会」と協議させていただきたいと考えています。

 また、基町地区のまちづくりに関しましては、「若年世帯や子育て世帯の入居促進をさらに進めてもらいたい」、「成長した子供たちが、大人になっても住んで、親の面倒を見続けることができるような制度にしてほしい」といった地域コミュニティの維持に関しての意見や、「17号棟の建て替え計画を早く示してほしい」、「基町ショッピングセンターは、建築後40年以上が経過し、老朽化しているので対応してほしい」などの居住環境の整備についての意見を多くいただきました。

 従いまして、まずは、このようなまちづくりについての住民の皆さんの意見を踏まえた上で、将来を見据えた基町地区のまちづくりビジョンを確定させて、地区住民の代表者、市営基町店舗入店者の代表者、福祉・介護の関係者、地域のまちづくりを行っている方などの理解を深めるということにしっかり注力したいと考えております。そのために、こうした皆さんと本市職員などで構成した検討会を立ち上げて、基町地区が抱える課題に対処するために、とりわけ、若年世帯等のための住宅として活用するための具体的な方策などを私自身が中心となって検討するという運びにしたいと思っております。

記者

 サッカースタジアム関係で、基町のまちづくりついては今後、検討会を作ってビジョンを確定させて、来年度の計画を作っていく、ある程度流れが見えてきたのかなと感じているのですが、サッカースタジアムの協議の方については、先ほどの説明では今後の進め方を「(基町の)明日を考える会」と協議するということしかなかったと思います。実際、協議して、どのような進展を期待しているのか、もしくは、市の方からどのような提案をしようとしているのかというところをお聞かせください。

市長

 サッカースタジアムについては、もともとのスケジュールは、もうお示ししてまして、まず、そこを候補地の3つのうちの1つにしていますから、候補地にするということについての納得度を高めるということをずっとやってきているわけですから、着地点は変わっておりません。ただ、今申しましたように、個別説明会を行った中で、懸案事項あるいは懸念事項、日が当たらなくなるとか、交通渋滞が悪化するとか、避難場所としての機能が(低下するとか)、あるいは、憩いの場が損なわれるということについては、個々、対応するという案を示しています。その案、そのものが駄目だという意見は全然ないのです。聞いていると、だけど、やっぱり、そばにない方がいいと、こういうご主張なので、先ほど申し上げたように、こういった説明会での状況、我々とすれば、答えられることは答えて、実現可能性についての回答はしっかりやってきている。しかし心情としては、どうでしょうね。やっぱりない方がいいという、そういう気持ちがあるので、これまでの経過などを、よくよく考えていただいて、今後どういうふうにするかと、どういう手続きがいるのでしょうかということを協議したいということです。そして、3つの候補地の1つとして、まずは認知してもらうというとこまで、皆さんにしっかりお願いするというか、話をするという方針の下で動いているということでございます。

記者

 市長の捉え方としては、今回の説明会を通して、いわゆる不安に思っている点は、もう住民から出尽くして、答えられることについては市としては、もう全て答えたと。

市長

 まちづくりは、いろいろ課題がありますが、サッカースタジアムに関してのご質問は答えきっていると思います

記者

 質問は出尽くして、答えられることは、答えきったと。説明会についても、一定の区切りをつけたいというご意向ということなのでしょうか。

市長

 そうですね。説明会としての話は終わっていますから。ですから、「基町の明日を考える会」というところです。立場、全体を考えて、じゃあ、どうしましょうかと。こういう説明をし尽くしたという市の立場、だけど、そばにない方がいいと。だけど、そばと言っても、中央公園にあった方がいいという意見もあって、そんな遠くない方がいいという意見もあるのです。その辺のお気持ちは、果たしてこの、こっちをしっかりやるとするまちづくり、基町住宅そのものをきちんとこれから良いものにするのですよということをうんと深める中で、どの程度の皆さんへの影響っていいますか、これとの関係が、決してこっちは取り引きするわけではありませんよ、基町のまちづくりは必ずやるのですと、そういうこと踏まえて、改めて見ていただきたい。もともとが、こういったことをやっているのですが、基町のまちづくりに関しての話をしっかりやるということが、皆さんのところに行き届かない中で、サッカースタジアムの場所にどうかということをやって、その経緯の中で皆が取り引きしているのではないかと、いろいろ言われますから、そんなことはないのです。ずっとやっているのですよ。これは、これでやるのだと。やるということを踏まえて、さらに今言われている「そばにはない方がいい」っていう結論になって、その点について、もう少し真摯にというか、我々ができることは必ずやりますと申し上げているのだから、それを前提に候補地という捉え方を一歩進めていただきたいというふうなことを「(基町の)明日を考える会」と、しっかり話をしよう、協議をしようということであります。

記者

 「(基町の)明日を考える会」との話なのですが、スケジュール感のめどと、その話し合いとしての結論を出すめどですが、いつぐらいまでに具体的な方向性を出したいかというお考えはありますでしょうか。

市長

 現時点では見通せません。今までどおり、しっかりとお話をして誠意が通ずるということを目指すつもりであります。後ろを区切ってと言うのではなくて、やるだけのことっていいますか、目的ははっきりしていますから、整理の仕方、お願いしていること、そして課題については、きちっと応えるんですよということを分かっていただいた上で、皆さんの意識が、あるいは気持ちが我々に寄り添っていただけるかどうかということをしっかりやっていきたいと思っています。

記者

 あと、ノエビアスタジアムの住民の視察という話も当初は出ていたと思うのですが、そこに関しては具体的には、どのようになりそうでしょうか。

市長

 今言ったような中で、「じゃあ見てみようか」と言っていただければ、これは一歩前進だということでありますのでその気持ちは変わってはおりません。実際に説明はしていますけども具体的なイメージを見ていただいて、特にノエビアスタジアムに行っていただくとスタジアムの周りに市営住宅がありまして、そこで住民の方が大変だとか思っていないし、お客さんが来る時もその日はちゃんと交通整理をして、そういった住宅地を避けてやっている例がありますので、そういったことも見ていただければ我々がお答えしていることについてのある意味での信憑性といいますかそういったことを確認していただける機会ではないかという思いで提示しています。

記者

 「(基町の)明日を考える会」との話で、明日を考える会の方の賛成を得られなかった場合は、今出ている中央公園広場は候補から外れるということになる認識でよろしいですか。

市長

 ればたらの話をすればそうかも分かりませんね。私は今申しましたように3つの候補地にするということについて、是非とも理解をしていただくと、そのための対応をやり続けるというのが現時点での思いであります。イフ(if:仮定、もしも)は考えてないというのが今の段階です。

記者

 続いてなのですが、今お話になったところで「(基町の)明日を考える会」に対して、これまではずっと、3つの候補地のうちの一つなのですよという説明を、これまで個別説明会においても、先ほどの説明会でもずっとしてきたという経緯だと思うのですが、では今後、「(基町の)明日を考える会」に対して、その3つの候補地なのですよという言い方から、さらにもう一段ステップを上げた説明を今後していくというふうになり得るのではないかと、僕は思うのですが。

市長

 それは次のステージですね。まずここで今までの経過や、個別に問題があるっていうので(その対策を)説明しました。そしてこういう意見がある。言ったことをそのまま皆さんに御披露して、最後判断しますが、いろいろな懸案課題あるのだけれど、我々として行政でやれる措置は提示していると。それがだめだという意見はないんですね。それをやってもらったとしても、そばにない方が良いという。結論から言いますが、なるべく遠くが良いと言われている。じゃあその心は、どこら辺にあるのだろうかと。それはそれとしておくとしても、決定的な問題についての指摘があるわけじゃないんですね。そして、基町の住宅についてのお住まいのことについても、今まで懸念があったことについてしっかりやると。さらに、特に重要な若年者の問題や、高齢化している家族で、それぞれお世話するような仕掛けができる住宅街にという点については、ある意味で異例な措置を講じない限りできないんですよ。そういったことも必ずやりますからということを御説明しながら、相対として言われているいろいろな課題については、自分ができるだけの処方箋を必ずやりますということを御説明した上で、どう思っていただけるかをもうしばらく粘り強くやると。そしてそこで、候補地として「分かった」と言われれば、当初の目的どおり、その3つのうちから、県や商工会議所・市・そしてサッカー関係者、といったところともしっかり話して決定すると。その段取り感は、まだ変わっておりません。

記者

 もう一点、そこの部分の、その一番最後のところなのですが、その絞り込み作業のタイムスケジュールと、基町住民に対しての説明をもう一段、深い中身を進めていくという、そのステップのスケジュールの順番の前後がちょっと分からなくて(再度お聞かせください)。

市長

 順番は今申し上げたとおり、そばにはない方が良いという意見がある中ですが、しっかりと協議して我々がお願いしている候補地にして良いよという、その了解に達するまで、まずやると。やり尽くすということが、今時点での思いです。そうした上で、次のステップにいくというふうにやってみたいと(考えています)。

記者

 住民への議論を尽くした上で、三者による(絞り込みに入るということですか)。

市長

 その尽くしたということが、どこまでやれば尽くしたかということになるかということも含めて、「基町の明日を考える会」と協議するということになると思うのです。私の思いをどこまでやれば(という思いで、これまで)いろいろなことをさせていただいています。市民病院の移転などについても了解をとるということをやりましたけど、100人が100人オーケー(了解)と言ったわけではないのですが、でも、反対の方も含めて十分説明して、今やっていますが、今は逆にやったことについてのいろいろな問題点をいただきましたので、むしろ良かったという御意見もいただいているでしょう。そういった行政手法といいますか、やり方を今回も貫きたいということであります。

記者

 時期に対する明言がないのですが、基本年内ぐらいには(言われますか)。

市長

 時期はその時だって言えませんから、まだね。どこどこまでにやらないとサッカースタジアムができないという問題ではないわけでして、早ければ早い方が良いってことは皆さんが言っていただいていますから、そのことももちろん受止めています。だからその話の熟し方の状況によってもう一回よく考えますが、現時点では協議の場でしっかりと説明するということをやりつつ、基町のまちづくりについても、もっと明確で安心していただける図柄を示して、意見を聞いてやりながら、どうでしょうかということをやりたいと思っています。

都心の再開発について

記者

 都心の再開発について伺いたいのですが、先日の議会で紙屋町・八丁堀地区が、都市再生緊急整備地域に近く指定される見通しの中で、商工会議所ビルの移転について、市営基町駐車場周辺での再開発事業について検討されるというご答弁がありましたが、商工会議所とどのように連携して進めていかれるのかということをお伺いしたいことと、また、改めて、今回のことを踏まえて、紙屋町・八丁堀地区のまちづくりについての期待感についてお伺いさせてください。

市長

 まずもって、この度の議会で答弁いたしましたけども、この答弁は、これまで商工会議所と県と一緒に設置いたしました、「広島の都心活性化推進のための調整会議」におきまして、都心の活性化に向けた取組について協議を進めてきたその成果を踏まえたものだという位置付けであります。時間はかかっておりますけれども、関係者の方との調整をしっかりするということをやってきたその成果だということで受止めていただきたいと思います。

 具体的には、紙屋町・八丁堀地区を都市再生緊急整備地域として国から指定してもらうこと、それが一つです。

 それから商工会議所ビルの移転・建替をうまく連動させるということ。そういったことをするならば、都心の再開発を効果的に進めるということに役立つということでありますので、そういった視点に立って勢力的に協議を進めた結果、商工会議所ビルの移転・建替を市営の基町駐車場周辺での再開発事業として検討することになったということを踏まえて答弁したわけであります。

 したがいまして、今後とも引き続き、県・市・商工会議所による調整会議等を活用しながら、商工会議所としての移転・建替案、多分こんな移転・建替がしたいと商工会議所の方で示されるでしょう。そうすると本市の方としては、今ある駐車場の取り扱いをどのようにするかという案を出しますので、その2つをベースにしながら、できれば民間企業の参画も見込んだ上で、市営基町駐車場周辺、辺り一帯、その周辺の再開発事業を具体化するための協議・調整を進める。その際に当然、専門家も参加してもらうというふうな作業、段取りを考えております。

 このようなことから、商工会議所ビルの移転に伴う再開発は、紙屋町・八丁堀地区の活性化を加速させる、リーディングプロジェクトになるんじゃないかなという思いでいます。

 すなわち、「紙屋町・八丁堀地区のまちづくり」におきましては、まず、現在の地域資源をこれまで以上に生かすこと。そして、当該地区の活性化が「200万人広島都市圏構想」の推進に役立つこと。さらには、広島が平和と文化を世界に発信する魅力あるまちになっていくこと、こういった要素を大切にすることが重要であると考えております。

 そういう意味ではこのプロジェクトは、今申し上げたような要請といいますか、狙いを満たすものであろうかと思いますので、そういう意味からも、その実現に大きな期待を寄せております。

記者

 市営基町駐車場を今回、商議所(商工会議所)移転先の候補地として選んだ理由について、改めてちょっと教えてください。

市長

 選んだ理由、ざっくり言いますと、移転したいという商工会議所のお気持ちがあって、どこがいいかというようなことを待っていたら、都市再生緊急整備地域指定という話が出てきたので、(商工)会議所の方から、「そのエリア内ならばいいよ」というように発言されたと受止めたのです。だったら、せっかく指定を受けていろんな要件緩和や国からの支援が受けられるのだったら、言うようなその範囲の中でどこかに絞り込むのがいいだろうと、建物の話だけで思ったのです。

 もう一方で、都市づくりに関して、なるべく都心部の交通について、公共交通で循環型にしてプライベートの車よりはそういったものの利便性を高めること。それから、歩行者空間などを確保して、人になじみやすいまちにすると言っていましたので、そういった目で見たら駐車場を公的な機関としてずっと維持するっていうのはどうだろうという問題意識がまた出てきたというか議論したのです。そうしたら、もう古いし、それなりに建て替えなければならないと。その政策の整合性をどうしようかとなりまして、そんな中で議論では、そうはいっても1億いくらの収入の稼ぎ頭なのです。だけど、その建物の規制緩和のときに、一等地でいい建物を建てたら駐車場を確保しろという要請を緩和するということを民間に対して言ったではないかと、それで緩和しろと言っておいて、自分の儲けのために引き続き駐車場を設けるのかというのかと。だったら、大胆に政策転換して、公的なところがそういったことも振り返って。自転車は別です。そういうふうなことをアピールするというのはどうだろうかというふうに切り替える。そして、そのための収益1億円減は、むしろ逆にそこでいろんな、まち全体の活性化に資するような仕掛けにするとなったならば、商工会議所に来てもらって、他に隣接する民間の建物と一緒にやってもらうと、商工会議所もひょっとして活性化するかもということになりましたので、そういうことも含めて、ぜひここでどうでしょうかというふうにしようとなったわけです。その考えと同時に、つまり都市における公共交通といいますか、自動車駐車場といいますか、そういったものの在り方についても、もう少し明確に政策を打ち出して方向性を出した中でやろうという決断をしましたので、提案ができたということであります。

記者

 今回の移転に関して、市営基町駐車場に移転することで、今の商工会議所のビルが移転すると思うのですが、その跡地に関して例えば市のほうで買い取るとか、そういうことを検討されているというお考え等はございますでしょうか。

市長

 これはまだ提案したので具体的な処理までは行っていませんが、ただ想像というか、すぐ思いつくのは、球場跡地の所にある商工会議所は、商工会議所に所有権があります。あそこの一定の所を除いて、あれは全部国有地なのです。だけど、そういう意味では商工会議所というプライベートの所有権があります。

 移転して更地にしたまま持っておくというのが大変であれば、多分、市の方に何とかしてくれないかと言われるでしょう。

 一方、市営駐車場の所は市が持っている所有地ですから、それでお互いに買って売るというのだったら、交換するというようなこともあれば合理的だし、そうすると、旧市民球場跡地全体の所が市の管轄というか、市の管轄を含めて国有地でありますから、より、あそこの地域を整備するのに指導力を発揮できるかもしれないという気持ちもあります。こういうふうに、あの辺りをしていくという、今提言していることを強力に推進する手段になるかもしれません。ただ問題は、単価とか具体的な交換するときの条件設定などについて、きちっと議会にも説明できるような処理をしないといけない作業が待っているでしょうし、それから、商工会議所の方は移転するに当たっていろいろな経費も考慮され、その後の運用などについても長期計画を立てられるでしょうから、そういったところにも一定の配慮をしながら、共に建物を造った時に、あるいは民間が入った時の建物の運用方法とか、そういったことを含めて、投資した資金の回収なども関係者が合意するということをやらないと具体的な計画は出来上がりませんから、そういったことを先ほど申し上げた三者が協議する場でしっかりと話していこうということで、そういうスタートが出来るような状況が今回出来たというところであります。

記者

 市営基町駐車場の案を今後、市の方から出すというふうにおっしゃったのですが、もう少し具体的に、例えばどの程度のものにしたいかとか、どこの場所に出したいとか、そういう案があればお願いします。

市長

 先ほど申し上げましたように、車の駐車場はむしろ廃止するというベースで考えようかと思います。これからの都市政策として、公的機関としてわざわざ都心部に駐車場を確保して、みんなそこに来ないと利便性、享受できないというのはやめると。その代わり、公共交通などで多くの方が運べるような交通体系をこれから整えていくので。民間についてはまだ、誘導策で規制というところはいっていない。建物などを建てるときに駐車場をたくさん取れといったのも、取らなくても建てられますということで方向転換しますから、そういった意味で都心部におけるプライベートの車がどんどん出て、ゼロとは言いませんが、どんどん入り込むという考え方をある程度変えることを前提に廃止すると。そうするとその建物、別の形で有効利用するというふうになると思います。それはもう一つ、地球温暖化現象という中で、ガソリン車なんかであれば温暖化に拍車をかけるのだから、そういうものが来るのをある程度抑制すると。そして今既に市の周辺部で「パーク&ライド」という政策もやっているから、そういったところとの整合性を整えるための方向性をここで明確に打ち出すのだと。そんな意義付けをしながら駐車場はなくせると。別途の目的の建物に変えていくといったことは考えられるのではないかと思います。

平成30年7月豪雨災害から3か月を迎えて

記者

 7月の豪雨災害から明日で3か月を迎えると思うのですが、今後の防災対策と復興に向けての意気込みをお伺いさせてください。

市長

 7月の豪雨災害から3か月経過しております。そんな中で一番気がかりなのは被災者の生活再建の支援ということがありますので、その点確認してみますと、被災者の避難状況でありますが、10月4日昨日現在でありますが、避難所は矢野小学校1か所になりました。そこでは、8世帯で19人の方が避難されておりまして、ほかの所では、避難所は解消したという状況であります。この8世帯19人の方々が、避難生活、ここで避難所での生活が継続しているのは、お聞きしますと、洪水で自宅が浸水して、仮住居の確保までは必要がないのだと、つまり家はあります。だけど浸水したりして、自宅を修繕中なものですからまだ帰れないからっていうような方であるということが大半でありまして、一刻も早くこの修理ができればなという状況であります。

 それから、あと民有地の土砂や河川内に残っている土砂撤去、こういったことも気がかりですけども、これはそれぞれの部署で鋭意処理を進めておりまして、やはりこれも、昨日時点での土砂の撤去状況ですが、被災者の方から撤去依頼があって、ちゃんと手続きをして、やりますよというふうになっている状況、1,179件ありまして、その内の約7割、841件、これは撤去完了しました。そして、今月中におおむね完了すると、これは全部です。まあ、そういうことを目途に作業が進んでおります。

 それと、これからの作業ということになりますけれど、復旧・復興これに関しましては、8月の臨時議会とこの9月の定例会で、補正予算を認めていただきましたので、これをベースに道路河川などの本格的な復旧を行っていくことになりますが、これら本格的な復旧をやろうとすると、実は9月から始まっております国の災害査定を受ける必要があります。どれくらいの事業規模になるかということを確定した上で、その事業を執行するという、そういうルールといいますか、手続きになっておりますので、この国の災害査定をまず受けると。その際、この査定に当たっては単純な復旧ではなくて、改良の効果が上がる復旧を主眼に置いてやりますよということを申し上げて、国の方の査定で、どこまで認めてもらえるか、そんな作業をこれからやっていくことになります。そして、できればこの査定作業を年内に終えまして、その後、査定を終えたものから順次工事を始めると、そんな段取り感で作業をしております。

 あと、土石流による被害が大きかった地域では、今申し上げた、市でやっていく作業のほかに今後、国・県による砂防堰堤の整備が行われることになっております。現在本格的な整備に先立ってワイヤーネットやセンサーを設置して応急対策を講じながら本格的な作業の準備が進められているという状況であります。

 これら一連の作業に関しましては、地域の方からの提案「こんなふうにしてもらいたい」とかいったような提案、あるいはそれに絡めていろいろな御要望ありましょうけれど、そんな提案を考慮した取り扱いといいますか、取組ができるように工夫していきたいというふうに思っております。

 こういったような取組によりまして、被災地の方が、これからも安心安全で関係者の方が愛着を持って住み続けられるようなまちにするということに向けて、国と県と連携をしっかりして、迅速かつ確実な復旧復興を進めるということ。それによって被災者の方々が1日も早く日常生活を取り戻していただけるようにするということ。それに向けて全力で取り組んでいきたいと思っております。

 あと、今後の防災対策に関しての問題があります。それは今回、避難勧告を発令した地域において、多くの人的な被害が発生したこと、これを重大な課題として受止めています。このような災害による人的な被害を回避するためには、住民の方々自身が、常に災害が身近に起こり得るものという意識を改めてもらって、実際に危険が迫った時には、確実に避難行動していただくようにする。それを平時から大切にする。防災意識の向上を図るということになろうかと思います。そのためにはいろいろな意味で、実際に被災を経験した方々のその思いをダイレクトに受止められるようにするということ。そして自分自身の問題意識にするということが重要でありまして、そういう意味では、今回の被災経験を今後の災害の備えに繋げるというふうな発想で、取り組むことが重要だと思っています。

 そこでそれをやっていくための第一段階ということで、具体的な取組を組むための手続きとして、「平成30年7月豪雨災害における避難対策等検証会議」を設置いたしました。その会議の結果を踏まえて具体的な検討を行うことになりますが、その際でも地域の自主防災組織の活動強化は必ず大きな柱になるという思いでいます。このため、地域における防災マップの作成や防災士の養成など、今までやってきたことを加速させる。これも同時に行うとともに、もう一つ踏み込んで、慰霊祭などの地域行事を行っている所もありますが、そういった行事に合わせて、避難所への避難訓練、皆さんが集まる場で被災経験を伝える、あるいは避難ということを疑似体験するということを行うと。さらに子供たちがそういうところに参加して、炊き出しを行って避難所での宿泊などに興味を持ってもらうようにするということがあっても良いかなと。その際には、初めから避難所にダンボールベッドなども用意するなど行うことで、実際に起こった時とあまり変わらないような形で経験する。その中で避難所の改善策を日頃から考えておくということもできないかなと思います。

 いずれにしてもより多くの住民の方が興味を持って、災害を防ぐための経験を踏む、防災訓練を実施するということをできないかと思っております。いずれにしても効果的な取組を、検証会議の結果も取り込んだ上で進めていこうと考えております。

記者

 避難所になっているのが矢野の1地区だと伺ったのですが、もちろん被災者の状況等々にもよると思うのですが、避難所としての機能をいつまで持たせるお考えなのか、いつくらいまでには避難所をなくしたいのかというのがあれば、教えていただいてよろしいでしょうか。

市長

 7月豪雨災害の避難所に関して、今申し上げました矢野小学校1箇所でありますので、ここにおられる8世帯19人の方が今申し上げた自宅修繕など、ここにとどまる理由が解消するまで、お待ちしようと思います。それがなくなれば自然に自宅に帰られますので、いついつまでに出なければ(ならない)ということまでは今の段階では考えておりません。

その他の質問

残り半年となった任期について

記者

 今月11日で市長の任期が残り半年になるということで、現時点で次期市長選への対応をどうお考えかお聞かせください。加えて、残り半年で総仕上げとしてやりたいこと、やらなければならないこと、どのように考えているかも併せてお伺いします。

市長

 おっしゃるとおり、今年度は2期目の最終の年ということでありまして、いろいろな政策課題、総仕上げをしっかりやるという、そしてまたやらなければいけない年だということで市政運営に取り組んでいます。その中で、先ほど申しましたが7月の豪雨災害が発生しましたから、その復旧と復興につなげていくための取組を、最優先にしっかりやらなくてはいけないという状況が、一つあると思っています。したがいまして、現状については次の市長選の判断というのは取りあえず置いて、それどころではないという気持ちでこの災害の復旧・復興という仕事と、総仕上げとして取り組むべき課題というもの、たくさんありますので、その処理に向けて、まず最大限の努力をしていく。その中で、おのずと道は開けてくるだろうというような気持ちでやりたいと思っています。そういう意味では、残っている宿題というのは、いろいろな課題、先ほどから質問を受け、また答えているものは、すべて宿題でありますから、それについて任期のある間に必ずや前進させる。そして一定の方向性を出すという取組を、少なくとも今時点でギリギリまでやって、そしてその成果の状況を踏まえて、判断すべき時点で、またいろいろな要素を考慮して方向性を皆さんにお示しするというか、発表したいと思っています。まだそういう時期ではないと思っています。

記者

 サッカースタジアムについても、一定の方向性を出すと。

市長

 それも含めて、先ほども申し上げたように時期を決めていませんからね。なるべくやるということと、この、どういうふうに自分自身やろうかというのも、同時並行で今しっかりと考えています。

※( )は注釈を加えたものです。

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