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ページ番号:0000013134更新日:2019年10月21日更新印刷ページ表示

2018年09月06日記者会見「今後の競輪事業について外1件」

動画は下記からご覧ください。

(「広島市動画チャンネル(市長記者会見)」のページへジャンプします)<外部リンク>

市からの発表案件

  • 【今後の競輪事業について】
  • 【平成30年第4回広島市議会定例会提出案件について】

<会見録>

市からの発表案件

今後の競輪事業について

市長

 今後の競輪事業について、説明をさせていただきます。

お手元に資料があるかと思いますけれども御覧いただきたいと思います。本市の今後の競輪事業について、平成30年5月29日付けで広島市競輪運営委員会からの平成31年度以降の競輪事業に係る答申をいただいておりまして、それを踏まえまして、基本方針を次のとおり決定いたしました。

 本市の競輪事業については、その運営を平成27年度から民間事業者に包括委託したことによって、競輪事業基金及び繰越金残高の合計額が約21億円に達するとともに、平成30年度当初予算では3億円を一般会計に繰り出すことができるようになりました。このことから、民間事業者への運営の包括委託という方法によって、本市財政への貢献とともに老朽化した競輪場の再編整備を一挙に達成する可能性が見えてまいりました。また、競輪場そのものに関しましては、市民がスポーツ・レジャー等に多目的に利用できるイベント開催の場として開放するという試みをしたところ、その利用が拡大するなど新たな利用価値があることが明らかになってまいりました。

 こうした成果を踏まえまして、競輪場は、市民のスポーツ・レジャー等の多様なニーズをも満たす充実した施設へと転換・存続させることとすると同時に、競輪事業については、平成31年度以降、本市の財政に一層貢献するものへと変革していくようにするとしたものであります。

 具体的な取組ですけれども、まず、競輪場につきましては、市民のスポーツ・レジャー等の多様なニーズに対応する複合的な施設に再編整備して、それを有効活用することによって市民サービスの向上を目指すということにいたします。

 次に、競輪事業に関しましては、ミッドナイト競輪の開催等、顧客ニーズに合致したレース運営を強化するとともに、命名権の導入や市民向けイベントの開催等事業資産を有効活用した関連事業に取り組んでいくことで、一層の収入増加を目指すというものであります。

 その際、ギャンブル等依存症に係る対策につきましてはこれを確実に実施いたします。

 そして、これらを目指すに当たりましては、民間事業者を活用した新たな包括委託方式を導入していこうというものであります。

 最後に、平成31年度から平成33年度までの間の措置に関してでありますけれども、本市としては、競輪場の再編整備ということと、競輪事業の充実・強化ということを民間事業者を活用した新たな包括委託方式の下で進めていくことにいたしますけれども、まず、その導入に向けては、再編整備の規模であるとか、複合的な施設の内容、そして本市の負担等に関しまして検討するのに時間を要することになりますので、お手元の資料にありますとおり、平成31年度から平成33年度までの間、この3年間は、現行方式での包括委託を継続するということにしたものであります。

 以上です。

記者

 競輪事業に関してですが、まず、スポーツやレジャー等の複合施設に再整備するに当たって、いかに幅広い市民の皆さんに利用してもらうか。それを促すことが大切になると思います。それをどうやって促していくかというのが、まず1点。

 2点目として、施設を再整備していくに当たって民間の力を使っていくことになるのかと思うのですが、どうやって民間のアイデアであるとか、そういった活力を引き出すかというのも重要になると思います。そのスケジュールも含めて進め方、どのように取組や検討を深めていくか、お考えがあればお聞かせください。

市長

 まず、競輪場施設を使った、いわば多くの市民の方のニーズを満たすスポーツ・レジャーへの展開ですけども、これは一定程度、実績があるということを踏まえてのものでありまして、平成27年(度)、(平成)28年(度)に、実際にやった結果の中で、例えば競輪場の敷地を活用したサイクルパークです。こんなことをやってきたわけですけれども、実際にサイクルクラブというのが結成されまして、結成(後は)会員が確実に増えているという状況があります。(平成)27年の8月の終わりごろに作りましょうとやられたんですけれども、今年の8月末現在で358人。そういった方が増えてきている。こういった方の活用方策についての御意見を受止めて、さらに増えるようなことを考える。

 それから、サイクルパークといいますか、バンク(等)を使って、いろいろイベントをやっていただくということをやってきたんですけれども、(平成)27年度、28年度、29年度という実績を追ってまいりますと、(平成)27年度は、利用者が6,900人台であったのが、(平成)28年度は上回って8,600人台。そして、(平成)29年度は、1万7,000人台というように、いわゆる利用者層が確実に増えてきておりますので、こういった具体的な利用をしている方々を捉えて、そういった方々のスポーツ・レジャーへのニーズといいますか、そういったものも確認しながら、いろいろな取組をするということで展開してきたと思っております。

 そして、もう1つの今後の新しい(方式の)民間事業者との契約内容でありますけれども、これは現時点で、こうするということまで決まっているものではないですけれども、少なくとも今までの3年間でやった民間業者を使った運営の中で、施設をこういうふうにしたらもっと関係者のいろいろなサービス適応ができて利用者が拡大しますよという意見を伺ったりしていますので、今の委託方式を3年間やるのと同時進行で新しい包括委託契約といいますか、そういったものをどうするかという判断を、この3年間フルに使うか、3年間のうちの前半2年ぐらいで集中的にやっていくということを別途並行でやっていく必要があると思うのですけれども、その中で、今やっている事業者の意見も聞きながら、いろいろ新しい提案を受けることもやっていこうかという思いであります。そういった意味で、これからの3年間の委託契約と同時並行で考えていって、その契約が終わる段階では、新しい包括委託契約ができるような段取りを少なくとも3年間の中で達成するという、ざっくりとした計画ですけれども、そんな手順を考えております。

記者

 先ほど御説明にもあったのですが、答申を受けての存続の決定だったと思います。改めまして、存続の決定打となったそのお考えと、今後、具体的にどういった施設になってほしいかといった松井市長のお考えをお聞かせ願えますか。

市長

 今申し上げた中に、いろいろなエッセンスは組み込んでおりますが、元々、こういった競輪事業の発足という歴史を確認いたしますと、戦後の財政、収入確保が困難な中で、こういったギャンブルを国の制度として認めると、そして税収確保のいわゆる補完措置として、こういったギャンブルを例外的に、公的な機関が管理する仕掛けができていれば、そういうギャンブルを許すという、その法律を活用しようということをまちとして合意して、当初は、その目的どおり、一定の収入を確保しながら、まちづくりに貢献してきた。そういう意味では、その既存のシステムを、とにかくうまく回すことに注力しながら、なんとか生き延びてきたのでしょうが、それが徐々に、そういった競輪に興味を示す方々が、人口構成、年齢構成とともに変わってくる。客層がだんだん減ってくる中で、所期の目的限定があることで、競輪場の事業運営が、そのまま、いわゆる昔の流れのままできていることになっていて、そうすると所期の目的、市の財政・収入確保はままならなくなるのです。逆に、その施設維持の方に費用を捻出しなければいけないという状況が起こっている。これでは、意味がないではないか、見直そうということで検討に入ったわけです。そうしたところ、この経営そのものについて、新しい発想で、役所の中である程度決まりがありますから、その決まりを守ることで選択肢はどんどん狭まるという思考方法だったのが、民間の方に委託すると、そういったものをなんとか突破してでも新しい需要を喚起して、そういった中で事業も存続させ、むしろ、ある施設を有効活用することで、全体としての客層の確保を図って、一定収入を市の方に出すようにしましょうという目標設定をした上でのトライをしていただいたら結果は出てきたわけです。そういった知恵があるのであれば、もう一回それを試してみて、せっかくある資産ですから、これについて無駄な予算を投入するのではなくて、今までの事業の中で積み立てているお金を工夫しながら、しかも市の行政に協力すると。そして同時に市民のいろいろなスポーツやレジャーの要望にも応えるような施設運営をする。競輪だけではなくて、多目的な利用のための施設として変身してみたいという考え方が出てきたものですから、それでは今回の成果を踏まえて、更にそれを深めるような新しい包括(委託)契約の方法がないかと、そして市に対する財政貢献も維持しながら行うと、もう一回更に深める検討をすると同時に、少なくとも今やっている成果、もう3年間、続けてもらう中でゆっくり考えれば、必ず良い答えが出るのではないかと、そんな思いで、ある意味で結果、存続させる。こういう決断をしたわけであります。ですから、今言った流れの中で、市への財政貢献ということと、せっかく維持する施設ですから、市民のためのいろいろな要望に応えられる、その施設の限界はあるでしょうけども、多目的な用途にいきるような施設に変えていくという、この2つを大きな柱にして、これからアイデアを募ることを行う。そのための助走期間として3年間、民間の委託事業をする。こんな整理になったというものであります。

平成30年第4回広島市議会定例会提出案件について

市長

 9月19日水曜日に開会予定の平成30年第4回広島市議会定例会に提出する議案は、一般会計補正予算案など16件であります。

 まず、補正予算案についてですが、今回の補正予算の規模は、お手元の資料にありますように、全会計で14億1,753万8千円となっています。その内訳としては、最初に7月豪雨災害に関連する補正予算案であります。

 まずは、被災農業者支援についてです。災害により被災したビニールハウスや農業用機械などについて、復旧に要する経費を補助します。

 次に、道路橋りょう施設の災害復旧についてであります。国施行の道路災害復旧事業に対する負担金を計上いたします。

 次に、急傾斜地崩壊防止対策についてであります。急傾斜地の崩壊箇所等の復旧事業や崩壊防止対策事業に対する国、県の補助金が充実されたことを踏まえて、必要な対策を行います。

 続いて、災害関連以外の補正予算案であります。まず、市税等のコンビニ収納事務委託についてです。コンビニ収納代行業者の選定の入札不調を受けまして、代行業者に支払う収納手数料の上限を増額するため、債務負担行為の限度額を補正いたします。

 次に、市有施設のブロック塀の安全対策についてです。ブロック塀を有する360施設で進めております劣化状況調査において、人的被害の可能性が高いと現時点で判明している40施設について、先行してブロック塀を撤去しフェンスを設置いたします。

 次に、骨髄ドナー助成事業についてです。移植時に休業するということをせざるを得ない、その際の経済的負担の軽減を図るために、骨髄ドナーに対し入院及び通院の日数に応じた助成を行うことといたします。

 次に、平和記念公園レストハウスの改修についてであります。当初の想定以上に建物の躯体の状態が悪く、コンクリートの打替えなどの大規模な修繕が必要となることが判明いたしましたため、全体事業費を増額して、工事期間を延長するとともに年度ごとの事業費を変更いたします。

 次に、競輪事業についてです。来年度からの競輪開催業務を現行方式の民間事業者への包括委託により継続するということに伴い、債務負担行為を設定いたします。

 次に、広島広域公園陸上競技場の改修についてであります。国際陸上競技連盟から国際大会が開催できる陸上競技場として認定されるよう、老朽化対策と併せましてトラックの舗装改修等に係る本年度の所要額を計上するとともに、債務負担行為を設定するものであります。

 次に、放課後児童クラブの開設準備であります。来年度に放課後児童クラブの定員不足が見込まれる学区において、余裕教室等の利用に必要となる備品購入など、クラス増設に向けた準備に取り組みます。

 最後に、予算以外の議案といたしましては、広島市都市計画関係手数料の条例の一部改正案など条例案2件、その他の議案6件を提出しています。

 以上が今議会に提出する議案の概要です。私からの説明は以上です。

記者

 レストハウスの改修に関してですが、当初よりもかなり状態が悪いことが判明したことを踏まえての増額なのですが、その増額分は、今おっしゃったようなコンクリートの打替えが当初よりも多いというか、増加分がどういった内容なのかをもう少し詳しく聞かせてください。

市長

 実は、その経過は、レストハウスは名勝である平和記念公園内にありますので、昨年の秋に改修内容を文化庁に協議するという案件になっていまして、協議いたしました。そうしたところ、建物の外壁も、やはり被爆当時の遺産として重要なので、それをまず保存するという、いわゆる調査の方法にまずクレームがつきました。当初は、壁を一回剥がして建物の躯体を確認しようという計画で持っていきましたが、それもちょっとやめてくれということになりました。そういう意味では、超音波などをしようと、調査方法からお金がかかることになりました。それで調べましたら、実は、その建物の躯体がはじめ予想していたよりも悪いと。そして、コンクリートの打ち込み状況なども、当時の十分に資材の調わない中で作っている、用意しているということもあったのでしょう。大規模な修復がないと今後とも維持できないだろうということが分かりましたので、そういう意味では、今申し上げた躯体を直す事業について大幅な増額がいることが分かりました。また、手間もかかりますので、それと同時に工期も延長せざるを得ないということになったものであります。

記者

 その調査の手法自体も見直さざるを得なくて、そこでも増額があったということですが、その調査手法については、例えば事前にきちんと文化庁と打ち合わせをするなど、そういったプロセスはなかったのでしょうか。その変更を強いられる前の段階でです。

市長

 もちろん、こちらの方でどういったものにするかという準備を整えて協議しないといけません。何でもかんでも一対一で一個一個調整できませんから、うちとしてはこういうやり方で、セットでやりたいと思うけれども、何か問題はありませんかということでやるわけです。そのための準備をしていったところ、方法のところでまず注文がついて、それでやり方を改めてよく調べたら想定以上に躯体が傷んでいたということなのです。

記者

 この補正予算の中で、被災農業者支援が組まれているのですが、広島市が今回の豪雨災害で受けた市内の農業に対する打撃について、これをどのように見られていて、今後必要な措置がどのようなものが必要と考えているか、全体的なお話をお聞かせください。

市長

 市内の農業施設、農業関係用地も一般の住宅用地と同じように、土砂災害で土砂、瓦礫が流れ込むということが多くの箇所で起こっています。量的なものは今すぐに正確には申せませんけれど、被害状況はそんなに変わっていません。そして、そういった農地が、特色は民家に近いところにある農業用地と、それから、河川や道路、いわゆる公共財に隣接したところと二手あります。道路や河川に隣接しているところは、そういったところをやるプロセスの中でなるべく併せて土砂を撤去するという構成で調整することで、一定の整理はついていますが、農地全体に入っている土砂、瓦礫等の撤去に関しては、これはまた、役所の縦割りといってはおかしいですが、農水(農林水産)行政の範疇の中でのいろいろな国の支援を使いながら、県と一緒になってやると。農業政策そのものが、国、県という単位の政策の中で市の役割分担を決めてやってきているわけでありますので、災害復旧に当たっても同じような発想でやっています。今回の災害に当たって、当初の災害対策について農水(農林水産)の方も含めて政府の方でしっかりした支援策を打ち出すということを最初に言われていますので、後は、我々とすると、その方向に沿った具体的な支援内容、メニューを待っていたという状況がありました。それが8月半ば以降ぐらいに逐次出されて、県がそれに対応する詳細な援助システム、補助金を作る。それを利用して、そこから頂ける費用を使って我が市が対応して、必要な予算措置をするという流れで今までやってきています。ようやく今回、こういったビニールハウス等の話が出てきました。それを計上したものです。土砂等につきましても同じようなことがありまして、これらについては今後9月以降に、どういった形で元に戻していくかということをやるための基本的な修復の設計をいたします。それが国の事業にきちんと反映できるかどうかの査定作業をやっていくわけですが、それを逐次取り組んでいく中で、今言った国、県の役割分担と市の役割分担を施してやっていくということです。概ね年内にそういった査定作業を終えて、逐次必要な整備をするという流れの中で動きをとると考えています。ただ、人家の場合は、そこに入って暮らす方々がいるので早急に焦点を当ててやっていますが、農地の場合は一旦収穫しようとしたものを戻したからといって、直ちに果実が出てくるわけではないので、農業者の方々は今回の生産を諦める、その間の収入保障をどうするかということと、次年度以降の農業生産に支障がないように対応すると。大きくいうと、そのような流れの中で逐次援助措置を組み込むという作業を今やっております。

記者

 ブロック塀の関係でお聞きします。今回の予算では、現時点で判明している40施設についてという表現になっていますが、今後これが増える可能性があるのか、増えるのなら、今後どのように進めていくのか見通しを教えていただければと思います。

市長

 ブロック塀は、もともとは6月に大阪の方で発生したということで、豪雨災害以前のところで問題提起があり、どうするかということで緊急点検をやりました。

 その時点でこういったブロック塀がある施設が我が市にどれくらいあるかを見ましたら、確認ですが、学校の方は87施設あるということが分かり、そして学校施設以外の市有の施設に関しましては273施設。ですから、合わせると360施設にブロック塀があるということまでを確認できました。

 そして、そういったものについての対応(ですが)、学校の87の施設に関しましては、学校施設ですから教育委員会の方が中心となって、劣化や損傷の状況、それと同時にブロック塀の高さや厚さの測定、さらには控える壁があるかどうか等、そういった外形上の建築基準法の適合状況を確認する作業を直ちにやりました。その結果、54の施設が少なくとも現行法令に適合してないということが判明いたしました。

 そして、その他、外形上は大丈夫だということですが、さらに中の、例えば鉄筋コンクリートに鉄筋が入っているかどうか、そういう構造の話もありますので、図面などの詳細の調査をしっかりやろうということで、その確認作業をやっているということであります。そういう意味で、まず54施設が対象になりました。

 それからもう一つ、学校施設以外の市有施設273でありますが、この施設はそれぞれの施設について、所管部局が異なりますので、それぞれ各部局に統一指示を出しまして、まずは劣化、損傷があるかどうかということを調べてもらい25施設のブロック塀が損傷、劣化があるということが分かりました。

 さらに損傷、劣化に加えて、外形上の建築基準法、適合状況はどうかということまで調査いたしましたら、13施設がこの基準法に適合しないということが分かりました。それ以外のブロック(塀)につきましては、先ほどの教育委員会と同じですが、設計図なども使って

 法令適合はどうかということになり、これは、それぞれ各部局に同時並行でさせていますので、この法令適合状況についての取りまとめをするという作業を今やっています。

 そんな中で9月議会が始まりますので、全数調査を経て、それからでは遅いということでもう一つ、判断基準を打ち出しまして、現時点での確認作業は完了しているという施設が67ありますので、その中であっても、例えば絵図面や構造を見て道路境界、道路との境目にあるようなものを、これは倒壊した場合に、直ちに人的損害の恐れが大きいということで、そういった可能性があるものを、まず拾い出してくれということを言いました。

 それからもう一つ、大阪で問題になったようにプールサイド。ここはもう象徴的な問題になりましたが、そういったものも拾い出してくれということで整理いたしましたら、学校施設で34施設、学校以外の市有施設6施設、そういう意味で40施設が出てきたわけです。

 ですから、これを撤去してフェンス等を新設することをやろうということで、それに必要な予算を計上いたしました。ですから、残りにつきましては、現在やっている作業を早期に終えまして全体像を把握して、今後、緊急度に応じて必要な対策、予算を保持するという段取りにしています。

記者

 つまり、全体像の把握の時期の見通しとか、そこら辺はまだ何とも言えないということなのですかね。

市長

 先ほど申しましたように、ほとんど全体像は終えていますので精査です。現行法令に適応するかどうかという内部構造等の調査に絞られていますので、これから何年もかかるというものではありません。ただ、しっかり調査して、どの段階で、どういう対応をするか、それと必要予算。例えば、端的に言うと、ブロック塀を置いておいたけども撤去して放置していいものもあるかも分からないのです。現在、あるいは、単にフェンスにしてブロックにしなくても、ものが見えないように遮蔽するだけでいいような施設もあるのではないかと。そういう総合的な見直しもしまして、それに必要な対策を講じて、それに必要な予算を措置すると、そういう作業に入らなければいけないのです。そんなことがありまして、少し時間がかかって、「いついつまでに」ということを、ちょっと言ってないのです。それは一連の作業をやるという。決してそれがすごく時間のかかるものだという認識はありません。

平成30年7月豪雨災害から2か月を迎えて

記者

 改めて豪雨の関連予算に関してなのですけども、今日でちょうど、発災から2か月になると思うのですけれども、改めて市長として、これまでの復旧の現況に関しての私見と言いますか、どれくらい今進んでいて、今後どういう方向で、さらに改良復旧進めていきたいという抱負がありましたらよろしくお願いします。

市長

 2か月ということでありますので、また、近々のうちに、被災の現場を自分の目で見て、復旧の進捗状況の確認と併せてルート設定がうまくいけば、避難されている方々のお話も聞くなどして、避難所における対応や、これからのご心配ごとなど私も直接聞いて、ご支援できることはないかということを考える機会にしたいと思っています。それは当座の対応ですけれども、いろんな方からお見舞いや弔意の気持ちでの支援をいただくという機会を何回も設けていただいておりまして、そんな中で、同じように申し上げてきたのは、私自身市長になって、こういった豪雨災害、2度目だとこういう意識でありまして、そして、その意識、認識のもとに、この広島市のまちづくりを考えるときに、まちの特性ということをもう一回よく自分自身も頭に入れておく必要があるなということを実は感じています。地域の方に、自分たちの地域特性をよく知って、いざというときにちゃんと避難するということをやりましょうねという問題提起をして、昨日などは検証会議を立ち上げていますので、それと同じように市域全体を考えて、自分もちょっと反省をしたりしている中でのコメントなのですけども、太田川という大きな川が今、昔は7つの河川がこの市内に流れ込んでいて、整理されて6つになっているという歴史があると。広島市を少し北部から南に向かって見たときに、黄金山や比治山、江波山という山があると。で、広島はデルタ地だといわれていると。デルタ地なのに山があるのはおかしいなと、ごく素人考えで考えるはずなのです。そうすると元々は島だったのです。島の間に土砂が流れ込んで陸地を形成した。そういったことが、江戸期の地図などを見ると、まだ島なのです。そうすると、ここ300~400年の間に誰かがそこに土砂を運ばないと陸地ができてないのです。もちろん、人的にやって千田公などが宇品港を造ったという明治期の歴史がありますけれども、それまでの江戸期の広島の土地のつくり方、出来具合をよく考えた上で、たぶんその明治期の人が考えたのでしょう。そうすると、広島は割と「気候も温暖で災害のないまちだ」ということを言いはしましたけども、長いスパンで見ると、太田川という大きな川が、いわゆる上流から相当の土砂を年々運び込んで出来上がったまちじゃないかと。運び込むために、普通の雨量では土砂がそんなに来ません。だから、何年かに、何十年か分かりません。この長い間にこういうことが頻繁にあったのではないかと、もっと長い歴史で見ると。考えるべきじゃないかと思ったのです。そして、今の大地があると、デルタ地があると。さらに太田川放水路の歴史を考えると昭和期の初めぐらいに、たびたび広島というまちが雨で浸かって、都市機能が停滞するから、水の流れを調整するために太田川放水路を昭和7年ぐらいに造ることを決定して出来たのが(昭和)42年です。30数年かかって、国家大事業として(造ったと)。そして、雨が降っても雨量が調整されて、こちらの太田川以東の川の流量を調整できるようになって、大幅な浸水はなくなったと、そういう歴史もあると。その両方です。つまり、花崗岩が風化して真砂土が北東部の山にパラッと雨が降ったのと流れてくる可能性もある、そういう地形の中で流量を調整しながら、流れそのものは変えられないとしても調整しながら、まちをつくっていくことをこれからもやるということ。ですから、自然との調和とまではいかないけれども、災害を防ぎながらも、しかしそういった事態が起こることも予想した上で、このまちをつくっていくということがいると、そういう発想で見ていくことをしたいなと。そして戦後の高度成長期に、この地が産業発展のために多くの人を呼び込んで住居地を造るというふうにしたときに、デルタ地がいっぱいなものですから、山間部を切り開いて団地を造ると。その団地を切り開くときにその土地の特性などについて、たぶんそこまで深い考察をせずに利便性を追求して、いろいろな団地を造ったりした。そういったところに、今言った昔からのトレンド、雨が降ったりすると土砂が流れ込むというような土地に、ひょっとして開発をしていたというふうにも見えます。ですから、今後は、そういった土地の特性を踏まえた開発、それから危険性のある土地については、長い目で見てより安全なところにシフトしてもらえるような政策を必ず打ち出すという覚悟で、少子高齢化といわれている中での都市の機能を、いわゆる拠点化してつなぐという発想にうまく結びつけて、まちづくりをするということをちょっと考えながら、思っていますということを申し上げています。そういう意味では、まちづくりについて、長いスパンで見て特性をよく考えて自分たちの、ここで生きる人たちが長く平和に暮らせるようなまちをつくるということを本当に考えなくてはいけないなと思いついたということ。そして、もう一つは、そういった中でも今すぐ起こる問題として、こういう災害、自然災害が起こったときに、自分の命を守るための行動を、もう一度改めて一人一人が確認すると。誰かがやってくれるというのではなく、それは今言ったようにやります。やりますけども、それを超えた形での災害が起こりうるということを十分頭に入れて、もう一度自分が住んでいる地域の状況をしっかり頭に入れて、うまく生命を守るための行動、避難行動も含めて、徹底するということを皆さんにお願いすることで、長期、短期の対策をうまく組み合わせてやれる、そういったことについての知恵もっと出していただくということを、やっていきたいなという思いでおります。

その他の質問

北海道地震について

記者

 今朝未明に、北海道で震度6強を観測する地震がありましたが、今、安否不明な方や断水、停電が続いていますが、これを受けて広島市として、人的又は物的支援などをご検討するという考えはおありでしょうか。

市長

 これについては、市単独以前よりも、多くの首長さん方が同じ思いになっていると思います。私としては、まず、政令(指定都市)市長会が、全国20(の政令指定)都市(を構成市として)あります。個々で、全国でいろいろな災害が起こったときに、自分たちとして統一して、どう行動するかという約束事を決めていますので、そこで判断していただけます。その個別の指示を待ちたいと思っています。

 (指定都市市長会事務局から)聞くところによると、具体的には、政令指定都市の(北海道東北ブロックには)仙台(市)も、札幌(市)もあるのですが、札幌(市)は地元の方(被災地)になりますし、仙台(市)はまだ大変だということです。(同ブロックの幹事市である)新潟(市)の方が、直ちに必要な職員を派遣するという動きをしていると聞いています。ですから、そういった対応状況の中で、改めて全体でどういう支援をするかということは整理をしていただいて、要請があれば、それを受けて対応するという構えでおります。

憲法改正について

記者

 自民党の総裁選が、明日、告示されます。争点の一つに、憲法改正の話も出ていまして、安倍首相は、この秋、臨時国会にも改正案を提出したいという意向を示されています。特に、9条の改正がターゲットになると思いますが、この動きについて、市長はどのように見られているかお考えを聞かせていただければと思います。

市長

 私自身は、憲法というのは、国の、いわばバックボーン、背骨を決める重要な法律と言いますか、最高位の法律でありますので、それをどのようにするかについては、最終的に言えば、国民をあげて、慎重な議論をした上で取り組むべき課題だと思っています。そして、その慎重な議論を展開するというのは、これが良い、これが悪いといったようなそういう部分もあるのですが、それ以上に、この憲法の骨組みを設定することが、日本国にとってどのような国の在り方を将来追求するのか、そして、今の国の在り方をどのようにするのかという大きなビジョンも、きちんと示した上で、それについての取組を国政としてどう考えるかという裾野の広い議論をやってもらえたらと思います。そして、そのときに、少なくとも個人とかを越えて、この広島市、今までずっと続いている、明治以降この広島市政がひかれ、被爆という経験をした都市として、こういった議論の中で、皆さんに訴えるべきポジションというか立場とすれば、今ある日本国憲法の前文、ここで示されている理念は、本当に大事にするべきだと。正に、広島が訴えている思いとぴったりだということはまず、言う必要があると思っています。平和を維持して、専制や隷従、脅迫と偏狭を地上から永久に除去しようという考え方をベースに、国際社会のいろいろな局面があるのですが、その部分をしっかり大事にして、その上で名誉ある地位を占めたいと言っています。そういう理想を求めたいと言っているこの考えは、広島にも共通すると思います。そして、そういった中で、具体的な国際社会で生じうる紛争の解決です。そういったものにも、武力ではない方法があるのではないかということを念頭に、今の規定ができていると思いますので、そうすると、今考えつく叡智では対話と言いますか、人間は言葉という武器を持っているわけですから、この言葉という武器を使って物事の解決を図る、対話をするという平和的解決の道を探り続けてほしいということであって、それをしっかりと教示することで日本の平和が、そして、広島が願う平和が実現するようにというそういう考え方もしっかり提示していただき、それを踏まえた上での慎重な議論が行われたらいいなと思っています。

※( )は注釈を加えたものです。

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