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ページ番号:0000013128更新日:2019年10月21日更新印刷ページ表示

2018年07月05日記者会見「世界都市サミット(シンガポール)への出席等について外3件」

動画は下記からご覧ください。

(「広島市動画チャンネル(市長記者会見)」のページへジャンプします)<外部リンク>

市からの発表案件

【世界都市サミット(シンガポール)への出席等について】

市政記者クラブからの代表質問

  • 【サッカースタジアムについて】
  • 【民泊を利用した観光振興について】
  • 【核兵器禁止条約の採択から1年を迎えるに当たって】

<会見録>

市からの発表案件

世界都市サミット(シンガポール)への出席等について

市長

 シンガポールで開催されます、世界都市サミットへの出席について説明をさせていただきます。

 この度、第6回世界都市サミット及び第9回世界都市サミット市長フォーラムの招待を受けまして、7月7日から11日までの5日間の日程でシンガポールを訪問いたします。そのポイントについて話したいと思います。詳しくはお手元の資料で後ほど御覧いただければと思います。

 このサミットは、世界の都市のリーダーが抱えております課題について議論し、成功事例を共有するというための国際会議でありまして、2008年の開始以来、延べ400以上の都市の市長等が参加しております。今年のサミットのテーマは「住みやすく持続可能な都市:未来志向の革新と協働」というものでありまして、アジアを中心に世界中から多くの都市・民間企業の代表が参加する予定になっております。

 市長フォーラムでは、破壊的イノベーションの活用と都市基盤整備をテーマに事例発表や意見交換が行われる2つのセッションに参加いたします。破壊的イノベーションとは、既存事業の秩序を破壊して、業界構造を劇的に変化させる技術革新を意味しているといわれております。

 私は破壊的イノベーションのセッションで発言する機会を与えていただいておりまして、本市の基幹産業であります自動車産業における事例を発表する予定にしています。具体的には、マツダ、広島大学、国、県、本市など、産学官が連携して、「広島を自動車に関する世界を驚かせる技術と文化が生み出される聖地にする」といいますか、そういった目標の下に、新たなバイオディーゼル燃料に関する、この開発に関する取組を行っていることを紹介いたしまして、本市が産学官の連携によってイノベーションに挑戦しているまちであることをアピールしたいと思っております。

 当サミットの会場内には、出席する各都市を紹介するモニターも設置されておりまして、他の都市の市長さんたちと交流する機会もあることから、できるだけ多くの市長等とお会いいたしまして、本市の魅力紹介とともに、平和首長会議への取組の理解、そして加盟都市拡大に向けた協力なども併せて要請できればと考えています。

 また、この機会に、広島から進出しております、企業を訪問する他、MICE先進国であるシンガポールであります、代表する施設である当サミットの会場ともなっています、「マリーナベイサンズ」の視察を行うということも予定しています。

 私自身の行政運営に関しましては、「自助」と「公助」、これを大事にしながらも「共助」を重視すること、お互いに支え合うということで「地域共生社会の実現」に向けた取組を強化する。それが持続可能性を高めるという判断で行政運営に当たっておりますが、このサミットのテーマは、持続可能性ということも掲げております。本市の考えに相通ずるところがあるのではないかという思いがあります。

 本サミット出席、そして、その他の用務を通じてイノベーションや都市基盤整備、そして協働ということによって世界の都市がどのように持続可能な社会を目指しているのだろうかなど、その知見、ノウハウ、課題等について理解を深めて、今後の我が市のまちづくり、さらには産業・観光振興(の)課題解決にも役立てればという思いで行ってまいります。以上が今回の派遣の概要であります。

市政記者クラブからの代表質問

サッカースタジアムについて

記者

 まず初めに、サッカースタジアムについてです。基町地区の将来を見据えたまちづくりとサッカースタジアムについての住民説明会が先月24日に行われました。説明会の報告を受けての市長の受止めと、今後のまちづくりとスタジアム建設の進め方についてどのようなお考えかお聞かせください。お願いします。

市長

 今言われた24日の住民説明会におきましては、基町地区の将来を見据えたまちづくりの基本的な考え方をまず説明した上で、サッカースタジアムについて示されております懸念等に関する考え方を説明して、多くの住民の皆さんからいろいろな御意見をいただいたという報告を受けております。

 まず、基町地区のまちづくりの方に関しましては、地区の将来への不安から、活性化施策の推進を求める声が多かったという状況があります。また、サッカースタジアムの方に関しましては、中央公園広場に建設した場合の生活環境の変化への不安等から、異を唱える意見も多くあったということであります。一方で、基町のショッピングセンターの活性化に繋がることを期待するといったような声もあったと聞いております。

 さらに、説明会をしたことの意味づけ、あるいは今後の進め方に関しては、意見として「今日は第一歩である。多くの住民が話を聞き、直接意見を言えたことは意義があったので、各自治会でもしっかり議論していきたい」という御意見があったことや、それから、「基町地区のまちづくりについて前向きな話が聞けて、一つの安心材料になった。多くの支援策を示してもらって感謝している。今後とも、住民の声をしっかりと聞きながら進めてほしい」といった意見もあったと報告を受けておりまして、こういった点に着目したいという思いでおります。

 説明会をやったということで、これからの対応に関してですが、まず基町地区のまちづくりにつきましては、説明会における住民の方々からの意見を踏まえながら、この地区を多様な世代が共存する、そして住みやすく、にぎわいのあるまちにするといった将来像を、それから活性化の方針、これについて市の案をしっかり示したいと考えています。その上で、住民の方々と意見を交わしながら取り組むことになりますが、まずはしっかりした位置付けをするということで、来年度改定する基町住宅地区活性化計画、これを改定するということにいたしまして、将来像や活性化の方針、さらに具体的に、「若い方の入居促進」や「高齢化への対応」といった地区の課題に対応した各取組をしっかりとその中で位置づけるようにしたいと思います。「言ったことはやります」ということをお示ししていきたいと思います。

 そして、スタジアムに関しましては、主催者側から「時間の関係で説明会の中で十分に答えられなかった御質問等については、できるだけ早く文書で回答する」ということ、それから、「騒音、渋滞等への対策の効果を実感してもらうために、住民の方々に、具体例としてノエビアスタジアム神戸に視察に行くこと」を提案いたしました。これに対して住民の方からは、「他のスタジアムの視察のことも含めた今後の進め方について、基町の明日を考える会と主催者側で調整していきたい」という発言をいただいておりますので、基町の明日を考える会と速やかに調整して、こういった点での住民との対話を進めることを予定しています。

 こういった対話をしっかり重ねるということをまずやる。その上で、候補地としての認知度が高まった中で、具体的にどの候補地が良いかという観点から比較・検討を行って、県、商工会議所と連携し、さらにサンフレッチェ広島の意見も聞いて、建設候補地についての判断・決定をしたいと思っております。

記者

 昨日の市議会の特別委員会でも、この件、議論になったんですが、その中で議論の進め方について、早い段階でスタジアムの、特に多機能化の部分についてイメージを出していくことや、財政のところについて県や商工会議所ともっと話を詰めていくべきではないかという意見が出されていました。そういうことについて、市長の考えをお聞かせいただければと思います。

市長

 そういった意見は、サッカースタジアムを造った方が良いのではないかということを、まずベースにおいての御意見かなというふうに推察するわけでありますし、その意見を言われる方に関しては、ある程度どこに造ったら良いということが先にありますので、それを前提に、どういった機能にするかや予算についての関係者の割り振りを早く決めて、早く進めてもらいたいという希望を、具体的な注文で意見を言われたというように思います。非常にありがたいことだと思います。ただ、今、私が「基町の明日を考える会」と行っている対話というのは、そういったことの議論を行っていただける大前提を、まず住民の方々が暮らしているあの地域について、どうするかということを示した上で、そこで行うとしたときに、あるいはその方々が、造るということをある程度納得していただければ、そこに持ってくる施設としていろいろな注文も出てくる可能性があると思います。そういったことをちゃんと考慮した上で、こう考えますという手順を踏みたいと思っています。こちらではまちづくりを行っているので、そこを前提にするかどうかは分からないが、こんな機能を持ったスタジアムを造るという議論は、もう少し後に控えた方が良いかと、皆さんの理解度を高めて一定の了解を得た上での議論にできないかという思いでいます。言われた内容を決めないわけにはいきませんので、どこかのステージでは決めますが、もう少し基町のまちづくりに関しての納得度を高めるということを、しっかり行った上でと思っています。

記者

 このまま議論が今のペースで進めば、もしサッカースタジアムを造るにしても、だいぶ造る時期が遅くなるのではないか、10年くらい掛かってしまうのではないかというような質問も昨日出ていました。市長の考えでは、最短のペースで進んだらどのくらいの時期に造れるのではないかという時期的なイメージはおありでしょうか。

市長

 イメージだけで言いますと、造ろうということで完全合意ができても、具体的な設計やそれに伴う必要な予算措置などを考えると、通常、公的な施設を造っていく場合は、ベースで3年くらい掛かります。そして着工から1年、あるいは2年近く。なので5年くらいのスパンは、完成までにかかるのが通常だというイメージでいます。早く物事が決まれば、それから5年内外で具体的なものができるというスケジュールなので、10年掛けるというようにするためには、5年間また揉めなければいけないということになりますから、そのようなことにはならないと思っています。関係者の理解を得るための努力を一生懸命行うということで、今言ったイメージのタイムスケジュールを頭に置きながら行っていきたいと思っています。

記者

 例えば、その住民への理解を今任期中にきちっと取っていくそういうお考えはありますか。

市長

 これは最初に申し上げましたが、自分として理解を得るための対話、話し合いをしてもらっていますから、職員を通じて。だから、それをいついつにするという期限を区切るのではなくて、問題意識をしっかり出していただいて、それにこちらが時間を掛けずにテキパキと答えていって理解度を高めるという中で、結果として話し合いの時間が短くなるということを考えたいと。後ろを決めて行うというやり方は取るべきではないという思いで、今はおります。

民泊を利用した観光振興について

記者

 続いて民泊についてです。広島市の観光客数の発表がありまして、観光客数が7年連続、外国人の観光客数が6年連続で、いずれも過去最高を更新いたしました。この状況の中で民泊新法(住宅宿泊事業法)が先月の15日に施行されました。広島市への届け出が施行日前日の時点で17件にとどまってるということで、民泊を利用した観光振興について市長のお考えをお聞かせください。

市長

 民泊サービスに関しまして、今言われたように、新法が整って6月15日の施行以降ですが、直近の7月5日現在は届出件数27件で受理をしたのは24件です。そういう状況でありますので少しずつでありますが、こういった取組が成果を出してるという思いがあります。この民泊サービスの今回の制度改正といいますか手当てはですね、いわば適正運営です。我が市における民泊サービスの適正運営が確保されるシステムが出来上がったと評価しておりまして、そういう意味では良質な民泊サービスを提供できる体制になったということを踏まえての、これからの観光客数増加、どう受けて立つかということですが、訪日し、且つ、広島に来られる外国人観光客などを見ても、多様なニーズがありますね。客層によってホテルを使う、旅館を使う。そして、日本の固有の文化に、割と近く接しながら旅行してみたいというような方々がいろいろおられる中で、正に、多様なニーズの受け口になるというような受止めが一つ出来ると思います。ですから、そういった視点でこの民泊を考えるということ。そして、もう一方は提供するサイドから考えますと、空き家などを使うという。それを有効活用すれば、地域の活性化ということになりますので、来る方々に対するサービスの多様化と、地元の活性化というような観点も加味できます。一石二鳥の様相がありますので適正な規制の下でこの民泊サービスの活用が進むようにならないかなと思います。そういうふうにしていければと思っています。

核兵器禁止条約の採択から1年を迎えるに当たって

記者

 核兵器禁止条約の採択から明後日(7月7日)で1年を迎えます。

 署名批准が少しずつ進む一方で日本と核保有国は反対の姿勢を崩していないことについて、市長のお考えをお聞かせください。また、条約の発効に向けた被爆地の役割についてお願いします。

市長

 まず核兵器禁止条約の発効に係る進捗状況ですが、7月1日現在で署名国59か国と聞いております。そして批准した国が10か国と聞いていますので、採択から1年、少しずつですが、批准する国が増えてきていると受け止めております。

 この核兵器禁止条約についての受け止めといいますか、整理ですが、まず「核兵器のない世界」の実現ということを目指す立場からして、この条約ができたということは、それに向けての重要な一歩であるという位置付けは揺るぎません。

 そしてそれに向けてやっていくためには、今ある核兵器とこれらを軍縮、あるいは不拡散ということをしっかりやる中で、具体的にかつ実践的な核軍縮措置が行われるようにということでNPT(核兵器不拡散条約)がまずありますし、それを実行あるものにするための一つのツールとして、CTBT(包括的核実験禁止条約)といったものもあるので、核兵器のない世界に向けてという目的意識に照らしたときに、NPTやCTBTと核兵器禁止条約、なんら矛盾するものではないという思いでおります。

 そして具体的にも物事が進んでいけば、今あるNPTやCTBTというものに着実に取り組んでいった次のステップとして、必ずやこの条約というものが必要になるわけでありまして、不可欠なこの条約を、今反対姿勢を取っている為政者の皆さんに、核兵器のない世界というものを理想として目指しているのであれば、それが、核兵器があり続ける世界を望むという立場に立てばそれは矛盾というか分かりませんが、核兵器のない世界というものを理想としてあるべきという方に対しては、矛盾はないのですよ、ということをしっかりと理解してもらい、共有していただける余地はあるのではないかという思いでいます。

 そういう意味で、そのためにも本市としてできること、まず被爆地ヒロシマですので、被爆の実相に関しては、ナガサキ・ヒロシマ、この2都市以外、世界に実相を訴えることのできる都市はないわけでありますので、「被爆者の体験をベースにした平和を思うヒロシマの心」をしっかりと国内外に発信すると、発信した内容を国という裃を着ると、様々な価値観が付いてきますので、市民社会というベースで受け止めてもらい、それを共通の価値観にすると、そのための取組を我が市としてしっかりやりたいと考えています。

 そして、そういった思いを、まず一般化した上で、具体的に次なる取組をと考えてもらえると、そういう動機付けができたところに関しては、いわば平和首長会議が次の取組の一端を担う、そういう存在としてあるのではないかと整理をしています。

 つまり、世界中の国境を越えた各都市の首長さん方と一緒になり、市民社会の総意を受け止めて、核兵器のない世界にするためにそれぞれの立場で、市民社会の総意を取りつけて、そしてヒロシマの願いをいかに完成させるか、それぞれ地域性もあるので、それに応じた取組をやっていただくということになります。

 それが加盟都市が増えてきていまして、今現在で7,600を超えているので、そういった首長会議の立場としての取組を同時並行でやると、こういうふうにしたいと思います。

 実際、平和首長会議では、核兵器禁止条約の早期締結ということを行動計画に上げて今までやってきました。

 そして、この条約が制定された以後は、これが効力を発揮するように署名活動なども平和首長会議の立場として加盟都市に呼び掛けるということもしています。

 自分自身もNPT再検討会議第2回準備委員会等の出席もですね、いわば市長という立場ですが同時に平和首長会議の会長という立場として、加盟都市の賛同も得ながら呼び掛けをするということをやっています。

 こういった、広島市という立場と平和首長会議という御期待をうまく使いながら、核兵器のない世界に向けての様々な市民社会の取組を促すことを今後ともしっかりやる中で、条約の早期発効を引き続きやっていきたいと思っています。

記者

 関連で伺いたいのが、冒頭おっしゃられたように、署名が今59,批准は10まで来ているということで、来年のうちには発効を迎えるのではないかという見通しも聞こえてきていますが、そうした中で日本国内を見ますと、この条約の賛否だけではなくて条約の中身、内容そのものについても、国を挙げた議論というところにまでにはなっていないのかと認識しています。

 市長の目から御覧になって、こうした国内の現状をどういうふうに捉えてらっしゃるかということと、国・政府としては反対をしているということなのですが、今後どのようなことが、議論の喚起という面も含めて、求められるのかお考えがあれば教えてください。

市長

 日本の国として、この条約についての賛意を示せない、反対だという立場に立っているというこの状況を、例えば今度の北朝鮮とアメリカとの交渉などを、オブザーブする立場の日本ということを考えたときに、今の政府の取っている方針として、一定の立場に立っているという評価ができるわけです。つまり、日米の安全保障をしっかり、まず守るということ、今まで守ってきたのだからそれを守った上で、アメリカがどう考えているかという、その判断を十分咀嚼しながら、自分たちの対応も決めていかなければならない。正に核の傘の下にある国として、今ある国民の安全保障というものを最優先して考える立ち位置を維持したいと、こういうふうなことを言われているという理解であります。

 それに対して、そういった状況が起こっているのは核兵器を持つという、そういう国々があるという、その現実からの割と分かりやすい理論構成ですが、ヒロシマ、被爆した経験のあるこの都市、あるいはそういう被爆者の思いをしっかりと受け止めたこのヒロシマの立ち位置からすれば、今核兵器があるというそういう状態こそ異常なので、ない状態に持っていくために、世界中の今の国際情勢が現実あるとしても、その理想に向けて、どういった一歩を踏み出すかという視点で物事を考える。そして直ちに、そういった状況を、核兵器を持っている国を、いきなりどうこうするわけにいきませんから、実際。だから、そういった状況を変えていくためには、為政者がそれぞれの国で市民の意見を代表して民主主義が貫徹されていれば、その市民の意向を捉えて、今の国際情勢があるのだから、根っこの市民の意識のところからヒロシマの思いをしっかり根付かせて、それぞれの国で今持っている核兵器なり、戦争に使う様々なツールなり、平和な世界へ向けていくときにどうすべきだということを、しっかり考えてもらう。そしてそれを、具現する為政者を選んでいくような市民社会をまず作るべきではないかと。そこのところが行動転換できないです。一部の意見変更をやれたから、物事が変わるという状況にはないという思いなのです。ですから、様々な御意見いただく中で、まずヒロシマの思い、核があればとんでもないことが起こる可能性があるということを、まずしっかりと押さえてもらう。核があることで抑止力が効くなんていう発想も、これは東西冷戦構造のときには、相当当たっていると皆さん思われたかもしれないですが、資本主義、共産主義の対立構造の中での東西冷戦という状況がなくなった中では、本当に抑止力という考え方は有効なのかということをまずしっかり疑ってかかっていただくと。そうすれば、むしろ持っておくことで偶発なり、あるいはミスなりで、核が爆発するというか暴発する可能性があるとすると、その危険性を絶つことこそ、そして国家という組織でない、テロ組織といわれる組織でも核兵器にアクセスする可能性は高まっているという中で、その危険性を考えたときに、むしろ根絶するということの方が重要ではないかと。そんな、今言ったその考え方のこと、そのレベルを皆さんで共有していただくということが先ではないかと。今やっていることが大変ですということで、説いて、今の為政者を直ちにというそのやり方も、もちろん同時並行でいるのですが、その組み変わったあとの状況をずっと維持していくためには、より広いレベルで市民社会の意識を変えるということ、そちらの方に注意を置きたいのです。

 そういう意味で、次の世代、若い方々にこういった話を分かりやすくしっかり伝える。そして、民主主義ですから為政者を選ぶという行動、例えば選挙のときなどに、そういった方々の意を具現する方を輩出していく中で、世の中を変えていくということではないかと思うのです。

 今、選ばれている方は、ひょっとすれば、今言ったことを受け付けない方を選んでいるかも分かりません。そういった方々に対して、もちろん注意喚起するということでいろいろなことを言っていく必要はありますが、実際に変えていくためには、もっと根を張った広い民意を形成するということの方が私は重要だと思います。市民意識を変えるということに本当に注力したいと思っています。

その他の質問

ブロック塀の安全確保について

記者

 大阪府の北部の地震で、ブロック塀が倒壊して女子児童が犠牲になった事故を受けて、広島市も市内のブロック塀について調査されたと思いますが、広島市の現状についての受止めと、今後の対応についてどのようにお考えかお聞かせください。

市長

 今言われた、高槻市の小学校のブロック塀などいろいろありまして、市に関しましてはブロック塀に関して、ある意味で二通りの対応があります。まずは、学校に関してのブロック塀の状況というのがどうなっているか。これは教育委員会で行っていただいていますが、ブロック塀が倒れて犠牲になった方が出たという状況の中で、児童の冥福を心からお祈りするということですけれども。そして、それを受け止めて、教育委員会の方でも直ちに対応いたしまして、目視で、とりわけ通学路の敷地と道路等の境界線にあるようなものがないだろうかと(調査を)やったところ、49の施設でそういった境界線上にブロック塀があるということが分かりました。そこで、劣化状況等をまずは調べるということをやりました。

 その中で、劣化状況で、状況が著しく悪化していると言いますか、劣化がひどいなということがすぐ見て取れたのは21校、58カ所あったということでありました。まずは応急措置として、こういったものに近づかないということで注意を促すという対応をしております。そして、さらには、構造上の問題等も出てまいりますので、いわゆる建築基準法施行令への適合状況をもう少し精査しなければいけないということで、建築当時の竣工の図面等、そういったものを見ながらチェックしていくと。さらには、広げて、道路に面していないものも含めてよく点検しようということを今やっているところであります。

 こういった点検結果を踏まえて、今後、危険性・緊急性の高いものから順次、補修や更新、そういったことをやっていこうと思っております。いずれにしても、予算措置等伴いますので、そのための調べをしっかりとやりたいと思います。

 そのほか、学校施設以外でも市の持っている施設でこういったものはないかということも問題意識を持っておりまして、これについては関係部署に地震の発生した当日に緊急点検をやらせていまして、目視で傷みはないかと(点検を)やっています。それで、ブロック塀が設置されています施設、学校以外では273の施設がありました。その中で25の施設で劣化・損傷が激しい、著しいというブロック塀があることが分かりました。これについては、まず当面の安全対策として、カラーコーンや注意喚起で近づかないようにというようなことをやって、張り紙なども設置いたしました。さらに、先ほど学校施設で言ったのと同じように、建築基準法と言いますか、法令に適合しているかどうかということも確認するために、やはり築造された時の設計図等を使って、現行法令の適合状況を確認するという作業をやっているところであります。ですから、これについても同様に問題が把握できれば、それに対して早急な対応、必要な措置を講ずるという作業をしているところであります。

核兵器禁止条約に対する日本政府への市長の働き掛けについて

記者

 核兵器禁止条約のことに話が戻ってしまって恐縮なのですが、御存じのとおり日本政府というものは、やはり核兵器禁止条約というものに後ろ向きであり、核兵器廃絶に対する姿勢というものが、少し後退しているのではないかと言われているのですが、一方で、おっしゃられたとおり、米朝合意で状況が変わりつつあるというような状況だと思います。そして、もしかしたら条約の締約国会議というものが20年(2020年)に始まるかもしれないと。そこにオブザーバー参加をすることも、たぶん日本政府としては、決断次第ではできると思うのですが、ただ今のところの姿勢を見ていると、たぶんそれも難しいような感じだとは思うのですが、条約へのコミットメントのあり方を変えるために、何か市長の中で日本政府に対しての働き掛けをしていきたいなど、何かお考えがあれば、ちょっと教えてもらえればと思います。

市長

 私自身のある意味での政治信条みたいなところもありますが、今の政府というのも民主主義のシステムを使ってですね、正に国民の民意を図る選挙を通じて選ばれた方々が政府を構成して、自分達の支持基盤をちゃんと持っているという認識の下で、今の国が持っている外交政策を展開されているわけです。ですから、その方々が、自分を支持してくれている方々は自分のやっていることを支持してくれているのだと思っておられると思うのです。そこのところが私にとって一番、政治家の面がありますので重要だと思うのです。支持するその基盤の部分で、ヒロシマの思いを持った方々をしっかり増やしたいのです。そこが広がれば、いわゆる派閥抗争や政争などということを超えて、日本の政治を司る方々の基本的な発想のところに、ヒロシマの思いが届くのだと思うのです。そうしたいのです。そういう意味で、形の上では平和首長会議、99%入っていただきました。でも、これもまだ首長レベルですね。この首長も党派いろいろ違うのですが、入っていただいているのです。その時に、共通の理想として、「核兵器のない世界」あったほうが良いでしょうって、誰も否定しないのですよ。だから入っていただいている。その思いを政争の具にするのではなくて、市民ベースで皆が納得していただくようなことをやろうじゃないですかと。そういった取組にしていますから、多くの首長さん方がこのメンバーになっていただいていると思うのです。ここを大事にしたいのです。そして、それを実現するために、じゃあ現政権、各政界に具体的にもう少し自分達の意思を伝えて、どう意思を変えていくかなど、方法論を考えるとやり始めたら、方法論様々ですから。そこのところで共通基盤を出そうと思うとなかなか難しい。ですが、それをやるために民意というものを、多数の民意を、我々の支持基盤を作るという形で広げていくことをしていく。それがやれたらですね、そんなに争うことなく、いく可能性が高いのではないかと思います。そんな話を根底に据えながら、メンバー都市を増やしているつもりなのです。だから言葉も市民社会の意思を変えるための方向性を、回り道かもしれないですが、それを貫くということのほうが、絶対に為政者の意思決定の基盤を変える可能性は高いと。しかも国境を超えるということ。国境にこだわらない。国を超えてということ。つまり国民だと。特定の利益集団のための利益を図りたいと強く言われるとですね、それは国と国との利害調整があったりすると、そこでまず差が生じますでしょ。ですが、核兵器というのは戦争行為の中でも一番愚劣で、相手を滅ぼすだけではなくて使った自分も滅ぶし、地球全体を破壊するというそれくらいの威力があるもの。あの70年前の原爆でさえ、そうだったのに、今もっと進化しているので、大変な破壊力です。何千、何万倍だと。それを使わせないようにする。使う可能性があるのだったら、その可能性すらなくすためには、廃絶しかない。この論理は絶対間違ってないと思います。だから、それをどれほど多くの市民が分かり、「そうだな」と思っていただけるか。「いやそうじゃないんだ」と、あったほうが世の中コントロールがしやすくて、実際の世の中、そちらのほうが効果があるのだから、それを利用しない手はない、といわれる意見を乗り越えるぐらいの社会状況にしないとなかなか難しい。それを、一市長が言って変えられますかと聞かれると、私自身限界があると思いますので、そういったことを、もちろん伝えないとですが、市長として今やるべきは、「ヒロシマの心を広げる」という、その努力をすることで、あるべき方向に向けたいと、こういうことを言い続けていると御理解いただきたい。

※( )は注釈を加えたものです。

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