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ページ番号:0000013111更新日:2019年10月21日更新印刷ページ表示

2017年11月22日記者会見「平成29年第5回市議会定例会提出案件について外1件」

動画は下記からご覧ください。

(「広島市動画チャンネル(市長記者会見)」のページへジャンプします)<外部リンク>

市からの発表案件

  • 【平成29年第5回市議会定例会提出案件について】
  • 【ドイツ・イタリア・バチカン市国への出張について(帰国報告)

<会見録>

市からの発表案件

平成29年第5回市議会定例会提出案件について

市長

 12月1日(金曜日)に開会予定の「平成29年第5回広島市議会定例会」に提出する議案ですが、これは一般会計補正予算案など181件になっています。まず、補正予算についてですが、今回の補正予算の規模は、お手元に資料があると思いますが、そこにあるとおり、全会計で24億8,923万4千円となっています。

 内訳として、まず財政調整基金への積立金です。一般会計の平成28年度の決算剰余金の確定ということに伴いまして、財政調整基金への積立金を計上するようにしています。

 次に後期高齢者医療事業についてですが、平成28年度の保険料等の確定ということに伴いまして、広島県後期高齢者医療広域連合への追加納付というものを計上します。

 次に農林業施設の災害復旧ですが、今年(平成29年)の10月に豪雨災害によりまして被災しました林道、法面の補修ですが、この復旧工事に必要となる経費を計上するようにしています。

 次に市営横川高架下店舗の解体撤去に関するもので、JRが実施しようとしています耐震補強工事に伴いまして、市営の横川高架下の店舗の解体撤去工事を行う必要が出ていまして、それを行うために詳細設計の所要額を計上するとともに、この工事費用に係る債務負担行為を設定するというようにしています。

 次に広島特別支援学校の校舎の増築ですが、この校舎増築の候補地につきまして関係者の理解が得られたということから、今後、急激な児童生徒数の増加ということが、さらに加速するということを見込みまして、教室不足を解消するために校舎の増築の基本計画を行うことにして、これに係る債務負担行為を設定するということになっています。

 次に給与改定に伴う補正ですが、給料と諸手当、これは本年(平成29年)の4月1日に遡りまして、0.10%引き上げるとともに、期末・勤勉手当の支給割合を年間で4.3か月から4.4か月に改定するということに伴う所要の額を計上します。

 次に公の施設の指定管理者の指定に伴う補正ですが、広島市立図書館管理を始めとして、168件の指定管理業務につきまして、来年度(平成30年度)以降の管理経費に係る債務負担行為というものを設定するということにしています。

 最後に予算以外の議案としては、市議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部改正案など条例案3件、公の施設の指定管理者の指定議案168件を含むその他の議案175件を提出します。

 以上が今議会に提出する議案の概要です。私の方からの説明は以上となります。

記者

 特別支援学校は校舎不足がずっと課題になっていたと思うのですが、今回、例えば高等部を分離するなど、そういうのではなく、校舎の増築で対応するということになった経緯というか理由がもしあればお聞かせください。

市長

 今の特別支援学校は、特別な支援を要する方々の成長に応じて一連の支援を社会に出るまで、うまく継続してやってきています。そういったことが功を奏してか、多くの入校希望者が出ているという実態を見たときに、引き続き、こういった支援を続けられるようにしながら、かつ希望者を受け入れると考えたときに、その受け皿を別々にして場所を離してやるよりか近くで、そして今ある施設を共に利用しながら、お互いの情報交換といいますか、中等部と高等部の支援の仕方も継続しながらやれるとしたときに、利用者本意で考えたときには、今までのスタイルで、近くでその教室をうまく増やしてあげるということがいいのではないかということで、候補地を近傍に設定して関係者と協議をしてきたと、そんな経緯です。

ドイツ・イタリア・バチカン市国への出張について(帰国報告)

市長

 ドイツ・イタリア・バチカン市国への出張ということで報告をさせていただきます。

 この度、地球温暖化対策と平和の推進を目的として、11月9日から11月16日までの8日間の日程で、ドイツ・イタリア・バチカン市国を訪問しました。その際のポイントについてお話しをしたいと思います。詳しくはお手元の資料がありますので、後ほど御覧いただければと思いますが、ざっと御説明します。

 まず温暖化対策関連の用務に関してです。この6ページにあります、ドイツ・ボン市で開催されました「国連気候変動枠組条約第23回締約国会議」、俗にCOP23と言っていますが、この関連イベントでは、本市が訴えた都市連帯の必要性と本市の協力について、主催者であるボンの市長を始めとして、持続可能な社会を目指す1,500以上の自治体で組織された国際的なネットワークである「イクレイ」の会長や役員、その他首長に呼び掛けまして多くの支持を得ることができたのではないかと思います。また、その会議決議文の「ボン・フィジーコミットメント」には本市が訴えた、都市の連帯の必要性なども盛り込まれていまして、COP23に対する要請文書という形で提出されました。

 次のポイントは、ハノーバー市での環境先進地の視察です。これはシュタットベルケ「エネシティ」というもので、ここを訪問しました。ここでは再生可能エネルギーの普及拡大、そして地方創生に寄与することができるということを謳い文句に活動していましたが、それを実際に見て確認できたということです。

 もう一つは、ゼロ・エー・パークというところを訪問しました。ここでは、地球温暖化対策をすると同時に、その地域の福祉向上や地域振興にも寄与するようにとのことで、日本流でいうとスマートコミュニティを導入しているという実態が分かりまして、本市がこれをやっていく上で非常に参考になると思ったところです。今後は、こういったドイツの取組、よくよく見ますと法体系から異なるということ、そして文化度も異なるのですが、目指すところは共通ですので、ハノーバー市の協力を得ながら情報収集をして調査研究し、そういった良いところをいかせる施策を我が市でも展開できないかという思いを抱いたところです。

 次に平和推進関連の用務に関してです。7ページの方に載っていますが、イタリアの下院の議事堂におきまして、イタリア議会の議員や自治体、NGOの代表等約50名の参加がありまして、そこで被爆の実相と被爆者の思いを伝えました。それによって核兵器廃絶に向けた国際社会の結束の必要性、こういったことを訴えることができたと思います。ここでのスピーチは、約20分程度でしたが、被爆の実相を写真を交えながら克明に伝えたところです。その中で主張したポイントは、「我々は、いまだに広島が体験した地獄が再び生じかねない危機的状況から脱していない」ということを語り掛けた上で、「核兵器のない世界こそがあるべき姿だ」ということを申し上げ、核兵器禁止条約というのは、その実現に向けた重要な一歩であるということ、さらには国際社会というものが総力を挙げて、この条約を実効性を持つものへと育てていくことが必要であることを訴えたつもりです。それを実現していくためには、為政者も「核抑止力というものに依存する政策に頼っていかない」、そういう決意をしっかりするということが必要であり、国家のための安全保障というのは、究極的にはそこに生きるお一人お一人の安全保障ですので、基本的には「人類愛」と「寛容」の精神の下に、より長期的な視点に立って核兵器に頼らない人類お一人お一人のための安全保障を目指していくとの認識の重要性を持ってもらう必要があると訴えました。それとともに、広島市と平和首長会議も一緒になって市民社会でこういった考え方をしっかり共有していくということ、そして為政者が今申し上げたような考え方を採用できるような環境作りを後押しするという話を展開しました。出席していたイタリア議会議員の他に、イタリア国内都市の市長さんやNGO(非政府組織)の代表者もおられまして、大きな拍手を頂きました。その後、その場でいろいろ話をやりとりする中で、明確に「核兵器廃絶に向けて取り組んでいきたい」というような言葉や「被爆の実相が良く分かった」という感想も頂きました。そういう意味で、今回自分が訴えたかったことは伝わったのではないかという手応えを感じたところです。

 次にフランシスコ・ローマ法王との一般謁見に参列した点ですが、特別席でローマ法王と言葉を交わす機会がありました。ローマ法王に対しては、「本市は、これまで被爆者の思いというものを根底に据えて核兵器廃絶に向けた取組を行っており、そういう意味で、是非とも被爆地を訪問してもらいたい」ということをお伝えするとともに、ローマ法王が被爆地を訪れた際は、核兵器に頼らない世界、核兵器廃絶ということに向けたメッセージを発信してもらえたならば、現下の国際情勢を乗り越える強力な発言になり、多くの方がそれに共感することになるのではないかということを訴えた、長崎市長との連名の親書を手渡すことができました。

 ローマ法王には、本当に短い間でしたが、訴えに耳を傾けていただきまして「私も同じような考えです」という言葉もいただきましたので、私からの気持ちは届いたものと考えていまして、良い返事があることを期待しているというのが現下の状況です。

 さらに、平和がらみではベルリン・ボイト工科大学でも講演をして、ここでは被爆の実相、本市そして平和首長会議の取組というものを、大学生を始め、多くの方に聞いていただきました。講演の終了後にその大学の学長さんや、仲人していただいたアイヒホルン教授等々、「広島・長崎講座」の講師陣と、今後の本講座の進め方や平和首長会議による平和の取組の展開ということについて意見交換をすることができまして、今まで以上にしっかりやろうという合意といいますか、コンセンサスができました。

 今後とも「広島・長崎講座」の普及を通じて、次の世代を担う若い方々にこのヒロシマの思いをしっかり持ってもらう、そのための意識啓発をやるということをしっかりしていきたいと思います。

 今回の出張を総括しますと、地球温暖化という問題も核兵器の問題も突き詰めますと、人類というものの存続の基盤というものに深刻な影響を及ぼす恐れがある問題であり、こういったものについての取組は、元々は国家同士がどうするかという問題意識で取組が始まっているのですが、所詮、国家というのは、一国の利益代表ということで取り組んでいくわけで、様々な点で対立が生じます。そして、その対立点が本質的な問題解決を難しくしてしまうという状況があるということは明らかになっています。そういう意味で、私は一旦この国家という裃というか、枠組みを乗り越えて、より根源的に、相互に地球で暮らすお一人お一人の価値観というものをしっかりと捉えて、地球全体と個々の利害の調整を行うという共通の認識を醸成し、それに対して市民社会が一丸となって取り組むようにしていくということが重要だと思います。

 そのために、この問題に対して、国家の取組も重要ですが、それ以上に都市、つまり地域住民、人々を直接代表して生活をお世話するという立場にある都市が、いわば主体になって都市間での連携を図っていく。そういった中で本市としてどう取り組めばいいかということの認識の一端、それを確認することができたと思っています。

 平和を阻む地球規模の諸課題の解決に向けて、都市という立場で世界の都市、あるいは市民社会と一緒になって物事を考えていくということをこれからもしっかりやっていきたいと思ったところです。以上です。

記者

 ローマ法王との謁見の件で、市長の呼び掛けに対し、法王が、「私も同じ考えです」と言われたということですが、これは市長の受止めとしては、核兵器廃絶に取り組んでいるということについて、「同じ考え」と法王が言われたのか、それとも広島訪問してほしいという要請に対して、「私も行きたい」という意味で「そう思う」と言われたという受止めなのか、どちらでしょうか。

市長
 一問一答をやったわけではないので、なかなか難しいのですが、実は、その場でのやり取りは、長崎市長と私の連名の文書を見せながら、そこに、文章だけでは迫力がないと思い、(原爆死没者)慰霊碑の写真を貼って、これを示しながら、「これが平和(記念)公園にある慰霊碑です」「被爆者の思いを受け止めて、世界に平和発信していただくために被爆地広島に来ていただくというのが、我々の希望です」と、私が英語で言いました。同時にイタリア語の通訳さんが、「この市長は平和首長会議、7,400以上の都市が加盟する組織を代表して、核兵器廃絶に向けてしっかりした取組をしている人なのですから、よろしくお願いします」と同時に言いました。そこで、“I think so. Me too.”と言われたというのが生の状況です。どっちの方に言われたかというのは、私どもは英語の方だけができる、ローマ法王はラテン語、ポルトガル語、イタリア語もできるらしいのですが、“I think so.Me too.”と言われたので、今言った話を簡潔に理解していただけたのではないかというのが実態です。どこにどう答えたという感じはないです。たかだか30秒なのでワーッと言ったら、そういう発言をされたというのが実態です。良い反応でした。ですから、ニコニコしながら受け止めていただいたということです。

その他の質問

放課後児童クラブについて

記者

 先日、事務事業見直しの中間報告の発表があったと思いますが、放課後児童クラブの事業の延長時間の有料化が示されました。この事業の見直しを巡っては、過去に基本時間の延長ではない部分、今、無料となっている部分、そのものの有料化も議論の経緯があったかと思いますが、今回、その結論として延長時間のみの有料化となった理由といいますか、その議論の経緯についてお聞かせいただきたいと思います。

市長

 放課後児童クラブの利用料金設定については、ずっと議論してきていまして、国なども示している方針もありまして、そういったものも十分考慮の射程距離に置きながら、しかし、今まで広島市が行ってきています実情というものを鑑みるという中で、一つ、利用者の方々が、これからどう思って、これからどうすべきだと思っておられるかということが重要だということで、まずは、今の運用の中で、開設時間を設定変更して長く預かるということについて、どのように思っておられるのだろうということを調査しました。それが7月の調査ですが、約3割の利用者の方が「延長を希望する」と、「もっと長く預かってほしい」ということ、その上で、その8割以上の方が、「利用料金を出してでも、とにかく長く預かってくれないか」という意向があったということが確認できましたので、そうすると、ある程度経済的に余裕のある方は「長く預かってもらいたい。だけど、行政も大変なのだろうから、自分たちが出すから預かってくれ」という意向だろうということをベースに、経済的に負担がなかなか重い方については、長く預かってもらいたいとしても料金が出せないからということで、控えておられるかも分からないということがありましたので、そういったことを考慮して、まずは、もう少し長く預かれるという、その仕掛けを来年度、是非、やってみようということにしたわけです。

 そうすると、今までの基本的な国の指導や、あるべき姿というようなことも言われている中での抜本的見直しは、もう1回、ちょっと先送りしてでも、少し長めに預かってほしいという需要を満たすことが先決ではないかという判断に向かったわけです。そして、それをやるとしても、実際、預かる時間帯を長くすると、それに携わる職員の問題があります。だから、今やっている現体制の中で、スタッフといいますか、職員の方がそれに十分応じられる状況があるかどうかということです。職員や、今そういうことをやっている方にも同時に意見を求めたりして、実際、正規の方と臨時の方との組合せなんかでやっていますから、正規の方は、いろいろな時間調整をしても無理がお願いできますが、そうでない方は、主に受け入れられる需要があるかどうかということまで重要になって、そちらのお話も聞いたりした中で、できれば両方の、つまり、「長く預かってほしい」、「長く預けるということを受けるだけの体制がありますよ、そういう気持ちはありますよ」と、両方がある程度調整できるところから、まずやってみようということでやりまして。そういう意味では、その延長の部分だけの料金は、よそとの比較をしながら頂こうということ。いずれにしろ、それは来年度実施するということでやってみようということにしました。

 ですから、今後まだしっかりとしたものにするという、もう少し時間を掛けて、基本的な見直しをやっていきますので、そのときに、改めて有償サービスをどうするかということは、今回のこういう取組を見た中での皆さんの評価などを踏まえて、もう一遍、ちゃんと検討しますということはしようと思っています。とりあえず、時間延長ということができるところはやると、そこの分については、幾らか費用負担をお願いすると。それで、皆さんはどういうふうな評価をされるかということもまた見ながら、改めて全体の有償化の問題を考えるという整理をしてみました。

記者

 ということは今後、今、無料となっている基本時間の部分についても有料化を検討する余地がまだあるというお考えでしょうか。

市長

 それは、様々な検討の中で排除はしていません。それは今回やる中で皆さんの評価も出てきましょうし、納得が得られるのか、いやいや、引き続きというようなご議論もありましょうから、そういったことも含めて全体をよく見てやります。慎重にやっていきたいと思っています。

ノーベル平和賞授賞式への出席について

記者

 改めまして、来月ノルウェーのノーベル平和賞(授賞式)への出席のことなのですが、改めて意気込みと是非これはということあれば教えてください。

市長

 今度のノルウェーのノーベル平和賞授賞式への参加というのは、元々がICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)がノーベル平和賞を授賞されるという中で、ノーベル平和委員会から、招待状が来たということですが、その招待状が届くに至る前後のいろいろな情報を私なりに考えますと、まず被爆者の方々を直接その場にお呼びして、ノーベル平和賞をICANと一緒に受けるとする状況の中で授賞式が行われるという情報が入り、遅れて広島・長崎にも招待状が来たということです。ですから、そういった場に立ち会ってもらいたいという要請だと思う中で、自分の解釈とすれば、今回の受賞を共に喜ぶということ以上に、今後の更なる取組を両市でしっかりやってくれと期待される場ということではないかと思うわけです。喜ぶことも当然重要ですが、これをしっかりしたものにするために「行政という立場でこれを更に生かしてくれ」、「それを自分の目で確認してくれ」という意味付けで呼んでいただいたのではないかと受け止めたいと思います。そういう意味で非常に喜ばしいことであり、喜んで出席するということです。ですから、その場でチャンスがあれば、今回、今年の7月7日に出来上がった核兵器禁止条約の理解者を増やすといいますか、「これを実効あるものにするための取組をみんなでやっていきましょう。それこそが核兵器廃絶に向けての重要な一歩なのですよ」と訴えたいと思います。もちろん今までのNPT(核兵器不拡散条約)、CTBT(包括的核実験禁止条約)、そういった取組は欠かせませんが、それを進めていく、突き詰めていくその次のプロセスとして(核兵器)禁止条約というものがあるということを皆に周知して、それに賛同する方を少しでも増やしていくということをしっかりとそういった場で申し上げ、賛同者を増やせるようなきっかけを作る、そういう場になれば良いなと思っています。

賢人会議・国連軍縮会議について

記者

 来週、賢人会議、それから国連の軍縮会議、一連の核廃絶を巡る国際会議が開かれますが、今おっしゃったこととも少し重なるかもしれませんが、改めて賢人会議は初会合がこの被爆地で開かれることになりますし、この会議への期待、どんな成果を期待したいか、求めたいかということを、一言お願いします。

市長

 核兵器禁止条約が採択され、署名が始まって、ICANのノーベル平和賞の受賞も決まってというそういう動きの中での初めての賢人会議ですので、正にクレバーな人達の会議ですから、こういった動きを受け止めて議論をしていただけるのではないかという期待があります。

 しかし、クレバーという意味は当然、世の中のあるべき姿ということと現実の動きというものも比較考慮しながら、さらにしっかり議論を深めて、最終的にあるべき姿というものを標榜しながら、どう物事を展開するかということを議論するからこそ賢人なのではないかと思います。そうすれば、今現実的に取組が可能なNPT、これが実際に6条(締約国による核軍縮交渉義務)に基づく様々な義務があるのに進んでないということを考えると、これをまず確実に進めるということで、全体状況を良くするという結論の方向性は容易に出てくると思います。事象を例えれば、1987年ぐらいまで遡りますが、冷戦中でも米ソの首脳が中距離の核戦力廃棄条約を結んでいます。核戦力が削減されてないという中で、「どうするのだ。だから東西冷戦ひどくなるのですよ」というと、「じゃあやってみましょう」ということで条約を締結し、皆に見えるような形である程度の核軍縮の展開があった事例があります。

 今そんなことが正に求められている状況であるとも言えなくもないでしょうか。抑止力でもって相手の行動をいさめるというそういう局面も必ずしもあながち否定はしませんが、むしろそういったことを言う当事者が核兵器のほとんどを持っている。今は、米・ロですが、自分たち自身もこういった形で核兵器廃絶、あるいは核軍縮をやるのだから、あなた(非核保有国)心配しなくていいから、だけどあなた(核保有国)はもっとやれというようなメッセージの橋掛けもなくはないと思っています。

 そのような議論ができたらどうかと思いますし、そんな中でこの核兵器禁止条約の議論そのものが取り上げられるかどうかはよく分かりませんが、取り上げられるとすればそういった中で今申し上げたことはNPT、CTBTの理論というものと核兵器禁止条約というものの考え方が川の対岸にあるような議論ではなく、延長線上にある議論、どなたも核兵器廃絶というこの世から核兵器がなくなるということを目指しながら、どういう道のりで物事をたどっていくのかという議論をやっておられる。現状の中でまず第一歩は核を持っている国を限定してこれ以上広げないようにしながら、持っている国同士で核軍縮をしながら廃絶にということでNPTがスタートしていますので、それを進めていって確実にする。その時は次のステージとしてそういったものがあってはならない、脅しに使ってはならない道具だということを確認して更に廃絶に向けていく、そういう時間軸で考えれば、延長線上にある条約ですので、排他的な関係や、これを持ち込んだから議論が一層混乱するのだというその論調をむしろ抑えて、物事を整理するという議論をしていただけたらありがたいのではないかと思います。期待するといえばそのようなことになるかと思います。

 そしてそういったことを私がこういう立場で言えるのも自分なりに被爆の実相というものを理解しているという思いからです。お一人お一人のその生活を、一瞬のこの出来事で将来にわたって予定外の人生を歩ませなければいけない、非人道的な兵器ですので、こういったものを味わった人たちの気持ちをよく考えてみてくださいと、どんな状況になるかということを身近に知れば、「現実はこうなので難しいな」という議論以上に、今みたいな思いをしっかり受け止めてもらえるのではないかと。そういう意味では、その賢人会議に出る方々に、例えば(原爆)死没者慰霊碑の参拝・献花や、被爆の実相というものをしっかり見る、被爆体験証言などをしっかり聴く、ということをやりながら議論をしていただければ、実のある議論になるのではないかなと期待します。

サッカースタジアムについて

記者

 サッカースタジアムについてお聞きしたいのですが、もうすぐ3候補地の比較資料というのがまとまると思いますが、それを元にした、今後3者、4者の会談というのは、いつ頃を目途に開かれるという考えなのか教えてください。

市長

 サッカースタジアム建設は、いろいろな経過の中で、少なくとも今目指していますのは、中央公園にサッカースタジアムを建設するとした場合の事業規模や配置図などというものもイメージして、もう既に、旧市民球場跡地とみなと公園の所は出していますので、それと同じぐらいの精度の絵図面といいますか、具体的なイメージができるような資料を提示して、それから、もう一遍改めて、どこが良いかということを県、商工会議所とサンフレッチェ広島の意見を聞きながら、我が市と県、商工会議所で絞り込みをするということを狙っているのです。

 それをいつするかということに質問が集中するのですが、その前に、今までの経過でお分かりいただけるように、「一旦2か所まで絞って、2か所では決めきれないので、もう1回そのステージの一つ前のステージに戻って、中央公園を入れて、もう一遍考え直すということを理解してください」ということを、今、「基町の明日を考える会」の皆さんを中心に、住民の方にお話をしているわけです。そうすると、地元の住民の皆さんは、「せっかく二つまで絞っておいてできなくて、ここまで戻すのだったら、結論ありきでここにやるための議論しか考えてないのだろうから、話には乗れない」などという受止め方をされていますので、「そういう結論ありきの話ではなくて、皆さんとして純粋に三つを比較することが検討できるような条件設定をしますので、1回聞いてみてください」ということを今やろうとしているわけです。

 そうすると、提案して調査結果を出そうとするその資料に、「十分納得しない」とか、二つに絞って、また三つに戻ったというプロセスについて、「どうも自分たちしっくりこない」ということを言われて、その他、「ここにやるとすればこういう問題がある」ということも同時に言われているので、この問題をよく考えて整理しなくてはいけない。もし来たときに、こういう課題があるというのは、来るということをやったときに、その絵図面の中で、どう処理できるかという解決可能な問題。それ以前の「二つに絞ったのに、もう1回自分の所に来たことがどうも納得できない」というのは、措置をする以上に納得していただくということです。そういう問題なのです。その方にまだちょっと時間が掛かっていますので、一旦三つを同じテーブルに置いて議論する、そこの点についてまず地元の方にもう少し理解を深めていただくということをやる。そのための説明会等をやった上で、土俵に三つ並べて、その上でもう1回三つを比較するという頭で「議論してもいいですよ」ということを言っていただく状況ができた上でと思っています。それを質問があるからということで、「いついつまでにやります」ということを言うと、住民の方々はそれでなくても「何でか」と言っておられるので、まずその方々の納得度を高めるということをさせてもらって、その後にということで、現段階でのお答えはとどめさせてもらいたいと思います。

 手順としてはそういうことで、いつまでに住民の方に三つを議論するということを納得していただくという後ろを区切るというのは、なるべくしない方が良いのではないかと思っています。そのことをまず理解していただきたいと思います。

記者

 地元の方からは、直接、市長からのお話も聞きたいという声も出ていますが、今後そういう機会を設けられることはあるのでしょうか。

市長

 それは、今、担当者のレベルで窓口になっていただいている方々とお話をしていまして、私の話を聞きたいというときに、では、「私が何を話すことを期待されているのですか」と聞いたときに、今申し上げた自分の整理ですと、「三つをとりあえず同じテーブルに乗せて、議論するということについての私の考えを聞きたいのか、あるいは、三つの中で最終的に、ここに自分たちの所にスタジアムを持ってくるという決定をしたということについての市長の考えや理由付けを聞きたいのか、どっちに近いのですか」ということを聞くと、その話となれば、「決定している市長の思いみたいなものがどうなっているのか聞きたい」という話だと受け止めたのです。それは、今申し上げたように、今から皆さんがテーブルの上で三つを議論してどうするかというところを、ある程度、完璧でなくとも、納得していただくという手続を踏まえて、その後、初めて県と商工会議所と話をし、サンフレッチェの意見も聞いた上で決めて、それを皆の合意として整理して、私がお話しすることはやぶさかではない。その中で、「私一人の思いはどうなのですか」と聞かれるというのでは、「今段階では、そういう話はできません」という言い方をしているつもりです。必ず説明に行くべき局面では、皆さんとお会いします。

 今の要望されている私の話という内容をよくお聞きすると、ずっと先のことで、「もし仮に」というような話をされるようですので、それは「今申し上げている話をもう少しちゃんと理解していただきたい」ということを言っているということで、理解してもらいたいと思います。

※( )は注釈を加えたものです。

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