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2017年09月06日記者会見「平成29年第3回市議会定例会提出案件について外3件」
動画は下記からご覧ください。
(「広島市動画チャンネル(市長記者会見)」のページへジャンプします)<外部リンク>
市からの発表案件
- 【平成29年第3回市議会定例会提出案件について】
- 【大邱広域市への代表団及び芸術団の派遣について】
- 【「スポーツ振興」を目的とした新たな寄附制度の創設について】
- 【「ジャパンウイメンズオープンテニス2018」の広島の開催決定について】
<会見録>
市からの発表案件
平成29年第3回市議会定例会提出案件について
市長
9月19日の火曜日に開会予定の平成29年第3回広島市議会定例会に提出する議案は、一般会計補正予算案など10件です。まず、補正予算案についてですが、今回の補正予算の規模は、お手元の資料にあるとおり、一般会計のみで、1億5,403万7千円となっています。その内訳としては、まず国連軍縮会議の開催支援についてです。本年7月に国連で核兵器禁止条約が採択され核軍縮の気運が高まる中、県・市で構成する実行委員会を設立し、国連軍縮会議の準備・運営に取り組むとともに、地元自主事業として被爆の実相を伝えるプログラム等を実施します。
次に、「食」による観光振興についてです。民間事業者による旅行活性化キャンペーンを有効に活用しながら、初夏におけるさらなる観光客の増加に向けて、「食」をテーマとする周遊キャンペーンを広島広域都市圏の市町と連携して実施します。
次に、農林業施設の災害復旧についてです。本年6月の豪雨によって被災した森林公園及び農地について、復旧工事に必要となる経費を計上します。
次に、子どもの居場所の確保についてです。来年度に放課後児童クラブの定員不足が見込まれる学区において、余裕教室等の利用に必要となる備品購入など、クラス増設に向けた準備に取り組みます。
最後に、予算以外の議案としては、広島市都市計画関係手数料条例の一部改正案など条例案4件、その他の議案5件を提出します。
以上が今議会に提出する議案の概要です。私からの説明は以上です。
記者
南吉島の(旧)中工場の解体の話がこの資料の中にあるのですが、跡地利用で何か考えてらっしゃることがあれば。
市長
跡地利用は地元の方々と今、どういうものにするかの話をしていまして、具体的なことは。
財政局長
吉島の屋内プールや老人いこいの家の建替用地として活用することになります。現在の施設が老朽化していますので、解体した跡地にその施設を建て替えることにしています。
大邱広域市への代表団及び芸術団の派遣について
市長
大邱広域市への派遣についてですが、本市代表団及び芸術団の韓国・大邱広域市の訪問を予定しています。お手元の資料を御覧ください。
今年は韓国・大邱広域市との姉妹都市提携20周年という節目の年を迎えます。まず、5月には、大邱広域市から金承洙(キム・スンス)行政副市長を始めとする総勢93名の訪問団の皆さんが、我が市を訪問していただきまして、ガラコンサート団の声楽家及びオペラ団の皆さんに公演をしていただいています。この度は大邱広域市から「姉妹都市提携20周年記念セレモニー」と「2017大邱世界合唱フェスティバル」があるから来ないかという招待を受けましたので、明日9月7日から9月9日までの3日間の日程で代表団と芸術団が訪問します。代表団は、私の他、永田議長、森畠議員、ヒロシマ・メッセンジャー他の計8名と、芸術団の方は、広島県合唱連盟及び随行職員の計31名で構成しています。現地では、まず大邱広域市議会議長、それと大邱広域市長訪問をして、交流についての意見交換を行います。また、姉妹都市提携20周年を大邱広域市の方々と祝って、さらには、私に大邱広域市名誉市民証を頂けるという予定になっています。非常に名誉なことでありまして、ありがたくお受けしたいと思います。大邱世界合唱フェスティバル、これは大邱市の方で「音楽が流れる都市」というテーマに沿ったイベントになっているとのことで、非常に定着していまして、昨年度も4,500人の来場者を迎えての大規模な合唱イベントがありますが、本市の合唱団が、清らかな合唱、歌声を使って多くの大邱広域市民を魅了することができればと思います。これらを通じて、市民レベルの相互理解、それから友好親善を一層深めて、市民同士の顔の見える交流をしていきたいと思います。
以上が今回の派遣の概要になっています。
記者
明日からの大邱訪問の隣国である北朝鮮が様々世界に大きな話題を呼んでいますが、この中で訪問されるというタイミングは、どのようにお考えですか。
市長
タイミングと言われると、北朝鮮の動向などをある程度、気にしながらということになろうかと思いますが、私自身の思いは、こういった今までのつきあい、20周年を迎えるということですから、20年以上にわたっておつきあいをしている中で、国境を越えて市民同士の友好の輪を広げるということを、こういった中だからこそ、友好をすることの重要性を皆さんに少し知ってもらうという位置付けになるのではないかと思います。世界中のどなたもお互いが傷付け合う、殺し合うということを望んでいるわけではなくて、今の事態も、それぞれの相手国に対する、あるいは相手の指導者に対する疑心暗鬼など、それが積もり積もって、こういう結果を生んでいます。もし、市民目線の付き合いの上に日頃から相手の気持ちや考え方を理解できれば、こういった事態に行く前に色々な調整ができる可能性もあるのではないかと思います。実際、できていない国同士の関係ですから、市民レベルでこういうことをやる中で友好関係が築けるということも感じてもらえるものにすることが重要です。音楽など、そういったことを通じて、言語を越えて仲良くすることは可能ということを知っていただけることになればという思いで行こうと思っております。
「スポーツ振興」を目的とした新たな寄附制度の創設について
市長
お手元の資料を御覧ください。この度、カープ、サンフレッチェの協力を得て、スポーツ振興を目的とした二つの寄附制度を新たに創設することにしましたので、お知らせします。この制度は、全ての市民が、様々なスポーツに関わり、生きがいを感じることのできる、新しい「スポーツ王国広島」を目指した取組をさらに推進する、そして郷土愛あふれる広島の実現を目指すということを目的にやっていますが、頂いた寄附金は、まず平成33年度の供用開始を予定しています、広島西飛行場跡地への多目的スポーツ広場の整備費用に充てたいと思います。そして同広場整備が完了した後は、新たなスポーツ施設の整備や、既存のスポーツ施設の整備などにも活用したいと考えています。
一つ目は、スポーツ振興を目的としたふるさと納税制度です。1万円以上の寄附をしていただいた方の中から、広島市民を除いて、返礼品を送付します。広島市民に返礼品を送付しないようにするのは、総務省から、ふるさと納税制度について、様々な問題提起がある中で、市民に返礼品を送付することは、制度の趣旨にそぐわないという通達が出たことを踏まえて、ふるさと納税制度全般の中で、市民は御遠慮いただくということです。現在、「ザ・広島ブランド認定特産品」や、「ひろしまグッドデザイン賞受賞商品」といったものを返礼するということもやっていますし、それから「ヒロシマから世界へ」という平和のふるさと納税をやっていますが、これらについても、今度10月1日以降は市民には返礼品は送付しないこととしています。
その上で、返礼品の選定に当たりましては、市外の方が広島に来ていただき、カープ、サンフレッチェの試合も観てもらいたいということで、応援グッズを返礼品にしようと考えています。そして、この応援グッズを両チームのデザイン入りのオリジナルバッグに入れ送付するということを考えていて、10月1日からの寄附の受付開始になりますので、よろしくお願いします。
二つ目は、カープ、サンフレッチェのデザイン入りのナンバープレートを貸与するというものです。見ていただくと、何となくほのぼのとする図柄ではないかと思うのですが、原動機付自転車のナンバープレートの交付を受ける際に、2千円以上寄附を頂けたら、このナンバープレートが選択できるようにしたいと思います。12月1日からの交付と、そして寄附を受け付けるということにしました。ちなみに、既にナンバープレートの交付を受けておられる方でも、2千円以上の寄附をしていただいたら、今のものと、これを取り替えるということをやりますので、これが街中を走り回るようになると良いのではないかと思います。このナンバープレートのデザインはカープ及びサンフレッチェと協議して、両球団の了解を得て決定したものです。公認版ということで、利用していただければと思います。
このように、寄附をしていただいた方に対して、原動機付自転車のオリジナルナンバープレートを交付する制度は、全国初だということで、よろしくお願いしたいと思います。
記者
ナンバープレートの関係で確認するのですが、広島市では数年前に、鳩のオリジナルプレートを導入していると思うのですが、今回サンフレッチェとカープを取り入れるということで、鳩はどうなるのでしょうか。
市長
鳩も、もちろんやっていまして、今、新規に交付しているプレートの半分くらいは、鳩を選択されていて、これは、平和の思いを行き渡らせるという企画で、これはこれで利用していただいていますが、もう一つ盛り上がりそうな、こういったものも利用していただけないかなということです。向こう(鳩)は、特段料金は取っていないのですが、こちら(カープ、サンフレッチェ)は、スポーツ施設の整備などをやっていく上で、もちろん皆さんから頂いた税金を使うこともありますが、ファンの方々が一緒になってやろうという、共助の精神を確認しながらやっていただくためのツールにはなるかということで企画しました。
「ジャパンウイメンズオープンテニス2018」の広島開催決定について
市長
この度、日本国内で開催されています、女子テニスの国際大会の一つである「ジャパンウイメンズオープンテニス」の来年度の開催地が本市で決まったことをお知らせします。開催時期は平成30年9月10日から16日、開催場所は、広島広域公園テニスコートを予定しています。この大会は、女子テニス協会(WTA)が世界で年間58大会公認している公式戦の一つで、グランドスラム4大会などに次ぐ国際大会です。2009年に新設された大会で、広島で開催する2018年の大会は10回目の開催となり賞金総額は25万ドルと聞いています。広島でこうしたWTA(女子テニス協会)が公認する国際大会が開催されるのは、初めてのことです。資料には、昨年度大会の優勝者の写真がありますが、ダブルス優勝の二宮真琴(にのみやまこと)選手、写真の左手の方は、安佐北区の出身で、今年のウィンブルドン選手権でもチェコのレナタ・ボラコバと組みベスト4に進出するなど、大いに活躍しておられまして、地元の方のファンも多いのではないかと受け止めています。説明は以上ですが、この国際大会の広島開催を契機に、いろいろなスポーツの国際大会を開催するノウハウを蓄積していくというようなこと、それから2019年以降も、この大会が広島で開催されるようにできたらなということを今、思います。こんな形で世界的な大会が開催されるようになれば、当然、こういったことに興味ある青少年が憧れを持つことで、健全育成にもつながりますし、それから地域の活性化にもつながっていくのではないかと思いますし、さらに、近隣の広島の広域の中からこれを見に来る方も、当然いるのではないかと思いまして、青少年の健全育成、地域の活性化、それから観光客の誘致、一石三鳥の効果もあるというようなことを期待していますので、是非とも報道機関の方に大会を盛り上げていただきたいと思っています。以上です。
中国テニス協会会長
中国テニス協会の会長の安東です。広島市の協会長、それから県の協会長が仕事の都合で出席できないものですから、私より説明をさせていただきます。実は、この大会、今年の大会は9月11日から東京の有明のテニスコートで開かれますが、2020年の(東京)オリンピックに向けて、有明のコートがこの秋、この試合の後から改修工事に入りまして、開催地を探していた段階です。広島の都市の知名度、それから広域公園のテニスコートの国際大会を開く上での条件、それからホテルからの会場へのアクセス等、日本テニス協会あるいは、国際テニス協会の方が、勘案をして6月に視察をしてくれまして、正式に決まったということです。広島でのテニスの国際大会っていうのは、1994年(平成6年)のアジア大会、それから2000年(平成12年)のワールドユースの世界大会以来で、こうした大きな大会が来ることを地元の競技団体としても緊張感を持って迎えています。今、市長も申されましたが、来年度、再来年度、さらに、この大会が広島で開催されますように、地元の団体としては選手の受入体制を十分に整えて、おもてなしを十分にしながら、次回、「2019年、2020年も広島でテニスをしたい」と選手の皆さんが言ってくださるように、3テニス団体(広島県テニス協会・広島市テニス協会・中国テニス協会)で十分な準備をしていきたいと思います。皆様方の御協力をよろしくお願いします。
記者
来年に行われるこのジャパンウイメンズオープンテニスですが、比較的、世界のトップを狙う若手の選手といいますか、世界ランクでいうと30位から100位ぐらいの選手と近い将来、世界のトップで戦えるような選手が広島に集まってくるということですが、改めて、市長のその大会に寄せる期待を教えてください。
市長
今言われたように、将来に有望な将来性を持つ方々が集う大会であるということで、これから、若い方々がこの地域の中で育ち、この地域を愛するというか郷土愛を持って、学校は卒業するが、どこか遠い都会に行った方が良いのではないかという思いがある中で、都会に行った人を呼び戻すみたいなことをやらなければいけないと思っており、むしろ、自らがここで育って、自分たちの地域を良くしていくためにいろいろなものを迎えることができる土地なので、そこを大事にする方が良いのではないかということを今の大人たちもやっているし、自分たちもそれを当然、引き継ぐということを認識してもらうような対応をすることも、とても重要だと思います。それを今日も安東さんから言っていただいたように、行政一人が旗振り役をやるのではなく、地域の関係者の皆さんがやっていこうとおっしゃっていただいていますので、それと一緒になって行政も取り組むというこのフレームワークというか、この取組を皆さんに是非知っていただき、それが成功した暁のいろいろな成果を実感していただくという大会にしたいと思います。先程申しましたように、ここで試合をした方々が本当にいろいろな意味で良かったと、また広島でこういうことを続けることが自分たちにとっても記憶に残るし、いろいろな意味で良い試合になったと言っていただくように、それが国際平和文化都市というものを確実に成長させていくための一歩になるのではないかと、大げさですが、そんな気持ちを持って皆さんで盛り上げていただければと思います。
その他の質問
JR可部線電化延伸について
記者
可部線の電化延伸が3月に行われまして、そのことについて関連でお伺いしたいのですが、3月に電化延伸して9月で半年たちますが、半年たった現状の市長としての受止めをお聞かせいただきたいことと、もう1点あるのですが、地元からは延伸を町の活力アップに活かしたいという思いが延伸前からあると思いますが、今後、どう市として住民活動を後押しして、賑わいづくりや乗客確保につなげていくのかといったことを教えてください。
市長
いわゆる、鉄路復活ですね。1回なくなったものがこういう形で復活したっていうのは全国でも初めてで、その取組なり、いろいろな意味で注視されていますし、大事にしていかないといけない思いでいます。
利用実績の全体的なものとかは、多分、JR西日本から発表があると思いますので、それを待ちたいと思いますが、断片的に聞いているようなお話の中では、朝のピーク時は、列車によっては利用者の一部が椅子に座れない状況もあるということで、通勤通学に関しては、間違いなく成果が現れていると思います。ただ、そういった例があるということは、一般の平常時についてはどうなのだっていうことは気になっていますが、ただこれも電化延伸をやっていく中で、JRとも協力しながら、もう一つ市としては安佐北(区)・可部を中心にしながら市の北部、さらには隣接地域全体を活性化して、安佐北(区)が市内の唯一人口減少区という将来予測を覆すための一つの起爆剤としてこれを使っていくという位置付けで取り組んでますので、この電化延伸だけで地域の活性化対策が終わったわけじゃなくて、第一歩が始まったわけですので、これからも関連の対策、この鉄路と地域のバスの接合、あるいはこの地域を経由して、市北部につながる近隣の市町との様々な取組を有効にするための仕掛けをこれからも考えないといけないと思います。特に直近、問題になる安佐北(区)の病院の移設なども、今、一生懸命地元と一緒になって取組をやっていますし、機構の方でも、もう少し時間は掛かりますが、着実に作業は進めてますので、そういった病院の施設が移転することになれば、この可部線を使った利用者は必ず増えると思います。さらには北部の観光の発信拠点にするようなことも、今後考えていけるのではないかと、そんな思いです。
あと、地元の関係ですが、今、申し上げたのは決して私一人の気持ちじゃなくて、鉄道復活を願う地元住民の強い熱意というものもあって、それを受け止めて今申し上げましたような形で夢をふくらましているのが現状で、引き続きJRの可部線利用促進同盟会など作っていますように、地元の方々と一緒になって活動していきたいと思います。イベントなどの検討も引き続きやっていただくことになろうかと思います。
そして、その際には当然、今言った全体広域的な活用の話とともに、それができた地域の方の利便性の向上ということがありますので、こちらの方については地域の、例えば可部、亀山地区の団地などと結ぶ乗り合いタクシーですかね、そういったものの接合点として、この駅を使うというようなこともあります。そういった中で、地元の方々の利用も促すということを考えていきたいと思います。そんな状況です。
北朝鮮の核実験強行に対する受止めについて
記者
先ほど、少し話も出ましたが、今月3日、北朝鮮が6回目の核実験を強行しました。水爆ではないかという可能性も指摘をされています。こうした北朝鮮の再三の行動について、改めて市長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
市長
これは、再々申し上げていますが、本当にこの世から核をなくすべきだという多くの考えが、間違いなく世界中にあるということを証明したのが、今年7月、122か国の賛成でできた核兵器禁止条約です。そのような状況下で、今回また、6回目の核実験が行われていますから、間違いなく多くの方々が望んでいる方向とは逆方向に向かった対応であり、そういった皆さんの努力を無にする、あるいは無視するということは許されない行為だと受け止めています。そして、そういった理屈も当然なのですが、それよりも何よりもまず、被爆者の方々の、(核兵器を)使用した後の辛く厳しい、悲しい、そういった経験をしないよう、二度とそういう思いをしないようにしようじゃないかという訴えを聞いていない、それに耳を貸さない許しがたい暴挙であると思っています。ですから是非、こういった願いというか、皆さんの気持ちを受け止めた対応を当事者にお願いしたいということと、当事者のそういう意識を変えるための外交努力というものを国際社会全体でやっていただければと思います。もちろん、抗議文も出します、厳重にしろということも言いますが、それを受け止めていただけるような環境を作るということも同時並行でやっていただく必要があり、核装備などをやっている当事者の疑心暗鬼をかき立てるような行為も抑えるような動きも同時にやってもらいたいです。はっきり言って、北朝鮮の為政者がどこまで何を考えているかというのが、多くの方に理解できないから、正に疑心暗鬼の中でこういう圧力を加えないと言うことを聞かないだろうと。一方でそうは言っても対話しないと聞かないだろうと。そういう議論が横行しているわけです。ある意味で、個人同士で疑心暗鬼になって喧嘩しそうなときに、その喧嘩をやめさせるために、どういうことをするかと市民レベルで考えたときに、まず、事態を客観的に見て、冷静に「まあまあ、落ち着いて冷静に考えようじゃないか」というようなことを言います。そして、その当事者を再々見たときに、なぜそういう状況になっているか、片方が「あなたが私をいじめるから、私はいじめられないように頑張るんだ」と、そして、「いや、私はいじめていない」と「あなたがそういう態度をするから、こっちもつい、抑圧的にならないといけないのだ」と、こういう議論のようにも見えるのです。そうしたら、もちろん「やらないと大変なことになるよ、制裁を加えるよ」と言いながら、でも、例えば自分だって核兵器を持っているということがあなたにとって脅威だったら、核兵器を持っている多くの国とそれを無くしていく。削ってあなたのところにそういう恐れが起こるような状況を今から削る努力をするということを約束するから、あなたも自分の方に攻撃がかかることを前提にやるのでなくて、無くしていくという努力をする。そういう中で、自分はどうするかと考え直してみてはどうかなど、例えば、第三者の方がそういう話をして、対話をするというのもあるのではないかと。もちろん、言うことを聞かないと制裁をするということを言って良いですが、でも、前提として、お互いにそういうものを無くすという努力をする中で、貿易などいろいろな付合いを上手くやっていこうではないかという見方ができなくもないのではないかという気はします。それは、今の情勢の中では、対話ができていなくて難しいのかも分かりませんが、当事者ではない第三者でそういうことを言える方がいて、橋渡しをやるということがもし可能ならば、普通の個人ベースの争いのときはあり得ます。誰が聞いても「あ、そうかな」と思うのではないですか。ただ、国家同士もそういうことができるような環境、それは国連がやるのかも分かりませんし、もう一つ有力などこかの立場の方が入ってやるということもあるのではないかと思います。いろいろな問題が起こって、過去の歴史の中で、両大国、ソ連、アメリカが核軍縮をやって、START【1】(第1次戦略兵器削減条約)、START【2】(第2次戦略兵器削減条約)ということもやったことがあります。それは、他の国に脅威を与えないために、自分たちがまず核軍縮をやるから、他の国も心配しないで核不拡散、核軍縮をやろうではないかという位置付けでやったという過去の事例もあるということを思えば、そういうこともあるのではということです。これは、もちろん国政レベルですので、そう簡単にできるとは思いませんが、いずれにしても市民ベースでの願いというのは、冷静な対応、外交努力、平和的な解決、これをあくまで貫くということをやってもらえないかと思います。
サッカースタジアムについて
記者
サッカースタジアムについてお聞きしたいのですが、先日(8月29日)に基町住民の方への説明会が開かれたと思うのですが、反対意見というのが相次いだという結果になったのですが、市長の受止めをまず教えてください。
市長
8月29日に「基町の明日を考える会」に県・市・商工会議所の職員が出向き、これまでの調査結果を御説明すると。その調査に関する問題点は、騒音対策や渋滞対策といったことを中心にしました。頂いた宿題に関しての一定のお答えをしたわけですので、我々とすれば基町地区の住民の皆さんが、サッカースタジアム整備に向けての議論を深めていただけるための第一歩を踏み出したと受け止めています。
ただその説明会の折に、今言われたように当日、住民の方からは「地域の実情をもっと調査してほしい」、あるいは「こういうのを造ると広場が狭くなる」。それは事実です。「そうすると、イベントができなくなるのではないか」と。「遠足にも使えないではないか」とか。「市全体のこととして考えるとすれば、良いことかもしれないが、自分たちの住宅環境等が激変する」と。「だから自分たちにとって望ましいまちづくりとはいえないかもしれない」。そういった理由付けで提案についての意見がある。「だから直ちには賛成し難い」ということでありましたので、理由抜きで冥々たる反対という状況ではなかったということで、少しは話合いの緒に就いたのではないかという受止めです。
だからといって、一気に皆さんがいいですよという状況になっていないというのは、おっしゃるとおりの問題で、皆さんの根底の意識がまだ変わっていないということだと思います。そこで、いわば住民の皆さんからの御意見というのは懸念、不安であるということなので、まずはそれを解消することを目標に、これからもきちんと対応したいと思いますし、まだ概算事業費の説明を行っていません。もう少し時間が掛かるということになっています。これら具体的な事業費、どれだけお金が掛かるかということも併せて提示する中で、さらに議論を深める、意見交換することをやれば、反対、賛成し難いということになっている懸念や不安などの解消をもう少し図れるのではないかと思います。
そして一定程度、そういった問題についての認識が行き渡ったことになれば、次の段階に入ると思いますし、こちらの方で概算事業費はまだ計算していますので、もう少し時間は掛かりますが、今言った中でそこに行くまでの間でも住民の皆さんが話合いをしたいと言われるのであれば、今までに頂いた意見なども整理しながら、できる限りしっかりと話合いや説明をするという機会はいつでも設ける覚悟で、これからも対応していきたいと思います。
記者
結局、理解を住民の方に得られなかった場合、そこで候補地選定をストップしてしまうのでしょうか。
市長
今申し上げたように、理解という言葉について、文字どおり我々の理解ですが、なぜ同意できないかというのはそれぞれ理由があります。これが不安であるとか、こういった問題が生じて解決できないから賛成し難いということを言われていますから、そういった懸念や不安についてはこういった対応方法があるのですと。これについてゼロ回答ではなく、必ず何かやるので、それについての理解度を深めるということをまずやりたいと思います。
いろいろな物事はオールオアナッシングではなくて、双方、問題点を指摘されてそれに対するしっかりとした対応をするという中で、問題解消、疑念を払拭できることは必ずあると思います。根底的に絶対無理というものではないのです。先程言いましたように、「市民全体のためには良いかもしれないが、自分たちの生活についての配慮が十分に行かないのではないか」とか、「問題があるのではないか」という御指摘ですので、そういったものについて、どこまで対応すれば、皆さんが納得いくのでしょうかという話をしていると思います。
だから絶対に何があっても駄目だという議論にはなっているように思っていません。疑念の度合いを可能な限り、小さくしてその上で全体を考えてみてもらえませんかという話合いをしたいという気持ちでやっていることを是非、御理解いただきたいです。○×で済むことではなく、お互いに本音を、腹の内を話しながらやったときに、自分たちの住環境、市全体のことがどうなるかをちょっと考えていただければということで話合いを続けていると御理解いただきたいと思います。
※( )は注釈を加えたものです。