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2017年08月24日記者会見「北朝鮮のミサイル発射計画について外2件」
動画は下記からご覧ください。
(「広島市動画チャンネル(市長記者会見)」のページへジャンプします)<外部リンク>
市からの発表案件
- 【北朝鮮のミサイル発射計画について】
- 【核兵器禁止条約についての政府の対応について】
- 【平和首長会議総会を終えて】
<会見録>
市政記者クラブからの代表質問
北朝鮮のミサイル発射計画について
記者
北朝鮮が広島の名前を挙げてグアムへの発射計画を明らかにしたことについて、被爆地の首長としての受止めをお聞かせください。また、アメリカと北朝鮮が挑発し合っている中、アメリカ、日本政府に、どのような対応を期待するかお聞かせください。それに関連して、今月18日に全国瞬時警報システム(Jアラート)の情報伝達訓練が実施されたところですが、広島市として、市民の安全のためのソフト面の取組があれば教えてください。
市長
まずは、北朝鮮のミサイルを発射したり、あるいは発射の試みを明らかにするという、それについての対応ですが、北朝鮮は今までも弾道ミサイルの発射を実際繰り返していますし、今回はグアムへのミサイル発射の試みを明らかにしていますが、この一連の行動は、まず世界の平和と安定を切実に求めている国際社会の取組に逆行する挑発的な行為であると思います。さらには、国連の安全保障理事会の決議に明確に違反している行為ということだろうと思います。そして、そういったことを踏まえて、広島の平和への願いということ、被爆者の願いをも踏みにじるというもので、断じて容認できないものだと思います。そういう意味で、北朝鮮と米国は、ここはまず対話を重視した協調による外交努力ということに傾注をすべきではないかと思います。様々な対応が報道されていますが、対話を重視した協調路線、これを是非、重視した取組をしていただきたいと思います。そういったことを前提に日本政府に対しましても、国際社会の中での緊密な連携ということをしっかり保ちながら、冷静な対応をしていただき、緊張緩和が図られるような外交努力を重ねてもらいたいと思います。あと、その安全のためのソフト面での取組ということですが、これに関しては今申し上げたようにそういった事態が起こらないようにするということが大前提で、万が一という場合に備えということでの対応ですが、ミサイルが発射されて本市に飛来する可能性がある場合には市民の安全確保ということが必要になりますので、その際、行政として限られますが、ソフト面での取組、考えられるのは皆さんにどういう行動を取るべきかを周知していくことだと思うのです。そういう意味では国からもいろいろなアドバイスといいますか、考え方、ホームページ、あるいは広報紙、そういったところで知らせる。あるいは公共施設でチラシなどを配って、よくよく認識をしておいていただくということだと思います。そうした取組をしている中で今月の18日に国と県の連携、そして我が市が一緒になってJアラートの情報伝達訓練を行いました。結果は全体としてほぼ正常に情報伝達できると分かりましたが、安佐北区役所と佐伯区役所の中での庁内放送が流れないということがございました。この点に関しましては、早急に問題箇所を点検しまして速やかに改善を図りましたので、現在は正常に作動するようになっていることを確認しています。いずれにしても、このソフト面の取組ということに関しましては、市民の皆さんがもし万が一、こういった事態が起こるようなことがあれば、そのミサイルの発射情報というものを確認してもらって、自分のいる状況を冷静に判断して、そして、可能な限りの安全を図るための頑丈な建物への避難であるとか、物陰に身を隠すこと、そういったことで直ちに安全を確保するという行動を取ることをしっかり確認するといいますか、自ら自覚をしておいていただければと思うわけです。以上です。
記者
この間、庁内放送が流れなかった安佐北(区)ですが、これは災害時にも同じシステムを使うと聞いていますが、前日に点検していれば、明らかに防げた話ではないかと。災害へのこともそうですし、それだけではなく、もしミサイルが発射されて上空を通ると言っていて、安佐北(区)そして佐伯(区)も市の職員が点検すればすぐ分かっていた話なのに、意識が災害に対してもそう、万一の危機管理というのが、職員に足りない気がするのですが、これはどうでしょうか。
市長
Jアラートの関係での庁内放送が、流れなかったという点についての御意見だと思うのですが、今は、先ほど申しましたように、直ちに点検ができて、正常に動くようになっています。今、言われたように万が一のことを考えたときに、今回、Jアラートの場合ですから「事前にやりますよ」ということを、いろいろな形で言っていて、しかもそれを作動させるようにしておくという視点で見ておくのが、あるべき姿ではないかと、こういう御指摘だと思います。その点について、職員からの報告を受けたときに、私自身もそういった趣旨のことを言ったのですが、これはまた、これからしっかりしなくてはいけないところですが、今までの体制の中で、「点検していた」と認識していたということです。この認識そのものが、改めてそういうことで良いのだろうかと確認することです。「今までやっていたから良いのだろう」ということではなくて、初歩からといいますか、改めて、わざわざ訓練をやるわけですから、初歩的なところから確認作業をしてやるということで、いざというときの備えが利くわけですから。「それは、日頃からやっていたから、そこのところは良いだろう」と、「主要なところとか、大きいところを確認したから良いだろう」というそういったことが、こういう小さなミスかもしれないが、結果、大きな問題を引き起こすことになりますから、ですから訓練という機会を捉えて、そういった油断やミスをなくすという心構えで、しっかり対応してもらいたいと思います。今回は、こういう改善策が早急に取れたことで一安心でしたが、これを逆に、しっかり今後の教訓にするといいますか、こういうことが起こらないようにする、そのための戒めにしてほしいと思います。
記者
今さっき「私自身も」とおっしゃいましたが、何か、安佐北区や佐伯区の方に注意とか。
市長
注意というか、この間も災害のときに安佐北(区)、安佐南(区)、特に安佐北(区)に行って話をしたときに区長さんと担当者の方に、今言った話をいたしました。
核兵器禁止条約についての政府の対応について
記者
先月国連で採択されました核兵器禁止条約についての日本政府の対応についてですが、松井市長も8月6日の平和宣言で核兵器禁止条約の締結促進を政府に求められたにも関わらず、その後の記者会見で安倍総理は「署名、批准を行わない」と明言されたと思いますが、まずそのことについての受止めをお聞かせください。そしてまたその後もかたくなに政府は署名、批准を行わないという姿勢を変えてないですが、その変える手立てをどのようにお考えでいらっしゃるかお聞かせください。
市長
この核兵器禁止条約を巡っての対応に関して私どもの考え方ですが、政府が今やっている対応とのギャップというかズレに関して、これは単に表面的な行為の違いではなくて、私自身は核兵器禁止条約というものに対する考え方、解釈の根源のところでの違いがあるのではないかと気になっています。そして、それを分かった上でも広島の思いを実現していくための対応をしようというときに様々な問題があるからということだと思うのですが、それについても為政者としての勇気を持って取り組もうと、理想に向けて取り組もうという、昨年のオバマ(前)大統領の言葉にもあったのですが、現実のハードルは高いとしてもそれを乗り越えるという意志、意欲がいると思います。そういう意味では、まず基本認識のところについて、強く言いたいと思うのですが、核兵器禁止条約は、今回の国連加盟国の6割を超える122か国の賛成で採択されました。国連加盟国193か国の内、122か国です。多くの国による、核兵器廃絶に向けた明確な決意表明があったと受け止めます。これは、今までそういったことが無かった事態から一転したわけですから、状況が新しいステージに入ったということが一つあると思います。
それと、もう一つ。この出来上がった核兵器禁止条約というものは、「核兵器のない世界」を実現させていくための、まず第一歩として、「今やろう」、「やらなきゃいけない」というふうに言われている実践的な核軍縮措置であり、それの次なるステップを踏むための根拠と考えるべきだと私は思っています。その点が、今、核軍縮などやろうとしていることについての障害だという主張や考え方があるのですが、そうではないと。なぜかと。共に「核兵器のない世界」を目指すということは言っておられるわけですから、こういった方法論で口論するのではなくて、きちっと位置付けをするということをやれるし、やる努力が重要だと思います。そういう意味では根本的に核兵器禁止条約と核軍縮のための措置というのは排他的な関係ではないということを基本認識にしていまして、それを踏まえた対応をお願いしたいと。そうすると、改めて日本政府を含む各国政府、これは核保有国も非(核)保有国もですが、対立構造だととかく言いがちですが、そうではなく、皆が現状に留まるのではなく、今申し上げた考え方を共有して、そして被爆者の「良心」からの訴えである、「核兵器のない世界」に向けた取組というものが何であるかということをしっかりと心に刻み、「誠実」に前進させるという対応をしなければならないという考えでいます。
そういった中、具体的な対応の一つとして、昨日、田上(長崎)市長から外務大臣への要請書の手渡しということもやりました。これは先般の長崎市で開催しました、第7回の平和首長会議の国内加盟都市会議総会で採択し、「『核兵器廃絶に向けた取組の推進について』の要請文」を河野外務大臣に手渡すということをやったわけですが、改めて、核兵器禁止条約の締結促進を目指して核保有国と非核保有国との橋渡しを本気でやってくださいということを申し上げたわけです。この考えは変わりませんし、今言った整理をしていただくならば、必ず一定の成果が出てくるのではないかというふうに思うわけです。そして日本国政府に改めて認識していただきたいのは、国内の全市区町村の96.6%が加盟している平和首長会議からの要請でもあるということを踏まえた対応をやっていただくべく、市民・NGO等と連携ながら粘り強く、この考え方を伝えていきたいと思います。
記者
(平和)首長会議の総会時の要請書にもあったと思うのですが、橋渡しというところの要請で、橋渡しというのは具体的に、どういう行動ないしは政策、取組を平和首長会議として考えているのか、より具体的な日本政府にしてほしいことが現時点であれば、詳しく教えてください。
市長
橋渡しですから、橋が接続する両岸ともに接点を持たないといけません。片方の主張が、例えば核兵器禁止条約というものがない方が良いとか、今の核軍縮一つだけで良いと言われている端の方々とすると、そうではないのだと。私は、核兵器禁止条約というものが、今やっている取組の更なる展開上、次に出てくる延長線上のものであって、それを上手くやるべきだし、そこと絡めながら双方が「核兵器のない世界」を目指すということをやれるのだし、やろうではないかと言っているのです。その両方がつながるような対応が何があるかといえば、おのずと明らかですが、ただ、その時に片方の側にだけ立って、その橋を渡ろうとしない。あるいは、渡る兆候すら見せないというふうに、多くの人が感じる対応は真の橋渡し役ではないと思います。
例えば、核兵器禁止条約制定会議等についての日本政府の在り方として、「橋渡しということを真剣に考えればオブザーバー参加(傍聴者)という道も開けているのだから、そういったことも考えていいのではないですか」という具体的な事例は申し上げています。それを一つ一つ言うのではなくて、トータルで考えていただければ、おのずと道は開けるのではないかという思いです。
記者
オブザーバー参加の話は、直接話されたのか、それともそれを念頭にでしょうか。
市長
今の条文を見れば、そういうことが読めるということが、私と田上市長の共通認識ですから、そういった具体例を言えと言われたのであえて申し上げました。言わずともやっていただけるのではないかということでやっています。
平和首長会議総会を終えて
記者
8月7日から4日間の日程で行われました、平和首長会議の総会を終えて、国内外から首長等が集まって意見交換した中で、松井市長が感じられた手応えや成果を改めてお聞かせください。
市長
長崎で開催された平和首長会議総会ですが、今言われたように8月7日から10日までありました。34か国170都市・団体から約320名が参加する会議でした。
会議の在りようは、参加都市から多くの前向きな、建設的な意見が出されまして、良い議論ができたと思います。結果として、2020年に向けての計画「平和首長会議行動計画」を策定できましたし、更には長崎で開催したということもありますので、「ナガサキアピール」もできましたし、更に「核兵器禁止条約の早期発効を求める特別決議」というのも、国内外の首長さん方が集まった中、考え方を確認し採択できました。
そういった意味で、この総会、加盟都市が一致して今後への取組をしっかり示すことができる絶好の機会だったと思いますし、さらに、この当面の行動対応とともに、これから強力なネットワークを作っていこうということを改めて確認することができた会議だと思っています。とりわけその成果の中で、そういったことを確認できるのは「行動計画」、これを策定しましたが、行動計画を大きくいって二つの枠組みに整理することができました。
一つは、広島・長崎がずっとこの会議を主導してきたということで、引き続き「核兵器のない世界の実現」という大きな項目を立てて、スケジュール・計画を立てるとともに、もう一つ、「安全で活力のある都市の実現」という柱も立てて、取組を明確にできました。
これは、「核兵器のない世界」、あるいは「安全で活力のある都市」というものが、いずれも世界の恒久平和への道につながるということで理解できる位置付けです。
前者の、「核兵器のない世界の実現」に関しては、総会1か月前の7月7日に、国連で採択された核兵器禁止条約が核兵器廃絶に向けて、進むべき重要なステップであるということを認識・共有できました。そしてそれを前提に今後取り組む課題というものが、我々都市の構成員ですから市民社会の総意として、国家の枠組みを超えた市民社会の総意として核兵器廃絶するということが、今後のあるべき姿だという認識を確立しました。これを市民という下側から、核を持っている国などに共有してもらうようにする。そして、その市民の思いを為政者が受け止めるようにしていく状況を作る中で、条約批准につなげていこうということ。これをしっかりと合意できたと思っています。こうした考え方の下、被爆者の切実な思いというものを広く共有していただいて、核兵器保有国や、その同盟国を含む全ての国が、この核兵器禁止条約締結促進に向けて動いていくようにする。そのために、加盟都市や市民社会という、国境を取り払った多くの民意を生かしながら、各国政府への要請をきちっとやっていこうとの整理ができました。
また「安全で活力のある都市の実現」というもう一つの柱につきましては、実は平和首長会議加盟都市世界7,400を超えているのですが、そういった各都市が、自分たちのまちの安全安心を確保するために、いろいろな課題が起こっていると。それらを解決することも、やはり世界恒久平和につながることだということで、核兵器禁止のみならず、自分たちの地域で起こっている課題、例えばテロ、難民問題、都市固有の問題についても、問題の共有を図り、その解決策についても相互で取り組んでいこうということを、これまでも何度か言われてきて、この度それを明確に位置付けたというものです。そして、この問題については、まず各地域で起こっている、この類の問題というものを、しっかりとピックアップしながら、平和文化ということを各地区で作り上げるという目標値を決めて、その取組をする。そしてその取組に関して、全体で支援していく。そんな枠組みで計画を作りました。ですから、今後、テロ、難民、環境破壊等の共通課題に対する取組も、この組織として活発化していくことになりますし、その共通のコアコンセプトは、その地域における平和文化を構築するのだというテーマ設定で、物事に取り組もうという整理ができました。
いずれの目標においても、世論の形成といいますか、それを共通の認識として醸成していくことが重要です。広げていくことも欠かせません。そういう意味で、この考え方を、次の世代を担う若い方々に、しっかりと受け持っていただく、若い世代の意識啓発をしていくということを目指すことも、大きなテーマとして設定しました。そういう意味で、平和教育の実践を掲げたところです。そして「若者の役割」ということをテーマとしたセッションも設け、その場では加盟都市の市長さんたちも加わり、若者と一緒に都市にある問題点を掲げ、平和活動をするためにどういった取組がいるかということを公の場で議論するという非常にユニークな取組を行い、参加者や見ている方々から大変好評を得ました。今後も、各都市様々な事例を取り上げ、実践的に取り組んでいく。更に教材にしていくということをしながら、ウェブサイトなどを使い、情報の共有を図り、こうした取組が広がっていくように、とりわけ次世代を担う若い方々が、こうした問題意識を持って、具体的な取組にチャレンジすることを、これからもしっかりやっていきたいと思います。
今後は、2020年に向けて平和首長会議のネットワークを最大限活用しながら、加盟都市の皆さんと力を併せて、行動計画に盛り込んだ、いろいろな取組を着実に推進していきたいと思いますし、それが、可能なのではないかと感じることができる総会だったと思っています。
その他の質問
サッカースタジアムについて
記者
サッカースタジアムについてお聞きしますが、中央公園を候補地に挙げて、住民からの質問状とか出ている状況ですが、今の広島市の現状と、それについて市長がどういう認識を持っているのかというのと、今後のスケジュールがもしお分かりであれば教えてください。
市長
これに関しては、今までも手順を示しながら作業を進めてきていまして、中央公園広場に関わる調査・検討に関しては、それの判断材料となる基本的な資料がいるということで、4月に専門業者に委託して、もし、やるとすればということで、配置図の作成や概算工事費の積算、あるいは他都市の類似の施設がどのような状況かとか、渋滞対策がどのようになっているかということを整理していく作業を今やっているところです。一方、そういったことを背後に構えながら、まずは中央公園広場に関わる「基町の明日を考える会」を中心に、いろいろやり取りをさせていただいている住民の方の意見ということも踏まえながらやろうということをやっていますが、その中で、御質問いただいたことなどを答える前に、いろいろな途中の経過などをお示しして、話を進めましょうかと申し上げたところ、「いやいや、まだまだ自分たちは議論する緒に就いてないのだから、自分たちが聞いた質問について、まず、しっかり答えてもらって、それからしっかりと話をしていこう」ということもあったりした中で、一応、8月中には、お答えを用意しますのでと、こう言っていましたので、今のところ、8月29日に「基町の明日を考える会」があると聞いていますので、そこで、その場に県・市、それから商工会議所の職員が出向きまして、1月に頂いた質問に対する最終回答は出すことにしたいと思います。そこで、それをスタートとして議論をしようというふうになっていますので、その中で、まずは、住民の皆さんが不安や懸念を持っておられるので、それを解消しながら、その上で、どういった取扱いをしていくかということについて、もしやるとすれば、こんなことになりますという調査や検討の成果も、納得ずくで見ていただきながら、判断のための材料として利用していただくというふうなことをやりたいと思います。いずれにしても、今のところ候補地三つという中で、スタジアムを造っていくという、その考え方に基づいて、よりどこが多くの方に、望ましいと考えていただけるか、そのために、直接、関係する方々の了解を得られる手続を踏んだ上で、物事を決めていきたいと思います。引き続き、今予定されている作業を確実にこなしていくということをやりたいです。その上で、県・商工会議所とも連携し、更には、サンフレッチェ広島の意見も十分取り込みながら、建設候補地の絞り込みと同時に、絞り込んだときには、どんな施設にするのかということも明らかにしていきたいと思います。
FISE広島大会について
記者
2020年の東京オリンピック、開催されますが、そこで新しく正式種目となる自転車のBMXやスケートボードなど都市型スポーツの世界大会を広島市で来年開催することを検討しているということですが、このことに関しての松井市長の受止めと来年開催に向けて調整中ということですが時間もないと思われます。今後のスケジュールや県やJOC(日本オリンピック委員会)との連携などについてどのようにお考えでいらっしゃるのか、現時点で構いませんのでお聞かせいただければと思います。
市長
IOC(国際オリンピック委員会)の方が、本市で開催ということを企画し、それを前提に県に打診があり、また、同時に我が市にも打診があった事案であるのは間違いありません。それで私自身、今言えるのはその打診があったことを受けて、自分としては協議調整をしますが、気持ち前向きにやっているという状況です。これはその前向きな気持ちの裏付けですが、個別具体的に詳細に検討したわけではないのですが、例えばそのオリンピックやスポーツなどということもいろいろなことを考慮しながら、この広島の地で多くの方の注目を集める色々なイベントといいますか、そういったものが開催できるということが非常に有り難いことですし、今回は特にIOC(国際オリンピック委員会)の方から名指しで広島でどうかというふうにお話があったと聞いていますので、ある意味で広島という平和発信の地名がいろいろなとこで認識されてきたその一環かというような受止めであります。そういった評価は大事にしなくてはいけないというのはベースであります。そしてもう一つこういったことをやることでスポーツの振興といいますか地元におけるそういった取組も活性化しますし、さらにこの種目ですが、都市型の種目でヨーロッパの方でも行われている同種の大会というのは非常に集客実績があり経済効果も大きいということも併せて情報を頂いた上での検討要請が来ていますので、その事実を踏まえた上でやるならば、あとその効果を十分発揮するためにどういった取組がいるかということも出てまいります。それは最終的にはまた財政でどれくらい費用がいるかということですので、これに最終的に了解を頂くと議会との調整もいりますし、そのためにも十分な協議調整して必要な判断材料をきっちりと整理した上で方向性を示したいと思いますが、いずれにしてもやるとすればどういうことになるだろうという前向きな気持ちで検討しているという状況です。
記者
市長は前向きに捉えていらっしゃるということですが、場所なのですが、現時点で考えていらっしゃる場所は、どこになりますか。
市長
アーバンということで、都市の真ん中ということですから、その辺はお察しいただければと思います。それで、同時に相当な期間、続けてやるということがありますから、そうするとフィックス(固定)してやって良いのか、その度、変えてやって良いのかということも考えないといけない。しかし、都心型のスポーツということで、調整事項であると思います。取っ掛かりをすぐできる所にしながら、志すうちに確定させるという判断でいくのか、はなから動かさなくて良い所を選ぶかということも、きちっと正確な議論をした上で発表すべきという思いがありますので、場所も少し控えさせていただきたい。アーバンというか、都心部だという判断の中でやっているということです。
記者
ですから、競技施設そのものを増設ということではなく、仮設での施設も考えて、場所も、やはり都市中心部に。
市長
既存のものを利用するということでいくのか、利用できる部分と利用できない部分あるでしょうし、種目が違いますから、そのための施設だって365日ないとすると、それを用意できる場所の確保、あるいは、そういう選手層が行き交いする場所、逆にそれを見る方々の利便性とか、そんなにたくさん候補地があるわけではないでしょうからね。それを今やっている既存の議論の中との調整をどうするかということも、やはり皆が「そうだな」と、納得いく整理をした上でお示しできればという思いでいます。
サッカースタジアムについて
記者
サッカーの話に戻って恐縮なのですが、三つの候補地の絞込み作業をする舞台は三者協議になるのかと思うのですが、その三者協議は、ではいつ開かれるのかというのが一つ、私の関心です。要するに、地元住民との対話をこれまでも続けているわけですが、次回の8月末が区切りということではないかとは思うのですが、続けていきながら、ではいつ、その三者協議を開くのか。その後に多分、四者(協議)ということになると思うのですが、そういった今後のある程度スケジュールの目途が立ってくるのか、それとも、三者協議の場がこのままずるずる行って、なかなか開かれることがないということになると、また進まないということになるのかと。その辺りはいかがでしょうか。
市長
それは非常に重要なポイントでありまして、「場所をこことここにして、これでどうですか」ということをやったのが、(旧市民)球場跡地と(広島)みなと公園だったのです。そして、「それをやって形まで作って、こんなものにして」ということをやったその直後に、「いや、これはこういう問題がある」という御意見があって、なかなか整わないことを経験しました。ですが、今度は、それがうまくいかないから「第3の候補でどうですか」と持ちかけたところ、そのことそのものについて疑義があるというところから始まったわけです。だから、第3の候補地にすることについての抵抗感を少し払拭していただいて、公平に議論する土台を作った上で、そして比較をするという手順を取りたいのです。そうしないと、この二つは駄目だから、元々ここありきでやって、自分たちを押し切るための作業をしているにすぎないというふうに捉えがちなのですが、決してそういう積もりはないのです。だから、そこのところは分かっていただけるはずなのです。言われているいろいろな疑問があって、問題だと言われているのですが、「その疑問は本当にあるのでしょうか」と「大丈夫ですよ」と言って、「ああ、そうなんだ」ということを分かっていただいた上で、その前提で「では三者でもう1回どうしましょう」と、ここにあったときと、ここにあったときの比較です。
そうなると、私自身が思っていますのは、サッカー場ということを言いながら、サッカーをするための施設群の性格あるいは経済効果が、その3か所ごとに、みんな違うのです。元々の球場跡地のときには、どちらかというと今までいろいろな利便性を享受するために施設をぽんと置くという、非常にある意味では合理性はありますが、それを使うことで他の波及効果よりか、そこに効果を吸収するぐらいの位置付けだったと思います。みなと公園の方は、新しくそういう施設を導入することで、他のところへの波及効果も経済効果も狙うという施設だから、それプラスどういう機能を足すかというのは、また、その視点がありました。だけど、既存のそこにおられる方々の問題調整がうまくいかない。今度はどうかとなると、元々、自分たちの生活空間のところに異質物が来ることで、自分たちの生活が侵されているのではないかという、それがないということで、うまくいくとなったら、その次に、では、どういうものならばいいかという議論がありますので、それとは違った形での施設、その機能を持たせながら、今までと全然違ったイメージの複合施設になるかも分かりません。そこら辺を丁寧に言っていけば、そんなに無理な議論をしているのではなくて、本当にサッカーファンのための施設と有効利用するためのいろいろな機能を地域特性に合わせて持たせる機能をやってみて、そして、それを作るための原資を、どういうふうに皆さんが分担するかというその議論をきっちりと見せられるように、皆さんに納得してもらうための手続を踏んでいると思ってください。「いつまでにやる」ということありきではなくても、十分丁寧な議論していけば、おのずと道は開けるのではないかと思っているのが、現時点での認識です。
記者
「いつまで」というのは、今日は明言することはないですか。
市長
手順をしっかりやるという中で、確実に皆さんのコンセンサスを得るようにしていきたいと思います。
記者
その地元住民の声の中に「市長出てこい」というような、今の言い方はきついですが、そういうような声も、ちらほら聞こえてくる中で、そういう決断を下す際には、市長自らが出ていくようなこともあり得るという認識ですか。
市長
それは今言ったことをきちっと整理できて、皆さんにお話しできるような状況になれば、当然、行くこともあると思います。それの前のところでまだ自分で判断している中で、「市長、どう思うのだ」と今言われても、「今言ったことを、手続を尽くします」と。そして、個別の疑問に答える。必要な情報提供する。そして、判断いただく。そして、「こうこうこういうふうにして、今申し上げたことを考えて、やることにしましたよ」というところでは、是非行きたいと思います。行くとしてもそういうタイミングではないかと思います。
※( )は注釈を加えたものです。