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2017年07月14日記者会見「オーストラリア女子ホッケーチームの広島キャンプ2017開催決定について外2件」
動画は下記からご覧ください。
(「広島市動画チャンネル(市長記者会見)」のページへジャンプします)<外部リンク>
市からの発表案件
【オーストラリア女子ホッケーチームの広島キャンプ2017開催決定について】
市政記者クラブからの代表質問
- 【平和記念式典について】
- 【市立小中学校の登校日について】
<会見録>
市からの発表案件
オーストラリア女子ホッケーチームの広島キャンプ2017開催決定について
市長
オーストラリア女子ホッケーチームの広島キャンプ2017開催決定について御報告をいたします。この度、2020年東京オリンピックに向けて事前合宿の誘致を働き掛けていた国の一つである、オーストラリアの女子ホッケーチームが本年の8月に本市でキャンプを実施することになりました。
このオーストラリアチームの広島キャンプ期間中に日本代表チームの「さくらジャパン」も合流し、オーストラリアチームと練習や練習試合を実施することも決定しています。何点かポイントを説明しますので、お手元の資料を御覧ください。
キャンプは、本年8月7日から21日までの15日間です。安佐北区安佐町のコカ・コーラウエストレッドスパークスホッケースタジアムを練習拠点として実施されます。
キャンプの期間中は、県・市ホッケー協会、そしてコカ・コーラウエストレッドスパークスと協力して、快適なキャンプ環境の提供に努めるとともに、様々な歓迎イベントや市民との交流イベントも企画したいと思います。
交流イベントでは、市民がキャンプ中の練習や練習試合を自由に見学できるようにして、原則として会場を無料開放する予定で、小中学生向けのホッケー教室などが実施できるよう調整しています。私自身も期間中にキャンプを訪問して、オーストラリアチームとさくらジャパンの練習試合を観戦したいと考えています。
説明は以上ですが、今回のオーストラリアチームの合宿受入れを契機として、東京オリンピック・パラリンピックに向けた五輪の気運であるとか、市民のスポーツに対する関心を高めるとともに、トップアスリートの合宿を受け入れるノウハウの蓄積もできると思います。引き続き、来年以降も本市での合宿が行われるように対応していきたいと考えています。
また、市民が世界のトップアスリートと身近に接する機会を持つこと、そしてスポーツの振興に役立つことと、さらには青少年の健全育成や地域の活性化、合宿を見に来る観光客も増えるようなことも考えられます。そういう意味では、いわば一石三鳥の効果もあるのではないかと期待していますので、是非とも報道機関の皆様にも御協力をお願いしたいと思います。
ちなみに、ここに(オーストラリア女子ホッケーチームの)写真がありますので、(オーストラリア女子ホッケーチームの写真を掲げながら)どうか、よろしくお願いします。以上です。
記者
今回の広島キャンプ、来月の開催決定ということで、改めて今回、事前合宿についての招致を目指しているチームが、このような形でキャンプを行うことの市にとっての位置付けは、どのように捉えていらっしゃるのかということと、市長も先ほど、見学などに行くとおっしゃっていらっしゃいましたが、どのような働き掛けを市長からも直接、行っていきたいか伺いたいです。
市長
位置付けといいますか、元々、いろいろな意味で「スポーツ王国広島」を目指そうではないかということを基調にしています。そういった中で、本当に王国を築くためには、トップアスリートがこの地域から出ていくことが象徴的にはなるのですが、それ以前に「裾野を広げる」、つまり多くの市民が、いろいろなスポーツに親しんで、そしてそういった環境の中から優れた選手が出てくるという、いわゆる自然発生的な地域になることが望ましいわけです。そういったことをごく自然に促すためにも、こういった機会を捉えて世界一流の選手が来て、「どんな展開をするのだろう」とか「どんな技を持っているのだろう」ということを間近に見る中で、ひょっとすれば、小さなお子たちが「自分だってこんなことができるのではないか」という思いを持つ。そして観戦することで、スポーツそのものの面白さや楽しさを実感する中で、本当に心から自然にこういったものに親しむ環境ができるのです。それで、こういった取組をいろいろな形でいろいろな種類のスポーツに関してできればと思います。時あたかも、2020年の(東京)オリンピック・パラリンピックに絡めて全国的に展開していますから、そんな中でも、手本となりますか、そういった対応を我が広島でできればという取組の中で、こういった御縁ができたと思います。
直接のきっかけは、コカ・コーラウエストレッドスパークスの監督が、オーストラリア人の監督だったということもあったのでしょう。そういった関係で、比較的この誘致交渉がうまくいったわけです。こういった御縁を機会に、先ほども言いましたように、私も試合などを見に行く中で、一層、関係者との親近感を深めて、「これなら広島に行って、いろいろなことをやると自分たちも居心地が良いし、良い練習ができる」と。環境も優れているということを実感していただくことで、向こうから「広島に行ってみたいな」という思いをしていただける対応ができればなと思います。
記者
追加で確認なのですが、事前合宿(の決定)についてはまだですか。
市長
これも、これからという意味では、事前合宿もこれを機会に、来年以降も働き掛けていくことで、「良かったでしょ」と「オリンピックの事前合宿、やってもらえませんか」ということを申し込んでいこうかと思います。
記者
ホストタウンの申請の方は、どのように進んでいますか。
市長
着実に進んでいます。
スポーツ振興課長
(オリンピックの事前合宿)前提のキャンプではございません。
記者
着実にということですね。
市長
着実にやっているはずです。
市政記者クラブからの代表質問
平和記念式典について
記者
記者クラブを代表して、何点か質問させていただきます。まず平和記念式典について、何点かお尋ねします。
米国大統領がトランプ大統領に代わりましたが、今年の平和記念式典への米国からの参列状況をお聞かせください。
また米国大使の出席に対する期待感をお聞かせください。さらにもう一点、平和記念式典に用意する外国人向けの席について、今年は募集開始数日で席が満席となるなど、式典に対する海外からの関心が高まっていると思います。その点について市長の受止めをお聞かせください。
市長
平和記念式典の各国の出席状況ですが、今のところは82か国と欧州連合代表部ということで、去年に続いて相当多くなる状況だと見込んでいます。
そんな中で米国政府の状況を見てみますと、平成22年以降に式典に参列していただいていまして、(平成)22年から24年、25年に、ジョン・ルース大使が式典に参加されました。
それから、(平成)26年、27年はキャロライン・ケネディ大使が参加されることがありました。そして昨年は現職の(オバマ前)大統領が被爆地訪問されました。
そんな流れがある中で、米国大使、ウィリアム・(F)・ハガティ氏ですが、上院でしかも本会議で承認されたという情報は得ていますが、着任の時期がまだだと、正確には知らされていなくて、今年も参加していただこうと期待しているところで、要請しています。そういう意味では、引き続き大使に来ていただいて、被爆者の思い、あるいは核兵器の非人道性についての理解を深めていただく有効な機会にしてもらいたいと思います。
外国人向けの参列者席の用意に関してですが、昨年と同じ数、500席を用意していましたが、昨年はそれが埋まるまでは1か月ぐらいの期間が掛かったのですが、今回は異例で4日間で一気に席が埋まりました。
そういう意味では、平和記念式典に対する諸外国の関心の高さは違ってきているのではないかという受止めをしています。
原因を少し考えると間違いなく、昨年の5月にオバマ(前)大統領がこの地に来て、演説をされたという事実があるということ、その中身も当然この平和記念式典に影響するような中身であり、もう一つは(平成29年)7月7日に採択されました「核兵器禁止条約」といったこともあります。ある意味では、国際社会において現下の不透明な国際情勢の中で、こういった問題がクローズアップされているということを背景に、広島への関心が高まっているのではないかと受け止めており、そういった中での平和記念式典の開催ですから、この意義といいますか、多くの方に受け止めていただいて、被爆の実相を知って、そして核兵器があるべきものではないということ、さらにはそれをなくしていくために、平和への思いを実現するためにどう取り組むかといった思いを共有していただく機会になればと思います。
記者
最初の質問に関してなのですが、数ある国の中でも、特にアメリカの大使が来られるということについて、アメリカは核保有国でもあり、超大国でもありますが、出席されることへの意義といいますか、その辺りの市長のお考えをお聞かせください。
市長
核保有国といえば、アメリカ、ロシア、中国、イギリス、フランスとありまして、それぞれ保有国の大使館、関係者に出席いただくようにお願いして、出てきていただいています。中国は出てきませんが、それを除けば出てきていただいていまして、そういった中で、とりわけ核兵器禁止条約交渉会議を通じての保有国の現在におけるスタンスを多くの方々が認識するところになったわけですが、私自身、どの国の為政者であってもそれぞれの国の、国民の安全保障のために、戦争状態にならないことを願っているはずですし、そして平和を希求するために各国のそれぞれの国内政策、外交政策を展開しているということは間違いないと信じているわけです。そうした中で、理想として平和を確立するために、核兵器がない世界を理想としない方はいないと信じています。問題等は、現にそういった理想がある中で、現実に核兵器を持っている国が、そうは言いながらも、核兵器を持っていることが現実における平和を自分たちの、とりわけ自分たちの国民の安全を維持していると、あるいは自分たちと仲良くしている国の安全を維持しているのだと信じていることです。そのことについてもう少し深く考察をしていただくことをこれからちゃんとやってもらいたいと。そうするならば、その核兵器に対する、いわゆる依頼心と言いますか抑止力、そういったものに頼るということはどれくらい無意味なものかということを分かっていただけるのではないかと。そのための第一歩として、核兵器を使用したときにどういった惨状が出てくるか、単に一部の方々が亡くなっていくということではなくて、多くの無辜の市民を巻き込んでしまうし、今、広島、長崎に落ちた当時の核兵器の威力から考えてみれば、何千倍もの破壊力を持っている現状ですから、地球全体、ある意味では人類全体を滅ぼしかねない、そういったものを使用することそのものができない状況になっているはずですから、使えない兵器に依拠するということについての問題をもっともっと深く考えていただく、そうすることで事態をもう少し核兵器のない世界、平和な世界に向かうということにしていきたいのです。そういったきっかけを作る重要な機会ですから、核兵器を持っている国の為政者の意思決定に重要な意見を持っている方々に是非来ていただいて、どれだけ被爆者を含めて多くの方々が、核のない世界を願っているかということを実感していただく、そして、その悲惨な状況を直接知っていただくということをやることで、この環境を変えていく重要なきっかけになると。そういう意味では、とりわけ核兵器を持っている国々の為政者の方に是非来ていただくということを願っています。
記者
アメリカの大使が来るということは、世界に対する影響も大きいと思います。
市長
今申し上げた中で、核兵器を持っている国の核兵器の、いわゆる分布度合いと言いますか、今1万5,000発ぐらいあると言われていますが、そのうちの9割をアメリカとロシアが持っているのです。両方とも7,000発以上の核弾頭を持っているそうです。そうすると世界の1万5,000発の核弾頭のうち1万4,000(発)以上、両国が持っているのです。その持っている国がこういったことについて深く考察して、考え方を変えていくようなメッセージをもし発信できれば、2桁、3桁しか持っていない小さな国も考えを改める動機付けになるのではないかと思います。そういう意味で、アメリカ、ロシアが、現実の問題と言いながら、理想に向けての一歩を踏み出してくれる契機になれば、とても影響力は大きい、重要なことだと思います。
記者
平成22年に来た当時はオバマ政権で、ルース大使を初めて派遣されました。ただ、一方では、現時点でトランプ大統領は核戦力の強化も言及をしています。そういった中で、やはり、なかなか来るのが難しいのではないかという個人的な思いもあるのですが、来られないことへの懸念はありますか。
市長
懸念というか、客観的な状況分析とすれば、今言われたような状況かも分かりません。ですが、現状をしっかりと踏まえながら、広島の思いは、戦後一貫して「『核兵器のない世界』を目指す」という立場です。そうすると、その現状を踏まえながら、次への一歩を踏み出すためにどう対処するかということを考えたときには、今度の大統領はアメリカの国民の多くの意見の中で、もしかすると前の大統領が選ばれたときとは違った意思決定プロセスを重視するという代表者を選んだという民意が反映されているわけですから、その民意を反映すべく大統領が行動するという結果として、今言われたようなことはあるかもしれません。ただ、選挙結果を見ても、いろいろな意味で意見は拮抗していると受け止めています。それは、我々の立場として、平和首長会議を持っていますが、アメリカの各都市の中でもこの平和首長会議に加盟していただいて、熱心に「核兵器のない世界」を目指すことについての賛意を表明し、取り組んでいただいている都市があるわけです。ですから、米国といえども様々な意見がある中で、そういった「核兵器のない世界」を目指すという意思を表明し、そして、それに対して、市民の意を受けて活動している首長さん方もおられます。そういった方々の意見がアメリカの主流になっていくことを願いながら、引き続き広島に来ていただいて、この思いが届くように願い続けるというか、やっていきたいと思います。
記者
その思いというのは、まずは式典への出席ということですか。
市長
出席していただくことで、正に対立ではなく対話といいますか、こういったものを直に見ていただくことで、改めて自分たちの思いに反省をするチャンスもあるかもしれません。そういったことで、こちらの願いというか思いをしっかりと把握していただく、あるいは理解していただく良い機会にすべきじゃないかと思います。
市立小中学校の登校日について
記者
市立小中学校の登校日についてお聞きしたいのですけども、教育委員会の方が8月6日登校日とすることができる対応策がないか、文部科学省と協議を含め再検討に入ったとのことですが、文部科学省との協議や再検討の進捗状況を教えてください。
市長
8月6日、登校日にするというこの案件に関しては、昨年も、実は国と協議をやったということがありまして、その段階では解決策がうまく出てこないということを踏まえまして、措置をむしろ現場の方で何とかできないかということをやっている、この8月6日を迎えるという事態になっているわけですが、さりながら、いろいろな御意見も出てきていますので、それを踏まえて、本市の考え方を改めて整理して、国が今まで言っている見解も踏まえながら、対応策を練りたいと思っているところでして、現在やっているのは教育委員会の中で、まず、本市が8月6日を休日にした歴史的な経緯や趣旨、それをしっかり押さえて、文科省(文部科学省)にも言えるようにするということをやっています。実際問題、この8月6日、これまでも学校の全部が休日にして、皆さん生徒が出ているという状況ではなくて、多くのところは校長先生の判断など、皆さんの御理解の得られるところで、8月6日、登校ということをやってきていたことがありまして、そういった経緯や背景、趣旨、これをまず踏まえると、その上で改正後の解釈なのですが、今までの文科省(文部科学省)の主張というか考え方をもう一遍おさらいしてみますと、「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法」というこの法律に基づいて、教員に対し休日に勤務を命ずることができるのは、政令で定める業務に従事する場合に限るという、限定列挙だという解説が施されていまして、そのときの政令で定める業務というのは、本当に臨時救済の仕事で、それをやらないといろいろな意味で差し障りがある業務に限定されるという、どうも解釈では一過性でということらしいです。そうすると、平和学習というのは、もし今後、今までのことも含めてやるとすると、多くのところが毎年、定期的にやっているわけですから、そういうのを本当にやむを得ない臨時救済のものといえるかという解釈のところと、なかなか意思決定がなかったということで、解決策がないということで、この事態に至っていますので、改めて、この点を本市の主張というか考え方を整理してできたら、解釈というのは本当に我々の扱いができないという解釈なのでしょうかということをもう一遍、協議するということも含めて協議に臨みたいと思います。個別には、様々いろいろな意見も聞いているのですが、それらを集約した上で、しっかりと協議するということをやりたい。そして、来年度の対応を考えると様々な準備がありますから、去年の展開と一緒ですが、恐らく年内には一定の方向性を出して、それに基づく各学校の対応をなども決めていかなければいけませんので、そういう、むしろおしりを切りながら国と協議するということをやらないといけないかなという状況です。
記者
8月6日は市の職員を休日にするという条例があると思いますが、教職員を除くなど、例えばですが、教職員を除くという条例の改正や特例法を設けるなど、そういった対応というのは可能でしょうか。
市長
理念的にはなくはありません。ただ、先生方を市の職員にするということで、県からの権限移譲を受けて、全職員の対応を同等に扱うようにした中で、一般職員も含めて休日扱いしているのに、先生方だけ勤務日ですと、勤務日として生徒さんを学校登校させるという処理は、本当に良いのだろうかという疑問があったりします。どうしても処理することをやるためにやむを得ないということで、いろいろな方の理解が進めば良いでしょうが、問題は、先ほど言いましたように、現行法の解釈として、そういった例外的な休日は、よほど例外的でないと、先生方、そこで給与の支払い対象となる仕事をさせてはなりませんというところを解除していただければ、処理可能な問題ではないかと、そして、今までやっている現状をそのまま受け継げるわけです。条例で処理しようとすると、先ほど申し上げましたように8月6日に登校している学校、多くの学校はそうなのですが、そうではない学校もあったりする中で、改めて、その学校が、どういう対応するかということを全部問い直した上で、多分、一律処理をするということを前提に条例を改正作業しなければいけませんので、そうすると、それ自体にまた時間が掛かるということになれば、この状態がずっと続いたりするということも懸念されます。そういう意味で、条例設定といいますか、条例の手法を排除しないわけではありませんが、今申し上げたように、まずは文科省(文部科学省)との現行の法令解釈での可能性の可否をよく詰めた上で、同時進行でそういったことも余地がないかということも考慮しながら作業するということが現時点における検討の方針と受け止めてもらいたいと思います。
記者
市長御自身は、8月6日を登校日にすることは、重要といいますか、できるならできるようにした方が良いというお考えということで、よろしいでしょうか。
市長
私自身は、少なくとも今まで登校日扱いで運用してきている学校が今までと同じような扱いができるようにするというのが望ましいと思います。
その他の質問
広島豪雨災害犠牲者追悼式について
記者
土砂災害の追悼式を本年で終了も検討しているという報道があったかと思いますが、市長のお考えを聞かせてください。
市長
追悼式に関しては、もう3年になりますので、県市合同でやってきているこの運営の在り方についてもう少し関係する方々の意見を聞きながら、今後の扱いをどうすべきかを内々考えてきているというのが実態です。災害が発生した1年目の(平成)27年の8月20日は国際会議場で、市内の真ん中で開催しました。そして2年目、昨年からは、そうはいっても被害の現場は安佐北区、安佐南区にあるということで、むしろ、遺族や被災者の心情に寄り添った形でやれるのであれば、地域バランスも考えて開催場所をうまく調整しようではないかということで、安佐南区で行いました。そして、順番ということで、今年度は安佐北(区)という運用実態があります。そうした中で、地域ごとに、やはり自分たちの被災の対応やコミュニティを再生するためには、地域自身がもう少しいろいろな所で、そういった追悼式をやった方が良いのではないかということがいろいろな形で顕在化しているという実態がありまして、県市主催の追悼式と開催時間が被ったりするのです。そして、小さな所でそれぞれの地域の方がやったりするとなると、そちらに行っていろいろ追悼した方が、思いが通じるという遺族の御意見があったりした中で、合同で大きく構えてやると、市内中央でやることはもう既になくなって、安佐北区、安佐南区でやるといたしましたので、このやり方でやるのが良いのか、それとも、多くの方が主体的にやられている所を行政が寄り添う形で、そういう追悼行事にそれぞれが手分けして、顔を出して、共に祈りをささげるのが良いかということを少し丁寧に皆さんの意見を聞いて判断しようということを今やっているところです。今後のやり方についてどのようにした方が良いでしょうかということを正に、地元の方、関係者の方に意向を確認することを今やっている最中だと受け止めています。
記者
二点追加で、今お話しいただいたことは、市長が現地の地域住民の慰霊祭に出向いて慰霊式に参加するということで良いのかということと、あと、今検討されているということですが、いつごろまでに結論を出したいとお考えなのか、その二点追加でお願いします。
市長
今年の8月20日は、そういう意味では今度、安佐北区でやりますから、来年の8月20日に向けて準備が必要な期間を見込んで、それまでに方向性を出さなければならないと思います。一日二日を争うものではないと思いますが、年内か年度内には皆さんの御意向を受け止めて、どういう体制にするかは決めたいと思います。
核兵器禁止条約の採択について
記者
先般、核兵器禁止条約が採択されたときにもお伺いはしたのですが、記者会見といいますか、ぶら下がり(取材)の中で、核保有国、日本政府を含む核の傘の下にある国々と(核兵器禁止)条約(交渉)会議の参加国との間の溝はまだある中で、広島がその条約の価値観を共有して、条約を実現していく目標に向けて、広島がそうした動きを推進していく拠点となるような都市にしたいとおっしゃっていましたが、何か具体的な道筋というか、平和首長会議をさらに発展的に進めていくのかなど、そういった今後のお考えがあればお話しいただけますか。
市長
大きな枠組みとしては、市長になってから言っていますけども、いろいろなことを考えていますが、「迎える平和」というコンセプトで平和問題に取り組もうとしています。それは、何で「迎える」という言葉を使ったかと言うと、多くの方を広島に迎えて、広島で平和について考えていただく。その考える論拠は、被爆の実相を自分で見て、そして確かにこういう事態はあってはならないと。自分の日々の生活の中で、その思いを生かしながら、これから日々を送っていこうという方を増やしていく。そしてその中に、とりわけ為政者という政治決定できる方がいれば、日々の政策決定の中でその思いを高めていただいて、「核兵器のない世界」に通ずる施策を講じていただく。実際そうは言いながらも、核を持っている国があり、その国を前提としての様々な外交戦略、軍事展開が起こっていますから、ある日突然、皆で事態が急変するということは、通常なかなか考えられないと。しかしながら、申し上げた目標を達成していくためには、時間を要するかもしれないが、そういった思いを持つ方をまず増やしていくことをしっかりやるということが、いずれその目標に近づく、遠いかもしれないが確実に進む。こういう思いでやっています。そうした中で、具体的なツールをどうするかという点に関しては、平和首長会議というものを持っていますので、これは国境を越えて、つまり都市というものが軍事力などというものを持つという機能を認めてない。世界的にもそうですが、そういう人々の集団であり、市民の安全や平和、安全安心を確保するということは、どの地域に行っても、国境を越えても都市の使命ですから。その視点の共通基盤があるはずなので、この世界情勢の中で、この問題について同じようなスタンスをとっていただくと。その加盟都市を増やす。そしてそこの都市の市民も同じように考えているというようにしていただくことをやっていきたいです。とりわけ日本の場合は被爆者がいる、そして被爆都市がある国家ですから、この日本の都市に関しては、100%この点については広島の思いを一任していただくような状況にした中で、被爆国として現在のパワーポリティクスの中で、この思いを実現するための方途を考えていただきたいという位置付けです。そして、現政府も被爆国として核保有国と核を持っていない国の橋渡しはするのだと言われていますので、その橋渡し役としての方向性に関しては、現実問題いろいろなことがあるということは重々承知していますが、「核兵器のない世界」に向けての対応をするための方法を考えていただきたい。ここまでは、実際は問題ないと思います。ただ、次のステージで「核兵器のない世界」を目指すという中で、我が国、あるいは多くの核兵器を持っている国も一律に言えることは、既にNPT体制、核不拡散条約を締約しており、まずは持っている核兵器を減らしていくこと、そしてこれ以上増やさないという義務を負っている。それを履行する中で着実にしようと言っておられる。ここからがちょっと違うのですが、義務を持っていることを自覚し、やらなければいけないと言っているのであれば、核兵器を持っていない国が言っているようにそれをもっと目に見える形でどんどんやってもらいたいという状況なわけですが、それがうまく進んでおらず大変なのですよということを言っておられる。そして、それを加速するためにということで、核兵器禁止条約ができたという基本認識です。ですから、今の取組を加速させるための位置付けで、我々は、お願いしてきたし、そういった条文になっていると受け止めていますが、しかし、一部の「そうでない」と判断される方もいて、核兵器を持っている国、持ってない国の対立が深まっているという評価もされるという現実があります。私は、それは対立ではなくて、「核兵器のない世界」に向けてのプロセスの中で、進捗状況のサインだと思います。ですから、核軍縮・不拡散ということをうんと極めていけば、廃絶に向けての最終ステージといいますか、それをより有効性のあるものにするためには、核兵器禁止という考え方は当然、通過すべき点であり、その通過点を今回、国際社会が示したわけですから、それらを市民社会、我々市民一人一人、国民一人一人がそのことを良く理解して、そういった方向に向けていく世界情勢といいますか、市民社会を作っていく。それがこれからの広島のミッション、使命ではないかと思います。
現職市議会議員の書類送検について
記者
先日、広島市議会の熊本市議が詐欺容疑で書類送検されました。熊本市議は市長が立候補当時から支える立場にあったと思いますが、今回の書類送検について、市長の受止めを聞かせてください。
市長
この事案そのものは、政務調査費の適正な使用ではないという問題だという受止めをしていまして、政務調査費そのものは市民の税金を原資として使っているものですから、市民の信頼を損なうような運用がされるべきではないということは明白なことです。そして、この(政務)調査費の使い方については、市議会の中で自主的な使い方ということも重視するということを加味して、少なくとも市議会では政務活動費の透明性を高めるということで、全領収書のホームページ公開といった取組をされていまして、様々な議論をされる中で、取扱いを検討されているということと思います。その取扱いの現状の中で発生した事案ですから、これについての司法当局の判断がどうなるかということは、しっかり状況を注視していきたいと思いまして、私自身、現段階でのこれについてのコメントは言える状況ではないと思います。あと、熊本氏個人についての、今言われた市長になったときからの支援というのは、市議会の中で、熊本氏に限らず、ずっと一貫して私を支援するということを言っていただいている市議会議員は、相当数おられますから、その点に関しては、そういった市政を推進する上での協力、引き続きありがたく受け止めていきたいと思いますし、これは熊本氏以外の市議の方々に対しても同じ思いです。しかしながら、今申し上げた市民の信頼を損なうようなことをやるということについては、その支援していただくということと別問題です。それはきっちりとしていただくということが重要だという基本認識でいます。
記者
確認ですが、過去には政務調査費を巡って、監査委員から不適切な事例が指摘されて、市長に返還させるようにということもあったと思うのですが、今回、市長としてその返還を求めるという事態にはまだ。
市長
至ってないんじゃないかと。事実解明をしている状況で、多分事実は一つだと思うのですが、その評価について、そういった事実はないという実証と疑いがあるということで司法当局での調査は進んでいるという状況だと思います。その結果を踏まえての今後の対応かと思います。
※( )は注釈を加えたものです。