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ページ番号:0000013101更新日:2019年10月21日更新印刷ページ表示

2017年05月12日記者会見「2020年NPT再検討会議第1回準備委員会への出席等について(帰国報告)外2件」

動画は下記からご覧ください。

(「広島市動画チャンネル(市長記者会見)」のページへジャンプします)<外部リンク>

市からの発表案件

【2020年NPT再検討会議第1回準備委員会への出席等について(帰国報告)】

市政記者クラブからの代表質問

  • 【オバマ前大統領の広島訪問から一年を迎えるに当たって】
  • 【広島駅の橋上化への期待と今後の駅周辺のまちづくりについて】

<会見録>

市からの発表案件

2020年NPT再検討会議第1回準備委員会への出席等について(帰国報告)

市長

 それでは2020年のNPT再検討会議第1回準備委員会への出席等についての報告をします。この度2020年NPT再検討会議第1回準備委員会への出席等を目的といたしまして、5月4日から5月9日までの6日間の日程でオーストリア・ウィーン市を訪問いたしました。その際のポイントを話したいと思いますが詳細は配布資料にありますので、後ほど御覧いただければと思います。

今回の準備委員会では5月3日のNGOセッションで私のスピーチを広島平和文化センターの小溝理事長に代読してもらっています。そして、同委員会のファンデルクワスト議長を始め、国連の中満軍縮担当上級代表など、短い滞在期間の中で核軍縮に関わる多くの国連、あるいは各国政府関係者等に会うことが叶いました。その方々と意見交換する中で被爆者の切なる願いである核なき世界、これを実現するために核保有国も核抑止に頼らない安全保障の構築に向けて努力し、そして核軍縮が実質的に進むようにリーダーシップを発揮してほしいと訴えました。

中満軍縮担当上級代表には8月に長崎で開催される平和首長会議総会の基調演説をグテレス事務総長に頼んでもらえないかという書簡を手渡し、しっかり前向きに検討をしたいという回答を得たところです。今年、国連の主導で開催されている核兵器禁止条約の制定交渉会議は、現時点では今後6・7月の会議でどのような進行になるか分かっていない部分がたくさんありますが、国連のトップが被爆地を訪問してくださることは、被爆への理解を深めていただける大きなチャンスであり、被爆者にとって大変喜ばしいことであるとともに、核のない世界に向けて市民社会の立場で活動している我が平和首長会議と国連との今後の連携強化につながっていくものではないかと考えています。

また北野在ウィーン代表部大使と高見澤軍縮大使等、日本の政府関係者との昼食会に田上長崎市長と一緒に出席しました。今年の核兵器禁止条約の制定交渉会議や今回の準備委員会が開催されている中で、日本政府は人類初の被爆国として、また、被爆者の思いをしっかり受け止めて、核保有国に対しても核兵器廃絶に向けて積極的な案を提示してほしいと伝えました。日本政府関係者の皆さんからは、岸田外務大臣が今回の準備委員会でのステートメントで語ったように、日本政府は唯一の戦争被爆国として、核兵器廃絶に向けて軍縮を進めるべく被爆の実相についての認識を今後も高めていく努力をしたいとの回答がありました。

私としては、今後とも核保有国と非核保有国との橋渡し役としてしっかりと対応してもらいたいという思いを強くしたところです。

 今回の準備委員会にあわせて開催いたしました平和首長会議役員都市意見交換会、これにはヨーロッパを中心に8都市が集まってくれました。核兵器廃絶に向けた各国の対応や、各地域の特性を反映した取組について活発な意見交換がありました。議論を通じて、世界の緊張状態が続く、あるいはそれが増していく中で、世界恒久平和の実現を目指していくためには、核兵器の廃絶、これも当然重要なことですが、それにとどまることなく加盟都市がそれぞれ直面している課題、例えばテロや、難民問題等、地域ごとに関心ある課題への取組も重要であると再確認しました。そこで、これまで以上にリーダー都市を中心とした地域ごとの取組を充実・強化していくことに関して、8月の総会で議論を深めようということになりました。世界162の国と地域で、それぞれの実状に応じた活動を展開していく平和首長会議の強みというものを再認識する絶好の機会となったと考えています。

 また、今回の準備委員会には高校生8名を派遣しました。高校生たちは滞在期間中に、同委員会の傍聴や、国連機関の見学、さらに国連職員や地元の青少年との交流を通して様々なことを学んだのではないかと思います。そして、ファンデルクワスト議長への市民署名の手交、そしてユースフォーラムの場においては、核兵器廃絶に向けての思いをしっかりと訴えました。次代を担う青少年の力強いメッセージを聞いて大変心強く感じると同時に、被爆者の思いを確実に継承するために、青少年の育成を地球規模で進めていくことの重要性があると、その重要性についての再認識をし、より一層力を入れていかなければならないと思いました。

 今回の出張では、多くの国連、各国政府関係者に核兵器のない世界の実現を願う被爆者の思いを伝えることができたと思います。今後、6・7月に開催される第2回核兵器禁止条約の制定交渉会議でも、今回のNPT再検討会議第1回準備委員会での成果を見据えながら、引き続き、被爆の実相を踏まえた世界恒久平和を願うヒロシマの思いを伝えていきたいと思います。それと同時に、8月に長崎市で開催される第9回平和首長会議総会においては、幅広い市民社会のパートナーと協議し、核兵器に依存しない安全保障への環境づくりについての議論を進めたいと考えているところです。今後とも様々な機会を捉えて、世界の為政者の核兵器廃絶に向けた取組を促すよう最大限に後押しをしていきたいと考えています。以上です。

記者

 二つお伺いします。準備委員会全体でいろいろな立場の方がいろいろな発言をされたと思いますが、御自身で見られたものと、報道等で把握されたものもあると思いますが、全体の印象として、今の核保有国と非保有国の間の溝っていうものが言われていますが、それを改めて、どう感じられたのかというその現状認識の部分と、もう一つが今回、岸田外務大臣が出席されて発言されましたが、その内容について、先程も少し触れられていましたけども、もう少し、そういう日本政府の外務大臣が出席してあのような発言をしたということについて、どう思われているかというところをお願いします。

市長

 前者の方は、会議進行をこのファンデルクワスト議長がされているのですが、通常のこういう国際会議ですと議事日程といいますか、手続き規程をどうするかということをしっかりと最初に議論して、それから中身に入っていくというのを通常やりまして、その際、その議事手続きに1日、2日くらい掛けて議論するのは、今のところ私も経験していますけども、国際会議の常識みたいなものなのです。ところが、これが1日も掛からなかったです。議長主導で議事日程や手続き規程をポンポンっと決めて、直ちに中身の議論に入るということをされたという状況が一つあるということ。それから各国大使と話していて、2015年のNPT再検討会議での成果がまとまらなかったということに関して反省といいますか、2020年は成功させないといけないという雰囲気がすごくありまして、必ずNPT(再検討会議)に関して一定の成果を出さないといけないのではないかという受止めであったと思います。オープンの場での議論は、それぞれしていますけども、個別の話し合いの中では、今回は成果を出さないといけないのではないかという意気込みが感じられる会合でした。いずれにしても、今回1回目ですから、あと2回、3回とやって、2020年につないでいく状況の中で、打ち出しはまずまず、いわば良い方向に向いているのではないかという受止めです。その中で日本政府の対応ですが、今までにない、いわゆる閣僚級の、正に閣僚が出て、しかも日本政府が出て発言するということは今までに前例のないことだということで、各国、各大使等の受止めも、非常に異例の話なので、逆に、私にどう思うかと聞かれたりもしたのですけども、私自身は多分、国内のこの状況なども考えながら、かつ、橋渡しをするということに関して、まずもって現行のNPT体制について、成果を出すということをしっかりやらないと次につながらないという思いがあって、それをしっかり実現してくれと、そういう思いを持って、大臣自らがスピーチをされたのではないかというコメントを加えたりする中で、そうだろうなと、そういうことかと、そういうふうなことを外国の大使の方からも聞きましたので、そういった評価で間違いはないのではないかと思います。

記者

 日程の中で、アメリカの軍縮大使とお会いになっている場面があるのですが、もう少し具体的にどういうやり取りをして、向こうからどういう反応があったか、アメリカは一番の核保有国ではあると思うのですが、そこをもう少し具体的に教えてください。

市長

 これは、会議場での立ち話でありましたので、がっぷり四つで議論するというような雰囲気ではなかったのですが、お会いして、「被爆者の思いを実現するという立場から来ています」と。そして是非、この会議においては核軍縮という成果を出していただくことが、核兵器のない世界に向けての実現に極めて重要だと思っているし、是非やってもらいたいという立場でお話しをいたしまして、それ自身は向こうも理解しているのでしょう。やらなければいけないという認識は持っておられるような対応でした。その他、実はイギリスの大使にもお会いしたのですが、イギリスの方の大使は、「写真を撮ってくれるな」と、「あまり気軽に会えない立場なのだ」ということもありまして、言うべきことは言いましたが。だから、いろいろな力関係から考えて、アメリカが一番この問題について主導権を持っていて、核軍縮という宿題をしなくてはいけないということは、すごく理解をしていると。しかし、そうは言ったとしても、非核保有国がいろいろな取扱いをリードする中で物事が取り決められるのは困るという認識ではないかと思うのです。それをイギリスの方も国として了知して、こちらの被爆者の思いなどを伝える場面を安易にセットしないようにというのが、イギリス本国の立場かなと思いました。アメリカの方は本家本元ですから、私が会いに行っても会えないという頑なな対応ではなくて、話は聞くよという中でのやり取りをしてきました。

記者

 核兵器禁止条約とかその辺りの話までされましたか。

市長

 核兵器禁止条約については、「ニューヨークの方でまた伺って、この立場で主張させてもらいますよ」ということは言っておきました。そこで議論する状況ではないものですから、我々の立場としてということを説明しておきました。

記者

 先ほどの答えの中で、2020年のNPT(再検討会議)を成功させねばという雰囲気を感じたとおっしゃっておりましたが、これは具体的に誰かの発言であるとか、何か言動であるとか、具体的に感じる場面があったのでしょうか。

市長

 具体的なやり取りよりも雰囲気、先ほど言ったように、議長の議事進行そのものが相当積極的であって、成果を出さなければいけないということがあり、その後、それに類似のやり取りをやったのですが、特に比較的そういう話をフランクに聞けたのは、この資料にありますけども、ローラ・ロックウッドさんやアンゲラ・ケインさんと、お話したときです。もともとアンゲラ・ケインさんは、中満さん(国連事務次長兼軍縮担当上級代表)の2代前の国連(軍縮担当)上級代表なのです。やや、その荷や立場を離れたのでしょうか、今までと違うというようなことを言われて、確かに受止めは、そういうことかなと。皆さんそういった中で外交交渉をしっかり展開しているという受止め方という印象です。

記者

 この間の例えば北朝鮮の核ミサイル問題であるとか、核兵器廃絶に向けた環境は厳しさを増しているという認識があると思いますが、それを今回のNPT再検討会議の(第1回)準備委員会の中で行かれたときに何か感じるようなことは実際にありましたでしょうか。

市長

 これも直接的な表現の中では、北朝鮮の今の正にNPT第6条違反の事態を阻止することこそ重要だと、こういう文脈でのお話をしましたし、オフィシャルには、そういったしゃべり方なのですが、ただ問題は北朝鮮に関してはもともとNPT体制の中にいて、そして出ていって、今、外側から仕掛けをしているということです。だからこそ、NPT体制がこの20年間ぐらい動いてないという、その事実です。しかも、2015年にうまくいってないといったことが、その事態を悪化させる側の、ある意味では、エクスキューズとか言い訳になっていますから、その状況を打破するということをとにかくやらないと、いろいろな形での北朝鮮に対する注文の付け方がうまくいかないという認識は別にあると感じました。だから、一定の成果を必ず出すということをやらないと、今の状況の中では、長期的な目線で見ての物事の解決がなかなかうまくいかないという状況にも見て取れました。

記者

 出発する前に会見で、6月7月にかけての核兵器禁止条約の交渉会議に参加するように働き掛けもできればという話もあったと思いますが、そういったところでの具体的なやり取りが今回の中であったかどうかと、もしあればどのような反応だったかというところも伺えますでしょうか。

市長

 私自身は相手と話すときに、別に政府の代表機関でもありませんし、市長の立場で、あるいはNGO(非政府組織)というか、政府関係と違う立場で話をしているということで行ったわけです。ではどういう立場かというと、正に「被爆者の思いを届けるべくこういったことを話しているのですよ」ということを、しっかりと皆さんに「そうか」ということで聞いていただいて、広島の市長ですということで聞いていただきました。その流れの中で、まず北朝鮮問題に見られるように、核拡散の危うい状況があるという中で、それを当面抑えるためには核抑止力を効かせて北朝鮮の核開発を止めさせると。「そうだな、力には力だな」と、「目には目、歯には歯だな」というような受止めがいろいろなところで勢いを増しているのではないかというふうに感じられますが、それは少なくとも今の事態を解消するための合理化をすることにはなると思います。つまり、当面北朝鮮が多用するやり方について修正を求めるときの、ある意味で一時的な処理というものについてみんなが納得いくような説明にはなると思いますが、核抑止力に頼って物事を解決するということが根本的な解決を遠ざけるということを分かっていただきたい、それが被爆者の思いですと申し上げています。というのは、被爆者の立場から申し上げると、今世界中どこでも誰でもが、核爆発の危機に直面しているという現実があります。意図するとしないとに関わらず、ミス操作によっても核爆発が起こるという危険がある中で、その状況があればあるほど、被爆者の立場からすると「自分たちのような思いを、他の誰にもさせてはならない」と。そのためには、その核兵器があることが原因なのだから、今こそそれをなくすための努力をやってもらわなければならない。一過性の核不拡散のための処方箋としての理屈を超えて、より根源的な考え方を分かってもらいたい。為政者にそれを十分分かっていただくためには、我々も頑張っていますが、「市民社会」を構成するお一人お一人が被爆者と同じような現状認識を持ち、そして思いを共有する、共通認識を持っていただきたい。その立場からこんなことを言っているのですよと申し上げる。そして、今回のNPT再検討会議は、正に今約束している第6条の義務、核軍縮、核不拡散ということ、核兵器を持っている国が一歩でも実現に向けて動く。その動きをした上で、その次のステップとして核兵器の禁止条約というものを考えてもらいたい。核兵器禁止条約は作るということが完成形ではなくて、作り上げてその条約なるものが開かれていること、つまり最終的には国際条約ですから、核兵器を持っている国がそれに入ってきて批准しないと義務が課せません。だから非核保有国だけが作って突きつけて、核兵器を持っている国を辱めに遭わせて脅しながらやるというのではなくて、オープンで取り込めるようにする。あるいは核兵器をなくしていくということを、確実に検証する装置も必要だと思いますし、逆戻りさせない。その核兵器の保有状況の透明度を高めるといった総合的なものを取り込めるような条約作りがあれば良いと思います。そういったことを込めて、実効性のある条約を作っていただくようにする。そのためにもNPT再検討会議で今の条約の義務を関係者が履行するということがまず重要です、ということを言いながら禁止条約との関係を説明していきたいと思います。

市政記者クラブからの代表質問

オバマ前大統領の広島訪問から一年を迎えるに当たって

記者

 オバマ前大統領の広島訪問から1年が経とうとしていますが、その後の核兵器を巡る問題の進捗の状況や、最近の国際情勢を踏まえ、改めてオバマ前大統領の被爆地訪問の意義をどう捉えているかお伺いします。また、核兵器の廃絶に向け、今後市としてどのように取り組んでいくお考えかお聞かせください。

市長

 1年前のオバマ前大統領の広島訪問は、いわば被爆の実相に直接触れていただいた上でスピーチがありました。核兵器のない世界を追求する勇気を持つ必要性を言っていただいた点を評価したいと思います。色々な意味で勇気を持ってやっていかないと、この問題は解決しない重大問題であるということが、一つ明確になりました。と、同時にやはりスピーチの中で、この訪問によって、広島が道徳心の目覚めの地であるという発言もありましたし、そういったことを踏まえながら、多分、多くの方がこのスピーチによって「核兵器廃絶に向けたメッセージを発信するにふさわしい地」、広島はそういう所だという受止めが、世界中に広がったのではないかと私は思います。そういう意味で多くの外国人の方も「道徳心の目覚める地とはどのようなものだ」と、あるいは「平和に向けて強く発信できる都市を見てみたいな」ということで多く来ていただいているのではないかと受け止めています。さりながら、世界の情勢を見てまいりますと、ある意味では保守的、排他的という整理ができるような考え方が広がっている局面がありまして、これは国という単位を色々な物事の解決単位にしながら、主権国家同士が軍事力を背景に政治・経済の分野で自らの国益・利益保持を主眼において、お互いに牽制し合う状況が顕在化しているように思います。この牽制し合う関係が核兵器を持っていることで、間違ってボタンを押す等のミス操作につながりかねない、そういう非常に危うい状態になっていると思います。

 そして、3月から始まった核兵器禁止条約の制定交渉会議、ここではそういった中で核兵器を持っている国を中心に、今ある自分たちの利益というものを保持することを優先したいというような背景があるのでしょう。会議参加を拒否して「やれるものならやってみてくれ」と。国際条約は皆が出て批准しないと効果がないのですが、(核保有国は)非核保有国だけでやってしまうとかえって混乱させるのではないかというような情報を流していると思いますし、逆に非核保有国が一生懸命やっていますが、こういった理想的な優れた条約を作ることでそれに乗ってこない核保有国を恥ずかしい目に遭わせるようにして、世論を使って核保有国を取り込むぐらいの条約作りをやろうではないかということを言っています。正にお互いが、片方は軍事力パワー、片方は道徳論というものを使って抑止をさせながら緊張関係を作っていると受け止めるわけです。そういった中で、この平和首長会議、広島の立場は、もう一回言いますが、誰もが核が爆発すると被害者になり得るという状態があるということを踏まえたならば、理想とする世界、つまり核兵器のない世界に向けた取組こそ本当にやらなければいけないのであって、一過性の問題を片付けるための議論が横行するということ自体どうなのでしょうか、ということです。そして、今ある事態が後退することのないように、もう一回被爆者の思いや平和の願いを市民社会全体の共通の価値観にしていくことで、息の長い対応をするためのスタートを本当にしっかりしなければいけないと思います。その上で、現実的かつ実践的な対応、つまり(核兵器を)持っている国・持っていない国が理論的に、机上の空論ですから、脅し合うという理論をやりながら、お互いの作業に協力しないという状況を加速させることのない、核のない世界に向けて、実践的・現実的な対応には何をやっていけば良いかということを皆で考え進めていくことが極めて重要になっています。そのために今ある条約、NPT第6条、皆が核軍縮・核不拡散をやりましょう、ということをまず、隗より始めよで示してもらいたいという思いでいます。本市として今申し上げたように、「被爆者の思い」、「平和への願い」、これを改めて市民社会における共通の価値観とすべく何をするか。平和首長会議という組織が出来上がっていますので、その活動を充実し、また強化していくということをいろいろな面で取り組んでいかなければいけないと思います。そして、そうしたことが、世界の為政者に核兵器廃絶に向けての政治的リーダーシップを発揮する環境を整えていく後ろ盾になるのではないかとも思います。これも今言ったウィーンでいろいろな方と話す中で、政府間でのやり取りをするベースとして、やっぱり市民社会でしっかりしたそういう機運を醸成するということが極めて重要なのだと。そういう意味では、7,000を超える都市を抱えている平和首長会議は意味があるということも言っていただきました。正にそれをやっていくべき時点かなと。その中で例えば、こういった視点に立ってこれからやるべきは、著名人、平和についてのメッセージについて発信力のある方、文化・芸術・スポーツでも良いです、世界中のそのような方々と連携してみるのはどうか。あるいは、社会活動などを支援する財団などがあります。オバマ財団もそうでしょう。そのような資産家であって、社会を良くしようということに協力する意図があるような組織と連携を取って、今申し上げた市民社会として持つべき共通の価値観を共に広げていくという作業が連携できないかと思います。それを今からでも模索していきたいという思いでいるのが一つです。

 それから、もう一つは、国内の方でそういった外での平和活動の平和首長会議の対応を考えながら、もう一回足元を固めることも同時に、即ち、平和記念資料館入館者数が前年に比べて今年大きく伸びました。過去最多の173万人ですが、これは入館した方の数、もちろんそのことが重要ではないわけではないのですが、私自身は多くの方々にこの被爆の実相を見ていただいていると、見た上で理解していただいているというところまで行くのが、とても重要だと思うのです。この多くの方々の中に当然、核保有国を始めとする世界の為政者が入っている。そして、被爆の実相を直接受け止めてもらえるということですので、この活動もしっかりやっていく。つまり、迎える平和ということをこの地でしっかりやることも、改めて、やらなければいけない仕事として確認いたしました。いずれにしても、核兵器廃絶に向けた我が市の取組としては、繰り返しになりますが、被爆者の思いが市民社会における共通の価値観となるようにすること。そしてそれが、世界の為政者を動かすようなものになることを目指すことではないかと思うのです。そういった意味で、被爆の実相を「守り、広め、伝える」ことを中心にしながら、平和首長会議の加盟都市と色々な分野で、そして、それのつながりとして先程申し上げましたように、世界中の著名人、世界中の影響力のあるいろいろな組織と様々な分野で連携を強化していくことが極めて重要な局面にあると考えています。以上です。

記者

 核兵器の廃絶に向けてということで、先程から核兵器禁止条約の参加のことを何度かおっしゃったかと思いますが、改めて、どのような日程でどのような活動を市長としてされたいかを聞かせていただきたいと思います。

市長

 ニューヨークでの今度の(核兵器)禁止条約制定(交渉)会議は、事務局の方から報告を受けているのは、6月15日が最初のスピーチをする日程だと聞いています。できたら、そこに出て発言の機会を得られたらと思います。それに出ることができる日程調整ができないかなと、今は考えています。

記者

 その初めてスピーチができる日程というのは、どのような人たちがスピーチをする日程なのでしょうか。それは、参加出席者というかゲストなのか分からないのですが。

市長

 この場合は、NPOなどの団体にそのスピーチの枠を割り当ててもらえるという日になるのではないかと思いますので、できたらその中で最初に言わせてくださいということを事務的にまずやっていきたいと思います。

記者

 オバマ財団に(平和)首長会議の8月の総会に出席要請をしていて、断念にはなりましたが、今後のオバマ(前大統領)との連携についてお聞かせください。

市長

 オバマ財団については、小溝理事長がオバマ財団の方に行き、「8月に(平和首長会議の総会に出席)どうですか」と言ったときにも、これからやっていくべき、次世代を担う青少年を対象に平和についてしっかり学んでもらい、先程申し上げた被爆者の思いを共有してもらうような活動は、その段階で意義があるものだという話もしています。そういった個別具体的な対応について何が協力できるかという話もさせていただきながら、機会があればもう一度広島に、あるいは長崎に(来ていただきたい)。広島は1回来ていただいていますので、今度は長崎に来ていただきたいと申し入れをしましたが、どうも今度の8月は日程調整が合わない、気持ちは分かるが行かないということで、ゲストスピーカーとして、国連の事務総長を呼ぶのはどうかということを考えて、今回は中満さん(国連事務次長兼軍縮担当上級代表)に招待状を渡しました。これからも活動内容は、平和首長会議の思いと一致するところについては、協力関係を作りながら一緒にやりましょうということを言いたいと思います。

記者

 今後の活動として世界中の著名人とコラボ、文化芸術であったりとか、先程おっしゃっていましたが、具体的にこういう関係の人というか、こういうふうにコラボしていきたいとか、そこまで、もし決まっていればお聞かせください。

市長

 模索を始めたいということで、この思いは、実はこの(配布資料の)中にもあるのですが、エルバラダイさんのお宅に伺って、1時間ぐらいいろいろお話しした中で、非常に話が弾みまして、こういった国際会議、いわゆる、政府ベースでの取組をやることは重要なのですが、それだけでは、いわば、抽象的に言うと、卓上の議論に終わってしまうのだと。自分自身ずっと国連でやってきたけど、どれほどの意義があったかと思う。そして、会議の主になる中身ということで、頭を悩ますのは、条文づくりの文書調整や利害調整をしなければいけない。各国の調整の方が主で、具体的な動きのところまで、十分できていない。むしろ、市民社会の中で皆がこういうふうに思うとか、こういうふうにやるべきという環境づくりがとても重要だという話になりまして、我々もそういうことをやりたいと思っていて、加盟都市を増やしているのですと申し上げたのです。それを影響力ある形にするとすれば、既に世の中で平和について、いろいろとアピールしている方が芸能人でも文芸家、スポーツしている人がいるのではないかと。そういう人たちと一緒になって、その地域ごとにまとまりを作って、それに必要な原資もちゃんと確保をしてやっていくというのは、良いのではないかという話になりまして、その場で、「ああ、そうだな」と自分で納得したものですから、これをちょっとやれないかなというふうになっています。

広島駅の橋上化への期待と今後の駅周辺のまちづくりについて

記者

二つ目です。広島駅の橋上化への期待と今後の駅周辺のまちづくりについてお伺いします。広島駅の南北自由通路と新駅舎が5月28日に供用開始となりますが広島駅の橋上化への期待をお聞かせください。また今後の駅周辺のまちづくりを進めるに当たり課題があればお聞かせください。

市長

 駅周辺については皆さん御存じのとおり、まず新幹線口の二葉の里地区で業務・医療・商業等の施設が完成するということで着実なまちづくりが進んでいますし、一方、南口の方に関しましては長年取り組んできています、B・Cブロックに再開発ビルが相次いで完成いたしまして日々、「まち」の姿が変わってきているということを見ていただいているところです。こうしたさらに南口と新幹線口、両地区をこれから結び付ける、一体化するというそういう位置付けでの広島駅の自由通路、このインフラがいよいよ完成を迎えるということなのですが、とりあえず今月の28日に一部使用開始をします。そして10月には全面供用を迎えるという予定で今、物事が進んでいます。これが出来れば、駅周辺地区が単なる交通結節点に留まらず、もちろん交通結節点の効果も十分上げますが、それ以上に人々が集い滞在するというエリアになり「活力・にぎわい」を創造する場にもなっていくというふうに考えています。そうすることでこの結果は自分が市政に着手したときに「楕円形の都心」づくりということを申し上げた、東の核という位置付けで駅周辺、そしてもう一つ西の核で紙屋町・八丁堀この辺りなのですが、就任した直後にいろいろあったのは需要が限られている中で片方に力をシフトすると片方が寂れてしまう、困るということです。そうではなくて両方がそれぞれ個性を発揮しながら良いところを育てて、全体として我がまちの活性化を図ることが狙いということを申し上げてきているわけですが、今の動きを見ると西の核である紙屋町・八丁堀の方でも新たな開発計画が動きだすということで、私自身はプラスの相乗効果が発揮されつつあるのではないかというふうに受け止めているわけです。今後とも東西二つの核が相互に刺激し合って補完関係も保ちながら全体としてのまちづくりの推進力になっていく、それがヒト・モノ・カネ・情報の循環を生む都市として中心的な都市になり、さらには「200万人広島都市圏構想」の中枢を担う都市になっていくと期待しているところです。

 そして、ハードが出来上がっていくと、次はそのハードを持続的に運用していくためのソフトが問題になるという局面です。その前に、もう一つハードとして最後の仕上げがいると思っているのが、駅の南口の方です。JR西日本が駅ビルの建替えを行うという予定も視野に入っていまして、そこと連携して路面電車の高架化を図って乗り入れさせれば、同時に駅前広場の再整備もできます。そうすると先程申し上げた交通結節点という評価もできるわけですが、この場合の一層強化は、いわば新幹線、ペデストリアンデッキごと含めて2階レベルでの歩行者のネットワークが構築できると、その中での東西南北の回遊性が、あの地域で確保できるようになると思います。そういう意味で、そういった方向でハードをさらにしっかりしたものとして整えながら、そのハードを利用した持続的な発展ができる駅周辺地区というものを形成していく必要があります。その際のハード施設の運用に関しては、エリアマネジメント、つまり、こういった施設群、あるいは地域に関係する方々が一緒になって、この施設を運用していくエリアマネジメントをやっていく必要もあると、それがこれから重要になると思っていて、幸いこの地区に関しては、既に地区内の事業者や関係団体が中心となりましてエリアマネジメントの取組を始めています。ですから、こういった取組を本市としてはしっかり応援する。積極的に応援して自分たちのまちは自分たちでつくるというエリアが出来上がるようにしていきたいと思います。

※( )は注釈を加えたものです。

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