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ページ番号:0000013080更新日:2019年10月21日更新印刷ページ表示

2016年06月23日記者会見「6月22日からの大雨に伴う対応状況について外3件」

動画は下記からご覧ください。

(「広島市動画チャンネル(市長記者会見)」のページへジャンプします)<外部リンク>

市からの発表案件

【6月22日からの大雨に伴う対応状況について】

市政記者クラブからの代表質問

  • 【待機児童対策について】
  • 【サッカースタジアムの建設について】
  • 【迎える平和について】

<会見録>

市からの発表案件

6月22日からの大雨に伴う対応状況について

市長
 昨日からの大雨に伴う対応状況についてご説明したいと思います。昨日からの大雨の状況でありますけど、時間雨量の最大は本日の0時から(午前)1時の間に安佐北(区)の口田南、真亀で41ミリを記録するなど、日付が変わる前後に激しい降雨を記録しています。

 本市としての対応につきましては、昨日の18時に佐伯区で警戒基準雨量を超過しましたので、市と佐伯区に(災害)警戒本部を設置しました。その後、西区、安佐南区、安芸区、中区、南区に災害警戒本部を設置して、(時間が)経過する中で、22時10分には西区と佐伯区で避難基準雨量を超過しました。そのため、市と西区、佐伯区に災害対策本部を設置しまして、23時50分には私を本部長とする本部員会議を開催して、19日から雨が続いていますので土砂災害が起こりやすい状況になっていること、これから雨のピークを迎えるという状況がある中で、気象情報に注視しながら被害等の情報収集に努めるように指示をしました。そしてまた、降雨に応じて、市と区の本部が連携して避難情報を発令し、全市123カ所に避難所を開設して対応しました。適切に対応できたのではないかと思っています。現在のところは大雨警報、そして洪水警報は解除になっており、暫定運用を行っている安佐南区と安佐北区の避難所を除いて、全ての避難所は閉鎖したという状況に現在はなっています。

 今回の大雨に伴う被害の状況ですが、現時点で判明しているものは、まずもって人的被害はありません。

 次に、住家の被害ですが、床下浸水が5棟発生しています。概要としては、本日の(午前)1時24分頃に安佐北区落合南三丁目19番10号付近で岩上川の越水、水があふれ床下浸水が発生しています。これについては、既に消防隊が土のう積み工法によっての浸水の拡大防止を措置しています。本日この付近について、区役所の方で更に調査を行うという予定にしています。

 次に、道路被害ですが、本日の(午前)2時頃、安佐北区深川七丁目付近の県道広島三次線沿いの斜面が崩落しまして、道路に土砂が流出して車両通行ができなくなるという状況がありました。土砂を撤去して中深川踏切から一之瀬橋間において朝6時から片側交互通行規制を実施していましたが、9時15分に土砂の撤去が完了しましたので、現時点では通行規制を解除しています。

 その他のものとして、JR山陽本線、瀬野~八本松間において、やはり本日の0時36分頃、124名乗車の普通電車が降雨によって崩落した土砂に乗り上げ脱線したという事故がありました。これについては、人的被害そして住家被害はありませんでした。

 なお、現在は西条駅と瀬野駅の間で列車の運転を見合わせている状況と聞いています。以上が、現時点で判明している主な被害状況です。

市政記者クラブからの代表質問

待機児童対策について

記者
 幹事社として代表質問、三点させていただきます。一点目が待機児童の問題について。4月1日時点での待機児童が161人と、前年度比で95人増えたというデータがありますけれども、まず、その点について、市長の受止めをお聞かせいただければと思います。この問題について、今後、どう取り組んでいかれるのかという点と、もし具体的に数値目標など、設定されることがございましたら、お考えをお伺いできればと思います。よろしくお願いします。

市長
 この待機児童に関しまして今回の結果を見てみますと、就学前児童数、こういった待機児童発生の可能性のある母数(就学前児童人口)は6万6,600人ということで、前年度に比べますと739人減少しているという状況があります。そういう中ではあるのですけれども、入園申込児童数は2万6,100人ということで、実は前年度に比べて1,186人増加いたしました。

 この原因は、結果として女性の就労増加といいますか、子育て期の女性の方が子どもを預けてでも働いてみたいという、その数が増えたという結果だと思うのですけど、その背景には、経済的な事情があるかと思います。そこは、明確でありませんけれど、いずれにしてもその辺、読み切れない中で、いわば、潜在的な需要が顕在化したということがあると思います。

 実はこの伸びが平成14年度以降で見ると、最も多い伸びというのが出ています。そうした中で、保育園等の定員確保ということをやっていまして、これについては、前年度に比べて702人増やすということでやりまして、全体的には、定員の確保は2万6,635人ということで、先ほど言いましたように、申込児童数が2万6,100人の中で、総数からすると、2万6,635人と上回る数は確保できたという状況がありますが、実際、待機児童が生じるということになりました。

 その待機児童の状況は1~2歳児を中心に、かつ、地域が安佐南区、西区などという地域でありまして、そうでないところは十分、ゼロになっているところもあるのですけども、待機児童が出たということはありました。そういう意味では、待機児童を解消するということで、ハード・ソフト、それから、我が市としては量的な解消と同時に質的なものを落とすことのないようにしながらという目標の中で、一定の成果を上げてきたと思うのですけども、今言われた結果、こういった待機児童が出てしまったということを、その結果を重く受け止めるということです。しっかりと対応策をもう一回練り直そうという気持ちになっています。

 そこで、じゃあどうするかということは次の問題なのですけども、今申し上げたように数的な総数からすると確保できたはずなのだけども、実際、部分部分で、足りないところは出てきたと、こういうエリアごとで、そういう問題がありました。実は、まず数を確保するということをやる中での、定数増の方法を市全体の伸び率を用いながら、それぞれ上増しすることをやることでは、早く全体数を増やそうというとこでやったのですけども、それが行き渡った段階で、よく見ると地区ごとの跛行性があるということが分かりまして、全体ではなくて、もう少し地域特性をよく見て、伸びの見込みを調整するということをやらないといけないのではないかと。その計算方法が、十分できてなかったという面があるのではないかと思ったわけです。ですから、今後は保育需要について、全体的な、もちろん伸びもありますけども、地域ごとの状況、そこへの要因をもう少し組み込んで精緻なものにすることです。今回見たりすると、先ほど申し上げた跛行性が出た安佐南、西区は、いわゆる、公共交通の沿線といいますか、その地域であることと、それから、集合住宅が結構多い地域です。

 ですから、多分、市内のどこよりも若い方々が多く住んでおられるエリア特性があったということではないかと思います。その可能性をもう少し加味した上で、考えなければいけないということが分かりましたので、そういったことを織り込んだ受け入れの確保、次年度以降やっていこうという方向で今考えています。と同時に、そのやり方として、やはり、早急にやっていくことですので、そういった中で、私立保育園等の施設を中心にした整備をやるということが一つと、それから、もう一つは、質の問題もあります。安定的な保育士確保ということ、そのための処遇改善も不可欠ということで、セットでやっていこうという気でおります。

 そして、今回生じている待機児童解消の問題としては、当面の対策がありますので、これは今、既に進めています幼稚園の認定こども園化。こういうことで幼稚園でありながら保育園的な機能を持たせることで、待機児童を吸収してもらえるようにするということ。あるいは、保育園の分園整備。分園も、わざわざ建物を造るとなると時間が掛かりますから、賃貸で施設を借りるような形でやる。それから、小規模の保育事業所も質的な担保が取れるということを前提にしながら、追加募集をして定員を確保するということを早急にやっていきたいと思っています。

 それとあとは、数値目標をどうするかという話ですけど、私自身は、この問題は当初から待機児童をゼロにするという大目標を掲げていまして、これに向けての年々の対応策を充実していくことで早く実現することが全てでありまして、その途中経過で数字をどう設定するかということはやらなくていいのではないかと思っているのです。今申し上げたように、ゼロに向けての対策を講じながら、その効果をフィードバックして、どこに問題があるかということを検証してそれを縮める。あくまでゼロを目指すと。

 さらに、待機児童ゼロも数字自身は、厚生労働省が全国的に出している基準に基づいています。ですけど、その基準に寄らない形での待機児童も実はあったりするのです。ですから、本当の意味での待機児童をなくすという目標をしっかり掲げながら、国基準を満たした上でも、さらに、より就労しながら子育てしたいという方々がいましたら、その需要に弾力的に柔軟に対応できるところまで持っていきたいなと思っています。そんな状況です。

記者
 今おっしゃった保育の伸び、ニーズを把握する分析するというのは、どういう手法で、いつごろ、誰がどうやってやるのでしょうか。

市長
 既に担当の方でやってもらっていると思うのですけど、実際に今回、定員と実際の申込者のギャップがあった所、地域の事情をよく見て、今ある保育園の設置場所と、その近辺の居住環境といいますか、先ほど申し上げた集合住宅が、どれくらいの範囲であるのか、若い方がおられるのかどうか。他のセクションで持っている住民票などもあります。そういったところで、年齢分布などもよく見て、全体平均の伸びを見ながら加味して上増しするとかして、定員増するための、じゃあ、どこの保育園などに新規の保育園がないかとか、地域ごとにブレイクダウンして設計してくれということを言っています。その作業をやってくれていると思います。

記者
 地域というのは、どれくらいのエリアなのでしょうか。

市長
 もちろん、大きい地域は八区あり、さらに、もう少し下の小学校区とか、要するに通園可能な範囲というものがありますから、そんなイメージです。実際、お子さんを預けるのに1時間も掛かって行くようなところは、元々予定しませんから。20~30分の範囲で、お子さんを連れて行くときに、その地域の園を中心とした居住環境は、どうなっているかということを丁寧によくみようということです。

記者
 先ほど、保育士の安定的な確保と、保育の質の確保に言及されましたけれども、例えば、他の自治体では、保育士の配置基準などについて、自治体独自で基準を厳しくしたりという動きがありますけれども、広島市の方で今後、例えば、検討されたりとか、何か、それに関するお考えはありますか。

市長
 保育士の方の質の確保、人数の確保というのは、よく言われますが、いろいろな要因がありますけども、その処遇がどうも十分ではないと。だから、資格を持ちながらやろうとする動機付けに欠けるとか、そういう状況があると聞いています。国の方でも、そういった問題点に着目して、充実策をしようという方向性を出したと思うのですが、今度の消費税の扱いなどで、多分、財源的な措置が、大分遠のいたと思います。だから、逆に処遇部分の改善というのを国がやるとしても、大分時差が出てまいりますので、それが行われない地でも、別の形で保育士の方が生活する上で実質、手取りといいますか、処遇が良くなったと感じられる施策を我が市独自で、考えることができないかというのが自分の思いなのです。具体的に、どこまでとは言っていないですけれども、指示をしています。是非、考えてみてくれと言っています。

記者
 もう一点、例えば、岡山市の方では、待機児童の計算の基準について、国が示している基準より、より厳しくしたと。例えば、広島市では、算入していない待機児童について、計算する方向に、自治体独自で基準を変えて、そうしたら、本年度から、大幅に数字上の待機児童が増えたという事例がありますけれども、市としての対応を含めて、これについては、どうお考えですか。

市長
 その点は、この間、岡山の市長と話し合いまして、彼の今回の打ち出しの背景なりを聞かせてもらいました。そうしたところ、動機付けとしては、国の基準だと、いわば、お子様を持っている方が、通勤途上で、どこかに預けたいと考えたときに、通勤の方向が、例えば東の方向に行かなければいけないルートなのに、たまたま、距離があるからといって、真反対の西の方向に預けるような施設の状況であったとしても、そういった場合、御本人にとっては、当然、不合理な方向ですから、それは、自分として、申込みができにくいと、こうなったら、この自分の家から、何キロの範囲、何メートルの範囲があるときには、そもそも預けられる保育園なのに、それを望まないというのは、待機児童に該当しないという基準があるという説明を彼はしまして、これは、個別に見たときに、ちょっときついだろうと、もし、自分が、そういう親になったときには、どんなにこの距離が近くても、反対方向までは大変だろうと。そんなことを考えると、今、国の基準そのものが、非常に粗いと。だから、自分としては、全部、白紙に戻して、自分の市として、どこまでできるかというのをやりたいので、とにかく、国の基準は抜きで考えてみたいと、こんなことを言っていました。しかし、だからといって、対策をどこまでやるかというのは、さらに、もう一回、精査するということ。そこは、確かに私も同感で、いいなと思いました。ただ、問題は小規模の保育所なども、導入すると言っていたところは、彼とちょっと違ったのは、我が方は、預けたときの保育の質も、ないがしろにしないというところまで、簡単に利便性があるから、ぽっぽと造るというのは、ちょっと私は、二の足を踏むなって議論をした覚えがあります。その辺のところは、やはり、待機児童というのは、全国で起こっているように見えますけれど、実は都市部に限っての問題でして、そうではない都市では、あまり起こっていません。ある意味では、政令指定都市を中心に起こっているといって差し支えないです。東京都の区とか、そういう意味で、問題意識は、全く岡山と一緒だなと分かったのですけれども、私自身は、市の行政の引継ぎとして、量の問題と質の問題、両方を維持しながらすることで、変えれるか多少選択肢が狭いなと思いながらやっているというのが、今の状況です。

記者
 最初の代表質問の答えの中で、本当の意味の待機児童をなくしたいとおしゃってましたが、今の厚労省の定義だと161人ですが、その本当の意味というのは、入所申込者と実際に入らなかった人のギャップだと数百人の中にあると思うのですけど。

市長
 その中で、もうちょっとあるのですけれど。本当に、今言ったような、距離が反対方向とかいうのは、逆に待機児童に入れてあげていいけど、趣味的なといいますか、というのはどうかとか。そんな中で言ったら、兄弟がいて、お兄ちゃん、お姉ちゃんが、こっちに行ったのだけど、同じ所に入らせられないか。枠がないから、だから、困るとか。そこら辺は、非常に微妙な問題で、確かに、まとめて自分の子どもたちだから、一緒の所に行くのがいいとしても、年齢階層別の定員枠が違っていたりしたときに、もう少し違ってもいいじゃないかというのを、どこまで納得できるのかということです。その辺も精査しないといけないものですから、とりあえず、国の基準をまず満たすということをやりながら、余裕があれば、そういった方々も受け入れられるように、キャパを大きくすれば済む話ですから。という発想でやっています。

サッカースタジアムの建設について

記者
 代表質問二件目のサッカースタジアムの建設問題についてです。先日、市長は、商工会議所の深山会頭と会談されましたけれども、今後の4者会談の見通しについて、お聞かせいただければと思います。

市長
 サッカースタジアム、いろいろな意味で問題として取り上げられていますけども、基本認識も重ねて申し上げたいと思うのですけども、今のサッカーチーム「サンフレッチェ広島」、これは、「スポーツ王国広島」を目指している広島とすれば、正に広島の宝ですから、大事にしたいと。この思いは揺るぎません。それと、もう一つは、現在のこのサンフレッチェ広島の筆頭株主が株式会社エディオンです。ですから、このエディオンという会社が、サンフレッチェ広島を通じてしっかり支えていただける。そういう気持ちがあるということを前提に議論しているのだと、私は思っています。だから、具体的なやり方で、その思いのところがずれてといいますか。まあ、平和といったら、平和を実現したいのだけど、平和を実現する方法論が違うと、それぐらいの意識でやっているということをまずご理解をいただきたいです。

 ですから、繰り返しますけど、サンフレッチェ広島が、しっかりと活躍できるような新しいスタジアムを造るということは、今までの市政の流れの中で、必要であれば、行政もちゃんと責任を持ってやるべきだという、そういう方向で議論したいと思っています。ただ、具体的にどうするかというところで、今、こういう議論になっているということを分かっていただきたいです。そうした中で、今、エディオンとの関係で申し上げると、今の広域公園にサッカースタジアムがあります。ここは、実は、別の形で命名権、エディオンスタジアムという命名権を頂いていて、命名権料なんかももらっています。こっちの方については、実は、今言った大事にするということをやってもらいたい中で、その当事者のいろいろな思いもあるのでしょうけど、「命名権料を引き下げてくれないか」という申し出も受けています。

 担当部署が違うのですけど、そして、同時に引下げを提案するのは、元々、あそこは、陸上競技場でありながら、スタジアムを兼務しています。その陸上競技場なのですが、できるだけJリーグのサッカースタジアムの施設基準に合わせて、大規模改修をしてもらってないので、それをやってもらうようにするためには、「ちゃんとやってもらわないと命名権料というのは出せないですよ」というような、そういう持ち掛けが今来ています。大規模改修に関しては、市の方とすれば、今までの扱いで、サッカースタジアムだけという施設じゃなくて陸上競技場という性格もありますので、市がお金を掛けて、どうするかっていうのは、全体を考えながら調整しているので、そのJリーグのためだけの運用というのはできない。しかし、その命名権は、年間、頂く中で、サッカー競技の運用を円滑にするために、それに必要な手当をするためにということで、大規模改修に充てるというとこまで、多分、全部が、額が全然違いますから、それは関係ないですけど、今、そういった形での要請が来ています。

 だから、引き続き新しいスタジアムを造るまでの間でも、いい施設にしようという気持ちがあるのであれば、その辺のところについて、もう少しきちっとしたすり合わせができないかなというような状況が一方であります。そういうこともある中で、その新スタジアムについては3月に公表されて、疑問があったのです。この公表された案についての自分たちの理解が行きにくいところは、議会で答弁しました。寄付ということを言われながら、寄付した後での運用形態の中で、寄付する主体が借金していたものをそこから出てくる収益で返済するようなスキームがあるのです。寄付してしまうと、その収益は市の収入になってしまうわけですから、それをまた、戻すとなると議会手続等がいります。一般収入に入るわけですから、市の行政の支出ですから、自動的に返済に充てることにならないはずです。その辺の仕掛けということも理解していただくと、もう少し違った提案になるのではないかということもあります。

 そういう疑問を解消できていない中で、さらに、26項目の質問が来ています。そういう状況です。それで、その26項目の質問に関しても、もちろん疑問を解いて、事務的な今言ったようなところの調整をした上で、私は4者会談で、建設的な議論をするということは、やぶさかでないと申し上げていますし、深山会頭とも、この間、来ていただいたとき、お話ししていますので、その認識についてのぶれはありません。それで、問題は、今、手続きがどうなるかとなると、「26項目の回答をくれ」と言われていますので、それをとにかくやるということで、今月末を目途に、その回答ができるように作業しています。それを踏まえてということをさせていただきたいというのがあります。今の状況です。

記者
 4者会談について、今日、深山会頭と知事が2者で面談されて、両者とも4者会談の開催に向けて意欲を示された上で、サンフレッチェを交えてスタジアムだけでなく、まちづくり全体の議論をしましょうということで合意されたようですが、市長としては、この2者の合意についてどのように受け止められていらっしゃるでしょうか。

市長
 まちづくりをというお話は、実は、自分からすると、ある意味で元々の提案みたいな要素があります。スタートがそもそも(旧市民)球場跡地をどのように活用するかという提案を、一期目の市長になったときに出して、若者を中心とした活力、にぎわいの場にしたい、そして、緑地広場などということで、どうでしょうかというまとめをして、そして、それについてのイメージ図まで作るということをしています。(平成)23,24,25年とやって、それは、正にまちづくりということを考えた中での延長線上の話です。そして、今回、オバマ大統領が見えて、ドームの造りのところに商工会議所があったりする写真が出たりしたのですが、やはり原爆ドームを平和の象徴というのでしょうか、いろいろな意味で被爆の実相を「守り、伝え、広めていく」ためのものとしたときには、そこのところがきれいな姿になるというのは、やはり多くの方にとっても、いいだろうということを実感していただけたと思うのですけど、それを目指すためにどうするかということをやっています。そして、そのためには、商工会議所を今までも「市の方から移転を働き掛けるのですか」と言われる中で、それはもう両方がそういう思いになってやるために、声掛けをどちらかがするのではなくて、同時並行的に考えていただくような状況にしたいということを申し上げてきたのです。ようやく、外からの目で見てやはりドームを大事にしようという機運が出てきた中で、商工会議所の移転などをやるということ自身、どこにそれを造るかということです。まちづくりと直結した問題に、正になってきたと思っています。

 それと、もう一つは今、(旧市民)球場跡地と、みなと公園ということで二つに絞り込まれていますが、みなと公園の方の問題も、私は、元々みなと公園に絞られてきた経緯というのは、あそこに関しては、港湾計画というものが元々あって、そして、みなと公園の少し先の方のエリアを、市が土地を購入していまして、メセコン用地という形で広い土地を持っています。そういうことになれば、私の市政以前のところで、もう方向を決めて、にぎわいと物流がバランスの取れる場所にしようという計画を基に、市も購入しています。その流れがあるからということで広い土地、そして、県が所有権を持っているみなと公園だから、調整するのはより主体的なところとやれるし、広いということもあり、優位ときているわけです。そこは主張ですけども、運送業者の方々は、何も手当をしないで来ると大変なことになると、仮に手当するとしても、物流とにぎわいを両立させるような制度設計したものは国内にはなくて、そんなことすると物流競争に負けるというようなことを言って、どうするかと、こういう問い掛けをされていると聞いています。だけど、私からすれば港湾計画を作ったときに、あそこにメセコンを造るというアイデアを諮って、県の計画としてオーケーされているというところは、そのときには、南道路からその高さで入る大きな道を造るというような計画もあったからかもしれません。そうすると、そういったところを、もう一度きちっと議論すれば、疑心暗鬼になることもないです。これは、やはり両方それぞれ今までの経過を踏まえたまちづくりをどうするかということを、皆で考えてきた中での問題提起なのです。ですから、特定の人が、あそこに造らない方が合理的だという案があったとしても、今言った全体調整をかませた上で、本当にいいかという議論をしていただきたいと言い続けているつもりです。それがようやく、叶ったというか、まちづくりと絡めながら議論しましょうと言っていただいているわけです。大いにやっていただきたいと思っています。

記者
 確認で、今日の知事・会頭の会談では4者会談を開く前にまず、市長を含む3者会談を開いた上で臨みましょうと確認されたようですが、市長としては3者会談でどういった点が詰められれば4者会談が開けるとお考えですか。

市長
 少なくとも今申し上げたように、まちづくりということも、きちっと視野において、議論するという基盤を作っていただきたいです。もちろん、今の久保さんは、そのサッカースタジアムの合理的な運営、そして今の点からいうと、自分たちが相当分の原資を提供するのだから、行政の負荷を掛けないような形でやるというアイデアなのだから、行政も認めてくれないかと。しかし、お金は出すけど、あそこは国有地ですから、きっと国有地をそういうプライベートに使わせるということになると、行政が、また間に入って調整することになります。だから行政の関与は、私は不可避だと思っています。

 そうすると、行政がかむといったときには、単に特定の施設群のあるいは、その経営のためだけというのでは、行政とすれば役不足ですから、先ほど申し上げたまちづくりということも加味して、どういう立場でそれに関与していくかということを議論するということをまず、了解していただきたいです。それ抜きに、この一つの出来上がり図がきれいなのだから、これを「○」か「×」か聞いてくれだけじゃなくて、それは仮にいいものだとしても、それを使うことがまちづくり全体にどうなるかという視点での議論も十分してみる。その議論に乗るということをやってもらうようにしようじゃないかというのが、多分3者の確認事項に一番大きいと私は思っています。

 そういう意味では、商工会議所の建物も含めて、今度どうするかということもお互いに議論しながらやるという基盤ができると思うのです。そうしないと、あそこの土地利用の仕方は分からないです。他のことを置いといて、紗をかけといてスタジアムだけやったって、最小限影響するとこ、以前は、武道場でしたか、そこが駄目だったら今度は、青少年センターのところだけを入れて議論するのでなくて、全体をどうするかっていうことを考えながらやるのが建設的で、以前、みなと公園は先ほど申し上げた構造の中で、港湾計画の位置付け、今、市がやっていますメセコン用地なども、本当にあのままでいいかどうかが、問われる状況に今なってきたと思います。そんなことを広くまちづくり全体ということも考えながら議論するということをやってもらいたいと申し上げているのです。

記者
 今後3者でスケジュールを詰める話だと思うのですが、市長としては、この3者会談は、いつごろ開きたいとお考えですか。

市長
 6月末を目途に、この26項目のお返事を出しますから、次のステップでうまくいけばいけると思います。後ろはちょっと言えませんが、そういう手順でやっていけばおのずと話合いの時期も見えてくるのではないかと思っています。

迎える平和について

記者
 (代表質問)三点目、迎える平和について、オバマ大統領の訪問を受けまして、今後も各国の為政者の広島訪問を期待されていると思うのですが、広島市としてこれまでも推進してこられた「迎える平和」についてですけれども、今後、具体的にどのように強化していくか、具体的な施策をお伺いできたらと思います。

市長
 「迎える平和」というくくりで、核兵器のない世界恒久平和を願うヒロシマの立ち位置を強化するということをやってきたつもりですけれども、今回のオバマ大統領の広島訪問ということがあって、しかもスピーチがありまして、広島の地がそういった核兵器廃絶へ向けてのメッセージを、とりわけ為政者の方が発信するということが、ふさわしい地だという認識も、ある意味、世界中に広がったのではないかと受け止めています。

 そういうことを考えれば、引き続き、もちろん多くの市民の方に来て(もらい)、ヒロシマの思い、被爆者の思い、このようなことを他の誰にも二度とあわせてはならないということ、それを受け止める場として、ふさわしい地であるということとともに、為政者の方がそれを受け止めて、自分が施策を展開していくときに、その思いをしっかりと結って、施策の中にそういった要素を織り込むための、いわば意思表明をするのにふさわしい場所と認めていただいたと思いますので、引き続きとにかく広島に、もちろん長崎も、被爆地に来ていただくと、そして被爆の実相を自ら見て、とにかく考えていただくということをしたいと思います。それはやります。

 それからもう一つ、今言ったようなことを、さらに加速させるために同時並行で、平和首長会議、今7,000を超えるメンバー都市がやっていますが、これを着実に増やしていくということをやって、そして今回20を超える地域、世界中にリーダー都市というのをお願いしましたので、そのリーダー都市が地域ごとに特性を踏まえながら、やはり広島は平和発信の地だということを前提に、広島が長崎と一緒になってやっている、この平和首長会議の取組を、ローカルな取組の中で、許可してもらうということをお願いする。そして、市民に思いを届けるために、今までやってきています、「平和の火」や「被爆樹木二世の苗木」とか、そういうものをやるということを日頃の行為の中で確認するということをやりながら、いずれも実は一定の予算がいることなので、それも昨年来セットしまして、平和記念資料館の入館料の引上げという中で、一般財源投入部分を一応確保できましたから、それらを使ってやっていくと同時に今、入館者が増えていますから、その余裕部分が少し出てくるわけですから、そういったものも財源的な裏付けもしっかりしながら、やっていくということをやりたいです。

 それともう一つ、これからますます重要になるのは、実際の被爆者の方々が高齢化して、段々話を聞けるチャンスが少なくなると、そういったものを、次の世代にしっかりつなぐということが重要になってくるので、若い方々になるべく多く情報共有してもらい、自分たちが将来、世の中に出て、様々な所で活動する際にも、この思いをきちんと受け止めた上で活動をしてもらえば随分違うので、「青少年の交流」ということを今以上にしっかりやる。さっき申し上げた7,000の加盟都市間での交流をやるとか、今まで主として他の形でやっている交流なんかにも平和のこの思いを伝えるような取組を入れ込んで交流するとか、あらゆる場面で、青少年の平和交流を活性化させるというようなことやれればと。今申し上げたことは決して目新しいことじゃないのですが、今までやってきたことを、それぞれの手法のところで充実強化していくことをできればと思っています。

記者
 市長、今までやってきたことの充実強化という中で、10月に広島・長崎両市でオバマ氏の政治活動の地元のシカゴで原爆展を開かれて、被爆証言を聴く場も設けることを聞いていますが、今回、広島で資料館の見学は10分という限られた時間で、証言も聴かなかったオバマさんが、さらにシカゴの原爆展の会場を訪れて被害の実態に触れれば、米国内の被爆地への関心は一層高まると思いますが、オバマ氏と政権関係者を含めて、米国の今回のオバマ氏訪問以降、初めての米国原爆展での来場の呼び掛けに、何か新たな工夫とか考えてらっしゃいますかということ。逆に、広島訪問を展示の中で説明することで米国民の関心を引きつけることもできると思いますが、その辺のオバマ氏の広島訪問を生かした原爆展の展開で、何か新しいことをお考えでしたら教えてください。

市長
 今年の10月一杯、ヒロシマ・ナガサキ原爆展っていうのをシカゴで予定していまして、これを開催します。これは、本当に偶然で何かの縁かなということで、オバマさんが来るということを前提にしている訳ではなかったのですが、御存じのように、オバマ大統領の政治家としてのスタートが、シカゴ市から出ているということもあるので、御縁かなと思っています。

 そして、この原爆展に関しては、正に今言ったような御縁がありますから、オバマさんの広島訪問も入れた形で原爆展をして、そして、アメリカの方も、オバマさんが(広島に)行ったということを、また改めて確認してもらうような原爆展にするというのは、とても大事なことだと思っています。それができるのも、ある意味では、オバマ氏が国内世論に配慮しながら、私から言わせれば、英知と決断、勇気を持って、この決断をして広島に来ていただいたわけです。これで、いろいろな意味でのアメリカの世論は、いろいろな御意見があると思いますが、来たことそのものが、絶対駄目だということにはならないことが分かったわけですから、もう一歩進めてもらい、その思いを、より強いものにしてもらうことが重要ですから、そういった展示をかませながら、「大統領も来てください」という案内状を出して、大統領の思いを、しっかり世の中に広げるために、我々も頑張っていると認識してもらう。そして、残りの大統領の任期が限られるとしても、できる限りの対応を、具体的な一歩を踏み出せるまでの行動をするための動機付けになればなと思います。

※( )は注釈を加えたものです。

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