本文
2016年05月25日記者会見「平成28年第2回市議会定例会提出案件について外1件」
動画は下記からご覧ください。
(「広島市動画チャンネル(市長記者会見)」のページへジャンプします)<外部リンク>
市からの発表案件
- 【平成28年第2回市議会定例会提出案件について】
- 【オバマ大統領の広島訪問に伴う平和記念公園内及び旧市民球場跡地周辺の諸施設の開館時間の変更等について】
<会見録>
市からの発表案件
平成28年第2回市議会定例会提出案件について
市長 それでは、平成28年第2回の定例会提出の案件の説明をします。6月6日月曜日に開会予定の平成28年第2回広島市議会定例会に提出する議案は、一般会計補正予算案等10件あります。まず、補正予算案ですけれども、今回の補正予算の規模は、お手元の資料にありますとおり、平成28年度6月補正予算の概要にありますけども、一般会計のみで2億9,872万4千円となっています。内訳としましては、まず、平和記念資料館の再整備事業です。平和記念資料館の再整備にあたりまして実施しておりました本館下の発掘調査につきまして、当初、予定した以上に遺構等が多数出土したことから、引き続き未完了の部分を調査していくというものです。
次に、B型肝炎の予防接種についてです。本年10月からB型肝炎ワクチンが定期接種化されることに伴いまして、本年4月1日以降に生まれた0歳児を対象に予防接種を無料で実施します。
次に、幼児教育の推進体制構築事業についてです。幼児教育の更なる質の向上を図るために国から委託を受けまして、幼稚園・保育園等を巡回して、指導・助言などを行う幼児教育アドバイザーの育成・活用等に関わる事業を実施します。
次に、瀬野川東中学校の校舎増築についてです。生徒数の増加に伴って、教室数の不足が出てまいります。これに対応することとしまして、校舎増築等の工法が固まりましたことから、増築工事等に関わる本年度の所要額を計上するとともに、来年度の債務負担行為の設定をします。
次に、放課後児童クラブの増設についてです。申込者の急増に伴いまして、待機児童を解消するということをやっていくために、学校の余裕教室を利用しまして、クラスを増設するものです。
最後に予算以外の議案としましては、広島市議会議員のものとそれから、広島市長の選挙。この選挙における、選挙運動の公費負担に関する条例の一部改正案など条例案3件、その他の議案4件、そして、専決処分承認案2件というものを提出しています。以上が今議会に提出する議案の概要であります。説明は以上です。
記者 放課後児童クラブについてお聞きしたいのですが、今、待機されている児童が何人いて、今回つくることで、どれくらい解消されるかをお答えください。
市長 放課後児童クラブに関しましては、本年度、一部の小学校区で、予測していた数値を上回る申し込みが出てまいりまして、今年の5月2日現在での待機児童数、実は、8学区で44名の待機児童が発生することになっていました。そんな中で、特に配慮が必要とされるであろうということで、1年生から3年生までの低学年につきましては、既存の施設に関しまして、特例的に定員枠を受けてでも受け入れようということをまずやるということで、解消策を図るようにし、それは、現行枠内での措置。それと、当初に予算計上済みですが、宇品と亀山学区、この2学区に関して、民間の放課後児童クラブの事業者の選定をする予算がありました。これを夏休み前までに、開設する予定で動いています。これにより、今申し上げた待機児童は、特例的な取り扱いもするということもあって、解消するということを見込んでいます。それで、もう少しということで、やっておかないといけないのが、実は、特に待機児童数が多くて余裕教室が利用可能な観音学区、ここにつきまして、この補正予算でクラス増設ということをやっています。これで大体、暫定的な扱いを含めて44名がなんとか解消できるという見込みです。問題は、特例的な扱いをずっと続けるというのも、やはり問題でありましょうし、さらに、来年度以降も、いろいろ考えないといけないということもありますので、当座は、この6月の補正で、今言った措置をしますけども、さらに、特例的な定員の枠超え措置を解消しないといけないこともあると思います。そんな中で、全ての児童が利用できるということを、どうしようかということも考えながら、必要であれば、また9月の補正予算も視野に入れて、引き続きクラス増設ということをしっかりやっていきたい。この増設するということは、引き続きやっていきたいという覚悟で臨んでいます。
記者 平和記念資料館再整備事業に関連してなのですが、遺構調査が想定より長引いていることが、東館のリニューアルオープンとか、本館の再整備後の開館の時期に影響するかどうかということを、特に発掘調査が終わらないかぎり本館の免震工事ができないと思うので、後ろにずれ込むのではないかと思うのですが、それが一点と。あと、出てきた出土品の取り扱いをどういうふうに(するのか)。例えば、原爆資料館で公開していくとか、今、想定していることがございましたら教えてください。
市長 平和記念資料館本館下の発掘は、もともとは免震構造にするために必要最小限掘り起こして必要な工事をしようということでやってみたところ、遺構が予定以上にあるということが分かりまして、そのための作業に取りかかって、当初予定していた予算をそちらの方に食って(使って)しまったので、ざっくり言うと、記念資料館の下を東西に分けると、東側半分で大体予算を使い尽くしてしまったという状況になってしまいましたから、今度、また残りの西側の調査をやるための追加予算をということでやっていまして、この調査のための時間は免震構造にしていくためのエリアが広がりませんので、そんなに時間を要すると見込んでいませんので、全体のグランドオープンに向けての対応に支障が出ることはないのではないかと見込んでいます。そんな中で、しっかりやっていこうということです。
そこで、今度出てきた遺物あるいは遺構の一部ですけど、これ自身は被爆の実相を伝える非常に貴重な資料だと認識していますので、まず、出てきたものは、しっかりと保存をするということをやって、将来的には、写真とか図画を一緒にして公開するということも考えたいと思っています。
記者 今の(こと)に、ちょっと関連してなんですけれども、この前、県の原水禁さんが遺構の現地保存ということで要望を出されて、それは免震工事的にちょっと難しいということで回答されたと思うのですけれども、それで、ここのエリア外の所で掘ったものを現地保存することはできないかという提案もあったと思うのですが、そういったことについて将来的にどうしていきたいとかお考えがあればお聞かせいただきたいと思います。
市長 そういった要請、ご意見は当然と言えば当然です。ご存じのように、平和記念公園はもともと旧中島地区で、当時でも4,400人を超える方々が住んでいた町並み、そこが被爆して、それを整備するために盛土して整備しましたから、多くのものがそのまま埋まっています。そして今、公園という形で整備しているのですが、現在でも遺物・遺構は公園の下にいっぱい眠っています。ですから、これをどんな形で活用するかというのは、もう少し深く議論して考えていくということが必要だとは思っています。そこで、被爆71年目に入りましたので、そんな中で、資料館のグランドオープンみたいな対応をしていますので、もう一段、例えば被爆75周年という年も念頭に置きながら、公園整備をどういうふうにするかということをもう一遍考えていく中で、被爆の実相を伝えるための遺物・遺構を例えば発掘場所をどこら辺に調査の手を延ばして開発するかとか、そういったものも、その場で展示した方がいいのではないかというご意見もありましたから、そういったことも踏まえながら、あと5年、4年もすれば被爆者の平均年齢は85歳を超えますから、いわゆる実相を伝えるためのいろいろな方法をあらためて考えてみる中で対応したいと思います。
オバマ大統領の広島訪問に伴う平和記念公園内および旧市民球場跡地周辺の諸施設の開館時間の変更等について
市長 この件は、昨日お伝えしたと思っていますけど、改めてオバマ大統領の訪問に伴いまして、平和記念公園とそれから旧市民球場跡地の周辺に立ち入り制限とか、公共施設の開館時間の変更あるいは入退場経路の制限を行うということにしています。オバマ大統領の広島訪問を成功裏に終わらせるために、市民あるいは観光客の皆様に大変なご不便をお掛けすることになりますけど、どうかご理解・ご協力をお願いしたいということですので、改めて要請します。加えまして、県警の方でも当日の主要幹線道路など、大規模な交通規制を実施する予定であると聞いています。そういう意味では、当日、市民の皆様に大変なご不便をお掛けすることになります。市内への自動車の乗り入れを自粛していただくとか、できるかぎり公共交通機関を利用していただくといったことで対応していただければということを重ねてお願いしておきたいと思います。よろしくお願いします。
オバマ大統領の広島訪問について
記者 オバマ大統領の訪問時の献花と所感を述べる際の被爆者との対面、さらに、一歩進めば対話、証言を聞くなど、その辺は、強く松井市長自ら働きかけなさっていらっしゃいますが、現時点での実現の見通しっていうのは、どうなっていますでしょうか。
市長 実は、まだ、その行動日程についての御連絡は頂けてない。当然、公表もされていませんので、正式な連絡・公表待ちという状況で時間がもう切迫していまして、お話があれば、直ちに対応できるようなスタンバイといいますか、関係職員を挙げて今やっているところでして、私とすれば、今まで面会の機会を捉えて被爆者と会っていただき話をしていただくということの重要性を伝えてきていますので、日本政府の方もその思いを踏まえて、アメリカ当局と調整していただいているものと期待しています。
記者 今の質問に関連なのですが、改めて、被爆者の方とこの広島の場所で会うということについての意味合いをお願いします。
市長 これは、ある意味で、日米それから両国民かな…市民、それにとっての長年の懸案課題だといってもいいテーマだと思います。71年も、半世紀以上も経ってしまった話ですけれども、国と国が直接、交戦状態にある、戦争をした。その両国民、個人からすれば、人と人との殺し合いを、何も理由がなければ望む訳はないので、国のそれぞれ置かれた状況の中で戦争という行為に突入して、そして、人類で初めて大量破壊兵器、しかも、多くの無辜の市民を、戦争に参加してない方々を殺す。そういう武器を使用して終わった戦争に関して、様々な思いがいろいろなレベルであると思います。
そういったものを、ある意味で昇華させるといいますか、その昇華させる一番の希望というか、方向は、被爆者の方々が、被爆した当時、恨みとか憎しみ、そういうものもありましたし、本当は、その気持ちそのものは消えることはないと思うのですけれども、ただ、それをどういう形で自分自身で受け止めて、生きていく上で整理していくかとなったときに、そういう気持ちを抱かせるような行為を少なくとも自分以外に、自分の子とか孫にはさせないでほしいと。それが願いだろうと、多分、思いつかれると思います。
それが、「こんな思いを他の誰にもさせてはならない」そういうことを言い続けて、いまだに叶わなかったその思いの実現に向けて、現職の大臣、総理と、それから大統領が共にここで、自分たちの、核兵器のない世界に向けてのメッセージを発信される。世界に向けてインパクトがない訳はないのです。
そういったことが、この地で、ようやく、原爆投下後71年目にして起こるということですから、それをまず、しっかりと受け止める。歓迎の意をもって、これから、いい方向に行くために、そういう気持ちを持って受け止めると同時に、来ていただく大統領、それから我が国の総理には、そういった思いを持っている、本当に複雑な思いだけど、自分たちの子孫に、そういう思いをさせたくないという、その思いをしっかり受け止めていただいて、受け止めた上でのメッセージの出し方があると思うのです。「分かってくれたのだな」ということが伝わるようなメッセージを是非、出していただきたい。と同時に、それが、核兵器のない世界に向けての大きな政治的な動きを一歩でも二歩でも進めるという具体的な行為の発動につながるという両面で、被爆者の気持ちを受け止めて、そして、世界を核兵器のない世界に向けて動かす動機付け、あるいは、決意になっているようなスピーチをいただけたらと思っています。
記者 その中で、どうして被爆者と直接会うことが大切だと考えて、要望されているのですか。
市長 それは、今言ったようなスピーチをしていただくに当たって、被爆者の方が確かに自分と会って、話をして、それを受け止めて、そういったメッセージを発信していただいたのだなということが分かるようになれば、被爆者の方も、今までのいろいろな思いが多少なりとも和らぐのではないかと思います。だから、被爆者と大統領が会われるということは、とても重要なことだと思っています。
記者 市長が大統領と直接お話をする機会という可能性は、今のところあるのかっていうところで、もし、お話をされた場合は、恐らく短い時間になると思いますけど、どういうことを伝えたいかというところです。もし、直接のお話が挨拶程度で、直接、お話ができないのであれば間接にでも、どういうことを大統領に伝えたいとお考えでしょうか。
市長 今言ったように、行動日程がまだ知らされていないけれども、多分、地元の市長として御案内する役は、ケリーさんのときの役回りからしても、同じような役割をさせていただけるのではないかと思っていますので、何らかのお話ができるチャンスはあるのではないかと期待しています。そういった中で、いろいろな話の要素はあるのですが、被爆地の、しかも、被爆者の様々な体験を踏まえた中での、一番の中心的な願いについて、チャンスがあれば自分なりに言及したいと思っています。
それは、象徴的に言えば、慰霊碑の碑文についてのコメントを、今までもいろいろな方が見えて、尋ねられたとき、尋ねられなくても説明するようにしている説明文です。「安らかに眠って下さい 過ちは繰返しませぬから」という、この碑文に刻まれている言葉の一つ一つは、一つは私の思いですけれども、被爆者の熱い思いであると同時に、ヒロシマの思いにも通じるのですが、このような思いを他人の誰にもさせてはならないと、被爆者が、あなたお一人一人に言ったときに、ぜひ、その被爆者に対して言っていただきたい。お答えに当たる言葉ですよと。「大変だったでしょう」と。「安らかに眠って下さい」と。なぜなら我々、受け止めた人間は、こういった残虐な行為を「過ち」という表現をしていますけれども、戦争し、原爆を投下するという、一連の行為を二度と繰返しませんということを言っていただくことで、自分たちの思いが通じたのだなと、そして、それをしっかりやっていくことになったのだなと、受け止めてもらえると思います。といったことを言えないかと思います。
それは、被爆者の思いっていうのは、ヒロシマとしての望みでもあります。そういう意味ではヒロシマの望みを体現して、そういったことはチャンスがあれば、もちろん短く言わなきゃいけないですけれども、端的にそういったことを伝えてみたいと思います。
記者 原爆投下から71年が経ちまして、いよいよオバマ大統領の訪問が、明後日に迫っているわけですけども、改めてになってしまうのですが、そこに対する市長のお考えというか、お気持ちなどをお聞かせいただければと思います。よろしくお願いいたします。
市長 今、言っていること全て繰り返しみたいになるかも分かりませんけれども、今言ったようなことを、さらに個人的なベースでも追加して申し上げれば、あまり言ってはない…、聞かれれば答えていますけれども、自分自身も被爆2世というのもあります。そして、直接の被爆者の気持ちも、自分なりに理解していると今は思っているわけです。しかし、それを踏まえたときの、理想的な世の中の在り方を求めたときに、その理想を求める気持ち、純粋な気持ちは間違いないし、そして被爆者の多くの方もそういう気持ちになっていると、間違いないと思っているのですけども。問題は、現在ある世界情勢というか、今、生きている我々の世界の中で、その現実と、皆さんおっしゃるように、程遠いこういった状況の中で、その理想と現実のギャップを、どのように埋め合わせていくか。私自身は理想を求めて現実を直していく。いいものにしていくという方法論こそ重要だと思っております。今ある現実に合わせて、理想の状況を見直すということではないと思うのです。理想というのは在るべき姿、それに向けて様々な努力をするということこそ重要だと思っています。そして、この戦争当事国の現在の為政者、平和条約を締結して公的な面での解決はしたといいながら、まだまだ、しこりといいますか、いろいろなものを、戦争に参加し、その子孫である人と人との間でしこりを持っている。そういった国が、よりいっそう理想に向けての歩みを始めるという行為だと。それがこの被爆71年目にしての原爆投下の地ヒロシマを両国の首脳がしっかりと訪れて、その地で核兵器のない世界へ向けてのメッセージを発するということの意味合いを、理想の状況に向けての第一歩を踏み出していただける重要な機会だと受け止めています。それが、うまくいくようにするために、我々は何を協力するか努力するかという視点で考えたいと思っているわけです。そういったことに伴う様々なリスクとか御意見あることは重々承知していますけども、そういったものも乗り越えて理想に向けてやっていくことこそ核兵器廃絶、恒久平和を願うヒロシマというまちの使命だと思っています。それを一生懸命、市長という職責において果たせるように頑張りたいと思っています。改めて痛感しているということになるかと思います。
記者 被爆者の中には、原爆資料館を是非、見てほしいという方もいるのですけど、日程の都合上どうしても難しいという問題もあると思うのですけど、その場合、被爆の実相に触れるという機会をどのようにしてチャンスを与えるというか、お考えなのかお聞かせください。
市長 今言われたのは、難しいかもしれないということですので、向こうからの行動日程が来るぎりぎりまで、是非、被爆の実相に触れる行動日程を作ってくださいということは、申し上げています。私自身は、一定程度御理解をいただいているのではないかと思っています。だから、駄目じゃないかというような判断は滞在時間が短いし、いろいろな移動の時間とか考えれば、ほとんど時間がないから難しいかなと判断されていると思うのですけど、そこを割いてでも、是非、被爆の実相を知る、被爆者に会う、その点をパスすることのないようにしてくださいと。まだ決まってない段階ですから、それをお願いし続けるべきだと思っています。それが駄目なときの話し合いは、また、そうなったときに先導役を、もし、言っていただければ…。そのときまた考えるかなと思います。
記者 市長の中で、これだけは見てほしい展示とか、そういった…。
市長 これだけというか、(時間が)あれば全て見てほしいです。そのために資料館を体系的に組み直して、通して見ていただくことで初めてその意味合いも分かるものですから、どれということは言えないですけど、全体が見ていただけるように何か工夫したいと思います。いずれにしても行動日程が出てきて、それを見て実相に触れていただけるような工夫をやり続けたいと思っています。
記者 ちょっと前の質問に戻るのですけども、先ほど碑文について述べておられましたけども、「過ちは繰返しませぬから」という主語についての議論かあって、今英訳でWeになっているのですけど、その点について時間もありましょうけど、大統領に説明できたらどのようなことをお伝えになるでしょうか。
市長 先程申し上げた中で、分かりやすく説明したと思うのですけども、被爆者の言葉を聞いたお一人お一人の複数がWeですというふうな答えをしているつもりなのです。日本語で書いてありません。ただそれは、前に立って碑文を読んだ方々が、読んだときにこういうふうに答えていただきたいと、碑文を用意しています。あの碑文の前に立たれた方皆さんに、石棺の中で死亡された方々の名簿が今、約30万名、29万7,684名おられるのですけども、その方々の思いとして、このような思いを他の誰にもさせてはならないという思いが来るのですよと、それを受けたときに、どう答えるかと思ったら、ここに書いてありますと、「安らかに眠って下さい」と、なぜかと言ったら、我々は今の話を聞いてこの前に立った人間は、二度と同じ過ちを繰返しませぬからということを言っていただくと、いろいろなことがあるのだけど、それで安らかに眠っていただけるということになるのではないかと、そういう設定になっていますということを、自分としては考えていると言いたいです。
記者 これも報道ベースですけど、米兵の方も今回一緒に来るということで、報道にありますけど、広島にそういった方が来ることの意味合いというか、それについて、どう、お考えかということと、何か、接触する機会があれば、どういうふうな会話をしたいとか、その辺りはどうお考えでしょうか。
市長 その、具体的な行動日程とか、そういう方が来られて、先ほど言ったマスコミ情報で見ているだけで正確な状況は本当に分からないのですけど、ただ、自分自身言えますことは、新聞情報によると、来られる方も捕虜としての、非常に悲惨な戦争体験をされておると。それは当時の戦争状況にあった国と国との対立の中でのいわば、仕打ちの中で、個人として耐えがたい思いをされたということです。それは、抽象的でいわゆるコア部分をまとめていえば、被爆体験をした広島の方々とも通ずるものがあります。原爆で命をなくし、放射能に今なお苦しんでいるという事象の違いはあるとしても、相通ずるものがあるわけです。ですから、市民・国民という一人の立場での経験を通じて、お一人お一人の個人対個人という間柄での共通する気持ちというのと、そして、その共通する気持ちが一つの国の国民、米国民・日本国民という立場で考えたときに、じゃあ、その行為を戦争の当事国であった相手国に対してどうつけるかという、そんな中で、様々な思いを巡らしながら、71年経っているわけです。だから、個人、多分、私は想像するに、どなたもそういった状況に遭わないようなことが戦争以前のところで、もし起こっていれば、苦労はしていないというところに戻るわけですから、やはり、戦争のないような状況を目標として、いわば、人類が違法行為としているようなことを、いかに戦争中であってもしないようにする。非人道的な行為をどんな局面においてもとらない。ということをやってもらいたいという思いについては多分、お聞きすれば、皆さん合意、納得していただける状況です。そういう、双方が納得するところで、しっかり、気持ちを確認して、これから一緒にそういった点で、未来志向で、そういった事態にならないようにしましょうというような話しなり、動きが起こるきっかけになっていけばなと、そして、その中で、双方、過去こんなことがありましたねっていう、未来へ向けての道をきちっと設定した後で、過去を振り返るということの契機になればなと思うのです。そんなふうな思いがありますから、どういう形で両者の方達が接点を持つかどうか、私も分かりません。それは、要するに、日本とアメリカ、両政府が今、対応を考えていただいていると思いますので、是非、そういった未来志向の面談になるようなことを望んでいます。
その他の質問
サッカースタジアムの建設について
記者 オバマ大統領とは関係ないですが、「サッカー場建設問題について」聞かせてください。サンフレッチェの独自案詳細の発表から随分経ちましたけど、その後のサンフレ側との協議の進捗状況と今後の見通しなどあればお聞かせください。
市長 少し、オバマさんの対応の方で一生懸命やっていましたので、改めて、そちらの方は、5月13日かな、久保会長が発表された内容を前提にしながら、今、事務的にやり取りをさせていただいているところですけど、やはり、頂いた内容がご本人とすれば、しっかりと説明をしたということですが、もう少し、具体性という点において、欠けているという問題意識もありますので、ここで、ある程度、皆さんの意見を聞くことも、どうかという趣旨の話もあったりしたことを踏まえて、両方が、今まで公表をしてきた情報を対比して、資料整理をして、一回、皆さんにも、ちょっと見てもらうということを、やるということもあっていいかなと思っています。もちろん、マスコミ等の中で、我々の主張をチョイスして、比較表を作っていただいたりしているのですが、その比較の仕方も、どちらかというとトータルで、我々、問題意識として提示しているものが、必ずしも十分、多くの方に届いていないじゃないかって気もしているので、もう一遍、改めて広く比較していただけるような、広報資料、広報情報の整理をするということをやりながら同時に、事務的な意見交換をサンフレッチェ広島に働きかけることをやってみたいなと思っています。
今日あたりの情報だと、商工会議所の方も改めて、また久保さんに話を聞くということがあるので、今申し上げたような、比較表をきちっと、お示ししながら、「ここは、どうなのでしょうか」ってことを、ちゃんと比較する議論もした上で、次に進みたいと。当然、4者会談の開催に向けて、準備を同時並行でやっていますから、そこでの話が整理できれば、4者会談に移れる。そういう準備も同時並行でもちろんやるということです。そんなことを考えています。
記者 確認ですが、市長のおっしゃった比較表の公表は、いつごろをお考えかと、あと、どういった項目での比較を検討されているのでしょうか。
市長 今まで出ていて、それぞれ対比できるところ、網羅的にやりたいと思っています。例えば、球場跡地であれば、もちろん、サッカースタジアムそのものの比較もありますが、今度なんかは、青少年の施設を撤去するということもありました。それは、撤去するということは簡単なのですが、それをどういうふうに考えておられるか、以前のときは、「武道館の方に触れるから」と言っていたら、「じゃあ、そちらは触れないようにする」ということで、移動すると、今度は、こっちの青少年の方に来ました。だから、あそこにある施設郡全体についてのことも考えながら、なかなか、スタジアムという設置場所は難しいですということを我が方としては、言っていたと思うのですが、そういったことについて、それは、市の施設だから、あとの処理は任せると思っておられるのか、あるいは、こういうふうにするのもいいと思っておられるのか、実際、青少年施設もすごい、半世紀にわたる、長い歴史がありまして、以前から建て替えで、あそこで立派なものにしてくれという要望もずっと受けているわけですよ。そうすると、そういう話が来た途端に市が、そちらの方の施設の調整に注力しなきゃいけない状況になるわけです。だけど、スタジアムを造る方は、それは市の仕事だから、お任せするということなのか、「いやいや、こんなアイデアを持っていて」ということがあるのかどうかということも、ある程度、確認しながらやる方が4者会談するときに、下準備になると思います。だから、そういった意味で、事務的な整理をしっかりするという例示ですけど、そんなことをやらしてもらいたいなと思います。
記者 公表時期は、いつごろお考えですか。
市長 なるべく早く。今ちょっと、大統領の来広でやっていますけど、これを無事終えて、次のステップで、早急にやれるようにしていきたいと思います。
記者 最後に一点だけ、市長は従前から、4者会談に入られる前には、事前の事務レベル協議が前提だとおっしゃっていましたが、今回、比較表を公表されたら、その後は、四者会談に入りたいとお考えですか、それとも、従前の事前の事務レベル協議も絡めて。
市長 比較してどこが、お話が足りないかということを両方で確認して、補足説明ができれば、それを埋め合わせた上で、調整してやれば、話はうまくいくと思っているわけです。比較表ですから、比較してそこについてどう考えるかということ。比較していて答えがないという場合もありますから、じゃあ、そこを教えてくださいという作業させていただきたいということです。
記者 比較表の作成工程が事務レベル協議。
市長 そうです。だから、同時並行でやると申し上げたわけです。
※( )は注釈を加えたものです。