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ページ番号:0000013077更新日:2019年10月21日更新印刷ページ表示

2016年05月13日記者会見「多国間核軍縮交渉の前進に関する公開作業部会5月会合への出席等について(帰国報告)外1件」

動画は下記からご覧ください。

(「広島市動画チャンネル(市長記者会見)」のページへジャンプします)<外部リンク>

市からの発表案件

【多国間核軍縮交渉の前進に関する公開作業部会5月会合への出席等について(帰国報告)】

市政記者クラブからの代表質問

【オバマ大統領の広島訪問について】

<会見録>

市からの発表案件

多国間核軍縮交渉の前進に関する公開作業部会5月会合への出席等について(帰国報告)

市長 それでは帰国報告をさせていただきます。まず、お手元の資料をご覧ください。この度、国連欧州本部で開催されました、多国間核軍縮交渉の前進に関する公開作業部会5月会合への出席等を目的といたしまして、4月30日から5月5日までの6日間の日程で、スイスのジュネーブ市を訪問いたしました。詳細については、後ほど資料でご覧いただければと思います。

資料の2ページを見ていただきますと、5月2日の公開作業部会では、被爆地の市長として、また、平和首長会議の会長として、NGOの1番目に発言の機会を得ることができました。そこで核兵器の廃絶の議論においては、核兵器国、非核兵器国が対立構造ではなくて、相互理解そして多様性ということを尊重する中で議論して、核兵器廃絶ということを明確に決意する環境を創出すべきだというふうな訴えを行いました。今後も加盟都市と共伴に、国連やNGOと連携しながら各国の為政者に対しての、核兵器に依存しない安全保障というものを目指すよう、働き掛けを継続していきたいと考えています。

また、被爆者の方が、為政者が被爆地を訪問して被爆の実相に触れるということの意義についても発言いたしました。そのことを受けまして、日本政府の代表の方では、核兵器3カ国も参加いたしました、G7外相会合での広島宣言を引用いたしまして、他の人々が同様に広島及び、長崎への訪問を希望するというふうに述べたほかですね、スウェーデン政府の代表も同様な発言をするなど、支持が多くありまして、我が市が求めております被爆地を訪問するということへの理解が広がったと受け止めをしています。この度の作業部会を見てみますと、核兵器国は引き続き欠席でありましたが、出席した83カ国の政府代表のほかに平和首長会議や、広島、長崎の被爆者など、NGOも多く参加しておりまして、法的措置、あるいは多国間の核軍縮交渉についての活発な議論が交わされておりました。そうした中でありますけども、会議の合間に何人かとお会いしてお話をして要請をしました。

その中には、公開作業部会の議長であります、タニ・トーンパクディ氏とか国連欧州本部長マイケル・モラー氏ともお会いいたしまして、具体的な前進が図られるような要請も行いました。いずれにしても、今後核兵器の法的禁止に向けた動きが更に加速するということを期待しているところであります。また、今回の国連欧州本部の協力によりまして、同本部に初めて被爆樹木の苗木を贈呈いたしました。それとまた、この会議の議場入口にブースを設けまして、そこで、資料展示、被爆関係の資料展示を行いましたので、平和首長会議としての取組の周知ということができたと思っております。その他には、核兵器廃絶国際キャンペーン、ICANですね、それとか、ひろしま平和大使などのNGO関係者との面会をいたしまして、そこですべての国が安全保障というときに、国家のための安全保障という考えではなくて、最終的には市民のための安全保障構築ということに取り組むよう、そのためにも核兵器廃絶に向けて協働していこうという呼びかけを行いました。今後さらに、各方面との連携を強化して、核兵器のない世界実現ということに向けて、市民社会ですね、この幅広い運動というものが更に促進されるようにしたいと考えているところであります。以上が今回の出張の概要になります。

記者 今回核兵器国の参加が第一回に引き続きなかったということですけど、それについてどうお考えでしょうか。

市長 核兵器国については、自分たちの立場を鮮明にするという、ある意味ではね、デモンストレーションという意味合いで参加しなかったんだと思われます。これは、いろいろマスコミ等でもコメントが出てますけども、核兵器禁止条約という、今の核武装についての色付けをする、違法とかですね、といった色付けをする議論よりかは、むしろ、今あるNPT体制の下での核軍縮不核散、そういったことを着実にやるというスタンスに立っているんだということを、今まで見てきておりますので、その立場を鮮明にしながら、この会議の成り行きを見守っていることではないかと思うんですけど、私自身はそういった立場にあるとしても、この場に出てですね、80数カ国、多くの国がどういった議論をして、どういう考え方でやっているかをですね、いろんな形で情報入手できるか分かりませんけども、その場で皆さんと議論するということ、そのことの重要性をもっとしっかり受け止めてもらえたらなという気がしているんです。

記者 今の話にもつながるんですけど、核の傘の国は一部参加してまして、日本政府も参加してるんですけれど、この政府の会議の中での立場というものと、松井市長が言っておられた中身というのは、その辺で少し打開というものを感じられることはありますか。あるいは、日本政府の会議の中での対応が平和首長会議の思うこと、評価をどう見てるかということなんですけども。

市長 私自身のいわゆる各国の、核兵器(保有)国の立ち位置を自分なりに整理いたしますと、公式に認められている核兵器保有国って5つになりますかね。5か国になるでしょうね。そのほか、事実上持っているという国はとりあえず置きまして、5か国。それで、国連に加盟している国全体は大体193ですか。で、今度だって、この会議に出たのは83か国になりますね。そうすると、今言われた核の傘の下にある国というのは、ざっというと45か国くらいになるんでしょうかね。ヨーロッパの国々とか、日本も含めてですね。

そうすると、核兵器保有国、核を持っていない国の中で、傘の下にあると言われる国とそうでない国も、数から言うと、圧倒的に、核を持たず、また傘の下でなくて、立場をしっかり主張する国というのがあるわけですね。こういった中で、全体として、私はどの国も核兵器がない世の中を、良いですか、悪いですかと聞いたら、核兵器がない世界が悪いなんていうことをいう方はしないし、少なくとも各国の為政者として、そういった理想を否定できるようなことはしないと信じておるんですね。

ただ、現実はどうかというと、実際にそうは言いながら、核兵器を持っている国、そこのリーダーを務めている方は現にいるわけですね。そういった持っている方々を中心に、実際に核兵器をどうなくしていくかという状況作りこそ重要だと思ってるんです。そうすると、まず、核兵器を持っていない国にしては、それを維持して、それを持っていないことの良さをしっかり踏まえ、それを核兵器の傘の下にある国、持っている国にも、きちっと伝えると、それと同じような考えになっていただくようにするということをやり続けるということですね。その中で、とりわけ問題にされるのは、核の傘の下にある国にどういう対応するかということなんですね。こういった国においては、現実の問題として、いわゆる軍事力とか経済力ということを現実問題として考えて、自ら持っていないけれども、しかし、いわば主張として、自分たちの国の権益、利益を現状において確保するために、どういう立ち位置がいいかという、そのいわば、理想はとりあえず置いて、現実的なしのぎをするために、どちらのポジションを取るかという選択をしながら、きてるわけですけどもね。この核兵器がなくて、傘に入っている国がまとまって、自分らだって、現実はそうなんだけど、核兵器のない世界が理想なんだから、それに向けて、一緒になって、核兵器を持っている国にしっかり物申していきましょうっていう環境がもしできれば、もっともっと事態が変わっていくんじゃないかという気がしてるんですね。

そんな中で、私は日本政府には今申し上げたような橋渡しをするリーダーを務めていただきたいということをずっと申し上げてるつもりなんですね。ですから、本当に核兵器のない世界を目指すというのであれば、それを現実の問題とするために、今の現実を越えて、理想を追求するためのリーダーシップをどう発揮するかということのほうに、支援なり力をもっと割いてもらいたいということをお願いしてきております。そして、そんな中で、核兵器を持っている国が今回も出てませんけども、日本国政府に出席してもらって、一定の発言をしてもらってます。そんな中でよくよく発言を注視して、理想への足がかりを失うことのないように、現実的な対応も必要だということもそれは認めますけども、理想を目指した現実的な対応ということを是非やってもらえるようにという気持ちを持ちながら、その環境を作るために、各国を構成する都市の構成員となる市民と言いますか、多くの方々に平和首長会議という組織を通じて、この気持ちなり、核兵器のない世界を目指そうという思いを共有してもらうことをしっかりとやっていくということが、今までも重要ですし、とりわけ今、もっともっとしっかり力を入れていかなきゃいかん状況にあるんじゃないかなと思います。そんなことでありますので、それをやると同時にもう一度、とりわけ核兵器を持っている為政者が広島に来て、被爆の実相を見てもらえれば、そういったこと(核兵器のない世界を作るということ)を言う気持ちの根拠といいますか、裏付けも実感してもらえるんじゃないかと。理屈を越えて、こういった思いになるという、被爆者の思いというものを受け止めるのは、もっと理想を追求しなきゃいかんということを自覚していただけるんじゃないかというふうに思うわけですね。

ですから、迎える平和、是非来てくれ、それから、多くのそういう気持ちを持っていただく方を増やすための平和首長会議のメンバー構成の拡大、その都市の下の市民、それを広げるために、若手、次世代を担う若い方にそういう思いを共有もらえるような対応を、我が市、長崎が一緒になって、やっていくということが必要かなと思っております。

記者 今回会議に参加されて、成果といいますか、メッセージに対して後の反応とかで、手応えと言いますか、そういったところの受け止めをお聞きしたいんですが。

市長 私自身先ほど申し上げたように、何人かの方と直接お話した中で、ご紹介したいのは、G7外相会合で、核兵器を持っている国の代表の少なくとも3人が来られて、広島の地で、被爆の実相を見ていただいて、そういった方々の原爆資料館での対応などを間近で見てたということで、お話をちょっとしたりすると、G7外相会合が日本の広島で開かれたということ、そして、一定の世の中の流れと言いますか、そういうのが変わるんじゃないかという受け止めは多くの方がしておったんじゃないかと、G7(外相会合)があったということをまず知っておられたし、私のそういった説明について、反対するというか、そんなことはないという方はいなくて、そうだろうなという受け止めをしていただいているということを経験いたしました。したがって、いろんな意味で、今申し上げた理想に向けての世論形成という中で、各国の為政者、とりわけ核兵器を持っている国の為政者が広島の地を訪れて、被爆の実相を見るという対応をすること、そのことに大きな、世論形成の意味付けがあるんじゃないかなという感想は持ちました。そして、同時にNGOとの方々、被爆された方で、広島の平和大使をやっていただいている方なんかとお話した中でも、実際に為政者が広島を訪れるということについての評価は皆さん一様にされていました。それを踏まえてさらにもっと踏み込んで、いろいろ対応していただくとありがたいけど、まず第一歩が出たんで、踏み出せということなんで、多くの方が評価しているというふうに受け止めています。

記者 今の質問とも少し被るんですけども、平和首長会議、加盟都市が7,000都市を超えたということで、大分規模も知名度も上がってきていると思いますけども、特にこの平和首長会議についての会議での受け止めとか評価とか、話した印象としてどういう役割が今後期待されているのではないかなとか、そのあたりの印象を、今回出席されてどう感じたのか伺いたいのですが。

市長 平和首長会議の少し踏み込んだ説明は、国連事務局長とお話ししたときの話がいいでしょうか。マイケル・モラーさんという方が事務局長で、お話をいたしまして、マイケル・モラーさんにお話ししたようなことを潘基文国連事務総長にもお伝えしましょうかと、もちろん伝えてくださいと。私どもも伝えますと。ちゃんと我々も対応するというようなことを言っていただいたんですけども、そんな中で、我々の組織、つい1年前までは6,000都市だったんだけども、ここ1年から1年半の間に7,000都市になるということで、加速度的に多くの方の賛同を得て、こういった組織が増えていますと。

そしてこの平和首長会議は核兵器廃絶とそれを進めるための法的な禁止措置といった実現に向けての議論開始をちゃんとやってほしいといったこともやっている組織なんですということを申し上げたら、そのこと自身を広がり等も踏まえてしっかりやっていただいているんですねと。そういった会議をちゃんとやってもらうということは意義がありますねという趣旨の発言もいただき、そういったことをやっている広島ですから、広島の地というものをうまく使って様々な会議などをやっていくということもあっていいんじゃないでしょうかというようなお話も、話の過程で出てまいりまして、それは私は「迎えるヒロシマ」というのをやっているわけですから、いろいろな意味で、広島でいろいろな会議があるということは非常に歓迎しますし、これからもやっていきたいということを思っていますとご紹介したら、そういった話については了解していただいたという受け止めです。

そういう意味で、市民ベースといいますか、都市ベース、国という国境を越えた形でのこういった取組みの輪が広がっているということをきちっと受け止めていただけたんじゃないかと思います。

もう一つ、この会議で国の立場でない者としての発言で、最初にスピーチのチャンスをもらったわけですね。これは議会の議長さんの計らいだと思いますけど、そういった意味で、この組織の重みといいますか、存在感を認知していただいて、そういう取扱いをしていただけたんじゃないかと思っています。

市政記者ククラブからの代表質問

オバマ大統領の広島訪問について

記者 先日、米国大統領受入本部が設置されましたが、その後、国から大統領の来広日程、行程について、新たな情報はありましたか。また、受入本部の現在の取組状況をお聞かせいただければと思います。

市長 来広日程等についての新たな情報は現時点でまだ把握していません。事務方の方で外務省に行って、どうなりますかと調整しています。政府の担当窓口で情報収集にあたっているということで、むしろ、今朝の新聞等を見ると、各マスコミの皆さんが一生懸命取材を東京の方でされているので、そっちの方が情報がしっかりしているんじゃないかと思うんですけど、そういう意味で正式な情報は来ていません。

そんな中でありますけども、我が方としては受入本部を立ち上げましたので、そこでの取組状況を申し上げますと、だいたい想像に難くないと思いますけど、間違いなくオバマ大統領が広島の平和記念公園に見えますので、そこでの例えば当日の(広島平和記念資料館等の)来館者の予約調整をまずしなければいけないということ。それから原爆死没者慰霊碑参拝も当然コースに含めていただけるだろうと思っていますので、そのあたりの警備強化ですね。あとは、(平和記念)公園周辺の様々な施設の点検、消火栓などの点検や施設の立入(検査)の準備を怠りなくやっているということです。

当日の安全対策もということですから、人手も要りますので、他の政令市消防局からの応援も求めるということもやっていますし、当然、広島県警察との連絡も絶やしておりません。具体的な(大統領が)見える時間帯がどうなるかということにもなっていますけども、時間帯の立ち入り制限も要るんでしょう。そういったことをやるときに、(本市)職員などの自主警備をうまくして、県警との連携を図るということがあります。(大統領が)見える場合の我々が今想定し得る範囲での準備を怠りなくやっているという状況です。

記者 今の件と関連して二点あるんですけども、一つは昨日報道であったんですけど、ホワイトハウスの方が、大々的な演説は予定していないというふうに発表していたんですが、新しい情報はないということですけれども、これまでメッセージを発出してほしいという働きかけをされてきたんですが、メッセージの発出の仕方で、どういう形のものを期待されているかということが一つと、すいません(質問が)三つあります。それに関連して、平和記念公園で例えば慰霊碑の前で演説したいという申し出があった場合は、それに協力される意向かどうか、最後、三つ目は、さっきの質問に関連するかもしれないんですけど、5月27日にオバマさんがメッセージを発出した後に、市として迎えた先にどういう具体的な核軍縮に向けた取組を考えてらっしゃるかという(ことを)伺わせてください。

市長 メッセージの内容については、これはいわゆるアメリカの大統領としてのオバマ大統領の意思表示ですから、我々がどうしなきゃいかんというふうな性格のものではないということが大前提であると思うんですね。そこで今まで申し上げてきてますけども、少なくとも既にプラハ演説ということで、一定の方向性は出されておるわけですので、私は少なくともそういったものが、具体的な前進を見せてないということが、ある意味で問題提起とされて、世界の核軍縮、核不拡散が十分進んでないんじゃないかと、停滞しているんじゃないかということにもなっているというふうに思うんですね。ですから逆に、そういった状況を進めるということが今度のメッセージの中でしっかり打ち出せていただけると思うんです。そういう意味でプラハ演説を一歩でも二歩でも進めるような内容があれば良いなと思ってますということを申し上げました。

同時にそういった具体的な対応をするという意思決定の背景として、「このような思いを他の誰にもさせてはならない」というヒロシマの心であると同時に、被爆者の思いをきちっと受け止めたんだということを明言していただくと言いますか、それが分かるようなメッセージを出していただいて、いわば未来志向で必ず将来に向けて頑張るんだというその意志の程を伝えていただくようなことをやれば、自分とすれば、今までお願いしているようなことがある程度叶ったかなと受け止められるんじゃないかと思うんですね。敢えて言えば、こうしなきゃいかんというわけじゃないんですけども、希望とすればそんなことが言えると思いますね。

その次にメッセージを発出する場所の問題ですけど、それをどういう所でやるかについては大統領の判断ですから、(それに)応じて、先程申し上げましたように警護の体制と言いますか、そういったメッセージ発信に支障のないような協力体制を県警とか我々でできる範囲で一生懸命やるというふうにしたいと思います。そしてメッセージを受けてですけども、どんな内容になるかということは一つ問題があるかと思いますけども、それ以上にこの広島に来られて、初めて現役の大統領としての発言をすると、そしてプラハ演説の延長としての一定の意思表示があるということを受け止めれば、核兵器のない世界を実現するための何らかの努力をするというメッセージが込められると思うんですね。ですからそれを、やはりしっかりと受け止め、引き続き多くの市民、世界中の市民がそれをベースに様々な発想ができるような環境作りを市としてやっていくということになろうかと思います。ですから、そういったことをやるための具体的な方法として、先程申し上げた平和首長会議のメンバー都市を増やすということ、それに今言った考え方に賛同する都市と同時に、そこの市民を巻き込むわけですから、より多くの賛同者を得るということを日々確認しながらすることになりますけど、これを引き続きやります。

同時に内容としてその都市で過ごす次の世代、多くの若い方ですね、そういった方々に国境を越えて、核兵器のない世界を作るということが、どれほど価値のあることか、そのために自分たちは何をやったら良いんだということを考えていただき、それぞれの暮らしの中で行動に移していただくような環境作りをするために、若い方にこういったことを学習していただくという、そういう教育的な観点からの若者交流といったことも具体的な措置として重要になると思うんですね。それは今、平和首長会議の中でインターンシップのようなこともやり始めています。加盟都市同士の中での若者交流といったことも始めるようにしてますけど、これをもっと充実していくというか、拡充していくというふうなことをやることが、一つこの(オバマ大統領)訪問後の重要な行動になるんじゃないかなと思ってます。

記者 今のお話の中で、被爆者の思いを受け止めていただくというお話があったんですけども、もし向こう(オバマ大統領)が検討しているのであれば、市として具体的にどういう場をセッティングをしたいと、具体的な方法、手法があればお知らせいただけますか。

市長 私自身は、このようにということは先程の話と同じように、お願いするとしても日本国政府に伝えるという中で、話はした方が良いかなと感じてますが、色々言われているのは、被爆者の話を聴く、滞在時間との関係がありますから、どこまで可能かは分かりませんけども、そういう場の設定というのはあって良いんじゃないでしょうかとか、お話する時間が仮にないとしても、被爆者の方々と対面するような場の設定ができないだろうかとか、被爆者の方と、被爆者の思いを受け止めたと皆さんが分かるような行為対応をしていただけることが何かないかとか、そんなことを外務省に伝えてみようかなと思うんですけどもね。具体的にどうこうしなきゃいかん訳ではないんですけども、多くの方の受け止めですね。そしてもう一つは、あの平和(記念)公園の地は、多くの犠牲者が出たというふうに言っているし、資料にも出てますけども、当時、我が国の国民だとなっていた方で、実際は国籍が違っている方も犠牲になってます。それから、当時たまたま捕虜の方で、被爆された方も、それから、多くの国籍の方も亡くなったりしてるわけです。だから、そういった事も踏まえた上で、戦闘要員でない無辜の市民が、国籍を越えて亡くなっている事実もあるわけですから、そういうことを受け止めたということが、もし分かるような対応をしていただいた上でメッセージを出していただければ、多くの国民・市民、本当に広島訪問についての納得度が高まるんじゃないかと思います。そういった話は伝えていきたいと思っています。

記者 二点ありまして、一点は、G7外相会合のときに市長は、ケリーさんたちに同行したわけですけども、今回オバマさんがいらしたときにも、例えば原爆資料館であるとか慰霊碑とか、あるいはドームとか、そういう所にも一緒に同行されるような形になるのでしょうか。

市長 できればご案内させていただきたいと思いますけども。

記者 直接会って、大統領に広島市民の代表である市長として、メッセージを伝えるような気持ちはありますか。

市長 時間的なというか、チャンスがあればもちろんしっかり伝えたいと思います。

記者 もう一点は、今回広島への訪問ということで長崎には恐らく行かれないようですが、長崎にも言及するようなメッセージを出すというような報道もありますけども、広島市としては、今回の訪問を長崎市とどのように共有されるお考えでしょうか。

市長 私が今申し上げましたように、広島市ということを強調するという以上に被爆者ですね、国境を越えて多くの犠牲者が出た原爆投下というその行為そのものがどうだったんだということを申し上げている訳ですね。だからその受け止めをしっかりやっていただくと、それを受けて言及していただくときに広島、長崎の犠牲者、それは先程申し上げたように、国籍を越えて、そういった犠牲者を出す、あるいは出してしまった原爆投下、原爆の存在ですね、そういうことを生ずる存在について、核兵器廃絶を理想とするということも言っていただいている訳ですから、その理想に向けてどういった思いで、一歩進めるようにするかといったようなことを言っていただければ、方向性についての明示がある訳ですから、それを踏まえてもっと頑張ろうと、実際に核兵器を持っている国の指導者がそう言うんだから、それをより確かなものにするために、みんなもっと頑張ろうじゃないかということが次のステージで言えるようになるんじゃないかと思いますね。それを大いに期待しています。

記者 オバマさんが来ることになったんですけれども、国連の作業部会の話に戻すと、作業部会でアメリカは出席すらしていない、そこからオバマ大統領が広島を訪れるということになったのですが、一方では欠席、完全に全く出てなくて、でも来るということの、そこはどう思われますか。

市長 それがまさに理想と現実のギャップを象徴している状況かなと思うんですね。やはり国連というのは、各国がそれぞれ構成員となるんですね。条約を締結して、批准してということですから。我が国の国政で例えれば、内閣と議会と国家、そこが両方とも承諾して構成員となって国連の参加メンバー、NPTであればNPTに関係する条約を批准して、義務を負っているという立場なんですね。だからその義務を負っている立場の者が、その国を代表してオフィシャルな会議に出て対応するという局面では今言われたように、国連の公開(作業)部会では、そこでの議論を避けているということですね。出ていないというのは。これは多分、国内の事情ですね、大統領と議会との関係とかいろんなことを考慮して出ていないんじゃないかと想像しているわけです。ですけれども、それを超えて、大統領、トップとしての意思表示として広島の地を訪れて、プラハ宣言で言った、我が国の意義も含めて、あの時もすぐになくなるとは言わないというのはちゃんと言っているんですね、国内事情を考えながらですけれども、自分の理想はこちらだということを明確に言っている、それを再確認するために来ていただけるようなものだと思うんです。ある意味ではアメリカの国内事情を投影した行為態様がこういったところに出ているんだと思うんですね。議会を巻き込んで、大統領が目指す方向にいろんな世界のシステムを動かしていくということが、各国のリーダーの責任になっていると思うんです。それをやれる環境を多くの市民国民を取り込んでやっていく、先ほど申し上げた核のない国、核の傘にある国であっても、そこにおける世論をどう形成するか、全く核のない国の世論をどう形成して、世界全体としてどういう世論になっているかということを見せつけて、核を持っている国の統治システムに影響を与えていくということが本当に重要になっているのではないかなと思います。

記者 今回オバマ大統領と一緒に安倍首相も来られるということですけれども、何か安倍首相に期待することとか、なにか直接お伝えするとかありますか。

市長 特に総理につきましては、今度オバマさんと一緒に来られるということの中で、我が国の今後の方向について、一つアメリカと一緒になって核兵器のない世界を目指すということを言っていただいております。それをしっかりと実現に向けて、力強い一歩踏み出す出発点にしていただければと思っております。

その他の質問

熊本地震への支援についての手応えと評価

記者 明日で熊本地震発生から一カ月になるんですが、広島市としていろいろ職員を送り込まれて対応中ではあると思うんですけれども、今回政令指定都市として大規模な地震に対応するということも始めてとられたと思うんですけど、今のところ、市の支援であるとか、対応の手応えと評価みたいなのがもしあればお話しいただけますか。

市長 この感想は直接今のご質問の答えになるかどうかわかりませんが、一つは今回経験したのは、実は熊本は政令指定都市になるのが一番最後の都市なんですよね。それで自治体の、広島でいうと八区ありますね、各区の構成が違うとこんなにもいろんな問題が起こるんだなということを実感する局面がありました。熊本も近隣市町を統合して政令指定都市になっているんですけれども、行政組織として、各区にある区役所が広島市でいうと出張所のような組織対応になってまして、一定の各区で、区長さんがいて判断して、対応するというような組織になっていなかったらしいんですね、本庁からの指示で動くというぐらいの組織形成になっておりましたので、結局こういう地域全体で災害が起こった時に、区ごとに狭い領域で自主的に対応するということがなかなかできなくて、本庁からの指示が到達できない。それを国が見てて大変だということで支援を駆けつける、という中で広島が一昨年、8月の豪雨災害で国・県・市うまく連携したというのと違う状況がどうも起こっていたのではないかという気がしました。

それで、こういった災害を受けた時に、やはり各自治体として日頃からある程度、完全とは言えないけど、地域ごとに少し自立した機能を持ちながら、かつ統合した機能を中央に持たせながら、やっていくことの重要性をすごく痛感いたしました。それを自分たち自身もきちっと備え、さらに市民の方々の意識がまずあり、それを一定程度把握して、それを調整できる機能を持たせながら、市全体としてやれる機能があるということ、その重要性を痛感したというのを今回経験になりましたね。そういう意味では、広島の今の区のやり方、区に少し実政を持たせながらやるという方向はやっぱりよかったかなと思ったのが一つ経験でしたね。これについては、本当に、合併して間もない中で非常に市長さんはじめ、関係者は大変な苦労されていると、そして国としても重要な課題として取り上げていただいて、うまく援護措置は円滑にいくようにと思っています。もう一つは地震の発生の仕方について、いわば、災害というのがあるとき、一定期間集中的に起こるとその後は沈静化するというパターンでいろんな災害対応を考えてきていたのが根底からこういった形で長期にわたってそういった状況が続いた時の避難措置とかまでは十分にできていなかったんではないかと思うんですね。そういった面でも持続する非常事態、危機事態に対応するための構えといいますか、備えもこれからもう少ししておく必要があると。これは我が市だけではなくて、効果的な(備えをすることが)課題になると思うんですけどね。そんなことが今回明らかになったと思います。

※( )は注釈を加えたものです。

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