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2016年03月28日記者会見「平成28年4月1日付け広島市人事異動について」
動画は下記からご覧ください。
(「広島市動画チャンネル(市長記者会見)」のページへジャンプします)<外部リンク>
市からの発表案件
【平成28年4月1日付け広島市人事異動について】
その他の質問
- 【サッカースタジアムの建設について】
- 【G7外相会合の機会を捉えた被爆の実相の発信について】
<会見録>
市からの発表案件
平成28年度4月1日付け広島市人事異動について
市長 平成28年4月1日付けの広島市の人事異動についてご説明します。
基本的な考え方です。
この度の人事異動に当たりましては、8.20豪雨災害に係る復興事業の推進を始めとしまして、「200万人広島都市圏構想」の実現に向けた広域連携の強化、東部地区のまちづくりの推進、県費負担教職員の給与負担等の移譲に係る準備体制の強化などのほかに、G7広島外相会合の開催に伴う消防警備等の体制強化を図るため、組織全体が十分に機能し、また、職員の職務遂行能力が十分に発揮されるよう適材適所の人員配置を行いました。
その結果、全体の異動率は、34.6%で、昨年度並みの異動規模となっています。
次に、異動の主な内容について、申し上げます。
最初に、組織改正等に伴う職員配置です。
まず、復興工事事務所に第一工務担当課長を配置するなど、職員16人を増員し、計32人の体制といたします。これによって、被災地の都市計画道路や雨水排水施設等の整備など、8.20豪雨災害に係る復興事業を推進いたします。
次に、企画総務局企画調整部に広域都市圏推進課長及び担当職員5人を配置します。これによって、「200万人広島都市圏構想」の実現に向けて、広島広域都市圏における広域連携を一層強化いたします。
次に、健康福祉局高齢福祉部に地域包括ケア推進課長及び担当職員6人を配置いたします。これによって、地域包括ケアシステムの構築に向けた推進体制を強化いたします。
次に、道路交通局道路部街路課に東部地区整備担当課長及び担当職員3人を配置いたします。これによって、東部地区(安芸区船越地区)のまちづくりにつながる都市基盤の整備と連続立体交差事業を一体的に進めてまいります。
次に、教育委員会学校教育部教職員課に教育給与担当課長及び担当職員12人を配置します。これによって、県費負担教職員の給与負担等の移譲に係る準備体制を強化いたします。
次に、教育委員会学校教育部指導第二課に新しいタイプの高校準備担当課長及び担当職員2人を配置いたします。これによって、県市共同で設置する「新しいタイプの高校」開校に向けた円滑な準備体制を確保いたします。
その他、G7広島外相会合開催に伴う4月中旬までの対応として、消防局に外相会合消防警備担当局長を配置し、滝澤消防局長を勤務延長の上、任命します。また、企画総務局に外相会合担当部長を配置します。これにより、外相会合の消防警備に万全を期するとともに、安全対策の徹底や歓迎気運の醸成等、会合の開催支援を推進します。
次に、女性職員の管理職比率についてです。
平成28年4月からの「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」に基づく特定事業主行動計画の実施を念頭に、適材適所の登用に努めた結果、管理職に占める女性職員の割合は、平成27年度と比べ0.1ポイント増の10.4%となりました。
次に、職員の長期派遣等についてです。
東日本大震災被災地の復興を支援するため、引き続き、宮城県石巻市を始め、宮城県、福島県の5市に対し、事務職及び土木職の職員9人を派遣いたします。
また、広島県と平和推進、児童福祉、観光、都市政策及び教育の各分野での人事交流を引き続き行います。
また、広島広域都市圏内の各地域の相互理解の促進や圏域内市町の職員の能力向上を図るため、東広島市等に加え、新たに大崎上島町との人事交流を行います。
以上が、平成28年4月1日付け広島市人事異動の概要です。
記者 今回の人事異動の中でも目玉になる人事と、管理職の異動率が今回高かったと思うんですけど、その理由を教えてください。
市長 まず異動の目玉というか、意を用いた点ですけども、先ほど冒頭で言いましたけど、8.20の豪雨災害に係る復興事業の推進というのは一つ頭にあります。それからもう一つは、今後の政策展開で大きな柱となります「200万人広島都市圏構想」の実現に向けた一連の作業をやるための体制強化です。それと、議会でも予算措置ができましたけども、東部地区まちづくりの推進があります。年度で言うと再来年度になりますけども、県費負担教職員の給与負担等の移譲、これに関わる準備体制強化等々ありまして、今申し上げたような市政の課題、重要課題に的確に対応できる体制を整えるというのが主眼です。
もう一つ申し上げたのは、切り口は違いますけども、女性の活躍ということ。これに関係して女性活躍推進法ができておりまして、特定事業主の行動計画、これにしっかり取り組めとなっておりますので、女性職員の管理職への登用を進めるということ。そして補佐級とか係長級の女性職員、それから新たに本庁の局総務課とか事業部門ライン職、それから人事課の職員育成担当といったところに配置いたしまして、女性の男性と変わりない職場環境を確実に作っていくというところに意を用いました。
企画総務局長 管理職、今お手元にお配りしている資料で参考2というのが後ろに付いていると思います。参考に過去の異動状況というのが上の表にありますけども、全体の異動状況につきましては、ここの左側から二つ目の28年度34.6%に対して前年度34.5%でした。この内管理職につきましてはその右側真ん中の表ですけども、昨年が40.3%に対して45.9%と、ご指摘のとおり管理職については5.6ポイント程増えております。
その主な要因としましては、基本的に定年退職者が増えたということが要因です。部長級で言いますと、昨年に比べまして定年退職者が17人のところが28人、それから課長級につきましては32人のところが57人とそれぞれ部長級、課長級のところで定年退職者が増えたというのが管理職の異動増となっている要因です。以上です。
記者 復興工事、被災地の復興と「200万人都市圏構想」、地域包括ケアと、やっぱりまちに住みやすいというか住めるというか、そういう基盤作りと今後の将来に向けての方向性というのが予算でも市長は地方創生に取り組むとおっしゃっていましたけど、やはり新しい職員の配置とか組織の見直しの中でもそういうものは強く意識されているんでしょうか。
市長 おっしゃったとおりでして、行政の課題というのは年年歳歳変わっていく要素もあると同時に、一つの大きな方向を立てて、この広島のまちをどういうふうにしていくかという、要は骨太の行政展開をしていく要素もあるわけです。そうすると、日々の業務の課題というのは、多分多くは区役所という組織を通じて窓口での市民サービスの中で、こういったことが足りないんじゃないか、これをちゃんとやってほしい、という形で行政需要を汲み上げてそれに日々応えていくという業務があります。これらについては、一期目のときに区役所のレイアウトを変えるというのは、ハードを変える中で、職員自身のいわゆる市民に対する対応をしっかりやっていくというようなことで、一定程度システム化できたかなと思っていますので、今後は後者の方、骨太をもっともっとしっかりと方向付けをして、それに関連する業務を所管する課、あるいはそれと関連する課が連携を持ちながら局も越えて業務をしていくということが重要になります。
そういった視点で、先ほど申し上げたような課題を明確にして、まち自身の活力を生み出すための諸施策の展開、それを関係市町に展開して、そこと一緒になってさらにその効果が我が街に戻ってくるよう取組をするという体制です。それは安全安心の確保であれ、全体の経済力とか観光を通じた人の行き来を向上させると、そういった各施策、そういったところに人材を配置し、構成も若い方々もそういったところに踏み込んで、そういう方々がそこで仕事を経験して、市の他の部局でもそういった経験を生かせるように、そういう人員配置をやっていきたいと思います。
そんな中で欠かせないのは、女性職員の登用です。ですから、ややもすれば、女性はまま、「私は管理職に向いてないから、こういったかっちりした仕事で良い」というようなことを言われる方もいるんですけど、でも役所に入るときの思いと、それからその後、主に家庭生活とのバランスを取りながら、でも仕事をやりたいという方も結構おられます。そうすると、そういった方々の思いを上手く実現できるような裾野の広い人事をこれから考えていく。そういう意味では比較的若い女性職員がトレーニングも兼ねて仕事ができるような配置も考えていく。そして、一定の期間内に確実に管理職も育てると、そんなことに意を使っているというところになります。
記者 まず一点、今回、外相会合に備えた4月中旬までの対応ということで、消防局の担当局長とか担当部長を置かれたわけですけど、これはG7外相会合終了後にはそれなりの異動があるという前提なんですか。
市長 G7外相会合は広島で初めての開催ということですし、まずもって会合のサブスタンス、内容はもちろん国の方でしっかりやっていただくという中で、警備、安全安心な会合がきちっと開けるということを中心に、当然今までの準備対応の中で担当者がしっかりした対応をしてきているわけではありますけど、念には念を入れて、この会合を通じて業務が上手く推進できるようにということで、勤務延期、延長なども織り交ぜながらやっております。したがって、この会合が上手く成功裏に終わった後の人事とすれば、今言ったもう一段の人事も予定してやっております。
記者 もう一点、別の観点なんですけど、さっきの質問にもありましたけど、管理職が今回異動率が高かったということで、中には例えば一年で持ち場が変わる方も中にはいらっしゃると思うんですけど、多分これから人の入れ替わりがここ数年激しいと思うので、そういうことも多いと思うんですが、組織として十分機能していくために、どういう方式をされるというか、例えば長期的な視点でも異動を考えなければいけないと思うんですけど、その辺はどうなんですか。
市長 人事については、当座の課題を処理するにふさわしい人事体制という視点と、それから広島市の役所が長期に渡ってまちづくりを堅実にしていくための長期的な観点での職員配置という二面性がありまして、日々それをどう調整するかというのがとても重要だと思っています。
私自身は長期的な視点に立った人事構成ということをまずしっかりやるのが第一義的に重要だと思っているんです。
さりながら、現在ある職員体制とういのは、例えば市の組織の大きな変革があったときの採用状況等が投影されていて、決して一律な組織になっていません。例えば象徴的には、我が市は昭和55年に政令指定都市になっていますけど、そういったときには新しい行政体を組み込んで業務展開するために職員を大量採用していると。そうするとその前後と比べて同一年齢層が膨れております。そういった方々が今定年に近くなってきているという状況がありますので、そういった方々が抜ける後の体制をどうするかということ。
しかしそれをそのまま引き移したんでは、この波が将来に渡って続きますから、それを緩和するということを少しずつやってきております。それをもう一回さらに緩和させるということを考えながら、人事をまず組むということをベースにしながら、そして当座の重要課題について適材適所と言いますか、今まで職員を管理している立場でこの職員ならばこういった課題に上手く対応してもらえるんじゃないかというところに着眼して人員配置するということです。
そんな中で、その方の今までの昇進過程での年齢構成とかを見て、長く置けるか置けないかということも考えながら、今言われたように一年でとにかくやってもらわなければいけないというのも出てくる。しかしながらそれは、もう一つ当該者の処遇という問題も考えてあげなければいけないという要素がありますので、そういった形で数年に渡って業務を継続できない、しかし集中的にやってもらわなければいけないという職員については、しっかりした職務を経験してもらった後に、しっかり処遇していくという基本方針を立てながらしていくということで、他の職員が見てもしっかりとした対応。仕事をやっていけばそれなりに組織としてきっちり評価してもらえる役所なんだなということを実感してもらえるような人事をやっていくというふうにしていきたいと思っています。
記者 私の認識不足であれば恐縮なんですが、市長の管理職の登用についてのお考えをお聞かせください。それと、27年度と比べてほぼ今同数で、一年でそんなにすぐ増えるとはもちろん思わないんですが、33年の16%という目標がありますけども、それに向けてはどのように取り組んでいかれる予定ですか。
市長 管理職という職は当然、組織の中で自分の所掌している職務をまずこなせるだけの資質があるということプラス、複数のミッション、仕事を抱えている職員をうまく指揮、指導できるという必要があります。だからその資質を養う。多くの人間、どなたも持っているはずなんですけども、それをしっかりと顕在化させるというか、発揮させるような状況にした上で管理職登用ということが要ると思うんです。
そうすると、多くの組織は一定程度、組織のくせといいますか、特色、特徴などを一定年限で習熟して、そして配置されている職員との意思の疎通が図れるような状況になった上で、管理職に登用してうまくやっていくというのが多くの組織の形態だと思うんです。
たまに、そういった中では仕事がルーティン化して刺激がないから、多少なりとも技能重視といいますか、そういった方を外からいきなり管理職に入れて刺激するというやり方も否定しませんが、私自身は、市の多くの仕事は継続してやっている部分が多いわけですので、それらを円滑に引き継ぎながら徐々に良いものにしていくためには、やはり組織で一定程度職員との意思の交流もでき、業務的な慣れもあるような中で資質を磨いて、管理職に登用していくというのを原則としてやっていくのが良いんじゃないかと思っています。
そういった中で管理職を養成していきますので、女性職員などについての登用の割合を増やしていくべきだという考え方に立ったときにも、やはり一定程度の準備期間が要ると思うんです。ですから、まず若い方々の意識改革もやり、今すでにこの役所に入っている多くの女性職員は一定の意識改革はできていると思いますけども、今までの人事異動の中でそういった管理職の資質を備えるにふさわしい仕事を与えられていたのかという点にむしろ重きを置いて、これからもう少し管理職的な要素が育つような人事配置ということに若めの女性職員をやり、男性と伍してやれるような処遇環境を与える中で、結果として計画期間の中で一定目標を達成するということにしたいと思うんです。
その数字的なものを慌てて整えるために、そこが習熟していないのに無理やりといいますか、ある程度数字を整えるためにやった場合に、うまくいく場合は、職場環境と職員、管理職との関係でうまくいくということはあるかも分かりませんが、お互い組織としても不具合がある、当事者としても苦労が多いばかりで、なかなか成果が出ないということも自分なりに役人組織で見たりしていますので、そういった点については特に留意して、少し前倒しというか、若い層でそういった成長したい意欲、能力、そして皆がそういうことを歓迎できるような職場環境を作りながら、確実に管理職の中でのウェイトを高めるということをやっていきたいと思っています。
その他の質問
サッカースタジアムの建設について
記者 サッカースタジアムについてお伺いします。従来、当初想定されていた3月末までという話で、今週で3月が終わります。未だにいつ三者会談をやるのか、あるいはやるのかやらないのかということも含めて、まだ現状、公式の発表がない状態が続いていますが、一方でこの間、サンフレッチェ側からは久保会長との四者会談をやりたいという話がありまして、市や県は文書で、「四者会談をやりたいけれども、まずは事務方での事前の情報の整理をした上で協議に臨みたい」という趣旨の回答をされて、その後、外から見ている限りでは基本的にあくまで向こうはトップ会談をやらせてくれということで、平行線が続いているように映るんですが、現在の進捗はどういう状況なのか。そして、今の状況を踏まえた上で、あくまで3月末までの結論、一定の方向性を出すのか、知事等もそこを含みを持たす発言をされていますが、その点について、今この段階で市長としてはどういうスケジュール感で動いていくとお考えでしょうか。
市長 非常に悩ましい問題ですが、事実をもう一回確認すると、事実ならもちろん私が受けてとめているというか、皆さんも共感していただけると思うんですが、3月3日にサンフレッチェの久保会長が発表されたサッカースタジアムの建設案は、今まで四者会談をし、三者にして作業部会で検討をやっていこうという合意を積み重ねながらやってきていた内容と、いろいろな点で前提が異なる内容です。かつ、出来上がった図はこういったことを目指すと言って皆さんに発表されていますが、そういった整備をやってくれとか、費用等についての基礎となる仕様がなぜそんなふうになるのか、示されていないと思うんです。かつ、それは当初の3月3日前後の中で、今後説明すると言われてきたと思うんです。だから、説明するというところをまず聞かせてくださいと言っているというのが(現在の)我々の立場です。おそらく、今後説明すると言われていて、未だに説明が行われていないというのは、マスコミの皆さんも確認されている事実ではないかと思いますし、まずはそこを押さえておきたいんです。
そんな中で、3月17日には記者会見もしましたし、18日には久保会長への回答についても情報提供させていただいたという認識でいます。その後も、実はいろいろとやりとりをしているのですが、こちらが言っている説明にあたるようなものが頂けていないんです。では、説明を頂けないのはどういうロジックかなということで、頂いているやりとりの文書で確認をすると、どうももし自分(サンフレッチェ)たちが言われたとおり回答をすれば、その後の議論でどのように使うのかという使い方や、今後のやり方を示してくれ、と。特に、言ったことをどう生かすかということを言ってくれないと使い方が分からないから回答が出せない、とこういうトーンなんです。それが基調になっています。そこで、今までこちらが示しているのは、手続きを踏んでこういう合意ができて、その上でまだ疑問の残っているところを詰めるためにこうして、そこで数字も出してやっているという、そこに違った考えを出されているので、「どういう視点から出されているかを出してください、それを比較しましょう。比較した後で、どうするかということは自ずと決まるのではないですか」と申し上げているのですが、「いやいや、自分たちが出したらそれをどうするかを言え」と。それは今申しましたように、「比較してどうなるかということです」と言ったら、「そうではなくて、どうするかを言え」とこういうやりとりに終始していまして、それでは議論が進まないじゃないかということになっているのが現状だという認識です。
ですから、「四者会談を実りあるものにするためには、概算事業費とかスタジアムの仕様とか、収支計画をもう少し詳しく見せてください。それと今までやっているのが、どう違うのかということを皆さんにお示しして、きちんとオープンにして、議論しましょう」というようなことを言っているつもりですが、それがうまくいっていない。それで悩ましい状況と申し上げました。
それで、今日が28日ですから、今月末という期限が来ています。今月末に一定の方向性を出すというのは、自分とすれば四者、改めて言いますが、概ね一年以上前に県サッカー協会も含んで四者で早く(結論を)出しましょうと言われた当事者がおられて、その方との約束は重いと思っているんです。ところが最近になってその方がまったく違う意見を言ったりするという状況が出てきているので、さて、どうしたらいいかなということでした。
記者 具体的には、この3日、4日の中での話だと思うんですが、そうは言ってもという時期にさすがにきているので、それを4月以降に引き延ばすことも視野に入れて検討しているのか、あるいはトップ会談自体は三者でいったんこの3日間の間に開くけれども、方向性を示すのはもう少し先にしましょうといった選択肢もあると思います。また、トップ会談を一旦開くのを延期しますという結論もあると思いますが、現時点でどういうふうにお考えですか。
市長 今言われたような案がすべてテーブルに乗っておりまして、それでどうするかを悩んでいます。いずれにしても、ここに来ましたので、明日には共同でコメントを出します。そのための調整を取り急ぎやります。明日には結論が分かります。
記者 そのコメントというのは…。
市長 共同でやります。知事と、会頭と私と。
記者 方向性をどうするのかという趣旨のコメントなのか、方向性を出すか否か対するコメントなのか。
市長 それを含めて明日お答えしますので、本当に悩んでいますので、少しお待ちください。
現状はご理解いただけたと思うんです。私は、言われている内容等で、サッカースタジアムの規模の話とか議事録の話とか、いろいろと経過を言われているので、まさに協議会のメンバーに入っていた方がその当時のことを思い返して言われているんです。ですが、その当時11人のメンバーで合議体で議論しながら、そこで、二つに絞りこんでそこから(結論を)出そうというところまで、いろいろな議論を経ながら合議体としてきているわけですから、その合議体の中で、自分はこういう意見を言っていたと、それが通ってないんだと、だからそれを通すべきだと。主張は分かります。主張すること自体を否定している訳ではないんですが、そのこと自体で、皆で合意しながらやってきた手続きをきちんと進めていただけないという所にすごく悩みを持っている訳です。かつ、言われていることをきちんと説明していただいて、比較しましょうと申し上げている訳ですから、そういったことをなんとか実現して、より良い状況に持っていきたい、納得度を高めたいというのがずっと願っていることです。
検討協議会の最後のまとめにも書いてあるんです。「最後に、協議会としては、サッカースタジアム(建設)の実現に向けたこの提言の趣旨を市・県といった行政、経済界、県サッカー協会に真摯に受け止めていただき、今後この提言を踏まえて、具体的で開かれた協議・検討が行われ、広島にふさわしいサッカースタジアムが早期に実現することを心より祈念する」と。この今読み上げた、真摯に受け止めて、具体的で開かれた協議・検討という中で、協議するためにも論拠等をオープンに見せながらやるということを、私どもは論拠を隠しているわけではありません。その論拠のどこが悪いんだということはちゃんと見せて議論すればいいではないかということです。それがなかなか上手く伝わっていないのか、伝わった上での作戦かよく分かりませんけれども、そんな状況ですので、いずれにしても明日答えを出しますので、お待ちください。
記者 ことの発端で言えば、そもそもサンフレの署名活動で始まった話だと思います。
市長 そうではないです。サッカースタジアム(建設の議論)はもっと前からあります。10年前からあります。
記者 現状サンフレが署名活動を12年に出してというところが、サンフレが造ってほしいと言ってきた状況だと。
市長 サンフレはそれ以前から造ってくれと言っています。署名活動もプロセスの一つです。
記者 造ってくれと言っている当事者がみなと公園だといらないというところまで踏み込んだ発言をされている段階で、じゃあ白紙にしますという選択肢はありますか。
市長 そうではなくて、そこに至るまでに協議会を造って議論しましょうと言われたのは、そのメンバーに県サッカー協会も入られておられたんです。だから、なぜそうなるかというのを教えてくださいと申し上げています。合意して来ているわけですから。署名があって、そのような活動があって、合議体を作って議論しましょうときて、結論を出したら、そうではないと言われる。だから、この結論とどうして違うのかという理由を教えてくださいと申し上げているということです。そこがポイントだと思います。
記者 合議体の一つであった、県サッカー協会からの要望についてお伺いしたいんですが、この度、作業部会に対して業界側から旧市民球場跡地への建設を求める要望が出ていますが、この要望についての市長の受け止めをお聞かせください。
市長 その理由も知りたいです。入るときにちゃんと議論をしてください、お任せしますと言われているんです。だから、なぜそうなったかというのを皆さんに言っていただければ。
記者 もともとは候補地が決るまでは、協会側は抜けますということで。
市長 入っておけば、任せると。それを聞いた後で、協力をするということで抜けられたんです。手続きはお見せしているようにしてありますから。皆さんもご存じのはずです。これを少し長くやっている方については。ご存じない方はいないと思います。経過は十分逐次ご説明していますから。その手続きはこの3月3日以降、変わっていることについての理由なり、どうしてでしょうかということを今聞いているわけですから。
結論は皆さんご存じで、やりたいことは分かっていますけれども、なぜそうなんでしょうか、WHY、というところを言っていただいて、我々がやってきた手続きと比較させてくださいと申し上げているわけですので、それは無茶言っていると思わないです。それをやらないのに、「なぜ自分たちの言い分を聞かないんだ」と言われることに皆さんが執着されるかが分からないんです。
記者 確認なんですが、明日、何らかのコメントをされるということで、市長のお考えとしては、久保会長からの四者会談の要望、これはぜひ受けたいと。納得度を高めた上で…。
市長 納得度を高めた上で、先程申し上げたように、WHY、なぜかということが分かるようにしていただければ、四者会談をむしろやりたいです。皆さん、商工会議所だってきちんとやるように、協力が要るわけですから。球場跡地は国有地ですから、被爆4年後に広島平和記念都市を建設するための法律に基づいて、国有地も市の平和行政のために使っていいという、さまざまな、全国でも異例な優遇措置を受けながら使わしていただいていて、そんな中で、本来はああいったところは、昔は収益事業は出来ないのに、市民の球場だということで、一定の営利を出しながら、使用料を出すという扱いをやってきています。ああいった地域は主に公的な施設がたくさん配置していますでしょう。だから営利企業としてお金をどんどん稼ぐようなものは置かないと。市民の皆のための施設にすべき用地として確保していただいて、未だに国有地でずっときているわけです。ですから、市民の多くの意見を見ながら、どういったものを配置していくかということを常に議論する中心の場になっている。しかも市のど真ん中です。
そして、野球場が移った。その空いた後どうするかと。(野球場が)ある間は出てなくて、サッカースタジアムを造ってほしいとあったけど、それが移動したところで、サッカースタジアムはどうかということが議論で出てきて、先ほど言われた署名活動なども出てきて、ぜひと。それは事実として知っています。だから、それらをきちんと受け止めて、そこにあるということについて、一方で自分が市長になったときに、イベント広場として議論をしていこうということもあったわけです。それを今まさに比較しているわけです。だから、署名活動があったということも事実。そういう議会の考え方もやりながら。市民の代表ですから。そういったところで出てきた意見としっかり比較するときに、なぜかということをやりたいと申し上げています。
そして、それに対して最後に、やるとすると、事業体としてやるのであれば、しっかりとした事業経営体として長くファンが使えるようなものにする。だれが経営するんでしょうか、ということも議論する。そして、その運用規模に比べて、野球とサッカーが違うということを前提にしながら、何がベストなんでしょうか。行政がどこまで支援するんでしょうか。産業界はどうするのでしょうか。野球場との関係で比較しながら、議論を今詰めてきているわけです。
そこで、自分がやれば、お金を出すのだから良いであろうと。私なんかはそういう議論をしている時にもっと早めに言ってもらえればあったかも分かりません。それは過去の話ですから。そういうことを言っていただいているわけですから、そこと、今やってきている計画との比較をしっかりしたいと。そのための論拠を見せてくださいということを言ったら、いやいやいや、ということになっているから困っていると申し上げています。
記者 今の四者会談の話と関連するのですけれども、作業部会とサンフレッチェの間で硬直状態が続いていると思います。そんな中、文化協会などからは早く方向性を出してほしいという声が上がっている中で、そこを打破するために四者会談を開くと考えているのは…。
市長 今言われたようなことを開くためにも、四者会談は要ると思っています。ただ、四者と言っても、私と知事と深山さんと久保さん、その四方で話しますけれども、でも議論をしたときに、久保さんの出されているいろいろなアイディアの論拠は何ですかということはやはり問いたいです。その場で判断して、論拠はどっちかと優劣をやるような議論をするのではなく、お互いにこういうようなことで良い方向に出しましょうということをまとめるための議論をしたいわけです。だから、そういった議論をするための前提としての理由や背景をお互いで事務的に情報交換して、共通の認識をもっておきましょうと言っているだけなんです。それができていないから困っているわけです。共通の認識なしに我々が会ったとしても、議論が噛み合わないではないですか。
記者 それが出来ない状態が続いていても、変わらず…。
市長 会うことの意味はどうするのか。会ってどうするのか。顔を合わせて、何を議論するのですか。お互いの納得度のいく資料提供がない中で。何を話すのですか。
記者 直接トップ同士で。
市長 トップで何を話すのですか。
記者 そういう話が出ていますよね。
市長 だから、それをやるためにも、中身を議論する前提をするためにもきちんとした情報交換がないとできないのではないですか。
記者 では、しないということ。
市長 したいと申し上げているではないですか。
記者 情報交換ができるまではもう絶対にしないと。
市長 情報交換がなくては、意味のある四者会談ができないのではないかということをご理解いただきたい。意味のあるものにしたいと申し上げています。
G7外相会合の機会を捉えた被爆の実相の発信について
記者 G7も迫っていて、米・英・独・仏・伊・加が広島に来られる際に、平和公園であるとか資料館、被爆者の話を聞いてほしいという声がずっと上がっているわけですけども、詳細なスケジュールが出るのはもう少し先で調整しておられるところではあると思うんですが、改めて、市長としての、こういうところを見てほしいというような思いというところをお聞かせいただきたいんですけども。
市長 被爆の実相を「守り・広め・伝える」というのは、広島の平和の願いを世界に広める上での基本的な立ち位置であると自分は認識しています。今回、G7外相会合がこの広島の地で開かれるわけですので、その際の被爆の実相を守るということを今までの市政の中で、しっかりやり続けてきておりまして、これからもやります。そこで、広め伝えるという、この絶好のチャンスだと思うんです。しかも、核兵器を持っている国の外相も見える。その方に被爆の実相を自ら見ていただいて、そして、被爆者の思い、こんな思いを他の誰にもさせてはならないというところを感じていただける絶好の機会ですので、ぜひ慰霊碑を参拝していただき、記念資料館を見ていただくということはお願いしたいということを言い続けています。昨日も外務大臣と一緒に、慰霊碑に来ていただけるときのコース設定、それから、今耐震工事をしていますので、平和記念資料館の下で、掘り返しの作業をしていますので、外相が見えたときにそういった工事の現場を見るよりか、平和の思いをしっかり受け止めていただけるようにするための手当てをどうしたらいいかということもお話いたしましたので、正式にはまだ出ておりませんけども、確実に、外務省を通じて外相に来ていただける準備が進んでいるんだと、だから、わざわざ外務大臣も現場を見ていただいたんだなと受け止めています。ですから、これをしっかりしたものにして、先ほど言った広島の思いを各国為政者の今後の政策展開をする上での内なる思いにしていただいて、いろいろなことで効果が出るようなことがあればなと思っています。
記者 昨日、工事がまだ掘り返しが、まだ石畳が詰められていないところが多くて、ちょっと憂慮されたという話を聞いているんですが、あれは一応、G7までには予定どおり…。
市長 それは、どうも工事進捗状況からいくと(予定どおり)いかないものですから、もう少し直接目に触れないような処理ができないものかというのが昨日の段階での検討でした。
記者 慰霊碑からどうしても一番よく見える場所ですけども、それはやっぱり柵の仕方とか、いろいろ工夫されたいということですか。
市長 そうですね。
※ ( )は注釈を加えたものです。