ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 総合トップページ > 分類でさがす > 市政 > 市の概要 > 市長の部屋 > ようこそ市長室へ > 市長記者会見 > 平成26年度 > 2014年12月25日記者会見「今年1年の振り返りについて外2件」

本文

ページ番号:0000013026更新日:2019年10月21日更新印刷ページ表示

2014年12月25日記者会見「今年1年の振り返りについて外2件」

動画は下記からご覧ください。

(「広島市動画チャンネル(市長記者会見)」のページへジャンプします)<外部リンク>

市政記者クラブからの代表質問

今年1年の振り返りについて

記者 まず1点目なんですが、早速ではございますけれども、今回、今年最後の会見ということで、今年1年間を市長に振り返っていただいて、達成できたことや、やり残したことなどをお聞かせいただけますでしょうか。

市長 私の任期も最終年ということでありまして、仕事の仕方については、自分のスタイルであります「対話・ビジョン・実行」ということを終始一貫してきたと思っておりまして、その一定の成果といいますか、職員を始め、市民の皆さんにも浸透した部分はあるんじゃないかと感じておりまして、それなりの成果は出ていると思っています。

一方で、この自分のやり方が浸透していない部分もありまして、行政展開の上で理解を得られていないところもあるのも事実だという受け止めをしています。

こうした理解を得られていない部分については改めて、引き続き「対話・ビジョン・実行」ということを貫く、その中でこういった仕事のやり方を理解していただけるように、引き続き努力し続ける、やり抜くという気持ちでいるのが現下の状況です。

個別にできたことできないこと、そういうレベルで考えていきますと、仕事のエリア設定を「活力とにぎわい」「ワーク・ライフ・バランス」それから「平和への思いの共有」という三つのエリア設定でやってまいりました。最初の「活力とにぎわい」の点に関しては、まちづくりのベースということです。すなわち、広島南道路・広島高速3号線の開通、広島駅南口B・Cブロック地区においても商業施設等の建設工事が進むという状況で、都市機能の充実・強化に向けた動きが加速してきたということじゃないかと思います。

観光面では、県との連携がありまして、「瀬戸内しまのわ2014」の開催等で、広島に来ていただく観光客の方が、確実に増えていると、観光客以外もおりますでしょうけども、増えていると、そんなことがあろうかと思います。

「ワーク・ライフ・バランス」の点については、この中で取り上げたいのは、社会参加の中でも、働くということに少し重点を置いた取り組みの中で、地域の大学と地元企業に協力をいただいて、「有給長期インターンシップ」モデル事業を開始いたしまして、これを広めることで、若者の雇用に関する施策、地域定着ということを目指す足がかりができたと思います。

そして、もう一つは、働く意欲のある人が、自ら、例えば出資するなどして、今までの使用者と労働者という関係ではなくて、それを統合したような新しい働き方ということで、地域にあるさまざまな課題に向けての取り組みをするという位置付けで、「協同労働」の取り組みを深めました。これをうまく活用するならば、高齢者を支え合う仕組みの構築の際の有効な社会参加方法にもなると思いますし、これからもう少し検討を深めますけども、場合によっては、住宅団地の活性化といった局面で、地域の方々が協力して地域の問題を片付けていくというときに有効な社会参加方法かなと思います。さらにそれが進めば、最終的に目指している地域コミュニティの再生といったことにも役立つのではないかと思っていまして、そういった足がかりができたと思います。

三つ目の「平和への思いの共有」という点では、NPDI(※軍縮・不拡散イニシアティブ)広島外相会合が開催できました。各国の為政者の方々に被爆の実相を直接見ていただいて、自分たちの政治見解の方向性をしっかり考えていただくといういい機会になったと思います。それから、国内で平和首長会議の国内加盟都市が集まる会議というのを初めて広島・長崎以外である松本市で開催しましたけれども、こういった形で、国内における核廃絶に向けた自治体の首長さん方の思いを醸成するということにも着手できましたので、こういったことがさらに広がっていくことになろうかと期待できるわけです。こういった面は、最終的な目標にしています、世界に誇れる「まち」の実現に向けたまちづくりの着実な一歩を踏み出せたと思っています。

そんな中で、直近の対応ということでやり残していることというのは、何といってもこの度の豪雨災害での復旧・復興、こういった課題かと思います。応急の復旧は何とか対応できたという状況でありますけれども、さらに復旧・復興ということについての取り組みを一層強化していかなければいけない状況にあろうかと思っています。

そんな中で、今月2日に「復興まちづくりビジョン(案)」第1版を発表いたしまして、地元説明会などをやってきておりますけれども、地元の意見もしっかり受け止めて、このビジョンを年度内には完成させる、そしてそれを踏まえた具体的な復興まちづくり事業ということをやる必要性、これは広島というまちにとって欠かせない事業が大きく残っているという認識です。

記者 1年を振り返っていただいた上で、来年は、被爆70年でもありますし、統一地方選も控えている中ですが、残された任期の中と、その後のことを見越した上での来年への意気込みであるとか、現時点でのお考えというのをお聞かせいただけますか。

市長 現時点での取り組みは、今申し上げたように、残りの任期をしっかりやり抜こうという気持ちで一杯でありまして、そんな中で、今まで目出しができたいろんな施策の完成度を高めるというのは残りの任期の仕事です。先ほど言った(復興)まちづくりビジョン(を踏まえて)、復旧・復興に向けての最終の仕上げをきちっとやり遂げていきたいと今は思っています。

記者 来年をどうしたいかということなんですが、来年は被爆70年という年で、世界に誇れる平和都市ということを常におっしゃっていますが、どんな平和事業に絡んだ被爆70年の事業、施策を進めていきたいと、来年をどんな1年にしたいと考えていらっしゃいますか。

市長 おっしゃるように、来年というのは被爆70年という年、広島にとってはそうですし、今の全世界にとっても、第二次大戦が終結して新しい時代が始まったという、いろんな国にとっても70年というのはいろんな意味合いがある年になっていると思うんです。

ですから、そんな中で、広島としてどういった取り組みができるかといったことについては、市の中で70年における記念事業、それを今、精査してもらっていまして、やるとすればどんなことと、市民の方から頂く、例えばイベントと、その年に70年を記念して行う事業は何がありますかとお聞きしながら、整理してそれをお示ししてきております。

それと、70年を機に、次の100年を目指して、広島がどんなまちになればいいんでしょうというイメージをまずみなさんで共有して、それに向けて第一歩を踏み出せる事業が何かあれば、それをやっていただければという思いでいまして、それの大まかな骨組み、問題提起を今やってきています。それはそれでまた、この最終年の中でお示しいたします。それを踏まえながら、来年1年をどうするかということは決まっていくと思います。

避難対策等検証部会について

記者 昨日、市の初動対応等を検討しておられる検証部会が最終報告案のたたき台を座長が示されて、それについて議論がされました。その辺り、年内までに報告案についての意見を募って、年明け早々にも市長に報告したいという意向でしたが、まだ現時点では案ですが、大まかな所は固まったということで市長もご覧になられたと思うので、その最終報告案の受け止めと、ここまで20以上の提言という具体的なものも掲げられていましたが、そちらについてのお考えや受け止めをお聞かせ願えますでしょうか。

市長 昨日の検証部会での最終報告素案というのを土田座長から示していただきまして、まずもって感謝を申し上げたいと思います。そんな中で、素案では、中間報告で持ち越しになっていた、「適切な避難勧告の時期」ということについての議論の成果と「組織体制も含めて総合的な避難対策のあり方」についてということに対しての意見が示されたということを報告を受けておりまして、それが、最終報告としてどういう形でまとめるかということを、大いに期待しているところです。

この報告書そのものの扱いというか、受け止めでありますが、少なくとも中間報告で改善すべき事項として示していただいたもの、その中で指摘いただいたことについては、予算措置の要否に応じて、予算措置が無くてもできるもの、これは既に対応していますし、必要なものは12月議会でまずできるところはやりました。

さらに引き続き、改善に必要な諸措置を含めて、関係課でその実現に向けて、今検討している状況ですので、当然最終報告でもこういった対応は要るんじゃないかと思います。

そんな中で、中間報告になかった新しい提案部分と受け止めたのは、それが多分最終報告になるということでの意味付けなんですが、危険度に応じて、危険度というのは、その段階、段階に応じて情報が入ってまいります。そこで、どの程度危険かということを判断して、その危険度に応じて情報提供をやっていくということです。それをしっかりやれというような話になると受け止めましたし、それから、避難情報などの伝達範囲について言及もありました。

それから、夜間とか休日における対応について、つまり職員体制の見直しといったこともありまして、これは中間報告に無かった新しい提言になると思います。それらをどう消化していくかということを今からでも考えていきたいと思います。いずれにしても年明けに最終報告をいただけると思っていますので、それを受けて、新たに指摘を受けたことも含めて、この内容全般について真摯に受け止める。そして逐次、改善するという考え方に立って、必要な地域防災計画の見直しにそれを反映させる。そしてそれを実現するという心構えでやっていきたいと思っています。

記者 最終報告案では発災後の避難勧告について、やむを得なかったとしても適切ではないと結論付けていたと思うんですが、この結論についての市長の受け止めと、市長自身は今回の午前4時過ぎの避難勧告については、やむを得なかったとお考えか、それとも適切ではなかったとお考えかお聞かせください。

市長 昨日の素案を見させていただきますと、理論的に検証すると、2時半頃に避難勧告を出すという判断が可能な状況であったのではないかというような評価があると思うんです。

ですから、結果として4時台にずれたということは、その理論的な考えをベースにしてどうかとなれば、適切ではないという評価を受けたと思っています。これは客観的な評価だと思うんです。

ただ、実際、当時の状況に戻って、その時点で発令した場合どうだろうかという議論もされていると受け止めていまして、その場合は、ある状況の中でやると、避難行動の最中に災害に巻き込まれる可能性もあるということが見込まれる状況であったと。したがって、発令のやり方が、それまでのやり方を踏まえて発令するだろうから、そうなるとそのやり方というのは適切ではないだろうということです。

そして、それは今までの地域防災計画、いわゆるマニュアルというものを持っていて、急に事態が起こったわけですから、その時点で考えれば、そのマニュアルを踏まえてやらざるを得ない、新しいやり方をその場で考え出すということはないでしょうから、そのマニュアルを踏まえてやったということで、そのマニュアルを踏まえたやり方をあの2時半の時点でやったとすると、適切ではないだろうという評価であったと思います。

そうすると、今から考えて、あの2時半頃に発令するということを本当にきちっとやろうとするんであれば、例えば避難所に行くのではなくて、各自が安全行動をとってくださいというような通知方法ですね。今までのマニュアルと違った通知方法等と1セットでやるべきではなかったか。そんな議論があったと受け止めています。やむを得なかった、適切ではない、こういう二つの両面の評価が一時に重なったものとして出ているという受け止めです。

この評価は、先ほど申したように、今回の一連の検証部会の成果について真摯に受け止めるということに尽きるわけです。私もこういった評価そのものは、自分のものとして、しっかり反省材料にしなければいけないなと思っています。とすると、この検証部会の報告は、問題点についてのネガティブチェックといいますか、こうすべきだとポジティブには書き込まれてなくて、こうやるとこういう問題がありました、こうやるとこうですよという、暗示的な報告でありまして、そういった問題点をクリアするような方法で避難勧告の発令方法、発令時期を考えなさいよということになっていると受け止めたんです。

ですから、そこをポジティブにというか、どのように埋めるかはもう一回行政として、しっかり受け止めてやるという大きな宿題が残っているということです。ただその問題として、少なくともこういうことにしないような形で、初級情報というか、そういう掲示的な報告になっておりますので、その穴埋めをする作業ということが欠かせないなというのが現時点での認識です。

記者 最終報告案の中で、20を超える提言が挙げられていますが、危機管理体制などの組織体制については、素案の段階では空欄で、議論の煮詰まっていない状態での形になっていますが、市長は前回の会見でも、この部分についての見直しをしたいとおっしゃっていまして、今後、会合のなかで議論されることはないと思うんですが、市としてこの見直し作業はどのような形で今後進めていかれたいのか、あと今年度末に防災マニュアルの見直しがあると思うんですが、この時期に合わせる形での組織体制の見直しになるのか、この2点についてお聞かせください。

市長 もちろん防災マニュアルというのは、一定の組織があって、その組織がどのように機動するか、システムを動かすかという、上部構造といいますか、そんなものと位置付けてもいいようなものなんです。

そうすると、そのベースである組織についても、きちっとこの際検証して、対応を決めておかないといけないという問題はあろうかと思っています。

それは、発災直後からマスコミの皆さんにも、他の政令指定都市と比べて、危機管理体制がどうなっているんだというご質問を受けたことからも明らかなように、我が市のこの体制そのものについての検証をしっかりすべきであるというご指摘だという受け止めをしています。

そして、そんな中で今回、避難対策等検証部会というのは、避難勧告の出し方等についての検証を進める中で、当然全面的ではないとしても、そういった先ほど申し上げた運用を考える上でのベースとなる組織についても、少なくとも問題指摘はしていただいたという思いでおります。

完全にこの検証部会はどのようにしろというポジティブな提言ではないとしても、こういったことは外すなよというご意見はいただいております。消防組織が中心となってやる時の、初動捜査などはできるとしても、その前後の日頃からの市民に対する防災意識の普及・啓発、そういった作業、それから起こった直後から人命救済を越えて、道路の整備とかが出てまいります。そうすると、一体的・総合的な対策というものを関連付けながら、総合的な取り組みができるようなものがいるというご意見は出ております。ただ、それをどうすればいいかとはないけれども、間違いなくそういった判断のもとに組織体制を考えるべきだというご意見はあったと受け止めました。

ですから、それを具体化するための組織作り、組織の前に、どのように日頃からの防災体制、市民意識を醸成するか、そしてそれが発災したときにどのように機動するか、それを乗り越えた後の災害復旧等の諸対策を関係部局がどのように展開できるようにするかとか、危機管理体制を改めて見直して、今まで足りなかったところを補強し、総合的な展開ができるようなシステム替えをするという案も早急に報告いただいて、後に早急に練り上げて、今言われた地域防災計画を策定する段階では、組織をきちっと新しい組織をベースにしたものを作りあげる必要があろうかと思っています。

記者 先ほどの質問の最後の方で少しおっしゃっていたんですけども、行政の方で大きな宿題が残っていて、具体的にどうするのかという穴埋めをする作業が必要だということなんですけども、まず一点目として、検証部会の初回に松井市長が参加された時に、夜間・休日等対応できなかった、改善策をお願いしたいという趣旨であいさつされたと思うんですけども、どちらかというとそういう具体的な改善策、どこをどうするべきだということは、昨日の素案では示されなかったと思うんです。そこまで示していただけなかった今回の検証部会の議論というのは果たして十分だったとお考えなのかどうかと、実際にやり残した具体的な配置であるとか、避難判断の手順であるとか、そういった抜本的な作業は今後どのように進めていくお考えでしょうか。

市長 最初申し上げた、できればそういったところまで、検証する過程の中でお示ししていただければということで要望しました。考えてみれば、行政組織をどういうふうにするか、詳細をこうすべきという話までは、あのメンバーでやるようなトータルな情報提供、協議基盤ができていなかったのかなという気もします。

ただ、その要請に答えていただいたのは、少なくとも夜間・休日の職員体制の見直しという提言の中で、平常勤務状態のない中で、そういうものが起きた時に機動的に対応できるようにするための問題指摘、どういった点が問題かという指摘をいただきました。それらをクリアするような組織体制作りは、もともと組織を所管して管理執行しているこの立場で、しっかり考えてみるべきだというお答えだったと受け止めていますので、先ほど申し上げたように、問題点を解消するような形での組織体制作りについての責任はわが方にもともとあるんだということを確認していただいたということかなと思っています。

それは、こういった形で組織体制についての見直し案を策定すれば、当然予算措置も伴ってくるものですから、議会の了解、承認も得るような性格のものですから、問題提起をする、そしてそれを市民の了解を得ながら新しい体制にしていくということになるんじゃないかと思うんです。検証部会が、組織専門に検討していただくための検証部会ではなくて、避難対策に重きを置きながら、その範囲の中で、組織のあり方についての検証を深めていただければというお願いの中で、少なくともこういうところはクリアにすべきであるという問題指摘を的確にしていただく部会になったという認識でおります。

記者 組織論以外にも、避難勧告の出し方とか、雨量データの活用の仕方とか、具体的な手順を求めてはいるけど、これとこれをどういうふうに見ろとか、そういうところまではいっていないと思うんですが、その辺りは…。

市長 そこは、方向性についての最終報告素案で言われた基本コンセプトが重要だと思いました。危険段階に応じた情報提供という考え方に尽きるんですね。つまり、危険というのは、徐々に危険度を増していくというパターンがあるというのと、今回みたいに一時危なくなったと見えるけども、そうでもなくなった、突然また危険度が高まったというような、気象関係の情報提供でそういう判断ができるような動きがある。そういった危険度の動く段階に応じて、それぞれのパターンで情報提供をしっかりしろということでありました。

そこの情報提供というのが、最終的には勧告、行動を促すという情報提供の最終段階に至る前に、危険度に応じて避難情報とか、自ら避難の準備をしてくださいと、地域におられる住民の方々が、自分たちの地域をよく知っておいて、危険に応じてどういう対応をするかということをまず、自分たちが知っておくということを前提にしたところで、その地域ごとの危険の状況に応じて、適宜、適切な情報を出して、住民と行政が一体としてうまく機能するような仕掛けにしてくださいという総論的な考え方を出していただいたと受け止めています。

その具体化をどうするかは、当然情報等を扱う専門にやっている消防等がもう一回整理して、今までのやり方の中で、今言われた方向性にそぐわないところはそれを修正するということをやるべきだと受け止めています。穴埋め作業は我々としてしっかりやらないといけないと申し上げました。

第3回「核兵器の非人道性に関する国際会議」について

記者 ウィーンで「核兵器の非人道性に関する国際会議」が開かれました。議長総括についての市長の評価をお聞かせください。

市長 まず会議自体が、一回、二回、三回と回数を重ねる中で、参加国が間違いなく着実に増えたと受け止めをしています。これ自身、国レベルでの議論が深まってきていることの表れだと思っています。一回目が127(ヵ国)、二回目が146(ヵ国)、そして三回目158(ヵ国)という展開だったと思います。

そして、内部で議論された内容について何点か感じるところを申し上げますと、まず議論に参加した国ですね。今回、核保有国であるアメリカ、イギリスが参加したということです。参加についての意図とか方向性、さまざまな受け止めがありますけども、私自身は、いろいろな考え方を持っているとしても、ひとつ土俵の上で議論ができる仕掛けになったとこと自体は評価すべきだと思います。議論の外枠で参加しないということは一番の不幸です。まずきちっと議論ができる足がかりができたということは評価したいと思っています。

それと、そんな中で、核兵器の法的規範について、きちっと議論する場を設けた、独立のセッションを立てました。一般論の中で言及するんじゃなくて、そのための議論ということを明確に打ち出しました。議事内容についても努力の跡が見られると思っています。もうひとつ、議論展開の中で、なかなか評価しづらいところはあると思うんですけど、私の受け止めは、これがすごく重要だと思うんですけども、核をなくしていくこと、この責任ですね。国レベルで言うと、核保有国だけの責任じゃなくて、核を持っていない国も、核軍縮をしていく上での当事者だということを改めて確認する議論があったと受け止めています。

NPTですけども、もともと第6条の主語は、核保有国に限定していないんです。非核保有国も皆がやっていくという主語なんですね。核兵器を持っている国がという議論になりがちですけども、核兵器をなくしていくという方向性については、もしこれを使えばすべての国が被害国になり得るんです。持っている国もそうでしょうが、持っていない国も。そうすると、世界のすべての国が核兵器の被害を起こさないようにしよう、その責任、当面は軍縮ですが、そういったことを皆でやっていく、国際社会全体の問題だという議論展開をするという動きがあったと受け止めていまして、それも議論の仕方として極めてまっとうな方向性だと思います。それが打ち出されたと思っています。

もうひとつは、大いにオーストリア政府の働き具合に感謝申し上げたいんですけども、国の議論ということになりがちなんですが、平和首長会議、宗教者、議員連盟等々、多様な市民の意見を、取り上げる場をきちっとセットしてくれた。その筆頭に平和首長会議にスピーチをするチャンスを与えてもらったということですが、そういう意味では、こういった多様な市民社会の声を取り上げるという方式、これも重要だということを認識させる会議になったということで、その点が今回の今までと違った前進点と私は受け止めています。

皆さんからすれば、例えば議長報告が(両論)併記したものになっているか、という評価もありましょうけども、これも前回の会議に比べると、議会要旨からすると、前回のまとめは議長個人の意見という言い方をしてまとめたんですね。10数カ国の少数意見があったんですけど取り上げずに、議長個人としてまとめるという表明をされておりました。

しかし今回、今言った仕掛けの中で、組織の長である議長総括というやり方で、議論を忠実に反映したものにするという、その中で書きぶりも、大多数の国が核兵器廃絶へ加速する必要性、そのことを求めているということもきちっと表現され、提示されました。そういったことを言う視点で、さまざまな意見があるからこそ、今の状況なんですね。その中で核兵器廃絶への加速を求める国がたくさんいると言うことが増えている。そこをしっかりと伸ばす、やっていくということですね。事実を都合のいい方だけ書くんじゃなくて、やるべき方向性を取捨選択していくという道筋を立てたんじゃないかと私は思っています。そんな評価です。

記者 会議の中で、日本の代表の佐野軍縮大使が、核爆発が起こると救護活動すら困難との意見に対して「少し悲観的すぎる」というような趣旨の発言をされて、現地に行かれていた被爆者とか、広島でも少しショックを受けた方の反応がありましたけども、岸田外務大臣も対応を取られたようですが、被爆地のトップである松井市長としての受け止めと発言に対する市としての反応、思いをお聞かせいただけますか。

市長 この発言については、今言われましたように岸田外務大臣が対処されておりまして、その対処に尽きると私は思うんです。非常に遺憾に思う、そして大使の発言として万全を期すように注意されたということでありますが、議論云々を、やり取りの場で、核兵器を使用するということを許容することを前提とした議論展開というのは、被爆の実相を知っていただき二度と使うべきでないという議論をして、その議論を持っている被爆者を抱えている広島、その広島を抱えている日本政府の立場として十分受け止めていただければ、議論の展開については少し違う方法があったんじゃないかと思うんです。

後から直後の大使の発言のコメントを伺ったところ、一旦核爆発が起こると何もできないという、事実が起こった後に、万一の事故などの核爆発によって負傷が生じた場合に必要となる救護とか医療支援の事態に備えるという意味で言われて、核兵器を二度と使用すべきでないという政府の立場は変わりないというご説明は一応は受けたんですが、そういった受け止めが議場で広がらない発言であったという点について、私は問題視したいと思っています。今の被爆の実相を知るということ、二度と使わない、むしろ使わないためにはなくす、ということをしっかりと踏まえた対応をこれからもしっかりやっていただきたいと思います。

とりわけ、来年のNPTの再検討会議を成果あるものにしていくための対応が求められておりますので、核兵器の非人道性、一旦使ってしまえば取り返しがつかなくなるという認識をむしろ積極的に国際社会で言っていただくという立場で臨んでもらいたいと思います。

※ ( )は注釈を加えたものです。