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ページ番号:0000013021更新日:2019年10月21日更新印刷ページ表示

2014年10月01日記者会見「応急復旧計画の進捗状況について外2件」

動画は下記からご覧ください。

(「広島市動画チャンネル(市長記者会見)」のページへジャンプします)<外部リンク>

市政記者クラブからの代表質問

応急復旧計画の進捗状況について

記者 土砂災害についてなんですが、発生から間もなく1カ月半を迎えます。応急復旧計画の進捗状況がどのようになっているか教えてください。

市長 進捗状況ですけれど、国土交通省中国地方整備局や広島県の協力を得ながら進めている応急復旧計画ですが、(9月)29日時点での内容でご説明します。

まず、安佐南区の緑井・八木地区については、道路上の土砂撤去が99%、河川の土砂撤去が94%、八木用水の土砂撤去が94%、渓流部への大型土のう設置が93%完了しました。

ライフラインについても、水道の96%、下水道の98%が復旧し、宅地や農地の土砂撤去は、カテゴリーBとCを除いて約8割が完了しています。

次に、安佐北区の可部東、三入南、桐原(とげ)、大林地区については、道路上の土砂撤去が99%、河川の土砂撤去等が80%、渓流部への大型土のう設置が86%完了しました。また、農地には土砂、がれきが残るものがありますが、宅地の土砂撤去は、概ね完了しています。

このように応急復旧が進んだことにより、計画策定時に緑井・八木地区で九つあった避難勧告地域は、カテゴリーAに分類した7地域のうち2地域の避難勧告地域全域を解除するとともに、1地域の避難勧告地域の一部を解除することができました。

また、本日午後に、緑井八丁目の19番、20番及び八木三丁目の15番、16番、25番、26番、40番、41番を解除する予定です。残る区域についても、河川・水路等の復旧を進め、避難路の安全を確保した上で、順次解除します。

応急復旧が1カ月半を越えるとしていた、カテゴリーB及びCの状況ですが、カテゴリーBに分類した、八木八丁目の太田川橋西詰め付近については、国道54号からの導入路を確保し、道路や宅地の土砂撤去作業に着手したところです。急斜面に土砂が残っており、安全に施工する必要がありますが、倒壊家屋の撤去に合わせた宅地等の土砂撤去や道路、河川、水路の早期の応急復旧完了を目指していきます。

カテゴリーCに分類した、八木三丁目の県営住宅付近では、現在も一部区域で捜索活動が行われており、宅地の土砂撤去やライフラインである上下水道の現地確認が進んでいない区域があります。捜索終了を待って、順次これらの作業を本格化させる予定であり、現時点では完了見込みが立っていません。

これら2地区については、引き続き関係機関と連携を取りながら一刻も早く応急復旧を完了させるよう取り組んでいきます。

応急復旧の進捗はこうした状況であり、未完了箇所については、可能な限り早期に完了するよう取り組み、被災者の方々が一日も早く日常の生活を取り戻していただけるよう、全力を尽くしたいと考えています。

また、意見交換会をしておりますので、その点についてもご説明します。緑井・八木地区で開催中の意見交換会ですが、現在、避難勧告地域に関係する10の町内会・自治会を対象として、場所によってはもう少し対象区域を分割して実施したり、町内会長と相談して複数回行うなど、計14回の開催を計画し、昨日までに9回実施したところです。

この意見交換会の中では、最初に応急復旧計画、砂防堰堤(えんてい)の緊急事業について説明及び質疑応答を行い、その後、各種支援策などに関係する行政側の担当者を配置して、住民から個別の相談・質問に応じ、併せて意見・要望を承るというスタイルで進めています。

住民からの質問や要望は、将来の地域の安全性確保に向けた取り組みに関する内容が多く、国や県と連携して砂防関係事業の早期整備について、最善を尽くす必要があると考えています。

このため、砂防関係の事業の説明に関しては、より広い地域を対象としてやっていく必要があるという判断に立ち、安佐南区では、避難勧告地域以外でも被災箇所がある地域においては、国と県の砂防・治山関係部局等の協力を得て、説明会を開催します。

また、安佐北区の可部東、三入、三入東、大林地区についても、関係部局の協力を得て、順次、緊急砂防事業等の説明会を開催する予定です。

それからもう一つは、国が行う砂防堰堤の緊急事業に関わる本市の支援体制についてご説明します。

この度の災害を受けて、国及び広島県では、安佐南区と安佐北区において、合わせて31渓流で緊急砂防事業に着手することなどを9月19日に発表されています。またこうした事業に迅速に対応するため、それぞれ専任の組織を設置されました。

本市としても、この動きを積極的に支援していくため、下水道局河川課に職員4名で構成する砂防事業推進班を設置しました。

なお、この砂防事業推進班を総括窓口として、安佐南区、安佐北区の専任職員と連携して、事業の早期着手を図ります。

砂防事業やこの他治山事業を含め、土砂災害防止対策は、本市が「安心・安全なまちづくり」を目指す上で極めて重要な事業であり、引き続きその推進に全面的に協力していきたいと考えています。

記者 今日午後の避難勧告の解除の件でもう少し詳しく教えてください。何時頃に何世帯解除になるのでしょうか。

道路交通局長 安佐南区の方から午後3時頃だと聞いているんですが、何世帯かというのは手元に資料がありませんので、後ほどお知らせします。

記者 砂防事業の説明会をより広い地域でされるということで、安佐南区の避難勧告地域以外と安佐北区の一部地域、こちらの方は、例えば避難勧告地域の中では、避難誘導の説明や住民のニーズ、そのあたりも要望を聞く会を併設されていたかと思うんですけれど、こういった被災者の声をくみ取るような場も同時に設けられるというご意向でよろしいでしょうか。

それともあくまで砂防事業の説明に特化した説明会になるんでしょうか。

市長 第一義的には、避難勧告に関わる地域であった所ですから、皆さんの関心が高いのが砂防事業関係のことであったというので、当然そこでは説明した上で、少なくとも被災箇所がある区域では、同じような問題意識を持っておられる方がいるはずだということで、今回対象とした地域外でも砂防事業についての説明をいたします。

その説明の際にさまざまな意見・ご要望が出てまいりますから、その場でそういった意見をしっかり受け止めることをやりたいと思います。

記者 今の砂防事業の説明会というのは、町内会単位の説明会とは別枠のものですか。

市長 今まで予定してなかった地域でもやるということで、やり方とすればやはり同様に、町内会のご支援を得ながら、皆さんに呼びかけしていただいてやっていくことになるんじゃないかと思います。

記者 町内会単位の方なんですけれど、町内会の方が、一度だけではなく繰り返しやってほしいというご要望とかも中にはあるみたいなんですけれど、14回の後も持続的に一定期間ごとにやられて、というお考えはありますか。

市長 地域ごとでさまざまなご意見が出ていますので、まず一通り説明していこうということで14回を計画しました。9回まで来ていますので、残り5回をちゃんとやった上で、その次の展開として、どういったことをやるかについては、もう一回しっかり考えなきゃいけないと思います。

まだまだご要望等についての強いご意向があれば、それについてしっかり説明をするということが要ると思います。その区域以外のところでも、少なくとも砂防については一回説明して、そこでいろんな意見を聞いてやっていくということですね。

多くの方の意見・注文等をお聞きした上で、できる限りの対応をするという姿勢でやっていこうと思っています。

記者 被災家屋の撤去の件で、市長が、発生1カ月の時に現地で、全壊以外についても(市が撤去する)対象を広げる趣旨のご発言があったと思うんですけれど、こちらの理解として、対象を半壊とかにも広げるのか、それとも(全壊・半壊の)認定の見直しも同時にされてらっしゃる中で、対象を全壊に絞った上で、今認定されている件数が出ていますよね、それを見直すという理解でいいのか、どちらになるんですか。

市長 私は、そこは一律の基準を決めてどうこうしようと言っているつもりではないんです。第一義的に航空写真を使い、外観を見ていくということで担当職員を総動員しまして、家屋の全壊・半壊・一部損壊状況をざっと調べるということをまずやりました。

その段階では建物の中にまで入り込んでやってなかったものがありますので、次に、建物の中の状況が分かれば、罹災証明等を求められている過程の中で、改めて、本当にその評価でいいのかということを第二義的に再チェックするという作業が出てまいります。

そこで当事者の方の内部の状況とか、建物プラス建物を構築している土台の土地、例えば擁壁などの損壊状況も含めて、実質的に建物が使えない状況かどうかということを精査する作業をやり、その中で(損壊が)相当なものであればそれは全壊という評価をして、その建物を撤去するということが要るだろうという判断をしました。

そして、半壊についても形式基準はあったんですけれど、その中で(損害割合の)基準が(床面積の)20・50・70(%)というのを決めていましたけれど、その程度についてよくよく内容を見て精査したところ、それが大規模半壊だと、半壊にとどまらず大規模だということで、現状に即した判定を再度詳細にやっていくという作業に入っている中で、(現状の判定よりも)「もっともっと大変なんだ」というお話を承っているのが現在の結果なんです。

これからは、判定を下しつつ、もう一方で、全壊等のものに対しては、今の災害救助法の体系の中で、国として、「基礎自治体が全壊という判定をすれば、それについての関係費用はちゃんと持ちます」という根拠があり、そういったものについては当然国の支援を仰ぎながら対応していくということをやっています。

もう一つは、そういった規定がありながら、当初、災害対応のために国から総理をはじめ関係大臣等が来ていただいた中で、「ぜひ弾力的な運用をこの際していただきたい」ということを申し上げて、「それはやりましょう」というお話がありましたので、原則を守りながらも、全壊と限りなく同じになるような扱い、そういったことが可能なエリアについては、ぜひ国の支援を仰ぎたいということを事務的にもやっております。

そうすると、そこの部分については「全壊等」という形で、「等」のところで国の支援を得ながら行政として支援する、ということをやろうとしていまして、その中で、そこにお住まいであった方が、その住居についての扱いを、「家屋が傷んでいてもう住めなくなったんだから、ぜひ全部撤去して新しいものを建てたい」という方があれば、誰が見ても、一部損壊でしかないのに全部崩すというものについてはなかなか難しいとしても、その方が「もう住めない。壊さざるを得ない」という判断をされるに至った経過等について、見てる多くの方が納得いくようなものについては、「全壊等」の扱いにして、なるべく支援をしていくということを今やっているんです。

現場をよく見て、実態を見ながら罹災の程度を確定する作業をやっているというのが実情なんです。

記者 砂防の支援体制を強化するということで、河川課に砂防事業推進班を設置するということでしたけれど、このさらに4人は増員をするということなのかと、実際に砂防事業は国とか県の範囲内だと思うんですが、市として推進・協力っていうのはどのように具体的なことをやっていかれるのか教えてください。

市長 砂防事業の基本は、今の法令上の所掌からすると、国あるいは県が、行政体としての事業執行責任があるという規定になっています。

さりながら、砂防事業が行われるエリアは、市の行政権限が及ぶ範囲の地理的な状況の中で作業・事業が展開されるわけで、具体的にはどんなことが起こるかと申しますと、例えば砂防堰堤(えんてい)を造るとしたときに、それが民地であれば、その土地の所有者がどなたであれ、その方と交渉して土地についての扱い、例えば所有権を移転させることをしないと次の作業ができません。

それと、地形等について、どういう地形にあり、どういった砂防設計が要るかとなると、設計測量、調査して企画していくという作業が出てきます。そんないろんな作業過程の中で、結局作業をする上で、そこにおられる住民の方との接点が求められるわけです。

そうすると、そういった作業については、国とか県という枠組みの中で仕事をされている方よりかは、日ごろ安佐南区、安佐北区という行政区域の中でのさまざまなおつきあいをしている行政職員の方が、そういった方々とのお話の接点をたくさん持っていますので、そういった視点でそれらの交渉事とか準備作業に協力することをしたいと思っています。

これは、国、県の両方ともそういうことを望んでおられまして、そういった体制を組むために、まず河川課の中にチームを作り、具体的な動きは安佐南区、安佐北区の職員等が出向くなりして、その箇所が一時増えれば、一緒に出向く職員の体制を補完するといった弾力的な対応ができると思うんです。そういう意味での総合窓口を設置したと認識しています。

「災害死ゼロ」を目指す県民運動について

記者 広島県が「災害死ゼロ」を目指す県民運動を打ち出されていますが、広島市としてはどのように関わっていかれるのか教えてください。

市長 先日、県の方から公表されました「減災」実現に向けての災害死をゼロにするという新たな目標、そしてその目標のもとに「広島県『みんなで減災』県民総ぐるみ運動」ということで発表されています。

この運動の内容については、このスローガンのもとで、具体的にどうされるかということを検討されると承知しておりまして、その際、方向性とすれば「自助」「共助」、この取り組みを中心として、県民が取るべき行動をどのようにして促していくかというようなものだと承知しております。

それに対しますと、本市としても、この「自助」「共助」を中心とした取り組み、これをどう促すかということだと受け止めておりまして、そのこと自体非常に重要だと考えますので、基礎的自治体の立場とすれば、住民の皆さんに、まず防災意識を高めていただくための対応、これがどういったことをすればいいかということを考えながら、しっかりやっていかなきゃいけないなと思うわけです。

そして、基礎的自治体として、直接市民と接しながらの災害対応をやっていくという立場ですので、防災意識を高め、そして住民の方が避難行動を適切にやっていただくようにするためにどのような環境づくりができるのか、そういう視点で検討していかなければいけないと思います。

もう一つはその環境を作った上で、具体的な行動をするタイミング、そのタイミングをうまくつかめるようにするためには、行政としてどのような情報をどういうふうに提供するかといった視点、これも重要じゃないかと思います。

総じて、住民が安全な避難行動を行えるようにしていくための諸対策、どんなことがあるかということを検討しなければならないというような基本認識でいます。いずれにしても今申し上げたような視点で、具体的な対策を考え、着実に実施していかなければならないと考えています。

記者 10月3日に県の方が開く自治体トップ向けの防災の研修会があると思われますが、こちらに市長が参加されるに当たって、この研修会をどのような機会に生かしたいかというお気持ちをお聞かせ願えますでしょうか。

市長 研修会でご案内いただいているのは、いろんな専門家、講師のお話しを聞くということですが、その中でもとりわけこういった災害時の首長の心構え、どのような態度、対応をするかということをテーマとしたお話しがあると聞いていますので、その点については、まずしっかりと勉強したいなと思います。

その他様々なテーマ設定をされていますが、それは私自身の、色々問題点を考えていく上での判断材料になると思います。

同時にそれらは、組織として問題をシステム化していく、新たな対応のための体系づくりが必要になると思いますので、それらを私のみならず、関係する職員も一緒に聞くようにしたいなと思っています。

記者 市長ご自身から、他の市町のトップの方に、今回の災害についてお話しなさるような機会というのはございましたか。

市長 私自身、県内の23市町の集まり等があります。その場でもし時間をいただければ、まずもって県内の各市町から人的・物的の支援、義援金等も含めて多大なご支援を今回いただいていますので、まずそのお礼を申し上げるということと同時に、自分がこの災害発災からその後のいろんな対応について経験したことを皆さんにご紹介するという機会は持ちたいなと思っています。

これまでの振り返りと今後について

記者 土砂災害からは少し離れるのですが、10月の声を聞き、市長の任期ということでは残り約半年となりました。ここまでの任期、3年半の振り返りと今後というものについてお聞かせください。

市長 直近は昨日9月議会が無事終わりまして、一連の災害対応についての予算執行についてもご了解いただいたことで一安心しているところです。

そんな状況ですが、(平成)23年4月に市長に就任して以来3年半になりますけれども、自分なりにその職責を果たすべく、全力でやってきたという認識でいます。

就任当時は、与えられた4年間の任期の間に、広島のまちづくりを考えていく上で、まず土台づくりというものをしっかりやりたいと言いましたし、その気持ちはまだずっと引き続いてやっていくつもりです。

土台というのは、もちろん市政を推進していく上での職員との関係、そして議会との関係、そしてさらには市民との関係、そういったものをまずしっかりしたものにしていく、そして自分なりに正直な対応をしながらそれを評価していただくという期間にしないといけないということでやってきた中で、今から考えてみると、あっという間の3年半だったなというのが素直な実感です。

そうしているうちに、先の8月の豪雨災害があったということで、私としては本当に大きな衝撃ですし、忘れることのできないものになっております。

この被害の甚大さからも考えて改めて、亡くなられた方々に、謹んで哀悼の誠をささげ、そしてご遺族の皆様にもお悔やみを申し上げなければならないと思います。また、被害に遭われた多くの皆様にもお見舞い申し上げなければいけません。

そしてもう一つは全国からさまざまなご支援をいただいております。多くの方の絆といいますか、つながりを本当に実感させていただいたということです。この点については、本当に心からお礼申し上げたいと思っております。

そんな状況ですので、今後は全力を挙げて、災害からの復旧・復興に取り組んでいかなければいけないという考えを持っているところです。

その上で、市長就任当初のベース、最初に申し上げました広島のまちづくりの土台づくり、これも同時進行でやっぱりやっていかなければいけない、これが無ければ復旧・復興ということもかなわないわけです。

その点からいうとまず「活力とにぎわい」という一つの柱を立ててやってきた行政展開については、市民の目に見える形でのまちづくりが少しは動き始めて、その息吹を感じていただける状況になったんじゃないかと思っております。

例えばということで申し上げれば、広島駅周辺地区におけるBブロック・Cブロックの建設工事の着手、そして二葉の里地区での土地区画整理事業の完了といったことがあろうかと思います。

それから二つ目の柱にしている「ワーク・ライフ・バランス」の点につきましては、全区役所で就労支援窓口を設置するといったことで、基礎自治体として、雇用施策に取り組む足掛かりができ、その充実を少しずつ図ってきていると思います。そして、区の魅力と活力が向上するための事業推進なども同時にやってきておりますので、市民主体のまちづくりというやり方が、少しずつ定着してきているんじゃないかと考えます。

もう一つの最後の大きな柱、「平和への思いの共有」の点ですけども、これについては、被爆体験伝承者の養成を開始いたしました。そして、平和首長会議の運営体制の強化ということも、着実に前進してきていると思います。

いずれも平和への思いというものを、しっかりと発信し続けるまちであるために、この思いの根本であります被爆というこの事実を「守り、広め、伝える」という考え方のもとに、様々な対策を展開してきていると思います。

さらに、もう一つそれらをしっかりした行政体制として今後とも継続させるという観点から、国・県・近隣市町との連携強化ということも重要であるという意識でやってきました。

その際にポイントとなる論点は、二重行政の解消、行政の垣根を越えて、そこに住まう方々の目線で行政サービスを展開することも配慮しながらやる。その中で可能な限り地域の実情に応じた行政展開ができるということで、地方分権の推進ということもやってまいりました。国・県と連携強化しながら、分権の推進をするということで、決してけんかしながらっていうことではなく、連携の姿の究極が最終的に信頼関係を得て、基礎自治体であるこの広島市に権限を任せていいんじゃないかというような状況に持っていけないかということをやってきているところです。

今申し上げたようなことを、私が市長就任して以来、最終的にそういったことが、うまく完成していけば、あるいはそれを目指すということそのものが「世界に誇れる『まち』の実現」ということに必ずプラスになると、それに到達するために欠かせないことだという認識でやってきておりまして、それをさらにやる手段として、一番最初に申し上げました「対話・ビジョン・実行」というやり方を念頭に置きながらやってきましたし、最後残りの半年間もこのスタイルを通してやり続ける中で、市民あるいは職員の皆さんと一緒に残り半年をやり抜いていきたいと思っております。

あと、最初に申し上げた災害からの復旧・復興に取り組んでいくというこの直近の事象に対しても思いを申し述べたいと思います。

まずはこの豪雨災害からの復旧復興ということを、やはり全力でプラスやっていく、先ほど申し上げた基本的な市政の上に重ねてこれもやらないといけないと思います。

今取り組んでおります応急復旧に加えまして、次は迅速かつ着実に本格的な復旧工事を進めて、そして被災者の方々が一日も早く日常生活を取り戻せるような対応策ということも同時進行で考えていかなければいけない状況にあります。そのためには、先ほども申し上げましたけども、市民の方々の安全な市民生活を取り戻すという観点に立っての、まず欠かせない砂防堰堤の整備であるとか、土砂災害警戒区域指定等、住民と一緒になって、さらにはハザードマップを作っていく等々、ソフト・ハード両面から全体ビジョンを描いて、「復興したまちとして、こんなものにしたいんですよ」ということを、やはりきちっとお示しする必要があろうかと考えています。

そんな意味で、まずこの災害の対応ということを、当面の最優先課題として取り組むということをやる中で、先ほど申し上げている「世界に誇れる『まち』の実現」という従来からの取り組み、これも重ねてやっていく、かつこれを着実にやらなければいけないという意識に今立っているところです。

記者 任期半年になったわけですが、現時点で再選立候補へのお考えはあるんでしょうか。

市長 この災害が発生する以前から申し上げていますように、この期間を通じてのまちづくりをやる中で、どういったまちを目指すかということももちろん大枠を考えながら、さらにそれを進化させる上で、どんなビジョンを立てるかということも同時並行でやっておりまして、それをどこかの段階で、今の時点から言えば秋口にお示しして、「これをやりたいんだ」と、「やるためには皆さんの支持を得ないといけない」という判断が出来た時点で、今後の対応について発表するということを言ってまいりました。そのベースは変わっておりません。

それに加えて今回は災害の復旧、応急復旧から復旧復興ということについての考え方もきちっと整理するという、もう一つ作業が加わりましたので、これらについてももう少し自分なりにさまざまなご指摘を受けたことも含めて、加味した上で、「こんなふうにしたいんだ」ということをまずお示しをしたいんです。

そして、それをやるためにどうするかというような問いかけをするという時点が来れば、そこで次の選挙についての対応を皆さんにお示しする、あるいは問いかけるということをやりたい。もう少し時間が欲しいなと思っています。

記者 もうしばらく時間が欲しいということですが、そうは言っても選挙に向けて、逆算してどこかのタイミングというのは、ぎりぎりの時期というのはあると思うんですが、市長自身が判断されるタイミングというのは、どこまでには判断しなければいけないというような目安というかめどは立てていらっしゃるのでしょうか。

市長 皆さんご存知のように、選挙の洗礼を受けたのはまだ1回しかありませんで、その選挙も3年半前にさかのぼれば、本当に選挙に出ようと決意して動き始めたのは、忘れもしません、2月10日なんです。

いろんなお話もやはり年を越えて1月、2月の頃に決意して選挙に臨みまして、何とか皆さんのご支持を得てこういう状況なんですが、ただ、少なくともそういう経験を踏まえれば、それ以上に遅れると、もしやろうとしたときに準備が整わないということになるんじゃないかという気がしますが、しかしそういった体験もあるといった中で、これからの残りどのタイミングでやるかという、どう考えるかということだと思うんです。

ただ私自身、市長として何をするかということをやはり整理しないといけないと思うんです。最初に(選挙に)出たときはいろんな情報も得ながら、出てはどうですかというお話を聞き、ざっくりとして私の前の市政の展開を自分なりに勉強して、「ここは引き継げる、ここは直ちに直す」という判断をして、非常に大旨(おおむね;だいたいの趣旨)を捉えて自分なりにこうしたいなということを、その当時考えて立候補して、公約というか、そういう形で大きな話は皆さんにお示ししながら、選挙していただいたと思っています。

今回はそういったことを踏まえて、それがどこまでできたかということも自分なりに見ないといけませんし、さらにそれを踏まえて、「世界に誇れる『まち』」という命題に合うような次なる展開、どんなことをやるかということもきちっと頭で整理をして、ある程度市長として3年半やっているわけですから、皆さんにお示しした上で、こういった市長としてどうでしょうかという問いかけをできるようなタイミングで言いたいと思うんです。

市民の方100人が100人私がいいと言っておられるとは思っていません。それはいろんな行政展開の中で、議会棟でもいろんなところでの指摘を受けている部分は確かにあります。しかし、最初に申し上げたように、私自身のこの自分なりのスタイルで全力投球してやってきているわけですから、そういったご批判も踏まえて、私自身をどう評価していただいているかということについての問題提起をした上で、次の選挙をどうするかを言いたいんです。

単に市長として居続けたいからというような考え方で臨むわけでは決してなくて、この広島を良くするために、自分としてどういう考え方でやりたいんだということをまず皆さんに言った上で、というやり方にこだわりたいと思っています。

記者 今回の災害対応で初動対応がいろいろと指摘されたんですが、これが次の選挙に影響すると思いますか。

市長 次の選挙というのは、どのような形で展開されるか私も分かりませんが、少なくとも私という人となりについて、様々な評価をしていただく一つの素材にはなるんじゃないでしょうか。

記者 1期目の評価に影響したと思いますか。今回の対応が。

市長 私自身は、評価される人間なので分かりませんが、さまざまなご意見はあるんじゃないでしょうか。

記者 悪影響が出た可能性もあるという。

市長 悪影響もあるかもしれないし、いやいやそうでもないと思われるかも分からない。その辺は、私としては何とも言い難いんです。その辺を含めて、いろんな方の評価があると思うんですね。

ただ、私が受け止めていただきたいのは、包み隠さず申し上げているつもりであります。

そして、自分なりにご指摘があったことについて、反省と言いますか、改めるべきところについては改めるということは申し上げておりますし、譲れないところは譲れないというようなこともやって、この3年半です。そういう私の市の行政を進めるやり方について、皆さんからの評価をいただくことになるんじゃないかと思うんです。

その前にその基本的態度ももちろん重要でありますが、次の市政はどのようにするかということもまずしっかりと自分が納得いく程度に仕上げて、それを皆さんにお示しする状況が来れば、対応を考えたいと思いますが、それ抜きでとにかく市長をやり続けたいんだということにはしないつもりです。

※ ( )は注釈を加えたものです。

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