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ページ番号:0000013020更新日:2019年10月21日更新印刷ページ表示

2014年09月19日臨時記者会見「8・20豪雨災害から1か月を迎えるに当たって」

動画は下記からご覧ください。

(「広島市動画チャンネル(市長記者会見)」のページへジャンプします)<外部リンク>

8・20豪雨災害から1か月を迎えるに当たって

市長 今朝、第24回の広島市災害対策本部本部員会議を開催しまして、発災から1カ月になるということで、直近の対応状況のまとめなどが中心でした。そして今日、国の現地連絡調整室が解消するということで、これからは市が主体となり、必要に応じて県、国のオブザーバー参加という対応に変わりました。そんな中で発表のあった案件をご紹介します。

県・市の合同の追悼献花を実施します。豪雨災害の発生から1カ月となる明日、9月20日に、災害で犠牲となられた方々に対し、改めて追悼の意を表するため、県市合同で献花を行いたいと考えています。日時は9月20日土曜日午前9時から、場所は広島市役所本庁舎1階の市民ロビーです。

発災後1か月という節目に際し、災害の犠牲となられた方々に何らかの方法で改めて追悼の意を表したいと思い、知事ともお話して、献花を行うことにいたしました。

実施に当たっては、多くの被災者が生活再建の途上にあり、復旧・復興も道半ばであることを踏まえ、できるだけ簡素に実施しようということで、関係者を市役所に集めて行うことにしました。

当日は、まず犠牲者の御霊(みたま)に黙とうを捧げた後、追悼の言葉、代表者による献花と続き、最後に参加した全ての方に献花をしていただきます。この午前9時からの行事には、一般市民の方も御参加いただけます。また、当日は午後5時まで会場を市民の皆さんに開放し、その間、いつでも自由に献花していただけるようにします。

昨日、最後の行方不明者である可能性が高い御遺体が発見されたところでもあり、犠牲者の皆様の御冥福を心からお祈りして、花を捧げたいと考えています。

もう一つは、被災地域内でのごみの管理についてです。

被災した地域内のごみステーションで使用していたシートやネット、ごみボックスが流出や破損等により使用できなくなったという状況が見られます。その際、ごみステーションを管理している自治会等に対して、応急対応としてニーズに応じ、シート、ネット、ごみボックスを無償で貸与することにしました。

シートやネットは約15世帯用を、また、ごみボックスは容易に折り畳め移動可能なものを約10世帯用と約15世帯用のものを用意しています。申込み受付は所管の環境事業所で行っており、9月16日から貸与を開始しています。

三つ目は、土砂等の仮置きについてです。

土砂災害により発生したがれき混じりの土砂については、現在、安佐南区や安佐北区にある公園等の11カ所に仮置きしていますが、この度、広島県の協力により、広島西飛行場跡地のヘリポート区域を除く南端の区域へも搬入することにしました。仮置き場の面積は、約9ヘクタールです。

運搬車両の進入ルートについては、現場からは高速道路を利用し、太田川放水路と広島ヘリポートの間の河川管理用通路を経由して広島西飛行場跡地の仮置き場へ搬入することにしています。

搬入開始時期については、防塵や目隠しのための塀の設置を行うとともに、運搬車両が進入するための市道の改良を行う必要があることから、9月下旬を予定しています。以上です。

記者 土砂の仮置き場なんですが、9ヘクタールというとかなり大きいエリアだと思うんですが、12日現在で10万立方メートルを超える土砂が仮置き場に搬入されたと聞いているんですけれど、当初50万立方メートルということだったので、この仮置き場ですべて賄えるのか、そこら辺の見通しはいかがですか。

下水道局長 どれぐらいの高さが積めるかというのがあるんですが、おおむね2メートル程度積めるとすると、この西飛行場跡地で20万立方メートルぐらいは確保できると思います。その他の既存の処理場に11万5千立方メートル今入っていますが、もう少し余裕がありますので、都合で言えば30数万立方メートルの仮置き場が確保できたということになります。

最初50万立方メートルと申し上げましたが、その辺の精査は10月末ぐらいまでにもう少しさせていただきたいと思いますので、現時点で、これで足りるかどうか分かりませんが、相当数の容量は確保できたと考えています。

市長 発災から1カ月を迎えるに当たっての思いを申し上げます。

去る8月20日に発生した、豪雨災害から1カ月となります。まずもって、災害により犠牲になられた方のご冥福をお祈りするとともに、ご遺族の方、お怪我をされた方、住家を失われた方など被害に遭われた方々に、心からお見舞いを申し上げたいと思います。

この間、全国から励ましの言葉と、多くの義援金や救援物資が寄せられるとともに、たくさんのボランティアの方々に大きな力添えをいただいております。改めて、全国の皆様と関係各位に感謝を申し上げる次第です。

私も、この1カ月の間、被災された多くの皆さんの様々なニーズを汲み上げたうえで、不安を和らげ、そして、1日も早く日常生活を取り戻していただきたいという思いで、自分なりに一生懸命取り組んできたという気持ちです。

今後とも、被災者や地域の方々のこれからの生活に希望が見えるよう、さまざまな機会や対話を通じてその思いを汲み取り、被災者支援はもとより、復旧・復興に全力で取り組んで行きたいと考えています。これが現時点での思いです。

次に、被災者支援の現況と今後の取り組みについてご説明します。

これまで、被災者に対する支援については、亡くなられた方への弔慰金や、住家の全壊・半壊などの被害に遭われた方への見舞金の支給、空き市営住宅の無償提供などの住宅提供に関する支援などを行ってきました。また、義援金の早期配分の実施とともに、前例にとらわれない対象の設定、すなわち、床下への土砂流入も対象とすること等も行ってきました。

これらの生活面の支援に係る手続については、被災者の視点に立った一元的で丁寧な対応を行うため、安佐南区及び安佐北区にワンストップで手続のできる「被災者支援総合窓口」を設置するとともに、避難所には、その場で手続を行うことができるような申請受付・相談体制を整えました。

また、被災者の健康管理の支援については、避難所に医師、保健師、看護師等が常駐又は巡回し、避難されている方などに対し医療救護や健康相談等を実施してきました。

発災から1カ月を迎えようとしていますが、ピーク時には2300人程度となった避難所も、多くの方が元の自宅に戻られ、あるいは仮住宅に移られるなどして、生活再建のステップに入っていかれる中で、現在では約50世帯、80人程度という状況になっています。

今後は、これらの方々に、地区ごとの復旧の進捗状況や見通し、生活再建のための各種の支援策をきちんと情報提供し、それを基に自らの生活再建プランを考えていただけるような状況にし、そこで生じたニーズを丁寧にくみ取って、個々に応じたきめ細かな支援を行っていきたいと考えています。

被災者の健康管理の支援については、避難所において把握した健康上配慮が必要な方に対し、避難所を出て行かれた後も保健師が自宅等を家庭訪問するなど、引き続き継続的な支援を行って行きたいと考えています。

また、これらの配慮を要する方以外にも、避難所等から公営住宅等に移られ生活環境が大きく変化するなどへの心身のケアも必要と考えています。このため、広島県や県内の市町の保健師にもご協力をいただきながら、公営住宅等に移られた方へ個別に訪問して健康状態を把握するとともに、その結果を踏まえて必要な支援を行ってまいります。

さらに、こどもの心身のケアを行うため、定期相談窓口を開設するとともに、医師、臨床心理士等による自宅などへの訪問相談を継続して行ってまいります。

住宅に関して、被災者の方に仮住宅を速やかに提供することを最優先に取り組んでまいりました。

17日に、各避難所で、47世帯の方に、住まいに関することをはじめとした各々のご事情をお聞きしたところ、仮住宅等の移転先は確保できており、準備でき次第引越ができる方が32世帯、自宅に戻れるようになるまでは避難所に居たいという方が13世帯、仮住宅を希望しながら見つからないという方が2世帯でした。

仮住宅を希望されて、見つかっていない2世帯の方については、お聞きしたご意向に沿うような物件をリストアップして提示するなど、個別に対応します。

避難所での生活を望んでおられる13世帯の方については、各々のご事情やご希望をさらに詳しくお聞きし、個別の状況に応じて、丁寧に対応をしていきます。少なくとも、避難所から出ていただけるような状況にしたいと思っています。

今後も、引き続き避難されている方が、少しでも早く日常生活を取り戻していただけるよう、きめ細かな対応をしていきます。

復旧・復興の現況と今後の見通しについてです。

最初に、災害発生後、概ね1カ月半までに取り組む応急復旧についてですが、9月5日には、国、県、市で応急復旧計画を策定・公表させていただき、その後も国、県の協力を得ながら復旧活動を鋭意進めているところですが、その進捗について申し上げます。

まず、安佐南区の緑井・八木地区については、既に道路上の土砂撤去等がおおむね完了し、発災後1カ月で大型土のうの設置、河川・水路の土砂撤去等が、約8割が完了しました。ライフラインについても、水道が9割以上、下水道が約8割完了しています。

現在残っている9つの避難勧告地域のうち、カテゴリーAに分類した7地域は、発災後1カ月半以内の応急復旧完了を目標におおむね順調に取り組みを進めており、八木6丁目の別所団地については、本日午後に避難勧告区域を解除する予定です。

カテゴリーBに分類した八木8丁目の太田川橋西詰め付近については、国道54号からの導入路を確保し本格的な土砂の除去作業に着手したところです。

カテゴリーCに分類した八木3丁目の県営住宅付近では、現在も一部区域で捜索活動が行われており、捜索終了を待って、順次啓開(けいかい。障害を除去して水路を開くこと)作業を本格化させる予定です。いずれについても引き続き関係機関と連携をとりながら早期の応急復旧完了を目指します。

次に、安佐北区については、避難勧告地域は既に全て解除されており、道路上の土砂撤去もおおむね完了しています。また、発災後約1ヶ月で大型土のう設置は約8割、河川は7割以上が完了しております。

また、土砂やがれき、全壊家屋の撤去は、安佐北区については農地に土砂・がれきが残るものがありますが、民有地の撤去はほぼ完了しています。

また、安佐南区について、カテゴリーB、Cを除く地域での撤去は約7割が完了しています。

応急復旧の進捗状況は以上のとおりであり、引き続き迅速かつ着実に復旧工事に取り組み、被災者の方々が一日も早く日常の生活を取り戻していただけるよう、全力を傾注してまいります。

次に復興のまちづくりについてです。

今後の復興が大きな課題になってこようかと思います。現在進めている応急復旧の取り組みと並行して、いかに安全な市民生活を取り戻すかとの観点に立って、ハード、ソフト両面から全体ビジョンを描く復興まちづくりの検討が必要であると考えています。

まずソフトの施策としては、土砂災害防止法に基づく土砂災害警戒区域、特別警戒区域、いわゆるイエローゾーン、レッドゾーンの指定を進め、危険箇所を明らかにすることが必要です。

そして指定された区域においては、地域住民と地区ごとのハザードマップの作成に取り組むことを通して、地域ごとの有効な避難方法の検討や身近な避難場所の確保など、自助・共助による安全なまちづくりを進めていく必要があると考えています。

ハードの施策としては、今後とも市民が安心して住み続けられるよう、砂防堰堤(えんてい)の整備により、土石流が直接市街地を襲うことのない状態をつくり出すことが大前提となります。

その上で、今回、深刻な被害を受けた地区については、その教訓を踏まえて、避難路としてどのような道路を整備すべきか、山から流れ出る水をどのようにして安全に処理するか、といった具体的な絵姿を検討しなくてはなりません。

こうした施策のうち、土砂災害警戒区域等の指定は、県が緑井・八木地区について、今年度末までに進める方針を打ち出しています。また、砂防堰堤については、国土交通省のTEC-FORCE(テックフォース:国土交通省緊急災害対策派遣隊)が発災後ただちに実施した土石流発生渓流の調査に基づき、対応が必要とされる箇所については、国及び県において今年度から緊急砂防事業に着手していただく予定です。

それ以外のハザードマップ作成や道路等の整備については、本市が責任を持って取り組むことになります。

また、今後、可部地区、八木・緑井地区などの被災地域に住む方々の住宅の安全性をどう確保するか、移転を検討される場合どのような支援が可能か、といった課題があります。土砂災害特別警戒区域、いわゆるレッドゾーンに指定されるか否かにかかわらず生ずることになる、こうした課題については、現行の支援制度で十分なのか、新たな支援策が必要かどうか、県と連携しながら検討していきたいと考えています。

こうした検討を進めるに当たっては、まちの将来像を踏まえた復興のビジョンが不可欠であることから、国、県の砂防堰堤の計画等と調整を図りながら、早急に取りまとめるよう指示し、すでに作業を開始しているところです。一例を申し上げると、緑井・八木地区にある未整備の都市計画道路「長束八木線」の一部を避難路等に活用できないかといったことも検討する予定です。今後、全体像をできるだけ早く整理し、年内には市民に示したいと考えています。

最後に初動対応に関する検証部会についてです。

検証部会について、私の方から、この度の豪雨災害への初動対応について、事実関係をお示ししながら、現在のマニュアルに照らし、適切な対応であったか、マニュアル自体に問題はなかったのか、ということも含めて、課題を明らかにすると共に、改善策を提言していただくようお願いしています。

先週11日に開催された検証部会では、避難対策における初動対応について時系列で、情報の入手から住民への情報発信などの動きを整理してお示しし、それを基に様々な議論がなされました。

例えば、雨量観測について、1時間ごとの情報ではなく、もう少し短時間の情報を入手し、活用した方が良いとか、早い段階で避難準備情報として注意喚起をしていることは評価されるべきであるが、受け手側への浸透という点に問題があったのではないかといった意見をいただいております。

また、119番通報の状況のように重要なものがあるにもかかわらず、提示した資料の中に記載されていないものがあるとの指摘もありました。

今後も要請に応じて、資料の補強も行いながら、検証作業を進めていただきたいと考えています。

次回は、被災住民等のアンケート調査結果の分析や、マニュアルや避難勧告の発令時期を中心にした検証が行われることになっています。

いずれにしても、検証結果については、年内を目標にお願いしているところであり、スピード感を持って、客観的な視点に立った検証作業をしていただけるよう期待しています。

記者 検証部会で検討していただいている役所の課題なんですが、市の防災体制を見直す基本的な姿勢ですね、市長としての。組織としての危機意識が問われているわけですが、その姿勢について、どのような姿勢で検証というか、市長として市の組織を変えていくかということをお聞きしたいんですが。

市長 この検証部会の中では、防災体制というか組織についての議論はまだされてはいなかったと記憶しています。

ただ、マスコミ等の情報の中で、他都市と比べて我が市の危機管理体制は、十分ではないのではないかという指摘も見受けられます。そういったことがあるということは認識しています。

私自身は、まずはこの度の災害の中で、まず情報収集・伝達、そして避難勧告の発令時期の問題など、個々の対応についてさまざまなご指摘をいただいているということですので、検証部会からの報告あるいは提言は出るということをもちろん踏まえながら、地域防災計画を見直すというその作業の中で、市民の安心・安全を確保して、そして危機管理体制を一層強化するという視点に立って、どういった課題があるか、どういうことをすべきかということを、いろいろ研究していかないといけないと考えています。

記者 応急復旧計画のことでお伺いしたいんですが、カテゴリーCの県営住宅周辺についてなんですが、市長はロードマップ公表時には、この地区については早期に復興計画を示したいという表現をしているんですが、確認なんですが、このC地区については、個別の復興計画をまとめて公表されるおつもりなのか、それとももう少し全体としての復興計画を示される中で、ビジョンを示されるのか。

あと現時点で1カ月経ちますので、全壊家屋の多いこのC地区についての将来的なビジョンを市長としてはどのようなイメージをお持ちなのかお聞かせください。

市長 まちづくりのビジョンは今回発災するという中で、いろんなことが起こってまいりました。それらを解消しながら、そこにお住まいの方が、引き続き安心・安全に住めるようなまちづくりを、部分ではなくてもう少し広いエリアでどういったものにするか、どういう例えば公共財がいるかとか、そういったことを考えなければいけないと思っています。

その際の視点として、今言われたように、緑井・八木地区の今回の大規模な土砂崩壊等を踏まえ、土砂が流れていったという道筋みたいなのを考えると、それらをいくらかでも防ぐような構造のまちを考えるということがいるんじゃないかという意味なんです。

これはもちろん、安佐南区だけではなくて、安佐北区についても同じようにこれを契機に防災に強いまちづくりということを考える必要があると思っています。

それは、この議会で安佐北地域に市民病院の移転をどうするかという問題もあった中で、まずまちづくりを、防災という観点から考えた上で、もう一度しっかり議論していただこうというように考える際にも言った事ですが、地域全体として防災に強いまちづくりにするために、市が「こういった提案があるけれど、例えば皆さんどう考えますか」というようなことをしっかりやった上で、今後に備えたいと思っています。

記者 検証部会が始まりましたけれども、当初市長の初動の動きについて、検証部会がある程度落ち着いてからまたお話ししたいということであったんですが、この間の資料は時系列状になっていましたが、市長の動きはあんまり盛り込まれていなかったんですが、今一度確認したいんですが、19日の夜から当日の朝にかけての、市長ご自身の動きなどを教えていただけますか。

市長 資料にも書いてあったとおりですが、ざっくり言うと消防局長との連絡を3回あったというように紹介していますが、3時台と5時台と6時台です。

3時台が警戒本部を作るときの了解です。5時台が本部員会議の開催についての判断、そして6時台が自衛隊の出動要請についての判断というような状況でした。

ご指摘等は3時、5時、6時のそういう情報のやりとりですが、私が結局市役所に出たのが7時過ぎじゃないかと。もっと早く市役所に、現場ということだとなかったと思うんですが、市役所に行って皆の指揮を執る方がよりきちんとした対応がとれたんじゃないかというご指摘が一つあります。

それともう一つは、それと同時にあったのは、もっと早く(市役所に)私が出れば、そこはちょっとどういうご認識か分かりませんが、避難勧告が出たんじゃないかというようなご指摘もあったと受け止めていたんです。

私自身は、最初に職員の方から情報伝達があったのは3時台ですから、自分自身が避難勧告をするというタイミングは、それ以前には実は無いんです。その時に、マニュアル等、どのような運用をしていたかを見てまいりますと、消防局、区消防署の対応は今までの扱いですと、区なり消防署が地元で判断して、避難勧告を出して、そして事後報告をすることができるという規程があって、それを使ってやっていたんだなというように理解していたわけです。

ですから、職員がいろいろ悩みながらマニュアルに従って対応したんだという認識を申し上げたつもりであります。

ですから、そこの部分について、そういった対応そのものが良かったのかどうだったのかということは、別途問わなければいけないというものであったと思います。そして・・・。

記者 初めて情報を受けられたのが3時だったんでということですか。

市長 それは事実なので、そういうことです。情報が入ったのがそういう状況だと。ですから、それ以前の個別の問い合わせややり取りはなかったんです。それまでは、然るべく担当者が対応してくれていたと、私は認識しております。そして、市長への報告なり判断を求めるというタイミングで、然るべくアクセスしてきたという認識だったんです。

それをもっと早めるというのであれば、申し上げたような今の取り扱いのベースをもう少しきちっと直すということをやらないとできなかった。

そうすると、後は3時から7時の間のどこかで私に早く市役所に出ていた方がいいんじゃないかというご指摘なるなと受け取ったわけです。

その段階では、3時、5時、6時の段階でまだ職員が初動態勢を取りながら情報収集しているわけですから、私がそこに行って個々の指示をするという状況にはまずないということだと思ったわけです。

そして、最初に受けた情報が3時でしたから、その次の情報が来るまでの対応を少し申し述べ、そして、担当部局と連携を取りながら、必要な判断はしていたんじゃないかということを申し上げたつもりであります。

ですから、それらの事実に照らして、そこにどのような問題があったということはしっかり検証しなければいけないと思いますし、一連の対応をもっと早める、あるいは私自身として、そういった状況の中でも、自らが発意して情報が入った以降、直ちに奮起して市役所に来るという選択肢は、言われれば無くはなかったと思います。

そういったご指摘は、今後の全体見直しの中で、私自身のこういった災害対応についての対応方法についての戒めとして、しっかり整理していく必要はあろうかと思っています。そんな状況です。

記者 市長自身にも緊迫性というものは、ある程度は、かなり詳しくは伝わっていたんでしょうか。

市長 いえ、3時の段階では実を申しますと、私自身は受け止めていませんで、むしろ5時の段階での避難勧告を安佐南、安佐北区が出した中で、それらの対応をまとめてやる本部員連絡会議を開かなきゃいけないという状況のところで、少しこれ大変なことになっているという認識は持ちました。

ですから、その後の追っかけというのは6時の自衛隊への出動要請もそういった中で消防だけでは十分出来ないという説明でしたので、どんどん広がっているなという認識は持ちました。

ですから、もう少し早くというのであれば、今申し上げた6時の自衛隊(への出動要請)のときに一緒にこの庁舎に来ていればどうかというようなご指摘は、私の姿勢としてあって然るべき行動かなと思わなくもありません。

ですからそういった点については、今後の戒めにしたいなと思っています。

記者 先ほど、可部とか八木とか緑井地区の危険とされる地域に関して、住民の移転の問題があったときに、県と連携して、新しい支援策をというお話がありましたが、具体的にはどのようなことが必要だと考えてらっしゃいますでしょうか。

市長 現行の制度が、いわゆるレッドゾーンにかかったときに、一定の経済的な支援等をして、移転を促せるようにするというのがあるんですが、実際それを使った方がいないという状況がありますよね。

そうすると市のまちづくりを考えたときに、もちろんそのまちを安全・安心を確保できるようなまちにするということを申し上げるんですが、そこのお住まいの方でトラウマじゃないですが、「いくらそう言ったって、上手くならないんじゃないか」、「自分はもう少し安全なところに行きたい」という方もおられるかもしれません。

すると、そういった方に対しては、やはりその気持ちを尊重して、移転できるような仕組み、それはレッドゾーンに限らず、場合によってはイエローゾーンかも分かりません。そういった方々を支援する枠組みをつくれないかなという思いなんです。

ただその時に、その危険地帯から去るから支援するという制度で助けるのか、一番最初に申し上げたと思うんですが、団地とか高齢者が住みにくいような地域に住んでいる方については、一般的な政策として、むしろ平地の利便性の高いところに移れるような施策を用意して、そちらの視点から移転を助けるというようなことで、支援するということもあろうかと思うんです。そういったところの知恵出しがいるんじゃないかということだと思っています。

記者 初動対応の検証が続いていると思うんですが、避難勧告の基準の見直しを元々国から求められていたと思うんですが、当面、今避難勧告が出ている地域については、警報が出たら勧告を出すとかそのような対応を今とられていますが、その他の地域に関して、今後また大雨が降るかもしれないし、突発的な雨が降るかもしれないので、これまでとは違う避難勧告の基準等を考えていく必要があると思うんですが、今回の災害対応と別にそういった避難勧告の基準の運用・対応というのは、今どのようにお考えでしょうか。

市長 そこは、はっきり言ってすごく難しい課題だというように認識しています。というのは、気象予測が非常に、エリア限定、小さなエリアについて、相当精度の高い予報を出していただけるというようなことがあれば、それに応じて、的確なエリア設定をした避難勧告とか、避難指示ができるようになります。

ですが、極めて大きいエリアについての予測しか出ないとすると、本当はこの地域の方だけすればいいのに、全体に避難勧告をかけたりするということ、1回だけはいいですが、それが恒例化していくと、結局受け手の側が本当に勧告の意味があるんだろうか、どうだろうかということになるという疑念があるんです。

ですから、避難勧告のやり方についての抜本的な見直しをやる際は、もちろん気象庁との関係の中で、より限定的な予報をいただけるような、予測をいただけるようなシステム構築と合わせながらやっていくのが、私は本来の在るべき姿だと思うんです。

ただ、政府の方はそういったことも同時にやるようにしているから、とにかく早めに避難勧告を「空振りを恐れずにやれ」という一般的な処方箋を4月に出したんです。

ですから、それを受け止めながら、各自治体として地域の方と十分その話をしながら、もう一つ避難勧告、避難指示というものの性質、そして自分たちの地域特性をよく分かっていただいた上で、空振りしたとしてもそれへの信用性が損なわれないような状況づくりと同時にしていかないといけないという問題意識はあります。

ですから、それについて直ちにここですぐ基準をこのように切り替えるということは、私自身、今、言えるだけの材料は持っていないんです。

ですから、もう少しこれは専門家の方も入れて、しっかりとした検討をする必要があると思うんです。その第一弾として今度の検証部会で個別の問題についての処方箋を出していただければ、それを援用して全体に広げるということができるんじゃないかなという期待を持っています。

※( )は注釈を加えたものです。

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