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2014年02月06日記者会見「平成26年第1回市議会定例会提出案件について外1件」

動画は下記からご覧ください。

(「広島市動画チャンネル(市長記者会見)」のページへジャンプします)<外部リンク>

市からの発表案件

平成26年第1回市議会定例会提出案件について

市長 本日、平成26年の第1回市議会定例会の招集告示を行いました。

開会は2月13日木曜日です。

今回の定例会には、全会計で総額1兆1,456億円余りの新年度当初予算案を提出します。詳細な内容については、先日、財政当局の方から説明していると思いますので、私の方から予算編成の基本的な考え方と注目していただきたい重点施策について説明させていただきます。

お手元に用意しております資料の「資料1 平成26年度広島市当初予算の概要」の11ページ「平成26年度当初予算のポイント」を御覧ください。

平成26年度当初予算は、市税収入が景気の回復を受けて3年ぶりに増収に転じ、一般会計の予算規模も3年ぶりに前年度を上回り2.8%増となりました。

予算編成に当たっては、これまでのまちづくりの基礎・基盤を踏まえ、本市が目指す「世界に誇れる『まち』の実現に向けての躍動を実感できる予算」とすることに意を用いました。

「活力にあふれにぎわいのあるまち」の実現に向けて、来年度完成する白島新駅の整備をはじめ、広島駅南口周辺地区市街地再開発、広島駅自由通路等の整備、広島高速5号線の整備、JR可部線の電化延伸、西風新都のまちづくりなどを着実に進め、目指す都市の新たな輪郭を形づくります。また、平成25年度に策定する計画に基づく自転車走行空間整備の着工や、これまで協議を進めてきた県市連携の一環として、県西部地域を担当する中小企業総合相談窓口の開設など、計画調整段階にあった施策を確実に具体化していきます。さらに、旧広島市民球場跡地の活用、アストラムラインの延伸など、将来の広島の有り様を左右する重要事項の方向性を定めていきます。

「ワーク・ライフ・バランスのまち」の実現に向けては、未来を担う子どもの育成に重点的に取り組みます。保育園待機児童ゼロを確実に達成するため、民間保育園の整備にかつてない規模の予算を投じるほか、小規模保育支援など子ども・子育て支援事業計画を先取りする取り組みや保育士の確保対策などのソフト策を合わせた総合的な取り組みを行います。加えて、優れた文化芸術やプロスポーツに触れる機会を確保するため、「子どもが見て聞いて楽しむ三大プロ」事業、文化施設等の小・中学生に係る料金の無料化に新たに取り組みます。

このほか、高齢者の働く場を創出する「協同労働」モデル事業、高齢者地域支え合いモデル事業、住宅団地の活性化など住民の心が通い合う地域社会の再生のための施策を推進します。

また、市立病院機構の設立による医療提供体制の強化、生活困窮者自立促進支援モデル事業の新規展開や認知症対策の充実など、保健・医療・福祉の充実を図ります。さらに、学校校舎のほか、新たに、市立保育園、児童館、大規模民間建築物等の耐震化に取り組むとともに、公共施設の老朽化に対応するなど、安全・安心なまちづくりのための施策を講じることとしています。

「平和への思いを共有するまち」の実現に向けて、NPDI広島外相会合の開催の機会を捉え、各国の為政者に被爆の実相を直接伝えるよう努めます。さらに、1年後に迎える被爆70周年という節目の年を、被爆都市ヒロシマの役割を再確認し、決意を新たに「平和への思いを共有」する年にできるよう、それにふさわしい記念事業の実施に取り組みます。

私は、被爆の実相を保存すること、そして発信すること、伝承していくこと、この三つを基本に取り組んでいきたいと考えています。

このように、限られた財源の中ではありますが、引き続き事務・事業の見直しに取り組みつつ「選択と集中」を推し進めることで、現在の広島市に真に求められる施策について、重点的に予算配分しました。

それでは、新年度の予算において、注目していただきたい重点施策について、市政推進に当たっての基本コンセプト(概念)に掲げた三つの要素に沿って説明いたします。

第一の要素は、「活力にあふれにぎわいのあるまち」の実現に向けた取り組みについてです。まず、都市機能の充実強化についてです。

「楕円形の都心づくり」の推進については、広島駅周辺地区の整備を推進するため、広島駅南口Bブロック・Cブロック市街地再開発組合に対する事業補助を引き続き行うとともに、広島駅南口と新幹線口とを結ぶ自由通路や新幹線口のペデストリアンデッキの整備等に取り組みます。

また、県・市が連携し、新たに都心部の賑わいの創出や回遊性の向上を目的とした調査・検討を行います。

大規模未利用地の活用方策については、広島西飛行場跡地について、引き続き県とともに活用の具体化に取り組むとともに、現在の県道の改良を基本とした基幹道路の検討を行います。

また、旧広島市民球場跡地について、その活用方策に係る施設の規模・配置の概略、概算事業費、絵図面など基本計画を構成する素材の検討などを行います。

地域ごとの特性や将来性等を踏まえた地域づくりについては、西風新都の都市づくりを推進するため、引き続き幹線道路の整備を行うとともに、沼田スマートインターチェンジの整備等に取り組みます。

公共交通を中心とした都市内交通の円滑化については、利便性の高い公共交通ネットワークの構築などを図るため、都市づくりの長期的展望に立った「公共交通体系づくりの基本計画」の策定に向け検討を行います。

また、来年度で工事が完了する白島新駅の整備を鋭意推進するとともに、JR可部線の電化延伸、西広島駅周辺地区の交通結節点整備を進めます。

都市の内外を結ぶ交通ネットワークの強化については、広島高速道路公社が実施する、広島高速5号線の工事などに対して、必要な出資及び貸付けを行うとともに、関連道路を整備します。

自転車都市づくりの推進については、デルタ市街地内における自転車ネットワーク路線の整備に着手するとともに、市域内の観光施設等を快適に巡ることができるよう、主要交通結節点や観光施設、宿泊施設などで貸出・返却できる観光レンタサイクルを新たに導入します。

都市の中枢拠点性の強化については、国が推進する経済成長戦略の施策の活用も視野に入れながら、ヒト・モノ・カネの循環を促進する拠点機能を強化するための検討を経済団体や大学等とともに行います。

2点目は、産業の振興についてです。

活力にあふれる地域産業の育成については、これまで協議を進めてきた県市連携の一環として、県・市の中小企業支援センターの役割を見直し、市の中小企業支援センターに県西部地域10市町を担当する相談窓口を開設します。

さらに、「ザ・広島ブランド」として認定した広島の特産品の知名度の向上及び消費拡大を推進するため、新たに首都圏の百貨店等で開催される地方物産展への出展を企画するとともに、認定事業者が首都圏で開催される商談会に出展するための経費の一部を補助します。

西風新都を中心とした企業誘致の取り組み強化については、来年度からの3年間を集中投資促進期間とし、「企業立地促進補助制度」を拡充し、西風新都において市外企業が土地及び建物を取得する場合の補助率を引き上げます。

農林水産業の振興については、学校給食における地産地消の推進を図るため、学校給食向けに市内産農産物を市場に出荷する生産者グループ等に対し、奨励金を交付するモデル事業を実施するほか、有害鳥獣対策について、駆除班等による駆除活動のほか、集落防護柵等の設置による防除対策に取り組みます。

3点目は、観光の振興についてです。

観光プログラムの開発と充実については、本年3月から10月にかけて、広島県、愛媛県及び関係市町とともに「瀬戸内しまのわ2014」を開催します。

また、4月から6月にかけて、関係自治体やJR等と連携して瀬戸内海クルーズのキャンペーン等を行います。

さらに、広島城の観光資源としての魅力向上を図るため、二の丸を拠点とする「安芸ひろしま武将隊」の体制を強化するとともに、新たに広島城の堀を活用した遊覧船を運航します。

また、広島の伝統芸能である神楽を観光資源とするため、湯来ロッジでの定期公演の充実等に取り組みます。

来広者への「おもてなし」として、一つ目は、ごみのないまちづくりです。

「ごみのないまちづくりアクションプラン」に基づき、ボランティア清掃の促進などに引き続き取り組むとともに、美化推進区域において、おもてなしクリーンアップチームが清掃活動に合わせて、来広者への道案内や観光情報の提供等を行います。

二つ目は、花と緑の広島づくりの推進です。

紙屋町・八丁堀地区などを中心とした幹線道路や公園等に四季の花のプランターを設置するほか、地域で道路や公園等を花で飾る活動を行っている団体に対し、必要な資材を提供します。

また、植物公園について、老朽化した大温室の大規模改修に着手します。

三つ目は、美しい都市空間の形成です。

新年度に策定する景観計画の周知を図るためのガイドラインを作成するとともに、市民意識の醸成を図るためのシンポジウムを開催します。

また、「水の都ひろしま」づくりの一環として、京橋川左岸河岸緑地において、平成27年度からのオープンカフェの開設に向け整備等を行います。

四つ目は、ビジターズの受入環境づくりです。

広島ならではのおもてなしができるよう、タクシー乗務員に対し、観光や平和に関する研修を行うとともに、新たに中国総合通信局等と共同で、携帯情報端末等を活用した観光情報の提供を行います。

MICEの推進については、会議中のインターネット利用などが可能となるよう、広島国際会議場の会議室等に無線LANを整備します。

4点目は中山間地域・島しょ部の活性化についてです。

市域全体の活力を高めていくためには、中山間地域や島しょ部においても、地域の魅力や特性を活かしながら、その活性化を進めていく必要があります。

このため、これらの地域における定住促進のための雇用創出と地域産業の振興、地域活性化のための交流促進に取り組みます。

第二の要素は、「ワーク・ライフ・バランスのまち」の実現に向けた取り組みについてです。まず、雇用の促進等についてです。

雇用施策への取り組みについては、若者の雇用に関するミスマッチを防止するため、大学や企業と連携し、新たに、有給での長期インターンシップのモデル事業を実施します。

また、自ら出資して経営参画しながら地域課題の解決に取り組む労働形態である「協同労働」により、高齢者の働く場を創出する仕組みを構築するためのモデル事業を実施します。

さらに、障害者の雇用促進のため、企業向けの講演会やアドバイザー等の派遣を新たに実施します。

2点目は、保健・医療・福祉の充実についてです。

健康寿命の延伸に向けた取り組みについては、検診等の受診率向上のための取り組みとして、子宮頸がん・乳がん検診の個別の受診勧奨を行うとともに、特定健康診査及び節目年齢歯科健診の自己負担額の引下げなどを行います。

医療提供体制の充実・強化については、病院を取り巻く環境変化に迅速、柔軟に対応し、これまで以上に質の高い安全で安心な医療を安定的に提供していくため、安芸市民病院を除く市立病院を地方独立行政法人化することに伴い、必要な予算措置を行います。

高齢者が安心して暮らせる社会の形成については、地域全体で高齢者を支え合う仕組みを構築するモデル事業の実施地域を全区に拡大します。

また、認知症対策を充実するため、認知症地域支援推進員の増員及び認知症疾患医療センターの増設などを行います。

地域福祉の推進については、国における平成27年度からの生活困窮者自立支援事業の制度化に先駆けて、現に経済的に困窮し、最低限度の生活の維持が困難になるおそれのある者を対象に、自立の促進を図るためのモデル事業を実施します。

また、消費税率の引上げに当たり、低所得者に対する適切な配慮を行うために、国が措置する臨時福祉給付金の給付を行います。

このほか、国民健康保険料の算定方式の変更について周知を図るため、お問い合わせセンターの設置などの広報を実施します。

3点目は、未来を担う子どもの育成についてです。

全ての子どもが健やかに育つための環境づくりについては、地域における児童の健全育成の拠点として、引き続き児童館の新設に取り組むとともに、老朽化に対応するための大規模修繕を耐震化対策と一体的に実施します。

また、留守家庭子ども会について、クラスの大規模化・過密化を改善するため、学校施設等の活用により増設するとともに、学校施設等の活用では増設が困難な地区においては、民間事業者が運営する放課後児童クラブに対する補助制度を創設します。

さらに、留守家庭子ども会及び本市が補助を行う民間放課後児童クラブにおいて、標準的な保育を行うためのカリキュラムを策定します。

このほか、優れた芸術やスポーツを「生」で鑑賞・観戦する機会の拡大を図るため、本市に拠点を置くカープ、サンフレッチェ、広島交響楽団の三大プロの試合や演奏会に、児童養護施設に入所する児童やひとり親世帯の親子を招待します。

安心して子どもを生み育てることのできる環境づくりについてです。

私は、これからの地域社会が活力を生み出していくためには、女性の担うところが極めて重要であり、社会参加をしたいと考える女性のために、その環境を整えることが地域を支えていく基盤になるものと確信しています。そうした観点から、平成27年度当初に保育園の待機児童ゼロを達成するための総合的な対策に取り組みます。

新年度予算では、本年度の2倍に近い23億3千万円余りを投じて、民間保育園の整備補助を大幅に拡大します。

また、平成27年度から開始する子ども・子育て支援新制度において制度化される小規模保育支援事業を先取りして実施するほか、認可外保育施設の認可施設への移行を促すための補助制度を創設することなどにより、1,613人分の児童の受入枠確保を図ります。

さらに、ひとり親家庭、寡婦の福祉の充実については、新たにひとり親家庭の児童生徒を対象に、学習支援事業を行います。

知・徳・体の調和のとれた教育の推進については、広島市域にある定時制・通信制高等学校の再編整備に向け、県教育委員会と連携して調査研究を行います。

いじめに関する総合対策については、学校・家庭・地域社会の連携による「まちぐるみ『教育の絆』プロジェクト」を充実します。また、生徒指導支援員の活動強化を図るとともに、インターネット上のいじめの早期発見・早期対応を図るため、専門業者によるネットパトロールを導入します。

4点目は、スポーツ・文化芸術の振興についてです。

スポーツの振興については、サッカースタジアム検討協議会に対して、サッカースタジアムに係る諸課題について検討を深めるため、外部の専門機関への調査委託など運営費の一部を助成します。

また、中央庭球場において、人工クレーコートへの改修工事を実施します。

文化芸術の振興については、文化施設等の小・中学生に係る観覧料を無料化し、子どもたちの郷土を愛する心と豊かな感性や創造性を育みます。

また、アニメーション文化の一層の推進を図るため、大会運営組織の発足から30年の記念大会となる「第15回広島国際アニメーションフェスティバル」の開催補助を行うとともに、第9回ヒロシマ賞受賞記念展「ドリス・サルセド展」等を開催します。

5点目は、安全・安心に暮らせる生活環境の整備についてです。

地域の実情に応じた市民主体のまちづくりについては、住民の心が通い合う地域社会の再生に向けて、様々な問題が現れている住宅団地について、その活性化に向けた総合的な対策の取りまとめを行います。

また、地域の魅力や活力の向上に資する住民の主体的・継続的な活動を支援する、区の魅力と活力向上推進事業に引き続き取り組みます。

さらに、本市のハコモノ資産について、将来のあるべき姿とそれを実現するための対策の方向性を定めた基本方針を策定します。

このほか、地域における生活交通の確保を図るため、乗合タクシーの実験運行を行う地区に対する支援を行います。

犯罪や事故の起こりにくいまちづくりについては、地域の自主的な防犯活動を補完するため、町内会等に対し、防犯カメラの設置に要する経費の一部を補助する制度を創設するとともに、飲酒運転による事故被害者の等身大パネルや遺品等を展示した「生命のメッセージ展」を区役所で開催し、飲酒運転の根絶に向けて市民意識の醸成を図ります。

災害に強く安心して生活できるまちづくりについては、地域における災害に強い組織体制の整備を図るため、若者・女性の加入促進や地域とのつながりの強化など、消防団が抱える諸課題に対処し、活性化を図っていくための計画を策定します。

公共施設の耐震化への取り組みとしては、学校校舎や消防庁舎等の耐震化に引き続き取り組むとともに、新たに市立保育園及び児童館の耐震化対策に着手します。

また、不特定多数の者が利用する大規模な民間建築物の耐震診断に要する経費の一部を補助する制度を創設します。

さらに、橋りょうの老朽化対策については、市民の安全確保を最優先とする観点から、長寿命化事業及び緊急保全対策に重点的に取り組むとともに、橋りょう点検についても、新たに作成するマニュアルに基づき着実に実施します。

生活環境への優しさが行き届いたまちづくりについては、微小粒子状物質PM2.5による大気の汚染状況をきめ細かく監視するための測定機を追加整備します。

また、市営住宅については、PFI事業を活用した吉島住宅の更新に引き続き取り組むとともに、人口・世帯数の推移や県市連携のあり方を踏まえ、長期的視点から団地別の再編・集約化などを検討する「市営住宅ストック有効活用計画」の見直しを行います。

第三の要素は、「平和への思いを共有するまち」の実現に向けた取り組みです。

まず、核兵器廃絶と世界恒久平和の実現についてです。

国内外の約5,900の都市が加盟する平和首長会議を中心に、2020年までの核兵器廃絶に向けた取り組みを一層推進します。

まず、平和首長会議の運営体制を充実させるため、役員都市等を訪問し、地域グループの運営等を担うリーダー都市への就任を要請します。

また、昨年8月に開催した総会で策定した行動計画に基づき、「核兵器禁止条約」の交渉開始等を求める市民署名活動の展開や、加盟都市のより多くの市民が、平和の尊さを共有し、次世代に引き継ぐことができるよう、被爆樹木の種や苗木の配付等に取り組みます。

さらに、本年4月にニューヨークで開催されるNPT再検討会議第3回準備委員会に出席し、2020年までの核兵器廃絶の必要性を訴えるとともに、11月に松本市において、広島・長崎以外の都市では初めて国内加盟都市会議を開催します。

次に、「迎える平和」の推進についてです。

平和への思いを共有してもらうための取り組みとして、本年4月に本市で開催されるNPDI広島外相会合の機会を捉え、被爆体験証言の聴講や核軍縮シンポジウム等の実施を通じて、各国の為政者に被爆の実相を直接伝えるよう努めます。

また、引き続き、被爆体験伝承者の養成や平和記念資料館の再整備、折り鶴に託された平和への思いを昇華させるための取り組みを推進します。

次に、被爆70周年記念事業として計画しているもののうち、今回の予算案に計上しているものについてです。

若い世代に広島の歴史や被爆の実相を伝えるため、被爆70年史の編さんに着手します。

広島交響楽団特別事業「摂氏4000度からの未来」プロジェクトに取り組みます。

平和記念公園レストハウスを観光資源として活用できるよう、老朽度・耐震診断調査を実施します。

被爆者の高齢化等に配慮した平和記念式典の運営を図るため、参列席の全面にテントを設営するために必要となる中央参道の舗装改良を行います。

被爆橋の一つである猿猴橋について、大正15年の架替当時の姿への復元に取り組みます。

最後に、「効果的・効率的な行政の推進」についてです。

まず、区役所窓口について、市民に分かりやすいサイン、利用しやすいレイアウトになるよう、8区全てにおいて、窓口環境の改善を行います。

また、市民の利便性の向上等を図るため、コンビニエンスストアにおいて、新年度から市税等の徴収金の収納を開始するとともに、平成28年1月から各種証明書を交付できるようにするためのシステム構築に着手します。

以上が新年度予算で注目していただきたい重点施策の概要です。

次に、平成25年度2月補正予算について説明します。

資料については、後ほど資料7を御確認いただければと思います。

2月補正予算では、国の経済対策に伴う補正を行うほか、安佐市民病院の建替え場所を安佐北区亀山南一丁目「荒下地区」と定め、同地での病院の早期建替えに向けた基本計画の策定に着手するため、債務負担行為を設定します。

次に、組織・職員数について説明します。

お配りしている資料の「平成26年度組織及び職員配置の見直しについて」を御覧ください。

まず、組織については、市立病院を地方独立行政法人化することに伴い、市の組織としての病院事業局を廃止するとともに、市民の自立した生活を互いに支え合う地域社会の形成を図るため、健康福祉局に地域福祉課を設置するなど、新たな行政需要に的確に応え、各種施策を確実に実施できるよう改正を行います。

次に、職員数については、生活保護業務の充実、子ども・子育て支援新制度導入に向けた取り組みの推進、道路及び橋りょう整備の推進などのため、職員を増員する一方、事務・事業の見直しなどにより、引き続きその削減を図ります。

最後に、被爆70周年の取り組みについて説明します。

お配りしている資料の最後の資料になります「被爆70周年の取り組み」を御覧ください。

本市では、これまで、被爆から10年ごとの節目に被爆周年記念事業を実施しており、この度、平成27年に迎える被爆70周年の取り組みについて、現時点で計画した内容を取りまとめました。

具体的な取り組みとして、次の二つを掲げています。

まず、「被爆70周年記念事業」は、平和都市としての求心力の向上を目的として、被爆70周年を記念する事業を実施するもので、現時点で35の記念事業を計画しています。資料には、事業の一覧、個別の事業の目的や内容等を掲載しています。

次に、「まちづくり先導事業」は、まちづくりの新たな一歩を踏み出すという被爆70周年の取り組みの趣旨を踏まえて、この度、新たに掲げたもので、被爆100周年を見据えて目指すべきまちの姿の骨格を示し、その実現に資する新たな事業等を「まちづくり先導事業」として位置付けて取り組むものです。この事業については、今後、更に検討を深める必要があるため、資料には現時点の骨子を掲載しています。

今後の予定については、記念事業、まちづくり先導事業のいずれについても、引き続き事業の追加等を検討し、平成26年度中に最終的に取りまとめ、公表することにしています。

以上が予算編成等に関しての私のコメントです。よろしくお願いします。

新年度予算案について

記者 新年度予算案を一言で表現していただけますか。

市長 (この説明の)最初の頃申し上げましたけれど、「躍動実感予算」ですかね。四文字で躍動実感です。

記者 もう少し具体的に特徴を入れて表現していただけますか。

市長 「世界に誇れる『まち』の実現に向けての躍動を実感できる予算」にしたというところです。

記者 今回で三度目の予算編成で、新年のあいさつでも任期終盤に向けて総仕上げに取り掛かりたいとおっしゃっていましたけれど、実際、予算編成をしてみられて、その辺の手ごたえ、どのくらいこの予算に取り込めたと実感していらっしゃるでしょうか。

市長 市長になって三度目の予算編成で、一度目・二度目でいろんな工夫をしながら、真に「世界に誇れる『まち』」と言えるような施策をどう展開するかということについてチャレンジしてまいりましたけれど、三回目で、多方面にわたって、自分の思いを導入した施策が少しずつ芽出しできたんじゃないかなと思います。

まだまだつぼみです。これを花開かせるために、さらにどういった展開をするかということが大きな課題ですけれど、花開かせるためのさらなる方向性、それは今年の初めから申し上げていますけれど、秋口にもう一回再整理をして、こういう方向に向けて施策の多様な分野でここまで来た。そして、これからこういう方向で行くということを再整理したいと思っています。そのための足掛かりはできたんじゃないかなと思います。

安佐市民病院の移転について

記者 安佐市民病院の移転先について、荒下地区ということで正式に表明されたわけですけど、改めて荒下地区に決めた理由というのをご説明いただきたいと思います。

市長 大きなマクロの議論で申し上げますと、いろんな物事を考えるときに、最初から申し上げていますけど、鳥の目と蟻の目という視点で物事を考えながら対応していくということを申し上げたと思います。

そして、この安佐市民病院の建て替えに関しましては、当然、老朽化対策といったような面での建て替えであるということを前提にしながらも、建て替えるために一定の原資を投入するときに、次なる医療機関が、今後30年40年同じように展開していくわけですけど、その期間がさらに充実し、当然市内の医療供給体制として、十全な役割を果たすこともできれば、拠点病院として我が市に隣接する地域の面倒を見てもいいような病院にしていく(必要もあります)。

そして、運用形態については、独立行政法人化することにより、相当自由度のある、医療についての専門性を持った自由度のある組織体に変えていくという中で、その場所については、フリーに現状でなければならないという拘束を離れて考えるということをやってみたということです。

そうしたところ、市の北部にある病院でしたので、これらについて、これから先ほど申し上げた視点でより地域の活性化、その地域の活性化が究極的には我が市全体の活性化にもつながるというようなものにすべきではないかという判断を重ねた結果、移転先として、今申し上げた河戸のところがいいのではないかと至りました。

同時に、移転すべきではないと現地でむしろやるべきであるというご意見も多数いただいておりますので、その点についての考察と言いますか、蟻の目でのご意見を自分なりに斟酌したところ、今ある病院施設、その近隣の方々は、病院施設があることで、その地域が賑わっている、活力があるというご指摘だと思います。

それが無くなれば、次なる施設がどういうものになるか分からない、もし何もしなければ大変だというご意見ですので、それについては真摯に受け止めて、今まで病院が人々の集客機能を持っていたとすれば、できればそれを上回るぐらいのもの、施設ですね、そういったものを空き地に導入すべく、それについて何がいいかということを、地域の住民の方と真剣に話して導入することができれば、現地がいいという理由ですね、理由の重要な部分についてのお答えはできるのではないかと。しかも移転までにはまだ時間がありますから、十分な議論も可能であろうと思うわけです。それをしっかりとお約束して、やる、ということが一つ。

それから、病院のアクセスについて、東西南北4方向からのアプローチについて検討したところ、だいたい3方向までは移動することで利便性が高まるということがありましたが、1方向、高陽とか、それをぐっと曲がって白木のあたりの方からの利便性が落ちるというご意見がありました。

これについて検証してみたところ、利便性が落ちるという問題以上に、今回の病院移転を契機にこの高陽とか白木の地区に対して、行政サービスの拡充というご要望がある中で、ややもすればそういった要請に十分応えきってないという中で、この医療サービスについても遠のくということで、本当にこの地域が行政のサービスの取り残された地域になるのではないかという思いが強いのではないかということに思い至ったわけです。

したがいまして、この地域に関しては、病院移転という問題よりかむしろこの地域における行政サービスの需要というものをしっかりと把握して、今まで十分でなかったという思いに対して、早急に対応していくということをやっていく中で、トータルこの地域、ひいては市域全体の活性化を図ることは可能ではないかと思い至りまして、移転するという決断をしたところです。

記者 今おっしゃいましたけども、地元では現在地でという声が強いわけですし、市議会内でも現在地を求める声というのがそれなりにあると思うんですけど、予算を投じていく上で、どういうふうに理解を求めていかれるのでしょうか。

市長 それは今申し上げたように、現地でという最終的なご意見の理由付けを今申し上げたようなことではないかと分析したわけですから、今申し上げた理由付けの部分についてしっかりとお答えを示し、必ずやると約束することで、私はご理解が進むのではないかと思います。

新年度予算案について

記者 躍動を実感できる予算、躍動できるというは具体的に言うとどういうところに今回盛り込まれているなとお感じになられるかが一点と、二点目、説明の中で、今回特に保育にすごく力を入れられている、三回目の予算編成でそこに力を入れられている理由ですとか、意気込みというのはどういうところか二点教えてください。

市長 いろんなところで躍動感を感じていただきたいので、すべてを言い尽くせませんけど、例えば、ハードとソフトに二分いたしますと、まずハード面については市内の大規模空き地こういったところを活用していくと、活用方法が個別具体的にお示しできたんじゃないかと思うんです。そして、全体として都市機能の向上が図れるような足掛かりをそれぞれ作ってきて、それ少し芽を出してきたんじゃないかという点です。

ソフトに関しましては、この間いろんな議論をする中で、国全体として少子高齢化が大変な問題だと言われております。そして、何もしないで放置すれば人口減が起こる、この118万(人の市民)の人口減が起こっていくという予測がほぼ間違いない予測なんですが、今言ったハード面での下支えをすることで、その人口減をいくらかでも防ぐということをまずやりたい。

そしてソフト面では、まずこの地域に雇用という人々が生活できる環境を作る中で、もう一つ労働力減が起こってくるということです。それは高齢化することで、労働力全体が、若い方々が減るということですから、そうすると当座の対応として働こうという意欲・能力を持っている女性ですね、こういった方々に社会進出のチャンスを十分提供するようにするということが、短期的な視点でまず重要でしょう。

さらには、雇用の場を提供することで、もっと若い方々がこの地で生活していただけるような条件づくりをしていく、これをほぼ同時にやり始めるために、今、喫緊の課題は子育てと社会参加の両立に苦慮されている、こういった方々に対する効果的な対策ということで、待機児童ゼロというものをしっかりやっていかなきゃいかん。それを目指してやってきたんじゃないかなと思うんですね。

そして、この待機児童等にかけて、もう一つ次の世代をしっかり地域として大事にしようというメッセージと言いますか、対応するために、前回は高齢者の方々が例えばスポーツ施設を利用するときに、健康な方は一定の料金を払ってくださいという政策を展開しましたけども、そういったところで考え方として、高齢者の方からいただくような手数料に関しては、次にお子たちが無料でいろんな文化施設を楽しめる。

つまり、親の世代、おじいさんの世代が孫・子の世代にしっかり思いを寄せるという流れで、こういったお子たちへの支援を拡充する。つまりは次世代にしっかりとした支援を送る行政システムに転換していくという芽出しができたんじゃないかなと思っています。

大きなトレンド(傾向)の中で、決して衰退するんじゃなくて、その流れに柔軟に対応しながら、このまちの活力を維持できる、あるいは維持するという意思を明確に示すための施策展開ができるような準備をしたというつもりでいます。

新年度予算案のハード面との繋がりについて

記者 人口減少を見据えた施策ということですが、ソフト面は分かるんですが、ハード面っていうのはどう繋がるんですか。

市長 ハード面は、まずこの地域で雇用の場を確保しなければいけないとすると、雇用の場というのは主に産業活動ですね。ですから、産業活動に必要な基盤整備というものを今までの計画の中であったものについては早急に作り上げていく。そういったものの中で、例えば産業活動で重要なのは物流ですね、物の移動。そうすればハードの道路とか、そういったものの整備は可能な限り国・県と連携しながらやっていくというような手当てもしております。

そして、その大規模な空き地については、その有効活用を図るという事はそこに人々が集うためのツール、ハコモノであり催し物であり、いろんな工夫をするわけですから、ここでの定住者が増えれば、まずはその意味での人口減を防げますし、さらにその居住者以外であっても、多くの方が来るという中で、その来た方々が、一定のその地域の消費活動をすれば、その消費に関わるサービス産業での雇用拡大、事業拡大になります。

そしてそこでの活力維持、活性化という命題に応えるための諸手当が可能になると思っていまして、それらをいろんなところで踏み込んだ施策にしているということです。

放課後児童クラブ、旧市民球場の跡地について

記者 今も待機児童ゼロに向けた市長の思いがありましたけれども、一方で保育園を出ても、今度また、そこから先では、いよいよ働くお母さんなどにとっては、「小1の壁」というような言葉もありますけれども、今回予算の中で新規事業で民間の放課後児童クラブの運営費の補助というのも入っていますが、改めてこれまで、留守家庭子ども会は広島市は比較的一生懸命取り組んでこられたと思うんですけれども、民間に補助を新規事業でされる市長の思いを教えていただきたいというのと、もう一点、旧市民球場跡地の活用方策検討の予算とサッカースタジアム検討協議会の補助の部分がありますけれども、改めて市長はこの旧市民球場跡地の活用の方向性を決める上で、来年度はどのような位置付けの年にしたいという思いなのか、その二点を教えてください。

市長 前者に関しましては、正に今指摘されたとおりでありまして、待機児童を解消していくというその延長線上で、放課後、勤務しているお母さん方がおれば、お子たちの面倒を見る場所が無くなるじゃないかという問題があります。

ですから、その延長線上として、放課後児童をしっかり預かれる施設群を早急に整える。

それが可能になるためには、今までならば、学校施設の中で空いた教室を利用するとか、児童館を利用するとやってきておりますけれど、地域によっては空いてないところもあります。

そうすると、早急に確保するために、ハードを建設するとなると、金も掛かるし、時間も掛かりますから、民間の施設を活用してでも、そういった受け皿を用意するということで量的な問題についての解消に着手するということです。

正に、子育て期を通じて可能な限り、両立が支援できるような体制にしていくということに着手したとご理解いただきたいと思います。

旧市民球場跡地については、この跡地の活用方策についての問題対応を深化させるということに尽きると思います。

文化・芸術とか、それから広場活用ということを議論している中で、それらの機能をしっかりと認識していただくためには、より詳細な作業をしなければいけないということで必要な予算を計上いたしますし、それからサッカースタジアムに関する協議会の方でも、今までのご意見の中で、るる(こまごまと)問題を検証するための必要な資料を積み上げ、議論していただいているんですけれども、如何せん専門家がいないというご議論があって、そういったものを作るとすると、事業規模がどうなんだろうかとか、費用対効果がどうなんだろうか、これら具体的なものがなければ、8カ所から5カ所まで絞り込みましたけれども、次なる検討が進まないというようなご意見もありますので、さらにこれらの問題についてしっかりとした判断材料を専門家に提供してもらうために、その必要な経費を計上いたしました。

これについては、市・商工会議所・県が一緒になって必要な経費を計上いたしまして、より専門的な知見を頂いた中で、絞り込まれた候補地の中で、どこがスタジアム建設にふさわしいかという議論をしっかりやっていただく、それらの進捗状況を踏まえた上で、当初予定している秋口には私の判断を示すという段取りが一応見えるようになったのではないかと思っています。

組織・職員の効率化について

記者 限られた予算の中で大変な工夫をされているとは思うんですけれども、行政組織のスリム化は目指さなければならない課題だと思うんですが、今回の組織と人員の見直しの中で、四つの課を増やすということで、以前には減らされましたけれども、また増えてくると。政策企画課、今の体制でできないのか、それがちょっと不思議なのと、スクラップ&ビルドで減らす工夫はできないのか。

もう一つ職員数なんですけど、1,790人減るということですけれど、実際には病院の行政法人化を除くと差し引き百数十人は増えると、ということになるわけですけれど、そこら辺の今後、組織・職員数の効率化について、どういう方針で臨まれるか、教えていただけますか。

市長 私自身は基礎自治体のサービス、行政サービスというのは、人に頼らざる得ない部分があると思うんですよね。住民との接点を持ちながら、さまざまな行政サービスを展開しているわけでありまして、これをすべて機械でというのは行政じゃないと思うんですね。

可能なところは機械化し、双方納得いただくところについては利便性を高めるという工夫をしながらやっていきますけれども、本当に最終的には人によるサービスは欠かせない。それがベースでありますが、今言われた組織の拡充を導入せざるを得ない部分は、ちょっと考えていただいても分かると思いますが、増える高齢者の方々のサービス提供は間違いなく量的に対応する数が増えているんですね。

そして例えば生活保護などは、今は一定水準ありますけれども、かつてから比べると高い水準、そしてその水準の中で、生活保護に陥る前の困窮者などの方は可能な限り職に就いていただくような事前の予防策を講ずるとなると、その手間たるや、今までの業務量より間違いなく増えるわけですね。

そういった意味で、最初に申し上げた人が行政サービスを展開しなきゃいけないという要請を考えるとそこの部分が増えるのは決して不合理ではない、合理的なものだと思うんですね。そちらは増やすと。

しかしながら、先ほど言った諸般の、今までの業務の中でルーティン化しているもの、あるいは機械化が可能なものを、そちらの方で合理化する中で定員を削りながら必要な人を増やすということをやっておりまして、結果として増員・削減をした上で、増えたとしても、それは今申し上げたプロセスが合理的なものであれば、増員については手当てしなければいけないと考えています。アプリオリ(まず先)に、必ずいくら減らさなくてはいけないというやり方は、行政手法として、私は必ずしも正しいものではないと、単なる民間におけるコスト概念で行政展開をすることは、とりわけ基礎自治体にとっては、決していいものではないと思っております。

記者 でも職員数は増えていくという。

市長 そういう部分もあると思います。可能な限り増員圧力を下げるための努力をして、結果増えた部分については納得していただける。要するにそういう負担をする市民の方に納得していただけるんじゃないかなと、その分だけ行政サービスをしっかりと充実したものにするということで納得いただけるんではないかなと思っています。

記者 サービスは、見えにくい部分がありますけどね。

市長 そこら辺は透明度を高め、しっかりとしていくということを同時並行してやらなければいけないと思います。

記者 この数年は目標があったと思うんですけど、100人減らすとか。今後はじゃあ増えていくということですか。

市長 トータルでは減らす目標に向けて着実に近づいておりますよ。長期目標は維持するようにしております。ですから、今増えたところと合理化する部分の速度の差で増えたりすることはあります。今、需要が増えておりますからね。合理化するところについても、現に働いている方の例えば定年退職するとか、シフトとかしながら、機械化する速度が遅ければ、こちらが行かないから行政需要を拡大している部分を押さえることができませんから、それは跛行性がありますけれど、長期的には抑える努力はいたします。

被爆70周年関連事業について

記者 被爆70周年の関連事業についてなんですけれども、市としては2015年に被爆都市の役割を再認識して新たな一歩を踏み出すというということを掲げて言われていると思うんですけれども、今回一つ一つの事業をまとめるに当たって重点を置いた項目とかがあれば。

市長 記念事業の中でどれかということですか。

記者 はい、意識した。

市長 一応、今35並べておりますが、いずれも私は重要だからと思って掲げておるんですけれども。

企画総務局長 基本的に全部重要だと思ってはおりますが、これをあえて言えばということで受け取っていただけければと思いますけれど、被爆70年ですので、被爆者とか復興を支えた関係者の高齢化が一層進んでいるということもありまして、こういった方々の体験を、平和への思いとか体験とかを後世に継承していくことで特に意を用いたということで言わせていただければ、先ほどありましたけれども、被爆70年史の編集・発行とか、被爆の関連映像の資料のアーカイブ(記録などのコレクション)化とか、被爆体験記集の作成・配布とか、あとは、復興の都市計画についての企画展の開催とか、そういった点が、あえて挙げれば挙げられますが、全体的に35項目についてはいずれも重要な事業だと思っています。

記者 自分も35全てが大切だと思うんですが、そういうものを考えていくときに当たって、根底にあるものをお聞かせください。

市長 根底は、先ほど申し上げましたように、被爆の実相というものを広島として発信し続けてきたはずだと、それが役割であったと、それを再確認すると申し上げたつもりなんですね。

そうすると、被爆の実相をどういうふうに扱うか。まずこれを「守る」。守るというのは被爆建物であるとか、被爆樹木であるとか、そして被爆された方々への援護というのはしっかりやっていくということで、「守る」ですね。

そして、被爆の実相を、次は、広めるということも要るんですね。広めるためには多くの方に来ていただいて、それを実感していただく。そして、さらには平和首長会議という会議のメンバーを広めて、そこに広島の思いを伝える。会議を開催し、構成員を増やして伝える。

そしてそこで自覚を促すために平和首長会議のメンバーに被爆樹木の苗とか種を送る、あるいは灯をともすという行為を日常生活を通じて実感していただく、ということでやりたいんですね。

そして、「守り、広め、伝える」が被爆された方々のいろんな思いを伝承するための事業をしっかり再確認する、そして若い、例えば高校生などについては、こういった方々が広島の高校生が例えば平和首長会議に行く、国連に行くといったような広める活動をしながら、伝承したことを確認し、深めていくということをやりたいし、平和首長会議のメンバーの中で若い方々、高校生が来れば、むしろどんどん迎えてあげて、ここで勉強してもらうと、そういったことをやれるようにしたいんですけれども、それらにかかわる事業は、いずれも35の事業を見ていただくと、ちょっとずつ入っているんですね。そういう意味で全部大事だと思っているんです。それ以外にもっといいアイデアがあれば頂きたいと思っています。

まちづくり先導事業について

記者 まちづくり先導事業の件なんですけれども、まだ具体的なことが決まってないこともあって、やや抽象的というか、観念的なんですけれども、そこにある市長の思いを聞かせていただきたいんですが。

市長 思いは、その資料の絵がありますね。4,670ヘクタールのデルタの周辺部、さらには中山間地・島しょ部という、広島がコンパクトシティだと言われていることを象徴している三層構造のまちというものをイメージしておりまして、その構造のいずれにもそれぞれ特色、利点があり、それを引き出すようなまちづくりをしていくというふうにしたいんですね。

その特色を引き出すときの方向性は、先ほど言いました、少子高齢化で人が減っていくんだけど、このまちは逆に人が増えるぐらいのものにしたい、というふうに思うんですね。そうすると、その地域ごとの特色を生かして皆ここに来てああいいまちだなと思っていただけるような事業展開をどうするか。そして実際に思うだけじゃなくてここで生活したときに、利便性がありますねと、そしてちゃんと生活できますねということが実感できるような仕掛けをそれぞれのエリアごとに設定していくということなんですね。

そのときにまず交通手段、ハードが便利じゃなきゃいかん。そして俗にいうパーク・アンド・ライドっていう言葉を当てはめれば、我が市域に近づくまではうーんと早く来ていただけるけども、この市域に入ったときにはゆったりとこの地域を回っていただくために、いわば環状線のような公共道路を造り、その中ではゆったりと回ってもらう。

そしてそこで例えば、ごみ・花・自転車というように自転車でゆったり回るし、自転車で回るときそこらに花があってきれいだなと思ってもらえるようなものにするとか、というものにしていきたい。

そして、中山間地域で人が減っていると言いますけども、そこでは農業を、一次産業から六次(産業)化するということで、そこで生活することも可能になるような農業システム、すなわち計画的に作った農産物を計画的にこの都市部で消費していただく。そうすると毎年収入がありますから、そこできちっと生活できるなと思うと農業の好きな若者がそこで定着する。そんな仕掛けも考えていてやりたいんです。

記者 通常の施策でもまちづくりということでやっていらっしゃるわけですけれども、これを被爆70周年事業に位置付けたというのはどういう違いがあるんでしょうか。

市長 被爆して、いわば灰塵に帰した何もない、ゼロからスタートしたまちという中で、70年かかってここまで来ましたよと。さらに先ほど言いましたように100年ぐらい目指して、あと残り30年ですけどね、さらにその今までの積み上げをベースにもっといいまちにすると。

そのときに平和の思いを受け止めながら、次にさらに良くする、その時にやっぱりみんなが衰退して日本国中ダメになるんだよというところを、それを突破するための仕掛けがこんなにあるんですよと、それを自分たちがやっていきましょうということを確認して、より元気を出してもらう。

要するに復旧から復興、復興から繁栄と、次のステップに行く、そういう事業として位置付け、皆に元気を出してもらうということができないかなというように思っています。

佐村河内氏の市民賞の扱いについて

記者 予算と関係なくて申し訳ないんですけど、佐村河内さんの関係で。

課長 今この予算案に関連した質問をお受けしているので。他にないようでしたら。

記者 昨日ゴーストライターの方が明らかにされましたけれども、それを受けての市民賞の扱いについて、今、どういうふうにお考えですか。

市長 今担当窓口が事実確認をやっておりまして、(佐村河内氏の)直接の担当者の方からきちっとした事実経過などを報告していただく予定になっています。それを踏まえて検証したいと思います。

記者 まだ現時点では。

市長 昨日段階で(佐村河内氏の)窓口に連絡を取ったら、今までの経過などをきちっと公表すると。その準備をしているし、その内容はわが市にもちゃんと報告するというふうに言っていただいていますので、その報告を受けて検証しようと思います。

( )は注釈を加えたものです。

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