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ページ番号:0000012962更新日:2019年10月21日更新印刷ページ表示

2013年4月10日記者会見「NPT再検討会議第2回準備委員会への出席について外1件」

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市政記者クラブからの代表質問

NPT再検討会議第2回準備委員会への出席について

記者 4月下旬にスイスのジュネーブで始まりますNPT核不拡散条約再検討会議の第2回準備委員会、こちらで市長はどんなメッセージを発信されるのか、あるいはどういう行動をとられるご予定か教えていただけますか。

市長 NPT再検討会議第2回準備委員会に関しましては、今月の20日から26日までの7日間の日程で、スイス・ジュネーブを訪問し、その間に、委員会でのNGOセッションへの出席や国連・各国政府関係者等との面会などを予定しています。

この第2回準備委員会でのポイントは、昨年5月の第1回準備委員会で問題提起された核兵器の非人道性と非合法化に関する議論が重要になると見込んでいます。

それと、第1回準備委員会後の状況を加味して今考えられることは、先月のオスロにおける「核兵器の人道的影響に関する国際会議」での議論や、昨日、ハーグで開催された軍縮・不拡散イニシアティブ(NPDI)外相会合での議論を受けての展開になると思っています。

そんな中で、私としては、NGOセッションでのスピーチで、まずもって被爆の実相を伝えるとともに、核兵器の非人道性をしっかりと訴える必要があると考えています。また、国連・各国政府関係者等との面会を積極的に行い、一日も早い「核兵器禁止条約」の成立に向けた話をする。そこで、被爆地の思いを発信できないかなと思っています。

とりわけ、国連・各国政府関係者等との面会の際には、広島平和文化センターの小溝理事長にも一緒に行っていただきますので、外交の最前線で培ってこられた豊富な経験と人脈を生かした働きかけを同時並行的にやっていただけると期待しています。

また、平和市長会議が取り組む「核兵器禁止条約」の交渉開始等を求める市民署名や平和市長会議要請文を準備委員会議長に提出したいと考えています。以上です。

記者 先ほどオスロの件に触れられたんですけれど、NGOセッションの中で非人道性についてアピールしたいとおっしゃったんですが、オスロのプロセスと何か具体的に連携をするというお考えなのか、それとも支持をするというお考えなのか、その辺をお聞かせください。

市長 オスロの会議そのものは、確実にNPT再検討会議の中での議論、今までの方向性をしっかりとしたものにするという位置付けでされていると認識していますので、その会合の意味付けなり意義付けを客観的にどういう意味付けであるということはちゃんと自分なりに紹介したいなと思っています。

記者 意味付けというのはNPTの。

市長 はい、NPTに向けてメッセージを出しているはずですので、その位置付けとかの問題も頭に置きながら、核兵器の非人道性を中心に議論を進めるという立場だと思いますので。問題の捉え方を非人道性という面からアプローチするという考え方は、我が市としても十分尊重に値するとか、そういった位置付けはしたいと思っています。書きぶりとか言い方も少し工夫しなければいけませんけれどもね。何らかの形で言及する気持ちにはなっています。

記者 考え方を支持するということだと思うんですが、ご存じのとおり日本政府は段階的なプロセスを重視するという考え方で、積極的に賛同する姿勢は示していないと思うんですが、その辺の齟齬(そご)をどう・・・。

市長 そこら辺を、今どう処理しようかと悩んでいます。非人道性そのものを中心にしながら考えてもらうというのがこれからの核兵器の問題についてのアプローチとしてとても重要だと思っています。日本政府としてもそういった問題の捉え方ということについては、たぶん頭では理解していてくれていると思うんです。

ただ現実問題としてそれをどういう形で外に向けてアピールし、具体的な対応の中で腰が入っていないと言いますか、それへの、反対っていうことはしていないと思いますけれど、取り組みが十分でないという評価がある中での、政府に向けての、同時にメッセージ発信となりますから、その辺については、意を用いながら、そういった所との連携と言いますか、それを欠かさないようにしてもらうということを私は言い続けていますので、その辺をうまく盛り込めればなと思っています。

記者 オスロプロセスと同じく、広島市としても訴えていらっしゃる「核兵器禁止条約」についても、同じ理由からあまり積極的ではないと思うのですが、最終的には広島の思いを通そうと思えば、政府を説得するとかそういう作業も必要になってくると思うんですけれど、その自信はありますか。

市長 説得というか、広島の思い、たぶん多くの方々の思いを政府としても受容した上で今後の対応をしっかり考えてもらいたいと思っています。

記者 元々外務省にいらっしゃった小溝さんが理事長になられたことで、その辺の影響力とか、理解を求めるときのプロセスというか、かなりやりやすくなると思いますか。

市長 やりやすいかどうかは別としても、外務省の立ち位置とかいろんな判断に至る情報もご存じだと思いますので、そういったところを十分咀嚼(そしゃく)しながら連携強化を深めてもらうための市としての提言なり、ものの言い方を考えていきたいと思っています。

記者 被爆者の方々の中には、時間がなかなか残されていないので、その辺の連携という方法で目標に達することができるかどうかっていうことを不安がっている方もいらっしゃると思うんですが。

市長 確かに、個々人の方の年齢とかいろんな思いからすると面映ゆいっていうことを思われている方も間違いなくおられると思います。でも、核兵器を持っている国々が現にあって、それを実際に今の政治状況の中で核兵器廃絶に向けて多くの方の合意を取りつけながら当事者も納得させるということについては、今までの歴史を考えるとここで急に、ということにはいかない。それを少し時間がかかってでも確実にやるということをやり通していくほかないと思っています。その対応についてはご理解いただきたいと思っています。

記者 NPDIがありますけれど、外相会合で岸田外務大臣が交渉、広島1区の選出ですけれど、被爆地の外相として、ユース非核特使を掲げられているんですけれど、広島市として何か、その辺で連携をされるお考えとか積極的なアクションをとられるお考えはありますか。

市長 現段階では直接的なお話を聞いていないのでどういう関係になるのかまだ整理し切っていませんけれど、被爆の体験の伝承というのは、その事業に着手しましたから、発想としては、外務大臣と広島の思いについてのずれはないと言うか、たぶん共通認識の下にそういう発言をされていると思います。

広島の被爆(体験)伝承のやり方は、議会でも多少問題になったんですけど、年齢を制限しないで、本当に今、そういった思いを伝えたいという方がどれほどおられるか、その方々に思いを託して、ということでスタートしました。

そんな中で、外務省の方は、とりわけ次の世代を狙って、若い方に特定してそういう伝承作業をと、こういう整理をされているということで多少の住み分けはできているような気がします。

住み分けをしながらも、被爆の体験の伝承ということについての事業展開、どういう方々を対象に、あるいはどういう国にどういうふうにしてそういうものを広めていくかというときの、より効果的なやり方を考える上での連携の仕方というのはあろうかと思います。

外務省の方の具体的なやり方を知らせていただいて、我が方の事業との効果的なやり方を考えていく余地は大いにあると思っています。

サッカースタジアムの建設に向けた協議会の設置について

記者 前の会見でも触れられたお話ですが、サッカースタジアムの建設に向けた協議会の設置なんですけれど、市長は今年度に入ったらされるということを言われていましたが、設置の時期とか人選とか、分かっている範囲で教えていただけますか。

市長 サッカースタジアムの今後の扱いですけれど、スタジアムを造るというそのこと自体が、私は極めて大がかりな作業だと思っています。そういう意味では私個人でできるという問題ではない、当然なんですけれど。この大きな事業を、議論したうえでしっかりやっていくためにも、大げさに言えば県民ぐるみ、市民ぐるみで、そういったことについての対応、それが共通した認識をしっかり持っていただく、それがスタートになると思っています。

そのためには、ということで今仕掛けているのが県とか経済界等の関係者と一緒になって、こういった問題への取り組みをどうするかということを今整理してきております。

実際問題、それを協議会という形で展開していこうということで、おおむねのコンセンサス(同意)はできているんですけれど、さらに協議会の役割や構成メンバー、今後の進め方等について、事務的な詰めをやっているところです。

これをある程度整理して、私の思いとすれば、少なくとも5月中に協議会を立ち上げて、具体的な議論がスタートするようにできないかなと思っています。

記者 5月中に立ち上げた協議会は、1年とか1年半とか、スパンというのはめどは出ていますか。

市長 現段階ではそこを決めていないんです。先ほど申し上げた今後の進め方というところで、検討すべき課題がどれくらいになるかということも詰める中で期間は結果として決まってくると思うんです。いつまでにやらなければいけないっていうようなものには、今のところなっていないと思っています。

ただ、サッカースタジアムの協議会での検討は、私自身の思いとすれば、市民球場跡地についての扱いで緑地広場・文化芸術機能といったことで、一方で、そちらの方の機能を中心として、具体的に施設をどうするかという議論を、これから1年から1年半かけてやるという予定にしていますから、それの成果がおおむねできると、同じようなタイミングでこちらのまとめができれば、うまく比較して、最終的にどちらにしましょうという段取りになりますからね。そんなことを頭に置きながら協議会の運営がされるようになればいいなと思っています。

記者 今回の協議会なんですけれど、ビッグアーチ、エディオンスタジアムなんですけれど、そちらの扱いもどうするかというのを検討に含まれるんですか。

市長 私自身は、それは入れてもらいたいなと思っています。つまり、あそこは陸上競技場をベースにした施設でありながらサッカーもできるようなつくりになっていますから、スタジアムを造ったときの施設の在りようとして、影響なしでは済まないんです。

いろいろバリエーションも考えられるんですけれど、もし大規模な、広島県内で行われるような主要なサッカー行事みたいなものを、全部新しく造るスタジアムで引き受けるということになり、それが相当大規模なものになれば、完全にビッグアーチが陸上競技場とかの機能に戻ってしまいますから。その時のビッグアーチの扱いがどうなるのかっていうことも言及せずにはいられないでしょう。

逆にスタジアムが割と小規模で、例えば国内大会ぐらいだけで済めばいいと。全国大会とか世界に向けての大型の(大会)をやろうとすると(収容できる)人数が足りないと。そうすると引き続きビッグアーチを使うという可能性もなくもないんです。そういう意味で切り離せない関係もあろうかと思うんです。そういった整理をまずしていただくという意味での検討は加えてもらいたいと思っています。

記者 構成メンバーの規模なんですけれど、だいたいどのぐらいの方々に声をかけられるんですか。推進プロジェクトというのが前にあったときには球団代表とかおられて、だいたい同じようなイメージですか。

市長 そこは、今事務的にも協議の仕方をよく考えて詰めてもらいたいということを言っているんです。前回やった団体代表のごとくの議論のし方っていうのは、どうも機能不全に陥ったんじゃないかなと分析しているところなんです。

というのは、どういったイメージのサッカースタジアムにするかということをやるときに、個々人じゃなくて、既に議論するときに組織の決定みたいなことをして議論しようとなると、なかなか議論が、実質進まない、絵図面も書けない、という意味で空中分解しそうな状況にあったということも聞いています。

ですから、個人の知識、経験といいますか、個人的な立場でいろんな専門家の意見も聞きながら、まず絵図柄を作ってもらうというような協議会の方がいいんじゃないかと思っていますので、いろんな関係団体からの推薦を得て出すとしても議論は団体の決定とかそういったものに拘束されることなく、フリーな議論ができるような環境をつくりながらやってもらうっていうのはどうかなと思っているんです。

そのための人選のやり方をどうするかを今県、商工会議所に投げかけていますので。もう少し整理が要ると思うんですけれどね。

記者 メンバーなんですが、前にあった協議会は9団体なり10団体なりでやっていたものを、さらに変えるという、もともとそれを生かすという方針だったと思うんですけれども、それはもう生かさないということですか。

市長 生かすかどうかも含めてどうしようかということをやっていましたけども、今言った組織の決定に引っ張られて、それを代表して意見を交わすようであれば、なかなかうまくいかなのではないかということで、そこはちょっと反省点として踏まえたいと思っていますので、以前のやり方と少し変わった方法の方がいいのではないかという気持ちに今なっています。それはもちろん県とか商工会議所に相談してみますけども。

記者 元の既存の組織を生かしながらも人選については工夫するという受け止めでいいのでしょうか。

市長 元の組織を生かすという意味ではなくて、元々そういう組織が休眠状態という扱いになっているので、それを眠りから覚ますというやり方にするのか、あるいはそういった今の眠っている組織を参考にしながら、別途そのいいところはいただいて協議会を立ち上げるかというような選択肢になっているんですが、自分の気持ちとしては後者の方で、休眠状態になっている今の組織を頭に置きながら、そこで有効だと思われるものをいただいて新しく協議会を立ち上げると。

その中の主要なポイントは、その組織代表でものを言うのではなくて、個人の知識・経験とかいろんなものを駆使して議論を戦わせていただくような場を設定するということのほうが、より成案が得られやすいのではないかなと思っているというのが直近の状況です。

記者 5月中での結成とおっしゃっているそのメンバーについては、例えば商(工会)議所なり県なりもフィックス(固定)したものというのはあるんですか。

市長 いや、それはないんです。手順も5月中に立ち上げると申し上げて、多少時間がかかるのは、今申し上げたイメージでこういった枠組みで立ち上げたいというようにして、それぞれがいろんなところに推薦を求めるということをして、こういう資質の人が議論をすれば有効だという方を(推薦して)いただいて、その方々を任命すると言いますか、(その方々で)やるというところまで準備、作業を終えて初めて立ち上がるんじゃないかと思うんです。

そして、もう一つはそういった事を取り扱う事務局をどこにするかということをまた決めないといけない。それらがあるのでちょっと5月いっぱいかかるかなと思っています。

それらも今ある休眠状態の組織をよく吟味して、先ほど申し上げたように、使えるといいノウハウはいただいて、やろうじゃないかという、そういう折衝を今事務的にやっているところです。

その他の質問

路面電車の駅前大橋ルートについて

記者 駅前大橋線の整備に向けて、なかなか昨年度内に決められ(ず)、いろんな判断がつかなかったというものもあると思うんですが、今年度どのような時間スパンで作業を進めていって、どのあたりをめどに結論をというのはございますでしょうか。

市長 時間スパンの具体的なところまで、実はまだ決め切ってはいません。関係者のおられる話なので、正確に時間を刻んでということまで、ちょっと、現段階では言えないんです。

ただ、手順だけはしっかり決めているつもりで、それは、今この問題を直接取り扱っているところは、基本方針検討委員会という親(の位置付けの)委員会を作っていまして、そこでは、駅前大橋ルートで駅に近接する電車ルートを考えるときの案としてどんなのがいいのか、それを絞り込むための親委員会ということで、この検討委員会がありますので、そこでの絞り込み案をまず出していただくというのが一番大きな結節点ですね。

それに向けて、委員会の中に子供(の位置付けの)会議と言ったらおかしいですが、連絡調整会議というのを設けていまして、そこでの議論は、複数案について、どちらかというと技術的に可能か不能かというようなことを議論してもらう中で、今出ている案として、間違いなく高架案と地下案というのは、両方とも駅前大橋のいろんな状況を考えた時に、技術的に実現可能な候補案だと。こう二つ出ています。その二つの案について、今申し上げた親委員会での議論をしていただくと。

その議論のポイントは、交通結節点としての機能を強化すると考えた時に、どちらの方がより優れているであろうかとか、周辺、まちづくりですね、BブロックCブロックが進むという中で、そのまちとの整合性、あるいは景観などを含めて、どういったものになるのか、多角的な視点での整理をしてもらって、検討結果を出していただく、それが第一ですね。

それで、駅前大橋のアプローチ方法が確定した後に、次は、今ある路面電車の現行のルートと、これとどっちがいいでしょうかと、こんな議論をしなくちゃいけないんですけども、これは、現行ルートの方は、どちらかというと沿線の住民の方々が今、利便性を享受されているわけですので、そういった方々のご意見、進行方向を変えていくことに対して、どういった意見があるかということも踏まえ、場合によっては、もし無くなるのであれば、代替のいろんな機能がないと困るということもありましょう。そういうことも議会などでも有りうるという予告めいた質問もいただいています。

そういったことを踏まえた上で、丁寧な説明をして、そこでのご意見を受けて、どういう対応ができるかということを(検討)した上で方針決定、そういう段取り感で物事を進めようと思っているんです。

あとは、途中のプロセスが、多少前後するんですけども、自分の物の考え方として、先ほど言った、沿線住民の方も含めて、目に見える形でまちがもうすぐ変わってきます。

それはBブロック、Cブロックが、少なくとも今動き始めましたけども、これは、平成27年度頃の竣工を目指して動きますから、そういうまちのつくりが変わっているということを見ながら、先ほど申し上げた、進入路線をどうするかという議論をするときは、当然、皆さん、いいものにしようとなれば、新しいまちの姿、再開発ができた建物群との調和、そして交通面もそれに合ったようにというふうに多くの方の意見が流れていくと思いますので、それをしていくならば、自分とすれば、必ずやそれまでには事業化するというふうに、事態が動くんじゃないかということを思ってますから、後ろの方は、ある程度Bブロック、Cブロックの進展の中で、事態が決まっていくんじゃないか、その間に、今申し上げた手続きをしっかりやっていくということに尽きるんじゃないかなと思っています。

記者 (平成)27年の竣工を目指して・・・。

市長 Bブロック、Cブロックが(そのように)行っていますから、そういったことを横目ににらみながら、皆さんとしっかりと議論するということですね。そして、その竣工というタイミングを考えながらやります。

それは実際、進入路がいろんな工事で前後するということになるかも分からないし、場合によっては今の線路でもいいよというような議論が出てくる可能性も全然なくはないとは思いますけども、そういった具体的な動きを見ながら、(平成)27年度というのはタイミングを見ての事業化をどうするかということを必ず皆さんに目に見える形で分かってくるんじゃないかなと思っています。

衆議院議員選挙の無効判決について

記者 市に直接のことではないんですけど、衆院選の広島1区、2区で無効判決が出て、県選(挙)管(理委員会)が上告しましたけど、それに対する受け止めと、県選出の国会議員と市長さんという連携する立場であると思いますけど、これから懸念されることとかありましたら、教えてください。

市長 選挙そのものの問題ですから、しかも国政レベルの選挙戦ですから、直接ダイレクトに市政に跳ね返るという問題ではないので、なかなか市長としての受け止めは表現が難しいんですけども。

やや一般論的に言えば、選挙制度の今回の基本的問題は一票の格差という言葉に象徴されるように、投票権を持った方々が議員を選んだときに、その一票の重みというものが、非常にバランスがとれないということについては、法の下の平等という観点からして、どこかに限界があるんじゃないかと。

その限界点について司法機関が警鐘を鳴らしてきて、国権の最高機関である立法府の思慮を促してきたのが、なかなか具体的な対応として成果が出ない、それに関して今回の選挙の結果を受けて、俗な言葉で言えば、しびれを切らしたということじゃないかと思うんですね。

しかしながら、裁判の既判力といいますか、効果は個別の制度にしか効きませんからね。この判断が最高裁まで行って、仮に何らかの効果が出たときに、仮に高裁などの判決を踏襲して問題があるということになったときには、最高の機関である立法府における各議員のいろんな取組について、意思決定、法律行為について国民に不信感を与えるようなことが出てくるわけですから、この判決が確定する前に、立法府として違憲状態を解消するような対応をまずすべきでないかと思っています。

ですから、個々の議員の対応というよりか、国政レベルにおける立法府の問題意識、それを早く解決するための法的な措置を私は早急に講ずるべきだと思っています。

そのやり取りが実際、国会レベルではされていると思いますけども、そのときに、当座の違法状態の解消という視点でやるのか、より是正といいますか、最高裁で今まで出ているような考え方、さらには、裁判所が示しているような複数の問題点をこの際、解消するという方法でやるか、正にそれが問われていると思うんですけども。

これはやっぱり立法府のそれこそ裁量の範囲かという気がしますので、いずれにしても問題解消策の一歩を早く踏み出すということをやらなきゃいけない状況にあるという認識であります。そういった中ですから、個々の、今選挙制度を通じて議員になられている方々との関係ということについては、個別にはどうこうするというような問題じゃないという気がしています。

記者 今、外相が岸田さんで、岸田さんの立場が揺らぐというか、足元が危うくなっている状態ですけど、その辺りどうですか。

市長 足元が危ういというか、そういう問題じゃなくて、先ほど申し上げたように、国会議員全体の、選挙された上での議員としての支持基盤の公平性が欠けていますよというご指摘ですからね。

最後は個別の事象を争いましたけども、立法府全体の信が問われていると、国民からの信頼性の確保ができるかどうかを問われているという問題であろうかと思いまして、実際、選挙ということになれば、議員諸氏の問題が生じましょうけど、これは一議員の問題でなくて、国会議員全員の問題になっていると私は思っています。

団地の高齢化対策について

記者 今年度、市長の新規事業の柱のうちに、団地の高齢化ですとか、後は雇用ですね、いよいよ具体的に踏み出す年度になるのかと思うんですが、それについて、具体的にお金は付いたんですけども、どのような段階的なステップを踏んでいくのか、会議をいつごろ立ち上げて、いつごろこういう対策を取って調査をしてと、いろいろ事業があると思うんですけど、どのようにお考えでしょうか。

市長 団地の高齢化の問題は、私は単に団地というエリアにおける問題では済まないと思っていましてね、ある意味では市域全般の今後発生し得るさまざまな問題を象徴的に含んだエリアだと認識しているんですね。

団地というエリアそのものが、まず一つ多くの場合は、我が国における高度成長期、右肩上がり期に出来上がるという条件設定の中で、人々がそこで豊かさを享受できるような居住群を作って、通勤、そしてそこでの生活を考えると、いろんな施設をそこに集中投下するような形で出来上がったまちなんですね。それが時代背景として、高度成長期から低成長期、あるいは俗に言う右肩下がりのような状況になった中で、機能不全を起こしている。それと同時にそこにお住まいの方々が間違いなく高齢化している。日本に多く存在する都市の全般的な問題を抱えているわけですから、そこでの処方箋といいますかね、そういうものをきちんとできれば、それは市全体に展開できるような重要問題だと思っているんですね。

ですから、典型的な地域についての調査をしっかりし、それからもう一つは団地ごとに問題意識に目覚めて地域の方々が何かしなくてはいけないという、個別問題のアプローチというのはさまざまなところで行われています。ですから、それは断片的と言いますか、点のような処方箋なものですからね、それを面的に広げるといいますか、もっと体系化していろんな生活局面にふさわしい問題解消策をしっかりと作り上げると、そのためには、実例も十分取り込んで体系化すると、現場の調査もすると、それをしっかり組み合わせて、新しいシステムを提言できるようなものにすると、それを具体的な継続事業に展開すると、そういうふうにやっていきたいと思っているんですね。ですから、多少時間が掛かります。

それと、そこで得たノウハウは団地に限定することだけでなくて、そこでのシステムづくりで有効なものであれば、中山間地のような所にも適用できましょうし、市街地群とか、場合によっては商店街のような問題視されているような所にも適用できる。そういう意味では非常に多様性のある解決策が出てくるようなものにしたいと思うんですね。

前に、山中教授の生物学でのIPS細胞じゃないですけどね、これを作っていろんなところを蘇生させるような、それくらい画期的なアイデアが出るようなものになればなと、今思っています。

記者 その調査というのは、いつごろ、どのように・・・

市長 調査はすぐにでも。

企画総務局長 研究会を立ち上げて、いろんなことをやっていこうとしていますけども、今、研究会の立ち上げの人選などを行っておりまして、基礎的な調査で事務でできる範囲については、事務的にやっておりますけども、団地ごとの意識調査でありますとか、そういったものは研究会でどういった項目をするかということを確定させた上でやっていくということを今考えています。

記者 まだ、調査の時期は未定、調整中ということですね。

企画総務局長 そうです。

市長 私の気持ちからすれば、可及的速やかにやってもらいたいと思っています。

商工会議所の移転について

記者 別件ですけど、旧広島市民球場跡地についてなんですけど、商議所の移転の問題が、あうんの呼吸でというようなことを前回おっしゃっていましたけど、話し合いというかどのようなプロセスでこれから進むのか教えてください。

市長 このテーマで具体的にというようなことを設定しなくても、今跡地の活用方策を議論していく中で、おのずと議論できる状況になっているんじゃないかと私は思っているんです。

というのは、お示しした案で、水辺のエリアを設定しました。水辺のエリアのところに今、現に商工会議所等々民間の施設があるんですね。だけど、水に親しまれるエリアにするということはある意味では、そこに商工会議所がないイメージの方が強いんですよね。置いちゃいけないとは言いませんけども、ない方がよりくつろげますよね。で、今申し上げた案を前提にじゃあ議論しましょうと、いうふうに議論が始まればその中で当然そういったことを視野において議論になるんじゃないかと思っているんです。

記者 会頭は広島市から要請があればというようなことをおっしゃっていますけど、こちらから要請するようなことは。

市長 要請という正式なことをやらなくても、今言ったようなことをお見せしてこれで議論しましょうということをやれば当然議論に乗っていただける状況にあると思っていますからね。それらを総合勘案して市からの要請もあったりしてやり始めるという解釈になるんじゃないでしょうかと思っています。

記者 移転問題が決着するのはやはりあそこの活用策の全体像が固まる時期ということになるんですか。

市長 なりますね。ですから機能で今申し上げています。その機能にふさわしいものにするときにそこにある施設群がどうなるかということを、大きな絵図柄描けます。そうすると最終的にそこにその絵図柄で箱物としての境界線は残っているか、他のところに移っているか、ということが出てくればその議論の中でおのずと解決しているんじゃないかと思っています。

記者 市長としてはもう移転してくれると信じているということですか。

市長 いやいや、ですから今申し上げたように、そういうあり方についての議論を踏まえながら、しっかり有効な議論ができると思っています。

記者 分かりました。

就任3年目の意気込みについて

記者 いよいよ就任から3年目を迎えられて、折り返しという重要な地点に立っておられると思うんですが、残り2年でどんなことに力を入れられたいか、どんな年にしていかれたいか、教えてください。

市長 全般ですか。

記者 全般で。

市長 全般は今までの2年間で自分の行政スタイルについての基礎・基盤をある程度作り上げてきたと。皆さん方にも多少なりとも理解していただきつつあるんじゃないかなと思っているわけです。ですから残りの期間をかけてその基礎・基盤を生かした行政展開、加速させると自分なりに整理しまして、それをやり続けたいと思うんですね。

そして自分のやり方でどれほど、最初申し上げた対話・ビジョン・実行というこの手続きを可能な限りいろんな局面で生かしながら、まちづくりに関わるハード・ソフトのそれぞれの課題について多くの方の支持を得ながら具体的な施策展開ができるようにしたいと。それに尽きます。

ですから、市民の、個々人の方のいろんな思いの中でも、自分のやり方の中で、それは、一人一人はどうもこれは自分の思いじゃないというような方がおられたとしても、その方自身に向けてこういうやり方でもいいんじゃないですかと、こういう理由があるのでこういうことになります、というようなことが分かっていただけるような政治選択と言いますか、行政選択ができればいいなっていうのが自分の理想ですね。

そしてそれらを踏まえた対応というのを市議会と一丸となってできる状況というのを、しっかり残りの期間についても継続するっていうか維持し続けたいと思ってます。

記者 市議会と一丸となってと最後に付け加えられたんですが、2年目に入る前に、いろいろ隙間風が感じられるような場面もあったんですけれども、その辺はもう、一丸と・・・。

市長 今日の新聞の見出しで隙間風という表現をしていただいてますけど、自分とすれば最終的には行政としてお願いした予算案を修正なく認めていただきましたしね。

事務事業の展開に当たっては注意事項っていうか留意事項と言いますか、気を付けろよというアドバイスまでいただきましたので、仕上がりとすれば今申し上げたように一丸となって取り組めるような状況に関係議員の方々のご努力もあって出来上がったと思うんです。

これは自分流に言えば、一丸となっていくための切磋琢磨(せっさたくま)の過程でありますから、そこをもって隙間風が吹いたとは思っていません。まさに喧々諤々(けんけんがくがく)、切磋琢磨しながら、もたれ合いっていいますか、そういうことのないようにしながら、きちっとした対応を市民の方に見ていただきながら、しかし出来上がりは一丸となった状況ができたということだと思いますので。こういった最後の成果の部分を出せるように引き続き努力したいと思っています。

記者 市長が柱に掲げておられる三つの部分で平和については、加速っていう言葉がなかなかなじみにくいところでもあると思うんですが、残り2年、一番どういうところに力を入れて進められますか。

市長 これは今度の(広島)平和文化センターの理事長にも来ていただいたということで、とりわけ海外、外とのいろんな関係についてはノウハウなり経験を十分生かしてもらうと。そういう意味で私と一体となって展開してもらおうと強く思っていますね。

そしてもう一つの重要なツールであります平和市長会議、これを今年の夏、体制として強化するという提案をしますので、これをしっかりやることで来年度以降の世界に向けての広島の思いの発信、そして関係する諸都市が同じ思いのもとにさまざまな平和へ向けての活動を展開してもらえるようにするということがあれば、多少出だしは遅くても、それもしっかりした体制を続ければ加速すると、そういうことになるんじゃないかと思っています。

※ ( )は注釈を加えたものです。

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