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ページ番号:0000012950更新日:2019年10月21日更新印刷ページ表示

2012年10月24日記者会見「後藤興業が関係した工事に関する調査の進ちょくについて 外3件」

市政記者クラブからの代表質問

後藤興業が関係した工事に関する調査の進ちょくについて

記者 まず1つめは、後藤興業が関係した工事に関する市の調査の進ちょくを教えていただけますでしょうか。

市長 この後藤興業の問題に関しましては、本市としては、県警の捜査に全面的に協力するということでやってきており、会社に関わる工事関係書類は、すべて捜査機関に提出しています。

捜査の進ちょく状況は県警のほうからどうなっているかは、まだうかがっていません。

我が方の調査となると、必要な書類がありませんので詳細な調査を行える状況にはありませんが、捜査に支障のない範囲で自分たちも調査するということをやっておりまして、その際は、関係職員からの聞き取りというのを中心に、今調査をしているということです。

記者 具体的にはどういった聞き取りが今まで行われたんでしょうか。どういう中身が出てきたかというのを…。

市長 中身はまだ、ここでお話しするようなとこまでまとまっておりません。

職員にどんな流れでやってるのかを確認しますと、一連の作業、事務についてはマニュアル、基本的な作業指示書がありますので、それに関与した職員に、聞き取りを中心にしながらこの局面でどんなことをやってたかとか、どうなってたんだ、ということを確認しながらやっているという状況です。

ですからそういった中で、手続き的に点検漏れが起こりやすいようなところがあれば、あと県警のほうに行っている書類などが戻ってきたときに、その書類の作成過程と、聞いてた作業のずれとかを突合して、そこでどんなになっているかというのを調べれば、一段問題点がクリアになるんじゃないかと思うんです。

できる範囲の調べは、今やっているということです。

記者 だいたい何人ぐらいに聞き取りをされているんでしょうか、今までに。

市長 人数はちょっと把握していない、どうかな、何人ぐらいだったかな。

技術管理課長 詳しい状況はまだなんですけれど、10人以上は聞いておりますが、まだ今後、状況によっては増えていくかもしれませんので、現段階では何人と限定するのは申し上げられません。

記者 その10人は何(の関係職員)って言ったらいいんですか。どういった10人なんですか。本人に関わった10人とか。

技術管理課長 もちろん工事に関わった…。

記者 工事に関わった?

技術管理課長 該当工事等に関わった職員。そこまでまだ調査中ですから、現段階ではっきりしたことは言えないんですけれど。

記者 市長は前の会見でおっしゃってたのは、人事異動があってもその前後、というお話があったと思うんですが、そういうことでよろしいんですか。

技術管理課長 もちろん…。

市長 第1弾的には、担当者がいれば、机を並べていたら、同類の仕事をやっていた「島」(机を向き合わせてつくるかたまり)とか班とか、決裁をする上の方とかいうところで流れを確認しないといかんと思いますのでね。

各区に、ここだと何人ぐらいおるのかな、全体で。事業の受け付けは何十人もおるんでしょ?

技術管理課長 おります。

市長 その中で、この事業の受付をやっている窓口に関係するようなところの職員に、どんな状況かっていうことを聞いているはずです。

さらに、5年くらいさかのぼるということになれば、前にいた人で、どこかに行っている(異動している)人も次のところでまた聞いていくということで状況を把握していくことになると思います。

記者 そうした点でこれまでに10人くらいを聞いたということですか。

市長 とりあえず、そうでしょうね。やっているはずです。

記者 確認するような形になって申し訳ないんですけれど、10人以上というお話があったんですけれど、それは今回逮捕された職員の案件に関して関わっている10人以上なのか、それともこれまで5年間34件の10人以上なのかということなんですけれど。

都市整備局次長 それにつきましては、当該の場所が安佐北区役所です。そこには関連する職員が10人程度いると。今後、他の区役所等に波及する場合は、そこで聞いていくということになると思います。

記者 今言った10人以上というのは、今回逮捕された職員が2件関わってましたけど、その2件に対して10人以上関わっているとみられるから…。

都市整備局次長 関わっているというか、年数がたってますから職員の異動等がございますので、10人程度ということです。

記者 安佐北区だけの、ということですね。

都市整備局次長 はい。

記者 再発防止策のほうですけれど、昨日の決算特別委員会でも組織面と知識面の両面でやっていきたい、などと言われましたけれども、具体的に何か頭に描いていることがあれば教えてください。

市長 まだ個別に、今回どこでどういう問題があったかは把握していませんから、詳細な話はできませんけれど、議会でも説明したとおり、2つの面があるだろうと思っています。

個人の業務遂行上の職務規範といいますか、それをちゃんと守るかどうかという対応、資質、それからもう1つは規範を超えて遵法精神といいますか、違法行為とすれすれのときに、どんなふうに考えるようになっていたかというようなことがあれば、そこのところを一人一人についてきちっと、問題があれば指摘しないといかんし、一般化できるんだったらそれを職員に徹底するっていうテーマがあるんじゃないかということですね。

もう1つは個々人がそうやったとしても、それを正常に機能させてるかどうかを、業務運営管理上、チェックシステムというのがやはりないといかんだろうというのが一般論だと思うので、そのチェックシステムについて、今あるマニュアルで本当は足りてたというのか、そのマニュアルを少し訂正しないとうまく機能しないというのがあるのか、問題によってうまく機能していないところがあるのかとか、そんなことだと思うんです。

だから個々人の資質について問題が生じないようにするという手当と、システム管理の面での問題点はないだろうかという、とりあえずそういう2つの面をにらんで問題を探り出そうという構えにはなっていると思います。

二葉山トンネルの建設をめぐる松井市長と住民との対話について

記者 次は、広島高速5号線の二葉山トンネルの建設をめぐる松井市長と住民との対話、昨日発表がありましたが、実施の予定と、どのような形式で開かれるかと、あわせてなぜそういう形式になったのかというのを教えいただければと思うんですけれど。

市長 対話は30日です。来週の火曜日、午後3時から東区民文化センターで開催するということで来ていただく方々に案内状を出しました。

出した相手は高速5号線の関係住民団体6団体の代表者の方々ということで出していまして、各団体から代表として3名程度お願いしますということでやっています。

それぞれの団体から順次ご意見をいただく、お聴きした後で自分なりの、そこで聴いたことに対して答えられる範囲ないし感想等があればご紹介するというか、自分の意見を述べるということをやる予定です。

そういうやり方をなぜかと、こういうことですけれど、私も全然この問題について知らないわけじゃなくて、いろんなマスコミ等の情報も、外からという情報で頂いていますし、いろんな方から実は、お手紙なんかもけっこう、さまざまな立場で頂いています。

職員からはこの業務の進行状況とか過去の経緯(を聞いて)、いろんな問題点について自分なりに頭に入れている状況がありますので、どちらかというといろんなご意見の理由、なぜそんなことを言われるのかという理由なり根拠なりをしっかり聴かせていただければと思っていますので、各団体、いろんな立場でのご要望がありますけれど、背景なり理由をよく聴いて、それに対して今まで整理してきてた頭の中の整理状況でどういうお答えができるかなと、あるいはどういうコメントが加えられるかなということになるんじゃないかと思っているんです。対話の場として設定できればなと思っています。

記者 その対話の会でイメージがわく部分とわかない部分があるんですけれど、市長も一定に、今のお考えを話されると思うんですけれど…。

市長 それはありますね。そういう局面はありますよ、もちろん。

記者 それは現時点でのトンネル建設に関して、前向きなのかどうなのかというそういうことまである程度踏み込んで話されるんでしょうか。

市長 皆さんのご主張とかご意見が本当に、さっき言いましたように、なぜか、どういう気持ちで言っておられるかというのを一生懸命聴くつもりでやりますけれど、そんなお話を聴きながらも、そこでも繰り返さなきゃいかん話、今まで言っていることをもう一遍みなさんに確認いただく点というのは、必ず1つあります。

すなわち、この場でも何回か言ってますけれど、市全体の利便性向上という考え方と、住民の生活の安全確保、不安解消というこの2つをどう調和させるかという頭でずっとこの問題に取り組んできていますと、これは最後までこのテーマで考えるべき問題だと思ってますからね。それは紹介します。

そのときに利便性向上という観点からについては、抽象論じゃなくて、少なくとも私が把握する限り2つの大きな考え方を出していただいているという局面があることは紹介することになるかと思います。

1つは、9月の市議会におきまして決議をいただいています。だけどこのときでも、決議のポイントは5号線の安全確保と建設促進を求めるという趣旨ですけれど、要するにここでも安全性の確保と建設促進という2つをうまくやってくれということを言われているというので、私の申し上げたような視点というのは市議会でも一応認知されている考えということは言わなきゃいかんと思います。

それからもう1つは、先日商工会議所の会頭がインタビューで言われていた中でも確認できたことですけれど、市全体の利便性向上という部分に関すれば、いわゆる高速ネットワークができて都心部へのアクセス向上ということになる、それが経済、市全体あるいは場合によっては圏域に広がる経済活性化のポイントになるということも認めておられますのでそういう視点もあると。

しかし、重ねてそういう話をされながら、工事の安全性の確保を前提としてという、これがないと大変だよと、そう言いつつまた早期着工、完成とこう言われますからね。

だからどなたもこういう問題についての判断ポイントは、どなたもというか、少なくとも市議会と商工会議所、経済界を代表される方は思っておられる、ということをたぶん言うと思いますね。言ったほうがいいと思います。自分もそう思っています。

そこの中で皆さんのほうが、安全性の確保とか不安解消ということをおおむね強調されるんじゃないかと予想していますから、その安全性確保、不安解消ということがどうしたら可能なんだということをよくよく吟味したいと思うんです。

だから、全くこういう作業をやめるということで不安解消とか安全性の確保を図るということも1つの方法だということも私は否定しません。そのときは、市全体の利便性の向上というテーマはどこに行ってしまうんでしょうかということも言わなきゃいかん。それくらい安全性の確保、不安解消というのがこの工事をやめなければ絶対確保できないものかどうかということもよくよくお聴きしたいと思うんです。

話を聴いていく上で、今までの市のいろんな対応の中で、ひょっとして不信感みたいなものが根にあって、その部分を解消できることがあればもう少し理解が進むという局面もあるかも分からないし。

やろうとするそっちが不信感の上に、言ったってやらないんじゃないかとかいうことがあったりするんじゃないかとか、そんなところを確認すると。お話を聴く中で自分は確認していきたいと思うんです。

バランスをとるという立場でお話を聴くということを繰り返し言って、その中で聴かせていただいた話をもう一遍調整して、最終的には知事と一緒になって判断しないといけないわけですから、協議して結論を出すということです。その範囲で考える。間違いなくそうしていきたいと思っています。

記者 市長が、昨年の暮れだったか、今年の初めだったか、会見で言われたことでひっかかっていることがあるんですけれど、コストがあまりかかるようだったら、やめるっていうことも有り得るんだと。当時ですけれど、言われていましたけれど、それから決議もあったり、商工会の考えも出たりとかいろいろありましたけれど、その気持ちっていうのは今も一緒なんですか。それともそこは変わってきてるんですか。

市長 そこは、ベースは私は変わっていない。その時コストということで皆さんに分かりやすく言ったんですけど、その法外のコスト、めちゃくちゃだというようなことのつもりで言ってるんですね。

つまり、そこに投下するコストですね。これは高速道路の建設という大きな枠組みが、今のところは、そこにお金を投下したら、それを税金から支弁するということをしてないんですよ。そこに投下したお金は、交通を利用する方の料金を使って、長く年月をかけて返すということなんですね。

そうすると、全体の利益の交渉っていうのは、それが不可能になる、つまりなんぼ(道路を)使っても、絶対借金を返せないような構造の設備だったらですよ、そのためにまた税金を入れなくてもいいというルールが崩れちゃう訳でしょ。そうすると、その中に入るかどうかということですよね。

かつそれは、この交通網をつくることで、利便性が高まって、将来この交通システム使って、料金収入が上がるという予測可能性の部分と、それから俗に言われてますけれど、少子高齢化して全体の人口圧力が減って、多くの方が交通機関を使わなくなる可能性がある。

そして、環境問題等々、公共交通、車を使わなくなる。バスなんかは使うかも分からんですね。そうすると、その全体の利用者の利用頻度の高まりとかの見込みがあるんですけれど、それらをやったとしてもあきらかに採算が取れないことをやっちゃうと、ある意味で全体の利益を損ねるということなんですよ。だからそのバランスを考えるということもいる、という意識で申し上げています。

全体の収支計画もやはり頭に置いて、予測可能性とか利用者拡大可能性っていうのも、もっと直近の数字で見ないといけない。何年か前にやって、その時の予測数値だけで判断するというのはどうもいただけないなと思ってるんです。

記者 先ほどの話を聞いていると、不安解消がどうやったら可能なのかということ、作業をやめることで安全性確保ができるということを否定しないという話をされたんですけれども…。

市長 考え方はありますよ、それはね。

記者 そのとき利便性向上っていうテーマはどこにいくのかって話もされたと思うんですけど、一連のを聞いていると、これなんか、とても前向きに聞こえるんですけど、今の段階で市長がこのことについて、前向きと私たちは捉えていいんでしょうか。

市長 まあ、前向きか後ろ向きかは皆さんの評価だから、言われたご質問に対してこう考えますということを紹介しているだけですから。

どちらにとれとも私は言いません。私が言われたことに、どのように思考するかということをご紹介しているということで、それ以上はコメントはあえて控えます。

いずれにしても、今から皆さんからお話を聴いてどう判断するかという構えであるということだけは、間違いありませんから。

記者 関連するんですけれど、先ほどのその市全体の利便性向上と住民の安全確保をどう調和させるかという問題で、やらなければ市全体の利便性向上はできないという話だったので、そうすると・・

市長 いやそうじゃないですよ。よく聞いてください。

事業費がめちゃくちゃかかって、そのために、採算ができないような事業展開するようなときには、それこそ市の全体の利益にかなわない。利便性とは言ってませんよ、市全体の利便性ですからね、市全体ですから。

つまり、この料金設定で絶対回収できるというようなお金のかけ方をするのであれば、それは税金を投入しなくても動きますから、市民全体の利便性ですね。だけど、安全性確保のために、法外な金をかけて、それが全然回収できないようなお金をかけても、やったりすると、それは逆に市全体の利便性を向上させたとは言えないと思うと。

そういう時には、安全性の方に、(てんびんに)かけて停止するということもあるということを以前申し上げた、ということを説明しました。

だから、どれくらいのお金をかけるかということも、その後の事業全体がどうなるかということにかかってくる。

つまり、ここで赤字構造にして、高速道路全体が動かなくなってしまったら、利便性も何もないですもんね。営業できなくなるんですから。

そういう意味で、かけるお金ということも判断の要素になりますよということを以前申し上げた、ということを説明したつもりですが。

記者 工事をしなくても、利便性向上のバランスがとれることがある。

市長 工事を。分かっていただけないかな。

全体の利便性の向上と安全確保という問題をどう考えるかというときに、以前、(法外に)お金をかけるようだったら停止することもあると言ったことと、利便性の向上はどういう関係があるかと言われたと思っていますので、質問はね。

その答え方は、安全性確保のためにということで、法外なお金をかけたと、仮にですよ。そのためだけやったとすると、その投下資本について、車、交通全体を運用しながら回収するというシステムでやろうとしている中で、交通量が伸びません、やったとしても全然収入があがりません、要するに、破産するような事業体を作ってしまうということをもしやるようであれば大変だから、そのときには全体の利益の向上というか、全体の利便性向上というのと安全を(てんびんに)かけて廃止、作らないほうがいいということもあるかも分かりませんと申し上げたつもりです。

そこのところで、逆にそういった経営体としても成り立てる範囲で、予算をかけて、かつ安全性も確保するという道もあるかも分かりませんということを申し上げているつもりです。

黒い雨相談事業の実施方法について

記者 黒い雨相談事業についてですが、この実施方法と、どのような方向性で、それを今検討されているのかどうかとか、そのあたりをお伺いできませんでしょうか。

市長 相談事業の方は、まだ予算化されてるというか、政府として決定しているものではないという前提でお話しなきゃいけないと思うんですけれど、今年の7月に国の方で出した考え方を踏まえて、厚労省の方に聞きますと、大体3千万円程度の概算要求を考えていると。

それが(記者が)言われた相談等事業ですか、そのための経費ということで見込んでおられるということを聞いているんですけれど、実際この中身ですね、具体的なものを承知してません。どうなってるかもまだ示されているものではありません。

ですから、これ自身、もし予算化されて、具体的な内容が内示されれば、それを実施すべき(主体は)多分基礎自治体ということになってきましょうから、その際には県と連携して、そのやり方等について国と協議していくということをしていきたいと思います。

記者 黒い雨に関連して伺うんですが、前回の会見の時に伺った際には、地域の拡大の要望について、与党の人に話し合いを持つとおっしゃってたんですが、その後何かその進展と申しますか、変わった部分っていうのはありますでしょうか。

市長 正直言って、進展はありません。現段階で、以前自分なりに、ここでも考え方を紹介いたしまして、科学的知見重視の検討会の結論を越えて政治的判断をしていただきたいという考え方をまず明示いたしまして、それを踏まえて厚生労働大臣にも会って要望しましたし、民主党の被爆者問題議員懇談会にも働きかけを行いました。

双方から直接私に対してというか、そういう要望に対してのお答はいただいているわけではないという意味において、現時点では、政府与党の対応待ちという状況です。

そういう状況でありますけれど、具体的にさっき言ったようなことも含めてまだ予算とかが明確になってるわけでもありませんし、いろんな政情の動きもまだまだ不確定な要素はあるんじゃないかというような局面でありますから、私としては、科学的知見重視の検討会の結論を越えた政治的判断と申し上げたときのその心といいますか、理由付け、すなわちいろんな調査から要望地域でまさに原爆由来の放射線によって健康の影響を受けたということが否定できないっていうことは、事実あるということ。それから、宇田の雨域の外側でも広範囲に降ったというのはまず明らか。それを否定している人はいないんですね。

その上で、今定めている降雨地域内にいたということをもって、そこで現行制度、健康診断をやるというようなことをやった、現行制度の作り方という問題、そして今(今定めている降雨地域の)外だけど、さっき言ったように雨に降られたという方々が、間違いなく高齢化が着実に進んでますから、そういった方々の気持ちとか、そういったことを十分踏まえるならば、申し上げた、いわゆる科学的知見重視の検討会の結論を越えた政治判断をやっぱりやっていただくべきだという考えは変わっておりませんから。

政府与党にぶつけております要望というのは、引き続きやっていきたいなと思っています。

記者 今は具体的には該当がないとおっしゃいましたけど、その一方で引き続き伝えていきたいと言われましたが、具体的に何かアクションが次に決まっているわけではないですか。

市長 ないです。考え方を堅持しますというのが、まず第一ですね。今まで要望していることについて、もし何かあれば、どうなっていますかというようなことを確認するというか、聞くという局面があるかも分かりませんね。

その締めは、先ほどありました相談事業の予算化とか、そういうものが政府として確定をまずするという段階がありましょうし、それが次に予算全体ですから、国会で通るという局面もありましょう。節々にあると思います。

国連の核の非合法化を強化する声明をめぐり、政府が署名を拒否する方針であることについて

記者 国連の核非合法化を強化する声明をめぐって、日本政府が署名を拒否する方針である、つい先日も賛同しないという考えが公表されていますが、それについての見解をお聞かせください。

市長 この件は起こった後、外務省のほうにも担当のほうから直接問い合わせをいたしました。

そうした結果、外務省の方からは、16カ国から、日本に対して共同声明への署名の打診があったというのは事実であるということと、それに対しての政府の対応としては、「我が国の安全保障政策等と必ずしも合致しない内容であることから署名を見合わせることを決定した」というような返事をいただきました。

この対応についてなんですけれど、私自身は、今回の共同声明というのは、日本政府がこれまでも提唱してきております「核軍縮決議」というものと、理念においては、一致するんじゃないかなと自分は思います。

そして自分自身は核兵器というのは絶対悪でありますから、廃絶すべきものだと信じておりまして、それを目指す被爆地広島の訴えとも重なっていると思っています。

それが自分の思いですけども、政府のほうは平和というものを追求するのは、たまたま直接の用語を言うと、「我が国の安全保障政策等と必ずしも一致しない」なんて言われていますから、そこのところが内心にあるかということは十分知りえない部分があるんですけれど、少なくとも私としては、16カ国を始めとするこういった共同声明を出している国々との連携はしっかりとってくださいということは、今の段階で強く申し上げたいと思っています。

署名への具体的行為というか、連携強化ということでお願いするというところで留まりたいんですけれど、署名までどうかということを、もう一遍どう考えるかについては、直接、長崎市長は外務省の方に行って要請をされておりますから、そのときの要請の様子などを少し詳しく聞かせていただいて、連携強化ということでお願いするのか、もう少し何かやることがあるのかというようなことを少し考えて、その話などを聞かせていただいた上で、もし何かあれば、必要に応じた対応を考えてもいいかなという現状です。

記者 国の言う、これまでの安保政策と一致しないということが、先ほど十分知り得ないとおっしゃったんですが、これまでの核抑止に頼っている部分もあるので、そこと一致しないということを取材でも答えているんですけれど、そういう姿勢については、何かお考えがございますか。

市長 そこのところ、抑止力論と、絶対的な悪である核兵器を本当に前提に物事を考えるかというところについては、大きな隔たりがありまして、その点について、現政府というか現与党といいますか、そういったところの価値基準が違うところにもっていって、個別具体的に、平和を希求する広島としてどこまで言うかというのが自分の悩ましい点なんですけどね。

少なくとも考え方が共通する範囲と言いますかね、ぎりぎりのところでずれがあるとしても、大まかな方向性において連携できるところは、きちっと連携すべきだというのが、自分としては今ぎりぎり言えるところだと思っておりまして、政府の内心の意図は自分自身にも断言できないんですけれど、署名については見合わせるという、その結論を持っている政府でありますから、見合わせるとしても、この共同声明を出してくれている16カ国、これとの連携といいますかね、いい関係は保ってくれということは私は言いたいということなんです。

これならできるでしょうと同じことなんですよね。署名する、しないと関係なく連携強化ぐらいできるんじゃないかと、こういうことを言いたいということです。

記者 そういう連携強化というのは、具体的にどういうことを指すんでしょうか。

市長 自分なりに、多少、外交官をやった時期がありますからね、いろんな方の具体的な個々の要望について全体状況を見ながら、難しい局面があっても雰囲気とか、どういう思考をしながら、いろんな大変な状況を凌いでいるんですよということは、外交のときはうまく使える局面があるんですね。

どちらと仲良くしているということを使いながら、最終調整局面で、日本の平和を願っているという立場をしっかり外にアピールするということもできると自分は思っているんですね。

端的に言えば、具体的な問題なんかで、NPT再検討会議を広島でということで、外務省に動いていただきました。

そんな中で、直ちには難しいとしても、NPDIの会合は2014年に広島で開催するということをやろうというようなことを言って、今その前提でいろんなことをやっている関係にもあります。

このNPDIもやはり核軍縮していこうというような考え方を当然踏まえた対応ですからね。そういった協調点もあるわけですから、今回具体的な署名が行われなかったから、それと全く反対の方向に行くということはないんでしょうねということを政府には迫りたいと思っています。

まだ、そこまで行かないということじゃないかと理解したいんですけど。

記者 署名はできなくても、何らかの…。

市長 仲良くするということはあるんじゃないですかと、連携強化というのはあるんじゃないですかと。

いろんな事情があって今一歩かも分かんないとしても、そちらに向けて、ちゃんとやっていくべきじゃないかと迫りたいと思っているということです。

記者 そういう意味では、長崎市長は割と強くいうか…。

市長 そこは長崎市長と私の政治的なスタンスの違いということだと。

記者 松井市長の迫り方は、どういうふうにお考えというか…。

市長 私自身は、先ほど言いましたように、自分が外交官やっていたりした経験がありますからね、責められ方も実戦的な責められ方をした方が、言われた方がちょっとそうかなという気になるように思いますのでね、より実戦的な対応で要求された方がお応えしやすいんじゃないかなと、応えてもらいやすいんじゃないかなと思っています。

記者 長崎市長のやり取りをさっき参考にというか、聞かれるとおっしゃっていましたが、その後で何らかのアクション…。

市長 その中でもし情報があれば、今言ったような考え方を変えてもいいような話が聞ければ変えるかも分かりません。

記者 今のところは別に…。

市長 今のところは、現段階における、さっき申し上げた外務省からの返事と自分なりに聞いた情報での現段階での判断ですからね。

記者 長崎市長とは何か協議の場を持たれるということはありますか。

市長 協議の場を、うーん、持たなくても、時たま電話をいただいたりするから、そういうやり方でやり取りをしても構いませんし。

これはでも職務というか、担当同士でしっかりやってもらった方がいいような感じはしてます。

記者 もう一点。今回の外務省というか、政府の態度に対しては、反対するとか抗議するとか、そういう姿勢ではなくて、理解を示すとかという、見守るというようなことになるんですか、広島市としては。

市長 いやいや、先ほど申し上げましたように、16カ国をはじめとする国々としっかり連携を図ってくださいと、注文をつける立場です。

署名の打診があって、署名は見合わせると言った政府がおりますと。その与党政府に対して私は、政府はこれまでも提唱してきている核軍縮決議の理念と一致していると思いませんかと。共同声明はそうなってるんじゃないでしょうか。

私は広島の市長として、絶対悪である核兵器の廃絶を目指すという立場で、広島の訴えともこの共同声明は全く重なっておるというように評価しますと。

ですから署名を見合わせるという対応については、少なくとも16カ国をはじめとする国々としっかりと連携を図るというようにしてください、ということを言いたい、と言ってるということであります。

記者 改めて広島市としての考えを伝えた上で注文を、という…。

市長 注文、うん、連携を図っていくと。そう言っていただくと、今の話には沿っているかも分からんですね。

記者 反対とか抗議の、という態度は取らないということなんですか。

市長 だから反対じゃない、反対とは言っていませんよ。今の、見合わせるということではなくて、より連携を図るというふうにしてくださいと申し上げているっていうことで、それ以上でも以下でもありません。

記者 その注文をつけるというのは具体的になんらかの方法で伝えてるのか、これから伝えられるんでしょうか、国に対して。

市長 連携を図っていただきたいという意思は伝えてるつもりですけれど、そのアピールが足りないというんであれば、要請文を出すということもやりますよ。

記者 今はどういう形で伝えてますか。

市長 今はこの問い合わせのプロセスの中でやってますからね、確認しながら。

その他の質問

文化行政について

記者 広島交響楽団が結成から40周年を迎えます。で、これに関連して文化行政に対する市長のスタンスをお聞かせいただきたいんですが、最近大阪市の橋下市長の動向が注目されていますけれど、文化行政に対して補助金をカットを言ったりとか厳しい態度で臨まれていますけれど、松井市長としては、広響への支援をはじめ、文化行政についてどのようなお考えをお持ちですか。

市長 広響をはじめ文化行政、文化、伝統、芸術、そういう意味ではワーク・ライフ・バランスということですね、仕事とそれ以外の生活の場面で多様な価値観を持った方々がこの広島で本当に生活して、「いいな」と思っていただける、そういう気持ちを享受していただく上で重要な要素だと思っています、文化、芸術ですね、こういうものは。

ですからそれらを市政として、大きな市民の盛り上がりがあるときに支援していくことはとても重要なことだと私は思っています。スポーツも含めてそうですね。ですから、単にそこに関わるお金が多いから無駄だという一面的な評価はいたしません。

ただ、市政を運営していく上で全体の予算規模とそれぞれの分野でかかっている予算について事務事業の見直しということで全部点検作業をかけていますから、そういった意味での見直しの対象になるということもまた否めません。それは否定いたしません。

ですから、そんな中でどう調和させるかというと、最終的にはより効率的といいますか、効果的な補助の仕方というものを考えると。で今までのやり方について直すところはないか、ということを見ながらやるのが手段の面の着眼点。

そして対象としては先ほど申し上げましたように、ワーク・ライフ・バランスを実現していく上で極めて重要な分野でありますから、ないがしろにしないと。これをどう調和させるかという視点で考えています。

ですから多分、(記者が)言われたように大阪のように額が多いからいきなり他のところの予算を確保するためにカットというような発想はいたしません。

※ ( )は注釈を加えたものです。

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