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2012年6月04日記者会見「ホノルル市への経済交流訪問団の派遣について」
動画は下記からご覧ください。
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市からの発表案件
ホノルル市への経済交流訪問団の派遣について
市長 ホノルル市への経済交流訪問団の派遣についてご説明します。お手元の資料を御覧ください。
平成23年にホノルル日本人商工会議所との姉妹提携30周年を迎えた広島商工会議所が、この度、ホノルルを訪問することから、本市としても、この機をとらえて広島商工会議所と共同でホノルル市に経済交流訪問団を派遣して、両市の経済観光交流の促進を図ることにしました。
日程につきましては、6月7日木曜日に広島空港からチャーター便でホノルルに向かい、12日火曜日に広島空港に戻って参ります。
訪問団の構成としては、本市が私を含め4名、広島市議会からは、金子副議長が参加されます。広島商工会議所からは、深山会頭をはじめ、副会頭、会員企業など総勢37名が参加されます。
このほか、現地で「壬生(みぶ)の花田植」を披露する壬生田楽団(みぶでんがくだん)22名、神楽を舞う雄鹿原上組(おがはらかみぐみ)神楽団15名が参加し、訪問団全体では79名ということになっています。その外枠で、一般の旅行客も約150名参加します。
向こうでの主要な用務としましては、到着した7日に、ホノルル市のピーター・カーライル市長との公式会談を行います。この会談で、両市の経済交流、これを主要な議題とし、来年の「ビジネスフェア中四国2013」に、あるいは「第26回全国菓子大博覧会・広島」、さらには「ひろしまフラワーフェスティバル」に参加しませんか、ということをお願いしようと思っています。
また、環境・エネルギー分野では、経済交流を頭に置いた話をしたいと思いますし、平和市長会議の加盟都市5,000突破ということがありますので、突破記念の原爆ポスター展の開催などをお願いしたいと思っています。
続いて、ホノルル市議会議長を表敬訪問します。次に、平成7年から牛田新町小学校と交流を続けているホクラニ小学校の関係者とも面会します。
さらには、地元の日本語放送のAMラジオ放送局のインタビューを受けるなどの日程が7日です。
8日の日程は、ホノルル日本人商工会議所との交流事業に参加し、ホノルル日本人商工会議所創立100周年を記念して本市と県それから広島商工会議所の寄付により建設された宮島鳥居レプリカの寄贈10周年記念セレモニーに参加します。
また、本年5月に設立50周年を迎えたアリゾナ記念館を訪問し、戦争死没者への献花をする予定です。
9日ですが、現地法人が経営するスーパーマーケットで開催している「広島フェア」を視察し、同社幹部と広島産品の販路拡大の意見交換をしようと思っています。
9日と10日では、「まつりインハワイ」が行われるので、ステージや特設コーナーでの観光PR、パレードへの参加などを予定しています。
以上のような訪問団の派遣予定ですけど、これを通じて、ホノルルの経済人との交流を深める、さらには広島の魅力を広くPRするということで、経済・観光、この両面で両市の一層の交流を促進して行けるようにしたいと思っています。
記者 先ほどホノルル市長との会談の中で、環境・エネルギー分野のことについて話をしたいと言われてましたけど、もう少し具体的に何か教えてください。
市長 ホノルル市は環境問題で一生懸命やっているっていう話を聞いていまして、ロングスパンで目標を掲げているっていう情報を入手しています。ハワイ州政府という単位なんですけれど、ハワイ・クリーン・エネルギー・イニシアティブというのを策定していまして、2030年までにエネルギーの70%をクリーンエネルギーに転換するということを目標としてやっているらしいんです。
ですから環境エネルギー関連技術を集積しているということですので、こういった産業育成をハワイ州も考えていますので、地元(広島)の企業群で組み込めないかな、技術を生かしたビジネスチャンスがないか、地元の技術開発の刺激になるようなことがあれば、と思っています。
黒い雨の検討会での報告書案について
記者 話が変わるんですけれど、先週、厚生労働省の黒い雨の検討会の方で、報告書案という形なんですけれども広島市にとっては厳しい案が出たというところで、市長としては今回の案をどのように受け止めてらっしゃるかをお聞かせください。
市長 前回(の記者会見で)も言ったと思うんですけれど、最終結論じゃないという前提ということなので、最終判断を下す状況ではないと思っているんです。
(報告書案の)記述の中で、現時点で本市の要望地域において、原爆放射線による健康影響があったとする根拠は見出せないというような方向が出てますので、これ自身、今まで市としてお願いしてきたこととは方向が全然違いますので、政治的な判断をすべき状況かなということを申し上げました。(検討会が)7月にもう1回開催されて結論が出るまでこれについてのコメントは差し控えたいと思うんです。別途政治的な判断をしていただけるような対応を考えていきたいと思っています。
記者 それは前回もおっしゃってた議員さんへの働きかけなりっていう…。
市長 そうですね。政権与党へどういうふうにして働きかけるのか、我々の気持ちをもう少し咀嚼(そしゃく)していただけるかということだと思います。
新藤兼人さんについて
記者 先週新藤兼人さんが亡くなりまして、改めてご功績に対する市長の思いと、晩年非常に原爆の瞬間というか、そういうシーンを、そういう瞬間というか、人が亡くなっていく様を描きたいという強い意志を持ってらっしゃったということに関して、資金協力というのは難しいかも知れませんけれど、そういうご意思とかそういうのは。
市長 コメントについてはやや詳しく業績などを踏まえながら言わしていただいている面もあるんですけれど、心情的な面から言わしていただきますと、映画作りにある意味で一生を捧げられて、その目的を達成するために、生きている限り目いっぱい生きるという気持ちと実行が一致した人生だったんじゃないかなと思うんです。
その中で、映画作りの大きなテーマの中に間違いなく平和、そういったものを求める心情を(映画を)見る方々に醸成(じょうせい)していただく、皆さんが感じ取っていただくということを強く念じて活動されたんじゃないかと思います。言葉のない、セリフのない映画での場面設定というような、いろんな人々の動作とか振る舞いから、あるいは環境からそういうものを訴えるといったこともされています。
自分の見させていただいた映画では、被爆直後の壮絶な状況を画面画面に取り入れたりして、それを見る方の心からの平和を希求する気持ちというのを引き出すということをやられた。そのほかもっともっとそれ以外にも人間性を深く実感してもらいたいということもあったんじゃないかなと思うんです。
そういう意味では偉大だと思いますね。100年も生きられて。1世紀ですからね。かつ終始、お1つの目的に向けて生き続けたっていう生き方そのものには共感を覚えます。自分もそんなことができたら幸せかなと思います。ご冥福をお祈りしたいと思います。
大飯原発について
記者 先週、大飯原発、関西電力の、再稼働に向けて大きな流れが出来てきたのかなという感じでしたけれど、少し関西は遠いですけれど、広島市の市長として今回の限定的な安全基準ということでの再稼働ということについて、お感じになられていることとか思われていることはありますか。
市長 エネルギー政策については、国での政策の基本的方向をちゃんと出していただいて、それを基にということを言い続けてますので、市長としての心境は変わっておりません。
現段階では少なくとも4つの選択肢を示して、それらをもとに国民的な議論をやると、こういう方向性を国で出していますので、それ自身は今までのエネルギー政策を議論していくプロセスを示した手順を踏んで行っているという状況じゃないかと思うんです。
私自身は、今言ったエネルギー政策については国が責任を持って方向性を示す中で、いろんな考え方が今出てきていまして、理想とするあり方、それを頭に置きながら、現実的な対応をどういう方法でやっていくかということが問われていると思います。
方向性をいろんな形で提示すればそれを実現していくために国民一人一人が求められる対応、宿題っていうのもまた出てきます。それをどういう形で実現していくかという真摯(しんし)な議論をしっかりしていくということがいるんじゃないかと思うんです。
ある意味ではマル・バツという議論を超えて、それを前提にしながらどういう形で日本におけるエネルギー政策のあり方を標榜(ひょうぼう)して具体的にどういう対応をしていくかというのが今、問われていると思っています。今年の夏はいろんな意味で本当に将来像をどうするかということが市民一人一人に求められるんじゃないかなと思います。
今年の平和宣言について
記者 今年の夏がということが図らずも出たんですが、その辺り、今年の平和宣言などにも少しは起草に影響してくるようなことがあるんでしょうか。
市長 テーマとしてはあり得るんじゃないかと思いますけど、考え方は。少なくとも、行政として政府も言っています、省エネの対応ということを引き続き今年もやるということ、そしてそれらが、国全体のエネルギー政策とどういう位置付けになるかということもきちっと整理をするということがいるかと思います。
それが、放射能という目に見えない人間に被害を及ぼすものを発散しかねないものだということも、やっぱりちゃんと頭に入れてどう対応するかということはやらなきゃいけないと思っています。ただ今だから結論をどうするかと言われるのも市長としてはなかなかつらいものがあります。
まずもって国の政策の中でそういったものをしっかり出していただいて、いい方向に向けてさまざまな対応をするようにしていきたいと思っています。
広域連合の設立に向けた合意について
記者 先日1日に、中国地方知事会がありまして、広域連合を中国地方で設立に向けて合意したと、その中で中国地方として何を受け皿としてやっていくかという中で中国経済産業局の方と、他の整備局や中四国環境事務所、そこでやっていこうということで一致しましたけど、こういう議論や今の流れの中での市長が思われていることをお聞かせ願えればと思います。
市長 私自身はこれからの日本の行政のありようとして地方分権というのは、間違いなく進めるべき方向だと確信していますし、自分としてできること、やるべきことをどういう形で展開するかというのは、大きな宿題だと思っています。
そんな中で、知事もこういった中国地方、場合によっては四国までも視野に置いた展開を考える中で、少なくとも広域連合設立というのを中国地方の知事会で方向性を出して、設立は13年にならなかったかな、もう少し全体の状況を見るということで、日にちは確定をしていなかったものの方向性は打ち出されたと聞いていますし、さらにいろんな問題点がある中で具体的な対応をするためにということで先ほど言われた中国地方の経済産業局を対象にやるということだと思います。
方向性は、私は大いに賛成ですね。自分自身、今年からハローワークなどについても、国との関係で区役所にそういう機能を一部手伝わせてくださいというようなことも言っています。
この経済産業局、これ自身地元の企業の対応についての対策を練るということになると思うんですけど、その中に当然雇用という問題も産業局のテーマにあります。そしてそのテーマに結び付いた具体的な求人求職のマッチング機能というのがハローワークだと思っていますからね。
そういった一連のものがより基礎自治体に近づいてくる、そして地域における行政の連携関係ができる基盤が、ステップ・バイ・ステップ(一歩ずつ着実に)ですけど、整っていくだろうということについては大いに歓迎ですし、この方向性をしっかり持ちながらやっていただきたいと思っています。
ただ、知事にもお願いしますけど、こういった議論のフィードバックを我々にもしていただいて意見交換する中で、さらに具体的な展開をどうしたらいいかというようなことを考えていきたいと思っていますので、知事と対談したときにも話し合いをするということをお約束いただいていますので、そういった会議での模様なんかも聞かせていただきながら、どうしたらいいかということも考えていきたいと思っています。
記者 市長も広域的な、「ヒト、モノ、カネ」の循環が必要だと言われたりとか、この広域連合が動いていくということになれば、広島市としてもいろいろな発言したり、そういう中にコミット(関係)していかれたりするんじゃないかなと思うんですけども、その辺りの広域連合に入っていきたいかどうか、これからどうその議論を、(市にも)フィードバックしていただきたいと言われましたけど、どう入っていくのかという部分は、どうお考えですか。
市長 これは、まだまだ詳細はしっかり事務的に詰めていかなくてはいけませんけども、(市)議会との話し合いというか、議会における理解も不可欠なんですね。ですから、今ある県と政令指定都市との関係というものが、広域連合体ができたときに、市とどういう関係になるかということをまずしっかり整理して、議会の方々にも納得いただくと言いますか、了解いただくようなものをお示ししながらやっていかなくてはいかんと思います。
それはなぜかというと、最終的にはどういう権限、役割分担が予定されるのか、かつどういう分野についての、将来的にいろんなものが降りてくるといったっって、どういう段取りでどういうものが降りてくるかということもありましょう。そうすると、その降りてくることに伴う、それに関わる予算編成って言いますか、執行部隊と執行実務を支える財源をどういう形で負担するかということも必ず出てくるんですね。
それについては、少なくとも今までの県市の役割分担とは少し違うものになるはずです。どうなるかまでは自分は見定めはありませんけども。そのためにはどんな形でどういうルールでやっていくかということも含めて(話し合いを)やりましょう。
そして、その連合体というものができたときの、連合体を動かす事務局ですね、そういったものが県と市、人を出すのか出さないのかとかなど、総合的な設計図みたいなものがどうなるかということをもう少しよくよく吟味したうえで、議論しなきゃいけないなと思っています。
内閣改造について
記者 今日、内閣改造があります。それに関して、今実際にエネルギー政策等の話も出ましたけども、結局、国会がなかなか動かないような状況で、今日内閣が改造に踏み切ったということで、それにかける期待とか、評価というものを、市長、なかなか難しいとは思うんですけども、お話いただければと思います。
市長 直接市長としてコメントを加えるものじゃないかなという気がしますが、ただいろんな意味で内閣のありようが市政に影響を与えるということは間違いなくあろうと思います。すなわち今聞いている、自分の知る限りでも、今度の内閣改造というのが、社会保障と税の一体改革を総理の決断の下に進めると、それにふさわしい体制にするということだと聞いておりますので、それが進められれば、社会保障と税の一体改革は、最終的に社会保障を市民に行政サービスの形で展開するのは基礎自治体なんですね。
ですから、それがどういうふうになっていくのか、その展開するための税財源がどういう形で担保されるのかという問題になってまいります。
そして、基礎自治体として展開するときに、やはりなんといっても問題なのは、自分たちが独自に展開している社会保障にかかわる諸施策の財源をやっぱり自治体にしっかりいただけるような手当てをしていただかないと、結局、権限はもらってもそれを実施するための財源が整わないということになれば、絵に描いた餅になりますね。
だから、一体改革ということで進められるとするならば、それはそれで一つの方向性でありますし、それはより市民の行政サービス充実につながるという方向で展開できるようにしていただきたいし、実際それを担えるようになりたいと思っていますけども、まずその際には、税のあり方についても地方自治体に十分配慮したものになり、かつその運営についてもいろんな意味で自治体の意見が投影されるようなものにしてもらいたいと思います。
法律ですからね、大枠は決まっても詳細についてはまだまだね、いろんな形で詰めるようなものなんじゃないでしょうかね。そういう意味では非常に影響度の大きい内閣改造になるんじゃないでしょうか。いろんな意味を込めて、大きな転換点になる可能性があると思っています。
黒い雨に係る報告書案を受けた今後の動きについて
記者 黒い雨の問題に戻るんですけど、この間の小宮山大臣も政治判断で一部拡大も視野にというようなことを示されたみたいですけど、ただ厚生省は昔から科学的な根拠がないと拡大は難しいという見解があって、そこを突破するために市として何か新しい資料を出すとか、何かこうアクションをとられるのかっていう事と、政治的な方で議員さんへの働きかけですけど、具体的にどういうふうに市長が上京されるのかとか、いつぐらいに、誰にどういうふうに、その辺をもうちょっと具体的に教えていただきたいんですけど。
市長 正直、大臣の発言がどの辺にですね、いろんなお考えがあるか十分にこう明確に分かるようなものではなかった、しかし何かしなきゃいかんとか、する余地があるというくらいのお話だったと思うんですね。
そういう意味では、大臣の発言っていうのは、私も逆にお願いする立場から言いましたけれども、政治的な判断というか、そういうものを少なくともする性格のものだという表明があったというふうに受け止めていいかなと今思っています。
そうすると、今までやってきてた、市としてのお願いですね、その決定的に新しい資料というものは、今段階ではあるというわけではない。もう今まである意味で、出し尽くしてきてですね、それをどう皆さんに咀嚼していただくかということで、一生懸命やってきたわけですから、それはやっぱり貫いていく、そして政治的な判断をしていただくために、どういうふうに動くのが一番効果的かというのは、今、事務的にいろいろ先生方と接触しながらやってます。
だから、私自身(お願いを)受けるほうが、一番こう言われると動かないといけないなと思うのはどんなものですか、正直言ってどんなことなんですか、というのを(議員さんに)しっかり聞いてくれっていうのを言ってますから、こっちがこうしますというのは、現段階では明確にしていません。
いずれにしても、どういう形でその政治判断をお願いするのが、我々の気持ちが伝わるかということ、手探り中というように思っていただけると。
記者 広大なんかで、黒い雨の家屋の下から痕跡が見つかったとかですね、北西方向に発癌性のリスクが高まっているなんていう新しい研究成果も出てて、それは確かに検討会の中では議論になかったんですけれども、そういうものを追加でまた出したりということはないんですか。
市長 今言われたのは、2世の話とかではなかったですかね。直接黒い雨というのかどうか。もし本当に黒い雨直結の科学的根拠というものが出てるなら今までも使っているし、いろんな形で問題が精神的なものに過ぎないっていうことを言う方々に対して、そうじゃないんだと、その因果関係がないということじゃないんですよということを一生懸命出しておられる資料群だと私は理解しています。
それはそれで、一定の成果があると思いますが、ただ、今回検討会で議論したメンバーからすると、直結するような科学的な資料じゃないということを言い続けてますし、それで一応締めてますから、だから後は今言ったこともあるということを頭に置きながら、いろんな資料群が決して精神的な面に留まることなく、いろんな因果関係がありますよということを言っている左証だということを頭に置きながら政治判断を求めるということにしたほうが、この段階ではいいのではないかと思ってます。
高速5号線に係る住民への説明について
記者 高速5号の検討委員会が今月なり、また開かれると思うんですけれども、その時に解析結果が、ボーリング調査の、出てくると思います。いよいよ、市と県の判断という時期に近づいてきてると思うのですが、その過程の中で、市長として住民側と対話されて、一度そういう意見を住民と、まあ住民が求められてますよね。そういうお考えっていうのはどうなんでしょうか。
市長 少なくとも、今の検討委員会の中でボーリング作業をしてどういう結果が出るか、それでどういう意見が出るかということを踏まえて、最終的な判断をしていくという前の段階で一定の自分の考え方なり、どういうふうに考えるということをちゃんと議論する場は作りたいと思っています。
記者 それは住民側と。
市長 ええ。住民と会うということも、もちろん含めてですね。
記者 判断する前に、住民側と意見交換、自分の考えを伝える場ということ。
市長 意見交換、私が、こういうふうに考えるとか、ちゃんと説明しなければいけないと思ってますけれどね。
記者 それは時期的には。
市長 時期は、そうですね、判断の最終時期がどこかっていうことによりますけどね。広い意味では夏のどこかのタイミング、検討委員会の結論が出た後になりますけど。決める頭とすれば。
記者 結論が出た後。
市長 出た後に、皆さんにどう受け止めたかとか、どう考えるかということは、一定程度お話をしていかなきゃいけないと思ってます。
JR可部線の延伸に係る踏切の設置について
記者 JR可部線の延伸なんですけれども、昨年以降ですね、住民側と踏切をめぐって、ずっと平行線のまま、現状の認識というか、そろそろ近く住民説明会も開かれるという話も聞きますが、現状どういう段階までいっているのでしょうか。
市長 そうですね。(可部線は)JRがですね、営業収益をいろいろ考えて廃止したという線ですけど、地元の活性化とか、地元のいろんな考え方を総合勘案して、もう一回河戸辺りまで伸ばすということで進めてはどうかとやっている延伸問題ですから、基本的には多くの方々は、地域の活性化のためにいるだろうと思っておられると私は思ってます。
その際、せっかくまた復活するんだけれども、その路線といいますか、軌道の近くの方々の今までの生活の便益を著しく壊さないようにする工夫の余地はないかということが、踏切問題に象徴されてるんですけども。
その地元の方々の利益と、民間企業になったJRがその定時制、高速性ということも、ある程度頭において、踏切の数を制限し、また、新しく軌道を作るというのに類似した形での軌道復活をやるという中で、法令的な制約も考慮して、ぎりぎり、踏切を付ける箇所をこうですよとこう言ってる、いわば全体の利益と個々の利益がぶつかっている所なものですから、私自身、地元の方々の利益も最大限に尊重するけれども、最終的にはやっぱり全体の利益に沿って判断したいなという気はあります。
どこまで、皆さんの思いが調整できるかということを、もうちょっとやってほしいというように思ってます。どこか妥協点あるでしょ。
記者 その妥協点はもう見つかりそうなんですか。
市長 妥協点は皆さんの話し合いの中で、出てこざるを得ないと思います。復活するということが大前提にあるわけですから。じゃないでしょうか。
安佐市民病院の移転について
記者 その中で、安佐市民病院移転っていうのは、一つその地域活性化の材料として住民側に提示していくというお考えはあるのですか。
市長 安佐市民病院はまた別の角度で出てきた問題ですけれども、市民病院は公的な医療機関でありますから、例えば県全般における医療施設の配置状況がどうかとかいうことも、県全体のビジョンの中でいろいろ考えられてるはずです。
そうすると、そういった流れを受けとめながら、市の北部、市を越えた地域における医療の提供としても実際今、この安佐(市民病院)は機能しているらしいですから、広い視点で、せっかくですから新しく建てる病院をどうするかということも議論するというふうに、しっかりやってもらいたいと思うんですね。
そんな中でいろんな要素を総合勘案して、もっともっと地域全体が活性化し、場合によっては、それがその地域を越えた全体の活力エネルギーの源となるような仕掛けになるのは、私としては大いに賛成ですし、視野を大きく捉えて、全体構造を組み直していくということができるのがいいなという感じはしてますけれども。
記者 JR可部線の問題とは別問題という。
市長 別問題ですけれども、そのお互いに議論を進めながらやってく時に、それぞれが結果としてコラボ(共同作業)するといいますか、波長を合わせることはあったっていいと思いますよ。
それは皆さんが一個一個の問題を議論しながら、全体としてどうまとめるかっていうふうに発想していただければ、ある程度議論も集約する可能性があると思います。
大規模未利用地の活用策に係る議論の進捗について
記者 大規模未利用地の活用についてなんですけれども、市民球場の議論はやってますけど、それ以外の西飛行場とか広大跡地の活用策について、今どの程度議論が進んでいるのでしょうか。
市長 事務的に基礎材料をですね、点検してると思っていただければいいんじゃないですかね。市民球場の場合は、そういった作業は私が市長になる以前から、相当程度一杯積み上げがあって、ある種どう組み合わせて議論するかくらいのレベルなので今言ったような議論ができているんですけど、他のところは、特に西飛行場はまだ全然ですし、広大のほうも跡地も市としてやる部分がどうもいろんな経過の中で限定されてて、そこのエリア全体をどうするかっていう議論が、生煮えみたいになっている感じなんですね。
だから、今自分が少なくとも知ってる限りでは広大の方が知の拠点にするためにどうするかっていうことを改めて自分たちの施設群の作り直しの中で検討してるっていうことをお聞きしていますので、それらをもう少ししっかりやっていただいて、その成果もいただきながら改めて議論できればなと思っています。
6月議会のポイントについて
記者 まもなく、今月末なんですけれども、市長として2度目の6月の定例会だと思うんですけれども、今回、すごくざっくりしたことなんですけど、市長として今回の議会はどんなところがポイントになるかなと考えられているのでしょうか。こういうふうに臨まれようか、と考えてらっしゃるのか。
市長 私自身は議会との対話っていうことを、今以上にどんどん深めるということをやらなければいけないと思っていますので、6月段階でどういうその問題提起、議論ができるかなっていう視点で見てます。そうすると今出てきたように、その大きな未利用地の話とかっていうのは、どうするかっていうのをもう少しその議論を深める必要があるかなという気はしてます。
考え方として、実際、市の行政、市議会にかかるのはですね、未利用地に手をかけるとなると、最終的には財政上すごいいろんな問題が発生するわけです。複数拠点について、どういう順番で事業展開していくかと。
起債なんかも起こりますから。昨年末出した長期の財政収支見通し、そして、582億の赤字を出さないようにするという大きな制約のなかで、この事業展開どうするかっていう、ややパズルっていうか難しい問題もでてきますから、そういったことについての基本的な考え方みたいなのを、議会とも、もし可能であれば基本的なとこは共有しながら、次のステージに向けてできればなと思います。
広島空港へのアクセス改善について
記者 広島空港のアクセス改善の事でちょっと聞いてみたかったんですけれども、前から。昨年の5月にトップ会談で廃港について了解すると。西飛行場ですね。その中で、広島空港のアクセス改善はやらないといけないということで合意されて、知事と一緒に県、市でリムジンバスの新路線の試験をしてみようということでやられましたけれども、3ヵ月やられた結果が43人乗りのバスで平均で2.7人という宇品線、平和大通り線とも、ちょっとなかなか厳しい結果だったんじゃないかと思うんですけれども、それも最初にどういうふうに受け止められてるのかということと、今年も、西飛行場発着点としてやられますけれども、それについてですね、なかなか厳しい結果になるのではないかと思うんですけれども、今後の展開ですよね、短期、中期、長期という形でアクセス改善やっていく中の、短期の中で今後どういう手を打っていくかという部分の受け止めと今後の展開2点。
市長 受け止めは今言われたように、決してかんばしい成果とは言えない気がするんですね。しかし、現行の高速バス、高速道路を使った運送手段について、もう少し可能な限りの工夫をしようという流れできてますから、それについては言われたように、西飛行場辺りから、本当に遠くなったといわれる方がおられるというのであれば、その辺を中心にバス路線を展開してみる。
そして、乗客数を確保するということを考えて、例えば、西風新都内を1回ぐるっとやって、その辺でやや駅から遠いとか、高速から遠い方々を乗せていくようなコースも入れて、どうかなっていうので問題をもう少し精査するのもあっていいかなっていうのを思っているんですよ。
それは言われた短期的な対応ですよね。もう少し中期的な対応は、言ってますけれども、既存の軌道とバス路線などをつなぐというのを、もう少し時間短縮をはかれるように、かつ乗客に不便をあんまりかけないような形でやるということはないかというのを言ってますので、これを少しやりたいですね。
そして、長期の視点からいうと、いろんな議論がありますけれども、いろんなバイパスが大分出来てきてますからね。それらが完成すると、道に関しては、広島の三原の方の飛行場へのアクセスが、完全複数ではないけれども、途中ルートで複数確保できるっていうような見通しも大分出てきてますから、そういった意味では、そのバイパスなどの早期開通というか、開業を目指すということを一方でやるということで、やれないかなと思っております。
いずれにしても、現状のままで試験を繰り返しながら、飛行場のアクセス向上だけではない、もう少し何か具体的な対応策を講じていかなきゃいかんという問題意識は持ってます。
記者 短期で言うと、広島港、広島大通り線でなかなか結果が出なかった中で、西飛行場、西風新都を通るにしても、なかなか厳しいんじゃないかと思うんですね。短期で打つ手っていうのは、今後なかなかないんじゃないかという気がするのですが。どうなんですか。
市長 短期のスパンが問題ですけれども、自分として、短期、中期、長期をどの程度に考えているかということの問題なんですけれども、少なくともこの問題については、何らかのハード面での手当がいると思うんですよね。
そうすると、ハード面での手当っていうのは、1日、1ヵ月でできるというものではないし、基本設計とかいろんなことを考えていくと、ゆうに1年、2年はかかる。いくら短いとしても、そのくらいの期間がいる問題だと思ってますから、そういう意味では完成までには、やや短中期の問題というくらいのとらえ方でやっていかざるをえないと思ってます。
※ ( )は注釈を加えたものです。