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ページ番号:0000012937更新日:2019年10月21日更新印刷ページ表示

2012年5月11日記者会見「NPT再検討会議第1回準備委員会への出席等について(帰国報告) 外1件」

市からの発表案件

NPT再検討会議第1回準備委員会への出席等について(帰国報告) 外1件

市長 それでは、まず2015年のNPT再検討会議第1回準備委員会の件です。

5月3日から7日の日程でウィーンに参りまして、この会合に出席してきました。内容はお手元にある資料のとおりですのでポイントを説明しますと、最初、平和市長会議主催のワークショップを4日に行いました。

ここでは、ウィーンにある国連の国際センター、ここで「核兵器廃絶に向けた広島、長崎、日本の役割とNGOとの連携について」というテーマで話をさせていただきまして、私自身は被爆地から発信される被爆者の体験、思いというものを共有することが重要であるということをしっかりと発表しまして、この体験からすれば核兵器というものが理屈抜きで絶対的な悪であることが十分に認識してもらえて、それをベースに核兵器廃絶、恒久平和を願うという多くの市民運動が展開されるんじゃないかということを申し述べました。

そんな中で、核兵器廃絶を実現していくために今現実問題として一番効果が期待できるのは核兵器禁止条約を締結していくことであるいう位置づけも披露しました。

その上で平和への思いを共有してもらうためにはNPT再検討会議をはじめ、為政者の方々に様々な機会を通じて広島で会議をする、広島で被爆の体験、思いを直に見てもらうということが重要だという話をしました。そのほか、長崎(市長)、天野軍縮会議日本政府代表(部特命全権大使)、それからNGOの方々のスピーチもあったという状況です。

その後時間を縫いながら、大使の方々とお会いするというチャンスもありまして、(在ウィーン国際機関代表部)ノルウェー、スリランカの大使ともお会いしました。ここでは、それぞれの大使にNPT再検討会議の広島誘致の(協力)依頼であるとか、平和市長会議の役割、任務というものをお話ししまして、会議の拡大要請みたいなことも行いながら「核兵器禁止条約」の交渉開始という署名運動をしているということも申し述べ、直接その場で署名していただくということもありました。

そのほかは、ここにありますCTBTO、包括的な核実験禁止条約機関の事務局長とも時間をとっていただきまして、トート事務局長との面談をしました。長崎の市長もご一緒しまして話をする機会を得ました。

ここでは、CTBTOが核実験を監視する制度運用をやっておりますので、そこでの対応状況についてのお話とか、自分たちが持っているデータをしっかりと関係国へ配信することで全体としての監視機能を高めるというお話がありましたので、そういった対応についての我々の評価を伝えるとともに、平和市長会議の活動ということも理解していただき、協力をお願いするということをお話ししましてやりとりをするということがありました。

そのほか、同じセンターの中でポスター展をやっておりましたので、これは被爆の実相に関するポスターということで、その場でもポスター展の意義ということを話すという機会を得ましたので、話すとともに、2015年のNPT再検討会議第1回準備委員会の議長を務めておられるピーター・ウールコットさんに来ていただきましたので、その場でお話を聞いていただき、かつ約48万筆の(「核兵器禁止条約」の交渉開始等を求める市民)署名があるんだということをお示しし、そこで一筆一筆に核兵器廃絶への思いが込もっているんだということを伝えて、ぜひ、条約の具体的交渉開始に向けての力を発揮していただきたいということをお願いし、その場で署名していただきますと共に、あわせてNPT再検討会議が広島で開かれたら非常にありがたいということを考えているということも直接お伝えしました。

それが4日の対応で、翌5日は2020ビジョンキャンペーン(協会)の役員会を開き、ここでは平和市長会議の活動、重要なものと位置付けているのがメンバーの拡大とメンバーの日ごろからの活動を重視したいということを申し述べた上で、当然2020ビジョンキャンペーンの充実ということを言いつつ、新たな提案として「グリーン・レガシー・ヒロシマ」と連携した活動をお願いしたいということで紹介して、被爆樹木の種などもお見せし、いる(欲しい)という方にはお渡しして、今後連携を深めるということを、了解を得たと思っています。

その他、会員拡大、日々の行動を通じながら、最終的には国連といった機関への働きかけが重要であるということで様々な要請活動、署名活動をしっかりやっていくということも了解いただいたと思っています。

いずれにしても、こういった活動を広く手掛けていくために市民、NGOそういったとことの連携をしながらやっていきましょうということを確認しました。

それと引き続いて、平和市長会議の運営基盤強化のための検討ということも行い、(2020ビジョン)キャンペーン協会の役員と平和市長会議の理事がかぶっているところがありますので、そのメンバーに残っていただいて、基盤強化のための議論をするという中で、事務的に、ハノーバーで実務担当者がやっていた会議の進捗状況をまず確認してもらった上で、改めて来年の8月の総会にしっかりした案を出せるようにということで議論を進めて、できれば、まずは今年の7月上旬にベルギーのイ―ペル(市)で詳細な検討を行うという結論に至りました。

その際、今回の会議での議論の中では次のような点を必ず含めた上で詳細な案を持ち寄ろうということになりました。

1つ目が、今まで広島・長崎両市が負担してきた運営経費というものを、グループごとにまとめてグループ単位でどれくらいの負担をするかということをやる。1つの国ごとで積み上げていくとなかなか大変なので、グループの中でまとめていくということを背景にしながらグループ単位で負担できる額を決めることにしてはどうかということ。

それから、各グループ内で具体的都市がどういうふうに負担するかというときには、一定の負担をするということにしますけれども、そのグループ内で各都市の負担をいくらかでも軽減しようということを考えるのであれば、イベントを開催するとか、それぞれ自分たちの工夫でスポンサーを探すなどさまざまな工夫をして負担軽減するのがいいんじゃないかと。

それからもう1つ問題は、平和市長会議のメンバーを拡大していく上で、今までは費用がかからないからということで増えてきたメンバーに費用がかかりますということを言っていくとすると、負担金が出ない都市をどう扱うかということが直ちに問題になるので、その際は、質、量ともに拡充していくという考え方を踏まえるならば、負担金がたまたま払えないからといって直ちに構成員から排除するっていうことではなく、いろんな工夫をする中で出してもらえるようにする。その際に1つの方法として、構成員としての活動をしていくということに制約を加えることなどして、構成員として維持しながらハンディキャップを与えることで刺激するということも考えられる。こんな点を含めてさらに詳細な案を検討していこうということになりました。

その他、その後に中堅国家構想(MPI)名誉議長であるダグラス・ロウチ氏とお会いして、ここでロウチさんと直接平和市長会議の活動、こんなふうに考えてやっていますということを改めてご説明し、理解していただくとともに、今後の連携協力の可能性を探っていこうという話をしました。

さらに翌日は、核兵器廃絶(国際)キャンペーンのICANという、代表者のティルマン・ラフ氏とお会いして、さまざまな取り組みをされてるという中で、私の平和市長会議の活動についての考え方をご説明し、これからの連携の可能性について協議を行う中で、同氏から、今年の8月に広島で第20回目となる核戦争防止国際医師会議、IPPNW、この世界大会があるんですけれども、それに合わせて自分たちも(ICANの)会議を開催するとのお話がありましたので、しっかりお願いしますということをお話ししました。

まとめはここにあるとおりで、今回の出張を通じて、各国大使あるいは国連関係者、そういう方々と会う、そんな中で、被爆の実相を伝えること、核兵器の非人道性、それをしっかり頭に入れて、その廃絶を願うという広島があるということをしっかりとお伝えできたと思っています。

そして、NPT再検討会議をはじめとして、為政者が本当に広島に来て、いろんな形で思いに直接触れてもらうようにということを言えたんじゃないかなと思っています。

もう1つは、平和市長会議の今後の運営方法に関して、加盟都市としっかり協議する中で、この平和市長会議のあり方、まず加盟都市をしっかり拡大すること、そしてその力をもって国連への働き掛けを行う。これの重要性をあらためて認識してもらうとともに、広がりを持たせるためにNGO、NPO等との連携をやることについて意思統一ができたと思いますし、(平和市長会議の)経費負担、運営費負担の具体論については、今後、経費負担ということは、加盟した都市にとっては重要であるという認識はいただいて、あとは具体的にどう負担するかということですけれども、これについても方向性が確認できましたので、成案に向けてのステップアップが図れたんじゃないかなと思っています。これが出張案件です。

被爆体験伝承者及び被爆体験証言者の募集などについて

市長 もう1つは、被爆体験伝承者と被爆体験証言者の募集です。募集期間は5月15日から6月29日と設定しまして、皆さんに応募いただくということを考えています。

被爆体験伝承者については、ここにありますように(平成)24年度に着手し、(平成)27年度から(被爆体験)伝承者による講話を開始するという目標値を定め、募集した方々への伝承ノウハウといいますか、基礎的な技量を身に付けていただく期間を設ける中で、準備をするということをやるとともに、実際に被爆された方の中で自ら語って行きたいという方もおられるだろうということで、これは少し短めの時間の中で具体的な証言をしていただくように関係者を募集するということを考えております。

これは、いずれも被爆者の方々、高齢化が進む中で、実体験された方々の話を直接語り継ぐということの重要性をしっかりと広島全体で受け止めていくということをやっていきたいなという考えのもとに企画したもので、ぜひ多くの方に参加していただきたいなと思っています。

これを通じて、実際に世界に向けて為政者の方々に広島に来て、広島の実情を認識していただきたいというときに、ここで募った方々が、そういう来られた方々に直接話しかけるという機会をうんとつくっていくことで、被爆の実相を伝えるということが可能になっていくんじゃないかなと思っていますので、どうかよろしくお願いします。以上です。

質疑応答

NPT再検討会議第1回準備委員会への出席等について(帰国報告)

記者 今回ウィーンに行かれて、今ザーッとご説明があったんですけれども、NPT再検討会議の広島への誘致といいますか、開催に向けてのですね、手ごたえ的なものというのは、現地に行かれていろんな方とお話をされて、手ごたえとしてはどのようにお感じですか。

市長 手ごたえですね。こちらの気持ちは伝わったと思うんですけども。物理的と言いますか、今までのNPT再検討会議の流れからするとそう簡単じゃないなという雰囲気ではありました。気持ちはよくわかるということだったと思いますけど。そういう意味では難しいなという感じは受けました。

記者 それは何か具体的なやり取りで、どんなところでそう感じたんですか。

市長 会議そのもののありようの説明をいただくと、実際の開催期間1カ月ですね、多くの国が集まってやっていくし、その多くの国が了解のもとでやる中で、実際はジュネーブとニューヨークの間で行き来してるという過去の実績なんかを見た時に、思いはわかるけど急に広島でっていうようにいくだろうかっていう、誰が主導権を持っているかよくわかんないような状況の中で、気持ちはわかるっていう言い方でしたから、逆に難しいのかなって思います。

記者 追加でもう一点。そうすると、今後のですね広島での開催を目指すっていう松井市長がおっしゃっている取り組みに向けてはどんな戦略でというか、どういうふうにして今後取り組んでいこうとお考えですか。

市長 私自身は広島で為政者の方が集まる会議というのをやりたいということで目指しておりますが、そういう意味ではNPT再検討会議はすごく大きな、しかも長期にわたる会議ですよね。

サブ(スタンス。実態)は別としてロジスティック(人と物の流れ)にですね、ロジの面でですね、広島がそういうものに耐えきれるかどうかっていうこともある程度証明していくっていうか、お見せするっていう中で関係者の了解も得ていかなきゃいかんというふうに思うんですね。

そうすると今度外務省の計らいでNPDIですけども、あれはもっともっと小さな規模でありますしね、期間も短いということですけども、いろんな国際会議の開催実績をね、成功裏に終わらせるというのを見せることで、関係者の納得というか得心する気持ちを高める中で、引き続き為政者の会議を開きたいということを言い続けていくのが、遠いようですけどもある意味では堅実な方法ではないかと思ってます。

記者 署名の件ですけども、現地で直接署名を集めたりとか書いてもらったりされたようですけども、この条約についての署名提出の、こっちの方で手ごたえはいかがですか。

市長 少なくとも、署名していただいた方々については、間違いなく条約締結に向けての具体的な段取りが必要だという認識があるということで正々堂々と書いていただいたと思うんですね。ですけどまだまだそういう議論しながらチェックしなきゃいかんとか、十分な準備ができていないというような国々もまだあるという状況だと思いますので、この準備会合を通じながら再検討会議のときに具体的な対応が一歩でも深まるように、署名していただいたような国が少しでも増えるといいますか、関係者が増えるということを願ってます。

記者 市長が締結を呼びかけられてる核兵器禁止条約に関連してお伺いしたいのですが、各国に向けて呼びかける時に、当然日本の状況も問われる場面が出てくると思うですけど、アメリカから日本に対して課される核抑止力について市長はどんなご意見をお持ちですか。

市長 そこのところについては、私の呼びかけをやっているのは見ていただいてわかりますように、平和市長会議としては、第一義的にお願いするのはやっぱり国連組織なんですよね。そして国連組織を通じてそこでの理解を高めた上で各国にお願いに行くということにしておりまして、平和市長会議がダイレクトに世界中の各国にどうこうしましょうっていうようなことをやるのは少し控えたいなと思っているんです。

というのは各国それぞれいろんな事情がありまして、広島とすれば直接外交、国の外交を担っておりませんから、一途に原子力問題についての一定の考え方を踏まえながら、とりわけ原爆ですね、原爆というのはこの世にあってはならないということを言い続けているまちとしてですね、いろんなところにその主張を展開できると思うんですね。その思いをまず国連レベルで受け止めていただいて、外交の世界の中で一定のルールを作り、各国に働きかけをするということをやっていただきたいと思うんです。

ですから今言われた国対国の関係について、市としてどう思うかということについては、あえて言えばノーコメントですね。そういったことを乗り越えてですね、我々とすれば原爆がないという世界を願っているので、その範囲の中で調整していっていただきたいと願うということをやりたいんですね。そこについてのコメントを差し挟むほどの力量があるというようには思わないんですけれども。そこについてコメントを加える以前のもっと根底的なところで、本当に原爆がない世界を願っているというところを関係者が理解すればおのずと当事者同士でもう少しね議論が進むんじゃないですかということを愚直に言い続けたいと思うんです。

記者 平和市長会議の運営基盤強化のことなんですけども、これを今お聞きすると、地域ごとに分担して、一応加盟都市全体に負担をそれなりに求めるけども、負担金を払えないところ、払わないところは制約をするということだと思うんですけど、市長は実質的な基盤強化と共に加盟都市をまたさらに増やしていきたいという意向もお持ちだと思うんですけど、全部の市から負担金を一応原則求めていくということになると、やはりそこに少しブレーキがかかるんじゃないかなという懸念もあるんですが、その辺どうお考えですか。

市長 まったくそのとおりなんですが、そこをどうバランスするかがね、今回での議論の一番のポイントだったと思うんですね。

地域によっては費用負担を求めないから、どんどんサインしてくださいというような言い方をやっている地域があるということを直接お聞きしました。それをあるときから急に負担を求めますといってもなかなか抵抗が大きいというようなこともありましたんでね。それをどういうタイミングでどういう動機付けでやるかということが重要ですね、というような議論になったと思います。

しかし、私自身のそこでの主張は、この平和市長会議が始まった当座は、せいぜい四、五百の都市が集まって広島・長崎が費用負担しながらやってきてて、その中でどのくらい伸びるか分からないという中でやってきたんだけど、結果それが10倍以上になって、五千を超えた中で、実際に国連組織などを歩いてみて、平和市長会議の会長をやっていますと。そして五千を超える都市が参加してて、その都市の人々の人口を数えると10億で世界の7分の1ということを言うと皆びっくりしっちゃって、すごく値打ちのあるといいますか、意義のある組織だということを認知していただいたと。そんな中で逆にいろんな組織からのアプローチがあって、自分たちと連携して対応してくれないかという申し出を受けるようになっている。

そうすると、加盟している都市が全体の行動とかありように責任を持つということを今からやっていただく時期になったんじゃないでしょうか。その責任を持っていただくという証として費用負担ということをお願いしたいという説明をしたら、それは分かるということでありました。

ですから、その分かっていただいた対応を具体的にどうするかということでやっていきましょうとなったところ、そうは言われても例えばヨーロッパとアジアと南米と北米、違うじゃないかという話があったんで、そうすると全体の皆で負担すべき費用を一応えぐり出した上で、それを大体エリアごとにどれくらいずつ負担するかというぐらいをまず押さえて、そして負担額についてエリアごとで加盟の仕方についてもニュアンスがあったでしょうから、とりあえず全体でこれくらい押さえるけれども、そのエリアの中の各都市がどの(程度)負担するかは、観念的にこれくらい持つと言って本当に出してもらえば出すし、出せないとしてもエリアの中の責任者が代わって出す中でそのグルーピングを壊さないようにするというやり方、そのときにスポンサーを求めてやるとか、いろんな催しものをして、費用をかせぐと、いうのもありますねという話をしたんですね。

そういう工夫をどうするかということも含めて、もう1回、案をちょっと持ち寄りましょうという中でメンバー拡大をしながら、メンバーを減らさない、そしてより一層みんなが参画するための費用集めの具体的方法をもう少ししっかり精緻に組み立てようとなったと思うんです。

だからひょっとすると、費用負担を求めますよという予告期間を多少長めに持って、具体的に徴収するのはもっと後にするというような案も出てくるんじゃないかなという気もしています。

そうしないと、いきなりいくらいくらというのはちょっと抵抗が多いかなという気もしていまして、それを7月以降もう1回きちっと整理するということだと思っています。

記者 特に上から加盟をお願いされる都市からしたらですね、加盟してくださいと、今までは何もなかったからいいですよと返事だけでもトップの判断だけでもできたかもしれませんけども、ついてはこういう負担金を求めるコースとそうじゃないコースと二つあるんですけど、どうですかみたいな話になって、そしたらちょっと考えさせてくれって話になって、だからこう加盟のペースというか、拡大が段々鈍っていくような感じもするんですけど、その辺りとかは。

市長 そこはですね、私自身申し上げたのは、観念的な議論は今申し上げたとおりだといいんですけども、具体的に実額でどれくらいお願いするというのをざっと考えてみてくださいということを申し上げたんです。

五千の加盟都市があって、日本円ですけど、年間皆さんにお願いするトータルの額を二千万円にするか、例えばもっと広島・長崎がしっかり負担して、一千万円にするか、そういったことだってあるんですよと。そうすると例えば一千万円を五千の都市で分けて年間、仮に単純計算して、1都市いくらですかと、大した額じゃないじゃないですかと、それを何か大げさに考えているんじゃないですかと申し上げました。

ですから、負担する総額というのも皆で議論して、参加意識を募るための額というか、どの項目、どういう費用を持つかという議論もしたっていいんですよということも申し上げましたんで、そこまで言うとだいぶ模様が違ってきたという感じであります。

記者 僕は着任したばかりで内容がはっきり分かっていないところもありますが、市長自身は大体総額、どのくらいが適当だと思っていらっしゃるでしょうか。それとその費用を集めた上で、具体的にはこういったことに使いたいということはどういうふうにお考えでしょうか。

市長 今すでに、年間で総会という特別の費用を除くとトータルで二千七、八百万円かかっているんですよ。それは長崎と広島で分担しているんです。マキシマムそれくらいだと思っているんですね。その費用は会議開催に伴ういわゆる諸経費なんですよ。そして、それと共に海外でいろいろ活躍していただいている嘱託の方々の、数名おられて、そういった方々の人件費的なものも出しています。

ですから、それらをどうするかというぐらいの話なんですということを申し上げていまして、それ以上に多額な費用がかかるというイメージはないんですということを言っています。とりあえず、今のところはそういうレベルなんですけどね。

記者 ということは三千万円以内ぐらいを大体考えられている。

市長 もっと低くてもいいと思っていますけどね。要は参加意識を持っていただくことの方が私は重要だということを申し上げております。

記者 今回の会議の出席というのは、市長に就任して初めての本格的な海外での国際会議だと思うんですけども、今回条約ですとか、あとNPT再検討会議の広島への誘致ですとか、結構実現するには道のりが遠いと思うんですけど、まず1回目の会議の出席で最大の収穫があったとすれば、どんなことですか。

市長 少なくとも平和市長会議に関係するメンバーと親しく話せたということですかね。それと国連関係の方々、それからNPOとかいろんな方々、熱心な方々とも十分お話ができたと思いますので、これからの平和行政について外に出て話しかけるためのある意味での踏み台といいますかね、足場づくりにはなったんじゃないかなと思います。

記者 誘致の関係で、改めて確認させてください。いずれにしても、先ほども難しいというご認識を示されましたけれども、いずれ開催地というものが決定されます。2014年までには必ず決定されると思うのですが、それまで誘致活動っていうのは続けていかれるつもりでいらっしゃるでしょうか。というのが、仮に決まった場合でも、誘致というものを訴え続けていかれるつもりでしょうか。次もこの次もっていう。

市長 そうですね。私自身は象徴的な会議だという意識がありますのでね、NPTの再検討会議、まあ、このシステムが続く限りはね、やっぱり広島でやってくださいということは言い続けたいなと思ってます。

当面の目標はもちろん2015年でありますからね、2015年の会議が仮に駄目になったとしても、NPDIは2014年にできるように今、段取りが進んでおりますので、それをむしろ成功裏に終わらせるということで、広島での会議開催の実績を見せて、さらにね、こういった平和に関する会議は広島でやっていただいたほうがいいんじゃないですかということを言うためのプラスの材料にね、しながら、いろんなところにお願いしていこうかなという気持ちになっております。

記者 もう1点、あの先ほどもその成果というものに、今回の外遊の成果に触れられましたけれども、実際に参加してみられてですね、日本政府の今回の準備委員会の中での存在感といいますか、そこらへんはいかが感じていらっしゃいますでしょうか。

市長 日本政府は、慎重にオブザーブ(観察)してるっていうようなニュアンスが強かったかなって感じはしますけどね。ですけど、我々と話す中では当然その被爆国日本という立場でね、原爆の廃止に向けての意思をしっかり世界に向けて出すと。そういう意味では、広島としっかり連携していくということは、言っていただいてますので、この点は間違いないと思いますが。

具体的な外交上のやりとり等となるとですね、いろんな要因があるんでしょう。だから、ある意味では十分にその状況を分析しながらやるという対応をやっぱりやっていたなというふうに思います。

記者 1点だけ確認させてください。ノルウェー及びスリランカ大使に面会して、そして、核兵器禁止条約の交渉開始を求める署名をしていただいたということですけれども、天野大使の署名の要請等はされたのでしょうか。

市長 天野大使とは直接じゃなく、すれ違いになっちゃったかな。すいません。

記者 その日本の軍縮大使の署名は無い、入ってないという…。

市長 うん、うん。だったよね。

平和推進課長 これからもらうようには話はしておりますので。

記者 じゃああの、話もまだしていないという状況ですか。やはり、日本の軍縮大使にもぜひ署名していただけるように、求めていきたいという方針ではあるのでしょうか。

市長 いいんじゃないでしょうか。お願いしますということは、一向に構わないと思うんですが。

被爆体験伝承者及び被爆体験証言者の募集などについて

記者 今回募集を更にされるということで、改めてになりますけど、伝承者に期待されること、一番期待されること、あと、まったく募集には制限がないんですが、予算的なものとか、いろいろキャパとか、だいたいどのくらいの人数を考えていらっしゃるのか、まあ、それとも本当に応募してきた意欲のある人たちはみんな受け入れるのか、どのような方針であるのかという部分も含めて、例えば制限つけると研修にすべて参加が可能な方であるとか何かそういうものをつけられるのかどうかも含めてお願いします。

市長 伝承者の方はですね、思いっていうのは先ほども申し上げましたけれども、実際にその被爆をされて、その自分たちの被爆体験に基づく思いとかですね、自らのその現認したいろいろな状況がありますからね、それを市が持ってるいろんな、被爆を語る資料とともにですね、広島に来てそういう話を聞きたいという方に、きちっと伝えることをやればですね、まさに広島のその原爆に対する思い、恒久平和への思いが共有していただける、強い証言になると思ってますので、それをこの方々が、実際にそういう方々がお歳を召して、おられなくなった後にも、それに近いような話ができる方を、いまから準備しておくということをやっておかなきゃいかんということで、着手するものでありますし、今までそういうことを語っていないけれどもこういう事をやるという中で、思い立って証言した方がいいなと思っておられる方も多分おられるでしょうということもいろんな話の中で、確認してきましたので、自らあの、証言するという方も合わせて、この際もう一回募集するということをやりました。

人数の話ですけども、何百人というようなオーダーで考えているわけでは決してなくて、今、自身でも平和の伝承をしていただくために、平和文化センターで被爆体験の話をしたりしていただいてまして、予算的にもそういった方々の規模を考えて、だいたい30名程度でやってるんですね。ですからそのあたりがだいたい基準かなと思ってます。それをベースに、できるだけ増やしていくということをしたいと思っています。

記者 それ以上来た場合には、じゃあ少し審査という、そういうことに…。

市長 人数と関係なく審査みたいなことは、もちろんやります。その思いと、実際にその語りかけをされて、3年間くらいの助走期間を作りますから、今語っている方が、その方とこういろいろチーム組んで伝承できるかどうかをやる中で、向き不向きもあるかもわかりませんから、その中での3年間通じての審査になると思います。

ですからその人数が少ないから無審査、多いからっていうんじゃなくて、実質的に伝承できる方をきちっと探していくということをやりながら、人数があまり多くなったときには、30を中心にしながら、どの程度増やせるかっていうことを考えて予算措置していくということにしようと思ってます。

記者 応募資格の制限はないんですけれども、だいたいどのくらいの方を想定されている、つまりすごく若い学生さんとか、そういった方ってのもいらしたりするのかと思ったりしたんですけれども、そういった若い人でも大歓迎であるとかいうことと、実際選ぶ作業に最終的に市長、松井市長は何か関わることは、直接的に選ぶっていう作業はあるのでしょうか。

市長 私自身が直接こう見るっていうのはあまりないようにしたいんです。実際今、被爆の伝承されてる方々がこうチーム組んでやりとりをするなかで、的確だなっていう方を選んでいただくようにしたいと思っています。

それで、何歳からとかいうのはですね、これから10年たった時に、今平均年齢が77でしょ。そうすると(10年後の平均年齢は)87ですね。もう10年、20年たつと97とかに。ですけど、私自身この広島が、この平和への思いをその共有する町であるというこの期間はね、50年、100年あっていいと思ってるんです。

そうするといずれかの時点でですね、語る方だってそれぞれ自分の寿命が来て亡くなっていくわけですから、その時に必ず何歳以上でなければならないという、資格要件はいらないと思うので、今回だって伝承者の中で年齢関係なく、今伝承されてる方が、これならいいなと思う方がおればですね、どなたでもという気持ちでやっていきたいと思っています。

記者 改めてこの事業についてですね、どういう方にどういう気持ちでこう参加してほしいかっていう呼びかけをお願いします。

市長 どういう方に?イメージ?

記者 こんな人にぜひっていうような。

市長 まず自分自身の気持ちとして、原爆がこの世にあってはならないってことをアプリオリ(まず最初)に思っている方が、多分一番しっかりした人になると思うんですね。

そして、自分(伝承者)自身は被爆するという体験(をしたこと)がどんどんなくなる方(になっていく)でしょうけども、被爆し、被爆を体験された方の思いをきちっと受け止めて、かつそれを第三者に伝えるときに、その思いをある意味で相手を見ながらね、上手く伝えられるような力量のある方っていうことになるかと思いますね。

だから、もともとの自分の気持ちと、そのいただいた情報をうまく調整して、第三者に伝えられるような資質のある方が望ましいと思います。そんなところですね。気持ちと資質かな、その辺のバランスのとれた方が望ましいと思います。

※ ( )は注釈を加えたものです。

動画は下記からご覧ください。

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