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ページ番号:0000012935更新日:2019年10月21日更新印刷ページ表示

2012年4月09日記者会見「震災がれき処理の受け入れについて外1件」

動画は下記からご覧ください。

(「広島市動画チャンネル(市長記者会見)」のページへジャンプします)<外部リンク>

市政記者クラブからの代表質問

がれきの受け入れについて

記者 がれきの受け入れに関しまして、政府の受け入れ要請への回答期限が6日になっていたんですが、現段階での検討状況と、検討状況に対する市長の考えをお聞かせください。

市長 がれきにつきましては、6日付けで国の方に回答させていただいています。回答文面の中で国からご要請のあった件につきましては、本市として、復旧から復興に向けての重要な課題であると認識していることを述べて、取り組みの必要性をまず最初に持ち上げております。

そのうえで、そういった事を、市議会からも要請を受けているということをご紹介します。ただ、市議会の場合は、科学的な知見によって放射能の影響を検証して、放射線の測定など、十分な体制を整えることを条件として、という一定の条件を付けたうえでありますが、受け入れ表明をするようにという要請があった。というのが、しっかりとした対応をしたいという気持ちのほうがあるわけであります。

ただ一方、受け入れる際に放射性物質への不安の払拭という事は、必ずしも納得できるような状況にはなってないということ、そのために、実際の手続きとしては、県の方と国とで意見交換をしていただいていると、その中身もその放射性物質の処理基準や処理の安全性を明確に示すということ、そして、住民の理解、信頼を得るという手順についての意見交換を行っていますので、いろんな要請を進める上で、県・市一体でということで申しておりますので、本市として、県と国との意見交換の結果というものをまず待った上で、検討と。それで結果をふまえて最終的にどう考えるかということになれば、被災地の復興支援の重要性ということと、もう一つは市民の安全確保の必要性、この重要性、必要性をどういうふうに考慮しながらその対応策をやっていくかということで、考えております。

そういった事を申し述べておりまして、今、国に返した回答どおりの検討状況ということであります。

記者 県と国との検討状況というのもあると思うんですけれども、例えば広島市として、例えば放射線の基準の問題ですとか、あと一方で国が出してくるような基準でも、市民というより国民とかが、当初と比べて基準が甘くなっているとかいろいろな意見がありますけれども、被災地の支援のために、がれきの受け入れは必要だという二つ両方の意見があると思うんですけれども、それについて、市長ご自身の考えはいかがでしょうか。

市長 私自身というか、まさに市の今の対応状況に端的に表れているんですけれども、ある意味では片方はその復興支援の必要性という、市が今までいろんな意味で、いろんな方から受けた思いへの恩返しと言いますか、そういった視点での取り組みと、今回放射線物質というものが絡んでいるということで、それについての不安払拭の基準なり、それを取り除くという作業、これをどうバランスをとるかということだと思うんですね。バランスをとるためにはやっぱり、その疑問を呈している方に対してのそういった対応を。指針は、今国や県でやっていただいているレベルで基本的なところの安心感、みなさんがそうだなと言われるような状況を作っていただくということをやっていただけないかと。

そうすれば、その状況を踏まえて直ちにでも対応するという気持ちはあるわけです。そしてその範囲で、結局がれきの受け入れっていうのは、市内のいろんなゴミを受け入れるという問題、一般的に起こっていることと共通の部分があるわけですね。その受け入れたゴミをどこに埋めるかという問題があります。そうすると、その受け入れるときに仮に、その放射能物質があればですよ、無ければ全然問題なくいくでしょう。あれば、それをどういった形でみなさんが安全、安心だと言えるような状況にしたうえで受け入れるかということを示さなければいけない。

その基準については、他の放射線物質について特定の地域固有の基準があるというものではないと思っているんです。国がいろんな視点から見て、この基準ならばいいだろうというようなものを提示していただいて、それに沿うような措置を講ずるということと1セットでやっていくべき筋合いだと思うんですね。そのための準備はしております。しかし、そこのポイントの部分を公に示していただくということをやっていただかないと、いけないんじゃないかなと思っております。

記者 ご準備されているということは、放射性物質の問題がクリアされれば、すでに例えば候補とか、このあたりでこう処理するというイメージはお持ちなのでしょうか。

市長 もちろん既存のゴミ処理施設はありますから、そういったところをフルに点検して、どういうふうに活用するかということは、できますから。頭の中に入れといてくれというか、事務的にはいろんなことで検証しております。

記者 国と県の意見交換を注視されているということなのですが、広島市というのは、全国の中でも、場合によっては世界のなかでも放射線に関しては、非常に知見が集まっている、知識をもっている。学者の方もそうですけど、研究機関もあります。そういう意味では、むしろ広島市はそういったものを積極的にどういう基準というものを持てばいいのかということを逆に広島市から発信できるという機会もあるかと思うのですが、これに関してはどのように思われますか。

市長 まあ、あの今言われたその考え方は、多くの方が感じておられる部分ではないかと思うのですが、私自身も決して科学者ではないので、詳しくは言いませんけれども、一方ではこのような話を聞いたこともあります。つまりは一過性のものを、大量な放射線物質を、ある一時点で浴びて、その後の対応、いろんな治療とかを検証することについてどうなったかという追跡をとっては確かに広島は実績を誇っていると。

さりながら、継続してその放射線物質を浴び続けるというか、そういったことについての知見が必ずしもあるわけではないということを聞いております。

そうすると、今回の福島に絡んで起こった事件、その放射線物質をもし、そのまま受け入れたとすると、それは継続的に放射能を浴びるという事態が起こるわけです。それについて、広島は今、知見があるかというと、多分それについては無いというのが正解じゃないかと思う。

ですから、放射能だから何でもかんでも広島が知っているということではないということを少し頭に入れておかないと、今回の事態の対応もうまくいかないのではないかなと思います。

記者 先ほどの質問に関連してなんですけれども、そのための準備はしているっていうことを具体的に聞きたいのですが、現場サイドにどういう既存の施設でどれくらい処理するのかというのは市長から指示を出されたという理解でよろしいのでしょうか。

市長 いや、担当部局が既存の施設の管理状況を把握しておりますから、どのくらいの受け入れの余裕があるかとか、こういったものを受け入れたときに、どのような処理が必要なのかということは、本庁内ではやってもらっています。まだ具体的に出先にどうしろってことは言ってないはずですけど。

記者 それと、あと最初に出されようとしていた国への回答の中では、県との協議を、国と県との対応を待って、県と協議をしながら進めていくというような話だったと思うのですが、ちょっと修正を加えられて、県と協議をしながらというのを外れたと思うのですが、これは国と県の意見交換の結果を待って広島市独自にやっぱりその、県がどうこうではなく、広島市独自として、このがれき処理については考えていくという考えでよろしいでしょうか。

市長 6日の国に回答する文面のでき具合の話だと思うのですが、私自身がみなさんに向かって話をしたことと、事務的に整理してくれた文章のニュアンスがちょっと異なっていたというか、ずれている文面があったので修正したので、実質的な中身の大幅修正があるわけではないんですね。国に対して意見を出すときに、自分たちがどういう手続きをしてますということを説明するような話は、国としても求めてはいないのではないか。

むしろ市としてどんな心構えで、どう考えているかということを素直に言えばいいのではないか。手続きは手続きとしてやるのは当たり前、だってですよ、国と県、市一体でやっているわけですから、そこで、自分たちこんな中で仲良くやってますよというのを答えるよりか、何か起こった時にどう展開するかという心構えでいますというものを、しっかり答えるべきではないかというふうにして直したつもりなんです。ですから、国との協議が整って、結果いただければ、当然また県と協議したうえでやるのは当たり前だと思っています。

記者 広島・長崎では、被爆者との方々との関係も含めて、密接にあると思いますが、先に長崎との被爆者代表団体との受け入れの反対、広島でも一部の団体が議決をして反対、今の現状では反対、議決こそしてないものの、被爆者の多くの方々は、低線量被曝が不透明、わからないと言われていままでいろんな認定から却下されている。そういう認識があるから、今はわからない以上受け入れられないという方々もたくさんいると思います。行政としては、そういった被爆者の方々の意見について、どのように感じ、どう受け止めていらっしゃいますか。

市長 受け止めはまさに放射性物質の持続的な放射性物質を浴び続けることについての、安全についての不安が払拭されていないということを、そのとおりおっしゃっているというふうに思っています。そのうえで、ある団体の方は、それだから受け入れないという結論を示すとなってるし、片方はそういう状況だからむしろ、国においてそういった点を整理してくれと。こういうような状況かと思うんですね。

市の立場をあえて申せば、今申し上げた後者の方に近い立場でこの受入れの要請、重要性と放射性物質についての安全性の市民、国民への不安払拭の必要性、これをどうバランスをとるかということで考えているといいますか、繰り返しになりますけれども、不安についての問題について同じように考えておられて、対応については、先ほど話した後者に近い対応を市はしていると自分は認識しています。

市長就任1年を迎えた成果などについて

記者 では二つ目の質問をさせていただきます。松井市長が就任されて間もなく1年になりますけれども、これまでの市政運営で市長ご自身が成果を上げられたなとお感じになっているところと、逆にここが少し進んでいないな、取り組みが不十分だったなとお感じになっているところをお聞かせください。

市長 率直に申し上げて、いろんな意味で取り組みはしっかりやってきたということなんですね。その取り組みの、何と言いますか、その出来具合、それがどういう状況かということだということはお答えしたいと思います。ただ、本当を申せばどういう成果とか、結果かということについては自分なりに思いますに、成績表みたいなものですからね、任期4年終わるときに、まとめてやっていただいた方がいいし、自分もそうしたいと。途中経過で多少良かったり悪かったりしますし、その度にどうこう言うのもなんとなく納得しがたいので、本当はもう少し先送りしたいところです。

それだとお話にならないからということで、途中だから感想ということで申し上げますと、こだわっておりましたのは選挙のときからも言っておりますが、どういうことをやるかという中身はさまざまあるんですけど、それ以上に一番こだわったのはその、仕事の進め方だということを申し上げてきました。

で、そういう意味では、仕事の進め方について初志貫徹できているなと思っています。貫徹しているということはまだ完成してるというわけではないですけど、貫いているということで、ご理解いただきたいと思います。

やり方については対話してビジョンを作って実行すると、これを貫くということを申し上げてきました。対話についてですけれども、市民とのいろんな話し合いをするということ、そして近隣市町ともお話をするということを、それらの一応仕掛けが車座談義であるとか、まち起こし協議会という形で、一応形を作っていただきましたので、それらを着実にやるし、さまざまな場面を通じて自分の思いと市民の方の思いをできれば共有、それに至る以前として意思の疎通をしっかり図るということをやり続けるということをやっていきたいと思います。

それをやり続けるということが大事なんですね。そしてそういう形で把握した思いを市政に投影しなければ意味がありません。それでその手続きで出てきたものをビジョンという形で作り上げるわけでありますが、その仕事の方向につきまして二つほど少し前進したと。すなわちビジョン作りをやっていく上では、本庁でのビジョンづくりと、私は出先である区役所におけるビジョンづくりというのも欠かせないと思いました。

そして本庁でのビジョンづくりに関しては、自分なりが受けた市民からの意見、あるいは職員もそういう形でやってくれますので、そういったご意見をいただきながら、やってる仕事の恒常的なチェックということをやる、ということであって初めていろんな意見が反映されて物事が展開されると。そして新しいビジョンも展開できる。そういう意味で事務・事業の見直しというのを以前の市政で外在化させておりました。外でやると言っていた、職員の業務ラインに戻すということをやりました。

したがってこの事務・事業の見直しの組織を内在化させることで、恒常的に思いを吸収して、職員自身が常にその市民との対話の成果を生かすような仕事のやり方ができるようになった。この成果を挙げていいかどうか先ほど申し上げた4年間を見ていかなければいけません。

それからもう一つはルーティーンワークに近いようなこと、それから市町の活性化というような仕事については、その区役所レベルで、やはり日頃のその対話の中でいろんな意見を聞いてやるということをやりたいと。そのために象徴的には地域起こし推進課という形で窓口を設けました。そこが中心となって、区役所レベルでも日頃の対話の成果を生かして、仕事を展開するという状況はできました。あとは次の「対話、ビジョン、実行」の実行の年、それが今年から入るわけでありますが、それをしっかりやっていくということになったかなと思っています。

記者 今4年間のスパンでというお話があった中で恐縮なんですが、2月の(当初予算の記者会見)と内容がちょっと重複するかもしれないんですが、今すでに2カ月たっている中で、区役所機能とかを変えて市民との対話を重ねてきた結果、市長の耳まで届いてるか分からないんですが、新しく対話としてこういう成果が生まれている、こういうような何か新しい検討状況が生まれているというような、何か成果があったら教えていただけますか。

市長 まだそこまでは。この組織は4月ですからね。今申し上げたこれはまだ立ち上げたばかりで職員も異動したりして動き始めましたから、もう少し待っていただけないでしょうか。ただ、全体の雰囲気として、皆が意見を言う、責任をもって意見を言うということですけども、アイデアを出しづらかったというか出さなくてもいいような風潮から、出さねばならない、出した方がいいという雰囲気になってきたじゃないかというようなことをちらちらとは聞きますので、多少なりとも自分の思いが少しずつ届いてるんじゃないかなと思っています。

その他の質問

平和行政という点での成果と気づきについて

記者 被爆地の市長としての初めの1年間についても振り返っていただきたいんですが、平和行政という点での自己評価と言いますか、成果と気付かれたことは。

市長 平和行政については、あの、今までの歴代の市長さんの取り組みの中で、やはりその継続し引き継いでいくっていうか、そういうべきものはしっかり引き継ぐということを、自分としてはこれはやはり貫いたつもりであります。そんな中で象徴的なのは平和市長会議の構成員の拡大、そしてできれば拡充をやっていきたいという方向性を今貫いています。メンバーの都市は着実に今増えてきておりまして、最近では5,200台になったはずですね。

それで、外国なんかでこういう話をするときにはやっぱり一番わかりやすい話を申し上げると、地球の人口規模70億おられますでしょ。そして都市の数が5,000を超えてきましたので、その都市の住民の方を数え上げると10憶ですと。すると地球上の、あの人間の数、人口の7分の1がメンバーに入っておられる、そういう会議の中で核兵器廃絶と恒久平和を願うという形でみんな賛同いただいてるという話をすると、一様に皆さん感心していただけます。

ですからそのいわゆる国家とかっていう行政統治システムを抜きに、本当に市民レベル、国民一人一人がそういったものを願ってるということを訴える時に非常に効果的な会議かなと思っています。私はこれはもっともっとこの会議の輪を広げていきたいということと、それからいろんな取り組みをするときに、もっと皆さんの思いを、しっかりと広げていくためにということで、地域ごとに、あるいは全体でいろんな取り組みをするということをしっかりしたものにするための費用負担のあり方、この会議の運用について、長崎・広島だけで持つんではなくて参加していただいた多くの国も自分たちの責任をこう自覚しながらやっていただく、という体制にしていくということを去年は訴えましたし、これからはそれを実現するために具体的な協議に入るという予定でいます。

そういう意味でこれもやはり広島として核兵器廃絶と恒久平和を世界に訴えていくための重要なツールを、ツールとして生かし続けると、それとともにあと市内にあるいろんなその被爆の実相を皆さんに見ていただけるようなものをきちっと維持する、そして伝承と言いますかね、被爆を体験された方々の気持ちを、訪れた方々、あるいは世界にいる方に伝えられるような、そういう伝承ができるような体制作りに力を入れていくということを、これもやり続ける、やり続けたいと思っています。

記者 今のお話で言うと、その迎える平和というのをあの維持されるというように考えて。

市長 はい、ええ、そうですね。

記者 語り部の継承であるとかという新しいことも始められますけれども、今後のその活動の軸となるのはどこら辺に重きをおいて、あの平和行政を展開されていかれるんでしょうか。後継者だけというのは被爆者が高齢化している中での取り組みだと思うんですけれども。

市長 おっしゃるとおり。これはよく言われるんですけど、実際に被爆された方々の平均年齢がね77ということですから、あと3年もすれば80歳ですね。そうするといろんな思いがあってもだんだん歳を取ってくると、その方々の活動も制約を受けるし、そして人数も少なくなるということもありますから、ぜひともそういったその直接の経験者の話とかいうものを一定程度伝えられるような方を養成するということもやっていくと。

それと同時にいろんな資料群、それにまつわる資料もきちっとやはり市としてあの保存するというか、活用できるようにするということをやりたい。それだけではやはり広島の思いを世界に伝えられませんから、一つだけじゃなくて私は両面、両正面作戦だというふうに思っています。

つまり平和市長会議のようなものを通じて世界に広げるための手段を確保しながら、内にあって被爆についてのその経験を伝承するような対応、そしてその被爆の被災、物ですかね、平和記念資料館の施設の維持等も同時にやるということをやりたいと思うんですね。内外一緒です。内と外について市内におけるそういった施設の整備、伝承者の対応、そして外に向けてのその平和市長会議を中心とした思いを共有していただくための場を作るといいますかね、同時進行でやっていきたいと思っています。

記者 その、外に対する訴えなんですけれども、従来どおり2020年までの核兵器廃絶という目標を掲げておられますけれども、達成するにはもう少し明確な、例えばプロセスを提言するとか、被爆地の市長としての発信力というのは結構大きなものがあると思うんですが、今おっしゃっておられるのは原体験を大事にするということが大前提だと聞こえるんですけれども、どういう働きかけをされるようなお考えがあるんですか。

市長 あの、働きかけの分については今申し上げませんでしたけれども、内容的に2020ビジョンの展開ということをやるのが今の平和市長会議の主目的ですからね、これをしっかりしたものにするということ、そのものだと思っています。ですから、条約締結に向けて、その世界の多くの人たちが協賛し、それに即応した対応をそれぞれの地域全体でやっていただけるというように思っています。

記者 条約というのは核兵器。

市長 はい、核兵器廃絶を作らない、利用しない、ですね。そういった条約締結に向けて2020ビジョンは動いておりますので、それに向けた対応をしっかりしていくということで。今までの路線と言いますか考え方を深めていくということでいいんじゃないかなと思っています。

記者 先ほどの質問にも関係するんですが、「迎える平和」この点については具体的に、市長として見えてきた部分、こういう方向性だなとか、具体に次の実行の年、どんなことがある、どんなことができ得る、その辺を構想といいますかね・・

市長 「迎える平和」は、私が来たから急に立ち上がるというものじゃなくて、自分の気持ちは、今までも世界の為政者、いろんな意味で外交面で核兵器廃絶に影響力のある方、平和についての思いを寄せている方々に広島市に来ていただいています。そういった方々にしっかり思いを伝えるということに力を入れていきたいということを言っているに過ぎない。

そしてできれば、そういったことに関係する国際会議、そういうものを広島で開催するということもやり続ける、お願いするということをやっています。

だからこれを引き続きやっていきたいということなんです。

迎えると強調しましたのは、前の市政でそういった思いを伝えるために、市長自らが出かけていって、ある意味で行脚をしながら世界の方々にいろんな思いを伝えるということに相当力を入れておられたと受け止めたものですから、自分とすれば、そういった形で一応呼び掛けはもうしたんだから、今度は来ていただいた方々にしっかりとした広島の思いを伝えることに重点を置いてやった方がいいというぐらいの意味合いですね。

そしてそれの象徴としてNPTの再検討会議辺りを広島で開くということを掲げて国にもちゃんとお願いすると、アピールすると、そういった中で国際的な会議を広島でしっかり開けるとあるいは開くということをやっていけるようにしたいと思っています。

記者 この辺りも、NPT会議そのものが誘致できれば、それは・・・

市長 それに越したことはありません。

記者 それに代わる国際会議なり、何かこの次の年に、この1年こういう取り組みをとか、こういうものを念頭に置いてというのは何かございませんか。

市長 念頭にはないんですけども、外務省にお願いするときにも、第一義的にはNPTの再検討会議といっていますけども、いろいろ難しい状況もあると聞いていますから、その場合でも、いわゆる国際会議といいますか、そういった平和に通ずる国際会議を広島でやりたいという気持ちはずっと持っていますということを合わせて申し上げています。

だから、その会議がどんなものになるかについては、今具体的に了知していない部分があるのですけど、思いを伝える中でやはり外務省とも調整していきたいと思っています。

記者 そういう意味で会議はもちろんなんですが、まず来てもらうということが「迎える平和」の前提だと思うんですが、そういう意味では会議以外の部分ですね、広島に来てもらうということについては何か。

市長 これはそういう意味では、元々、市が外務省にもお願いしているでしょう、それからJICA(ジャイカ)とか国際的な会議、それからユニタールとか国連とかにもお願いしますから、日本に訪れてそういう平和についての関心あるいはいろんな意味での役割を持っている方については、政府からその都度、広島訪問をということを言っていただいています。

国会の方も国会議員、衆議院、参議院、各国のそれぞれ議会の議長さんとか有力な政治家の方、頻繁に訪れていただいています。そういう機会をつかまえて可能な限り直接私も話をして、ヒロシマの思い核兵器廃絶、恒久平和ということを直接語りかけるようにしていますし、これからもしっかりやっていきたいと思っています。

暮らしやすさのための基盤整備の成果について

記者 市長は昨年、所信表明の中で、暮らしやすさというものをワークライフバランスの暮らしやすさというものを目標にするとおっしゃられたと思うんですけども、4年間というスパンで振り返るとおっしゃったんですが、待機児童の問題も含めて、市民が暮らしやすさを実感するために、基盤整備というのはどれくらいこの1年間でできたのかなと、市長としては考えられていらっしゃるのか、その辺を確認したいんですけども。

市長 整備ね。個々の具体策がどれほど成就できたかというのは、そういう点から言うと、必ずしもできておりません。なぜかと申しますと、23年度は、6月からと、私自身の思いをやった補正は少しいたしておりますけども、基本的な対策についての業務運営について自らが立案したものではなかったということがまずあります。

ですから、それら前市政の基本的な枠組みを聴取しながら運用面で自分の思い、ワークライフバランスに少し重点を置いた運営に手を染めたというぐらいの認識でありますから、言われた点で成果がいっぱいあったかというと、そんなにあるものではないと思っています。

しかし、自分の方向性をいろんな意味で打ち出しましたので、市民には一定の方向性を感じていただいたということだし、早急にはそれ以上に仕事への取り組みについての方針は相当徹底してきたと実感しています。

そして24年度の予算で自分なりに少し手を掛けましたので、市民生活、仕事とそれ以外の生活のバランスが取れる対応策についての取組方策、そのための枠組みは少しできたと、それを実現するのはやはりそれぞれの地域ごとにいろんな問題がありますから、その問題を少しずつ解決するという結論が出たとき初めて成果が出たということになると思うので、これと同じような会見があるとすれば、来年4月くらいに、もう1回言っていただくと、そのときはいくらかこういうのができましたという話が今以上には言えると思っています。

都市機能強化の成果について

記者 それと先ほどの質問に関連するんですけど、「迎える平和」ということでいうと、広島自体を魅力あるまちにして、いわゆる都市機能の強化ということも必要になってくると思うんですけど、それも4年間のスパンになってくると思うんですけども、そういう点でいうとこの1年間というのは、どれぐらい外部からのお客さんを迎える上での広島の都市機能の強化というのができたのかなと思っていらっしゃいますか。

市長 都市機能の強化ですか。そうですね、特定の目的のための強化ということは、その成果からすると、絶対ないかもしれませんけども、自分なりに方向性はある意味で出してきたし、出しつつあると思うんですね。端的な例は、「ゴミ、花、自転車」なんていう言い方をさせていただいていますけど、まずもって迎えるというときに、このまちのゆとり、豊かさ、居心地の良さということを皆さんに実感していただくために、ゴミがないという方向でいろんな部局が取り組むということをやるし、それから花というのは象徴的でありますけども、見た目、香りも含めてですよ、市内の至る所に美しい心和む風景が実現できるような方策も考える。そして、時期とすれば、フラワーフェスティバル、正に花のフェスティバル、花の祭りということを言ってますからね、名前に負けないような花が本当にあふれるような季節感ある祭りにするということも手掛けていきたい。

自転車については、来た方々がもちろん市内の公共交通、あるいはプライベートでタクシーなどを使って、交通費をしっかり払いながら市内を移動される方もありましょうし、そうでない方々等考えれば、利便性に富んだ自転車の利用というのも流すということもしていきたい。

そして既存の運行システム、さまざまなものを試行的にやっていますけども、もう少し早く検証して、しっかりした制度群に組み直すということと、交通ルールを守って市内の環境群もその自転車通行に即したものに変えていくということをやろうと、そんな方針を出していますので、今年度それが間違いなく一歩二歩進むと思っています。

ただ、とりわけ施設群については、計画をしていろんな実施計画を作ってもハードですから、普通の工事を考えれば、1年ですぐできるものではなくて、少なくとも2、3年掛かるというようなタイムスパンは頭に入れておく必要があると思っています。その方向に向けて動き出すという年になると、自分としては信じています。

市長の退職金の削減について

記者 就任1年を迎えたということで、改めて市長が市長選で掲げた公約について、もう1回見直してみたんですけど、近隣市町との連携や経済交流の振興ですとか、基盤整備とか徐々に形しているというか、方向性を出して進んでいくというのはあるのかなと思うんですけど、行革の方なんですけど、推進の方で、退職金の削減ですとか、職員の給料、市議会の定数、報酬の切り込みというのがあったと思うんですけど、その辺りについてはなかなかどういうふうに今後進んでいくのかということもよく見えないような形が続いているのかなと思うんですけども、まず退職金の削減というのは、いつごろまでにどういうふうにやるというのは、決められていないんですか。

市長 退職金をどういう形にするかというのは、任期のぎりぎりというのは、いろいろ問題があるようなので、少なくとも1年前くらいには処理すればいいいという気構えでいます。これから2年ですから、3年目にはきちっと方向を出したいと思っています。

そうすれば、直前にやるというのは選挙対策用にやったりするというふうに受け止られるので、時間的余裕を持ってやらなくてはいかんというのを1番最初に市長になったときに聞きましたので、それは3年目ぐらいに、まあ1年あればいいでしょうと、こういうふうに聞いていますから、そこまで置いています。

あとどれくらいもらうかを勝負すればいいわけですね。

それからそのほかについては、自分の思いとそれからそこで実際に、議会の方もそうですけど、行政客体といいますか、市民に対して展開する行政とそれらを実施する部隊としての皆さんの処遇の問題ですから、バランスを取る必要がある。

しかし、皆さんにいろんな意味で抜本的な改革とか、見直しをお願いするときに、それら市政を担っている人間も共通の基盤で思いを持っていただきたいという意味で私は行革だと位置付けているわけでありまして、この行革をやることで、これから展開しなくてはいかん市政についての財源が潤沢に確保できるという類のものではないと思っています。ですからある意味で申しましたように、市政を担っていく上での覚悟をどういう形で示すかというのが本質的な問題。

そして、その覚悟を示すときにも、それ担っているのは同じように市民という性格もありますから、そうするとそういった方々が今までどういうルールでそういうものを決められてきたかという既存のそういったものを決定する仕組みもある程度尊重していくということもやりながらというのが自分の基本姿勢であります。

ですから、切り込みとかいう言葉で示しましたけど、そういった問題提起をして、それぞれの権限のあるところで考えていただくということを訴えたくてやっています。ですから、その権限の及ぶ範囲については、可及的速やかにということで自分自身の身の回りを整理しました。

そして、職員の賃金とか、労働条件も関係してきますけども、今市の職員については、人事委員会の勧告制度というのもありますから、給与水準については、こちらの方でどういうふうに判断していくかということを見ていきたいと思っていますし、より一段の切り込みをやったというのは、国会レベルでは人事院制度を超えて2年間の暫定措置といいますか、そういうものを立法府で法律できめてやるということをやりました。

ですから、その中でもちゃんと法律で書いてありまして、やはり地方の自主性とか考慮ということをやっています。ですから、国政レベルにおいても、やる方向性とそれぞれの権限、自主性というものを踏まえて提起するということをやっている証だと思っていまして、それと同種のことをやはり市政でもやっていかなくてはいかん。とりわけ、議会については方向性は市で見せながら、こういう考え方をよく咀嚼(そしゃく)して、議会対応してくださいということは申し付けたいと思っています。

ですから、強権的にどうこうするということはやはり議会の自主性を阻害するようなことになるようであれば、そこは控えたいと。

実際、市議会の方々も市民から選ばれて、良識ある府として構成されていると信じておりますので、その部分も尊重しながらやるということであります。

そんな中での現状でありますから、自分とすれば、選挙のときに掲げた方向性は一切変わっていない。ただ、進捗状況に応じてという、お話であれば、それぞれの所管、権限、それらにも配慮しながらやっている結果がこういうことだとご了解いただきたいと思います。

記者 おっしゃるとおりだと思います。行革というのは何であるか、厳しい財政で立ち向かう覚悟を示しているんだと思うんですけども、退職金の削減についても、そういうふうにおっしゃられたと思うんですよ。減らしたからといって、それが財政的に効果を生むものではない、覚悟なんだと、そういう意味であれば、多くの市長さんも全国で退職金を削減されていますけども、大体最初の議会に出されて削減している。覚悟であるならば、早く出す、早く出して、その覚悟を示すというのが筋ではないかと思うんですけど、それはどうなんでしょうか。

市長 それは一つのご意見でありましてね、それはパフォーマンスとしてかっこいいかもわかりません。ゼロ円にしますからと。しかしながら、私だって、しっかり市政をやるということで削るということは申し上げているんで、私はその範囲で十分覚悟は伝わっているんじゃないかなと思うんですね。

そこで市長さんが退職金をゼロにしないから、市政がおかしくなるんだとかいうことはないと思うんですよね。いくらにするということを出せば、それ自身、議論の対象になって面白いかもわかりませんけども、私自身は身を削る覚悟で市政を担うということで十分メッセージは伝わっていると思っています。その額を示さないと足りないというご意見もあろうかと思いますが、それについてあえて反論するような話ではないと思っていまして、全然示していないんだったら、どうしましょうかという議論になると思うんですけども。しかもそれを最初に示さなければ、意味がないというのもまた、言いすぎじゃないかなと思うんですけど、どうでしょうか。

記者 早めというか、あまり遅く出しても、覚悟っていうのは、相手に、皆さんに理解してもらうという意味もあると思うので、そういう意味では早めに覚悟してもらうというのは大きいのかなと思うんですよね。

それともうひとつは、給与の方は5%削減されましたよね。むしろ退職金の方を先に、公約で言っていた方を先にして給与はその後にするとかですね、すると分かるんですけれども、順番的にも、言っていたことは後回しにして、違うことから、給与を削ることをして、なんかよく分からないような気もするんですけれども。

市長 よく分からないというご説明はよく分かります。が、退職金というもの、給与というものについての理解の仕方だと私は思っています。自分はずっと労働行政やってきて、賃金、退職金というものの性格を理解しています。

賃金というのは日々の自分たちの働きに応じてどういう対価を得ながら働いていくかということでありまして、それを就職してすぐに起こってくるものであります。退職金というのは、今の整理ですと、何年間か努めてご苦労様でしたと、よく貢献していただいたということを反映するものだと理解しているわけです。

そしてどれくらい働くかといったときに、働いた成果に応じてどう出すかというのが計量化されて、在職期間の何か月分という形で形式的に整理されてますけど、本質的なものは在職期間における働きに応じてどれくらいにするかというのが本来の退職金の性格、という認識なんです。

退職金をもらわないでも汗かいてやるという示し方もあるかも分かりませんが、私自身は一定程度もらうとしたとしても、少なくとも今までもらう分よりも水準は下げるということをすでに申し上げているわけですから、額を言わないと納得いかないと言われている方の意識がよく分からないんですよ。

自分たちの生活に即して退職金っていうのは給与よりか相当たくさん出るから、そこを削るといった方が効果があるからと、それぐらいの意味しかないんじゃないでしょうか。それがないから方向性がぐらついているということはないと思います。

言ったことを守るということを見ていただければ、我々の場合は選挙という試練があるわけですから、その次のところで、トータル4年間のなかで見ていただいて評価いただくということをやればいいんであって、マスコミの記事に即応するためにどの時点でどれを出さなきゃいけないかってことは、自分としてはやる必要はないと思っています。やることはやります。

議会改革について

記者 議会に対するというか、あれなんですが、議会改革推進会議でいろいろ議会改革が話し合われていたんですけれども、議員報酬は据え置きということになり、なおかつ議会棟の喫煙所の問題などもあって、会議で決めたことと議会の最終的な判断が食い違ったりして、議会改革推進会議自体が、なかなか次にいつ開くかということも見えなくなって来たような状況に今なっていまして、市長はずっと議会の良識にお任せすると、先ほども言われていましたけれども独立しているのである程度自主性というものがあるということでしたけれども、一方で、以前会見でもお互いにフレームワークはあるけれどもどうしても動かないということがあったときには、言っていかないといけないと言われたと思うんですけれども、それは今もずっと変わりなくあるんですか。

市長 それは、私は良識ある府だと思ってますので、まだ信じています。

藤村さんはもう信じてないということかも知れませんけれど、そもそも選挙で選ばれて、同じような任期の中で皆さん対応されてますから、市民の目線でチェックしてそういったことを怠ってはいけないよというメッセージを発せられる立場としては至極当然の対応をされていると思いますが、私自身は共に市政を担う立場として、市民からの信頼を得ながらやっていくということは当然皆さん頭にあると思いますので、全然市民の考え方を無視したことをやるとは思ってないんですね。

ただタイミングとか、いろんな諸条件を考慮しながらやってるんじゃないかと思っていますから、現段階では市民の信任を得た議会として信用してます。ですから良識を発揮していただけるものと思っています。

本当にそれが発揮できないということであれば、そのときは市政を担うカウンターパートとして対決しなきゃいかんという局面になりますから。それはもう本当にミゼラブルですよ。そういうことのないようにしたいと思っています。

記者 でもそういう局面も当然…。

市長 それは仮にですよ。ですから訪れれば自分が市政を担う人間として対峙しなきゃいけない時もあるかも分かりません。対決しなきゃいけない時もあるかも分かりません。でもまだそういう状況じゃない。十分信任のおける議会だという中で議論を深めながら車の両輪として市政を担いたい。できると思っていますよ。もうちょっと待ってください。

※ ( )は注釈を加えたものです。

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