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2012年2月07日記者会見「平成24年第1回市議会定例会の提出案件について」

市からの発表案件

平成24年第1回市議会定例会の提出案件について

市長 おはようございます。それでは、本日、平成24年の第1回市議会定例会の招集告示を行ったということをご報告申し上げます。

開会は2月14日火曜日であります。

今回の定例会には、全会計で総額1兆1,563億円余りの新年度当初予算案を提出いたします。

詳細につきましては、先日、財政当局の方から説明していると思いますので、私の方からは、予算編成の基本的な考え方と注目していただきたい重点施策につきまして説明を行いたいと思います。

お手元に用意しております資料「資料1 平成24年度広島市当初予算の概要」。これで説明いたしたいと思います。

まず11ページ「平成24年度当初予算のポイント」をご覧いただきたいと思います。

平成24年度当初予算は、市税収入が前年度に比べまして減収の見込みとなるなど、大変厳しい財政状況の下での編成となりました。一般会計規模が8年ぶりに前年度を下回り、マイナス3.3%。言わば緊縮型の予算となっております。

この予算は、本日公表いたしました、新たな財政運営方針であります「平成24年度から平成27年度まで」サブタイトルで「世界に誇れる『まち』の実現に向けて」というふうにしたものでありますけれども、その財政方針を踏まえたものでありまして、その運営方針におきましては、来年度以降4年間に見込まれる582億円の収支不足を解消するということとともに、市債残高を厳しく抑制することなどを目標といたしまして、一つ、持続可能な財政構造を確立する財政運営。二つ、地域の活力を生み出す財政運営。三つ、将来世代への責任を果たす財政運営。この三つを基本方針にいたしまして、これに基づいて財政運営を行うことにしております。

また、この予算は昨年12月にお示しいたしました、市政推進の基本コンセプトである「世界に誇れる『まち』の実現に向けて」。これに基づきまして施策を着実に展開していきます。その第一歩を踏み出す予算という位置付けになっております。言わば、「世界に誇れる『まち』」というお城を作り上げていくための礎を築く予算、といったような位置付けで編成をしております。

本市は、県や近隣市町との連携の下に地域力を発揮して、市域のみならず、広島県全体の活力を生み、さらには、中四国地方の発展を牽引する中枢都市とならなければならないというふうに考えております。そのために、「活力にあふれにぎわいのあるまち」の実現に向けた取組というものを、市政推進の土台づくりというふうに位置付けまして、その取組を推進していくことにしております。そして、そこで暮らす市民一人一人が「ワーク・ライフ・バランスのまち」といったことを実感できるよう、そしてそれが実現できるようにするとともに、同時に、「平和への思いを共有するまち」といったことでもこれを実現する。そういった取組をやっていきたいと考えております。

平成24年度当初予算では、まずもって、「活力にあふれにぎわいのあるまち」の実現に向けまして、次の三つの施策に重点を置いて取り組むことにしております。一つ目、活力とにぎわいを生み出す基盤となります都市機能の充実強化。二つ目、ヒト・モノ・カネを循環、この循環は好循環でありますが、これをさせて雇用を拡大させる産業の振興。三つ目は、即効性のあるにぎわいを誘導するための観光の振興というふうにしております。

また、「ワーク・ライフ・バランスのまち」の実現に向けましては、保健・医療・福祉の充実と、未来を担う子どもの育成、スポーツ・文化芸術の振興、生活環境の安全・安心の確保など、といった施策に取り組むとともに、「平和への思いを共有するまち」。これの実現に向けた取組も進めてまいります。

こうしたまちづくりを推進する上で大事なことは、主役であります市民と、そして従来にも増して身近な存在となるべき区役所。これがしっかりと対話をしながら、協働してまちづくりをできるような体制、これを確立することであります。そのため、区役所を市民のニーズに即応できる組織体制とするということにしております。

冒頭で申し上げましたように、限られた財源の中ではありますけれども、事務・事業の見直しというものに取り組みながら、「選択と集中」という考え方に立って物事を推し進めることで、臨時財政対策債などを除きました、本市でコントロールできる市債の残高といったものを確実に減少させながら、現在の広島市に真に求められる施策について重点的に予算配分するということを行ったつもりであります。

それでは、新年度の予算編成において、注目していただきたい重点施策について説明をいたします。

まず、「活力にあふれにぎわいのあるまち」の実現に向けた取組についてであります。冒頭で申し上げたとおり、大きく三つの施策を掲げております。

一つ目は、都市機能の充実強化であります。

広島の陸の玄関であります、広島駅周辺地区の整備を推進するため、広島駅南口Bブロック及びCブロック市街地再開発組合に対しまして事業補助を行います。なお、このBブロックは平成24年度、Cブロックは平成25年度から建築工事に着手する予定でありまして、事業の完了は共に平成27年度の予定にしております。

また、平成25年度完成予定の二葉の里土地区画整理事業への補助。これを行うとともに、平成30年度の完成を目標としております、広島駅の南口と新幹線口の間に、歩きやすく安全な歩行者用空間を創出するための自由通路・ペデストリアンデッキの整備及び新幹線口広場の再整備を進めます。

次に、非常に高いポテンシャルを持っております、大規模未利用地の活用方策でありますが、これにつきましては、今申し上げた二葉の里地区のほか、旧広島市民球場跡地、広島大学本部跡地、広島西飛行場跡地の四つの未利用地の活用について検討を進めてまいります。

次に、公共交通ネットワークの形成でありますが、これは「新たな公共交通体系づくりの基本計画」の策定に向けまして、西風新都の全体計画の見直しということと整合を図りながら、現行基本計画の施策の柱であります、アストラムラインの延伸計画の見直しなどを検討いたします。

具体的には、平成24年度に西風新都の人口フレームを踏まえたアストラムラインの利用者予測の見直しや、延伸計画の見直しの検討などを行いまして、平成25年度に「新たな公共交通体系づくりの基本計画」を策定することを予定しております。

また、JR西広島駅におけます、南北自由通路や南北駅前広場、北口の道路整備など、JR西広島駅周辺地区の交通結節点の整備に平成24年度から着手いたします。

自転車を活用するための環境整備につきましては、自転車が都市内交通の一翼を担う乗り物としてその役割がますます重要になっております。そんな中、今後のビジョンや進め方を明確にした上で、自転車施策を総合的に推進するために、学識経験者、関係団体、関係行政機関等で構成する「自転車都市づくり推進検討会」を設置いたしまして、「自転車都市づくり推進計画」といったものの策定に向けた検討に新たに取り組みたいと思います。

二つ目であります、産業振興です。

まず、地域経済の振興につきましては、新たな企業の誘致を一層推進するために、企業立地促進補助制度をより効果的で使いやすい制度に見直します。特に西風新都への企業立地に対しましては、補助率や補助金の交付方法などの優遇措置によりまして、インセンティブを高めるということにしております。

また、西風新都につきましては、民間開発を先行させ、それに合わせて行政が道路などの基盤整備を行うという基本的な枠組み。これが今までの枠組みでありますが、この枠組みが現在の低成長時代には機能していないという状況が見受けられますことから、西風新都における開発や企業立地の促進を図るために、これまでの基本的な枠組みにこだわることなく、開発事業者や企業に実効性の高いプランを示せるよう、全体計画を見直すことにしております。

さらに、中小企業金融対策としまして、現下の厳しい経済情勢に対応するため、融資枠を拡大するとともに、新成長産業であります、「エコビジネス」「観光ビジネス」「医療・福祉関連ビジネス」「都市型サービスビジネス」といったものの振興を図るために、「新成長ビジネス育成資金」というものの創設を行います。

そのほか、マツダがリースする電気自動車を広島県とも協調いたしまして、公用車として10台導入いたします。また、導入しました公用車の走行データなどを使いまして、部品供給元の地元中小企業の技術開発支援といったことを行うとともに、地域経済や雇用に大きな影響を与えます、自動車産業の支援を図っていきたいと考えております。

農林水産業の振興につきましては、本市農業を担う農業経営者の育成・確保のため、青年新規就農者確保事業や、中山間地域でのリースによるビニールハウス導入費補助を新たに行うとともに、有害鳥獣対策にも力を入れて取り組みます。

近隣市町との連携につきましては、近隣市町とともに「まち起こし協議会」をテーマごとに設置いたしまして、圏域の活性化につながる施策の検討を行います。また、リーディングプロジェクトとして、市中心部でオープン型の神楽の公演ということを行うことを予定しております。

三つ目であります、観光の振興です。

まず、観光振興に当たっては、基本姿勢としております、広島ならではの「おもてなし」に取り組むために、四つのまちづくりに取り組みたいというふうに考えております。

まず、「ごみのないまちづくり」でありますが、これについては、広島を訪れた人々が「また来てみたい」、「住んでみたい」といったように感じるような、清潔でごみのないまちづくりに向けまして、アクションプランを策定するとともに、都心に「ごみゼロ推進モデル地区」を設定いたしまして、ぽい捨ての防止指導員による巡回パトロールの体制強化とか、街路ごみの収集回数の拡充、不法投棄ごみの緊急収集など、ごみのないまちづくりに向けた取組を強化いたしまして、今後、これを全市的な展開につなげるというふうにしていきたいと考えております。

次に、「花いっぱいのまちづくり」につきましては、市民や観光客に四季折々の花を楽しんでもらうため、主要な公共施設、24年度は駅前大橋南詰交差点から稲荷町の交差点までの、駅前吉島線へプランターを設置いたしまして、市民や企業等にも維持管理を行ってもらうような取組、あるいは、花の飾り付けや多様な選曲によります、季節を感じることのできるクラシックコンサート「広島交響楽団等による花と音楽のイベント」といったものを新たに開催いたします。

次に、「景観の美しいまちづくり」につきましては、全市域を対象とした景観計画の策定を行うとともに、京橋川オープンカフェの新規展開を図るために、京橋川左岸河岸緑地に新たにウッドデッキ等公園施設を整備していきます。

また、軌道敷緑化につきましては、本年度整備いたします、「原爆ドーム前」電停約40mに加えまして、全国菓子大博覧会の会場である旧広島市民球場跡地前の約70mを整備するということにします。

最後に、「利便性の高いまちづくり」については、先ほど申し上げた自転車都市づくり推進計画の策定に向けた検討のほか、郵便局、コンビニエンスストアなどで、観光案内のパンフレットの配布などサービスを提供する、街角観光案内所の設置といったものや、宿泊客に対する公共交通機関のフリーパスの提供についての検討に新たに取り組んでいきます。

また、新たな観光資源の発掘・観光メニューの提供ということといたしまして、平成25年春に本市で開催される、全国菓子大博覧会の開催支援や、大河ドラマ「平清盛」を活用した観光PRなど、広島県などと連携して取り組んでいきます。

さらに、近隣市町とも連携を図りまして、広島県とともに新たな観光キャンペーンを強力に推進するとともに、「広島・宮島・岩国地域観光圏」における滞在型の旅行商品の開発などの取組をより一層推進いたします。

次に、「ワーク・ライフ・バランスのまち」の実現に向けた取組についてでありますけれど、まずは、保健・医療・福祉の充実について。これは病院を取り巻く環境変化に迅速かつ柔軟に対応しながら、質の高い安全で安心な医療を安定的に提供していくということが必要であります。そのため、市立病院の経営改善方策の検討に着手いたします。

総合福祉センターについては、広島駅南口のBブロック再開発ビル内に整備することといたしまして、必要な機能や施設規模等を検討してまいります。

次に、未来を担う子どもの育成につきましては、待機児童ゼロを目指し、引き続き民間保育園の整備補助を行い、114人の定員増を図ります。

また、新たに社会福祉法人等が自主的に運営する常設型のオープンスペースに対しまして、補助を行っていきます。

次に、スポーツ・文化芸術の振興についてです。

まず、スポーツの振興では、沼田高等学校体育コースに在籍する生徒の寮の建設に着手いたします。

また、文化の振興では、第14回広島国際アニメーションフェスティバルの開催に当たりまして、新たに、市民団体等と連携した前夜祭といったようなものを行います。

次に、安全・安心に暮らせる生活環境の整備についてでありますけれども、地域コミュニティの活性化につきましては、住民との対話などを踏まえまして、区役所が企画・立案力を十分に発揮しまして、地域の魅力向上に資する住民の主体的・継続的な活動を支援するということが重要となります。そのための取組として、「区の魅力と活力の向上推進」といった取組を新たにやっていこうというふうに考えております。

また、まちを明るくして犯罪を起こりにくくするなど「門灯点灯」。これをスローガンといたしまして、一家一事業所一点灯運動を推進することなどによりまして、市民の防犯意識の向上を図りたいというふうに考えております。

さらに、東日本大震災を踏まえた防災対策の推進や校舎等の耐震化対策など、災害に強く安心して生活できるまちづくりを積極的に推進いたします。

取り分け、学校施設の耐震補強工事につきましては、倒壊の危険性が高いIs値0.3未満の全ての校舎に平成24年度末までに着手するとともに、計画を見直しまして、全体の完了予定を平成30年度から平成27年度に3年間前倒しいたします。

次に、「平和への思いを共有するまち」の実現に向けた取組についてであります。

「迎える平和」を推進するため、NPT再検討会議等国際会議の広島誘致に向けた取組として、国等との協議を行っていきます。

また、広島が被爆体験や平和への思いを次世代、あるいは世界にしっかりと伝えていくことができる「まち」となるようにするために、被爆体験伝承者の養成に新たに取り組みます。

そのほか、折り鶴に託された思いを昇華させるための取組も推進いたします。

最後に、「区役所機能の充実強化」についてであります。

住民と区役所が協働する仕組みづくりについては、先ほど申し上げました、「区の魅力と活力の向上推進」に新たに取り組むということでありますが、そのほか、商店街の振興を図るための補助金につきましても、商店街と区役所の連携による事業展開を図ることによって、住民と区役所が協働してまちづくりに取り組む仕組みの構築に着手いたします。

こうした取組を推進していくためには、地域に根差し、市民のニーズに即応できる組織体制づくりが必要であります。そのため、区役所に「地域起こし推進課」を設置するほか、ごみのないまちづくりについて、道路・公園等の管理と一体的に取り組むための関連業務といったものがありますが、これを区役所に移管するということを行います。

以上が新年度予算で注目していただきたい重点施策の概要であります。

次に、組織・職員数についてご説明をいたします。

お配りしている資料の最後の資料になります、「平成24年度組織及び職員配置の見直しについて」をご覧いただきたいと思います。

まず、組織については、産業、観光及び雇用の振興を図るため、経済局と都市活性化局の観光部門、これを統合いたします。経済観光局というふうに再編することを考えております。それとともに、都市機能の充実強化といった観点から、都市整備局に都市機能調整部を設置いたします。そういった一方で、業務の収束等による都市活性化局は廃止いたします。こういったことで、行政機構の整理合理化に取り組み、簡素で効率的な執行体制の構築を進めていきます。

また、職員数につきましては、区役所のまちづくりに係る企画立案機能の強化、生活保護業務の充実、安佐市民病院のがん診療体制の強化などのための職員というものは増員する。その一方で、事務・事業の見直しなどをしっかりやる中で、引き続きその削減を図ってまいります。

なお、本市における行政改革を一層推進するという決意の下、その一環といたしまして、来年度から3年間、市長、副市長、代表監査委員及び教育長の給料を5%カットするということを実施してまいります。

以上が予算編成等に関しての私のコメントであります。どうかよろしくお願いいたします。

記者 広島テレビです。よろしくお願いいたします。いろいろと重点施策を挙げていただいたのですが、その中で松井市長の一番思い入れの強い事業というのは何か。最大の目玉と言えると思うのですが。いかがでしょうか。

市長 目玉。目玉と言ったら二つなんですけれど。本当に市民との距離感を縮めて、市民との対話をしながらしっかりした行政を進めるという上では、自分として欠かせないのはやはり区役所の体制の強化。内向きではありますけれどね。それをしっかりとやるということがポイントかなというふうに思っております。

それと、そういった地固めをしながら、もう一つ大きなのは、今後の少し長期的な視点から、やはり本市における活力、にぎわいということをかき立てていく大きな要因となり得ると思っておりますのは、やはり西風新都の事業計画の見直しに着手する。今までの開発方針といいますか計画にこだわることなく、現下における状況を踏まえて、もう一度ここをしっかりとした拠点にしていくということを踏まえた関係の今後の展開を整理していくということ。

この二つですね。組織体制の強化と、それから外に向かってというか、皆さんに向けて、本市のみならず、県あるいは中四国全般に向けて、広島はこれから活力を持って元気になるんだよということを発する。そのための対応策をしっかりとやっていきたいというふうに思っております。

記者 合わせてですが、この予算にサブタイトルを付けるとしたら、どんな、何予算となりますでしょうか。

市長 何予算というか、今申し上げたのは、市政推進の基本コンセプトであります、世界に誇れる「まち」の実現ということを言っておりますので、「世界に誇れる『まち』」というものが一つのお城というふうに見立てますと、今回の予算はそのお城を作っていくための礎(いしずえ)を築くといいますか、ベースを作るというふうな予算としての意味合いを持っているというふうに考えます。「礎予算」ですかね。「礎を築く予算」か。城を築くと。広島城よりはもっと立派なものを作りたいと思いますがね。そんなところです。

西風新都について

記者 その西風新都について質問させていただきます。2点ありまして、松井市長のまちづくりの中でも、西風新都の位置付けをどういうふうに考えられているかを詳しくお聞かせください。2点目がですね、かなり手厚いほどの補助の制度が今回敷かれることになりますけども、産業誘致は他の都市も力を入れてるでしょうし、円高で企業が海外に製造拠点を移すようなこともあって、決して西風新都に順風満帆の環境とかにないと思います。そういう中で企業誘致がどのように進むと市長ご自身が期待されているかをお聞かせください。

市長 そうですね、西風新都は市の土地開発の計画、大きなプロジェクトという位置付けで来ているという認識でおりますけども、これからの広島のありようが、ある意味で10年、20年先を見通してのこともあるんですけども、広島が中四国のコアとなる中心的な都市として発展していくということを考えたときに、今ある未利用地、大きな四つの土地のありようをどうするかということも重要でありますし、それはある意味ではまだ白紙ですから、それらについては十分議論して機能分化させながら、市全体のありようを考えていくということをやりますけども、それ以上に一旦手を掛けて、10万の都市計画を作ってですね、バブルがはじけたというようなこともあって、8万程度に計画をダウンして、基本の枠組みをダウンしないけども、経済情勢に合わせて取りあえず矛を収めている、しかも一定の資本を掛けて開発してきている、この計画をきちっとやると、やっていくということをお示しする中で新たな未利用地の展開についての皆さんからの信頼といいますか期待度が高まってくると思うんですね。

そういう意味で今までの流れをきちっと整理するという位置付けがあるということが一つ、この西風新都への思いであります。それと同時に将来展開についても極めて有望であるというふうに自分は思っております。この西風新都へのアクセス、高速道路もありますよね。2カ所も出入りができる地理的環境。そして4号線があって市内への交通体系もできている。アストラムラインもあると。こういった可能性に富んだこの地域をしっかりと手を掛けていくということをやる。

そのときに、足元の事情を見てまいりますと、経済の停滞というのが起こって、今言われたように例えば失業者も(雇用)保険受給者なんかから見ると、1万数千人、昨年末の状況でおりますよね。全国が4点数パーセントで、市が3点5,6パーセントということで、多少低いといいながら、失業率高いですね。それ以上に市の行政としてやっぱり悩ましいのが、その失業期間を経てもなお職に就けないといったような方々がおられて、これがやはり世帯数にしても相当数おられる。人数からすると、2万近く、1万8千人とかおられるんですね。ですから、失業者より多いと、そういう方々がきちっとした生活をするためには、やっぱり雇用の場がなきゃいけないんですね。それで、長期にわたって雇用の場を確保していくことをやるためには、その立地状況を整えるということがなきゃいけないんですね。

そんなことを考えていくとですね、全体として当面厳しい状況でありますが、先ほど申し上げた、10年、20年先のことを考えて、この場で働き、この場で住んでもらって、生活するという方々がしっかり集うようなまちづくりということをこの中でもやりたいと思います。

県全般の人口が減るというようなことも言われています。日本全体の人口が減るということも言われています。しかし、平均的な傾向の中にあって、この広島が活性化していくためには、若い人が集って、そこで活力を生み出して、そしてその活力を市域のみならず、県域、場合によって中四国に広げる、そういった力のある若々しいまちにしていくということを今からやっぱり着手するためにも、今やり続けているこの開発をしっかりやるということを皆さんにお示ししたいということであります。状況は厳しいものがあります。しかし、厳しいからこそ、方向性を皆に示して、広島は活力、にぎわいを取り戻すために頑張るんだというメッセージを送りたいと、そんな気持ちがあります。

計画作りのスピード感について

記者 今、西風新都のお話を聞いていても市長の意気込みというのは、すごい感じるんですけども、先ほど予算について「礎を築く予算」だというふうにおっしゃられましたけども、その礎を築いた後にどういうお城ができるのかということについては、まだまだ今のところ、その計画の見直しもないと見えてこない部分があると思うんですね。

そういう中で市長はずっと姿勢として新年度予算ですね、新たな施策を展開すると言われていたんですけども、この西風新都の見直しもそうですし、新たな公共交通体系づくりの基本計画もそうなんですけども、これから計画を作っていく、礎を作っていくところなんですけども、一方で市長の任期4年でいうと、1年が間もなく来ようとしますけども、そういう中でまだ礎を作る段階というか、そういう意味ではスピード感とかというのはどういうふうに感じておられますか。

市長 確かにスピード感は感じられないというご指摘があろうかと思いますが、実際に基盤整備ですね、道路なり建物を作るというときにそれが1日でできるなんて思う方はおられないですよね。実際に基本設計して詳細設計すれば、2年から3年掛かるというのは皆さん常識であります。その2年から3年の設計をしっかりしたものにするためには多少時間が掛かっても市民のコンセンサス、対話を通じた合意がなければ推進力ができないと思っております。

例えば私が市長だからということで、こういう方向でどうかと基本の政策を示して皆さんに問い掛けて皆さんにこういうふうにやりましょうという、そういう方法もあろうと思いますが、私自身は最初から言いますように「対話・ビジョン・実行」という、これを守ると、愚直に守るという立場でやろうと思っていましておおむねの方向性、15度から20度ぐらいの方向性は出すけれども、その中に、よりしっかりした展開方法を多くの方の了解を得ながら作っていくというやり方にこだわりたい。その方が一旦物事の基本が決まれば、加速度的に事業展開できると思うんですね。それを特定の方がやりながら、各プロセスごとに皆さんの了解を何度も何度も改めて取り付けていくというやり方はある意味で非常にロスがあるように思います。

ですから、そういう意味では多少出だしはスロースタートいうふうに見えるかも分かりませんけれども、合意がしっかり築かれれば、その後の展開は必ずや加速度的にできると自分は信じております。

これは自分の役人行政を通じての経験則でもありまして、しっかりとした基盤づくりといくことができれば、その後の展開は確実かつスムーズに行えると思っているので、もうしばらくの時間を頂きたいということであります。

記者 コンセンサスを取って推進力にしたいというのは、非常に良く分かるんですけど、であれば、例えば補正で、これまで3回補正やられましたけど、その中で計画づくりには早々に着手すると、そういうやり方もあったと思うんですけども、それはいかがですか。

市長 この市政1年間にまだいっていませんけども、そういった話し掛けができる政治状況があるかどうか、というようなことを見極める時間だったとも思っております。この計画を具体化するに当たってはやっぱり議会という市民の代表の方々の了解も取り付けなくてはなりません。そういったものの動きも一方ではありました。そして自分のブレーンであるとともに手足となってもらう職員とのしっかりした意思の疎通と市政一丸となる体制強化というようなことも同時にやる準備を進めておりました。

ですから、人事なども私に言わせれば、今度の新年度の人事が私の初めての人事になると、そんな中で私が恣意的にやるんではなくて、こういう体制にすることが市の今後の私の行政を展開する上でのしっかりした基盤になるという、そういう人事もスタッフがやってくれると信じています。

そういう意味では初めて自分の体制ができ上がり、またかつその推進するための市議会との対話のための環境がようやくでき上がった、そういうふうに思っていますので、そのための時間が掛かったと理解していただければと思います。

記者 議会となかなか話ができる政治状況にはなかったということですか。

市長 その動きがまだまだマグマな、マグマって熱いところがあります。それはどう動くか分かりません。しかしながら自分として、こういった議会との対話を進めるための基本スタンスはこの間に定まってまいりました。そういう形で皆さんと議論しながらこういった予算を編成するか、今回一応経験しましたから、これをさらに生かせるような予算づくりも手掛けたいと思っております。

記者 今、礎を作るのに2,3年掛かるというふうにおっしゃられました。そこで広島城よりもっと立派なものを作りたいと言われましたけども、この任期3年後までに、ある程度お城っていうのは見えてくるようなものになるでしょうか。

市長 少なくとも設計図は見えるようにしたいと思いますね。そうしないと何のための市政だったかということになりますから。それに向けて皆さんがいいなと。それで絵図面になるものは「世界に誇れる『まち』(の実現に向けて)」で職員にちょっと絵を描いてもらいましてね、ちゃらちゃらした絵ですけども。でもイメージでですね、例えばあんなふうな形でもう少し踏み込んだものがさらに描けて、どうです、これで皆さん合意しましたね、いきませんかということができて、それの一歩でも二歩でも展開が図れたら私の市政としてはある程度満足がいけるものになっていくんじゃないかと思っています。そこにどういうふうにたどり着くかと思っていますけども。

白島新駅について

記者 白島新駅のことをちょっとお伺いしたいんですけども、予算を見る限り完成予定が1年間延期されるんじゃないかというふうに見られるんですけども、その遅れの理由と今後の方向性についてお伺いしたい。当初、平成26年春の開業を目指されていたと思うんですが、恐らくそれは平成27年の春に延びるんじゃないかと思うんですが。

財政局長 (平成)26年度の完成ということを目指して進めていっております。

記者 それは当初と変わりましたよね。

市長 変わってないよね。

財政局長 いや少し。今年の予算では、(平成)26年度完成ということを目指して進めてまいります。

記者 その理由とかというのは、どういうことでしょうか。

市長 初めの予定からそんなにずれていないと思っていますので。今、(平成)27年と言っておりましたか。

記者 (平成)26年4月の当初は開業するということで進めていらっしゃったと思うんですけど、(平成)26年度中の完成ということは(平成)27年の4月の開業ということで、1年間たぶん延びると思うんですが。

財政局長 建設工程等を詰めていったり、JRさんとの協議をしていったりしていく中で時間が掛かってきたということです。

市長 完了計画について、私の意識はですね、特段延ばしたという意識はなくてですね、実際のスタッフから上がってきている事業展開から見ますと、初めに設計した予算が結構お金が掛かるようになっていたんですよ。それで事務事業の見直しで公共事業全般についてもう少し切り込むことができないかなというようなことを言いましたところ、じゃあその今できている分について機能を維持しながら、もう少しでも節約できる案があるんじゃないかということを言ってきたんで、それをベースにやってくれというようなことを言いましたから、そういったことがあって多少作業手順が後ろ倒しになっているのかも分かりません。

ある意味で意図的に延ばすというわけじゃなくて、全体の今までやっているいろんな実施計画でも事務・事業見直しというような観点から少しでもトータル予算を圧縮しながら、機能はもちろん重視しなきゃいけませんけどね。そういう削れる部分はないかということを全面に渡ってやっていますから、その中の一つの工程結果として、作業結果として、作業が少し後ろ倒しになったということになっているかも分かりません。それ以上、意図的に遅らせるということではありません。事業全般いろんなことをやっています。他の大規模事業についてはですね。

いずれにしても今までどおりやっておくと、この4年間で582億の足らず米が出てくるというのが分かりましたんで、とにかく事業のピークを寝せるということは自然とちょっとずつ施行を後ろ倒しにするという基本コンセプトはあるんですね。そして、一個事業についての圧縮をちょっとずつ図ってみて、そして平準化させるという総論を指示いたしましたので、その検討結果の現れということになっているかも分かりません。

未利用地等について

記者 (広島)西飛行場の跡地の利用をどんな機能を持たせるのかというのを来年度中に決められるということなんですけども、他の未利用地もそうですが、全体的なグランドデザインを考えたときに、例えば先ほど西風新都との関係で、高速で結ばれるとか、いろいろなどういう機能を持たせるかでいろいろ変わってくると思うんですけども、まだこれから検討するという段階ですが、どういった機能がよろしいかなと市長はお考えでしょうか。

市長 機能ね。個人的にはいろいろ考えたりしてですね、頭の中をぐるぐるめぐっていますが、少なくとも今先行しておりますのは、市民球場跡地について検討委員会を立ち上げて、今まで聞いていたいろんな意見を整理して、その中にある意見が本当にその球場跡地にふさわしいかどうかを議論していただくと、そこに出ている意見はひょっとすると球場跡地には向かないとしてもね、他の3機能ですか、三つの空き地にやると有効に機能発揮できるものがあるかも分かりませんね。そういったものが出てくると、そうするとほぼそれと同時に議論できるぐらいのタイミングで他の空き地についての在り方もそれぞれ職員でちゃんと積み上げておいて基本的な議論のベースを作っておいて一体的に議論するとういうようなことをもしうまくいけば今年の夏から秋かな、来年度に掛けて全体でやると、そしてそういう機能分化をさせながらこういった機能をこの地域に持たせるんだったら、この考えはこっちに置いた方がいいんじゃないかとかね。そんなことをやってみたいなと思っているんです。

そこまでもう少し時間を頂けますかね。そのときに今申し上げた西風新都の方の機能のありようと、駅の方の機能のありようといろんな意見が散らばっているんですね。ですから、私は統一的に市民に示したいと、自分自身も統一的に考えたいと思っていますので、それと同じ思考プロセスを皆さんに提示して、どうでしょうかというふうにしていきたいと思っているんですね。もうしばらく皆さんのもやもやが続くかも分かりませんけども。でも全体を整理する上で欠かせない作業を今やっていると思っています。

前市長時代の予算編成との比較について

記者 秋葉前市長の時代の予算編成と比べて、松井市長のカラーというものを出すために重点的に予算を配分したというような施策とか分野というのはどの辺りでしょう。

市長 すみません、秋葉市政を点検していないので。私はですね、前例にはこだわりませんでした。自分は基本的な考え方をお示しして、選挙の時に公約した分類に従って分野を定めましてね、それごとに政策をここに落とし込んで、その中身を自分が、この方向性に合うかどうかを点検するということを、職員とずっと査定作業の中でやってまいりましたので、自分自身は、こういった査定作業は行政経験積み上げてきた人間として、全く素直にそのままやったつもりでありまして、特段変わったやり方をした覚えはありません。

それに比べて秋葉さん時代にどうやってたかは職員も言ってくれませんし、私も別に確認しようと思っていないので、ごめんなさい、ちょっとやり方については分かりません。

記者 反面教師というか、意識して変えた部分っていうのはないでしょうか。

市長 私はないですね。自分の思いをぶつけて、分かりやすくですね、自分でしゃべっても言えるような文章に校正してやりましたしね。先ほど申し上げたように、政策については目玉ということで言われたので、まず、行政を展開する上で、一番重要な、もちろん、その本庁の組織替えをするということもしましたけれど、市民との対話ということで重要なのは区役所だから、区役所について対話ができるシステムを作ったということの方が自分としては力説したいです。

いろんな基盤づくりの作業の中でも、今から新しくやるというのは、来年度にかけて皆と議論しながらやっていくということまでしか言ってないから、少なくともやり掛けている西風新都について、こうふうにやるんだということをお見せすることで類推機能が働きながら、新しい地点のやり方についても理解いただけると思いましたので、西風新都についてやると。

そのときの思いは、広島市域のみならず、中四国に向けて活力、にぎわいを出すための発想ということでいろんな取り組みをするというのをお見せすると。そうすれば自ずといろんな他のところにも類推していただいて、全体を考えながらやるというコンセプトで政策展開していくということが分かっていただける。その中でもこのまちで暮らすということでしっかりした雇用、生活基盤を作るということを重視しながらやると、それがにぎわいであると。

それも、当面の経済状況の中では厳しいということは誰しも分かっているし自分も分かっていますけれども、そのときの目標値は10年、20年先の、その先の展開を考えて大変であるけどやると。そういう決意でやるということを言ったつもりであります。

それが読めたかどうか分かりませんけど、読めるような筋道で政策をご説明したということであります。以前の市長さんがそういうやり方を取っていたかどうかは聞いたことがないんでちょっと分かりませんけれども。そんなことなんですけれども。

記者 都市基盤整備とか未利用地、普通の都市として活力とかにぎわいを生み出すような施策というのは前市政時代にちょっと手薄だったという印象でしょうか。だからこそ今しっかりやるんだと思うんですけれども。

市長 選挙のときは、対抗馬もおられるから、厳密に分析しないで、そう言った方がいいよと言われたので変革とか、変革するためには以前の方が良くないんだというメッセージを送るためにそういった表現を確かに使いましたが、実際の行政施策を見てまいりますと、市の職員が継続してやってるわけですね。

それについて、薄いとか良くないとか言うんじゃなくて、やってきている政策を是々非々、いいところを引き継ぎながら、自分として直すべきは修正するというやり方の中でやるという決意を徐々に固めてきてますのでね、前市政がどうのこうのっていうのはできれば避けたいと。いいところを頂くと。

自分として正していくべき、自分の方向性として修正すべきはすると、そのことで留めたいなというふうに思うんですけれども。そういう意味では、言い方がちょっとずつ変わってるとお叱りを受けるかも分かりませんけれども、継続した行政をやっていく上で欠かせない方向転換ということで受領していただきたいというふうに思います。

来年度予算のマイナス要因等について

記者 来年度の予算なんですけれども、今年度の予算と比べて大体200億円のマイナスになっていますが、今年度の予算というのが選挙に伴う骨格予算だったと思うので、来年度の予算のマイナスは実質非常に大きなマイナスだと思うんですけれども、今日発表されました財政運営方針も関係するものだと思うんですけれども、大きなマイナスが。その辺りの要因といいますか、大きなマイナスとなっている要因といいますか、今後の市政の見通しといいますか、そういったあたりを教えていただけますか。

市長 私自身、落ちた要因というのをもう少し子細に見ますとね、めちゃくちゃな大政策転換があったから落ちたというふうにはなってないと思っているんですね。というのは、前市政が骨格予算であるというふうにしてやられておりますが、骨格というのは、それまでいろいろ組み立てて、やらなきゃいかんというふうに意思決めしていた事業を惰性で転がしていくという意味で骨格というふうにされてたと思います。

その中で一番分かりやすいのは、都市整備事業とかありますよね、そういったものは終了するんですね。そうすると前年度予算でぐっと積み上げてた部分が今年度は必然的にいらなくなると、そういった要素がありましてね、その類の予算で予算規模が落ちているというところがありました。

したがって私は、そういった形で以前やってた事業規模が完了ということによって縮小するならば、その部分の予算枠をあえて維持することなくシュリンクした中で必要な予算を選択と集中でやるというふうにしたと考えていただきたいと思います。そういう仕掛けになっております。

被爆体験伝承者の養成について

記者 ちょっと個別具体的な話を伺いたいんですが、被爆体験伝承者の養成のことで伺いたいんですが、例年ですね、被爆者は高齢化していく、体験の風化っていうのはだいぶ前から叫ばれていて、昨年の8月の平和宣言で市長ご自身が体験談の公募ということを行ったり、市長ご自身がかなり伝承と、伝えるということに強い意欲をお示しでしたけど、実際新年度予算、来年度から新規の事業として伝承者の養成をやるということで、再度市長からこういった新規事業をやる理由と今後の期待というのを伺えればと思っています。お願いします。

市長 被爆の伝承につきましては、考え方をますますしっかりさせたという意味合いがありまして、この広島が核兵器廃絶と恒久平和を願うまちであると。それを外に向けてしっかり今後ともアピールし続けるというふうにするためには、このまちの中でそういった思いを語れる、本当に自分の気持ちというか自分の問題として語れるような方がいるということが非常に重要であるというふうな認識がまずあります。

被爆を体験された方々は、もちろんその思いがあり、自らの生活を賭けてそういうことをやっていただいてますのでね、とっても重要なことだと思うんです。その方々の年齢が平均で77ですね、70,80になるということで当然人間の寿命ということを考えていくと、この方々が減ることはあっても増えることはないと。

そうすると、その思いというものを、どういう形で発信し続けるまちであろうかと。こういったときに伝承するっていう方々を何とかやはり残さなきゃいかんだろうと。物的な施設、いろんなハードについては、被爆の体験をしたものをきちっと保存するとかいったような形でやってきております。そういった体験記をいろんな形で残されておりますから。これも整理をするっていうことでね。

できれば発信するためにいろんな言語に訳してそれが伝わるようにするということも当然やっていくということでありますが、そのコアとなる部分の思いを語れる方はやっぱりきちっと市として養成するということがいるんじゃないかというふうに思ったわけです。

そういう気持ちが強まったのは県と広島市、県が共に平和の発信拠点っていうようなことをやる、協力関係を築くという中で県知事さんと議論した中で、やはりいろんな意味で役割分担というようなことも、ほかの二重行政なんかもあるんでそういったことも兼ねながら議論した中で、平和については知事さんも言ってくれました。

あんパンのあんこの部分を広島市が担い、外側の部分を県が例えば担うという整理でいろいろやっていこうじゃないかと。そうすると、本当に被爆の原体験を伝え続ける市であるということを考えたときに、やっぱり、体験談を語れる方の養成っていうことを今やっとかなきゃいけないんじゃないかというふうに思ったわけですね。

そしてそれらを取り囲んで、その思いを実現するためのいろんな手法について、さまざまな立場でいろんなご意見を頂くということを検討してやっていきたいということを言われたので、それはやっていただければ、ということで市としてご支援できる範囲でいろんなテーマについて選択しながら協力していくということをやっていこうと。

そういった意味での平和の実現に向けてのいろんな行政対応の外向けの基本的なスタンスとそれから内向け、市内における被爆者体験をどういうふうに伝承するかということをやっぱり大きな柱としてやる。その中で伝承者をきちっと養成していくと、そういうことを今やっとかないといかんというようなことでやったわけであります。

記者 今後、この制度がどうなっていくか期待というのはどのように思われますか。今後の期待というのはどのようなものですか。

市長 今やっていただいている方々が平均77といいながら80に近い方もおられ、いろんな意味で海外に出てそういう体験を語り、個人ベースででも平和への思いを伝えていきたいという方々がたくさんおられて、私からすれば相当頻繁に私どもと会わせていただいて、そういう思いを頂いています。

そういった思いを語られるような方、そういった方をもう少し世代の若い方々の中にもそういうことをやっていただく方を見出して、その方々を支援するような枠組みができないかと、それをどうしたらいいかというようなことを、ちょっと時間を頂きながらやっていきたいというのが来年度予算のコアなんですね、基本コンセプトであります。

事務・事業の見直しの削減効果について

記者 事務・事業の見直しが最終的に25億円の削減効果というふうにあるんですけれども、この出来栄えといいますか、最終的にまとまったこの額というのはどのように考えてらっしゃいますか。

市長 私自身は個々の事務・事業の額で、多い少ないということはあんまり、結果として多ければそれはいいんでしょうけれども、こだわりたくないと思うんです。この仕組みを変えることで事務・事業の中でいろんな、無駄というのもあれなんですけれども、効率的効果的な予算執行をする上で、障害となる部分が除去できるような仕掛け、仕組みを作り上げるということをやっておけば、一等最初推測した何もしないでいくと582億(円)積み上がってしまうその足らず分がむしろ解消されて、長期見通しの中で必要な行政を展開しながら効率的効果的な予算執行ができるシステム、仕組みを作り変えることができるんじゃないかと思うんですね。

ですからやった直後の予算とか、それに伴う直接的な縮減効果、それも重要ではありますが、トータルでもっともっと考えていただけないかなというふうに思っております。そしてそういうことをやるという姿勢、事務・事業というのはいつも見直しながら、自らがやっている行政っていうものを、1回作ったから単にそれに乗っかって淡々と転がせばいいというものじゃなくて、対話をしながら、これが本当に効果を挙げているものかどうか、常に自分のやっている政策を見直すというそういう風土を行政の中に持ち込みたいというふうに思っています。

市長等の給与カットについて

記者 その行革をこれからも進めていくということで、その決意として月給、給与を5%カットというのを出されていますけれど、5%の根拠はどういう。

市長 根拠というのは。

記者 なぜ5%にされたのでしょうか。

市長 えいやっですね、これは。1割だとちょっときついしね、とかね。3%だとちょっと少ないと思われるかなと。正直具体的根拠はないんです。それで、削減するメンバーに話し掛けて、一緒に赤信号を渡りましょうと言ったら、じゃあ5%ということになりました。すみません。単なる意気込みだけであります。それで足りないと言われるかどうかは皆さんの評価によるところであります。

岩国への米国海兵隊の基地移転について

記者 一つだけ、すみません、時間がないのに。予算からは外れますけど、ちょっと重要なことなので。岩国にアメリカの海兵隊が沖縄から基地を移転してくるのではないかということが出ていますけれど、広島の市民生活にもかなり影響がある問題かと思うのですが、それについて市長として受け止めをちょっとお伺いしたいと。

市長 新聞記事を見たら「唐突である」というご意見があったというのも見ていますし、私自身も今聞いて唐突なので、ちょっとコメントの仕方はもう少しお時間を頂けないでしょうか。市民にどういうふうな跳ね返りがあるかどうかも自分なりに検証していないものですから。すみません。

※ ( )は注釈を加えたものです。

動画は下記からご覧ください。
(「広島市動画チャンネル(市長記者会見)」のページへジャンプします)<外部リンク>

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