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2012年1月31日記者会見「『黒い雨』について外2件」
動画は下記からご覧ください。
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市政記者クラブからの代表質問
記者 幹事社を代表して広島テレビが、今日は市側からの発表がないということなので、質問を用意させていただいておりますので、それにお答えいただければと思います。
まず、第一に、厚生労働省の方で、「黒い雨」の検討会が続いているのですけれども、これに対して広島市は援護地域の拡大をずっと求めていらっしゃるのですが、これから結論に至るに至って、現在の状況についてどう受け止めていらっしゃいますでしょうか。
市長 ワーキンググループの方で解析結果が出たということでありますけれど、そこでは、「黒い雨の体験率が50%を超える地域は未指定地域、未だ指定されていない地域においては、一部に限られている」というようなこと。それから、「今回の調査データから黒い雨の降雨域を確定することは困難である」。そういったことで検討会への報告がされたというようなことを知っております。
また、ワーキンググループの報告書の中では、「宇田雨域の外側でも黒い雨が降ったという地域が存在する可能性が示されたことは重要である」という委員の意見も併記されていると認識しています。
今言ったようなことも踏まえますと、今回の報告というのは、宇田雨域の外側で雨が降ったという、本市の調査結果を否定するものにはなっていない。否定しているわけではないと受け止めています。こういう現状認識です。
記者 市長の意向の確認をしておきたいのですが、2002年に長崎市が「第二種健康診断特例区域」と言って、雨が降ったとはまた別に、精神的な影響という観点から援護が認められることになりました。広島市も、今回の検討会で、精神的影響という点に委員から言及があったのですが、広島市としてはあくまでも降雨地域、「黒い雨」の降った地域の拡大を求めるということで、長崎市のように「第二種」が認められるとか、そういうことも可能性としてはあると思うのですが、あくまでも「第一種」、降雨地域の拡大を求めるという認識でよろしいのでしょうか。
市長 今のワーキンググループの設定、そのテーマ設定が雨域についての拡大ができるかどうか、するかどうかというテーマ設定ですから、やはりそれに対してきちんとした対応をまずすべきだと思うのですね。それについての可否が出た後に、今言われたような問題をどうするかという問題がまた残りますけれども、第一義的にやるべきは、この雨域の話であると思っています。次のステージの話と言いますか、そうだと思いますけれども。
記者 では必ずしも、例えば、今回ワーキンググループでは降った線引きはできないということでしたけれども、この検討会、厚労省の結果として、雨域の拡大が認められなかった場合に、少し段階を下げた要望ないしやりとりも捨てているわけではない。否定するわけではないと。
市長 それは国の結論の出し方によって、どういった形で本当に被災した方々、その方々への手当を考えるかという次の問題なので、今のところそういう意味では直ちにお答えは持っていませんし、白紙ということで了解いただきたいと思います。
記者 市長は今、広島市の出されたものが否定されたものではないとおっしゃいましたけれど、一方で今の共同通信さんの質問とも関わるのですが、国は、というかワーキンググループは、「降雨域の確定は困難である」と言っていて、市が広げてくれと言った線引きに対しては、それは難しいということを言っているわけですね。これは、私なんかは否定をされているのではないかと思うのですが、否定されているわけではないと、そういうふうに前向きに受け止める根拠は何かあるのですか。
市長 「確定」ということと、「確定」というのは線をぎりぎり引くということは難しいと。実際降った地域があるということを否定していないということをわざわざ付記しているわけですから、完全に否定をするならそんな意見もなくていいのではないでしょうかと思っていますから、そこのところを我々は相当重視したいと思っています。
記者 もう一点。広島市としては「第一種健康診断特例区域」を求めるということですが、今回の報告書を見ると、「身体影響については、評価は困難である」というふうに、要するに、精神的な面での影響ということを強調して書かれていて、「黒い雨」そのもので被爆をしたとか、飲んでどうなったとか、そういったことを評価するのは、もしくは急性症状があったかとか、そういったことを評価するのは困難だということで、その一言で片付けられているのですが、仮にも「第一種」を主張していくということになると、国の「第一種」と「第二種」の違いというのは、放射線被害があったかなかったかということで線を引いていると思うのですが、広島市として、被爆とか、「黒い雨」による放射線被害があったのだということを、何か追加して訴えるとか、改めて国としてきちっと検討しろとか、そういったことを広島市として言っていくつもりはあるのでしょうか。
健康福祉局長 今のお尋ねですが、確かに今ワーキングで、身体的影響というのは、報告書の中で、「免疫的、身体的な疾病の影響については、設定上評価が困難であること、調査が主に精神的影響を中心に行われていることから、精神的な影響に着目して行った」ということがございます。これは実際問題、身体的な影響というのは、本当に被爆者をずっと、「黒い雨」に遭った方をずっと追い掛けていって、長期的なきちんとした裏付けを持ってやる。あるいは、そういうことがないと、身体的な影響というものを科学的にやろうと思えば、そこはまずできない。それは事実として、そういう追跡調査を「黒い雨」の地域の方々はやっていませんので、それがある。
もう一つ言えば、今回自記式ですから、自分でアンケートで体の体調のこととか書いています。それはお医者さんの書いたことでもありませんから。ただし、我々としてできる最大限のいろいろなアンケートの調査項目を設定してやった。ただ結果として身体的影響について、医学的見地からきちんと分析をするものではないので、今回のワーキングでは対象、着目をしないということになっておりますが、ただそれが、ただし一方で、「黒い雨」に遭ったことによる精神的影響はあった。という結論が一方では出てきています。
この身体的影響がそこで切って捨てられたから、そこでもう、一種というのはないのだとかそういう次元の話ではなくて、我々はあくまで今現在の「第一種特例地域」、「黒い雨」が降ったという地域がもっと広かったですよということを言いたい。それを裏付けることとして、「遭いましたか。遭いませんでしたか」ということに加えて、そういういろいろな精神面での関係であるとか、身体の面とかいろいろと書きました。
今回そこで、身体的影響がワーキングで詳しく取り上げられないことをもって、この「黒い雨」の第一種とつながらないということは全く次元の違う話だと思います。
ですから、むしろ今回、さっき市長が申し上げましたように、我々は今、「第一種特例地域」という、「黒い雨」の地域はもっと広かったですよ。ということでお願いをしているし、そのいろいろなデータとしてアンケートも示しました。それに対して、「確定は困難だ」と。我々が広い地域を示したところの確定は困難であるということですが、一方で、その中できちんと分析してあるのは、その現在の地域以外でも、やはり雨が降ったとする人に対して影響があった。それは精神面でも影響があった。というのは、今の地域よりも外側に降ったであろう。という所まで、むしろ私は踏み込んでいるという事実があると思います。
したがって、我々今、広げてください。ということお願いをしておりますから、今からそこを踏まえて、我々の言った地域を「確定することは困難だ」ということで、「現在の地域よりも以内であった」という結論ではありませんから、それを踏まえて、今から検討会議の方で、そこをしっかり議論をして、それではその区域をどう考えるのかと、今からその議論がされるので、今ここでいきなり、こういう結果だから、いきなり精神の二種だとか、そういう段階ではないと思います。今我々はあくまで第一種の拡大を求めているし、一応それについて、むしろ否定をされずに、そういう可能性があるということがワーキングでも示されていますから、それを踏まえながら今から国の方でしっかり議論をされると思います。
可部線の電化延伸について
記者 続いて二つ目の質問に移らせていただきます。JR可部線の電化延伸の問題ですが、それについてJRと交渉が長引いているようですが、現在の状況、あるいは見通しを教えてください。
市長 可部線の電化延伸につきましては、実は踏切の設置というところが今だいぶクローズアップされています。
この踏切の設置に関する国の基準が、新しい線路を作るときは、安全性の観点から、原則踏切は認めないと。そんな中で議論がされていまして、本市としては、そうは言っても、元々あったこの可部線の沿線住民の方の利便性を確保すべきではないかという観点から、廃止となった踏切について、できる限り復活できないかということで、JR西日本等と協議を重ねてきているというのが現下の状況です。
それで、問題は、廃止となった踏切というのは、廃止となると言いますか、もし今度また電化延伸するとなると、以前から比べて廃止しなければならないというふうに名指しされる踏切が5カ所ということになっているのですが、ただ終点の駅がまた設置されるということで考えると、1カ所は終点と被るわけですので、残る踏切が4カ所、これが協議の対象となっているということです。
それで今までの協議を重ねてきた結果、昨年の12月の上旬に、この4カ所のうち、自動車の交通量が多い等々で、先ほど言った利便性を考慮すべきだという主張が一応了解できて、2カ所までは復活の見通しがついたという経過がありました。
ところが残る2カ所の方が、自動車交通量というようなことで攻めていったところ、そっちの方はどうも少ないからということで難しいという感触が得られたものですので、逆に今度は地元の自治会の役員の方に、12月の下旬から今年の1月の初旬に掛けて、残り2カ所は廃止することになるのですが、どうですかね。というような説明を地元の方にしたという流れがあります。
そうした中で、地元の方の要望ということから言いますと、そうは言ったって廃止したらどうかといった2カ所は、国道54号線と可部バイパス間にあったりして、そうするとそこの1カ所は、そうは言っても地域住民の利便性が極端に落ちるから何とか復活して欲しいという形でまた要望が出てきているという中でありますので、本市としてはまたそういう地元の要望が理解できなくはないということで、もう一回JR西日本の方に、もう1カ所復活させてくれという協議をしているという状況にあるわけです。
このような状況の中ですから、本年度の着工については、これは今まだ協議中ということで、非常に難しい状況になっていますけれど、トータルな問題の早期解決ということに向けて今努力をしている。今後ともしっかり努力をしたいと考えているのが現状であります。
記者 ということは、やはり今年度着工するというのは難しいだろうということですか。
市長 まだ協議中ですから、今年度着工は難しくなっています。
記者 来年度、これからの見通しというのはどういうふうに。
市長 今年度がだめなら次ということで、来年度に向けてということになるわけですが、今申し上げた経過の中で、もう少し、またややこしい状況が起きていますのは、今言ったように残り二つのうち、少なくとも一つはとJRに言っている中で、また地元の方では、昔からあった、昔あって廃止になった踏切以外で、廃線になった以後に使われている、便利だったという、いわゆる事実上の横断通路、里道と言いますか、俗に勝手踏切、自分たちでこう。その勝手踏切もこの際復活してくれないかといった要望も重ねて出てきまして、そういった要望までも含めて今とにかくせっかく復活するのだから、地域住民の日常生活の利便性低下ということを避ける配慮を何とかしてもらえないか、その方策はどうしたらいいのかというようなことも含めて今協議をしていますので、もちろん早く着工できるような状態にしたいという気持ちはあるのですが、JR西日本との協議がもう少し時間が掛かるというような状況なのですね。
ですから年限いつというのは明確には言えない。今言ったやりとりの中で、JR西日本と地元の方の納得が得られる措置方法が見つかれば、それは着工が早急にできるということだと思うのですが。もう少し時間が掛かると。そういう状況にあります。
記者 今協議しているのが、2カ所復活の見通し、残り2カ所のうちの一つということですが、いろいろと住民の方から踏切の廃止に反対意見がたくさん出ているということですが、市としては、協議はしていますよということなのですが、もともとのスタンスとしては、踏切の廃止反対意見というのを住民の方が言っているということはどういうふうに捉えていらっしゃいますか。
市長 そこの部分なのですね。廃止反対の元々の踏切復活の分の、他の、今申し上げた里道というか勝手踏切を何とかという所が付け加わってきているのですよね。そこら辺のご要望の構造というのをよく整理して、そしてJRにもきちんと伝えて、何か手はないかというようなことを今やっているのですけれども。そんな状況です。ですから、地元の反対というお気持ちは、元々あった踏切をちゃんと復活するということと、いわゆる勝手踏切と言いますか、里道がある方が、線路に遮られて生活圏を分断されることがないということですけれど、一旦延伸して軌道の利便性を高めるためには、JRが言っている原則踏切がない線路を作る方が合理的に決まっているわけですから、そこの兼ね合いですよね。全く新しいものを作るということではない。以前の使われていた路線の復活だから何か工夫の余地はないかというようなことを知恵出ししようということを今やっている最中です。
記者 協議をしている中で、JRさん側の反応というのはどうですか。
市長 JRは元々の打ち出しが原則ない方がいいと言っていて、全部廃止というところを、まず2カ所までいいですよという所まで我々協議してきたわけでして、それからもう1カ所、さらにもうちょっとと言って、どこまでやればいいんだというようなことを思っておられると思いますけれど、せっかく復活してもらえるのだから、地元が歓迎をする形で何とか収めたいというのがこちらの気持ちですよと申し上げながら、粘り強くやっているという状況です。
市内の小中学生の学力について
記者 学力テストの結果というのが出まして、県教委が実施したものですけど、それについて広島市内の小中学生の平均正答率が全5科目で県平均を下回ったという報告がありました。これは4年連続となっているんですけども、これについてどう受け止めていらっしゃいますでしょうか。
また、教育委員会をめぐっては、大阪市の橋下市長が在り方を疑問視するとか、議論が起きている部分があるんですが、これについても市長はどのようにお考えでしょうか。
市長 調査結果の受け止めですけども、本市の児童生徒の学力の状況というのは、本年度の「基礎・基本」定着状況調査、これによりますと、全教科とも平均の正答率が、確かにこういうのが定着しているなということが言えるという基準とされています平均正答率60%は超えておりますので、一定の成果は出ていると評価しておりまして、ある意味では、基礎的・基本的な学習内容は全体として定着している状況という認識であります。
それを前提にしながら、県平均と比べてどうかというご質問なものですから、それについては、私としては、それよりは高いから低いからということで、一喜一憂するということは考えなくていいんじゃないかと思っています。
やはり、基礎的・基本的学習内容の定着ということが重要な課題だと思いますので、児童生徒の生活実態ということもよくよく含めて見てまいりますと、各学校がそれぞれの調査結果をしっかり分析して、その結果に基づいて児童生徒一人一人の学力を高めて、そしてそれがしっかり定着するということを着実にやってもらうということの方が大切だと思っています。
そう意味では今後とも、市長として、こういった結果を見ながら、子どもたちが自分で考えて判断して、さまざまな問題に自ら積極的に対応することができるようにということを目指すこと、そして、豊かな人間性を育んで基礎的な体力も身に付けると、そんなことを学校と家庭・地域という三位一体になって、まちぐるみで教育をするという、そういう推進体制・支援体制ができるようにと思っています。そんな受け止めでありますので、第1点のお答えはそうなります。
大阪の方の状況との比較でありますけども、私自身は教育委員会制度について、大阪の方の詳しい状況を知らないので、コメントを加える立場にないんですが、ざっと自分で理解する限りでは、教育問題について言いますと、教育というのは、いろんな家族、家庭でいろんな考え方を持つ子たちをしっかりとした対応ができるように育てていくという重要な課題ですので、そういった性質を踏まえますと、中立性であるとか、そして継続性であるとか、安定性、要するにぶれないでしっかり育っていただくようにするということが求められている、そういう性格のものだと思っています。そうすると、それをしっかりやるためには、教育の中身、内容に関しては、市長、こういうふうに選挙で選ばれて、政治的な色彩でいろんなことを対応していかなきゃいけない性格を有するいわゆる市長部局から独立した教育委員会という組織の中でしっかりその内容について理解して行政を進めるというのが一つ現行の制度として認知されていますから、これは優れているんじゃないかなと。それで、中身を推進するための施設整備、ハコモノと言いますか、あるいは教育の条件整備といったようなものについては、いろんな意味でお金を使いますから、それは市民から税収などを得て、それを当てるという意味で、その税金の使い方についての市民から負託を受けている市長という立場で、いろんな市政の課題とかを総合勘案して、どのくらいやればいいかなということを考えていくという、そういう役割分担でできていると思いますので、その条件整備的なことは、市長がやっていいんじゃないかと思っているわけです。
そういったように、今の現行制度そのものは相当しっかり考えて役割分担を踏まえながら、やられているんじゃないかと思いますんで、私としては今の枠組みを踏まえて、先ほど申し上げたような教育の実が上がるように、教育の現場と家庭と地域が一体となって、教育が進められるようなまちにしていきたいなと思っています。
その他の質問
ドイツ・ハノーバー市での平和市長会議の検討委員会の内容について
記者 先般、ドイツ・ハノーバー市で平和市長会議の運営基盤強化ということをテーマにした初めての会議が開催されたんですが、その会議はどういうふうに進んだか、特に運営費の負担問題について何か進展があったか、その辺をお聞かせ下さい。
市長 ハノーバーの会議は、23日から25日までの3日間行われております。参加した都市は9カ国から9都市が出て会議をしたということになっています。正に実務担当者で開催された内容でありまして、そこでの検討委員会での議論は、地域組織の設立、役割というようなこと、それから、平和市長会議の運営経費の負担の在り方、この大きなテーマでの議論が行われたという報告を受けております。
それで、議論の結果でありますけども、まず、地域組織の方に関しましては、設立は必要だと、その認識の下に議論が行われたということであります。
設立の仕方の例示ですけども、例えばということでどんな議論があったかと言いますと、アジアとかヨーロッパ、北アメリカ等、いわゆる6大陸、そういう地理上の区分けでやるというようなものはあるんじゃないかという意見で、他に非核兵器地帯条約とか、NATO(北大西洋条約機構)に加盟している国ごとといった目的・属性別に一定の関係を整理して国をまとめるというようなやり方はないでしょうかというような意見があったそうであります。
それに合わせて、いろんな取り組みをやるに当たって、各地域の副会長都市とか、
理事都市といったものが積極的に関わるようにするにはどうしたらいいかとか、
そんな意見が交わされたということであります。
それから、運営経費の負担でありますけど、当然これは加盟都市から何らかの負担を求めることが必要という基本認識の下での議論がございました。
それで、会費を集めるとすると、年会費というふうにして取っていくという考え方もあるんだけども、それ以外に毎年毎年、少しずつ取っていくというふうにすると、手数料とか徴収の事務なんかが煩雑になる労力が掛かるというようなことで、それを削減するというような観点から、多額の出捐をボンと出してくれたというような人には名誉的な地位を認めますよというふうにして一挙に資金をドンと稼いでおいて、大きい資金でさらに利子なんかを生ませながら、使うというやり方を工夫してもいいんじゃないかとかもあったそうでありますし、負担のやり方ですけども、国民総所得というようなことを基準にしてやるほか、そうは言いながら各都市でありますから、その予算規模というものをよく考慮して会費の額を設定してはどうかとか、それから、会費の徴収というのを原則地域の組織単位で行うということが考えられるんだけども、その場合は、地域ごとに受け入れやすい会費の徴収方法を考えてあげるといったようなことがいるんではないか等々ですね。それと実務的に掘り下げた意見が出てきたということでありました。
したがいまして、この度の検討委員会で確認できたこと、すなわち平和市長会議の運営基盤強化の必要性を十分認識した上でのさまざまな議論でありますから、大前提を踏まえながら具体化をやる一歩は踏み出せたという認識でおります。
今後の対応になりますと、今回出された意見というのはいろんな角度からの意見がありますので、これを組み合わせた素案を作る、それを適宜検討委員会参加都市と協議しながら、それを織り交ぜた具体案を作って今年の5月のNPT再検討会議の第1回準備委員会(に合わせ、オーストリア・ウィーン市で行う平和市長会議)、そこで提示して、また意見を求めると、そこで議論を深めると、こういう提示し、意見を求めるというプロセスを踏みながら(平成)25年の広島での総会、ここでの合意を目指して取り組んで行きたいと考えているところであります。以上です。
記者 かなり、さらにいろんな案が出たという印象を受けるんですけども、5月の会議で行って上げるときには大体いくつぐらいの具体案を絞るとか、どういう方向性がありますかということと、やはり想像どおりのいろんな意見が出ますけども、2013年の総会で一つの案を提示するということが可能かどうか、どういうふうに話し合いを進められるかということをお聞かせください。
市長 全加盟都市に対して一律にこういうふうにやりましょうというのは、私の今の実感ですよ、なかなか難しいかなと思っています。ですけど、少なくとも、地域特性というのは大分しっかり出てきたという感じがしますからね、地域ごとにある程度まとまり方をどういうふうにするかということを託して、そして少なくとも全体を通してのコアの基準みたいなのを作って応用編は地域に委ねるとかというふうにして、そしてそれで不公平感の出ないように、公正性が保てるような仕掛けとしてこれはどうでしょうかとかね、といった提示をしていくともう少し議論が深まるんじゃないかなと思うんですよね。ですから、その辺の兼ね合いですよね。
少なくとも、全体一律にこういうふうにして取っていかなきゃいけないという徴収手法については、なかなか難しい。いろんなさまざまな徴収手法を考えると。ただ、徴収したときの負担感といいますか、それについては究極の目標はこうこうこうで、皆さんこういうふうにして負担できるようにしましょうねという目標値はぶら下げるというかね、掲げた方がいいと思うんですよね。それに直ちに行かないとしても、当座はそういうのを目指して、こういうふうにして一歩踏み出しましょうかと、そのやり方として地域ごとにこんな取り組みをしながら徐々に全体がこういうふうにまとまっていくというふうにできないでしょうかとかにすれば、いろんな意見を時系列的に置いていけばね、結構まとまる可能性もあるんじゃないかという気もするんですけど。その辺をもう少し整理して皆さんに問い掛けていくというふうにしたいと思っています。
ですから、工夫の余地は十分あると思いますよ。
大学の秋入学について
記者 東京大学を中心に、大学の秋入学というのが検討され始めていますが、広島市の方も市立大学というのがありまして、まず秋入学に対するご感想と、市立大学での検討というのをどのようにお考えかというのを教えてください。
市長 秋入学っていうのは、いろんな情報から見ますと、究極的な目標意識は、いわゆるグローバル化に対応することだというふうに自分なりに受け止めました。世界におけるいろんな企業活動を中心に、日本の4月、年度制ではない形で展開されている。その企業活動に向けて、大学等々の高等教育機関を出た方々が、どういう形で社会活動に参加されるかという、そのスタートを切る開始時点ですから、世界標準形に合わせていくっていうのは、方向性としては間違っていないんじゃないかという気がしてます。
そんな中で日本の今までの社会システムが、桜のイメージとか4月の合格とかあって、大量な学生供給システムがある中で企業活動が行われる。そして、同期入社という形で皆を年功序列賃金制度とかを踏まえて出来上がる雇用慣行もまた大きなものがありますから、そことの兼ね合いをこれからどうするかっていうことがこれからの問題だと思いますね。今のステージからグローバル化したステージへ向けて、産業界と教育界がきちっと整合性の取れた変遷をうまくやれば、私はいいことじゃないかなと思っています。
それを広く、今の大学群が中心に検討していただいて、経営者側がそれを受け止めて、両方がある程度時間を取りながら、学生諸氏がそれに間に合うような時間的な準備期間を置いてやればいいんじゃないかと思ってましてね。そういう流れの中でもし必要であれば市立大学も十分勉強してもらって、それに必要な対応をしていくということがあってもいいと思っています。
国家公務員の給与削減について
記者 先般、民主党と自民党と公明党が、国家公務員の給与削減で、人勧を実施した上で、2012年、13年度に7.8%削減で合意したということがありました。昨日、これを地方公務員にも引用してはどうかと自民党、公明党が。民主党が拒否したというのがありましたけれども、これについては市長はどういうふうにお考えですか。
市長 自分自身は、行政改革というものを市政としてやっていかなければいけないということで、市議会の状況とか今度の予算編成過程でいろんなことが分かってまいりましたので、自分なりに行革への取り組みを少しずつ、かつ着実にやっていこうという心構えでやっておりますので、それをやる上での今の動きは、判断材料の一つと考えています。ですから、それがいいとか悪いとか批評するテーマではないと思っているんですね。
この状況で行くならば、今の国政の流れで民主党、自民党、公明党が合意した措置は、たぶん通るでしょうから、それを前提として、それが地方公務員にどう跳ね返ってくるか。こんな中で、基礎自治体としての職員に対する処遇をどうするかっていうことは、それに応じた対応をしなきゃいかんと思ってまして、それが実施される内容等が確定した段階で改めてやりたいと思っています。
そんな中で、国家公務員への措置をそのまま地方公務員にということで意見が出て、それが待ったが掛かったということでありますから、それは自分の気持ちと似たところがあって、国家公務員制度と地方公務員制度、似てはおりますけれども、自治体ごとの財政力とか、それまでのいろんな行革への取り組みがさまざまなんですね。
国家公務員は国として一枚岩でしたからね。だからそれについての国の取り組みの評価と今まで自治体としてやってきたものとの比較をして、全然足りなければもっとやるというところありましょうしね。自分たちとして国よりか進んでやっているという自治体があれば、その意見を聞くことなく一律に国と同じっていうのはどうかなっていうことはたぶんあったりしてね、分離というような話になったんじゃないかというふうにも受け止めますしね。
最初に申し上げましたとおり、自分たちがやるべき行革と、国がやるこういった視点での制度改革という給与の切り込み等よく勘案して、自分なりにやるべき道を探りたいというふうに改めて思っているところであります。
記者 関連してですけれども、前回の1月10日の記者会見で、市長、議会改革の質問の中でだったですけれども、新年度の予算については、定数の削減とか給与への切り込みをやっていくという方向性をもう少しはっきり出す予定でいるというふうに言われたんですけれども、その後取材をしてると、あまり給与に関しては組合とかと話をしてるような、成果が見えないんですけれども、給与についても新年度予算で何か方向性が出るということですか。
市長 職員の給与は今言った人勧とか、国の扱いが確定するのを待ってということでいましたので。現段階では、国で言う人勧実施というのと同じ扱い、人事委員会勧告実施というのをまずベースに今回据えておこうと思っています。
そのほか自分の給料とか、定数とかについては今最終調整局面ですけれども、一定の行革の成果を見ていただくというようなものにしたいと、今一生懸命やっているところです。こんな状況です。
記者 そうすると給与については、先ほどもお答えになられましたけれども、国の動向などを勘案して、自分なりにやれる道を探っていく。
市長 その後ですね。当座は人事院勧告を実施するという、今の人勧制度を準拠したやり方の中で、財政のプラスの効果が出てくるという見込みがありますので、それはそれでやりますけれどもね。
それ以上の対応をどうするか、今言った国の動きなどをもう一遍見て、我が自治体としての在り方と国との比較勘案した中で考えるということをやります。
( )は注釈を加えたものです。