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ページ番号:0000012920更新日:2019年10月21日更新印刷ページ表示

2011年11月29日記者会見「平成23年(2011年)第6回市議会定例会の提出案件について」

市からの報告案件

平成23年(2011年)第6回市議会定例会の提出案件について

市長 早速ですけれども、本日、平成23年第6回市議会定例会を招集いたしました。開会は12月6日の火曜日であります。今議会に提出する議案は一般会計補正予算案など21件です。

まず、補正予算についてですけれども、今回の補正予算の規模は、お手元の「平成23年度12月補正予算の概要」のとおり、全会計で、13億4,380万8千円となっております。

内訳といたしましては、まず、情報システムの高度化の推進についてでありまして、市税システムの再構築等に着手するために、債務負担行為を設定いたします。

次に、後期高齢者医療事業についてであります。平成22年度の保険料の確定に伴う広島県後期高齢者医療広域連合への納付金などを計上しております。

次に、国民健康保険事業についてであります。住民基本台帳法の改正に伴う国民健康保険事務システムの改修業務に着手するため、債務負担行為を設定します。

次に、広島駅自由通路等整備の推進についてです。UR都市機構との広島駅自由通路整備に関する委託契約と償還金に関する委託契約、これを一括して締結することにしたことから、債務負担行為の設定し直しを行います。

次に、消防団員等公務災害補償等共済事業についてです。東日本大震災により発生いたしました公務災害の補償に対応するために、平成23年度分に限りまして、消防団員等公務災害補償等共済基金の掛金が引き上げられることに伴う必要額を計上しています。

次に、防災行政無線の更新整備についてです。屋内受信機の設置に係る外部アンテナ設置数につきまして、実地調査の結果が出まして、これを踏まえまして、請負金額の増額と工期の延期ということを行う必要が生じましたため、債務負担行為を設定いたします。

次に、給与改定に伴う補正についてです。給料および諸手当を0.06パーセント引き下げることに伴う減額を行います。

次に、公の施設の指定管理者の指定に伴う補正についてですが、伴福祉センターを来年3月に開設いたしまして、施設の管理を指定管理者に行わせるということに伴いまして、管理経費に係る本年度の所要額を計上するとともに、来年度以降の債務負担行為の設定を行います。

また、広島市の公民館など16の施設について、来年4月以降の指定期間中の管理経費に係る債務負担行為を設定いたします。

最後に、財政調整基金への積立金についてであります。一般会計の平成22年度決算剰余金の確定に伴う財政調整基金への積立金を計上しております。

次に、予算以外の議案としては、一般職の職員の給与に関する条例等の一部改正案など条例案5件、その他の議案13件を提出します。

以上が今議会に提出する議案の概要です。

記者 今回、補正予算を見るに、松井市長が常々言われていますように、いろいろ新しい事業については24年度の当初予算を中心にやっていくということでですね、今回見るにもなかなか政策的なそういうものは計上されていませんが、特に急ぐようなものはないので、当初でじっくりやっていこうというお考えなんでしょうか。

市長 そうですね。本格的というか、皆さんと議論して展開する新しい政策は、一応議会などにも問題意識を提起しまして、来年度予算にこんなことを考えたいなということで、事務・事業の見直しの中で提言していこうかなということを問いかけていますから、それらの議会での議論も踏まえた上でね、新しい構想を整理して来年度予算に盛り込むということにしていますので、ある意味では、年内の議会はまだ準備段階というふうに考えていただいていいと思います。

記者 そうすると12月の定例会での一般質問でいろいろ議員さんも質問されてこられると思うんですけれども、それを受けて、見極めた上で予算編成に当たっていくということですか。

市長 ということですね。

記者 広島駅の自由通路の新設工事、これURさんに委託をされるということで決まったということになるんでしょうか。

市長 元々、決まっておりまして、今までURへの契約の仕方が、道路を整備してくださいよという事業内容の契約の委託と、それから一部、事業していただく際に自前でというか、受託した方が事業する際に一部持ち出しで施工してもらうと、こういうふうなやり方をしているんですけども。そうすると、償還金というか、掛かったお金を事後的に払うということをやるということで、工事の委託とお金の支払いの委託を別契約でやるということで債務負担行為を今年度初め、認めていただいていたんですけども、今後ともずっと仕事をしていくということでよく協議しますと、償還するお金だって、もう大体工事全容が分かると、大体規模が決まるじゃないかと、そうすると一回返すごとに、債務負担行為をやるんじゃなくて、全期間通して必要な額を全部計上して、両方の契約、つまり仕事を頼む契約と一回掛けてもらったお金を逐次返していくという契約を一本化してやった方が工事処理がスムースに行くんじゃないかというようなことの話し合いが行われましたので、その債務負担行為の設定のし直しをするという問題です。

ある意味では手続き的なちょっとした修正といいますか、そんなことをやったというようになっています。

財政局長 今回の債務負担行為の設定と、あわせて都市再生機構との契約締結議案も一緒に上げさせていただいています。

記者 市税システムの再構築及び運用・保守業務委託の内容はどんな中身ですか。

財政局長 これは全庁的にいろんなシステムについて、財務会計とか、住民記録システム、いろんなシステムを全庁的にホストコンピューターからサーバー化に移すようにしておりますけれども、市税システムについても、26年度から市税に関わる情報システムを同様にサーバー化するということで進めております。その一環としてシステム構築、それからその運用・保守について債務負担行為の設定をお願いしたいと思っております。

記者 どういう効果を・・・

財政局長 内容は個人市民税とか、固定資産税、法人市民税、事業所税、軽自動車税に係る賦課あるいは収納管理・滞納整理、そういったものに係るシステムでございます。

記者 効率がアップするということですか。

財政局長 もちろん、そういうことになります。

その他の質問

黒い雨を浴びた1万3千人分のデータについて

記者 黒い雨のデータが放影研で1万3千人分保有しているということが分かったという発表が最近ありましたが、これについて広島市の方は、地域拡大について国に要望されておりますけれども、そのデータの価値とか重要性について、市長はどのように認識されていらっしゃいますでしょうか。

市長 ああ、価値ね。データそのものは、私は直接見てるわけではないので、即断はできないんですけども、少なくとも放影研の記者会見での発表とかいろんなのを見せていただくと、黒い雨を浴びた場所のデータがあって、それを今解析しているというふうなことでありますから、全然無価値なものではないんじゃないかという気がしています。

ただ、そのデータの中身がどういったものかというのもまだ事務レベルでの整理ということで、むしろまだオープンになっていないわけですから、自分も知りようがないというものでありますが、もしそのデータについての点検作業ができて一定の意味があるものということになれば、それを踏まえた対応をすべきデータじゃないかというふうに思っていますけれどもね。

記者 放影研は先日の会見で、市長もデータの中身が分からないということがありましたけれども、中身を公開するとも明言せず、むしろ放影研は独立した研究機関だから、自発的に公開することに対して消極的な理事長からの発言があったんですが、広島市として、中身が分からない状態ではいけないから、公開してくれというように求めるつもりはございませんでしょうか。

市長 データが見つかったから、すぐ、どんな中身かということは、まだ十分分かってないというご説明だったと私は受け止めているんで、中身が内容が分かればというか、自分たちとして解析・点検作業ができれば、それなりの対応をされるんだというふうに受け止めていますが、あえて本市の立場として言うならば、早急にというか、なるべく早くデータの点検作業等を終えていただいて、発表といいますか、皆さんにちゃんとお見せするというのが望ましいんじゃないかと思いますよ。たぶん、されるんじゃないんでしょうか。

記者 もう一点、国が今、検討会を行っておられますけども、検討会の中で、これを議題に話し合ってほしいというようなお気持ちはございますでしょうか。

市長 それも中身によりますのでね。発表していただいた中で影響があるかどうかということを検証して、国の方でやっている委員会ですか、そちらはそちらで主体性を持ってやっているわけでしょうから、自分としては適切な判断をしていただけるんじゃないかと思いますけどね。

広島高速5号線トンネル安全検討委員会について

記者 広島高速5号(線)の件ですけども、先日検討委員会の中でボーリング調査は必要不可欠だという提言が出されたわけですけども、改めて市長に、(広島)高速5号(線)についての考え方とボーリング調査についての考え方というのをちょっとお聞かせください。

市長 自分自身は(広島)高速5号線そのものは、陸の玄関に当たる広島駅へのアクセスを便利にするための道路というふうに設計されていると思っておりまして、そういう意味ではそこの高速道路を通じて広島の市を越えた圏域とか、広島県を越えたいろんな地域からのアクセスということも考えれば、ある意味で都市の機能の向上、活性化につながる重要なインフラというものだと思っておりまして、そういう意味では市域のみならず、県域を考えて本市が中核的な機能を持つまちとして今後とも発展していくために、大きな役割を果たし得るものだというふうに思っています。

それはそういう意味で、機能面での重要性を十分認識しているという立場なんですけども、もう一方、(広島高速)5号線完成に向けてやる上では、トンネル掘りという作業があるわけでありまして、その作業に伴う、取り分け地域住民の方々の生活拠点を中心とした安全性の確保といいますか、そういったところも皆さんがご心配になっておりまして、そういったところ抜きに、今言った利便性といいますか、効果を追求するということはできないと思っていまして、その安全性確保という観点からのさまざまな検証も欠かせないと、そんな中で実際どういう影響があるかということを追加ボーリング調査をする中で検証していこうということが行われているというのが現状であると思っていまして。

ただ、そのボーリング調査をしながら住民の安全性を検証するというそのために設置されている安全検討委員会がここしばらく開かれていなかったという実態がありましたので、ぜひとにかく開いて、検討委員会を実施する中で全体の検証作業をしてもらえたらなと思っていた中で、委員会が何とか開催されて、メンバーの多くが出て議論していただいたという中で、ボーリング調査そのものの必要性を再確認していただいて、ボーリング調査をとにかくやって、その次のステップに調査結果を踏まえた議論をしようじゃないかということになったと理解しておりまして。これはこれで淡々とそういう検証作業を進めてもらいたいと、それを踏まえて先ほど申し上げた重要なインフラであるというこの整理と住民の安全確保ということをどう調和させていくかということを考えていきたいと思っています。

記者 ということは重要なインフラだということは十分理解できるんですが、恐らくボーリング調査も検討委員会を今後開いていく中で、当然、調査結果が出ないとなかなか次の段階に進めないということなんですけども、市長の考えとして、年内には、早期にボーリング調査にも入るようにというようなお考えですか。

市長 今言ったインフラの重要性と安全性を確認するという作業を調和させていくために、このボーリング調査を少なくとも早くして、皆さんの検証のための素材を提供するということは、私は委員会からの指摘を受けたように、急いで可能な限り早くやってもらう方がいいと思っています。

記者 住民側がかなり強硬に反対されている団体もありまして、なかなかボーリング調査自体も認めない、それがあったから、今まで、ずっと平行線をたどってきた、そこはどういうふうにクリアするというかですね・・・

市長 クリアされつつあるんじゃないでしょうか。つまり、私自身は反対される住民の方々は今のありようの中でトンネルを掘ると安全性が阻害される、端的に言うとそういうふうに思われているわけでして、そういうことが起こるかどうかをまず調べてみようじゃないかというご提案なんです。ご提案というか、ボーリング調査というのは、そういう提案だと思っています。そのボーリング調査をするということ自体が安全性を軽視するということでは、私はないと思っておりまして、検証結果を踏まえて、必要な対応策として何がいるのかとか、そういうことも議論するということで、安全確保という観点からのいろんな話し合いの余地はあると思うんですよね。

絶対、安全性確保できないというようなことは、誰も分かっていないわけですよね、ある意味では、神のみぞ知るということでしょうから。人間のなす行為の中で事業の重要性と安全性確保ということをどう調和するかということをやっていくために、この安全検討委員会という場を設けて、そこの中で議論していただこうというふうに設定されているわけですから、その手続きはきちっと尽くしていきたいと私は思っていますよ。

大阪ダブル選挙について

記者 おとといのことになりますが大阪のダブル選挙を受けて、報道した会社もあるんですけれども、こうした公の場所ですので、市長の感想というのをお聞かせいただけますでしょうか。

市長 感想ですね。確かに何社か立ち話で聞かれたのでお答えしましたが、選挙ですから、まず当選されたお二人にお祝いを申し上げることはしなきゃいかんと思います。当選おめでとうございますというのが最初ですね。自分だって当選したときにはなかなか感銘深いものがありましたから。

その上で、結果についての自分の判断ですけれども、ある意味でこの選挙は、大阪という都市というかまちが置かれた今までのいろんな状況の中で、そこで暮らしておられた府民、市民の方々が、今回、特に市の方から申しますと、市長選で立候補された方々の問題提起に対して一定の方向性を出したということだと思いまして、大阪府民、市民の民意の表れというものだと思います。

そういう意味では、それが直ちに広島県民、市民に当てはまるかというと、まるまる当てはまるものではないと思っているわけであります。具体的には大阪都構想という考え方の方に府民、市民が賛成したということになりますが、自分も詳しく知るわけではないですけれども、いろんなところで聞きかじりで見てまいりますと、大阪というまちが東京に次ぐ我が国の第二の大きなまちで、都市であるというポジションを占めながら、長年にわたって、地盤沈下ということが言われてきたという、そういう背景があると。その中で、そういった事態の中で、長らく府と市という二つの行政機関が必ずしも連携が十分でなかったと。

あるいは二重行政解消に向けていろんな議論する中で、解消策が、成案を得られないとかうまくいかなくて問題が逆に顕在化してしまった中で、どうするんだということを問われた選挙であるということじゃないかと思うんですね。そういう問題についての一定の方向性が出て、日本の中でも東京に次ぐ大きな都市でありますから、そこで出た一定の考え方を国政としてどう評価するかという問題にもなり得るという課題であろうと思います。

そうした中でありますけれども、広島について置き直して考えてみますと、大阪と同じような状況があるわけではないということですけれども、やや類似しているようなところも無きにしもあらずということは感じております。すなわち、政令指定都市であるという広島市と県との関係、そして県の行政と市の行政の二重行政感といいますかね、市民、県民に対して行政展開を図るときに県と市の連携がどうなんだろうというようなことを、問題意識を感じられておる市民、県民もおられるということは一定の事実でありましょうから、そういったことについての対応についてどうするかということを自分自身は問題意識を持ってますから、そこの部分、似たところあると思うんですけれども、県庁、取り分け県知事とですね、しっかり話合いをする中で問題意識を共有して、対応方法をきっちり考えていこうじゃないかというようなことも、ある意味で意思疎通が図れているという認識しておりますから、大阪のような形で問題提起するという局面は今のところないんじゃないかなというふうに思います。

むしろ、市民、県民が持っておられる二重行政のような局面での不満、要望というものがあればそれを着実に、確実に消化して問題を無くしていくと。そのためにも市であれば私を含め市職員がきちっとした意識を醸成して取り組んでいくと。そういう問題を解消する中で県民、市民のサービスをきっちり展開するということをやっていくのが当面の課題というふうに思います。そういうことを改めて感じさせてもらう選挙だったかなというふうに思っています。

記者 やっぱり広島県と広島市の関係というのは大阪の状況とは違うというふうな認識ということでしょうか。

市長 同じような仕掛けの中で、現行の法制度の中で動いておりますが、問題の発生の仕方、それへの対処の仕方は大阪とは異なっているというふうに思っています。

二重行政の解消について

記者 二重行政の解消に向けて県と市で研究会を設けられることになっていますが、現時点で市長の念頭におありの二重行政の検討の対象となるような課題って、具体的にあれば教えてください。

市長 市政県政全般ですからね。どこに問題があるかというのを逆にちょっと職員を始め関係者の間で点検してもらいたいということなんです。だから今ここでこうだと決めつけるものは無いんですけれどもね。市民生活の全ての分野でそういうところが無いかということをざっくり検証してくれと言っているんですけれどもね。

というのは、同じ人が広島市内に住んでれば県民という立場であると同時にね、市民という立場も持っていますよね。そうすると日々の生活の中で、ここは例えば県の施設ですと、ここは市の施設ですとあったとしても、市民県民として利用したときにね、施設そのものが同じ地域にね、似たような機能があるところはたくさんあるじゃないかと。いやこれは県民向けの施設でね、こっちは市民向けの施設って言ったって、どっち使ったっていいわけですよね。そうするとそういう所在、場所をもう少しこう、うまくやって皆さんがトータルで利用しやすくするっていうこともあり得るかも分かりませんね。

それとか、外に向けてのいろんな、県知事さんと一緒で、水の都ひろしまとか瀬戸内海の道構想なんかで観光資源を外に宣伝するじゃないですか。そうすると同じ施設を県の立場で宣伝するというのと市の立場で宣伝するというふうなときに、全然打ち合わせなくやるのと、両方が連携して双方ともがちゃんとした資料をつくって、皆さんに訴えていく。その訴え方も連携してやるとかっていうことがもしできればですよ、例えば受ける側からどう見れるかとかね、そんなことになるんじゃないでしょうかね。

そういう意味で、二重行政っていうとおかしいかも分かりませんけれどもサービスを受ける側からして、あれは県の行政だから、これは市の行政だからというその1点でのみ合理性が保たれているような施策については、もう少しね両方が役割分担するか連携するかという仕分けをできる可能性がいっぱいあるんじゃないかというふうに思ってますけどね。抽象的で申し訳ないんですけれども、具体的なものは皆さんがもう少し研究会する中で発見してもらいたいと思います。今まで当然だと思っていることをね、ちょっと視点を変えて総点検してもらいたいというふうに思っていますけれどもね。

記者 広島と大阪の状況が違うというご発言、とても分かるんですね。県市のやり取りが今のところはできていますしね。そういう手法の問題以外で、具体的に行政の事業の現状で違う部分、例えば水道とか違うと思うんですよね。その辺り、どう大阪と広島が違うかというのを分かりやすく説明していただけますか。

市長 少なくとも、私も詳しくは知りませんけれども、水道事業の展開について、大阪の場合は市と府の見解がね、違ったということが発端にあったというように聞いていますけれども。少なくとも、今のところって言ったらおかしいですけれども、今の段階で県と、広島についてですよ、水道事業についてのそういった問題は起こっておりません。そういう状況にありますね。

ですから個々の行政課題について、大阪のように県と市が対立しているっていうふうな状況ではないような気がするんです。私自身が市政を担い始めて、かつそれ以前のことを聞く限りでは、やっぱり県と市が仲良くないなっていうのは皆さん持っておられたっていう、そういうフィーリングと言うか感じがあるのは間違いない。

それはもちろん市長さんと県知事さんがあんまりにこにこして仲良くしてないっていうのもあったでしょうし、それはそれぞれ行政を展開する上で、これは県の所管の事業ですとかね、市の所管の事業ですということで、所管ということを整理する中で、役所の中でいえば各局の縦割り行政、外に出れば自治体と国の縦割り行政の中で、それぞれ所管があるんだから、所管の範囲内で問題を収めればそれで事足りると。

所管を接するような、境界線的な問題についてはね、双方が乗り込んで調整するんではなくてそれぞれが引っ込んで隙間を空けるみたいなね、調整をするということがあったのかもしれません。それは行政とすれば問題ないですけれど市民とするとそのはざ間のところでね、不便があるっていうふうな実態もあったように聞いていますので、それを埋めるべく双方が持ち寄って峡間部分についての整理をしようと。あるいはその峡間というのが市民目線で見て峡間、両方共に関わるところについて調整していこうという基本的な考え方を立てて、今それに何が当たるかをね、検証してくれと、いうふうにやっているところなんですね。

ですから、この研究会がもう少し進めばね、それが何かということをお示ししたいと思います。皆さん目線でいろいろあろうかと思うけれども、役所の権限という観点からのそういった問題意識と市民目線での問題意識が多少ずれがあるような気もしますのでね。

そこを整理してお示しするのをまず先にやらせてください。ここでこういうものがあるっていうのは、もうちょっと控えた方がいい。感想としてはいろいろもちろんあるから今言ったように抽象論申し上げているんであってですね、全然無いわけじゃないんですけれども、それ自身が本当に問題解決に当たっていい基本認識かどうかをちょっとよく考えたいと思いますので。抽象的で申し訳ないけれども、そんなところです。

米大統領の原爆投下に対する謝罪について

記者 県知事の先の訪米に関しての質問なんですけれども、15日の記者会見で湯崎知事がオバマ大統領の広島訪問に関してですね、オバマ大統領に広島に来てほしいと。謝罪が障害になるのであれば、原爆投下に対する、謝罪は必要ないと、広島に来て被爆の実態を見てほしいという趣旨の内容の発言をされました。それがウォールストリートジャーナルにも同趣旨の発言が掲載されています。市長としては知事の発言に対しどう受け止めていらっしゃるかお聞かせください。

市長 受け止めですね。知事としての見解なんだなというのが私の第一義的な感想です。私自身は言葉を選んでっていうか、自分の本当の気持ちとして申し上げているのは、こだわらないというその言葉に尽きます。必要とか必要でないというふうな言い方は避けております。こだわりませんということで、万感を込めてこだわらないということであると。こだわらないという言葉はいろんな意味で必要とするという御意見、必要としないという御意見についてもこだわらないということにも通じているということを御理解いただきたいんです。

つまりこの広島の被爆地にいろんな方に来ていただいて平和への思いを共有していただくという大きな目標があるこのまちにおいて、謝る謝らないということについて、こだわりを捨ててとにかく来ていただくということが何よりも重要だと、そういう意味であります。

記者 広島市民、被爆者の方、被爆者でない方を含めてですね、一方では66年前の原爆投下、あれは間違いであったということを加害者側が認めなければ、将来にも決して二度と投下しない、原爆は使うな、過ちは繰り返さないという決意ができないのではないかということが当然あると思うんですけれども、それとこだわらないという部分をどういうふうな折り合いをつけるというか…。

市長 そういう必要だという御意見と、それを抜きにというふうな御意見もあるということは私自身は理解いたします。あるということについてはすごく理解していますよ。ですけども、広島というのはこの世から核兵器を無くしてもらいたい、世界の恒久平和を願うそういうことまで言っているわけですから、平和を願うときの未来志向といいますか、これからの世の中をどうするかというときの心のありようとして、いろんな意味でこだわらない。

そして核兵器廃絶と恒久平和を願うというその1点にね、大きな目標を持っていろんな取り組みをするということこそ重要であろうと。必要である必要でないという御意見も理解しながらもこだわらないというこの方針を貫きたいということを申し上げているんですけれどもね。それ以上でも以下でもありません。

特別自治市制度について

記者 先ほどの県と市のあり方に戻ってしまうんですけれども、他の政令都市の中では特別自治市という、研究会を立ち上げるとか、新しい在り方を検討をしていこうという動きもあります。松井市長としても先日、政令指定都市市長会議の一員として期待感を持っている御発言をされたかと思うんですけれども、現時点において、特別自治市制度についてどういうお考えを持っているかというのをお聞かせください。

市長 特別自治市というのは、政令市長会議ですね、来年4月から熊本も入って20になるんですけれどもね、19の都市で議論している。その成果として今言われた考え方を打ち出しています。ですけど、この特別自治市というのもいわばその、最終的な言葉ですね、抽象概念でありましてね、具体的にどんなものにするかということがかっちり固まったものではないんですね。

ですから、政令指定都市の直近の議論のときでも、自分も申し上げ、全体でコンセンサスというか了解が得られた話ですけれども、幅があると、こういうことであります。そして政令指定都市という、今まで県と市の関係の中で県の持ってた相当部分の権限を市に下ろすと言いますかね。

そして県と市の間にある権限が、他の普通の市から比べると相当程度政令指定都市に下りてきているという現状の中でですね、県の組織があるということが続く中で、他の都市との関係をどうするかというふうなことを考えたときにですね、他の都市の、市の持っていないところを持っている部分、政令都市が持っている部分については県との関係をどうするかということをもう少し地域の実情に応じて対応できるようにするということを皆で合意した上で特別市ということを使おうじゃないかということを言ってます。

そこの部分に私自身は共感を覚えてましてね、そこの部分が行政がかぶっている部分というふうに考えていいんじゃないかと。だからそこを連携なり、役割分担するなりね、そういう仕分けをする中で市民目線で見て、おかしさがないと言うか停滞感を持たれるようなことのないようにするというふうにしていきたいと思っていますね。

先ほど申し上げた二重行政と言われるようなところについての研究をどこに射程距離を置いてやるかということも、政令指定都市会議の中で議論していることとの調整を取らなきゃいかんということで、まだ具体的なところはちょっと申し上げられないという現状にあるんです。観念としてはそんな感じなんですけれどもね。

記者 横浜市が主導している研究会には参加されないということですか。

市長 参加されないという手続きじゃなくて、横浜市長さんの話を聞きましたらね、他の、前の会議の場でお声掛けしたところですね、あと懇親会やったんですけどね、その場でお声掛けして、じゃあという方を取りあえず集めたということで、というお話がありましたので、私自身出る出ないという以前に、具体的に出ませんかって言う話を聞いてなかったから出なかったというだけのことなんで、何ということはないんです。出てくれと言われれば行きますよ。横浜の市長さんは私の家があるところの市長さんですから。横浜に家がありますから。

記者 声掛けがあれば参加すると。

市長 いいですよ。議論をいろんなところでやれていいと思いますよ。

平和行政について

記者 今までの質問といくつか関連するものがあるんですけれども、二重行政について、平和行政についてですね、今まで市長は主に住民へのサービスというふうに二重行政を語っておられましたけども、二重行政の県と市との検討というのは、平和行政というのも課題になり得るんでしょうか。

市長 平和行政はもう一定の整理ができてて、被爆地の問題としては、他の都道府県、長崎を除けば無いわけですから、広島固有の問題ですし、そこについては知事さんとの関係では一定の整理はできていると思っています。

すなわち、繰り返しますけども、広島市は核兵器廃絶と恒久平和を願うというこの思いを市民に共有してもらって、それを世界に伝えるというミッションというか、使命があるまちですと、それを包摂する、包含する県としては、そういった使命を実現するためのいろんな装置といいますか、仕掛けを県として、知事が提案されて考えていただいているわけでありますから、それはその範囲でこの思いを実践していただく、あるいは実現するための一つの手段について深く検討いただいているわけですから、大いに連携をとっていきたいと思っています。

そういった県の対応を、同じといってはおかしいですけども、そういった関係をある程度想定しながら、この間のグラノラーズの会議(平和市長会議理事会)のときに合わせて国際機関などに訪れて、そこでも同じような話をいたしまして、国際機関、それぞれいろんな役割があろうけれどもね、広島としてこの(平和)市長会議は、核兵器廃絶と恒久平和を願うというその思いを皆さんに持っていただくという使命がありますので、その思いをそれぞれの組織で持っていただいて固有の活動をするときにこの思いを生かしていただくと、配信していただきたいというようなことを申し上げました。

県もそういう意味では、県の中でいろんな、広島市を包摂する県としてのありようとして、この広島市の思いをどういう形で実現するのがいいんだろうということを考えていただいている立場だという理解ですから。そういう意味では、基本的には、平和問題については整理ができていると私は思っていますよ。

記者 2015年に市長はかねてから、核保有国を含む国の為政者に広島に来てもらって核兵器廃絶を話し合う会議を開きたいという思いを述べられておられますが、オバマ大統領にも広島に来てもらいたいということになりますよね。すると、市民の間から原爆投下に謝罪を求める声があると、それはオバマ大統領を会議に招く上での障害というか、ハードルになると思いますが・・・。

市長 次の選挙で勝って、オバマさんが大統領になってるかどうか、それはちょっとよく分かりませんから、アメリカの大統領ということで考えた方がいいと思いますけども、先ほど申し上げたように、アメリカの大統領、すなわち各国の為政者の方に来ていただいて、核兵器廃絶の思い、恒久平和を願っている広島の市民の思いを受け止めていただいて、それをその後の政策展開に反映するようにしてくださいと言うことは、私はとっても大事なことだと思うんです。

そのために、いろんな方が広島の地に来て、この思いを直接胸に抱くようにすると。過去、原爆を落とした国、そのときにその大統領がいて落としたわけじゃないんでしょうから、もう過去の人は死んでいるわけですから、その大統領という立場にいる方についても、アメリカとして謝れとか、現時点での立場を踏まえて過去のことを反省しろとか、しなきゃいかんというようなご意見もあるし、その考え方に一定の理由があるというふうに思いますが、そういったことを越えてこだわらないで、まず来てもらって、この広島の思いをきちっと受け止めていただくと。

未来に向けて、今後の平和のありようを考えていただくということこそ、私は重要だと思うんですけどね。どうでしょうか。素直な気持ちなんですよ。

※  ( )は注釈を加えたものです。

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