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ページ番号:0000012909更新日:2019年10月21日更新印刷ページ表示

2011年05月30日記者会見「平成23年 平和宣言文の作成について外1件」

市からの発表案件

平成23年 平和宣言文の作成について

市長 お手元に資料が配布されていると思いますが、それをご覧いただきたいと思います。平和宣言というのは、広島市民の代表として、市長から発するという位置付けでやっていまして、本市では長年、市長が有識者などから平和に関する意見をお聞きして、それを参考にしながら、宣言文を作るという方法を採ってきておりました。

こうした中で、私自身は、被爆者の方が高齢化してきているというふうな中で、直接の体験談、あるいは被爆者自身の平和への思い、こういったものを共有する機会がだんだん無くなっているということに注目したというか、そちらの方を少し重視いたしまして、言わば、被爆者自身の被爆体験とか平和への思いというものを、次世代の市民がまず共有して、その思いを市民から世界に広げていくということが今まで以上に重要になっていると。正にそれが課題だというふうな認識に立ちました。

このため、今年の平和宣言については、被爆者ご自身の被爆体験談とか平和への思いといったものをしっかり頂いた上で、それを盛り込んだ形で作成するという方法にしたいというふうに考えております。

手順については、まず、被爆者の方々から、体験談とか平和への思いというものを募集するということを、やっていくと。別添にチラシがありますので、それを見ていただければ。こういった要領で募集したいと思っております。ここにありますように、字数などの制限はやっておりません。ただ実際、宣言文などについて無限定で書くわけにいきませんから、宣言文の中の制約があるということを頭に置いていただきながらお寄せいただくと。ですから、頂いた文の一部を利用させていただくという可能性があるということであります。それから、募集はここにありますように、6月1日から20日までというふうにしております。

こういった形でご意見を頂いた上で、さてどう作成するかですけれども、私自身、当然頂いたものを読ませていただくということをやるわけですが、選定委員会、私のみならず、被爆者の方であるとか平和記念資料館長なども加わっていただいて、共に議論しながら、頂いた考え方などを盛り込んで整理したものを最終的に私が平和宣言という形で起草していきたいというふうに考えております。

それで、ここのスケジュールにありますように、1枚目を見ていただければ分かりますように、6月 1日から20日まで募集した上で、7月上旬から中旬、下旬と平和宣言の起草作業をいたしまして、8月の初旬には骨子を発表するというふうな段取りで考えております。

記者 平和宣言の文書公募ということなんですけれども、長崎ではもう既にその起草委員会が始まっておりまして、報道によりますと、その中では今回地震とか原発事故があったこともありまして、平和宣言の中にも、脱原発とか見直しというような文言も盛り込むべきではないかというような、そういう被爆者の方の声が上がっているということを聞いておりますけれども、こういったことについては松井さんはどういうふうにご覧になっておられますか。

市長 意見募集をすればそういった意見も出てくる可能性はあると思います。私自身はそういったものも頂いて、それらを含めて宣言文をどうするかということを、もう少し時間を掛けて、7月いっぱいを掛けて練りたいと思っております。

記者 松井市長ご自身も、以前、原発の見直しが必要ではないかという個人的なお考えをおっしゃったと思うのですけれども、例えばもしそういうような声が仮に出てきたとするならば、宣言の中に反映させたりとか、現時点ではどういうふうに思っていらっしゃいますか。

市長 私が原発についてどうかと聞かれた時のお答えぶりは、繰り返しになりますが正確に申し上げますと、我が国におけるエネルギー政策を見直していくという中で、どうするかというふうに考えていただきたいというふうに申し上げておりまして、原発単独でどうこうということではないんですね。エネルギー政策全体の中の位置付けをよく見直していただきたい、そして多くの方々の原発に対する思いというのは様々あるわけですから、それらをまず政府でしっかりやってもらいたいということを思っております。

記者 松井市長はこれまでの記者会見の中で、一例として起草委員会のようなものの方法もあるとおっしゃっていましたが、結局は起草委員会を作ってそこで宣言文を作っていくという形ではなくて、選定委員会の中で被爆者から寄せられたものを吟味し、その上で市長が起草していくとおっしゃいました。起草委員会を作ってではなくて、ご自身でやはり最終的には起草するということに思い至った理由をお聞かせください。

市長 以前、アイデア的に起草委員会、長崎方式があると耳にして、そういったこともあるかなということを申し上げたわけですけれど、少なくとも作成方法について今までと違ったやり方をやりたいと。改めてみたいということで、例示的に申し上げたのが起草委員会方式だったと思うんですけれども、実際に市政を担うようになって、自分でやるという今までの市長ですね、単独でやるというやり方もそれなりに良い面があったし、それから起草委員会方式ということで皆様方の思いを整理していくというのもそれなりに良い面があると思うんですね。

言わば、それの折衷案といいますか、最終責任としてはやはり市長としてまとめるということはやります。そのプロセスで、作成方法として多くの方の御意見を入れてやる方がより市民の思いを頂いた、託せる宣言文になるんじゃないかということで考えたのが今回の方式ということであります。

記者 選定委員会の具体的なメンバーというか、今被爆者の名前が挙がっていましたけれど、選考の方法と、平和記念資料館長等となっていますが、何人ぐらい集うかとかその辺のイメージはありますか。

市長 何十人もというわけにはいかないでしょうから、10人前後ぐらいで構成できればなということをざっくり今考えています。ですから、先ほどもちょっと申し上げましたけれど、10人の中には、被爆者の方も入ってもらってもいいと思いますし、平和記念資料館長ですね、等々も入っていただければと。

それから、できればいろんな意味で文書をしっかり書かれているような、ペンクラブの会員の方とか、報道機関なんかも入っていただければという気もしています。それらを、もう少し詰めますけれど、組み合わせていければなと思っています。

記者 いつぐらいまでに構成というか。来月中に構成されると。

市長 それはもう近々決めます。いずれにしても7月上旬には検討に入りますから、遅くとも6月いっぱい。お願いしたりしないといけないですから、6月初めぐらいには決めて、参加していただく方にお声掛けしていかないといけないと思っています。

記者 こういった市民の声を平和宣言に具体的に取り入れる、文書として取り入れるというのは、今回初めての試みになるのでしょうか。その辺りを教えていただけますか。

市長 今までの市長が自ら筆を取られたというのが今までの経過だというふうに私自身理解したのですが、その時に過去の市長さんがそれぞれ市民の思いをそれなりに消化されて入れていたということはあると思いますが、手続き的にですね、皆さんに意見の募集を掛けるというふうにし、かつ、それらを複数の方で評価しながら、最終的にアドバイスといいますか、いろいろな御意見を整理させていただいた上で自分が起草するというやり方は、そういう意味では、広島市政の中で今までなかったのではないでしょうか。そういう意味では初めてじゃないかというふうに思っています。

記者 選定委員会という方式を採られるので、それらは公開していただくことになるのでしょうか。

市長 私自身は公開はしなくてもいいんじゃないかなというふうに思っています。私自身の言わば、言い方が大げさですが、私的諮問機関のようなものでして、そこで市民の方から出た意見なんかをどうしましょうというようなことをやりますので、ひょっとすれば個別に出てきた市民の意見の方は、匿名性を重視した方が取りあえずはいいんじゃないかというふうに思っていますので、そういった扱いについては、私と内々にやらせてもらうということでいいんじゃないですか。

最終的な結論は、先ほど申し上げた8月初旬の骨子という所で出しますので、そこで十分見ていただけるようにすれば足りるのではないかなと思っています。

記者 2点ありまして、一つは被爆者というのに限定しているのは、被爆者だけが平和への思いを思っているわけではないと思うので、被爆者以外の方に広くという方法もあるのではないかと思うのですが、今回あえて被爆者ということに限定されているのはなぜなのかということと、もう一つは、この方式は、松井市長はこれから毎年この方式でやっていくということ、つまりこれが確定した方式としてやっていくのかということについて、その2点について教えてください。

市長 前者の方は、最初の説明の所にも入れておりますが、正に被爆された方々が高齢化するという中での体験談が語れるチャンスが無くなっているということを重視しまして、そういった方々の思いをしっかり頂くということをやりたいということであります。それ以外様々な御意見があるということはですね、別途調べようと思えば調べられる話でありますし、選定委員会のメンバーなどに入っていただく中で十分しんしゃく(考慮)できるというふうに感じておりますのでそうなります。

しかも、被爆者の思いを頂いた中で、仮に今回宣言文の中に取り込めないものがあるとしても、そういったものはきちんと残していくと。別途この思いを伝えるということに使うための意見募集ということになりますので、私自身は被爆者限定でいいと思っております。

それから、このやり方は、今回自分なりに先ほど申し上げたように考えた上での最初の試みでありますから、これで自分なりに満足できる平和宣言文ができれば当然自分が市政を担う間はこのやり方でやっていこうと思いますし、今回やる中で、多少修正がいるというようなことがあれば、それはやはり修正を加えてやっていくということも考えています。

いずれにしても初めての試みですので、今回これでやってみて、これをある程度ベースにしながらその後のやり方を考えるというふうにしていきたいと思っています。

記者 一つだけ確認ですが、これはチラシを見る限り市民に限定していないのですが、広島市民の被爆者ではなくてもいいのでしょうか。

市長 被爆された方々、市民でない方もおられますし、海外で過ごしておられる方がいると思いますので、そういった方々からの思いも頂ければと思います。

記者 先ほどの質問でもあった選定方法と選定の結果というのはどういうふうに使うおつもりですか。というのが1点と、あと少し話は違いますが、東日本大震災の原発事故については今回の平和宣言に盛り込む意向があるのか、盛り込む場合はどのように盛り込んでいくお考えかというのをお聞かせください。

市長 選定の方法ですか。

記者 方法です。

市長 選定の方法も、あ、選定委員の話ではなくて中身、文章の方。

記者 文章の方。集まった文章をどのように選ぶ過程といいますか。

市長 選ぶ過程は、まだちょっとその選定委員の方と打ち合わせをしてというふうに思っていますが、出来上がりの分をまだ考えているわけではなくて、手続き論しかまだ考えてませんから。この作業とともに私自身、もう一つの宣言文を作るに当たって必要な作業というのはですね、今言われたことに関係するんですが、中身をどういうものにするかということをですね、ずっと考えていかなきゃいけないんですけれども、自分自身でかなりこう整理できていないのは、例えば今までの宣言文ずっとあるんですよね、浜井市長さん、渡辺市長さん、山田市長さん、荒木市長さん、平岡市長さん、秋葉市長さんと、歴代の市長が書かれてきた平和宣言があるんですけれども、それはそれぞれの時代背景を踏まえながらですね、それぞれの宣言の特色が皆あるんですね。

ざっと見た限りではありますが。その時代背景と宣言文の構成がどうなっているかということをもう少しきちんと分析して、宣言文の今までの、何ていいますか、効果なり成果なりを検証して、どう引き継いでいくかっていうのをやらなきゃいかんと思っています。そういうものの分析ものもちゃんと出して、選定委員会のメンバーに掛けながら、次の私が書くべき宣言文、どんなものがいいんでしょうかということも議論してもらいたいと思うんです。

そうするとそこでどういう枠組みにしていくかっていうのが決まりますから、そこで今度の時代背景の中で言われた、3.11ですね、これは大きな要素になります。だからそれをどう取り込むか、入れなくていいという意見もあるかも知れませんけれども、私自身は取りあえず3.11というこの大きな事態をですね、踏まえずに宣言文が成り立つということはないんじゃないかというふうに思っています。取り込み方をどうするかは今言ったようなことを勘案して、というふうに思っています。

記者 今回、被爆体験を公募されているということですが、市長自身が被爆2世でいらっしゃるということは関係しているのかどうかということと、あと、直接の被爆体験は当然あり得ないわけですが、ないということがそういったことを、被爆体験を公募したいということにつながっているのかどうかを教えてください。

市長 正に言われたとおりで、今問題なのは、私自身今までの平和宣言は、直接被爆体験された方々がまだおられる中でね、それをベースにしながらいろんな展開をしてきた平和宣言だと思っています。

それを今度、多くの方が高齢化されてね、直接の被爆者の方々のお話が聞けなくなるという状況の中でね、今後とも市として平和宣言を出していくということをやらなきゃいかんなと思った時に、ある意味ではその、原点といいますかね、そういったものが薄れていかない、やはり原点に立ち返りながら今これをやっていくっていうことが今一番求められているんじゃないかと思ってましてね、そうすると被爆2世よりか、やっぱり直接の被爆者の方のね、思いを今ちゃんと取り込むといいますかね、どう今後のために生かせるかということを今やりたいという気持ちであります。

記者 確認だけなんですけれども2点ほど。一つは募集対象となる被爆者の定義なんですけれども、例えばその被爆者健康手帳を持っておられる方ということなのか、それとも例えば広島市内の黒い雨を浴びたという経験を持ちながら、国が指定する範囲よりも外にいるために行政上は被爆者とはなっていない方がいらっしゃる、そういった方が応募したいというお気持ちがある場合にその方が被爆者に入るかどうかということが1点と、あとこれ先ほど市長がお話してたことに関連してですけれども、被爆体験を盛り込むということは非常に大切なことであると同時に、その時の世相というか国際関係国際状況なども勘案してビビッドに反応してそれらを盛り込んでいく必要があるわけですよね。

今回の選定委員会の場合は、基本的には応募してきた文章を選ぶという位置付けになるのか、選定委員会の中でもどんなこと、今の時代状況を踏まえたものにするべきかということまで話し合う、言わば今まで市長が有識者から平和に関する意見を聴取してきた、その集まりも兼ねるものであるのか、その2点を教えてください。

市長 被爆体験ということで、お寄せいただきたいと思っていまして、今までのね、先ほどから言ったいろんな国の被爆者の方を救済するという基準とかなんかとは関係なしに、広く求めたいと思っています。その時にご自分がどういうことで被爆したという状況にあるのかということについては説明していただく、そういうものを付けていただければそれでいいと思いますよ。

そういう立場でどう感じたかとか、どう考えたかということが分かればいいのであってですね。別にこだわりません。それからここには主にお寄せいただいた被爆談を選考すると言っていますが、選考という行為はやはりこう選考基準みたいなものがありましてね、どういうふうにして選ぶかと、そうするとこの先ほど申し上げたように私の諮問機関みたいなのはですね、自分としてこんな構成の宣言文ていうようなことが考えられるかどうかとかと、それを踏まえると選考はどうかとかね。もう少し宣言文全体の考え方なんかも議論しながら、それも踏まえてやっていかなきゃならんと思ってますのでね。ある意味では最初に申し上げたように平和宣言文についての言わば自分の枠組みとかね、そういったものを相談しながらという会合になるんじゃないかなと思っています。

記者 とすると選定委員会には、市長、被爆者のほか、平和記念資料館長等となっていますけれども、例えば国際政治学者とか、核軍縮に詳しい人とか、有識者も、学者さんも入れていくんですか。

市長 私自身はですね、言わばその今までの市長さん方がやられたのとは違って、繰り返しになりますが被爆者の原点みたいな思いをどう託せるかっていうふうにちょっと今重きがありますのでね、それらを踏まえてどう戦略的な話をするかみたいなところは、今までの市長さんほど重視するっていう気持ちは今ないんですね。

もっともっとプリミティブというかね、被爆の体験の思いをどう伝えるかっていうところに重点を置いた平和宣言ができないかなっていうふうに思っています。それを相談をさせていただけるような方を中心に人選してもらいたいなって思っていますけれどもね。

記者 松井市長は就任後、いろんな場面で核兵器廃絶を話されていますが、その一方で就任会見で軍事力をコントロールするのは国だと、地方自治体の役割とは違うということを話されていますが、核兵器の問題は軍事力の問題でもあると思うんですが、核兵器廃絶と、そういう認識とどう整理を付けられているのかお聞かせいただけますか。

市長 今正に言われたとおりのすごく難しい課題を自分自身しょってるわけですよ。核兵器という武器をですね、この世の中から無くしてもらいたいという気持ちはこれは誰にも負けないものがあります。じゃあそれを具体的にね、無くすためのいろんな手段ということになるとですね、それを保持し続けるという力はネイションステイツというか国のレベルでね、やってるわけですよ。市民の思いを国というしかも主に外国ですよ、どう伝えていくかという上でのいろんなところがあるんですけれども、私自身は各方法論についてまで深く立ち入るっていうのは非常にいろんな要素があって難しいって思ってまして、むしろ素直にですね、核兵器をこの世の中から無くさなきゃいけないという思いを、とにかく個々人単位で多くの人が共有してもらうという、その共有してもらうためのコアの部分を市民の中で広げ、そしてそれを世の中に伝えるというところを一生懸命やるというのが何よりも重要だというふうに思っているんです。

それを超えるいろんな具体的手法についてはまだ思いが至らないというか、いろんな要素があって難しいんでいろんなやり方を想起させるような原点、本当にあっちゃいかんという思いを皆が強く持つというところに力を注ぎたいなというふうに思っています。核兵器廃絶という気持ちを皆が心の中に共有できるように、共有してもらうようにすることを一生懸命やっていくということに力を置きたいんですけれどもね。

記者 先ほどの平和宣言文の中にですね、採用されたものあるいは採用されなかったものについて何らかの形で残したいというふうにおっしゃっていたんですけれども、これは冊子とかそういったものにされるとか何かお考えがあれば。

市長 正に今言われたように冊子にするというのも一つの方法だと思いますよね。残し方とかもうちょっと工夫しなきゃいかんですよね。皆さんにそういうような形を共有していただけるような手段を考えなきゃいかんと思います。今回の、以前からいろんな形でいろんな思いはあるわけですよね。それらをやはりちゃんと整理するということとね、一緒にやっていきたいなというふうに思います。

折り鶴に託された思いを昇華させるための方策の策定について

市長 これもお手元に資料を用意しておりますので見ていただければと思います。平和記念公園にあります「原爆の子の像」に国内外から捧げられている折り鶴、たくさんございまして、この一羽一羽それぞれに、平和への思いが託されてまして、この思いをきちっと皆が共有できるようにするっていうのは、私は基本的に広島市の責務じゃないかなというふうに思っています。

そうするとこの責務を実行する上で、思いをきちんと受け止めていただくために何が求められるかということを追求した結果として、ここにありますように昇華すると、目に見えて具体的にあるという形がある限りは、言わば何といいますかね、安易な状況認識なんです。ああそこに物がありますねというふうに見るに止まるんですけれども、具体的にそういったものが無くなっても平和への思いっていうことをですね、心の中に植え付けるために、それが無くなったとしても、きちっと頭の中で考えていく、心の中にきちっと留めるということをやりさえすれば本当に思いっていうのはですね、各人の気持ちの中に残っていくと思うんですね。

そんなことがありましたので、いろんな御意見を聞きながら折り鶴に関して、少なくとも長期保存しなきゃいかんという命題は否定しようと。長期保存しなくてもそれに代わる取組さえあれば、思いというのはみんなの心の中にですね、根付くという判断をしたのが今回の整理方向であります。その根付くということを自分からすれば、目に見えるという形であったものを目に見えないようにしても心の中にしっかり根付くということを我々昇華というふうな言葉で言わせていただいていますが、そのための具体的方策は何があるかというようなことを広く国内外から求めていくということをやりたいなというふうに思っているわけであります。

そしてその昇華するための方法をどうやるかっていうのはそのスケジュール、ここに書いてありますが、これも6月1日からアイデア募集というようなことをやろうと思っていまして、それ自身はですね、アイデア募集ですから今までの既定のね、予算の中で皆さんどうですかとこうやりながら、そのアイデアを本当に昇華させるためのものとして実行していこうと、実行可能かということを検討してもらう期間を9月ぐらいから今年度の終わり近くまでということで2月ぐらいを取りあえず目途に案を作っていくという作業を設定しました。

そんな中で抽象的な議論ばっかりじゃあ、なかなか昇華ということもはかどらないと思いましたので、7月に入れば、つまり、市議会にはちゃんとこの話を諮ってですね、具体化するための予算措置などを、検討委員会を立ち上げるための予算措置は要りますから、そういうものを了解していただいたら議論をするということにしながら、具体的イメージというようなこともちゃんと出すためにですね、ここにあります一つのアイデアで試行実施みたいなことを8月の平和記念式典の辺りにこう、噛ませてですね、やってみようとこういうふうに考えたんであります。

ですからまあ、その比較的分かりやすいアイデアで、かつ、いろんな問題の無いような形で、昇華っていう具体的な試行実施をやります。それを含めていろんな意見を頂いて、今後どういう形でやるかっていうことを議論してもらうと、こういう流れを考えて今回の対応をね、御提案するものであります。そういう意味では議会でも諮っていただきながら今後、折り鶴の処理方法というものを固めていきたいというふうに考えています。

記者 今回ですね、市長さんの判断で焼いたりとかあるいは再生したりとか、そういった方法をですね、お決めになるのではなくて、こういったいわゆるアイデアを市民から募るというふうな方法を採られた理由はどういった理由でしょうか。

市長 私自身は、少なくとも市長になる前、また、こういう話を勉強するということをやるプロセスの中で、過程の中で、その後、長期保存すればいいじゃないかということは、どうも変だというふうに思ったわけです。それで、長期保存しなきゃどうするのかということを問われたもんですから、いや自分とすれば例えばということで、ボールペンの外側を示したりとか、いうようなことをやったわけでありまして、少なくとも長期保存に代わる取り組みということを私自身が例示をいたしましたが、やはり多くの折り鶴に託された思いをですね、どういう形でしっかり皆さんの気持ちとして共有していくかというときにですね、方法論について、やっぱり、まだまだ得心がいっていない方もおられるということもね、耳にしましたし、実際におられるわけです。

昇華、昇華と言ったって、昇華そのものがひょっとして悪いんじゃなくて、その昇華の仕方とか、昇華するということを決めていく手順とか、手続きについてね、十分納得がいかないという方がおられるんじゃないかな、ということを思いましたんで、自分のそういった発案みたいなのが、いろんな方の意見を経てね、いいんじゃないかというふうな了解を得るっていう、そういう状況を作った上で、やっていった方が正に市民の思いを頂く、対話っていいますかね、そういうプロセスにふさわしいじゃないかと思って、こういうふうに提案するわけであります。

記者 確認めいたことにもなるかもしれませんが、募集要項2枚目のですね、(4)の中なんですけれども、現在1~2カ月原爆の子の像に捧げられて、保管されているわけですけど、「これらの折り鶴については、一定期間保存・展示しておく必要があるとお考えですか。それとも直ちに昇華させるべきと考えますか」と書いてあるわけですけど、それはつまり、長く保存するというのも一つの意見として聞き入れるという気持ちがあっての問い掛けなんでしょうか。それともどういう意図なのかなということをちょっと。

市長 少なくとも私の打ち出した皆さんへの意見の気持ちの問い掛けはですね、長い期間保存しなきゃいけないということはやめるということでどうでしょうかと、問い掛けている。そうすると、長い期間というのはどれくらいかということを言われたりしたもんですから、じゃあ皆さん、どういう認識があるかなということを確認しておいた方がいいだろうと。1日なら長くないのか、1年まではどうかとかね、あったりしたんですよね。

それから、今だって、その一応展示しているけども、皆に見せる期間がこれくらいで、それから後どこかでお蔵入りしてね、倉庫の中にずっと置いておくということもやっている。あなたの言う長期保存の年限がよう分らんというようなことを言われたんで、じゃあ皆さん、どれくらいになると、長期保存と思われるのかを検証しないといけないかなと思って、こういうことを聞いたわけです。

記者 そうすると、長期保存しないという方針はもうこれは一つの方針としては・・・。

市長 方針で確認したい。これでよろしいですかということをまず、やはりむしろ本当に、何をもって長期保存というのかと言われるときに、じゃあ皆さんがどれくらいのね、ことを思うと長期と思われているのかをね、この際、ちょっと確認しておいた方がいいだろうと、いうぐらいの気持ちなんです。

記者 確認作業ですか。

市長 うん、そうですね。これは確認作業に近いと思います。

記者 市長は、市議会にも諮られるというふうに言われてましたけど、これは結果についても、こういう結果になりましたというのを市議会に報告、それはしないんですか。

市長 あのいろんな両方のですね、今回のこの折り鶴アイデア募集も、それから平和宣言募集もですね、募集ということまではね、既定予算でできるんですよね。

単に今までの話。だけど、募集した後の処理なんかについて検討するための委員会を立ち上げたりするっていうのはですね、ある意味で、市政を担っている新規予算といいますかね、そうなります。

そうすると、こういったやり方も、始めに申し上げました市議会との対話っていうことも必ず要るわけですから、それについては今度6月の議会で、ご説明して、こういう方法でいいですかと、それで必要な経費なんかはちゃんと盛り込んでやりますよと、いうことを言って了解を取ろうということで、市議会の説明というふうにしています。

私自身はこういうやり方は、今の市議会は了解していただけるんじゃないかと、いただけるものと思っておりますが、手続きとしてそういうことをご説明し、必要な予算を認めていただくというやり方で進めていきたいということであります。

記者 募集要項の(4)についてもう少し聞きたいんですけども、この問い掛けは、どのくらいの期間保存するべきかという聞き方ではありますけども、旧日銀広島支店での今現在行われている展示を続けるかどうかも、市民の意見を聞きたいという意図がある質問なのでしょうか。

市長 まあ、それにも関わってきますよね。今の旧日銀広島支店で展示しているっていうのは、長期保存じゃないと、原爆の子の像のところにいろいろ捧げていただいて、捧げていただきながらも、もうちょっとその市民の間に認識してもらうというか、見てもらうという延長として、この展示というのは位置付けるんだと、だから、これは保存というんじゃなくて、展示の延長だみたいに言っていいんだよということを言われれば、それはそこの展示スペースとか必要な予算を確保しなくてはいけませんよね。

だけど、いやいや原爆の子のところに展示するのが展示であってね、それにどうこう置いておくのはそこから長期保存になるっていうんだったら、そこから全部撤去するということになって、あそこの日銀の広島支店のね、スペースの使い方をまた別途考えていくという作業になるわけです。先ほど申し上げた、どこからが長期保存かということをもう一遍確認するということをしたいということで。

記者 市長ご自身が現在思っておられる旧日銀の現状の今行われている展示については、市長ご自身の思いは・・・・。

市長 そこのところはですね、思い半ばなんですよ、少なくとも倉庫なんかにね、たくさん入れているということが長期保存だということにピンと来てね、それは止めようということは言いました。だけど、日銀のところの扱いは皆さんどう評価されるか聞かなきゃいかんと、あるいは長期保存に入るというふうに思っておられるのか、いいや展示の延長だと思っておられるのか、それもこの際、整理しなきゃいけないと、確認しなきゃいけないということになっている。

記者 今回、8月5日から10日の間に事業を試行実施するというように見込まれているわけですが、これは多分8月6日に合わせて、何かされるということなのかなと、いうふうに言っていると思うんですが、例えば、再生してとかですね、何かして、原爆資料館で売るとか、いろんな手段が考えられると思うんですが、その中で、今回8月5日~10日の間に何かやりますよという、まずスケジュールが決まっているということと、あと、焚き上げなどということで、焚き上げしているのを見ると、若干、ちょっとその既にこの期間、8月6日の例えば前夜とかに焚き上げる方法で市は考えてますよというふうにも、ちょっとそうではないのかも知れないですけども、そうも見えるんですけども、その点どうなんでしょうか。

例えばその実施するにも期間を、ある程度準備期間が発生してどうのこうのとかいったら、7月に決めたら、8月にすぐにやるというわけにもいかないと思うんですね。焚き上げるというのに随分その重きを置いているのようにも見えるんですけども、どうでしょうか。

市長 あの、ご明察のとおりでありまして、8月の6日からの期間っていうのは、言わば8月の6日のところは、正にその市民全体として、平和を祈るという期間に当たりますから、正に祈りの期間において、折り鶴を処分するということをすぐにでもやろうとなればですね。私自身は加工とか何かというのはすぐにできるわけじゃないし、いろんな業者も入ったりしてですね、大変な段取りがあるんで、意見を頂きながら、それはそれで検証できるし、具体的にどうなるかということはおおむね見当が付くわけですから、これからの検討の中に委ねられとるんですね。

これはまあ、処分するやり方で焚き上げるみたいな話もね、市長になる前からいろいろ聞いててあったんですよ。これは本当にやり方はごく簡単なんで、燃せばいいっていうことなんでしょうけども、ただ、先ほども申し上げた昇華ということにふさわしいね、燃やし方というものがあるだろうかとかね、いうふうに思うんです。で、燃すこと自身は比較的簡単な行為でありますが、それを安易にやるということがですね、本当にいいんだろうかという議論になり得るのでですね、いろんなそのなんて言いますか、消防法とかややこしい規制とかありますから、それらをちゃんとくぐり抜けてやれるというアイデアを出し、それをやろうという方が居ればね、その方々に対してちゃんと受け皿になりますよとメッセージを出すべくですね、その期間を正に昇華をするというベースにするにふさわしい祈りの期間の中でやるっていうのはどうでしょうかという、誘い水みたいなつもりでやっているんです。

具体的にそういう提案がなければ、これは成就しませんし、やってみようという方が一人でも二人でも1グループでも2グループでもね、あれば、やってみれんかなと思っている。それを直ちにオーケーするんじゃくて、ある意味で試行実施というふうに位置付けることで、それらのやり方とか、それに対する評価をまた合わせて検討してもらうと、いうふうにしたいということであります。

記者 確認ですが、その評価するためには、またその性急かもしれないですけど、やはりその祈りの期間にやらなければ、いいんじゃないとか、評価しないとか。

市長 それが一番ベースですよ。それ以外のところでやるという方法が無くはないでしょうけども、それらは、先ほど申し上げた検討する期間の中で、例えば年間通じてね、恒常的にやるっていうようなね、焚き上げっていうのがいいんだろうかとかね、必ず議論が出てくると思います。

だけど、その議論に行く前にまず、この祈りの期間の中でやるっていうことでやってみて、こうですよと、それで広げればいいですかと、いうようなことをね。その議論ができると思うんですよ。そのための触媒みたいにできないかなというふうに思っています。

その他の質問

記者 これは別件なんですけども、補正予算の編成なんですけども、初めての補正予算編成ですが、どのような予算にしたいでしょうか。

市長 私自身、市政をこうやっていく前に、市の財政状況は極めて厳しいものがあるということを言いましたし、市長になって、いろんな話を聞く中で、これは間違いないということを確信を深めています。したがって、本当にしっかりした、政策というものをですね、やっていくためには、しようがないけど、新年度といいますかね、来年度以降取り掛かると、そのための今はむしろいろんな勉強をですね、やって、各施策についての評価を十分やれるだけの基礎知識と体力をまず付けていきたいと思っていまして、この6月の予算についてはですね、言わば本当にここでちょっとやっておりますようなね、直ちにやらなきゃいかん、むしろやることが財政的にそんなに響くようなものでないものをね、中心にやっていくと、いうふうにしております。

ですから、本格予算というのは、私自身は言わば、次年度、24年度以降ということを考えながら、ただ、市政を担った上で、選挙期間中に公約したような事の中でですね、それの端緒を付けましたよということ、あるいは付けるために、必要最小限、必要となる予算をですね、6月議会にお願いしていくというのが、基本姿勢であります。

※( )は注釈等を加えたものです。

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