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令和5年第13回教育委員会議(10月定例会)議事録

令和5年第13回 広島市教育委員会議議事録

 令和5年10月26日(木曜日)、令和5年第13回広島市教育委員会議(定例会)を教育委員室において開催した。

1 開会及び閉会に関する事項

 開会 午後1時30分
 閉会 午後2時46分

2 教育長及び委員の出席者

 教育長 松井 勝憲
 委員 秋田 智佳子
 委員 伊藤 圭子 
 委員 西 敦子
 委員 一橋 信之
 井内康輝委員は欠席

3 事務局等の出席者

 教育次長 木村 滋宏
 総務部長 石橋 正啓
 青少年育成部長 橋本 英士
 学校教育部長 川口 潤 
 指導担当部長 中谷 智子
 教育センター所長 松浦 宰雄
 総務課長 山本 雅英
 教職員課長 森田 健嗣
 教職員課服務・健康管理担当課長 宅見 雄二
 指導第一課長 高田 尚志
 指導第二課長 長屋 吉輝

4 傍聴者等

 11人

5 議事日程

 議題1 令和5年度全国学力・学習状況調査の結果について(報告)
 議題2 教職員の人事について(議案)【非公開】

6 議事の大要

松井教育長

 それでは、ただ今から令和5年第13回広島市教育委員会議定例会を開会いたします。
 本日は傍聴の方もお見えになっておられますが、お手元にお渡ししております注意事項をよくお読みいただき、静粛に傍聴していただきますようお願いいたします。
 なお、今回から栗栖委員に代わりまして、新たに一橋委員に御出席いただいております。

一橋委員

 一橋です。よろしくお願いします。

松井教育長

 また、本日は、井内委員が所用により欠席されておりますが、会議の定足数は満たしております。
 本日の議事録署名者は、伊藤委員と西委員にお願いいたします。
 これから日程に入らせていただきます。
 本日の議題は、お手元の議事日程のとおりでございます。
 なお、本日審議予定の議題2につきましては、広島市教育委員会会議規則第5条第1項第4号「事務局及び教育機関の職員の分限及び懲戒に関すること」に該当することから、会議を非公開としたいと思いますが、御異議ございませんでしょうか。
 (異議なし)
 異議なしと認め、議題2につきましては非公開として審議することに決定いたしました。
 それでは、ここから議題に入ります。
 まず、議題1「令和5年度全国学力・学習状況調査の結果について」を議題とします。
 本件は報告案件です。内容につきまして、指導第二課長から説明をお願いいたします。

指導第二課長

 それでは、議題1「令和5年度全国学力・学習状況調査の結果について」、報告させていただきます。
 資料の2ページを御覧ください。1の調査の概要については、(1)の調査の目的にのっとり実施いたしました。 
 (2)の調査対象は、小学校第6学年は141校、実施人数は10,167人で、中学校第3学年は64校、実施人数は8,648人です。
 (3)の調査期日は、令和5年4月18日火曜日です。
 (4)の調査内容の丸1児童生徒に対する調査の、ア、教科に関する調査について、今年度は、国語、算数、数学に加えて、中学校調査において3年に1度程度実施することになっている英語を実施しました。また、中学校英語「話すこと」に関する調査については、ネットワーク環境等を考慮して、調査実施日を分散して実施するという理由から、全国で抽出された約500校が 当日4月18日に、その他の学校が4月19日から5月26日の間で実施しました。実施方法については、回答の録音が正確かつ確実に行われるよう、1学級を三つのグループに分けて、可能な限り間隔を空け、一人1台タブレット用ヘッドセットを付けて、一人一人が口述で解答を行いました。実施された問題につきましては、後ほど御覧いただくようにしております。
 続いて、次のページを御覧ください。
 2の調査結果の概要について説明します。
 (1)の各教科の平均正答率について説明します。7月にも速報でお伝えしておりますが、改めて伝えさせていただきます。平成29年度より、各都道府県教育委員会及び各指定都市の結果については、整数で公表されています。表中の広島県の数値は、広島市を含む数値となっています。
 まず、小学校について、太線で囲んでいる令和5年度を御覧ください。本市の調査対象校の状況について、太字で示しておりますように、平均正答率は、国語が68%、算数が64%であり、いずれも国の平均正答率よりやや高く、県の平均正答率とほぼ同じかやや低い結果となっております。
 次に、中学校について、太線で囲んでいる令和5年度を御覧ください。平均正答率は、国語が70%、数学が50%、英語、聞くこと、読むこと、書くことが45%でした。7月末時点の速報では集計ができていなかった英語、話すことについては14%でした。数学は国の平均正答率よりやや低い結果でしたが、その他の教科は国の平均正答率とほぼ同じか、やや高い結果でした。また、いずれの教科も県の平均正答率とほぼ同じかやや高い結果でした。
 続いて、(2)正答数の分布状況について説明します。別紙1を御覧ください。上段の表が、小学校調査で、下段の表が中学校調査の正答数の分布状況を示しています。それぞれのグラフの中にある二つの棒線は、概ね学習内容が定着していると判断される正答率60%と、課題の目安である30%を示しており、四角囲みで本市と全国の30%未満、60%以上、それぞれの児童生徒の割合を示しております。本市としましては、学力向上に向けて、正答率30%未満の児童生徒の割合を減らしていくことを目指しております。特徴の欄の黒丸は、課題が見られる点を示しております。
 それでは、まず、上の表の小学校について、説明いたします。各教科、全国平均と同様の分布の形となっております。また、正答率30%未満の児童の割合は、全ての教科で全国平均よりも低くなっております。
 続いて、下の表の中学校の正答数の分布状況を御覧ください。各教科、全国平均と同様の分布の形となっております。また、正答率30%未満の生徒の割合について、国語、英語は、全国平均よりも低くなっていますが、数学が全国平均より0.8ポイント高くなっており、課題が見られます。
 続きまして、次の5ページを御覧ください。別紙2-1から別紙2-6までは、各教科の調査結果及び課題のある設問についてです。各教科の学習指導要領の領域や評価の観点別に、平均正答率を示しています。また、平均正答率が特に低い問題や、各教科平均正答率が60%未満の問題の中で、全国平均に比べて正答率が低い問題や、無解答率が高く、課題のある問題を示しています。
 別紙2-1を御覧ください。こちらは、小学校の国語の調査結果です。1、集計結果、学習指導要領の内容において、B、書くことの内容の平均正答率が他の内容と比較して低くなっています。次に、2、課題のある設問を御覧ください。平均正答率が特に低かった、B、書くことの内容に関わる、図表やグラフなどを用いて、自分の考えが伝わるように書き表し方を工夫することに課題が見られました。
 続いて、別紙2-2を御覧ください。小学校の算数の調査結果です。1、集計結果です。学習指導要領の領域において、B、図形の領域の平均正答率が、他の領域と比較して低くなっています。2、課題のある設問を御覧ください。平均正答率が特に低かったB、図形の領域で、高さが等しい三角形について、底辺と面積の関係をもとに面積の大小を判断し、その理由を言葉や数を用いて記述することに課題が見られました。
 続いて、別紙2-3を御覧ください。こちらが、中学校の国語の調査結果です。1、集計結果です。学習指導要領の内容において、全ての領域で平均正答率60%以上、かつ、全国平均を上回る結果でした。2、課題のある設問を御覧ください。B、書くことの内容で、平均正答率が60%未満の問題の中で、全国平均を下回っていた、読み手の立場に立って文章を整えることができることに課題が見られました。
 続いて、別紙2-4を御覧ください。こちらは、中学校の数学の調査結果です。1の集計結果です。学習指導要領の内容において、B、図形、C、関数、D、データの活用の領域で平均正答率が低く、国の平均正答率と比較しても低くなっています。2、課題のある設問を御覧ください。C、関数の領域で、国の平均正答率の差が大きかった、事象を理想化・単純化することで表された直線のグラフを事象に即して解釈することができることに課題が見られました。
 続いて、別紙2-5を御覧ください。こちらは、中学校の英語の調査結果です。1の集計結果です。学習指導要領の領域において、(5)書くことの平均正答率が他の領域と比較して低くなっています。
 2、課題のある設問を御覧ください。(5)書くことの領域で、国の平均正答率の差が大きく、無解答率も高かった、「相手の行動を促す」という言語の働きを理解し、依頼する表現を正確に書くことができることに課題が見られました。
 続いて、別紙2-6を御覧ください。こちらが、中学校の英語、話すことの調査結果です。まずは、実際に行われた英語、話すこと調査の一部を御覧いただきます。前方のスクリーンを御覧ください。

中学校英語「話すこと」の問題音声

 大問1、あなたは、オーストラリアからの留学生ソフィアのために動物園へ行く予定を立てました。今日がその当日です。会話が続いていくように、質問に答えたり、あなたの考えを伝えたりしましょう。指示がある場合は、その指示に従って答えましょう。
 問題は(1)から(4)まであります。解答時間は、(1)から(3)が7秒、(4)が20秒です。
 それでは、始めます。
 (1)A baby elephant! How cute! I can read some Japanese. Its name is Taro...it‘s a boy... and, what does this say?
 (2)I was so excited to see the baby elephant. So, what are we going to do next?
 (3)Look! Kangaroos! They are really famous in my country, Australia. I know a lot about them. Do you have any questions about kangaroos?  Please ask me.

指導第二課長

 このような問題が実施されまして、問われていることに対して口述式で解答をしました。 別紙2-6へ戻っていただきまして、1、集計結果のところです。学習指導要領の領域において、話すこと〔やり取り〕、〔発表〕ともに平均正答率が低くなっています。2の課題のある設問をご覧ください。話すこと〔やり取り〕の領域で、国の平均正答率との差が大きかった、疑問文の特徴を理解するとともに、その知識をやり取りの場面において活用できる技能を身に付けていることに課題が見られました。これらの課題については、各学校に配付する報告書や、各学校で行われる研究会や学校訪問で行う指導助言等において、改善方法等を示して学校への周知を図り、今後の各学校での指導改善に役立てていくこととしています。
 続きまして、別紙の3-1から別紙の3-6を御覧ください。先ほどの各教科の課題のある設問に対しての改善方法を示しております。左側では、課題のあった問題と学習指導要領における領域・内容、正答及び正答率、主な誤答とその要因を示しています。右側では、内容の系統と指導のポイントと活用の手順を示しております。本日は、時間の関係上、小学校算数、中学校数学、中学校英語、話すことについて御説明させていただきます。
 それでは、別紙3-2を御覧ください。小学校算数の課題は、高さが等しい三角形について、底辺と面積の関係を基に面積の大小を判断し、その理由を言葉や数を用いて記述することでした。対象の問題は、テープ内にできる底辺が等しい二つの三角形の面積について、分かることを選び、その理由を答えるというものです。
 正答は、二つの三角形の面積は等しい丸3を選び、理由に底辺の長さが等しいことと高さが等しいことの二つの条件を満たして解答しているものですが、高さについて具体的な長さが示されていないため、二つの三角形の面積を比べることができないと考え、丸4と解答した児童が16.8%でした。改善に向けて、小学校4年生で、平行な直線の特徴について調べ、平行な直線の幅が常に等しいことを理解することができるようにし、小学校5年生で、底辺が等しい三角形や平行四辺形を書く活動を設定し、底辺と高さに着目させ、面積が等しいことに気付くことができるようにすることが指導のポイントであると考えています。
 続いて、別紙3-4を御覧ください。中学校数学の課題は、事象を理想化・単純化することで表された直線のグラフを事象に即して解釈することでした。対象の問題は、左側のグラフにおいて、それぞれの直線で表されている理由を選ぶものです。正答は、グラフが直線であるということは、変化の割合が一定であるということなので、それぞれの走る速さが一定である、アですが、文章中の一定であるという文言から、2人の選手について、それぞれの走る道のりが一定であると捉え、ウと解答した生徒が18.5%でした。改善に向けて、小学校6年生で、比例する二つの数量についてのグラフが直線になることを具体的な数量に即して理解できるようにさせ、中学校2年生で列車のダイヤグラムから、列車の運行の様子が直線で表されている理由について考える場面を設定し、理解させること、また、実際の列車の速さは一定ではないが、理想化・単純化して速さが一定であるとみなして表すことで、運行の様子が分かりやすくなることを押さえることが指導のポイントであると考えています。
 続いて、別紙3-6を御覧ください。中学校英語、話すことの課題は、疑問文の特徴を理解するとともに、その知識をやり取りの場面において活用できる技能を身に付けていることでした。対象の問題は、先ほど御覧いただいたものになります。正答は、カンガルーが食べるものについて正しく質問しているものや、コミュニケーションに支障をきたさない程度の誤りがあるものですが、無解答率が17.5%で、33.6%の生徒に、助動詞の脱落や語順の誤りが見られるものなどの誤答がありました。改善に向けて、小学校5年生で自分の好きなことなどを伝える場面の設定や、中学校2年生で会話の流れに応じて関連する多様な質問を即座に行う場面の設定などが考えられます。また、「Small Talk」を継続的に授業に取り入れ、簡単な語句や文を用いて、即興で伝え合う経験を増やしていくことが指導のポイントであると考えています。
 別紙3-1から別紙3-6については、各学校に配付しまして、報告書にも掲載をし、各学校に周知することとしております。
 続いて、別紙4-1を御覧ください。こちらは、児童・生徒質問紙調査と学校質問紙調査の結果についてまとめたものです。表の中央には、それぞれの項目の結果を、平成30年度から調査が実施されなかった令和2年度を除き、令和5年度までを掲載しています。表の下に凡例として示しております、表中の網掛けは全国平均を上回っている項目を、横線は質問項目がその年度にはなかったことを、令和5年度の括弧は、全国平均を示しております。
 まずは、(1)学習意欲に関する項目についてです。全ての質問について、中学校で肯定的回答をした生徒の割合は、全国平均と比較して高い状況であるものの、小学校では肯定的回答をした児童の割合は、全国平均と比較して低い状況です。
 次に、(2)自尊意識に関する項目についてです。丸2の「将来の夢や目標を持っている」という質問について、小学校で肯定的回答をした児童生徒の割合は、全国平均と比較して低いものの、それ以外の質問については、肯定的回答をした児童生徒の割合は、全国平均と比較して高い状況です。
 続いて、(3)主体的・対話的で深い学びに関する項目についてです。丸2の「自分の考えを発表する機会では、資料や文章、話の組立てなどを工夫した」という質問について、肯定的回答をした児童生徒の割合は、全国平均と比較して低いものの、それ以外の質問については、全国平均と比較して高い状況です。
 続いて、(4)学習・生活習慣についてです。丸3の読書に関する質問について、中学校で肯定的回答をした生徒の割合は、全国平均と比較して高い状況ですが、それ以外の質問については、小学校、中学校ともに肯定的回答をした児童生徒の割合が、全国平均と比較して低い状況となっています。
 続いて、(5)学校質問紙における指導方法に関する項目についてです。丸1の「学習指導において、児童生徒一人一人に応じて学習課題や活動を工夫した」の質問について、中学校で肯定的回答をした学校の割合は、全国平均と比較して高い状況ですが、小学校では低い状況です。丸2、丸3、丸4、丸5の各教科の指導方法に関する質問について、全ての質問に対して肯定的回答をした学校の割合は、全国平均と比較して低い状況です。
 続いて、別紙4-2を御覧ください。こちらは、ICTを活用した学習状況について、児童生徒質問紙調査と学校質問紙調査の結果をまとめたものです。
 児童生徒質問紙におけるICTを活用した学習状況に関する項目です。丸1の「授業でICT機器を週1回以上使用した」という質問について、小学校で肯定的回答をした児童の割合は、全国平均と比較して高い状況ですが、中学校で肯定的回答をした生徒の割合は低い状況です。丸2の「ICTが勉強に役立つと思う」という質問について、小学校、中学校ともに肯定的に回答をした児童生徒の割合は、全国平均と比較して高い状況です。丸3の「1日当たり30分以上ICT機器を勉強のために使用している」という質問について、小学校、中学校ともに肯定的回答をした児童生徒の割合は、全国平均と比較して低い状況です。
 (7)学校質問紙におけるICTを活用した学習状況に関する項目です。丸1の電子黒板など大型提示装置に関する質問について、小学校、中学校ともにほぼ毎日使用したと回答した学校の割合は、全国平均と比較して高い状況です。丸2の研修機会については、小学校で肯定的回答をした学校の割合は、全国平均と比較して低い状況でしたが、中学校で肯定的回答をした学校の割合は、全国平均を比較して高い状況です。丸3、丸4、丸5の児童生徒の1人1台端末に関する質問について、小学校、中学校ともに肯定的回答をした学校の割合は、全国平均と比較して低い状況です。
 ICT機器について、令和4年度と比較すると、授業での活用は概ね進んでいると考えられ、令和3年度から引き続き行っている実践事例の周知や、各学校での研修会などの実施の成果であると考えております。しかし、家庭学習への利用について、引き続き課題があると考えており、実践事例の紹介等に取り組んでいきたいと考えております。
 最後に、4、児童生徒質問紙と学力のクロス集計を御覧ください。肯定的回答をしている児童生徒ほど、教科の平均正答率が高い傾向があった質問になります。
 (1)の左上のグラフを御覧ください。「昨年度までの授業で、課題の解決に向けて、自分で考え、自分から取り組んでいましたか」といった質問に対する小学校国語のクロス集計になります。左から、当てはまる、どちらかといえば、当てはまる、どちらかといえば、当てはまらない、当てはまらないと回答した児童の平均正答率がそれぞれヒストグラムで表されており、肯定的回答をしている児童ほど平均正答率が高い傾向があり、小・中ともに他教科においても同様の傾向がありました。
 また、(2)「分かった点や、よく分からなかった点を見直し、次の学習につなげることができていたか」といった質問について、肯定的回答をしている児童生徒ほど平均正答率が高い傾向がありました。
 (1)「課題の解決に向けて、自分で考え、自分から取り組んでいましたか」という質問と、(2)「分かった点や、よく分からなかった点を見直し、次の学習につなげることができていますか」という質問については、別紙4-1の(3)、丸1、丸4で説明いたしましたとおり、肯定的回答をした児童生徒の割合は、全国平均と比較しても高い傾向にありますが、引き続き、児童生徒が主体的に学習に取り組むことができるような授業展開や授業後に児童生徒自身が学習を振り返り、次の学習に活かすことができるような振り返りの方法について、指導主事が各学校に訪問する際に、各学校の状況に応じて紹介するなど、改善を図っていきたいと考えています。また、本調査で出てきた課題については、各学校に配付する報告書で周知するとともに、課題への対応策の好事例を収集し紹介するなどの改善も行っていきたいと考えております。
 以上、「令和5年度全国学力・学習状況調査の結果について」、報告させていただきました。

松井教育長

 はい、ありがとうございました。
 今年4月に実施されました全国学力・学習状況調査の結果につきましては、正答数、正答率の結果だけは、報告させていただいていたのですけど、より詳しい分析結果について報告をしていただきました。
 それでは、ただ今の説明につきまして、御質問等がありましたらお願いいたします。
 内容が多岐にわたりますが、私の方から質問いたします。この分析結果は、学校ごとに同じように整理されるのでしょうか。

指導第二課長

 各学校の自校の結果と児童生徒個々の結果が分かるようになっております。ホームページとウェブシステムの中で各学校が独自に見ることができるようになっておりまして、各学校では、教科ごとに重点課題について、改善に向けた指導内容や方法の検討を行い、正答率30%未満の生徒に対する具体的な手立てについて分析しまして、指導方法等の改善計画を作成しています。各学校は、その計画を基に、今現在、取組を進めているところです。

松井教育長

 課題になるところは大体似たようなところが課題になるかと思いますが、考え方としては、学校ごとの、自分の学校はここが弱いとかいうところも分かった上で、それぞれの対策を打たれるような情報提供を例年されているということでよろしいですか。

指導第二課長

 はい、そのとおりです。

松井教育長

 はい、分かりました。

伊藤委員

 各学校のデータがあって、各学校によって、正答率が高い項目や低い項目があると思います。学校の取組が結果に反映していることがあると思いますけれども、そういう良いと思うような取組を今後、他の学校に周知するお考えはありますか。
 それから、13ページの別紙3-3の右側、小学校第5・6年のところで、「図表やグラフを用いた目的や意図を捉える」内容の項目は、11ページの別紙3-1の、小学校第5・6年の内容と連動するものだと思いますけれども、この小学校の11ページのところの正答率が、かなり低くなっています。小学校5年生のこういう問題の正答率が低いということは、中学校の別紙3-3の結果に連動していく、この結果で言えば、小学校第5・6年の基盤がしっかりできていないので、それが中学校2年生の結果に連動していったということはあるのでしょうか。2点お願いします。

指導第一課長

 1点目につきましては、各学校が指導第一課に計画を出してくるときに、昨年あたりから、伊藤委員がおっしゃったことを意識してほしいと思っていまして、母数が少ないので、質問紙項目と教科ごとの得点のクロスまではしないのですけれども、一応、その学校の特徴として、例えば読書によく取り組んでいる学校は国語の正答率が高いというところがあれば、指導第一課で、校長会などにおいて積極的に周知をしていこうということで、周知も実際しているのですが、そういうことをしていきたいので、全方位的に分析をしてほしいということを学校に申し上げているところです。

伊藤委員

 はい、良い結果がありましたら、また、周知をお願いします。

指導第一課長

 そうですね。

指導第二課長

 2点目についてお答えします。小学校の国語の書くことについても課題があるということで、中学校の書くことの課題と共通しておりまして、両校種ともに、別紙3-1と3-3で書くことに関しての指導改善のポイントを学校に示すとともに研究会や学校訪問をした際に、指導・助言を行っていく形で改善を図っていこうと考えております。

伊藤委員

 はい。これを見ていくと、小学校の土台がしっかりしないと中学校に影響してくるのかなと思いましたのでお聞きしました。よろしくお願いします。

秋田委員

 私は、毎年同じ発言をしているのですが、調査結果の課題について、先生方が工夫をして指導をいただいたらと思うのですけれど、やはりとても練りに練った問題が出されていると思うので、子どもたちが、これをしっかりと理解ができるように復習というか、理解させるきっかけにしてもらったら良いと思っています。既にいつも授業ではされているのだと思いますが、12ページでも、底辺と面積の関係の図がビジュアルで書かれていますから、こういう形で考えれば良いということを理解できれば良いと思いますし、見せていただいた英語の「話すこと」の動画についても、カンガルーに関する問題をアレンジして、別の文章だったらどうなるかを復習する形でしてもらったら身に付いていくと思うので、しっかり身に付けるところに重心を置いてもらったら良いと思います。
 17ページの学校質問紙の(5)指導方法で、「算数・数学の指導として、実生活における事象との関連を図った授業をしている」と書いてあるのですけれども、具体的にどういうことをしている先生方が「しています」と回答されているのか、「していない」と回答された方は、どういうことをイメージして書かれたのか、イメージの仕方によっても回答が違ってくるような気がします。この質問だけでは正確な実態が表れるわけではないのかなと思うのですが、実生活における事象と関連を図った授業はとても大事だと思うので、実際にどういうことを、実生活における事象との関連を図ってされてるかっていう、何か具体的なものを言ってもらった方が、先生方がそれをすぐ生かしていけると思います。丸4についても、「聞いたり読んだりしたことについて、その内容を英語で書いてまとめたり、自分の考えを英語で書いたりする言語活動を行った」と書いてあり、自分の言葉で自分の考えを書くのはとても大事なことだと思うので、日々の授業の中でやっていかれていると思うし、丸5についても、外国の方を案内するとか説明するという、自分の考えを述べるっていうのは、日本語でも難しく大事なことなので、短い文章ででもそれをする練習を心がけて、一問だけの小さなミニテストという形で、日々の生活の中で身に付けられるようにしていっていただきたいと思いました。

指導第二課長

 はい、ありがとうございます。それぞれの質問に肯定的な回答をしている学校の情報などを再度聞き取らせていただいて、その部分について、御指摘いただきました具体的なことを学校等にしっかり周知していきたいと思います。

指導第一課長

 いくつか御質問いただいた、今回のテストの問題と授業で実際にどう生かすかということに関してお答えします。
 小学校の算数で、帯の中に二つの三角形が入っている問題は、5年生の教科書にほぼそのものが入っています。小学校で言いますと、国語の問題も非常に平均正答率が低かったのですが、これもほぼ同じようにグラフが説明文の中に入っていたりして、それを読み解きながら、説明文を読み、その後でさらに自分たちが作ってみるという学習も入っています。調査は6年生が対象ですが、教科書は5年生の学習として入っているところなので、当該学年だけではなく学校全体がこれを見た上で、それぞれ系統性を見ながら、文科省が出している問題というのは学習指導要領の中でも特に重視している部分ですので、学校としてそこに重点を置いて、算数は特に本当にそのまま出ているので、同じような活動をさせるということが積み重なれば、秋田委員がおっしゃるとおり身に付いていくだろうと思います。
 具体化という点では、文科省は、授業のヒントということで具体的にこんな授業をしたら良いですよというものは一応出してくれているのですが、教育委員会事務局ができることとしては、実際授業の中で見ていただくということで、指定校で実際にそういう授業をしていただいて、9月に委員に視察していただいた八木小学校の算数の授業がまさにここで言う「主体的な」ということになってくるので、そういった授業を実際の子どもたちと先生たちのやり取りの中から見ていただくことは、指導第一課としても心がけていきたいと思っています。

秋田委員

 はい。

西委員

 毎回思うのですけれども、データを集計するだけではなくて、対策としてどうするべきかというところを、毎回丁寧に資料を作っていただきまして、しかも、今お聞きすると、学校ごとに資料があるということで、非常に役立つ資料を作っていただいたことに敬意を表したいと思っております。
 特に、指導の対策について、学年だけではなくて下の学年から学習指導要領をずっと紐解いて、方策を提案していただいていることが、大変役に立つと思いますので、ありがたいことだと思っております。
 それから、2点目、特に17ページなのですが、学校質問紙で指導の方法について先生方に聞いていただいているのですが、全国平均よりも下回っているものが多いです。でも、それは言ってみれば先生方の自覚と言いますか、こういうふうに指導方法を変えた方が良かったとか、もう少し自分は研修の余地があるとか、そういうことを述べられているのだと思いますので、そういう意識をお持ちである限り、まだ成長の余地があると考えます。指導方法で苦手なことについて、先ほど秋田委員がおっしゃったのですが、漠然とした言い方ではなくて、もう少し具体的にどういう方策を取ったら良いか、自分は何が苦手であったのかということを明らかにしていただきましたら、そのことを先生方が克服するために、それを研修のテーマにするとか、教育センターでの研修につなげていくなど、できなかったということをどうやったら良いかということについて、もう少し掘り下げていただきますと、もっともっと成長していくのではないかと思いました。

指導第二課長

 はい、ありがとうございます。最初に、教育長から御質問があったところと同じような形なのですが、各学校で全国学力・学習要状況調査の結果から、国語、算数、数学、英語の指導方法について先生方が検討しているのですが、この点については、重点課題や重点課題に対応した指導方法、そういう改善計画を各学校で検討して、提出してもらっておりますので、そのうち、今おっしゃられている丸2から丸5のような指導が行われてないような学校については、改善計画を含めて指導・改善ができるように、学校訪問等も含めまして、指導助言等もしていきたいと思います。ありがとうございます。

西委員

 よろしくお願いいたします。

一橋委員

 初めてこういう資料を見せていただいて、私自身の勉強が足りていないうちに質問させていただくのは少し恐縮しますけれども、気が付いたことを二つほどおたずねさせていただきます。
 一つ目です。悉皆調査ですから、全国の児童生徒が回答した結果、正答率というかたちで平均値の数字が出ています。ある年度の、例えば、都道府県、市町村、地域を比較するのは、ある程度意味があると思います。しかし、毎年問題の内容もレベルも違う中で行う場合に、正答率を比較することは可能かもしれませんが、例えば、経年で見る時は、単純に正答率を比較しても、まず意味があるのかなというのは感じます。そういう意味では、分布、ばらつきが大事ということですが、4ページの分布状況を見ると、各科目で随分形が違います。国語と英語の山の位置も全然違いますし、数学はなだらかな状態です。この辺の分析をどのようにされているのか、詳しくなくても簡単にお聞かせいただきたいと思います。
 二つ目は少し単純な質問です。私もまだ慣れていないので、表の見方が間違っているかもしれませんが、18ページの一番上の(6)が児童に、(7)が学校側に聞いた質問だとすれば、(6)の丸1、「ICTの機器を週1回以上使用した」かという質問に対し、中学校が80%、小学校が87%の回答で、(7)の丸3、「PC・タブレットなどのICT機器を、授業で週1回以上活用した」かという質問の回答はだいぶ高い数字ということです。同じ質問でこのように差が出るのは、どうしてなのでしょうか。

指導第一課長

 1点目ですが、一橋委員がおっしゃるとおり、この分布を見ると、いわゆる非正規分布になっていて、標準学力テストといったものとは少し趣旨が違うもので、国も、学習指導要領の趣旨を問うものであると言っています。ですので、経年比較は基本的に意味がないというのはおっしゃるとおりで、問題の質も変わってくるし、その時々に学習指導要領の中から大切だと思うものをどれだけ定着してるかを問う問題ということです。とはいえ、学校はどうしても経年で比較をしながら「上がった」、「下がった」と言ってしまうのですが、教育委員会事務局としては、特に正答率30%未満の子どもたちが、どういう分布になろうと、学力が定着していないと位置付けて重要視し、そこに対して授業をどう改善するのかという手立てとして、この学力テストを位置付けています。国もそのような位置付けで行っていると言っているので、確かに中学校の数学を見ても、ほぼ同じような分布が端から端まで続くという中で、縦に棒線が引いてある30%未満の子どもたちが何かと学習に対して困難を感じている子どもであるということを捉えるための機会、授業を改善するための手段、と捉えています。繰り返しですが、どうしても資料の作りとして、何年、何年、何年と並べていると経年比較してるように見えてしまうのですが、その時その時の子どもたちの学力の状況を見て、授業改善、学力向上に役立てているところです。

一橋委員

 分かりました。

指導第二課長

 2点目の御質問について、生徒が答えている(6)の丸1の質問と、学校が答えている(7)の丸3の質問が、同じような質問なのに、それぞれが回答の数字が違っていることについてです。この差が出てきているのは、児童生徒質問紙は、児童生徒が一人一人が答えており、その児童生徒の感じ方もあるでしょうし、逆に、学校質問紙の丸3については、1校全体として答えているので、どちらでもしているということになれば、学校の数字は高くなっていると思います。全ての授業で活用していなくても、一部でも活用していれば、活用していると回答しているので、そこに差が出てきているのではないかと思います。

一橋委員

 同じようなことをしても、授業を受ける生徒と学校とでは、少し具合が違って、時間の感じ方の違いなどが出ているということですね。

指導第二課長

 そのように思っています。

松井教育長

 学校質問紙では、令和4年度のことを答えるのですか、令和5年4月時点での状況を答えるのですか。

指導第一課長

 児童生徒には「5年生までに(1、2年生のときに)」と前年度のことを聞いています。学校質問紙では、その年にどれだけICT機器を使っているのかを答えていると思います。ですから、全国平均も同じように数値がかなり上になっています。広島市は特にそろったのが遅かったこともあるので、今年度で言えば、全ての学年で使っていると教員が答えていらっしゃるところです。

松井教育長

 そうですね。私の理解では、児童生徒への質問として今どうかと問うとバラバラになるから、6年生には「5年生までに使用したか」、中学校3年生には「1、2年生のときに使用したか」と聞いています。そうすると、少しポイントが低い結果となっているのは、前年は過渡期でそこまで進んでいなかったので、ですから、(7)の丸3の1年前の令和4年度ぐらいのレベルで児童生徒は答えているイメージを私は持っていて、少しタイミングがずれていると思っています。調査は令和5年4月で、今は週に1回くらい活用できていますので。アンケートなので、受け取った方がどう考えるかでその差が出ていると理解しました。それだけではないのかもしれないですけど、そういう要素もあるということは十分考えられるということで良いですか。

指導第二課長

 はい。

松井教育長

 アンケートもですね、それにしても数字が大きいということですね。

一橋委員

 差がありますので、もう少しアンケートの仕方を工夫する必要があるのではないかと思いました。

松井教育長

 そうですね。最後にまたICTのことが出たので、意見です。
 今回、(7)の丸3から丸5について、全国平均より少し結果が低いので、白抜きになっているのですが、それでも、例えば、丸3は98.6%で、前年は87.1%なので、感覚として、この1年ぐらいで、タブレットの活用がすごく進んできたと実感しています。そういう中で、今後の課題としては、丸4とか丸5、つまり、タブレットを使うようにはなったけど、丸4みたいに、児童生徒の個々の特性などに応じたきめ細かい指導や、丸5にあるように、そういったものを児童生徒が自分の考えを表現するようなことにもっと活用するという部分が今後の課題だと、このアンケートを見て思いました。その辺は是非、せっかく全ての児童生徒にタブレットを導入したので、より良く活用していただきたいと思います。
 それからもう一つ、今回、5年ぶりに中学校の英語「話すこと」の調査を行って、先ほど動画を見ましたが、確かに、相当難しい。100点満点で全国平均が12点というのは非常に大変なことだと思います。広島市は全国平均より少し高いのですが、それにしても14点なので低いですね。問題の動画を見て限られた時間で答えるのは、慣れの部分もあるのでしょうけれども、中学生にはなかなか難しかっただろうと感じました。ただ、そうは言いましても、広島市は平和教育に力を入れていますので、特に、聞くことと話すことは大事だと思いますので、これを一つの契機としてより話すことについて取組を進めていただきたいと、これもお願いです。

指導担当部長

 今のお言葉を受けまして、確かに、この問題が、学習指導要領に示されている目指すべき資質・能力、子どもたちに付けなければいけない資質・能力を踏まえて作られていて、それが、「こういった授業をしてください」、「こういった問題が解ける子、対応できる子にしてください」というメッセージ性があるものです。このたびの英語「話すこと」ですが、国研の担当者が言うに、あまりにも実生活に近い、そこに近づけよう近づけようとして問題を作ったために、場面が複雑になってしまったというようなことも言っていました。ただし、これは学習指導要領をもう1回読んでも、やはり付けなくてはいけないと書いてある資質・能力に沿った問題であるとは思います。ですから、教育長がおっしゃったように、教育委員会にとってもこれからの施策を考えていく上で、学校にとっても日頃の授業をもう1回振り返り、改善していく上で、本当に良い契機になった問題だと思っていますので、またこれから次年度に向けて、子どもたちの聞く・話す力を付けるために取り組んでまいりたいと思っております。

松井教育長

 ありがとうございます。他に御質問等がないようでしたら、本件につきましてはこの程度にさせていただきたいと思います。
 続きまして、次の議題2につきましては、冒頭でお諮りいたしましたとおり非公開ということになりましたので、傍聴の報道関係の方は、退席していただきますよう、お願いいたします。

(非公開部分省略)

松井教育長

 以上で議題は全て終了いたしました。
 これをもって、令和5年第13回広島市教育委員会議定例会を閉会いたします。
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7 議決事項

議案番号

件 名

議決結果

41 教職員の人事について 原案可決

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