ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 分類でさがす > くらし・手続き > 教育 > 広島市教育委員会 > 教育委員会 > 教育委員会のご案内 > 令和5年第11回教育委員会議(8月臨時会)議事録

本文

ページ番号:0000363217更新日:2023年12月20日更新印刷ページ表示

令和5年第11回教育委員会議(8月臨時会)議事録

令和5年第11回 広島市教育委員会議議事録

 令和5年8月27日(日曜日)、令和5年第11回広島市教育委員会議(臨時会)を中区役所3階第3・第4会議室において開催した。

1 開会及び閉会に関する事項

 開会 午後2時
 閉会 午後5時44分

2 教育長及び委員の出席者

 教育長 松井 勝憲
 委員 井内 康輝
 委員 栗栖 長典
 委員 秋田 智佳子
 伊藤圭子委員及び西敦子委員は欠席

3 事務局等の出席者

 教育次長 木村 滋宏
 総務部長 石橋 正啓
 青少年育成部長 橋本 英士 
 指導担当部長 中谷 智子
 教育センター所長 松浦 宰雄
 総務課長 山本 雅英
 指導第一課長 高田 尚志
 指導第二課長 長屋 吉輝
 特別支援教育課長 山領 勲 

4 傍聴者等

 22人

5 議事日程

 議題1 令和6年度から使用する広島市立小学校用教科用図書の採択について(議案)
 議題2 令和6年度から使用する広島市立広島特別支援学校及び広島市立小・中学校(特別支援学級)用教科用図書の採択について(議案)
 議題3 令和6年度使用広島市立高等学校・中等教育学校(後期課程)用教科用図書採択について(議案)

6 議事の大要

松井教育長

 ただ今から、令和5年第11回広島市教育委員会議臨時会を開会いたします。
 本日は傍聴の方もお見えになっておられますが、お手元にお渡ししております注意事項をよくお読みいただき、静粛に傍聴していただきますようお願いいたします。
 本日は除斥の規定により、伊藤委員、西委員が欠席となりましたが、定足数を満たしております。本日の議事録署名者は、井内委員と秋田委員にお願いします。
 これから日程に入ります。
 本日の議題はお手元の議事日程のとおりです。
 それでは、議題に入ります。
 議題1の議案第36号「令和6年度から使用する広島市立小学校用教科用図書の採択について」を議題とします。
 本件は審議案件です。まず、概要について、指導第一課長から説明をお願いします。

指導第一課長

 本日は、「令和6年度から使用する広島市立小学校用教科用図書の採択について」、御審議いただきます。
 資料につきましては、資料1、資料2に加えて、右肩に四角囲みで「別紙」と示したものをお配りしています。
 資料1の1ページを御覧ください。
 5月の教育委員会議で御審議いただきました令和6年度使用広島市立義務教育諸学校用教科用図書採択の基本方針のうち、2、適正かつ公正な採択の確保、3、開かれた採択の推進について改めて御説明します。
 2、適正かつ公正な採択の確保の「採択権者の権限と責任において、適正かつ公正な採択を行うこと。」「特定の教科書発行者と関係を有する者が教科書採択に関与することがないようにすること。」を受け、各学校には、4月12日付けで、「教科書採択における公正確保の徹底等及び令和6年度使用教科書の採択事務処理について(通知)」において、学校と教科書会社との関係において疑義が生じることのないよう、「教科書採択の公正確保に関する学校の対応について」を周知し、公正確保の徹底を図ってまいりました。採択審議会の委員及び調査員については、「教科用図書採択に利害関係がない者」であることを誓約書の提出によって確認をしたうえで、委嘱・任命しています。
 また、3、開かれた採択の推進の「採択に係る情報を公開する等、開かれた採択を推進する。」については、採択後、順次、採択結果や理由をはじめ、会議録等の公表を行うこととしています。
 次に、これまでの教科書採択の経過を説明いたします。
 2ページを御覧ください。5月24日の教育委員会議で、令和6年度使用広島市立義務教育諸学校用教科用図書の採択について、上段の「広島市教育委員会」の枠内にありますように、採択基本方針の決定、採択審議会への諮問事項の決定、採択審議会委員の委嘱又は任命を行い、その下、図の丸2にありますように、採択審議会へ、各教科書の特徴や審議会の意見としての「よりふさわしい教科書」、「ふさわしい教科書」について答申するよう諮問しました。
 上から二つ目の四角囲み、広島市教科用図書採択審議会は、5月30日、7月19日、7月28日の3回開催され、3ページに示してあります小学校用教科書全てについて、調査員から示された調査・研究報告書を踏まえて諮問の内容について審議を行い、図の丸6の部分となりますが、8月22日、教育委員会に答申されました。
 続いて、教科書展示会について説明いたします。図の右下にありますように、本市では、教育関係者のほか、市民の皆様に教科書に触れていただくための機会として、教科書展示会を開催しています。教科書展示会は、広島市教育センターのほか、全ての中学校区ごとに指定した小学校において実施しました。展示会場では、教科書採択に関する質問等に対応できるよう、質問等記入用紙を置きました。
 右肩に、四角囲みで「別紙」と書いている1枚ものを御覧ください。こちらは、展示会において記入された方が書かれたものを転記したものと、市民から直接教育委員会に提出された要望についてまとめたものです。
 最後に、本日審議していただきます小学校用教科用図書について説明いたします。
 資料1の2ページ「小学校用教科書目録(令和6年度使用)」に登載された教科書一覧を御覧ください。表の上段に番号、種目、発行者の番号・略号、種類数、点数と項立てしていますが、この度、採択審議会で扱いました教科用図書は、11教科13種目、合計54種類、259点となります。これら259点の教科用図書としての調査、研究に当たりましては、各教科の調査員が全ての見本本の調査を綿密に行っております。
 以上で、教科書採択に係る概要の説明を終わります。

松井教育長

 はい、ありがとうございました。
 それでは、ここから各種目の教科用図書についての審議を開始いたします。

栗栖委員

 1点、いいですか。1ページで、2番の適正かつ公正な採択の確保について御説明いただいたのですが、具体的にはどういう方法で確認されているのでしょうか。

指導第一課長

 まず、調査員としてこちらが推薦する際に、学校長と御本人宛にチェックを入れていただく用紙をお配りしています。そこには、「教科書発行者の役員、従業員並びにこれらの配偶者及び三親等以内の親族ではありません。」など五つのチェックポイントがあり、そこに全てチェックをしていただいて、問題がない方を推薦します。その後で、こちらにいらっしゃった時には、秘密の保持ということで、「ここで得た情報を外に出すことはありません。」ということを約束いただいた後に、8月31日まで委嘱をしております。

栗栖委員

 教育委員会としても、この2番の教科書採択における適正かつ公正な採択の確保ということは、最優先される重要なことです。きちんと確認されているという理解でよろしいですか。

指導第一課長

 はい、結構です。

栗栖委員

 はい、分かりました。

松井教育長

 よろしいですか。
 それでは改めまして、各種目の教科用図書についての審議を開始させていただきます。
 まず、国語について指導第一課長から説明をお願いいたします。

指導第一課長

 それでは、国語について説明をいたします。資料2の答申の2ページを御覧ください。
 まず、1、本市の実態や児童の状況、2、調査・研究の観点と視点についてです。本市においては、概ね学力が定着している一方で、前回採択を行った平成31年度の課題と同様とはなりますが、目的や意図に応じて理由を明確にしながら、自分の考えが伝わるように書き表し方を工夫することや、目的や意図に応じて必要な情報を選び出して整理したり関連付けたりしながら自分の考えを明確にして表現することが課題として挙げられており、その課題に対応する、2にございます視点が丸3、丸4、丸5、丸6となっております。採択審議会においては、特に重要な視点として、視点丸6について主に審議をされております。
 次に、3、各教科書の特徴についてです。答申の3ページから御覧ください。国語では、主に審議をされた視点丸6、年間の学習内容の見通しのもたせ方について、各者5年生の教科書を御覧いただきながら説明をいたします。
 まず、東京書籍5年6ページを御覧ください。巻頭に1年間の学習を見通し、単元名や教材名とともに目標とする力をロードマップで示しております。また、巻末294ページには折り込みで、上段に各領域等の目標とする力と単元名を示しています。下の段には、前の学年の目標とする力と単元名を示しております。
 次に、教育出版5年生上の4ページを御覧ください。教育出版では、巻頭に1年間の学習を見通し、各領域等の単元名を教材名とともに、目標とする力を示しております。
 続きまして、光村図書出版5年12ページを御覧ください。こちらの巻頭の上段には、1年間の学習を見通し、目標とする力を各領域等の教材とともに示しております。下の段には、前の学年の学習のポイントを各領域等の学習過程に沿って示しております。17ページには、1年間でできるようになりたいことや、楽しみな学習を児童が記入できる欄が設けられております。また、巻末250ページには、一年間を振り返り、身に付いた力について記入する欄が設けられております。
 最後に、答申の6ページ、4番の意見を御覧ください。審議の結果、審議会からの意見として、意見1「光村図書出版の教科書は、本市で使用する教科書としてよりふさわしい。」、意見2「東京書籍の教科書は、本市で使用する教科書としてふさわしい。」が付されています。
 意見1の理由として、1点目が、巻頭に国語科の学習の進め方を示すとともに、各単元では学習過程を領域別にステップを設けて示している。さらに、見通しをもつ学習において、児童が「問い」から「目標」をもち、課題解決に向かうことができるようにしている。2点目、巻頭に領域別に1年間の学習内容と目標とする力を示すとともに、前学年の学習のポイントを関連させて示している。また、巻頭に1年間でできるようになりたいことなどを記入する欄、巻末には1年を振り返って、身に付いた力を記入する欄があり、年間を通して身に付ける力を児童と教員が意識できるように、さらには、児童がそれらを振り返り、身に付いた力を自覚することができるようにしている。3点目、2年生以上は、情報の扱い方に関する教材を年間2か所配置し、巻末の折り込みに「図を使って考えよう」のページを設け、情報を選び出して整理し、関連付ける際や他教科等の学習において活用できるようにしている、が挙げられております。
 また、意見2の理由として、1点目、巻頭に国語の学習の進め方を示すとともに、各単元では「見通す」などの学習過程を示し、児童が見通しをもって学習に取り組むことができるようにしている。2点目、巻頭に1年間の学習内容と目標とする力をロードマップで示している。また、巻末に折り込みで領域別に1年間の学習内容と目標とする力を示すとともに、前学年の目標とする力と関連させて示している。最後、3点目、2年生以上は、情報の扱い方に関する教材を読むことと書くことの単元間に年間3か所配置し、説明的な文章の学習で身に付けたことを生かして書く学習となるよう、情報の扱い方に関する知識・技能を活用できるようにしている、が挙げられております。
 国語についての説明は以上です。

松井教育長

 ただ今の説明につきまして、御質問、御意見等があればお願いいたします。

栗栖委員

 国語につきましては、説明もありましたが、本市の実態や児童の状況は概ね良好であると理解しております。また、一方、「書くこと」について、「書き表し方を工夫することや必要な情報を選び出して整理したり、身に付けた言葉の力を実生活で生かす」ことが課題として挙げられております。この観点で教科書を見て、光村図書出版がよりふさわしいという御説明をいただき、5ページの光村図書出版の特徴のところに書いてあるのですが、視点丸1、丸4で、「書くこと」に対する意識付け、また、情報に関しては、視点の丸3で、情報の扱い方に関する事項が書いてあること、それから実生活では、視点の丸5で、日常生活へのつながりのもたせ方にも触れられているということですね。そういったことと、さらに、教科書の17ページで「できるようになりたいこと」を最初に書いて、最後に、250ページに、「5年生を振り返って」と、1年間の状況を自分で確認する形になっていて、各単元の終わりにも、「生かそう」ということで、最終的に総括するような仕掛けになっていますので、こういった教科書を使うことによって、広島市の課題に対応できるのではないかと思いました。
 この光村図書出版がよりふさわしいという答申の意見に賛成したいと思います。

井内委員

 私も栗栖委員とほぼ同感なのですが、光村図書出版で特に良いと思ったのは、巻頭に、1年間でできるようになりたいことや楽しみな学習を記入する欄を設けているところです。これは他の教科書にはなかった点で、こういう、身近なテーマについて考え、自分の考えをまとめて文章にし、残していくという作業が、今、本市に足りないと言われている「書くこと」の力を養うことにつながりはしないかと期待してるところです。なかなか一概にこうしたから書けるようになったとか、自分の考えをまとめられるようになったと、一朝一夕に身に付く力ではないと思うのですが、単に1年間の見通しを見せて良いというだけではなく、自分が何を学びたいかを考えさせるのはとても良い提案だと思いました。
 光村図書出版の教科書をよりふさわしいという審議会の意見に賛成したいと思います。

松井教育長

 はい、他に御質問等はございますでしょうか。
 それではお諮りいたします。
 国語につきましては、光村図書出版がよりふさわしいと考えられますので、光村図書出版を採択することでよろしいでしょうか。
 (異議なし)
 異議なしと認め、国語につきましては、光村図書出版を採択することに決定いたしました。
 続きまして、書写につきまして、指導第一課長から説明をお願いいたします。

指導第一課長

 それでは、書写について御説明いたします。答申は8ページになっております。まず、本市の状況と調査の視点についてです。本市においては、前回採択を行った平成31年の課題と同様ですが、入学前に誤った筆記具の持ち方や姿勢等を習得している児童が多く、限られた授業時間の中で筆記具の持ち方や姿勢等の基礎的・基本的な知識及び技能を確実に習得させることや、学習内容を各教科の活動に生かすことが課題として挙げられており、その課題に対応する視点は丸1、丸2、丸10でございます。そのうち特に重要な視点として、視点の丸2について主に審議をされました。
 次に、各教科書の特徴についてです。答申は9ページからとなります。書写では、主に審議をされた視点丸2、書く姿勢・筆記具の持ち方・用具の扱い方の示し方について、各者1年生の教科書を御覧いただきながら説明いたします。
 まず、東京書籍1年4ページを御覧ください。ここでは、右手と左手で書く場合の鉛筆の持ち方について写真で示しております。
 次に、教育出版1年6ページを御覧ください。右手と左手で書く場合の鉛筆の持ち方について、イラストと写真で示しております。
 続いて、光村図書出版1年8ページを御覧ください。右手で書く場合の鉛筆の持ち方についてイラストと写真で示しております。
 では、答申12ページ、意見について御説明します。 審議の結果、審議会の意見として、意見1「東京書籍の教科書は、本市で使用する教科書としてよりふさわしい。」、意見2「教育出版の教科書は、本市で使用する教科書としてふさわしい。」が付されております。
 意見1の理由として、1点目が「見つけよう」、「確かめよう」など、学習過程に沿って、硬筆、毛筆、そして硬筆の順に学習を進めており、硬筆と毛筆を関連させた指導を行うことができるようにしています。2点目、全学年に書く姿勢や筆記具の持ち方について示している、さらに、1・2年では、左手で書く場合の鉛筆の持ち方を児童が手を重ねて確認できるよう写真で示しており、教科書を参考にして書く姿勢や筆記具の持ち方を身に付けることができるようにしています。3点目、文字を書く時のポイントを「書写のかぎ」と称して関連するページに示す等、書写で他の文字を学習する時に生かすことができるようにしています。さらに、他教科等に関連する箇所にリンクマークと教科等名を示し、身に付けたことを他教科等の学習に生かすことを促していることが挙げられております。また、意見2の理由として、1点目、「つかむ・考える」など学習過程を示し、毛筆教材の前後に硬筆で書く「ためし書き」と「まとめ書き」を設けており、硬筆と毛筆を関連させた指導を行い、学習内容の定着を図ることができるようにしております。2点目、全学年に書く姿勢や筆記具の持ち方を示している。さらに、1・2年では、左手で書く場合の鉛筆の持ち方をイラストと写真で示している、が挙げられております。
 書写の説明は以上です。

松井教育長

 はい。ただ今の説明につきまして、御質問、御意見等がありましたらお願いいたします。

栗栖委員

 書写についての課題ということで、基礎的・基本的な知識や技能が課題だということ、もう一つは、各教科の活動に生かすことが難しい状況にあると記載されております。その中で見比べると、どの者の教科書も素晴らしい教科書ですけれども、やはり写真で分かりやすく説明がしてあるということと、実生活やいろいろな他の活動に生かすということであれば、9ページにあります、東京書籍の視点丸10の、他教科や日常生活に生かす言語活動の工夫というところで、いろいろなリンクマークと教科等名を付しているという工夫がしてありますので、最終的なこの答申の東京書籍の教科書がよりふさわしいという意見には賛成したいと思います。
井内委員

 本市の実態のところに書いてあることをつくづく実感するわけで、これは、子どもたちだけの問題ではなくて、大人にも当てはまることではないかと思います。少し視点がずれますが、漢字を思い出そうと思っても思い出せない、パソコンならすぐに変換入力できるというような実態を踏まえて、子どもたちにも、是非、書くということの楽しさというか、意味合いを教えたいと思います。ですから、ここで書く姿勢・筆記具の持ち方をどの者も丁寧に書いておられますが、書くチャンスをもつことが大事だというアピールがどの者も足らないのではないかという気がしました。私が見逃しているかもしれませんし、教科書の目的とはずれるかもしれませんが、もっと日本の文化の伝統について、こういうことが大事だよねということは、伝えても良いのではないかという感想です。ただ、教科書としてどれがふさわしいかと言われれば、これは、おっしゃるとおりだと思いますので、東京書籍のよりふさわしいという意見に賛成をいたします。以上です。

松井教育長

 他に御質問、御意見等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、お諮りいたします。
 書写につきましては、答申にあります、東京書籍がよりふさわしいと考えられますので、東京書籍を採択することでよろしいでしょうか。
 (異議なし)
 異議なしと認め、書写につきましては、東京書籍を採択することに決定いたしました。
 続きまして、社会について、指導第一課長から説明をお願いします。

指導第一課長 

 それでは、社会について説明します。答申が14ページからとなります。まず、本市の状況と調査の視点についてです。本市においては、前回採択を行った平成31年度の課題と同様、自ら課題を見付けることに加え、身に付けた知識、調べたこと、考えたことをもとに協働的に学ぶことが課題として挙げられており、その課題に対応する視点が丸1、丸5、丸10となります。そのうち特に重要な視点として、視点の丸5について主に審議がされております。
 次に、各教科書の特徴についてです。答申が15ページからになります。社会では、主に審議をされた視点の丸5、課題を追究したり、解決したりする学習を実施するための工夫について、各者6学年の教科書を御覧いただきながら説明いたします。
 まず、東京書籍6年政治・国際編12ページを御覧ください。各学年の最初の単元の中で、見開きページで問題解決的な「学習の進め方」を学習活動の具体例とともに掲載をしています。課題を見付ける場面を「つかむ」と示し、学習問題のつくり方や学習問題についての予想、調べることなど、具体的に学習場面を通して例示をしております。
 次に、教育出版6年6ページを御覧ください。各学年の巻頭に、見開きページで問題解決的な「社会科の学習の進め方」を掲載しております。課題を見付ける場面を「つかむ」と示し、学習の進め方を簡潔に文で説明しています。
 続いて、日本文教出版6年2ページを御覧ください。各学年の巻頭に見開きページで問題解決的な「社会科の学習の進め方」を掲載しています。課題を見付ける場面を「問題を発見する力を身につけよう」と示し、学習の進め方を吹き出しなどで説明をしています。
 答申21ページ、4番、意見についてです。審議の結果、審議会からの意見として、意見1「東京書籍の教科書は、本市で使用する教科書としてよりふさわしい。」、意見2「教育出版の教科書は、本市で使用する教科書としてふさわしい。」が付されております。
 意見1の理由として、1点目、見開きページに「つかむ」など問題解決的な学習の過程を示している。また、各学年の最初の単元の中で、問題解決的な学習の進め方を学習活動の具体例とともに示し、児童が自ら課題を見付け、見通しをもって学習を進めることができるようにしている。2点目、広島市を取り上げた事例を見開きページで設け、平和記念式典やヒロシマからの平和発信等について写真や年表、文章で示すとともに、「平和への誓い」を掲載している。3点目、言語活動について、活動の手順や書き込みやすいワークシート例を示しており、児童自らが身に付けた知識、調べたこと、考えたことを基に表現することができるようにしている、が挙げられています。
 また、意見2の理由として、1点目、見開きページに「つかむ」など問題解決的な学習の過程を示している。また、各学年の巻頭に最初の単元を例とし、問題解決的な学習の進め方を示している。2点目、広島市を取り上げた事例として、見開きページで「平和への誓い」を写真や文章とともに掲載をしている。3点目、言語活動について活動の手順やリーフレットの作品例を示しており、児童自らが身に付けた知識、調べたこと、考えたことを基に表現することができるようにしている、が挙げられています。
 社会の説明は以上です。

松井教育長

 ただ今の説明につきまして、御質問、御意見等がありましたらお願いいたします。

栗栖委員

 社会につきましては、課題としては、自ら課題を見付けることと、協働的に学ぶことということが記載されています。自ら課題を見付けるということは、そういった社会の問題に関心を持って、取り組むということが必要だと思いますし、そういう意味では東京書籍と教育出版が、視点丸5で、「つかむ」、「調べる」、「まとめる」、「いかす」、教育出版の場合は、「つなげる」になっているのですが、同じ構成で取り組む内容になっていて、甲乙付けがたいと思います。一方、協働に関して、いろいろなものを話し合うということで、教育出版も工夫はされているのですが、東京書籍の、説明はなかったのですが、6年の128ページに、ここには、16ページの下に書いてあるのですが、「長く続いた戦争と人々のくらし」と、広島のことに触れられていて、ここで話し合うような例が記載されています。協働的な作業ということと身近な広島の問題に関連した記載があることもありますので、そういう意味では、東京書籍が社会の教科書としてよりふさわしいという審議会の意見に賛成したいと思います。

松井教育長

 他に御質問、御意見等がありましたらお願いいたします。

井内委員

 質問です。東京書籍は政治・国際編と歴史編に分けてありますが、この意図はどこにあるのですか。他の2者等は大体一冊になっていて、歴史編が真ん中にあるような気がします。これは、例えば歴史編を随時使いたいという意図があって、別冊にした方が良いという考え方でしょうか。

指導第一課長

 教科書会社の趣旨という審議会で出たお話ということになるのですが、まずは分冊されてることで、持ち運ぶ時の負担の面がまず一つはあります。中学校になると、社会科が、公民と歴史の分野にはっきり分かれてくる中で、それを意識して、小学校の高学年からその方向に向けた学習ができるのではないかということで、メリットを審議会では議論がなされた、良いところとして意見が出されたと聞いています。

井内委員

 教科の先生方としては、やはり中学校から分けてやるのが、それぞれの歴史なら歴史、政治なら政治と経済に分ける方が良いという非常に基本的なお考えがあるということですか。

指導第一課長

 そうですね。小学校の審議会でそういった意見がありました。

井内委員

 その辺りの流れは分からないので、並列して使うこともあるだろうし。小学校の時代に歴史のことと今の政治の仕組みと連動させて勉強させるためには、この教科書1冊の方が良いという考えもあるかと思いました。東京書籍だけ形の上で違うので、気になりました。中身について言えば、評価されているところは同意見です。我々は特に平和問題に関することに注視をしたいと思っているのですが、東京書籍はページ数が見開き2ページで、内容的にも多岐に渡った捉え方をしていると思うので、平和への取組というところを子どもたちにしっかりと見させるためには、この東京書籍の教科書の方が良いと思いました。ですから、今の歴史編をなぜ分けているのか気になってはいたのですけれども、そういう意図があるとすれば、東京書籍がよりふさわしいという御意見には、賛成したいと思います。以上です。

松井教育長

 他に御質問、御意見等ございますでしょうか。
 意見もないようでございますので、それでは、お諮りいたします。
 社会につきましては、答申にありました東京書籍がよりふさわしいと考えられますので、東京書籍を採択するということでよろしいでしょうか。
 (異議なし)
 異議なしと認め、社会につきましては東京書籍を採択することに決定いたしました。
 続きまして、地図について指導第一課長から説明をお願いいたします。

指導第一課長

 それでは、地図について、説明をいたします。答申は23ページからとなります。本市の状況につきましては、先ほどの社会科と同様のため省略します。調査の視点については、丸1、丸3、丸8でございます。そのうち特に重要な視点として、視点の丸1について主に審議がされております。各教科書の特徴について、答申24ページから御覧ください。
 地図では、主に審議をされた視点丸1、地図の見方や活用の仕方を定着させるための工夫について、各者の教科書を御覧いただきながら説明をします。
 まず、東京書籍7ページを御覧ください。地図帳の導入として、見開きページにまちの様子をイラストと地図で示しています。また、9ページ以降は、「地図のきまり」や「地図帳の使い方」を6ページ設け、方位、地図記号、索引、縮尺等についてイラストや地図等を使って説明し、地図の見方や活用の仕方を示しております。
 次に、帝国書院7ページを御覧ください。地図帳の導入として、4ページにわたって学校の周りの様子やまちの様子をイラスト、写真、地図で示しています。また、11ページ以降には、「地図のやくそく」や「地図帳の使い方」を10ページ設け、方位、地図記号、索引、縮尺等について、大きなイラストや写真、地図等を使って説明し、地図の見方や活用の仕方を示しております。
 答申28ページ、4の意見を御覧ください。審議の結果、審議会からの意見として、意見1「帝国書院の教科書は本市で使用する教科書としてよりふさわしい。」、意見2「東京書籍の教科書は本市で使用する教科書としてふさわしい。」が付されております。
 意見1の理由として、1点目、「地図のやくそく」など地図帳の導入にあたるページを14ページ設け、地図の見方等について大きなイラストや写真、地図等を使って説明し、地図帳の入門期となる3年生の児童でも地図を活用するための基礎的な力を身に付けることができるようにしている。2点目、100万分の1の「中国地方」、「四国地方」の地図に加え、50万分の1の「瀬戸内海周辺」を拡大した地図を示すことで、児童が身近な地域に興味・関心を持ちながら地図を活用し、自ら課題を見付けたり、調べたりすることができるようにしている。3点目、表現活動の部分として、「防災マップづくり」の手順を示すなど、調べたことや考えたことを表現することができるようにしている、が挙げられています。
 また、意見2の理由として、1点目、「地図のきまり」など地図帳の導入にあたるページを8ページ設け、地図の見方等についてイラストや地図等を使って説明し、児童が地図を活用するための基礎的な力を身に付けることができるようにしている。2点目、100万分の1の「中国地方」、「四国地方」の地図を示している。3点目、表現活動の工夫として、「ホップ↗ステップ↗マップでジャンプ↗」においてオリジナルの地図記号を考える活動などを示している、が挙げられております。
 地図の説明は以上です。

松井教育長

 ただ今の説明につきまして、御質問、御意見等がありましたらお願いいたします。

秋田委員

 QRコードが載っていますが、QRコードの中身は直接研究の対象にはなっていないのですか。

指導第一課長

 はい。QRコードの中身については、全教科、一応、今回の研究の対象となっていないということで、今回の選ぶときの視点にはしておりません。

秋田委員

 はい。

栗栖委員

 帝国書院と東京書籍、本当に甲乙付け難い、両方ともすばらしい地図帳ですが、私はやはり、分かりやすさが一番重要ではないかと思いました。また、構成も、帝国書院は「地図マスターへの道」で、東京書籍は「ホップ↗ステップ↗マップでジャンプ↗」といろいろ工夫されております。ただ、審議会の方は、帝国書院ということで、これは本当に見やすいということです。例えば、帝国書院の14ページのいろいろな地図記号で、東京書籍は10ページにいろいろな地図記号をのせていて、帝国書院の方が少し大きいので、私が見るときには、こちらの方が見やすい印象も持ちました。やはり、広島なので、帝国書院の43ページに、瀬戸内海の周辺の拡大図があって、その左上に広島市の様子として原爆による被害状況などが地図帳に示されております。こういったことも含めて、総合的にこの審議会で、帝国書院の教科書がよりふさわしいと答申されていることに賛成したいと思います。

井内委員

 この地図帳がどのように使われてるかという現場の声が聞きたいと思いました。最後に数ページ、「日本の統計」が載っていて、いろいろな視点から、世界の統計について調べてあります。それに、日本の歴史も1枚書いてあります。私の感覚から言うと、地図を見る時に、こういうものが後ろに付いているのは良いと思います。ざっと地図だけ眺めて、「あれ、これどうだっけ。」と思った時に、そのページを振り返られるのは、とても良いのではないかと思います。そういう意味で見ると、まさに帝国書院も東京書籍も甲乙付け難いという気持ちで見ました。あとは、ここの審議会で評価された点が違うのだと思うのですが、あえてそれはおかしいというほどの根拠がないのですけれども、地図帳の使い方そのものがどういうふうにされているのか、現場サイドで、どれが使いやすいのかの評価は全く出ていないので、よく分かりませんけれども、先ほど私が言ったような使い方をされているのだろうと想像します。それで、トータルとしては、この帝国書院の地図帳の方が地図の基本的なことを勉強するのには良いという評価に賛成いたします。

松井教育長

 審議会の中で、巻末にある統計と地図帳と関連付けた使い方に関して、現場の方の話は特になかったのですか。

指導第一課長

 審議会の中で具体的な使い方に関する事例までは出てきていないのですが、審議会の先生方は使うことを想定しながら御意見を言ってくださっているとは思います。ここからは想像になるのですけれども、今の巻末の資料については、地図帳をどう使うかという視点の中に、問題解決のための手段の一つとしてというのがあります。それは、いわゆる地図、日本の形を表すとか、そういう地理的なものとともに、今井内委員がおっしゃったデータ的なものも自分たちの問題解決のために使うものとして活用されていると思うので、おっしゃるとおり、そこの部分ではどちらの者も差がないということで、この中に出てきていないのですけれども、これだけのものがあれば、子どもたちには十分、学習で自分が必要な情報をここから取り出していくという、昔、広島型でやっていた言語数理のようなところでの活用というところができるのかなと思います。ここは、審議会で出た話ではないのですが。

井内委員

 先生たちもこれを見られて、実際に、今、指導第一課長がおっしゃったような使い方としては、評価の上では差はないということなのでしょう。私たちが見て、小学校の子どもたちがどのぐらいこれを使って、広島型学習とおっしゃったけども、そういう考えることができる、この地図1冊で実はいろいろなこと考えることができるのですね。私は地図を見るの大好きだったので、このようなものが付いていると非常に嬉しいです。そういう意味で、地図の使い方がもっと広がっていくと良いと個人的には思っています。今の審議会の意見には賛成いたします。

松井教育長

 他に御質問等はございませんでしょうか。よろしいでしょうか。
 それではお諮りいたします。
 地図につきましては、帝国書院がよりふさわしいと考えられますので、帝国書院を採択することでよろしいでしょうか。
 (異議なし)
 異議なしと認め、地図につきましては帝国書院を採択することに決定いたしました。
 続きまして、算数につきまして、指導第一課長から説明をお願いいたします。

指導第一課長

 では、算数について説明いたします。
 答申が30ページとなります。まず、本市の状況と調査の視点についてです。本市においては、全国学力・学習状況調査の結果はおおむね全国平均並みです。ですが、前回採択を行った平成31年度の課題と同様とはなりますが、割合について理解することや学習したことを日常生活に結び付けて考えることが依然として課題として挙げられており、その課題に対応する視点が丸3、丸4、丸8となっております。そのうち、特に重要な視点として、視点丸3について審議をされました。
 各教科の教科書の特徴についてです。答申の31ページです。算数では、視点丸3、見通しをもって数学的活動を行うための工夫について、各者5年生の教科書を御覧いただきながら、説明いたします。
 まず、東京書籍5年下80ページを御覧ください。東京書籍は、2年生から6年生の単元末に「つないでいこう算数の目」として数学的な見方・考え方に焦点を当てた問題を掲載した特設ページを設け、児童がその単元で学んだ数学的な見方・考え方を働かせながら問題を解くことができるようにしております。
 次に、大日本図書5年10ページから15ページとなります。算数の大切な考え方として、巻頭に特設ページを設け、数学的な見方・考え方を示しています。また、179ページは、単元末に見方・考え方を確かめる問題を設けております。
 続いて、学校図書5年上8ページから11ページを御覧ください。ここでは、考え方モンスターとして巻頭に特設ページを設け、数学的な見方・考え方を示しています。同様のページを巻末にも設けております。また、88ページを御覧ください。単元末に考え方モンスターを使って振り返る特設ページを設けております。
 次に、教育出版5年4ページから6ページを御覧ください。ここでは、算数で使いたい見方・考え方として、巻頭に特設ページを設け、数学的な見方・考え方を示しております。また、188ページには、単元末に見方・考え方を4コマ漫画で振り返る学習を設定しております。
 続きまして、新興出版社啓林館5年9ページを御覧ください。ここでは、算数で使いたい考えの進め方として、巻頭に特設ページを設け、数学的な見方・考え方を示しています。また、240ページ、241ページには、年間で1~3回、これまでに学習してきた見方・考え方を確かめる学習を掲載しております。
 最後に、日本文教出版5年224ページを御覧ください。同じように単元末に見方、考え方を確かめる問題を設けています。また、併せて巻末にも見方・考え方をまとめて示しております。
 最後に、答申43ページ、4、意見ですが、審議の結果、審議会からの意見として、意見1「東京書籍の教科書は、本市で使用する教科書としてよりふさわしい。」、意見2「教育出版の教科書は、本市で使用する教科書としてふさわしい。」が付されております。
 意見1の理由として、1点目、児童が本時の問題と出合った際、既習事項との違いが分かりやすく、児童にとって自然な思考の流れで見通しをもって学習を進めることができる、また、単元末に、単元を通して働かせる見方・考え方を使って解く問題を示しており、身に付けるべき資質・能力を意識した授業づくりを教員が行いやすい。2点目、1年下「おおきい かず」では、アサガオやヒマワリの種の数を数える学習を設定しており、具体物を用いて数を数えることで、抽象的な数の概念を具体的にイメージがしやすい。3点目、6年「比例と反比例」の学習において問題解決の過程を示した上で、各過程における学習のポイントを2から3つずつ詳しく示すことで、自分の考えを表現し、伝え合う際の手立てとなっている。また、自力解決も自分で考えて学習方法を選択して学習できるような記述になっている、が挙げられています。
 また、意見2の理由として、1点目、算数の学習が苦手な児童にとっても興味をもって振り返ることができるよう、単元末に単元の中心となる見方・考え方を4コマ漫画で示している。2点目、1年「大きなかず」では、育てたアサガオの種の数を数える学習を設定しており、具体物を用いて数を数えることで、抽象的な数の概念を具体的にイメージがしやすい。3点目、6年「比例と反比例」の学習において、問題解決の過程を示した上で、各過程における学習のポイントを1から3つずつ示すことで、自分の考えを表現し、伝え合う際の手立てとなっている、また、自力解決も自分で考えて学習方法を選択して学習できるような記述になっている、が挙げられています。
 算数の説明は以上でございます。

松井教育長

 ただ今の説明につきまして、御質問、御意見等がありましたらお願いいたします。

栗栖委員

 算数につきましては、この本市の実態のところにも記載されていますように、概ね良好であると認識をしています。また、「変化と関係」の領域について、本市も低いのですが、これは本市のみならず全国的に苦手な児童が多いのではないかと思います。それから、算数の授業で学習したことを日常生活に結び付けて考えることが課題であると認識されておりまして、ここにある東京書籍と教育出版を、よりふさわしい、ふさわしいということで比較してみて、それぞれ、いろいろ工夫をされていると思いますし、教育出版は4コマ漫画を使われて、算数を身近に感じ、児童に興味をもたせるような工夫もされてると思います。ただ、学習したことを日常生活に結び付けるという観点で見ていきますと、東京書籍の31ページの視点丸4のところで、日常の事象からいろいろなものを導き出すということで、ヒマワリやアサガオの種の問題など説明をいただきましたが、バスケットボールのシュートの記録や、6年生の190ページには、データを使って生活を見直そうということで、各データとの統計的にこういう生活を見ていく時の考え方が触れられるようなページも記載されております。また、少し苦手な比例のところも、いずれの教科書もきちんと記載されているのですが、東京書籍におきましても、6年生の150ページで、比例の関係を詳しく調べようと、丁寧に記載をされております。だから、こういったのを、教科書を使用することによって、本市の課題に対応できるのではないかと思いました。したがって、教育出版も工夫はされているのですけれども、この43ページの東京書籍の方がよりふさわしいという意見に賛成したいと思います。

松井教育長

 他に御質問、御意見等はございますでしょうか。

栗栖委員

 それから、もう1点です。東京書籍をよりふさわしいとする理由の1番上の丸印のところで、教員が授業づくりを行いやすいということが審議会で報告されています。やはり現場の先生方のこういった意見も尊重したいと思います。

井内委員

 これまでの学力テストの結果等を見ても、「比例と反比例」などが苦手というのはよく分かるのですが、結局そういう苦手なところをどう克服するかということについて、教科書の記述が云々よりはむしろ、繰り返して子どもたちが反復して学習できるかというところが大事だと思うので、栗栖委員が最後に言われた、教員が指導を行いやすいとう点、何が足りないかを指摘して、それをどう指導するかという時に使いやすい教科書が良いというのは賛成できる意見だと思いました。算数の内容そのものが、なかなかボリュームがあるし、苦手な子とそうではない子の差がすごく出る教科です。できるだけそこを縮めたいのですが、なかなかそこをどう興味を持たせるかというのは難しい。ある意味では、他の教科書に比べて、無味乾燥という言い方は悪いけど、読み物として楽しいわけではないので、結局、そういうところの工夫をもう少しできないか、個人的な感想はありますけど、やはり難しいと思いながら見ていました。先ほど言ったような理由でおっしゃるように、教員が苦手なところを気付かせて繰り返し勉強させる授業づくりをするのに使いやすいということであれば、この東京書籍がよりふさわしいという意見に賛成したいと思います。以上です。

松井教育長

 はい。御質問等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、お諮りいたします。
 算数につきましては、答申にあります、東京書籍がよりふさわしいと考えられますので、東京書籍を採択することでよろしいでしょうか。
 (異議なし)
 異議なしと認め、算数につきましては東京書籍を選択することに決定いたしました。
 続きまして、理科について、指導第一課長から説明をお願いします。

指導第一課長

 それでは、理科について説明いたします。答申が45ページからとなっております。
 まず、本市の状況と調査の視点についてです。本市におきましては、学力調査の結果では、理科も概ね全国平均並み、または全国平均以上となっています。ただ、領域ごとに見ると、「エネルギー」を柱とする領域の平均正答率は53.2%であり、十分定着しているとは言えない状況があること、また、理科で育てる資質・能力については、前回と同様、実験で得た結果を、問題の視点で分析して解釈し、自分の考えをもち、その内容を記述することが課題として挙げられており、その課題に対応する視点が丸3、丸4、丸9でございます。そのうち、特に重要な視点として、視点丸9について審議されております。
 各教科書の特徴では、答申46ページですが、特に、主に審議された視点丸9、観察・実験の結果を整理し、考察する学習活動の工夫について、各者6年の教科書を御覧いただきながら、説明いたします。
 まず、東京書籍6年170ページを御覧ください。ここでは、「水溶液の性質」の学習において、塩酸に金属を溶かして出てきた固体が元の金属かどうかを確かめる実験の考察場面でございます。「考察しよう」において、「実験6の結果から、金属がとけた液から出てきた固体は、もとの金属と同じ物といえるか、考えましょう。」というリード文と、パンダのキャラクターの枠で、実験丸1から丸3の複数の結果から考えていくという「理科の考え方」である多面的な考え方を示し、児童の思考の例を吹き出しで掲載しています。
 次に、大日本図書6年120ページを御覧ください。ここでは、「考察」において、「結果からいえることを話し合いましょう。」というリード文と、「ココに注目」と付されたキャラクターの枠で、性質の変化に着目するという「理科の見方」を示し、児童の思考の例を吹き出しで掲載しています。
 続いて、学校図書6年172ページを御覧ください。ここも同様に、「考察」において「出てきたものは塩酸にとける前の金属と同じか考える。」というリード文と、「出てきたもののようすは、とける前の金属と同じか。」、「出てきたものは、塩酸にとけたか。また、塩酸にとけたとき、気体は発生したか。」という文で視点を示し、児童の思考の例を吹き出しで掲載しております。
 教育出版6年168ページを御覧ください。ここでは、「結果から考えよう」において「実験3-2の結果から、実験3で出てきた白い固体について、自分の予想が確かめられたかを考えましょう。」というリード文と児童の思考の例を吹き出しで掲載し、どちらの結果も聞き取るような記載をし、理科の考え方である、「多面的に考える」という考え方を働かせている内容にマーカーを引き、「考え方のカギ」マークを付けて強調するとともに、その内容を先生が価値付けている吹き出しも示しております。
 信州教育出版社6年151ページを御覧ください。ここでは、「結果」において、実験結果とともに結果から考えたことを文章で示しております。
 新興出版社啓林館6年110ページを御覧ください。ここでは、「考察しよう」において、先生の「結果から、実験5で出てきた固体は、もとの金属と同じものといえるでしょうか。」という質問と、児童の思考の例を吹き出しで掲載し、いろいろな結果を合わせて考えるといった、児童が多面的に考えるという理科の考え方を働かせている内容にマーカーを引き、強調されています。
 答申58ページ、意見を御覧ください。審議の結果、審議会からの意見として、意見1「教育出版の教科書は、本市で使用する教科書としてよりふさわしい。」、意見2「新興出版社啓林館の教科書は、本市で使用する教科書としてふさわしい。」が付されております。
 意見1の理由として、1点目、考察場面では、児童の思考の例を吹き出しで示し、理科の見方・考え方を働かせている内容にマーカー等を付して強調するとともに、先生がその内容を価値付ける吹き出しを示しており、児童や教員が理科の見方・考え方を働かせることを意識できるようにしている。2点目、3年「光」の「光を重ねる・集める」では、鏡の数と明るさの関係、鏡の数と温度の関係の順に段階を踏んで調べるようにしている。さらに、結果の整理の仕方については、光を当てる前と後の温度を表に整理しており、温度の変化の様子を比べやすい、が挙げられています。
 また、意見2の理由として、1点目が、考察場面では、児童の思考の例を吹き出しで示し、理科の見方・考え方を働かせている内容にマーカーを引いて強調し、児童や教員が理科の見方・考え方を働かせることを意識できるようにしている。2点目、問題解決の過程が意識できるように示され、自分が問題解決の過程のどこにいるのかが明確になるとともに、学習を見通し、振り返ることができるようにしている、が挙げられております。
 理科の説明は以上です。

松井教育長

 ただ今の説明につきまして、御質問、御意見等がありましたらお願いいたします。

栗栖委員

 理科につきましても、本市の実態として、理科の授業を肯定的に捉えている児童も多いということで、概ね良好であると認識しております。理科は、実験をベースにして、興味・関心をいかに引き出すかということで、こういった各者の教科書を比べて、同じアルミニウムと塩酸の実験でも取り上げ方が違うことがよく分かりました。全て文科省の検定に合格しているので内容的には甲乙付けがたいと思います。
 本市の課題としては、「エネルギー」を柱とする領域で、これは本市というか全国的な課題だと思いますけれども、やはり、実験で得た結果を分析・解釈して、自分の考え方をもって、その内容を記述するという、まさに、理科の本質をついたところが課題となっているので、興味・関心をもっていただくのが一番重要だと思います。
 そういう意味で、この実験についてあまり意見はないのですが、この審議会で答申をいただいている教育出版について、こういう観点で見て、良いと思ったのは、6年生の6ページの最初のところに「学習の進め方」で、「次のような順序で学んでいきましょう」、「問題を見つける」、「自分の考えをつくる」など、これはどこの教科書にも同じようなものはあるのですが、教育出版は冒頭に「問題を見つける」、「自分の考えをつくる」、「自分の考えを確かめる」、「わかったことを表す」と示していて、それについて、「ノートのとり方」を書いてあるということで、興味をもたせたり、吹き出しを付けて、「考え方のカギ」でヒントを示していたり、実験も、先ほどのアルミニウムのもそうですが、例えば、3年生の「光の進み方」の実験は、私は、丁寧に整理されているという印象をもちました。
 従って、本市の課題を解決していくということで、答申の、教育出版の教科書はよりふさわしいという意見に賛成したいと思います。どの教科書も、実験の部分でそれぞれ特徴があって、それぞれに良いところあると思いながら見させていただきました。

井内委員

 理科の教科書はどの者も承知しておられて、いかに子どもたちに興味をもたせるかというところに重点を置いて、実験の進め方等々について工夫していて、内容的にそんなに大きな差があるとは思わないのですが、あとは、そこから何を引き出すかとというところの、俗に言う理科の考え方・見方をどれぐらい伝えられるのかというところだろうと思います。そこはなかなか教科書には難しいですね。「考えてみよう」や「みんなで話し合ってみよう」というところでしょうか。それは、次の課題として、授業の中で、実際に教科書を使ってやってみた中での、その後の議論だろうと思います。教科書を見て、やはり、できるだけ今言ったようなことに資するものとして一番ふさわしいのはどれですかと言えば、相対的に教育出版はよくできていると思いますので、この意見に賛成したいと思います。以上です。

松井教育長

 他に、御質問等ございますでしょうか。
 この採択に直接関係ないのですが、参考ということで、分かれば教えてください。
 今回、QRコードは採択に直接関わっていないのですが、理科の場合は、先のことを考えると実験動画が少し意味をもっていくのかなと思っています。参考で結構ですが、一応見られたということで、この6者は、実験動画の掲載数の差が結構あるのでしょうか。

指導第一課長

 まず、各者の違いということでは、動画が一番が多く、今、教育長が言われた器具の使い方や観察方法の手順が示されているのが、理科ならではと思っています。どこの者も理科の場合は数的にあまり大きな差はなく、ある程度そこは準備してくださってる部分ではあります。

栗栖委員

 特に実験は、今後は動画の工夫度合いがポイントとなってくるような気がします。

松井教育長

 実際にやってみて、自分で失敗するのが一番良いと思いますが、せっかく使える技術が出てきたので、標準的な内容が動画であると効率的に勉強できると思います。

指導第一課長

 はい。

栗栖委員

 採択とは関係ないのですが、先ほど、QRコードが文科省の審査から外れているという御説明がありました。今回はそうだったのでしょうけれど、背景としては、量が多いといった物理的な問題ですか。

指導第一課長

 根本的には紙の教科書なので、紙でできてるものを検定するのが大前提となっています。ただ、文科省がいつまでその方針でいくかは分かりません。

栗栖委員

 今の段階では、紙ベースでということですね。

指導第一課長

 はい。

栗栖委員

 今後は、変わっていくような気がします。

松井教育長

 今は過渡期で、将来的にはやはりそういうものに変わってくるのは間違いないと思います。
 他に御質問等、よろしいでしょうか。
 それでは、お諮りいたします。
 理科につきましては、教育出版がよりふさわしいと考えられますので、教育出版を採択することでよろしいでしょうか。
 (異議なし)
 異議なしと認め、理科につきましては。教育出版を採択することに決定いたしました。
 続きまして、生活について、指導第一課長から説明をお願いいたします。

指導第一課長

 では、生活について説明いたします。答申60ページからとなっております。
 まず、本市の状況と調査の視点です、本市においては、前回採択を行った平成31年度の課題とは同様となりますが、生活科の学習において、自分自身を見つめ、自分のよさや可能性に気付くことが課題として挙げられており、その課題に対応する視点は丸3、丸5、丸6となっております。そのうち、特に重要な視点として視点丸5について、主に審議をされております。
 教科書の特徴について、答申61ページからですが、生活で主に審議をされた視点丸5、単元の目標の示し方及びまとめを行うための工夫について説明いたします。御覧いただきますのは、学習の内容としては、家庭の中で、自分にできることを考え、自分の役割を積極的に果たすことができるようにすることを目標として、家庭で取り組んできたことを生活に生かしたり、継続したりする気持ちを児童にもたせる学習の終末・まとめの部分となります。
 まず、東京書籍84・85ページを御覧ください。ここでは、先ほども申しましたとおり、家庭で取り組んできたことを生活に生かしたり、継続したりする気持ちを促すため、「これからもつづけよう」という学習で、家族からの感謝の言葉等を挿絵等で示しております。
 次に、大日本図書118・119ページを御覧ください。ここでは、「もっとできることあるね」とし、家族からの感謝の言葉等を挿絵等で示しております。
 続いて、学校図書100・101ページを御覧ください。ここでは、「みんなにつたえよう」という学習の中で、「もっとつづけたいな」とし、家族からの感謝の言葉等を挿絵等で示しております。
 次に、教育出版91ページを御覧ください。ここでは、「何を感じたかな」で、「つたえたいな」とし、家族からの感謝の言葉等を挿絵や吹き出しで示しています。また、右端に「ぐんぐんはしご」が設けてあり、児童が自己評価することができるようにしております。
 信州教育出版社101ページを御覧ください。ここでは、「こうしてみようかな」とし、家族からの感謝の言葉や取り組んだことを写真と挿絵で示しています。
 次に、光村図書出版83ページを御覧ください。ここは、「さくせんは成功したかな」で「たのしいまい日につなげよう」とし、取り組んだことを生活に生かしたり、継続したりすることを、取組を振り返ることで促すよう手順を示しています。
 新興出版社啓林館90・91ページを御覧ください。ここでは、「みんなはなにをしたのかな」で91ページ右下、「ひろがる きもち」とし、家族からの感謝の言葉等を挿絵や吹き出しで示しております。
 答申68ページ、4番、意見です。審議の結果、審議会からの意見として、意見1「教育出版の教科書は、本市で使用する教科書としてよりふさわしい。」、意見2「東京書籍の教科書は、本市で使用する教科書としてふさわしい。」と付されています。
 意見1の理由としては、1点目、上巻の冒頭に入学当初の小学校生活の様子を写真で示し、幼稚園教育要領にある10の「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を挿絵で示しており、幼児期の教育から小学校以降の教育への円滑な接続につなげるとともに、スタートカリキュラムの編成に生かすことができるようにしている。2点目、単元の終末に「ぐんぐんはしご」が設けてあり、児童が自己評価するとともに、自分の成長に気付くことができるようにしている。3点目、下巻では、ポスター、クイズ、紙芝居、探検マップ、動作化、オンラインでのインタビュー、電子黒板、タブレット等、紙媒体やICT機器など様々な表現方法で伝え合う活動を示しており、児童が表現方法を選ぶことができるようにしている。最後4点目、活動の際、必要に応じて参考にできる資料「学びのポケット」を巻末に設けており、具体的な表現方法や気付きの質を高めるための例が示されている、が挙げられています。
 また、意見2の理由として、1点目、上巻の冒頭に入学当初の小学校生活の様子を写真で示し、幼稚園教育要領にある10の「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を挿絵で示しており、幼児期の教育から小学校以降の教育への円滑な接続につなげるとともに、スタートカリキュラムの編成に生かすことができるようにしている。2点目、下巻では新聞、ポスター、パンフレット、動画、電子黒板等、紙媒体やICT機器など様々な表現方法で伝え合う活動を示しており、児童が表現方法を選ぶことができるようにしている。最後、3点目、町探検を3回設定しており、同じ場所での体験活動を何度も繰り返すことができるようにしている、が挙げられております。
 生活の説明は以上です。

松井教育長

 ただ今の説明につきまして、御質問、御意見等ありましたらお願いいたします。

栗栖委員

 生活に関しては、本市の実態と児童の状況というところで、自分のよさや可能性に気付くことに課題が残っていると記載がありますが、これは、広島市独自の課題ではなくて、どちらかと言うと、全国的な課題だと思います。であれば、生活の教科書は、本当に見やすく、どの出版社も工夫されてると思うのですが、もし、全国的な課題として考えれば、自己肯定感は、今、非常に重要な内容ですから、もっとそれを高めるような教科書の仕掛けにしたら良いのではないかなと思って、そういう観点で見ると、そこはあまり差がないように私は感じましたので、残念でした。もっと生活の教科を通じて、自己肯定感が出てくるようなつくりが良いと思いました。
 そういう中で見比べて、審議会がよりふさわしいと答申された教育出版を見ますと、上下とも開いたところに「ぐんぐんはしご」のイラストがあり、いろいろな場面で自己評価ができるようになっているということで、授業の中で活用すれば、自己の成長に気付けるようになるので、先生が使いやすいのかなと思いました。
 また、教育出版について答申の64ページに特徴の詳細が書いてあるのですが、やはり、1の視点丸1の自分の成長を振り返る活動を設定していて、教育出版の下の96ページでは、「あしたへ つなぐ 自分たんけん」や「わくわくすいっち」など、自分のことをきちんと見直すようなこと、102ページには「何を感じたのかな、こんな自分を見つけたよ」というかたちで、自分の成長を自己評価して自分の成長を感じてもらえるような工夫がしてあるという印象をもちました。
 したがって、本当に、甲乙付けがたい中で、広島市というよりも全体の課題の中で、審議会がこの教育出版をよりふさわしいと答申されていることについては、賛成したいと思います。

井内委員

 生活の授業も目的や焦点を絞りにくいと思います。非常に幅が広い中で何が大事かと言えば、自分で自分を評価できるかというところが大切なのではないでしょうか。どういうところまでできる、できたかというところ、是非、自分がなりたい姿と比べてほしいというところかなと思います。ですから、教育出版の「ぐんぐんはしご」は、もう少し何か工夫がないかとも思いましたが、一つの評価の方法として子どもたちに分かりやすいという気がしました。
 これもたくさん教科書があって、甲乙付け難いと思いましたが、今のような「ぐんぐんはしご」が象徴的と思い、工夫が一番されているのは教育出版だと思いましたので、この意見1には賛成いたします。

栗栖委員

 例えば、「ぐんぐんはしご」の使い方について、審議会の委員から何か意見が出ましたか。

指導第一課長

 「ぐんぐんはしご」については、実際に授業の中で活用している先生の意見が出てきまして、子ども自身の評価とともに、それを見ながら、先生も子どもたちの成長具合を認識しながら授業が進んでいるとおっしゃっていました。

栗栖委員

 有効に活用されている。

指導第一課長

 そうですね。

松井教育長

 審議会で意見が出たかどうか教えていただきたいのですが、生活の教科書で、様々な国籍の子どもや車椅子を使っている子どもなどがあまり目立たないように配慮されて掲載されている教科書がたくさんあるような気がするのですが、教科書として採択する際にそういったところを配慮するという部分は、審議会の意見として出たりはしていないのでしょうか。

指導第一課長

 審議会で特に意見として得られてはいないのですが、全ての教科で、今教育長がおっしゃったように、教科書会社も配慮と言いますか、多文化共生みたいなところが国としての方針になるので、小学校の教科書にもいろいろな肌の色のお子さんなどかなり出てきてます。教育長がおっしゃるように、生活がそうであるように、他教科でも子どもたちが集まって何かをしてる場面は必ずそういうふうなことが盛り込んであるのが今の教科書の状況です。

松井教育長

 生活ということで見せていただいて、そういうことを意識してやられてるようなのが目立ったのでそう感じたのですが、もう全般的にあるのですね。

指導第一課長

 はい。

松井教育長

 他に御質問等はございますでしょうか。
 それでは、お諮りいたします。
 生活につきましては、教育出版がよりふさわしいと考えられますので、教育出版を採択することでよろしいでしょうか。
 (異議なし)
 異議なしと認め、生活については、教育出版を採択することに決定しました。
 次に、音楽につきまして、指導第一課長から説明をお願いいたします。

指導第一課長

 それでは、音楽について説明いたします。答申が70ページです。
 本市の状況と調査の視点についてです。前回採択を行った平成31年度の課題と同様となりますが、聴き取ったことと感じ取ったこととの関わりについて考え、音楽をどのように表現するかについて思いや意図をもつことや、言葉などで適切に表現することが課題として挙げられており、その課題に対応する視点が丸3、丸4、丸7、丸11となっており、特に、視点丸4と視点丸11が主な審議をされた項目となります。各教科書の特徴については、視点丸4の共通事項の指導を充実させるための工夫と、視点丸11、音楽科の特質に応じた言語活動充実のための工夫について、各者4年生の教科書を御覧いただきながら説明をいたします。
 まず、教育出版の4年78ページを御覧ください。ここでは、全学年巻末に「音楽のもと」まとめを設け、学習で扱った音楽を形づくっている要素について説明しています。続けて、80ページをお開きください。2年生から6年生の巻末には、聴き取ったことや感じ取ったことを言葉で表す「音楽を表すいろいろな言葉」を掲載しております。
 続いて、教育芸術社の4年82ページを御覧ください。全学年の巻末に学習したことを振り返る「ふり返りのページ」を設け、学習で扱った音楽を形づくっている要素について説明をしています。
 答申75ページ、4、意見についてです。審議の結果、審議会からの意見として、意見1「教育出版の教科書は、本市で使用する教科書としてよりふさわしい。」、意見2「教育芸術社の教科書は、本市で使用する教科書としてふさわしい。」が付されております。
 意見1の理由として、1点目、音楽づくりの活動では、児童が思いや意図をもつことができるよう、活動の流れについて文や図、児童の作品例等で示している。また、選んだ音や音の動き方等を記述する欄を設けている。2点目、学年に応じて我が国の音楽を扱った題材や教材を示している。3点目、各学年の巻末に「音楽のもと」まとめを設け、学習で扱った音楽を形づくっている要素について説明している。2年生以上には、「音楽を表すいろいろな言葉」が掲載されており、言葉を使って聴き取ったことや感じ取ったことなどを表現し、伝え合うことができるようにしている。また、3年生以上には、さらに、児童が見付けたり感じたりした音楽を表す言葉を記述する欄を設けている、が挙げられています。
 また、意見2の理由として、1点目、音楽づくりの活動では、児童が思いや意図をもつことができるよう、活動の流れについて、文や図、児童の作品例等で示している。また、選んだ音や音の動き方等を記述する欄を設けている。2点目、学年に応じて、我が国の音楽を扱った題材や教材を示している。3点目、各学年の巻末に「ふり返りのページ」を設け、学習で扱った音楽を形づくっている要素について説明している、が挙げられています。
 音楽の説明は以上です。

松井教育長

 はい、ただ今の説明につきまして、御質問、御意見等がありましたらお願いいたします。

栗栖委員

 音楽の課題ということで、音楽をどのように表現するかについて思いや意図をもつことや、言葉などで適切に表現することとあるのですが、音楽は、表現しようと思うと、ある意味で知識も必要なので、そういった知識の部分と感性もありますので、教科書もなかなか難しいところはあるのですが、その知識の、要素という表現をする、その手段としてということであれば、先ほど説明がありましたように、教育出版の78ページに「音楽のもと」、80ページに「音楽を表すいろいろな言葉」などが記載されており、大変良いと思いました。
 また、教育出版の特徴として、答申の71ページにも記載があるのですが、視点丸3で、児童の作品例やワークシート例、児童の発言や会話を想定した吹き出し等を示しています。「低い音からだんだん高くなって、3小節めで一番盛り上がるようにしたよ。」など児童が実際に作ったものに触れてあり、良いと思いました。また、表現のところでは、72ページにも記載されているのですが、この教科書で言うと、4年生の54ページにあるような、「曲の流れを感じとり、全体を味わって聴こう」という、いろいろな音楽に合わせて体を動かしてみたり、歩いたり、いろいろな友達と話をしようとか、そういうのが設定されているので、幅広く音楽に対しての視点というものが、教育芸術社の方も工夫はされているのですが、教育出版も、そういう観点でいろいろ工夫されていますので、この審議会の教育出版の教科書がよりふさわしいという答申には賛成をしたいと思います。

井内委員

 今回の教科書を見て思いましたのは、以前の音楽の教科書は演奏させることに少し力が入って、技術的なことを子どもたちに体得させるようなページが結構あったような気がします。そういうのは大幅に落ちて、今はもう、自分たちの思いがどのように曲になるかといった感性の方も強調されていて、少し傾向が変わってきたのかなと思いました。どちらが良いとか悪いではなくて、音楽というのは、楽しむことで、楽しみ方にいろいろあって良いのではないかという思いをもっています。それで、この2者の今ピックアップしてある視点で、我々の求める視点で見た場合でどちらがよりふさわしいかと言えば、ここに書いてある意見のとおりで、「音楽のもと」というかたちで音楽を形づくる要素について分析しているところは、少し基礎的な知識の面でプラスアルファが大きいという気がしました。実際にそんなに大きな違いがあるとは思いませんが、ここに書いてある教育出版の教科書がよりふさわしいという意見には賛成したいと思います。以上です。

栗栖委員

 教育出版の79ページのトロンボーンのところのQRコードは、トロンボーンの音楽が聴けるのですか。

指導第一課長

 個別には指導主事が確認しておりまして、音楽の動画で多いのが演奏動画や伴奏音源ですので、トロンボーンの音色が聴けるのではないかと思います。確認します。栗栖委員がおっしゃるとおり、トランペット、ホルン、トロンボーン、それぞれの動画がありまして、それぞれの音が聴け、演奏している姿も出てきます。

栗栖委員

 理科と同様、音楽もQRコードで実際の生の音楽を聴きながらということになってくるのでしょうね。

松井教育長

 他に、御質問等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、お諮りいたします。
 音楽につきましては、教育出版がよりふさわしいと考えられますので、教育出版を採択することでよろしいでしょうか。
 (異議なし)
 異議なしと認め、音楽については教育出版を採択することに決定いたしました。
 続きまして、図画工作について、指導第一課長から説明お願いいたします。

指導第一課長

 はい、それでは、図画工作について、答申77ページを御覧ください。
 本市の状況と調査の視点についてです。本市においては、図画工作も前回採択と同様の課題となりますが、感性や想像力等を豊かに働かせて、思考・判断し、表現したり鑑賞したりする能力の育成に課題が見られ、その課題に対応する視点は、丸1、丸4、丸5となっております。そのうち視点丸1について主に審議をしております。この視点丸1、題材の目標の示し方について、各者1年生、2年生上の教科書を御覧いただきながら説明いたします。
 まず、開隆堂出版1・2年上30ページをお開きください。こちらでは、中央上部に、学習のめあてとして3観点、「知識及び技能」、「思考力、判断力、表現力等」、「学びに向かう力、人間性等」で示し、重点となる部分には赤字で下線を付して強調をしております。
 続いて、日本文教出版1・2年上26ページを御覧ください。こちらは、左上にめあてを3観点5項目、「知識及び技能」を「知識」と「技能」、「思考力、判断力、表現力等」を「A表現」と「B鑑賞」に分け、「学びに向かう力、人間性等」で示しております。
 では、答申82ページの意見を御覧ください。審議の結果、審議会からの意見として、意見1「日本文教出版の教科書は、本市で使用する教科書としてよりふさわしい。」、意見2「開隆堂出版の教科書は、本市で使用する教科書としてふさわしい。」が付されております。
 意見1の理由として、1点目が、めあてが3観点5項目で示されていることにより、児童に身に付けさせたい力が明確になるとともに、鑑賞の指導に重点を置くことができるようになっている。2点目、児童が身の回りの材料等を用いて様々な方法で表現している写真を示すとともに、活動のポイントを吹き出し等で示しており、児童が感性や想像力等を豊かに働かせて、思考・判断し、表現する活動を行うことができるようにしている。3点目、アート・カードの活用や鑑賞活動を通して言語活動を促す「アート・カードをたのしもう」を全学年に掲載しており、児童がゲーム感覚で楽しみながら鑑賞活動に取り組むことができる、が挙げられております。
 また、意見2の理由として、1点目、めあてを3観点で示し、重点となる部分には赤字で下線を付して強調している。2点目、児童が身の回りの材料等を用いて、表現している写真を示すとともに、活動のポイントを吹き出し等で示しており、児童が感性や想像力等を働かせて、思考・判断し、表現する活動を行うことができるようにしている、が挙げられております。
 図画工作の説明は以上です。

松井教育長

 ただ今の説明につきまして、御質問、御意見等がありましたらお願いいたします。

栗栖委員

 図画工作については、やはり課題として、ここに書いてありますように、思考・判断し、表現したり、鑑賞したりする能力ということで、これもいかに興味をもってもらうか、それは、鑑賞したとき、感性の問題だと思うのですが、それをどういう形で表現していくかということになろうかと思います。日本文教出版と開隆堂出版の両者とも工夫されているので、本当に甲乙付け難いと思います。答申でよりふわさわしいとされた日本文教出版は、答申の80ページの一番上に書いてありますが、「学習のめあて」として、3観点(5項目)で、「A表現」、「B鑑賞」という形で目標の示し方が付いていることと、視点丸4に書いてあるように、「図画工作をはじめよう」で、何を学ぶのかを示していて、児童の発想を広げるための工夫があると思います。私が特に日本文教出版で良いと思ったのは、56ページに「ともだちの さくひんを みてはなそう」というページがあり、友達の作品を見て、それに対して意見を言おうと思えば、それぞれ、自分の感性もありますし、いろいろな他の友達が作品を見て、感じ方も違うでしょうし、話し合う場があることで、感性を働かせて鑑賞して、課題に対応できるのではないかと思いました。
 また、巻末に「アート・カードをたのしもう」を掲載し、児童が楽しくなるようなカードを使ってなじめるような工夫もありましたので、日本文教出版の方がよりふさわしいと答申されていることについては、賛成したいと思います。

井内委員

 先ほど栗栖委員が指摘された、日本文教出版の「ともだちの さくひんを みてはなそう」のページは、確かに良いと思います。作品を批評する力をもつことが、視点を磨いていく、ものの見方・捉え方を充実していくことへの第一歩だと思いますから、こういうことが書いてある点でも、日本文教出版の方が少し優れていると思いました。ですから、日本文教出版の教科書がよりふさわしいという意見に賛成いたします。

松井教育長

 他に、御質問、御意見等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、お諮りいたします。
 図画工作につきましては、日本文教出版がよりふさわしいと考えられますので、日本文教出版を採択することでよろしいでしょうか。
 (異議なし)
 異議なしと認め、図画工作については、日本文教出版を採択することに決定いたしました。
 続きまして、家庭について、指導第一課長から説明をお願いいたします。

指導第一課長

 答申が84ページからになります。
 まず、本市の状況と調査の視点ですが、本市においては、学力調査の結果等から、地域において、日常生活の中から問題を見いだして、主体的に課題を解決しようとする能力や、家庭や地域の一員として、自覚をもち、家族や地域の人々と主体的に関わろうとする態度の育成が、前回採択を行った31年度と同様とはなるのですが、課題として挙げられております。この課題に対応する視点が、丸4、丸5、丸7とし、特に重要な視点として、視点丸4、家庭・地域での実践につながる工夫について審議されており、各教科書の特徴もこちらについて教科書を御覧いただきながら説明いたします。
 まず、東京書籍39ページを御覧ください。ここでは、物やお金の使い方についての学習において実践につながるトラブルの対応として、消費生活センターの紹介を掲載しています。また、発展として、インターネットでの買い物について注意喚起を行っております。
 続いて、開隆堂出版64ページをお開きください。このように、実践につながるトラブルへの対応として、消費生活センターの紹介とそこで働く人のインタビューを掲載しております。また、具体的な事例を取り上げ、「買うときには表示をしっかり見よう」などと、解決へのヒントを示し、注意喚起を行っております。
 答申87ページ、4の意見を御覧ください。審議の結果、審議会からは、意見1「開隆堂出版の教科書は、本市で使用する教科書としてよりふさわしい。」、意見2「東京書籍の教科書は、本市で使用する教科書としてふさわしい。」が付されております。
 意見1の理由として、1点目、みそ汁の調理過程において、効率的に作ったり、他の調理にも生かしたりすることができる内容等をポイントとして吹き出しで示している。2点目、地域での実践につながる学習については、児童が地域の一員として身近なことについて考えたことを実践し、振り返りを行いながら継続して取り組む学習の流れになっている。3点目、物やお金の使い方についての学習では、実践につながるトラブルへの対応として、消費者センターの紹介とそこで働く人のインタビューを掲載している。また、解決の事例を取り上げ、解決へのヒントを示し、注意喚起を行っている、が挙げられております。
 また、意見2の理由として、1点目、みそ汁の調理過程において味をよくするための内容等をポイントとして吹き出し等で示している。2点目、地域での実践につながる学習については、児童が地域の一員として身近なことについて考えたことを提案書にまとめる学習の流れになっている。3点目、物やお金の使い方についての学習では、実践につながるトラブルへの対応として、消費者センターの紹介を掲載している。また、発展として、インターネットでの買い物について注意喚起を行っている、が挙げられております。
 なお、ここで、意見1・意見2の理由の3点目にございます「消費者センター」という記述についてですが、こちらは教科書に記載されている「消費生活センター」のことである旨を審議会会長に確認させていただいております。これは、「消費生活センター」を意味するということです。
 家庭の説明は以上でございます。

松井教育長

 ただ今の説明につきまして、御質問、御意見等がございましたらお願いいたします。

栗栖委員

 家庭につきまして、本市の課題として、日常生活の中から主体的に問題点を見いだし、主体的に課題を解決しようということ、また、家族や地域の人々と主体的に関わろうとする態度の育成についての課題があるという認識でございます。それを受けて、東京書籍と開隆堂出版の2者は、本当に甲乙付けがたい教科書だと思います。
 本市の課題に対して、開隆堂出版の特徴の86ページの視点丸5のところで、5年・6年の冒頭の6ページに「気づく・見つける」、「わかる・できる」、「生かす・深める」という3段階で学習過程を示されているという点ですね。東京書籍にもあります。
 それから、先ほど御説明いただいた、買い物で困ったときはどうすれば良いかという点で、最近はインターネットで非常にたくさんの人が買い物をしているので、むしろ、このインターネットでの買い物という点に関して言えば、東京書籍が「発展」で別枠で記載されていて、はっきりとメインにしていると思いました。開隆堂出版も、4ページの下で触れられてはいるのですが、今後、インターネットでの買い物は非常に多くなると思いますので、開隆堂出版の場合は、インターネットについては授業でしっかり御指導いただきたいと思いました。
 それから、地域との関連の中では、開隆堂出版の126ページに「共に生きる地域での生活」という単元があって、地域との関わり合いのことが具体的に書いてあるので、本市の課題に対して、この単元を使って、課題解決に向けた授業ができるのではないかと思いましたので、最終的には開隆堂の出版の教科書がよりふさわしいという審議会の答申には賛成したいと思います。

井内委員

 2者の内容的に違いがありませんし、取り上げている課題も似ているので、差を付けにくいと思いました。この審議会の御意見もそれに近く、余り差があるような感じにはなっていませんので、開隆堂出版の方がよりふさわしいということを、根拠をもって指摘するのは難しいという気がしています。
 ただ、今栗栖委員がおっしゃったような、地域での実践につながる学習についてというところは、振り返りを入れた開隆堂出版の方が、多少工夫があるという感じがしています。全体的に見て、開隆堂出版の教科書をよりふさわしいものとするのに賛成いたします。

松井教育長

 他に、御質問、御意見ありますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、お諮りいたします。
 家庭につきましては、答申どおり、開隆堂出版がよりふさわしいと考えられますので、開隆堂出版を採択するということでよろしいでしょうか。
 (異議なし)
 異議なしと認め、家庭については、開隆堂出版を採択することに決定いたしました。
 続きまして、保健につきまして、指導第一課長から説明をお願いいたします。

指導第一課長

 保健について、答申89ページからとなります。
 まず、本市の状況と調査の視点についてです。本市においては、学力調査の結果等から、「朝食を毎日食べている」、「毎日、同じくらいの時間に起きている」と回答した児童の割合が9割程度となっております。一方で、1日のスクリーンタイムが2時間以上の児童の割合は、男子が61.8%、女子が53.4%となり、前回採択を行った平成31年度の課題と同様となりますが、健康の大切さに気付き、健康な生活を送ろうとする態度の育成には課題が残っております。また、1週間の総運動時間が420分未満の児童の割合は、男子が46.9%、女子が67.3%となっており、運動に親しむ態度の育成と体力の向上を図ることが課題となっております。これらの課題に対応する視点が丸3、丸4、丸8であり、そのうち特に重要な視点として視点丸4、実生活や社会生活に関連付けられるような記述や内容の工夫について主に審議がされました。各者3、4年生の教科書の生活リズムとスマートフォンやタブレット等に関するページを御覧いただきながら御説明をいたします。
 まず、東京書籍3・4年42ページを御覧ください。発展的な学習として「すいみんと発育」を示し、右下にパソコンやゲームについての記載がございます。
 次に、大日本図書3・4年44ページを御覧ください。ここでは、巻末に発展的な学習として、「パソコンやスマートフォンを正しく使って健康な生活を送ろう!」を示しております。
 続いて、大修館書店3・4年17ページを御覧ください。ここでは、発展的な学習として、「スマートフォン、タブレットと生活のリズム」を示し、使うときのルールを例示しております。
 文教社3・4年35ページを御覧ください。「体のよりよい発育・発達と生活のしかた」の小単元の中で、「てきせつな休養・すいみんを取るために大切なこと」を示しており、ここでは中ほどに、寝る前のゲームについて記載がございます。
 次に、光文書院3・4年15ページを御覧ください。発展的な学習として、「早ね早起き朝ごはん」、「スマートフォンなどの使い方と生活のリズム」を示しており、スマートフォンを使う時のルールの例や「スクリーンタイム」についての説明を掲載しております。
 Gakken3・4年生24ページを御覧ください。発展的な学習として「タブレットを使うときには」を示しています。
 では、答申96ページ、4の意見です。審議の結果、審議会の意見として、意見1「光文書院の教科書は、本市で使用する教科書としてよりふさわしい。」、意見2「大修館書店の教科書は、本市で使用する教科書としてふさわしい。」が付されております。
 意見1の理由として、1点目、資料として生活の中でできる運動の例をイラストや説明とともに23示しており、興味・関心を高める工夫がされている。2点目、スクリーンタイムについての説明を掲載している。また、幅広くSNS等の扱いについての資料を示しており、本市で行っている生活リズムカレンダーと連携し、児童が自らの生活を見直すことができるようになっている。さらに、資料内容が精選されており、実際の授業で扱う資料の量として適当である。3点目、生活習慣病の予防についてイラスト等を示し、具体的な場面から自分の考え等を記述する欄を設けており、自分の考えを書いたり話し合ったりすることができるようになっている、が挙げられています。
 また、意見2の理由として、1点目、資料として生活の中でできる運動の例をイラストや説明とともに19示しており、興味・関心を高める工夫がされている。2点目、幅広くSNS等の扱いについての資料を示しており、本市で行っている生活リズムカレンダーと連携し、児童が自らの生活を見直すことができるようになっている。3点目、生活習慣病の予防についてイラスト等を示し、具体的な場面から自分の考え等を記述する欄を設けており、自分の考えを書いたり話し合ったりすることができるようになっている、が挙げられております。保健の説明は以上でございます。

松井教育長

 ただ今の説明について、御質問、御意見等があればお願いいたします。

栗栖委員

 保健につきまして、本市の課題として、健康の大切さに気付き、健康な生活を送ろうとする態度の育成と運動に親しむ体力の育成と体力の向上ということで、我々は健康の大切さを分かっていると思うのですが、やはり今、問題になっているのは、本市も10オフ運動に取り組んでいますけれども、SNSをやり続けることによる健康に対する影響だと思います。したがって、その観点と、男子が46.9%、女子が67.3%という運動に親しむ子どもの割合が低いのは、本市の課題なので、その辺りをフォローする教科書という観点でこの教科書を見ました。
 その中で、健康の大切さということになると、光文書院はSNS等の取り扱いについてということで、3年生、4年生でのスマートフォンの使い方を生活のリズムで丁寧に書いてあるということと、スクリーンタイムについても別枠で掲載してあり、学年ごとに発達段階に応じたインターネットのSNSの使い方が扱ってあるということで、SNSへの対応ということを考慮している教科書になってると思います。
 また、同じページに、「遊びも運動、手伝いも運動」として、スポーツだけが運動ではないということで、日常生活の中での運動について23例示してあり、各教科書に比べると、多くの例を示して、これも運動なんですよということを、分かりやすく示しています。こういうことを日常生活でもやってみようということを児童に知らせる意味では、本市の課題にふさわしいのではないかと思います。
 光文書院の次の16ページには、「体の清潔」というところに、「考えよう」、「生かそう」と記入させる欄があって、自分の考えを書いたり、いろいろな人と話し合ったりすること、SNSのことも、やはり、みんなで話し合って、やめていこうねとかいうようなことが大事だと思うので、こういうことをみんなで話し合うというきっかけになるのではないかと思いました。
 それから、答申の意見1の二つ目で、さらに、資料内容が精選されており、実際の授業で扱う資料の量として、適当であるという意見、これもおそらく現場からの意見だと思うのですが、こういった意見も出ておりますので、総合的に考えて、光文書院の教科書は、本市で使用する教科書としてよりふさわしいという意見に賛成したいと思います。また、大修館書店の全体の作りが、個人的には、分かりやすく読みやすいつくりになっているという印象を持ちながら、拝見させていただきました。以上です。

井内委員

 保健の中でかなり大きな割合を占めるのが病気の予防というところだと思うのですが、そこの記述は網羅してあるので、読みやすいか理解しやすいかというところに差があるのではないかと思います。そういった意味でみると、光文書院のそれが一番分かりやすく、ページ数もボリュームが多いと思いましたので、この光文書院がよりふさわしいという意見には賛成いたします。

松井教育長

 他に、御質問、御意見等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、お諮りいたします。
 保健については、光文書院がよりふさわしいと考えられますので、光文書院を採択するということでよろしいでしょうか。
 (異議なし)
 異議なしと認め、保健については、光文書院を採択することに決定いたしました。
 次に、英語について、指導第一課長から説明をお願いいたします。

指導第一課長

 それでは、英語について、答申は98ページからになります。
 本市の状況と調査の視点についてです。本市においては、平成31年度の課題から引き続きとはなるのですが、授業以外の場面で、習った表現を使って主体的、意欲的にコミュニケーションを図ろうとする態度を養っていくことが課題として挙げられており、その課題に対応する視点が、丸3、丸4、丸8となっております。そのうち、視点丸8、自分の考えや気持ちなどを伝えたくなる言語活動の工夫ついて、各者の教科書を御覧いただきながら御説明いたします。
 まず、東京書籍6年42~43ページを御覧ください。「Let’s see the world.」の単元では、「行きたい国の魅力を伝えるために、その国について紹介し合おう。」という活動を設定しており、巻末の2ページ、「コミュニケーションカード」を活用して、コミュニケーション活動を行うことができるようにしております。
 次に、開隆堂出版6年66~67ページを御覧ください。「Where do you want to go?」の単元では、「おたがいの行きたい国についてわかってもらえるように、『行きたい国クイズ』に取り組みましょう。」という活動を設定しています。
 続いて、三省堂の5年100~101ページを御覧ください。「I want to go to Kenya.」の単元では、「行きたい国と、そこでしたいことを伝え合おう。」という活動を設定しており、巻末4ページにありますアクティビティ用カードを活用して、コミュニケーション活動を行うことができるようにしています。
 教育出版6年62~63ページを御覧ください。ここでは、「Dream World Tour.」の単元で「夢の世界ツアーのパンフレットをつくろう。」という単元を設定し、巻末9ページにございますアクティビティ用ワークシート丸5を活用してコミュニケーション活動を行うようにしております。
 光村図書出版6年68・69ページを御覧ください。「I want to go to Italy.」の単元では、「世界の国々のみりょくを伝えるために、旅行会社の人になって紹介する」という活動を掲載しており、巻末の見開き1ページにございます「All about me」を活用してコミュニケーション活動を行うことができるようにしております。
 最後に、新興出版社啓林館5年97ページを御覧ください。「Let’s go to Singapore.」の単元では、「友達といっしょに行ってみたい国を考えて、その友達をさそいましょう。」という活動を設定しています。
 では、答申105ページの4、意見です。審議の結果、審議会の意見として、意見1「東京書籍の教科書は、本市で使用する教科書としてよりふさわしい。」、意見2「開隆堂出版の教科書は、本市で使用する教科書としてふさわしい。」が付されております。
 意見1の理由として、1点目、各単元冒頭に、単元のゴールと活動内容を示しており、スモールステップの単元構成となっている。学習内容に慣れ親しむことから、知識・技能の習得、思考力・判断力・表現力などを働かせる活動へと段階を踏んだ構成となっており、児童が見通しをもって主体的に学習を進めることができるようにしている。2点目、各学年、32回のSmall Talkを毎時間設定しているため、既習事項を繰り返し活用したり、自分の考えや気持ちを伝え合う言語活動を行ったりすることが可能である。毎時間、Small Talkを設定することは、英語でやり取りをしようとする意欲を高めることに効果的である。3点目、自分の考えや気持ちなどを伝えたくなる言語活動の工夫として、具体的でやり取りが広がる活動を設定している。さらに、巻末にある「コミュニケーションカード」を活用し、コミュニケーション活動を行うことができる、が挙げられております。
 また、意見2の理由として、1点目、各単元冒頭に単元のゴールと活動内容・めあてを示しており、児童が見通しをもって学習を進めることができるようにしている。2点目、5年生で24回、6年生で23回のSmall Talkを設定しており、既習事項を繰り返し活用したり、自分の考えや気持ちを伝え合う言語活動を行ったりすることが可能であり、Small Talkを設定することは、英語でやり取りをしようとする意欲を高めることに効果的である。最後、3点目、自分の考えや気持ちなどを伝えたくなる言語活動の工夫として、意欲をもって取り組めるような活動を設定している、が挙げられております。
 英語の説明は以上でございます。

松井教育長

 ただ今の説明につきまして、御質問、御意見等がありましたらお願いをいたします。

栗栖委員

 英語につきましては、本市は以前から積極的に取り組んでおりますので、こういった、本市の実態で、「授業中、75%以上の時間、言語活動を行っている」と回答した学校の割合が全国1位であると記載されておりますが、概ね良好だと認識しております。広島県はいろいろな外国人との接点が多いところなので、「主体的、意欲的にコミュニケーションを図ろうとする態度を養っていくこと」に課題があったのは、チャンスが多いだけに、そういうところには、なじんでいると思っていましたので、大変意外でした。ですから、今回、英語の力は概ね良好という前提で教科書を活用して、いろいろな場面で英語を使っていこうという意欲をもたせるものがふさわしいという観点で各教科書を見ましたが、児童がなじみやすいようイラストを使ったり、大きく表したり、興味をもたせるような工夫をされておりますので、各教科書とも本当に素晴らしいと思いました。
  答申でよりふさわしいとされた東京書籍について、各者とも触れられてはいますが、99ページの視点丸4、英語だけではなくて他教科や日常生活とのつながりという視点で、児童に興味をもたせるような「コミュニケーションカード」を使って意欲を高めるとか、Small Talkが全部で32個あり、適宜、活動に結び付けるような工夫もされておりますので、本当に甲乙付け難い教科書ですけれども、本市の課題に対して、東京書籍の教科書がよりふさわしいと答申されていることに関しては、賛成したいと思います。

井内委員

 英語の場合、できるだけ使う機会を作ってあげよう、そういう要素をもってもらおうというところが、小学校での英語のねらいだろうと思っています。どちらの教科書とも、Small Talkを取り入れて、自分の行きたい国の魅力を伝えるといった非常に身近な自分の願望を言葉にしてみるところから始めておられるのは、非常に有効な手段だという気がしました。それがSmall Talkに発展して、英語で話すことに興味をもってもらうことは大変良いことだと思います。
 各者比較して、単純にこれが素晴らしいというところはなかなか見付けにくい部分もあるのですが、東京書籍の教科書では、ステップバイステップと段階を踏んで児童が見通しをもって主体的に学習ができるようにしてあるところが優れている気がします。大きな差はないかとは思うのですが、この東京書籍の教科書のふさわしいという判断に賛成したいと思います。

松井教育長

 他に、御質問、御意見等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、お諮りいたします。
 英語については、東京書籍がよりふさわしいと考えられますので、東京書籍を採択することでよろしいでしょうか。
 (異議なし)
 異議なしと認め、英語については、東京書籍を採択することに決定いたしました。
 小学校の最後は、道徳になります。指導第一課長から説明をお願いいたします。

指導第一課長

 それでは、道徳について説明いたします。道徳については、答申107ページになります。
 まず、本市の状況と調査の視点についてです。本市においては、平成31年度の課題が引き続きとなりますが、不登校児童数やいじめの認知件数、暴力行為発生件数は、増加傾向が見られるため、日常の様々な道徳的な問題や自己の生き方についての課題に対して、児童が問題意識をもち、主体的に考え、行動しようとする意欲や態度を育成することが課題として挙げられており、その課題に対応する視点が、視点丸3、丸5、丸7、丸9です。そのうち、視点丸3の問題意識をもたせるための工夫について、高学年の教科書を御覧いただきながら、説明いたします。
 まず、東京書籍6年127ページの吹き出しの部分です。「誠実な生き方とは、どんな生き方?」と「みんなで考えたいこと」を投げかける発問例を示しております。
 次に、教育出版6年76ページです。76ページ、右下の吹き出しを御覧ください。ここでは、教材の始めに「『誠実な人』、『誠実な行動』などということがあるよね。『誠実』ってどういうことかな。」と、ねらいとする道徳的価値や教材の内容への導入を図る発問例を示しています。
 続いて、光村図書出版6年94ページの右下の吹き出しを御覧ください。ここでは、教材の始めに、「だれかと約束したのに守れなかったことってある?」と、ねらいとする道徳的価値や教材の内容と日常生活をつなぐ発問例を示しております。
 日本文教出版6年92ページ、右下の吹き出しを御覧ください。ここでは教材の始めに、「お話を通して、『誠実』ということについて、みんなで考えましょう。」と、教材の内容への導入を図る発問例を示しています。
 次に、光文書院5年98ページを御覧ください。教材の始めに、「『誠実に生きる』とはどのような生き方のことかな。」と、ねらいとする道徳的価値や教材の内容への導入を図る発問例を示しています。
 最後に、Gakken5年72ページ、右下を御覧ください。ここでは、教材の始めに、「きっとだね。きっと来てくれるね。」と、ねらいとする道徳的価値のキーとなる教材中の言葉を掲載しております。
 最後に4、意見です。審議の結果、審議会からの意見として、意見1「光村図書出版の教科書は、本市で使用する教科書としてよりふさわしい。」、意見2「光文書院の教科書は、本市で使用する教科書としてふさわしい。」が付されております。
 意見1の理由として、1点目、各教材の始めに、ねらいとする道徳的価値や教材の内容を日常生活とつなぐ発問例を示しており、児童が教材の場面で日常生活を関連させて自分の生活を振り返り、問題意識をもって考えることができるとともに、教員が授業の導入を行いやすい。2点目、「みんなで気持ちよく話し合うコツ」など、話し合いを活発にする言葉やうなずきの例、思考ツールの活用などについて示しており、学級の支持的な雰囲気をつくった上で議論を活発に行いながら考えを深めることができるようにしている。3点目、体験的な活動を通して考える学習を行う際、教材の後ろに役割演技を促す発問例を示していたり、役割演技の手順を示していたりすることにより、児童が見通しをもてるとともに、教員も授業を進めやすい、が挙げられております。
 意見2の理由として、1点目、各教材の始めに、ねらいとする道徳的価値や教材の内容に関する発問例を示しており、児童が問題意識をもって学習に臨むことができるとともに、教員が授業の導入を行いやすい。2点目、「話し合って考えてみよう」など、話し合いを活発にする言葉や思考ツールの活動について示しており、言語活動を生かして学習を展開することができるよう促している。3点目、いじめや命などに関する内容を「重点主題」として取り上げており、内容項目の異なる複数の教材を組み合わせた学習を各学年三つ設定することで、現代的な課題を児童の身近な問題と結び付け、自分との関わりで考えることができるようにしている、が挙げられています。
 道徳の説明は以上でございます。

松井教育長

 ただ今の説明について、御質問、御意見等がありましたらお願いいたします。

栗栖委員

 道徳につきましては、本市の実態として、本市の児童は自分を認める心や、人の役に立ちたい気持ちが育っていることが分かるとあり、良い状況であると認識しております。また、最後に、児童が問題意識をもち、主体的に考え、行動しようとする意欲や態度を育成する取組が必要であるということで、それは、課題というよりも、そういう取組が継続的に必要だという分析をされていると思います。
 そういったことで、この道徳の教科書も、ただ今、指導第一課長から説明があったように、「手品師」の同じ題材を使って、各者の題材に対するアプローチが工夫されているので、本当に甲乙付け難いです。ただ、審議会からの答申でよりふさわしいとされた光村図書を見ますと、答申の110ページにある主体的に学習に取り組む工夫が大切だと思うのですが、視点丸3で触れられているように、各教材の始めに、ねらいとする道徳的価値や教材の内容と日常生活をつなぐ発問例を示していて、視点丸5として体験的な学習を取り入れた工夫があり、視点丸7の現代的な課題を踏まえた内容の示し方として、いじめ問題や情報モラルを扱っています。また、どの教科書にもありますが、光村図書で良いと思った点は、6ページに「みんなで気持ちよく話し合うためのこつ」ということで、分かりやすくポイントが示されています。それから、同じく各教材の後ろに、「考えよう」、「話し合おう」という示し方で、例えば15ページの例でいくと、自分の良いところを知ることは、なぜ大切なんだろうというテーマを掲げて話し合おうという設定になっていますので、主体的に考えていくことがフォローできる教科書になっていると思いました。そういう意味では、光村図書出版がよりふさわしいという意見に賛成します。
 光文書院については、意見2の3番目の理由として、現代的な課題等について、いじめや命などに関する内容を「重点主題」として取り上げているとあり、命に関する内容を重点的に取り上げて扱うことも非常に大事な発想だと思いました。

井内委員

 光文書院の教科書を十分に検討していないのですが、現代的な課題等について「重点主題」として取り上げてあり、児童に身近な問題として主体的に考えさせるところは、光文書院の良い点だろうと思います。
 光村図書出版が推進されるところは、みんなで考えることや体験的な活動を通して考える学習の際にいろいろな手順を示しているところなので、どちらを重視するかという問題だと思いますが、あえていじめなどの現代的な課題は、これから各発達段階で考えてもらえば良いと考えると、むしろ、話し合うところに重点を置いた光村図書出版の方がこの時点ではよりふさわしいと思いました。この結論に賛成いたします。

栗栖委員

 それからもう1点です。
 答申の意見1の三つ目の理由に、教員の授業を進めやすいというコメントがあります。実際にこの教科書を使用して授業を進めやすかったということで、こういう意見は尊重したいと思います。

松井教育長

 はい。ありがとうございます。
 他に、御質問、御意見等はありますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それではお諮りいたします。
 道徳については、光村図書出版がよりふさわしいと考えられますので、光村図書出版を採択することとしてよろしいでしょうか。
 (異議なし)
 異議なしと認め、道徳については、光村図書出版を採択することに決定いたしました。
 以上をもちまして、議題1の審議を終わらせていただきます。
 ここで、15分程度休憩をさせていただきたいと思います。

 (休憩)

松井教育長

 それでは、議事を再開いたします。
 続きまして、議題2の議案第37号「令和6年度から使用する広島市立広島特別支援学校及び広島市立小・中学校(特別支援学級)用教科用図書の採択について」を議題といたします。
 本件は審議案件です。内容について、特別支援教育課長から説明をお願いいたします。

特別支援教育課長

 議題2の議案第37号「令和6年度から使用する広島市立広島特別支援学校及び広島市立小・中学校(特別支援学級)用教科用図書の採択について」、説明させていただきます。
 今年度採択をいただきたい教科用図書は、1に示しておりますように、広島市立広島特別支援学校で使用する教科用図書につきましては、(1)の 令和6年度から4年間使用する「特別の教科 道徳」の検定教科書の小学部用、それから、(2)令和6年度から4年間使用する文部科学省著作教科書の小学部用、そして、(3)の令和6年度に1年間使用する一般図書の小学部、中学部、高等部用となります。
 また、2の広島市立小・中学校の特別支援学級で使用する教科用図書につきましては、(1)の令和6年度から4年間使用する文部科学省著作教科書の小学校用、(2)の令和6年度に1年間使用する一般図書の小学校用、中学校用となります。
 それでは、資料1ページをお開きください。1ページの参考資料を御覧ください。
 特別支援学校及び小・中学校の特別支援学級に在籍している児童生徒につきましては、一人一人の障害の状態等に応じて、特別の教育課程を編成するなどしており、当該学年の文部科学省検定教科書を使うことが適当でない場合には、それ以外の教科用図書を使用できることが法令で規定されておりまして、いろいろな種類の教科用図書の採択が必要となっております。本議案で採決いただきたい教科用図書は、表の中に網掛けで示しているものになります。なお、細い線で囲まれていた網掛けがされてない白抜きのところは、これまでに採択いただいている教科用図書になります。下段の表の同じく白抜きの太線枠で示しているものがありますが、これは小学校の検定教科書ですので、先ほどの議題第36号で採択いただいたものになります。
 それでは、2ページを御覧ください。上側の、丸がついている方が、令和6年度使用広島市立義務教育諸学校用教科用図書採択の基本方針につきまして、5月の教育委員会議において決定いただいたものでございます。下半分の丸に書いてあるものがこの採択の手順ですが、これも基本方針を決定していただいた際に説明させていただいたものでございます。昨年度との変更はございません。この採択の手順を図示したものが3ページになります。なお、この2ページ、3ページの見開き部分が、義務教育段階である特別支援学校小・中学部及び小・中学校の特別支援学級の採択に関する基本方針と手順になりまして、次の4ページと5ページの見開き部分は特別支援学校の高等部の採択の基本方針と手順を示したものです。一般図書を選定する際には、この手順に従って、また、広島県教育委員会が作成した一般図書の選定資料というのがございまして、そういったものを参考にしつつ、各学校で幅広く調査研究を行います。選定したそれぞれの一般図書について、学校長が児童生徒の実態に即しているということを判断した上で、6ページから9ページまでの様式を使用して、学校から教育委員会に申請していただくようになります。
 それでは、採択いただきたいことについて具体的に説明いたします。
 まず、1ページ目の、先ほどの参考の表を御覧ください。
 1の広島市立広島特別支援学校で使用する教科用図書についてです。広島市立広島特別支援学校は、知的障害者を対象とする特別支援学校でありまして、特別支援学校学習指導要領に基づいて教育課程が編成されることから、(2)の文部科学省著作教科書及び(3)の一般図書を使用することとしております。ただし、(1)の文部科学省検定教科書についてですが、「特別の教科 道徳」だけは、特別支援学校の学習指導要領において、教科の目標内容が小学校に準ずるとなっておりますので、児童の実態として使用することが望ましい場合には、小学校用の検定教科書を使用することも可能となります。このため、(1)の文部科学省検定教科書も採択する必要がございます。なお、児童の実態が、検定教科書がふさわしくない場合には、他の教科と同様に、(3)の一般図書を使用することになります。
 これを踏まえまして、案としましては10ページ目になります。10ページをお開きください。
 1、広島市立広島特別支援学校で使用する教科書についてです。広島特別支援学校で使用する「特別の教科 道徳」の検定教科書につきましては、広島市立小学校用として採択された発行者の教科用図書を採択することが望ましいと考えておりますので、令和6年度から4年間の使用を考えております。
 次に、11ページですが、これは、文部科学省著作教科書です。検定教科書と同様に、原則4年ごとに採択替えを行うことになっています。文部科学省著作教科書は、一般の検定教科書とは異なって、各教科1種類ずつしか発行されておりませんので、発行された全ての教科書を採択していただきたいと考えております。なお、生活科の文部科学省著作教科書が、新たに作成されまして、令和6年度から使用可能となっております。文部科学省著作教科書も令和6年度から4年間の使用を考えております。
 続いて、12ページをお開きください。一般図書の小学部用、中学部用、高等部用につきましては、毎年度採択を行うこととなっておりまして、今年度は小・中・高等部合わせて計207点の図書の申請がありまして、具体的な図書名につきましては、小学部のものが13ページから15ページにかけて載せてあります。中学部のものが次の16ページから17ページで、高等部のものを18ページ、19ページに記載しております。ここまでが特別支援学校分ということになります。
 1ページ目の参考を御覧ください。下半分の方です。続きまして、2の広島市立小・中学校特別支援学級で使用する教科用図書について説明いたします。小・中学校の特別支援学級においては、児童生徒の障害の状態により、その児童生徒に応じて、特別支援学校の教育課程を参考にした特別の教育課程というのを編成することができます。そこで、小・中学校の特別支援学級におきましては、個々の児童生徒が取り組む目標や内容に応じて、文部科学省検定教科書だけではなく、(1)の文部科学省著作教科書や(2)の一般図書を使用することができるようになっております。なお、文部科学省検定教科書につきましては、特別支援学級の小・中学校の学級の一部ですので、先ほど申し上げましたとおり、小学校部については、先ほどの議案第36号で採択いただいたことになっておりますので、それを使うことになります。
 これを踏まえて、採択していただきたい教科用図書につきましては、案は20ページ以降になります。20ページを御覧ください。
 まず、文部科学省著作教科書、小学校用については、先ほどの特別支援学校の場合と同様に、発行された全ての教科書を採択していただきたいと考えております。令和6年度から4年間の使用を考えております。
 続いて、21ページを御覧ください。一般図書につきましては、特別支援学校のものと同様に、毎年度、採択を行うこととなっておりまして、今年度は、小学校は238点、中学校は180点、合計418点の図書の申請がございました。具体的な図書名につきましては、小学校のものが22ページから28ページに掲載しております。また、中学校のものは、29ページから34ページまでに掲載しております。先ほど説明した特別支援学校用と同様に、いずれも各学校から使用希望のあった図書となります。皆様のお手元に、各学校から申請が多かった一般図書及び生活科の文部科学省著作教科書を、若干、右前に用意しております。御覧いただきたいと思います。申し訳ないのですが、一般図書については同じものが複数冊ないので、各1冊しか御用意できておりません。先ほど説明しました、全ての一般図書につきましては、事務局において各学校から提出のあった書類の内容を調査検討した結果、その全てが適正であるということは確認しております。
 つきましては、広島市立広島特別支援学校で使用する教科用図書として、10ページから19ページにありますとおり、また広島市立小・中学校特別支援学級で使用する教科用図書としましては、20ページから34ページにありますとおり、令和6年度から使用する教科用図書として一括採択することにつきまして、御審議のほどよろしくお願いいたします。

松井教育長

 それでは審議に入ります。
 ただ今の説明につきまして、御質問、御意見等がありましたらお願いいたします。

栗栖委員

 この内容について、全く異議はございません。むしろ、先生方が多くの本の中から児童生徒一人一人の実情に応じて選ばれた教科書ということで、御努力に対して感謝したいと思います。

松井教育長

 議案第37号の説明のところに、「下記について申請のとおり採択する」とありますが、この申請というのは、今日の資料の中でどの部分ですか。

特別支援教育課長

 1~9ページまでが申請の様式を含む参考資料で、本議案で採択する教科用図書としてお諮りする案は、10ページから19ページが特別支援学校用、20ページから34ページが特別支援学級用となっております。

松井教育長

 それでは、御質問、御意見等はございませんか。よろしいでしょうか。
 それでは、議題第37号「令和6年度から使用する広島市立広島特別支援学校及び広島市立小・中学校の特別支援学級用教科用図書の採択について」、原案どおり可決することに御異議ございませんか。
 (異議なし)
 異議なしと認め、本件は原案どおり可決することに決定いたしました。
 続きまして、議題3の議案第38号「令和6年度使用広島市立高等学校・中等教育学校(後期課程)用教科用図書採択について」を議題といたします。
 本件は審議案件です。内容について、指導第二課長から説明をお願いいたします。

指導第二課長

 それでは、背表紙に令和6年度使用広島市立高等学校中等教育学校(後期課程)用教科用図書採択についてと書かれた水色のファイルを御覧ください。
 議題3、議案第38号の令和6年度使用広島市立高等学校中等教育学校(後期課程)用教科用図書の採択については、各学校から申請されたとおり採択することとしたいと考え、上程しています。
 それでは、赤色のファイルの右肩に枠囲みで別添資料として記しているものを御覧ください。
 1ページの広島市立高等学校・中等教育学校(後期課程)・特別支援学校(高等部)用教科用図書採択の基本方針を御覧ください。こちらは、令和3年5月26日の教育委員会議で決定していただいたものでございます。
 続いて、2ページの広島市立広島みらい創生高等学校用教科用図書採択の基本方針を御覧ください。こちらも同様に、令和3年5月26日の教育委員会議で決定をいただきました。
 3ページの広島市立高等学校・中等教育学校(後期課程)における教科用図書採択の手順を御覧ください。各学校では、この手順に従い、調査員による調査・研究を経て、教科用図書選定委員会における審議を受けて選定された教科用図書を教育委員会に申請しています。指導第二課においては、各校から提出された申請書等の内容について、校長から説明を受け、申請された教科用図書が評価の観点に照らし、適切に選定されているか等の審査を行った上で、本日の教育委員会議に上程しております。
 続いて、4ページを御覧ください。令和6年度使用広島市立高等学校・中等教育学校(後期課程)用教科用図書総括表です。本年度、各校より申請のあった教科用図書の点数は、表のとおりとなっており、合計628点となっています。なお、令和5年度使用教科用図書と異なる教科用図書の申請は、新規の欄を御覧になってください。合計147点ありますが、このうち122点は、学習指導要領改訂に伴い、新学習指導要領に対応した教科書を使用することとなった3年生が主な対象となるものです。残りの25点は、1年生と2年生の教科書で、実際に授業や評価を行っていく中で、より生徒の実態にあった教科用図書に変更した方が良いという判断をしたものや、今回新たに目録に掲載された科目の教科書を申請したものなどになります。
 5ページを御覧ください。このページ以降の資料が各校長から実際に提出されたものになります。基町高等学校を例に説明いたします。先ほど説明しました手順に従い、学校で行った選定の手順の報告になっています。選定委員、調査員は、事前に教科用図書採択に直接の利害関係を有するものではないことを確認書において誓約した上で選定に従事していただいています。選定委員会の規約については、20ページのとおり、学校の資料の最後につづっております。全ての学校において、選定委員会が各校の規約に基づき適正に運営されたことを確認しております。
 では、6ページをお開きください。1に学校の特色を、2に生徒の実態を、3に調査の観点及び視点を記載しており、7ページからが令和6年度使用高等学校・中等教育学校(後期課程)用教科用図書申請書で、お手元に配付しております高等学校用教科書目録に登載されている教科書について、先ほどの観点に基づき、比較検討し、ふさわしいものを2点に絞った上で選定したものを上段にして、特に重点を置いた3点について、二重丸(◎)「よりふさわしい」と、丸(〇)「ふさわしい」で示しており、その右には選定の理由を文章で記載しています。
 7ページから19ページまでが申請書となります。
 以下、21ページ以降は、学校ごとに提出された、選定手順、選定資料、申請書、選定委員会規約をとじています。
 それでは、申請書の内容について、基町高校の3年生の教科名、地理歴史、科目名、地理探究を例に説明いたします。今見ていただいております赤色のファイル、申請書の9ページの表の一番上を御覧ください。このまま、開いたままにしていただきまして、併せて、前方の机上にあります黄色いファイルの高等学校用教科書目録の7ページを御覧ください。教科書目録に掲載されております地理探究3冊を対象として、教科書発行者から送られている教科書見本や、文部科学省がホームページ上で公開しているもので、教科書の編修の趣旨や基本方針などについての理解を促進することをねらいとして作成された編修趣意書等を参考に調査・研究し、本校にふさわしい教科書を選定しています。
 先ほどの赤色のファイル9ページの一番上の右端の欄の選定の理由を御覧ください。発展的な内容に生徒が主体的に取り組むことができるよう、討論したり論述したりすることで、より深く考察する「探究TRY」を設けている、このことが選定の理由として挙げられています。地理歴史科においては、発展的内容の充実を特に重点を置く観点の一つとしており、基町高校の生徒にとってふさわしいということで、このように選定の理由を挙げております。前方の机上に取り出しております教科書があります。「新詳地理探究」を御覧になってください。こちらの152ページから153ページ、218ページから219ページ、この辺りが「探究TRY」が掲載された部分になります。身に付けた地理的技能や学習した内容を活用しながら、生徒自身の考えをまとめ、討論、論述することができるようになっています。
 続いて、広島商業高校を例に紹介いたします。赤色のファイルの申請書の83ページの上から3番目にあります3年生の教科名、国語、科目名、国語表現を御覧ください。併せて、先ほど開いていただきました黄色のファイルの高等学校用教科書目録の4ページを御覧ください。教科書目録に掲載されている国語表現、これも下の表になるのですけれども、2冊を対象として、本校にふさわしい教科書を選定しています。申請書、赤色のファイルの83ページ、上から3番目の右端の欄の選定の理由を御覧ください。生徒の興味・関心を高めることができるよう、原稿用紙の使い方や面接の際の言葉遣いなどを確認する「実践トレーニング」を設けている、このことが選定の理由として挙げられています。国語科においては、主体的に学習に取り組む工夫を特に重点を置く観点の一つとしており、広島商業高校の生徒にふさわしいということで、このように選定の理由を挙げております。
 先ほどと同じように、前方の机上に取り出しております教科書「国語表現」を御覧になってください。国語表現の26ページから27ページには、原稿用紙の使い方に係る内容が掲載されており、続いて、116ページから117ページには、面接の際の言葉遣いなどに係る内容が掲載され、それぞれ演習することで、生徒が日常生活や社会生活の中で必要とされる表現力を身に付けることができるようになっております。このように、各校において教科書の調査・研究を行い、生徒にふさわしい教科用図書を選び、申請書を作成しております。
 それでは、水色のファイルの学校別選定一覧と赤いインデックスがついた部分をお開きください。令和6年度使用高等学校・中等教育学校(後期課程)用教科用図書選定一覧は、各校で選定された教科書を教科ごとに一覧にまとめたものになります。
 まず、資料の見方について説明いたします。
 14ページを御覧ください。舟入高等学校の地理歴史科を例に説明いたします。1に選定の際に特に重点を置いた調査の観点及び視点として、教科ごとに特に重点を置いた調査の観点等を三つ示しております。2が教科用図書選定一覧で、教科ごとに選定した教科用図書を示しています。表の3段目の3年生、地理探究は新規と記載していますが、これは今年度使用教科用図書と異なる新規の選定を示しています。一番上の段の地理総合は、四角囲みで新規と記載していますが、新規のうち、必履修科目の教科用図書については、このように四角囲みをしています。5段目の1年生、歴史総合は、新規の選定欄が空欄になっていますが、これは本年度使用教科用図書と同一のものを翌年度も申請することを示しています。また、10段目、日本史研究の学年の欄が丸3と学年欄の数字を丸で囲んでいますが、これは既に使用していて、次年度も引き続き使用する教科用図書で、生徒が新たに購入しないものになります。なお、新規の選定教科用図書については、3、新規の選定図書及びその理由に選定の理由を記載しております。机上に立てて並べてあるものは、四角囲みで新規と示されている 必履修科目の教科用図書を準備しております。その他の教科書は、後方の壁沿いに学校ごとに展示しております。
 それでは1ページにお戻りください。基町高校の国語です。続いて、2ページが地理歴史で、地理探究、日本史探究の2点が新規の申請です。4ページが公民で、倫理、政治・経済の2点が新規の申請です。5ページが数学、6ページが理科で、生物基礎の1点が新規の申請です。7ページが保健体育で、保健の1点が新規の申請です。8ページが芸術で、書道Ⅰの2点が新規の申請です。9ページが外国語で、英語コミュニケーションⅡ、英語コミュニケーションⅢ、論理・表現Ⅱ、論理・表現Ⅲの5点が新規の申請です。11ページが家庭、12ページが情報です。
 基町高等学校は、以上となります。

栗栖委員

 新規について、四角囲みは必履修科目で、四角囲みがない新規となっているもの、例えば、9ページの基町高校の英語コミュニケーションの2学年、3学年は教科書が変わるという意味ですか。

松井教育長

 委員の皆さんの理解を深めていただくために、資料に書いてあることの意味をもう少し分かりやすく説明してください。どういうものが新規になっているのか、改めてもう一度説明していただいて、四角囲みの新規と囲みのない新規の違いをどのように考えられて示してあるのかを教えてください。

指導第二課長

 四角囲みが付いている新規は必履修科目で、四角がない新規は必履修科目以外となります。新規の中には、新しく教科書を変えた場合や、これまで目録に掲載されておらず今回新たに目録に掲載された科目の教科書を申請したものがあります。

栗栖委員

 新規というのは147点と書いてありますね。

指導第二課長

 そのとおりです。基町高校から最後の学校までの新規を全て足せば147点です。

栗栖委員

 この新規の中の25点と122点の違いが分からないのですが。

指導第二課長

 3年生の122点が、学習指導要領の改訂に伴って新規になったものになります。3年生を除いた1年生、2年生に新規となるものが25点あります。

栗栖委員

 実質的に変わるのがこの25点という理解で良いですか。

指導第二課長

 学習指導要領の改訂に伴って変わるものを除けばそうです。

栗栖委員

 教科書そのものが大きく変わったのではなく、学習指導要領の改訂に伴って変わったのが122点ですか。

指導第二課長

 はい。

栗栖委員

 学習指導要領の改訂に伴って変更した教科書以外は、教科書発行者が変わったということですか。

指導第二課長

 教科書発行者が変わったのもありますし、学校によって実態や特色に応じています。

松井教育長

 委員の皆さんが、どこを中心に審議すれば良いのかというところがよく分からないということだと思います。
 今回について言うと、628点を教科書として採択すべきかどうかいう議論になりますが、うち481点については昨年と全く変わっていません。残りの147点は昨年と変わっていて、それがどういう理由で変わったのかを説明していただきたいのですが、今のお話でいくと、147点のうち122点については、学習指導要領の改訂によって、学年進行で3年生の教科書については新しい学習指導要領になった教科書に採択し直さなければならない、それが122点です。ですからそれは新しく採択しますが、学習指導要領に基づいて教科書が変わっているだけで、内容的には学校ごとの判断でやられているので、あまり議論がないと事務局は考えているという説明をしていただいて、それ以外を、どういうものかということを説明していただければと思います。おそらく、何パターンかあると思います。先ほど説明されていたようにもともと掲載されていなかった教科書を今回採択するとか、あるいは逆に、昨年まで使っていた教科書が何らかの理由で学校の方で希望して変えたものに絞って説明していただいた方が、おそらく委員さんの理解が早いのではないかと思います。

栗栖委員

 各校長が申請されているので、中身について異議はありません。例えば、9ページの基町高等学校の2番の2の英語コミュニケーションⅡが新規となっているのは、2年生の英語コミュニケーションの教科書について、以前は別の教科書を使っていたけれど、啓林館に変わるということですね。

指導第二課長

 そのとおりです。

栗栖委員

 1年生の時は別の教科書を使っていて、今回は、事情があって啓林館に変えますというふうに理解して良いわけですね。

指導第二課長

 はい。そのとおりです。

栗栖委員

 学校の方で、教科書が変わってもスムーズにいくという御判断があっての変更ということですね。

指導第二課長

 はい。理由につきましては、昨年度使用した結果からですけれども、学習指導要領にあるように、「聞くこと」、「読むこと」、「話すこと、やり取り」、「話すこと、発表」、「書くこと」の五つの領域の総合的な指導をするため、各レッスンに五つの領域全ての言語活動を設定してある教科書を選定し直したというところです。

松井教育長

 1年生と2年生の科目で、今言われたような理由は、おそらく1個ずつあるのですよね。

指導第二課長

 そのとおりです。はい、あります。

松井教育長

 たくさんありますか。

指導第二課長

 25点のうち12点が、各学校で研究を重ねて、新たに教科書を変更しているものになります。

松井教育長

 はい。それが昨年と同じ科目があるのだけど、同じ発行者で違う教科書か、違う発行者の教科書にしたのが12点あるのですね。

指導第二課長

 はい。

松井教育長

 であれば、時間の限りもありますし、その12点を中心に御説明いただいた方が良いです。

指導第二課長

 それでは、12点ありますが、各校が研究を重ねて、生徒の実態にふさわしい教科書を選定したものということで、まず、基町高校から説明いたします。
 基町の1年生で、新規、7ページになります。保健が新規になって、これは必履修科目になるのですけれども、昨年度使用した結果から、自ら問いを見出し、探究することのできる力を育成するため、自ら課題を設定し、学習内容を深めることができる内容を扱っている教科書に選定をし直したことが理由になります。
 続いて、次の8ページになります、1年生の書道Ⅰ、2冊ありますが、書Ⅰ、書Ⅰプライマリーブックになります。これは、理由が同じになりますが、昨年度使用した結果から、学習指導要領の改訂の趣旨である、表現と鑑賞に共通して必要となる資質・能力を育成するため、別冊のプライマリーブックを参照することができる教科書に選定をし直したということになります。基町高校で言いますと、2年生に新規がございまして、9ページの2年生の英語コミュニケーションⅡは、先ほど説明させていただきましたが、もう一つ、2年生に論理・表現Ⅱがございます。こちらが、基町高校では、自ら問いを見出し、探究することのできる力を育成することを目指していることから、各ユニットのトピックが、SDGsに関連した課題解決学習に取り組みやすいトピックになっている教科書を採択したということでございます。
 続きまして、舟入高校になります。舟入高校は2年生の地理総合が新規ということになります。14ページになります。一番上の段になります。舟入高校では、基礎的な知識・技能とそれらを活用して主体的に課題を解決するための思考力・判断力・表現力を育成することを目指していることから、学習した内容を段階的に深めることのできる構成となっている教科書を選定し直したということです。
 続いて、沼田高校になります。32ページを御覧ください。沼田高校1年生の美術Ⅰです。こちらも、昨年度使用した結果から、学習指導要領の改訂の趣旨である、発想や構想に関する資質・能力を育成するため、学習内容を活かして取り組む活動を具体的に示した教科書の方を選定し直したということです。続いて、沼田高校の英語になります。33ページ、1年生、英語コミュニケーションⅠが新規です。こちらも、昨年度使用した結果から、各レッスンの最後に設けてあります、話すことや書くことの活動の後に、その内容について、質疑応答したり、意見や感想を伝え合ったりする活動がより多く設定してある教科書に選定し直したということになります。続いて、2年生にも沼田高校、英語コミュニケーションⅡがあります。こちらも沼田高校の生徒がより興味・関心を持ちやすいトピックを扱っている教科書に選定をし直しております。同じく2年生の論理・表現Ⅱも生徒の実態に合わせまして、昨年度採択した教科書より扱うトピック等の難易度がやや高い教科書に設定し直したというところでございます。
 続いて、美鈴が丘高校が、37ページになります。2年生、古典探究が新規になります。こちらは、興味・関心を高めつつ、美鈴が丘高校が重視しております協同学習をより進められる教材を収録した教科書の方に選定をし直しております。続いて、日本史探究、38ページになります。38ページの2年生、日本史探究、こちらも同様の理由からになります。興味・関心を高め、美鈴が丘高等学校が重視している協同学習をより進められる教材を収録した教科書に選定をし直したというものになります。
 以上が、各校が研究を重ねまして、生徒の実態にふさわしい教科書を新規に選定したものということになります。

松井教育長

 基本的には、高校の場合は、各学校現場の希望です。数は少ないのですが、事情があって今回変わったものについて、指導第二課長に説明していただきましたので、ただ今の説明いただいたことや全体的なことでも結構でございますので、御質問、御意見等がありましたらお願いいたします。

栗栖委員

 各学校で生徒の実態に応じた教科書を選定されているので、内容的には全く異議はありません。
 学年の途中で教科書が変わってもスムーズにいくのか少し心配しますが、そこは当然、学校現場としてケアされるということで変更されたのだと思います。
 それから、毎年同じようなこと言っていると思うのですが、別添資料の6ページのように、基町高等学校と広島中等教育学校は、観点の6番に発展的な内容の充実があり、他の学校にはありません。基町の選定の理由を見ると、全てではないのですが、発展のところの評価の違いで選定するような仕組みになっていまして、他の高校は、6番の発展的な内容の充実ではなくて、言語活動の充実までで、選定する差を付けているので、その辺は学校によって御判断されているのだと思いますが、舟入高校は国際交流活動など幅広く取り組まれているので、発展的な観点があっても良いのではないかと、個人的に思いました。毎年ですよね。各学校の判断だと思うのですが、気付事項というか、採択の中身に関して異論はないのですが、観点の違いというのが、学校独自の観点かなと思いました。コメントです。

指導第二課長

 はい、発展的な内容の充実について、今、栗栖委員がおっしゃられたとおり、基町高校と中等教育学校の2校が、学校の特色や生徒の実態を踏まえて定めているところです。今御指摘いただきました舟入高校については、先ほどもお話させていただきましたように、基礎的な知識・技能とそれらを活用して主体的に課題を解決するための思考力・判断力・表現力を育成することを目指しております。難易度の高い発展的な内容をもってこれらの生徒の資質・能力の向上を図るより、思考力・判断力・表現力を駆使しながら、探究的な学びを充実させることで生徒の資質・能力の向上を目指しております。当然、発展的な内容の充実を全く考慮していないというわけではございませんので、主たる調査の観点として取り入れていないというところでございます。

松井教育長

 御質問、御意見等はありますでしょうか。
 それでは、お諮りいたします。
 議案第38号「令和6年度使用広島市立高等学校・中等教育学校(後期課程)用教科用図書採択について」、原案どおり可決することに御異議ございませんか。
 (異議なし)
 異議なしと認め、本件は原案どおり可決することに決定いたしました。
 以上で本日の議題は全て終了いたしました。
 これをもちまして、令和5年第11回広島市教育委員会議臨時会を閉会いたします。​

7 議決事項

議案番号

件 名

議決結果

36 令和6年度から使用する広島市立小学校用教科用図書の採択について

国語:光村図書出版
書写:東京書籍
社会:東京書籍
地図:帝国書院
算数:東京書籍
理科:教育出版
生活:教育出版
音楽:教育出版
図画工作:日本文教出版
家庭:開隆堂出版
保健:光文書院
英語:東京書籍
道徳:光村図書出版

37 令和6年度から使用する広島市立広島特別支援学校及び広島市立小・中学校(特別支援学級)用教科用図書の採択について 原案可決
38 令和6年度使用広島市立高等学校・中等教育学校(後期課程)用教科用図書採択について 原案可決

リンク

<外部リンク>