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令和5年第2回教育委員会議(2月定例会)議事録

令和5年第2回 広島市教育委員会議議事録

 令和5年2月8日(水曜日)、令和5年第2回広島市教育委員会議(定例会)を教育委員室において開催した。

1 開会及び閉会に関する事項

 開会 午後1時30分
 閉会 午後3時17分

2 教育長及び委員の出席者

 教育長 糸山 隆
 委員 井内 康輝
 委員 栗栖 長典
   委員 秋田智佳子
 委員 伊藤 圭子 
 委員 西 敦子   

3 事務局等の出席者

 教育次長 松井 勝憲
 総務部長 加賀谷 哲郎
 青少年育成部長 橋本 英士
 学校教育部長 川口 潤
 指導担当部長 中谷 智子
 教育センター所長 松浦 宰雄
 総務課長 平山 高成
 教職員課長 森田 健嗣
 指導第一課長 高田 尚志
 指導第二課長 長屋 吉輝
 

4 傍聴者等

 なし

5 議事日程

 議題1 平和教育プログラムの改訂について(報告)
 議題2 事務局職員の人事について(議案)【非公開】
 議題3 教職員の人事について(議案)【非公開】

6 議事の大要

糸山教育長 

 ただ今から、令和5年第2回広島市教育委員会議定例会を開会いたします。
 本日は、傍聴の方はいらっしゃいません。
 本日の議事録署名者は、秋田委員と伊藤委員にお願いします。
 それでは日程に入ります。
 本日の議題は、お手元の議事日程のとおりです。
 本日審議予定の議題2及び議題3については、広島市教育委員会会議規則第5条第1項第3号「教育次長、部長、担当部長、医務監、課長、事務長、担当課長、校長、園長その他課長相当職以上の職位の任命に関すること」に該当することから、会議を非公開としたいと思いますが、御異議ございませんか。
 (異議なし)
 異議なしと認め、議題2及び議題3については非公開として審議することに決定しました。
 それでは議題に入ります。
 まず議題1「平和教育プログラムの改訂について」を議題とします。
 本件は報告案件です。内容について、指導第一課長及び指導第二課長から説明をお願いします。

指導第一課長

 「平和教育プログラムの改訂について」、資料の2ページを御覧ください。
 本日、机上に現行と改訂版の平和ノートを置かせていただきましたが、改訂版につきましては、まだ現在著作権に係る手続きを進めているところであるため、説明後に回収をさせていただきます。委員の皆様には改めて製本した完成版をお渡しいたします。
 はじめに、平和教育プログラムの概要と改訂に至った経緯を説明いたします。
 1、平和教育プログラムについてです。
 まず、(1)策定の経緯です。教育委員会では昭和45年以来、平和教育の目標、指導上の留意事項等を示した平和教育の手引きなどを作成し、各校へ配付する等、平和教育の充実を図るための取組を進めてまいりました。こうした中、本市が平成22年度に実施した「児童生徒等の平和に関する意識実態調査」において、被爆に関する知識の定着や学校間での取組などに課題が見られましたことから、これまでの平和教育の目標や内容、指導方法等を見直し、被爆の実相の理解、継承と発信を主軸に、発達段階に即した目標や内容を体系化した平和教育プログラムを平成25年度に作成することにいたしました。
 次に、(2)平和教育プログラムの目標及び内容についてです。これにつきましては、資料の3ページ、資料1で御説明させていただきます。
 本プログラムは、上段の太線で囲んでありますように、小学校から高等学校までの12年間を小学1年から3年、4年から6年、中学校1・2・3年、高校1・2・3年の区切りで四つの発達段階に分類し、網掛けをしております部分、プログラム1から4として記載してある目標をそれぞれ設定しています。さらに、その網掛け部分の下の二重線で囲んだ部分にありますように、それぞれの目標に焦点化した学習ができるよう、各学年に全3時間で構成された学習単元を位置付けています。例えば、小学校、第1学年では単元1、「みんなのたからもの」をテーマに下の段に図・図・道とありますように、図画工作科2時間 道徳1時間を活用して学習を進めております。
 これらの学習単元の具体を掲載した教材集を本日机上にお配りしております「ひろしま平和ノート」として、市教委が作成し、全児童生徒に配付をしており、各校において、各教科、特別活動等の機会に「ひろしま平和ノート」を活用した学習や本市の「被爆体験を聴く会」等の取組を実施するなどして、平和教育の充実を図っているところです。
 資料の2ページにお戻りください。2、改訂の経緯についてです。
 平成31年度、プログラムの6年間の実践の成果等を基に改訂の必要性について検証を行うため、大学教授等を構成員とし、平和教育プログラム検証会議を4回開催しました。
 この会議においては、四つの観点 、「被爆の実相を理解し、確実に継承することができるものとなっているか」、「学んだ事実をもとに考えたことを発信していく力を身に付けることができるものとなっているか」、「発達段階に即したものとなっているか」、「教材の資料等は最新の情報となっているか」に沿ってプログラムを検証した結果、本プログラムは概ね観点に沿ったものとなっている一方で、より発達段階に即した被爆の実相を理解し、その事実を基に考えたことを発信する内容とするためには、プログラムの学習内容として位置付けている「ひろしま平和ノート」の一部については、改訂する必要があるという結論となりました。
 この検証会議の結果を受けまして、プログラムの改訂を進めるため、令和2年度から令和4年度にかけ、大学教授や平和関連施設代表者等を構成員とした平和教育プログラム改訂会議を6回、主に教諭を構成員とする作業部会を5回開催しました。改訂案の策定に当たっては、先ほどの四つの観点に沿って、まず、作業部会において、新たな教材やそれに応じた学習展開等を含めた試案を検討いたしました。次に、平和教育推進校で試案に基づいた試行授業を実施した後、その結果を基に試案を修正し、改訂素案を作成いたしました。さらに、改訂素案を改訂会議において検討し、専門的な視点からの意見を踏まえ、「ひろしま平和ノート」の改訂案を作成いたしました。
 資料の4ページ、資料2、平和教育プログラムの改訂内容の一覧の2、改訂内容を御覧ください。左側が改訂前の内容となっております。学年ごとに題材名と実施する教科、今回の改訂の観点を示しております。網掛け部分が、改訂を行うこととなった内容であり、表の右側に改訂内容を題材名として示しております。
 引き続いて、この各学年の改訂内容の具体について説明をいたします。資料の5ページから、改訂会議で示された現行の内容の課題と、それを受けて改訂した内容を学年ごとに示しております。
 資料3と現行の平和ノート及び改訂版の平和ノートの三つの資料を御覧いただきながら、説明させていただきます。
 最初に、小学校の第2学年です。まずは、現行の内容の概要を説明いたします。現行というラベルが貼ってあります「ひろしまへいわノート小学校1・2・3年」を御覧ください。11ページから18ページとなります。単元名を「みんな生きている」としております。その学習を通して、生命あるもの全てをかけがえのないものとして尊重し、それを通して平和を大切にしようとする心を育てることをねらいとしております。
 12ページをお開きください。12ページの学習1では、実際に植物を観察し、それを基に気付いたことや感じたことを発表します。
 14ページから17ページの学習2では、自作の教材、アオギリを基に原子爆弾で焼かれながらも、新たな芽を吹き、生命を伝えていく被爆アオギリについて知り、そのアオギリの願いについて考える学習を行います。
 18ページの学習3では、学習1、2から児童が持った生命や平和に対する感じたことを、アオギリに手紙を書く活動をします。
 続いて、改訂を行う内容についてです。資料の5ページの資料3の上段、 第2学年の表を御覧ください。
 まず、学習1の改訂についてですが、先ほど見ていただいた現行ノートの12、13ページと改訂版とラベルが貼ってあります平和ノートの12ページを合わせて御覧いただけたらと思います。
 資料の5ページにありますように、現行ノートの課題が第2学年、学習1の欄に書いてあります。ここでは、植物を観察する活動に時間がかかり、気付きを伝え合う時間が十分取れないという意見がありました。そこで、改訂版では、植物の観察のために、学習時間が割かれないようにするため、生活科と関連させ、事前に生活科の学習の中で作成した観察記録やタブレット端末に撮り貯めた植物の写真から気付きを書かせることとし、改訂版の13ページに掲載をしておりますその学習活動に応じたワークシートとなるように、変更をしております。
 次に、学習2についてです。現行ノートでは、14ページから17ページとなります。改訂ノートは同じく14ページです。資料5ページ、先ほど見ていただいた第2学年の表の学習2の課題に記載してあるとおり、現行の課題として、1年生の教材と比較した際、教材が一人称の語り口調であったり、アオギリに目や口が描かれたりしていることから、文章や挿絵が幼いという意見が出ました。そこで、改訂版では14ページからありますように、挿絵と文末表現を修正することで、発達段階、2年生に即した教材となるように変更をしております。なお、この挿絵は、基町高等学校の生徒に書いてもらったものです。挿絵の中に、左上に「アタリ」という文字が入っているのですがこちらは今、編集作業上付けさせていただいているものなので、作業が終わりましたら、削除するものでございます。
 続きまして、学習3についてです。現行ノートが18ページ、改訂版が17、18ページとなります。現行のノートでは、先ほどの配付資料の5ページの表にありますように、学習3の課題として、アオギリに手紙を書くという内容は、アオギリの気持ちを考えることに留まり、自分の思いを伝える学習とはなっていない、発信する対象がアオギリであり、伝える目的を持ちにくいという指摘がございました。そこで、改訂版では、教材から児童が感じたこと、考えたことを伝える学習とするため、アオギリの種から育てた苗を世界中に広げる「ひばくアオギリ2せい」の取組を紹介した上で、18ページにございます、自分の家族に向けて、平和について考えたことを書くこと設定をいたしました。このワークシートはそのままコピーをして、教室内に掲示したり、家族へのお手紙として家に持ち帰ることができるよう、デザインを変更しております。
 次に、第3学年の改正内容についてです。まず、現在学習されている内容について、御説明をいたします。現行の平和ノートの19ページから27ページになります。こちらの単元名が、「せんそうがあったころの広島」としておりまして、この学習を通して戦争や原子爆弾が尊い命や家族の絆を一瞬で奪う非人道的なものであることを理解し、それを通して平和を大切にしようとする心を育てることをねらいとしております。
 現行ノートの20ページをお開きください。学習1では、戦争中の子どもたちの暮らしの様子を捉えるため、戦争中の写真と今の様子を比較し、当時の厳しい生活の様子を主に食という観点から読み取る活動を行っております。
 22ページから24ページの学習2では、家族の一員として自分にできることを行い、家族と協力して楽しい家庭を作ろうとする心を持つことができるよう、漫画「はだしのゲン」を題材として、ゲンの行動から家族の絆について考える学習を行っております。
 25ページから27ページの学習3では、平和の大切さや命の尊さを感じ取る心を持つことができるように、家族の命を目の前で奪われたゲンの気持ちを考え、話し合う活動を行ってきました。
 続いて、改訂の内容についてです。資料5ページの下の段、第3学年の表に、改訂会議、検証会議で出た御意見と改訂の内容と書いております。まず、学習1の課題は、資料が食に関することが中心であり、戦争中の子どもたちの暮らし全体の様子が分かる資料がないという意見がありました。そこで、改訂版の20ページ、21ページになりますが、衣服、食事、生活、教科書、夜の町の様子といった、より広い観点から戦争中の子どもたちの暮らしが分かる資料としております。加えて、左上にございますQRコードを掲載することで、タブレット端末からもこの画像が見られるようにし、必要に応じて画像を拡大して、細かい点まで確認できるようにしております。
 次に、学習2についてです。現行ノートが22ページから24ページ、改訂ノートも同じく22ページから24ページとなります。現行ノートでは、先ほどの資料5ページの表の中の学習2の課題に示しているとおり、漫画の一部を教材としているため、この部分からだけでは、被爆の実相に迫りにくいという御意見がありました。さらに、現行ノートの23ページ、下の段、右の浪曲の場面は、浪曲自体の知識が児童になく、実態には合わないというものや、その隣の鯉を盗む描写について、家族のためとはいえ、盗みを行うというストーリーが児童に誤解を与える恐れがあることから、補足説明が必要となり、教材として扱うことが難しいという指摘もありました。そこで、改訂版では、22ページから24ページのように、教材の変更を検討いたしました。絵本「いわたくんちのおばあちゃん」を参考として、原子爆弾によって、家族を一瞬で失った綿岡ちづ子さんの実体験を当時の写真等も含め、教材といたしました。ここでは、22ページの下にあります、原爆投下の前日に写した家族写真にまつわるちづ子さんのエピソードを中心として扱い、どの児童にも経験のある家族写真の撮影をテーマとすることにより、家族の絆や大切さついて、児童の発達段階に即して考えることができるようになっています。
 続いて、学習3についてです。現行ノートが25ページから27ページ、改訂版も25ページから、こちら26ページまでとなっております。現行ノートでは、資料の5ページにあります、学習3の課題に示してありますとおり、原子爆弾により、家族の命を奪われたゲンの気持ちを考えることに留まり、教材を通して自分が平和について考えたことを伝える学習となっていないという指摘がございました。そこで、改訂版では、学習2で扱った綿岡ちづ子さんの娘である岩田美穂さんのボランティアガイドの取組を紹介し、岩田さんのこの伝える活動をヒントに、これまでの学習から自分の思いを発信する、伝える学習を設定いたしました。この岩田美穂さんの取組については、映像教材を活用した方が、具体的にイメージしやすいという御意見もいただき、インタビューを基に動画を作成し、 授業で活用できるようにしております。
 最後に、第4学年の改訂内容についてです。小学校の4・5・6年生用の現行と改訂版の平和ノートを御覧ください。
 まず、現在学習されている内容についてですが、現行ノート1ページから10ページとなります。単元名を「広島のひばくと伝えたいこと」とし、この学習を通して平和への願いを伝えていこうとしている人たちの思いに気付き、その思いを受け継いで、平和を大切にしていこうとする心を育てることをねらいとしております。
 2ページお開きください。学習1では、フラワーフェスティバルについて学習し、そこに込められた思いや願いについて考える活動を行っております。4ページから7ページの学習2では、原子爆弾投下の年月日や時間、放射線の影響等を学習するとともに、戦中戦後の子どもたちの思いについて考えるため、原子爆弾が投下された当時の様子や、子どもたちの暮らしについて学習をします。
 8ページから10ページの学習3では、河本明子さんと被爆ピアノを題材とし、原爆の被害に遭い、大好きなピアノを弾きたいという強い思いを持ったまま亡くなった明子さんの気持ちや、その後も被爆ピアノの音色を伝えようとしている人たちの思いについて考え、自分が残していきたいものや、思いについて交流し合う活動を行ってきました。
 改訂の内容ですが、資料の6ページの上段、第4学年の表に 改訂会議で出された課題と改訂内容を示しております。
 まず、学習1についてです。現行ノートの2ページ、3ページ、改訂版の2ページから5ページを御覧ください。現行ノートでは、資料の6ページの課題にありますように、フラワーフェスティバルに込められた思いや願いについて考える学習となっており、被爆の実相に気付く学習となっていないという指摘がございました。そこで、改訂版では、現行ノート4ページからの学習2の内容をベースして、広島のまちの被爆前後の写真を掲載する等、資料の差替えも行いつつ、4ページにございますように、「熱線」、「爆風」、「放射線」の三つの観点で原子爆弾の影響や被害について調べながら学習をする活動を設定いたしました。
 次に、学習2についてです。現行ノートの4ページから7ページ、改訂ノートの6ページから7ページを御覧ください。現行ノートは、資料の6ページ、学習2の課題に示してありますとおり、原子爆弾の影響や被害について気付くことに留まる内容で、実相を理解することはできるが、そこから自分の考えを持つ学習にはなっていないという意見がございました。そこで、改訂版では、現行ノートの8ページから10ページの学習3の内容を学習2へ移動し、「明子さんのピアノ」をもとに戦争によって自由を奪われた人々の思いについて考える学習を設定いたしました。  
 続いて、学習3についてです。現行ノート8ページから10ページ、改訂版が9ページから10ページとなっております。現行ノートでは、学習3の課題が戦争によって自由を奪われた明子さんの思いについて考える学習に時間を使ってしまい、発信する活動に十分な時間を取れていないという意見があったこと、また、先ほど御説明しましたように、この部分を学習2に移行させたこととしたため、改訂版では9ページのように、これまでの学習から発信する学習へと繋げるため、牛田中学校放送部が明子さんの生涯や思いを伝える活動に取り組んでいることについて知り、それらを参考に自分たちが残したいもの、伝えたいことをグループで考え、学級で発表する学習を設定いたしました。この学習は、児童が思考するきっかけとなりますように、牛田中学校放送部が作成した取組を動画にしたものを授業の導入で活用することとしております。以上が、小学校の改訂内容となります。

指導第二課長

 それでは、続いて中学校の説明をいたします。中学校現行版と改訂版とあります。
 まずは、第1学年についてです。現行の「ひろしま平和ノート 中学校」の2ページから10ページとなります。人々の平和への思いをテーマに、広島の人々の平和への思いに触れるとともに、自分たちの学校や地域社会の平和について考え、平和に向けて主体的に考えていこうとする心を持つことなどを狙いとしています。
 2ページからの学習1では、お好み焼きに込められた思いを知り、身近にあるものや、場所と自分との関わりについて考える学習を行ってまいりました。6ページからの学習2では、中島地区の被爆前後の様子を地図や写真から読み取り、市民の願いや思いについて考える学習を行っていました。9ページからの学習3では、自分たちの学校や地域を平和な場所にするために、大切なことについて学級で話し合う活動を行ってきました。
 続いて、改訂内容についてです。資料の6ページ、下段に中学校の第1学年の表がございます。こちらを御覧ください。
 まず、学習1についてです。現行のノートでは、2ページから4ページ、改訂版の2ページから4ページを御覧ください。現行のノートでは、資料6ページの学習1の「課題」に記載しているとおり、改訂会議において、お好み焼きは生徒にとって身近な題材であるが、被爆の実相を確実に継承する学習内容となっていないという御指摘がありました。そこで、改訂板では、路面電車を教材として扱い、被爆直後の町や人々の被害の様子が分かる記述を追加いたしました。
 次に、学習2についてです。現行ノート6ページから8ページを御覧ください。資料6ページの学習2の「課題」に記載しているとおり、改訂会議において、被爆前後の中島地区の地図や写真だけでなく、被爆の実相や復興に向けて、人々が活動する様子が伝わる資料があった方が良いという御意見がありました。
 改訂版の6ページから8ページを御覧ください。被爆建物や中島地区の復興に向けた動きが分かる資料を加えることで、被爆の実相をより捉えることができるようにしました。タブレットを活用し、中島地区の写真を拡大することもできるようにしております。また、社会科から道徳科に変更し、平和記念都市建設に込められた当時の広島市民の思いや願いについて考える学習を設定しました。
 続いて、学習3についてです。現行ノートの9ページから10ページを御覧ください。資料6ページの学習3の課題に記載しているとおり、検証会議において、学級内の発信に留まり、小学校段階での学習から発展が見られず、発達段階に即した学習内容になっていないという御指摘がありました。
 続いて、改訂版の9ページから10ページを御覧ください。このように、当時の中国新聞の記者であった大佐古さんたちの活動を知り、これまでの学習を振り返りながら、被爆直後の「広島」を知らない人たちへ伝えるメッセージを考え、発信する活動を設定しました。
 続いて、第2学年についてです。現行ノートの11ページから20ページとなります。広島と世界とのつながりをテーマに平和に貢献しようとする心を持つこと等を狙いとしております。12ページからの学習1では、原爆の子の像の建立に尽力した佐々木偵子さんのお友達や、広島の子どもたちの平和への思いや願いを考える活動を行ってきました。16ページからの学習2では、世界平和や人類の幸福に貢献しようとする意欲を高めるために、ジュノー博士など広島の復興のために支援した人々の思いについて考える活動を行ってきました。19ページからの学習3では、身近な平和を作るために今の自分に必要なことについてグループで話し合い、自分の考えをまとめる活動を行ってきました。
 続いて、改訂内容についてです。資料の7ページ、上段、第2学年の表を御覧ください。まず、学習1についてです。現行ノートでは12ページから15ページ、改訂版では14ページから16ページとなります。資料の7ページの学習1、「課題」に記載しているとおり、現行ノートでは検証会議において、資料の説明が難しく、生徒の理解が得られないことや、学習2・学習3との関連が薄く、発信につながっていないという御指摘がありました。そこで、改訂版では、佐々木禎子さん、藤井幸子さんの生い立ちや本市の被爆体験証言者、伝承者の活動に触れ、学習3「発信」につながり、被爆の実相を継承していくための課題を考える活動を設定しました。広島平和記念資料館のリニューアルに関連している藤井さんを取り上げることで、校外学習等の事前学習としても扱うこともできます。
 次に、学習2についてです。現行ノートの16ページから18ページを御覧ください。資料7ページ、学習2の「課題」に記載しているとおり、検証会議、改訂会議において、学習1と同様に資料の説明が難しく、生徒の理解が得られにくいことや、学習1、学習3との関連が薄く、「発信」に繋がっていないという御指摘がありました。 改訂版の19ページから、20ページを御覧ください。このように、オバマ元アメリカ大統領とローマ教皇フランシスコが広島で行ったスピーチから、平和や核兵器に対する様々な立場の考えや思いを知り、誰にどのようなメッセージを発信すべきかを具体的に考える学習を設定しました。
 続いて、学習3についてです。現行ノートの19ページから20ページを御覧ください。資料7ページ学習3の課題に記載しているとおり、検証会議において、発信する目的や対象が明確になっていないため、主体的な発信とならず、発信する内容が具体的になりにくいという御意見をいただきました。
 改訂版の21ページ、22ページを御覧ください。このように、本市の事業である中学生による「伝えるHIROSHIMAプロジェクト」のメッセージの資料を活用して、これまで学習した平和や核兵器に対する自らの見方、考え方を基にメッセージを考える学習を設定しました。タブレットを活用し、これまでに作成した平和メッセージを閲覧できるようにしております。
 続いて、第3学年についてです。現行ノートの21ページから29ページとなります。持続可能な社会の実現をテーマに、現在の世界が抱える課題を理解し、広島の中学生として持続可能な社会を形成していくという自覚を持つこと等を狙いとしています。22ページからの学習1では、核兵器廃絶に向けた世界の取組と現状を調べ、現在の課題を考える学習を行ってきました。24ページからの学習2では、国際平和に向けた取組について調べる学習を行ってきました。29ページの学習3では、平和で持続可能な社会を作るために何ができるかを考え、文章で表現する学習を行ってきました。
 続いて、改訂内容についてです。資料7ページの下段、第3学年の表を御覧ください。
 まず、学習1についてです。現行ノートでは22ページから23ページ、改訂版では、24ページ、25ページを御覧ください。資料7ページ、学習1の「課題」に記載しているとおり、現行ノートでは検証会議において、第五福竜丸が被爆したという記述のみに留まるなど、被爆の実相を確実に継承する学習内容となっていないという御指摘をいただきました。また、資料等を最新のものにする必要があるという御意見がありました。そこで、改訂版では、核軍縮への動き等について、地図や表、グラフ等から具体的に捉えられる資料や、核弾頭の保有数やNPT再検討会議等、近年の情報を加えた資料に変更しました。
 続いて、学習2についてです。現行ノートの24ページから25ページを御覧ください。資料7ページ、学習2の「課題」に記載しているとおり、検討会議において、国際平和に向けての取組が具体的に分かるような新教材の開発を行う必要があるという御意見や、学習1と同様に、資料等を最新のものにする必要があるという御意見もありました。
 続いて、改訂版の26ページ、27ページを御覧ください。社会科から道徳科に変更しました。資料を近年のものに変更し、サーロー・節子さんや美甘章子さんの言葉や活動を題材として、国際平和に向けた取組に込められた思いや願いを考える学習を設定しました。また、美甘さんの活動を通しては、英語で発信していくことの必要性を考えることにもつながるようにしました。
 続いて、学習3についてです。現行ノートでは、29ページを御覧ください。資料7ページ、学習3の課題に記載しているとおり、検証会議及び検討会議において、発信する目的や対象が明確になっていないという御指摘がありました。
 改訂版の28ページから30ページを御覧ください。国語科から外国語科に変更し、これまで学習したことを振り返りながら、広島を訪れた世界の人々へ、英語で平和メッセージを書く活動を設定しました。これで、中学校の説明を終わります。
 続いて、高等学校の改訂について説明いたします。高等学校の現行版と改訂版をお願いいたします。
 まず、高等学校Ⅰについてです。現行の平和ノート、高等学校用の1ページから8ページとなります。「ヒロシマ」をテーマにこれまでの平和学習を踏まえ、平和とは何かについて考えを深めること、また、科学的な観点から核兵器について学ぶとともに、被爆した人々の思いや、その後の生き方などについて考えることを狙いとしています。2ページからの学習1では、「平和とは何か」についてグループで話し合う活動を行ってきました。4ページからの学習2では、資料を基に原子爆弾とその被害について調べる学習を行ってきました。6ページからの学習3では、ヒロシマで学ぶ高校生として、自己の生き方について考えを深めるために、「はだしのゲン」の作者である中沢啓二さんのメッセージを基に、中沢さんの生き方について話し合う活動を行ってきました。
 改訂内容についてです。資料の8ページ、上段の高等学校Ⅰの表を御覧ください。各学習の現行の平和教育プログラムでの課題と改訂の内容について説明いたします。まず、学習1についてです。現行ノートでは2ページから3ページ 改訂版についても2ページから3ページを御覧ください。
 資料8ページ、学習1の「課題」に記載しているとおり、現行ノートでは、作業部会において、学習2「原子爆弾と被爆の実相」は、「思考・探究」ではなく「理解」の内容になっているという御意見がありました。 そこで、改訂版では、現行の学習1と学習2の内容を組み合わせ、「平和とは何か」、「原子爆弾と被爆の実相」をテーマに話し合う学習を設定しました。
 次に、学習2についてです。現行ノートの4ページから5ページを御覧ください。資料8ページの学習2の「課題」に記載しているとおり、学習2の内容を学習1に移したため、新たな教材を作成する必要がありました。改訂版の4ページから9ページを御覧ください。このように、原爆投下後のヒロシマの人々が家族を大切にし、互いに助け合いながら諦めずに生きようとする姿が描かれた「8時15分ヒロシマで生きぬいて許す心」を教材として扱い、三つの場面を読んで話し合う活動を通して、高校生が自身の生き方について考える学習を設定しました。また、それぞれの場面について、タブレット端末等でQRコードを読み取ると、「朗読」を聞くことができるように工夫しました。
 続いて、学習3についてです。現行ノートの6ページから8ページを御覧ください。資料8ページ、学習3の課題に記載しているとおり、検証会議において、生徒がこれからの生き方を考えられるような教材を作成する必要があるという御指摘をいただきました。
 改訂版の10ページから12ページを御覧ください。このように、被爆二世として海外で活動されている、美甘章子さんのメッセージを新たに教材に加え、広島から海外にメッセージを発信することの重要性や被爆の実相を後世に伝承していくことの意義について考える学習を設定しました。また、美甘章子さんのメッセージが生徒によりよく伝わるよう、インタビューを基に動画を作成し、QRコードを読み取って映像を見ることができるように工夫をしました。
 続いて、高等学校Ⅱについてです。現行ノートの9ページから22ページとなります。「平和で持続可能な社会について」をテーマに、国際社会における広島の役割について考察を深めること等をねらいとしています。10ページからの学習1では、核兵器の現状と国際社会の対応について理解する学習を行ってきました。14ページからの学習2では、広島に訪れた人々のメッセージに込められた思いや願いについて考える学習を行ってきました。20ページからの学習3では、広島の様々な取組について調べたり、取組に込められた思いや願いについて考えたりする学習を行ってきました。
 改訂内容についてです。資料の8ページの下段、高等学校Ⅱの表を御覧ください。各学習の現行の平和教育プログラムでの課題と改訂の内容について説明いたします。
 まず、学習1についてです。現行ノート10ページから13ページ、改訂版は14ページから15ページを御覧ください。資料8ページの学習1の「課題」に記載しているとおり、現行ノートでは、検証会議及び改訂会議において、被爆の実相を確実に継承する学習内容となっていないという御意見や教材の資料等の情報が最新のものに更新されていないという御指摘がありました。そこで、改訂版では資料を更新するとともに、タブレット端末を活用して、核兵器の現状に関する最新の情報を調べる活動を設定しました。
 次に、学習2についてです。現行ノートの14ページから19ページとなります。資料8ページ、学習2の課題に記載しているとおり、検証会議及び改訂会議において、学習1と同様に資料の更新について御意見をいただきました。改訂版の16ページから19ページとなります。このように資料を更新し、基町高校卒業生や被爆者、世界平和のために尽くした人々など、様々な人々のヒロシマに対する思いを学ぶことができるようにしました。
 続いて、学習3についてです。現行ノートの20ページから22ページとなります。資料8ページ、学習3の課題に記載しているとおり、資料を最新のものにする必要がある、また、同世代の発信の具体例が少ないという御指摘がありました。改訂版の20ページから24ページを御覧ください。このように、高校生の取組内容を更新し、全市立高校・中等教育学校の平和の取組を紹介することで、より身近に感じられるようにしました。
 続いて、高等学校Ⅲについてです。現行ノートの23ページから29ページとなります。「私たちの平和プロジェクト」をテーマに、平和な世界を創っていくために、自分に何ができるかを考え、将来の生き方について展望すること等をねらいとしております。24ページからの学習1では、平和な世界の実現に向けて、自分にできる活動を考えるために、ノーベル平和賞受賞者の活動を調べる学習を行ってきました。26ページからの学習2では、主体的・持続的に平和の構築に向けて取り組む活動を具体的に考え、「平和プロジェクト」を作成し、提案する活動を行ってきました。28ページからの学習3では、「平和な世界の実現」という観点で、将来を展望するために、自分の進路と関わらせて、平和を捉える学習を行ってきました。
 改訂内容についてです。資料9ページの上段、高等学校Ⅲの表を御覧ください。まず、学習1についてです。現行ノートの24ページから25ページを御覧ください。資料9ページ、学習1の「課題」に記載しているとおり、学習1では他学年同様、資料の更新について御指摘がありました。改訂版の26ページ、27ページを御覧ください。このように、タブレット端末等を活用して、QRコードを読み取ることで、近年の「平和宣言」や「平和への誓い」の映像を視聴できるように工夫しました。
  続いて、現行ノートの26ページから27ページを御覧ください。資料9ページ、学習2の「課題」に記載しているとおり、学習2も同様に資料の更新について御指摘がありました。改訂版の28ページ、29ページになります。このように、世界が協力して達成を目指すSDGsについて考えるための資料を掲載し、平和の構築に向けて具体的に考えることができるようにしました。
 最後に、改訂版の30ページから31ページを御覧ください。学習3ついての「課題」は特に指摘がなかったため、現行の内容と同じ活動に取り組むようになっていますが、31ページにおいて、活動内容の説明を追加し、生徒がより具体的に自身の生き方について考えることができるように工夫しております。以上で、高等学校の説明を終わります。

指導第一課長

 以上が各学年の改訂を行う内容でございます。今後は、改訂する内容に合わせた指導案やワークシート等を掲載した指導資料を作成し、平和教育プログラム全体の改訂を終了することとしております。また、今年4月には改訂した広島平和ノートを全校児童生徒に、また指導資料を各学校に配付いたしまして、これらを活用することで、平和教育の一層充実を図ってまいりたいと思います。以上で、平和教育プログラムの改訂についての報告を終わります。

糸山教育長

 はい。ありがとうございました。
 それでは、ただ今の説明について御質問等がありましたらお願いします。

栗栖委員

 広島の平和教育プログラムと、現行の「ひろしま平和ノート」は、内容的にも広島らしさが現れていて非常によくできているものだと思っておりました。
 今回、こういった経緯があって、今御説明をお聞きすると、十分読み込んだ上で現場の課題を出して、整理されているということで、大変な御努力をされていると思いました。関係者の皆様に、大変、感謝したいと思います。段階に応じて平和を考えていくということに即した内容に変わっていると理解しました。
 それで、いくつか背景で確認したいことがあります。
 まず、最初の資料の2ページの2番の改訂の経緯というところで、いろいろ御検討いただいた経緯が書いてあるのですが、その中で 2の(1)の下で、最終的には、この「ひろしま平和ノート」の一部を改訂する必要があるという結論になったと書いてあります。この中でこの「ひろしま平和ノート」の一部を改訂しなければならない何か具体的な事情や、これまでこれを活用してきて、こういう点が足りないとか、こういう現場からの声があったとか、何かそういう背景があったのでしょうか。

指導第一課長

 はい。検証会議の中に各校種の教員が入っていまして、実践して、どうであったかということを話してもらうというふうにしております。その中で、例えば、今日配付しております資料の5ページの2年生のところで、学習1の課題と書いてあるのですけれども、これが先生方から出た意見を集約したような形にしております。例えば、具体的にどう先生方がおっしゃったかと言うと、これはアオギリの教材なのですけれども、1年生と比べて、このアオギリの教材が優しい感じになっている、教材が短いので、考えるには少し足りない、これは実践の中から出してくださった意見です。
 さらに、1年生は「たからもの」ということをテーマにしておりまして、その「たからもの」が原爆で一瞬でなくなったということの中で、1年生が現実から迫っているのに対し、2年生は逆行している、物語のように、アオギリを疑人化して進めているというところで、2年生に授業をするには、逆行をしている感じがするというような具体的な御意見をいただいて、一部は改訂する必要がある、全ての単元について、このように御意見をいただいて集約をして、改訂の必要がある内容があるという結論に至っています。

栗栖委員

 実際にこの教材を使って平和教育をされた現場の先生方が、見直しをするということで、いろいろ課題を整理されて、実は、実際の教育場面で、こういうことがあった、こういう感じになったということを集約された上で、最終的に、この平和ノートを今回改訂したらどうかという、そういう経緯があったということですね。すなわち、具体的にいろいろな課題が現場の教員の皆さんからあったということですね。

指導第一課長

 はい。

栗栖委員

 それを集約したということなのでしょうか。

指導第一課長

 あの、あくまで代表的な御意見を説明させていただきました。

栗栖委員

 いろいろな場面での御意見ですか。

指導第一課長

 はい。先生の実践から意見を出していただきました。

栗栖委員

 この4ページの改訂内容の一覧を見ますと、小学校1年、小学校5年と小学校6年が、改訂していないのですね。他は、例えば、内容が十分でも資料が古いから改訂するものがありました。この小学校1年、小学校5年と小学校6年は、そういうことも含めて、特に、改訂する必要がなかったという結論に至ったということでしょうか。

指導第一課長

 はい。新聞記事を扱っているところがありますが、その新聞記事についての検討というのは、これはしているものがありますが大枠については、改訂しておりません。

栗栖委員

 詳細に渡って御検討された中で、ここは改訂の必要がないという結論に至ったということですね。

指導第一課長

 そうです。

栗栖委員

 この改訂内容について、資料の4ページの高1のところで、現行では1番で「平和とは何か」という切り口があって、実際、現行の「ひろしま平和ノート」では、2ページに、「学習1、平和とは何か」ということを具体的に聞くところからスタートしていますよね。今回の改訂では、ここの学習1と学習2の内容を組み合わせてということで、結果として、高校の学習のところに、「平和とは何か」という具体的な問いかけが消えているのですが、ここは、平和について、いろいろなことを語る時に、私が個人的に思っているのが、ある一定のことを学習した後、そもそも、平和とは何かという原点から考えたらどうかということをいろいろな場面で思っているので、「平和とは何か」が消えているのが少し気になりました。
 8ページの上の1番の改訂内容で、「平和とは何か」をテーマに話し合う学習を設定したとは書いてあるのですが、何か背景があったのでしょうか。

指導第二課長

 小学校、中学校から学んできたことを振り返って、これまで学習してきたことから「平和とは何か」という問いから入っていくというのが、現行版でした。
 改訂版でも、そこは逃してはおらず、実は、2ページの上のグループワークのところで、「平和」をキーワードに4から6人のグループで話をして、平和について振り返っていくということで、その場面の中で、「平和とは何か」というところの部分については扱っているところです。 

栗栖委員

 「原子爆弾と被爆の実相」というテーマの学習1では、作業的には、ここで、ブレーンストーミングで、平和について考える、こういう立て付けになっているということですね。

指導第二課長

 はい。

栗栖委員

 分かりました。そこは実質で考えていただければいいと思います。
 それから、美甘さんの映画が教材で使われています。「8時15分 ヒロシマで生きぬいて許す心」という映画を私もみたことがあるのですが、映画をみていない人には少し分かりにくいのではないかと思うのですが、よく引用されているので、映画との関連はどう考えていらっしゃるのでしょうか。

指導第二課長

 映画との関連ですが、改訂版の5ページから7ページに、三つの場面を部分的に取り上げて、考えるような視点でやっております。美甘さん自身を取り上げるのは初めてのところもありまして、まずこのシーンを通して、映画との関連の共有を図っていくというところです。

栗栖委員

 映画は素晴らしい作品ですし、彼女は広島大学の出身で、実際に講演も聞いたことがあります。平和に対しての思いが非常に強い人だと思います。平和についての理解を深めるため、実際に運用される場面において、工夫をしていただければ、より一層引用が引き立つのではないかと思いました。

指導第二課長

 ありがとうございます。実際には、美甘さんにインタビューをしているような状況を場面の中で、QRコードを読み取って、タブレットでその実際の場面の中で見る、そういうところで、また映画の話が入ってきますので、その辺りの関連であるとか、また指導資料等に、また、今後そういったビデオの教材であるとかっていうことが、もし掲載できるようであったら、そういったところでもあっていけたらと考えています。
栗栖委員

 小学校4・5・6年改訂版の19ページの「こどもピースサミット」に、8月6日に児童2名が「平和へのちかい」を読み上げるプロセスが書いてあります。各小学校の6年生が「平和の意見文」を書くタイミングで、ここに書いてある「こどもピースサミット」の内容を学習していただき、6年生の「平和の意見文」、「こどもピースサミット」、「平和へのちかい」の関連をしっかり理解した上で、それぞれ「平和の意見文」を考えていただきたいと思いました。
 また、中学生は、中学校改訂版28ページに書いてありますが、海外の人々に対して英語で平和メッセージを伝える活動を行っていますよね。
 小学校では「こどもピースサミット」を通じての「平和へのちかい」、中学校では平和メッセージを伝える活動がそれぞれの集大成だと思っています。
 是非この「ひろしま平和ノート」の改訂版を活用し、こういった実際の活動に結び付けていただきたいと思いました。

井内委員

 私もこの現行の平和ノートはしばしば利用させていただいていて、特に、大学で平和学習を少し担当しているものですから、その時には必ず、広島の子たちは小学1年生の時からこういうふうに学んでいるということを紹介してきました。
 それで、今回の改訂版を見せていただくと、かなりの力作というか、大変な改訂をされたと感心を致しました。写真も増えているし、内容の記述そのものも、非常に資料が古いとかいう御指摘があって、変えられたということなのですが、最新版を使われていて、大変な御努力だったなと、敬服したいと思います。また、使わせていただきたいというふうに思います。
 それで、細かいことは、十分見ることが今できなかったので、またゆっくり見せていただきたいと思いますが、1点気になったのは、平和記念資料館に来られた外国の著名人のメッセージをここに載せておられますよね。10人ぐらいだったか。実は、ちょっと私事で申し訳ないのだけど、私、別の組織で、今年ですね、この平和メッセージを御影石を使った碑文の平和モニュメントとして、平和公園に10基ほど建てようというか、寄贈しようというふうに計画を進めています。かなりお金がかかりますけれども、私も気が付いたのですが、この平和メッセージは非常に大切だと、世界の幅広い人たちから伝えられた内容を広島市民はほとんど知らない。広島市民に対しての熱い思いっていうのもあるし、決意表明みたいなのもあるし、祈りもあるし、マザー・テレサのような方から政治家まで様々ですよね。それで実は、1,100だったか、ものすごい数があるのを10個に絞ろうと思い、どのメッセージを選ぼうかいろいろ検討しているのですが、いろいろな意見があります。全部読んでいないから分からないのですが、十分検討されたと思います。非常に政治的というか、背景として、この方のメッセージを出すのはいかなるものかっていうような意見を言う人がありまして、広島市と一緒に最終的な選定を行おうと思っているのですが、苦慮しています。名前が有名だからっていうことで選んでいくと、あまり良くない傾向にあるというような御指摘もありまして、大変慎重にいかないといけないなと思っています。例えば、マザー・テレサやダライ・ラマのメッセージは、宗教家ということもあって、普遍的ですごく良い。立場上、非常に公平・公正な立場でおっしゃられたと思うけれど、実際、どなたかがおっしゃったことを丸ごと掲載することについては、少し慎重であっても良い気がします。それから、中には、オバマ元米国大統領やヨハネ・パウロ2世のメッセージが、載っているところがありましたが、一度見ていただいて、そういう批判、世の中にはたくさん、いろいろな思想背景の方がいらっしゃるので、自分の今の置かれた状況を少し御説明して、もう一度、精査してみられたら良いというふうに思いました。
 全般的に、最初に申し上げたように、内容が非常に詳しくなっていて、子どもたちも勉強するのが大変だなと思ったので、これをうまく使って、是非、広島の子どもたちの、被爆あるいは、もう一つ言いたかったのは、これすごく、小学校3年生ぐらいまでは、自分の身の回りのものがなくなったっていうことを中心として、4年生ぐらいから少し復興の話が出てきて、中学校ぐらいになると、復興の話が中心で、高校になると今度は平和作りというところに話が展開していますね。私自身はすごく気に入っているので、被爆のことだけを伝えるという教育ではないのだと、私たちは、広島がこれだけの被害を受けても、そこからこういうコンセプトで立ち直って、新しい平和都市広島を作っていったのだというところを強調するのが、私たちが伝えていくこととして。今の子どもたちにも非常に大切だと思います。
 例えば、アフガニスタンやイランやシリアなどの外国の方が来られたら、あれだけの被害を受けた広島が、なぜこんな見事な街に復興するのですかっていうことをよく尋ねられるのです。ああいう今、紛争の当時国であるとか、破壊が非常にひどい国々にとって、広島という存在は、確かに被爆を受けただけなら、かつてたくさんの国はあるのですよ。それは、被爆者っていうのは、特別な方がいらっしゃるけども、そうではなくて、やはりそれを復興し、再び素晴らしい街にしていった力というものをすごく尊敬してくれているというふうに思います。そういうところがあるということを、是非、子どもたちにも伝えていきたい、伝えてあげたいと思っているので、その意味でこの平和ノートの構成をそういう流れにしていただいているのは、今までもそうだったのだけど、大変良いことだという感想を持っています。

伊藤委員

 子ども自身がどう考えて、どう発信するかという、主体的なメッセージが求められる内容になっているので、子どもたちが主体的に平和教育を進めることができる良い教材だと思います。また、QRコードを今回から用いておられて、視覚的な理解であるとか、より詳しい情報が得られるようになっており、子どもたちの理解が深まるのではないかと思います。4月から使用するということなので、時間的に厳しいと思いますけれども、可能であれば、QRコードをもう少し増やしていただくことで、もっと詳しい情報が掲載されると、さらに子どもたちの学びを深めることができるのではないかと思います。
 もう一つ、平和教育に関する内容を各教科で学ぶようにはなっているのですが、平和に関する課題を解決する場合には、学んだ内容を総動員させながら課題解決していかないといけないわけですけれど、得てして学校知と言われているように、この教科で学んだ知識はこの教科でしか通用しないと子どもたちが勝手に思い込んでしまうようなこともあります。各教科で学んだことをつないで、平和に関する課題を解決できるようにするためにも、今後、教師用の指導書とかを作成される時には、教科横断的に学習できるようなトピック学習とか、校外学習であるとかも取り入れていただければというふうに思います、以上です。

糸山教育長

 今後のスケジュール感とあわせて、QRコードについてはどうですか。

指導第一課

 何ページかQRコードを準備してもらって、今後は全てをPDFデータ化しようと思い、それができれば、PDFをそれぞれのタブレットで見て、それを拡大することができるというのが一つですが、QRコードで補足資料など、恐らく何年か経つとまた更新していかないといけないものがたくさん出てくると思いますので、そこは教育委員会事務局で作成しながら、QRコードを使って刷新するというよりも、ウェブページでということになると思うのですが、そこは積極的にやっていく必要があると思っております。

伊藤委員

 はい。是非お願いします。

糸山教育長

 これに追加で入れるのは、もう難しいですか。

指導第一課長

 業者と話をすれば、まだ可能かもしれません。

秋田委員

 今回のノートについて、特に訂正はないのですが、次回以降の参考にしていただければと思っているのは、私自身は、オバマ元米国大統領が来られた時、初めて、アメリカの方も一緒に亡くなっていたことを知ったぐらいのことでしたので、アメリカの方だけじゃなく韓国の方や外国人留学生も亡くなられた、つまり、外国の方も日本で一緒に被爆されたということも、載っているかもしれませんが、広島市と大邱広域市が姉妹都市ということも踏まえて、触れて書いていただいたらと思いました。
 それから、建物疎開でかなり多くの学生が亡くなっていることを、もう少し載せてもらえた方が良いのかなと思います。改訂版にも舟入高等学校の慰霊碑のことが載っているのを見まして、昨日も、舟入高校を見学させていただいた際に、慰霊碑を見たのですが、行ってみないと分からないことがあります。建物疎開中に亡くなった方々の慰霊碑が平和大通り沿いにたくさんあるっていうことも、私自身も最近知ったぐらいなので、自分たちと同じ年代の人たちが建物疎開中に亡くなったっていうことをもっと知ってもらいたいなという思いでおります。

西委員

 重複になっているかも分かりませんけれども、感想を述べさせていただきます。
 先ほど、井内委員の御発言の中に非常に力作だという言葉がありましたけれど、まさに私もこれを読み込んで、素晴らしい資料ができたなというふうに思いました。私もかつては広島市内で教職経験があるのですけれども、この「ひろしま平和ノート」を初めて拝見させていただきまして、私がいた頃、まだできていませんでしたので、この平成25年度版もかなりの充実した資料であるなと思って拝見しました。それにさらに今回よく検討いただいて、的確な御指摘のもとに新しい資料を付けていただいて、視点を加えていただきましたことは、非常にありがたいことだなと思っております。
 具体的に言いますと、例えば、心情的な理解を深めるための映像ですとか、文献以外に、今度反対に科学的な視点を捉えさせるようなグラフやデータを追加していただいたこと、それから、平和を希求する心を育てることが、最終的な目標だと思うのですけれども、子どもたちが能動的な学習をするような手立て、例えばタブレットを使用する調べ学習ですとか、QRコードによる映像や朗読ですとか、それから同世代の人たちが発信している様子、これが子どもたちの意欲を向上するのにとても役立っていくというふうに思いました。
 今後、指導案や指導資料を作成いただいて、現場で伝えるような御準備をいただくことになると思うのですけれども、先生方も、私のようにこういう冊子を使わないで学習を重ねてきた先生方もいらっしゃいますし、広島県外から赴任してこられる先生もいらっしゃいますので、そういう教師のための資料も充実していったら良いなと思っております。いろいろありがとうございました。

糸山教育長

 はい。ありがとうございました。
 私から何点か、まず1番最初に、小さいことですけど、写真はまだ差し替えができますか。

指導第一課長

 まだ、大丈夫です。

糸山教育長

 少し違和感があった写真があって、絶対にだめというわけではないのですが、高等学校の「ひろしま平和ノート」の中で、改訂版の14ページの核兵器の現状で使われているアメリカの前大統領とロシアの前大統領の写真ですが、2国間の関係が破綻しているので、核兵器禁止条約の国連の写真が良いのではないかと思いました。広島平和文化センターの写真を使うことができれば、著作権の手続きなどがすぐできると思うので、細かいことで本質的には問題ないのですが。
 それから、全体としては、皆さんから評価いただいているように、非常に大変力作で良くできたと思います。ですから、この中身というか、今後、指導資料を作るということもありますし、どんどん情勢が変わる中で、新しい要素をこの中にリアルタイムで追加していくことができないということを考えた時に、今の考えで結構ですので、教えていただければと思います。
  G7広島サミットやウクライナ情勢の話は、どの時間を使ってどういう形で学習するのか、この中でやるのか、別枠でやるのか、何か現時点での考えがあれば、教えてください。
 もう一つは、平和とは何かというところが栗栖委員からありましたが、もう一つあって、平和文化の概念を、機会を捉えてこの中に入れていただければと思います。小学校の高学年は、今回、改訂の対象になっていませんでしたね。そこはお願いです。
 今のウクライナやG7広島サミットの話は、どこで何を使ってどうしましょう。

指導第一課長

 はい。まず、G7広島サミットにつきましては、サミットが開催される時に特別にサミットを題材としたリーフレットのような教材を作ろうと思っています。

糸山教育長

 この平和教育プログラムとは別の時間ですか。

指導第一課長

 はい。そこで、平和へのメッセージがまた寄せられるとすれば、それはここに紐付けて授業するということも、現場ではあり得るのではないかと思っています。ウクライナについては、情勢がまだ、判断がつかないという部分もあるので、ここは今一旦保留という形で考えております。

糸山教育長

 指導案にも入れづらいと思いますので、リアルタイムの話として少し入れるということですかね。

指導第一課長

 はい。分かりました。

糸山教育長

 ただ全体とすれば、非常に良いものができあがったと思います。

井内委員

 教育長が写真の話をされたので、一つ追加ですが、戦争中の子どもたちの食事で同じ写真が2か所に掲載されています。白米かお芋かよく分からないのですが、同じ写真は使わない方が良いと思います。

栗栖委員

 写真の著作権に関しては、チェックしておられますか。

指導第一課長

 はい。業者と確認しています。

栗栖委員

 著作権のことが後で問題にならないように、チェックをお願いしたいと思います。
 それから、実際の運用ですが、小学校の単元1、2、3は、教科が違いますよね。例えば、小学校2年生の学習2のアオギリは道徳で、学習3の平和を伝えるアオギリは国語です。順番どおりに学習するのですか。単元ごとで、教科の順番によって変わってくるのか、その辺は今からの検討とか、それはどういう形になるのですか。

指導第一課長

 順番というのは、学習の単元の学習1、学習2、学習3としているのを変えても良いかということですか。

栗栖委員

 例えば、アオギリをまず学習2で学習して、学習3で、平和を伝えるアオギリのような流れになっているように思えるのだけども、アオギリが道徳で、平和を伝えるアオギリが国語で教科が違いますよね。授業の際に、その辺は上手くリンクしているのかと思いました。

指導第一課長

 学習の順番はこのままで、気付き、考え、発信するという順番で組んでいますので、あとは担任がその教科がうまくその順番になるように指導します。

栗栖委員

 そこは順番どおりに行うのですね。

指導第一課長

 はい。

糸山教育長

 それでは、本件についてはこの程度にしたいと思います。
 次の議題2及び議題3は、冒頭でお諮りしたとおり、非公開となりましたので、傍聴人、報道関係の方がいらっしゃいましたら、退席をお願いいたします。

 (非公開部分省略)

糸山教育長

 以上で議題は全て終了いたしました。
 これをもって、令和5年第2回広島市教育委員会議定例会を閉会いたします。

7 議決事項

議案番号

件 名

議決結果

5

事務局職員の人事について

原案可決

6

教職員の人事について

原案可決

リンク

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