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令和4年第15回教育委員会議(10月定例会)議事録

令和4年第15回 広島市教育委員会議議事録

 令和4年10月26日(水曜日)、令和4年第15回広島市教育委員会議(定例会)を教育委員室において開催した。

1 開会及び閉会に関する事項

 開会 午後1時30分
 閉会 午後2時43分

2 教育長及び委員の出席者

 教育長 糸山 隆
 委員 井内 康輝
 委員 栗栖長典
 委員 秋田 智佳子
 委員 伊藤 圭子
 委員 西 敦子
 

3 事務局等の出席者

 教育次長 松井 勝憲
 総務部長 加賀谷 哲郎
 青少年育成部長 橋本 英士
 学校教育部長 川口 潤
 指導担当部長 中谷 智子
 教育センター所長 松浦 宰雄
 総務課長 平山 高成
 指導第一課長 高田 尚志
 指導第二課長 長屋 吉輝

4 傍聴者等

 なし

5 議事日程

 議題1 令和4年度全国学力・学習状況調査の結果について(報告)

6 議事の大要

糸山教育長 

 ただ今から、令和4年第15回広島市教育委員会議定例会を開会いたします。
 本日の議事録署名者は、栗栖委員と伊藤委員にお願いいたします。
 それでは日程に入ります。
 本日の議題は、お手元の議事日程のとおりです。
 それでは、議題1「令和4年度全国学力・学習状況調査の結果について」を議題とします。
 本件は報告案件です。内容について、指導第二課長から説明をお願いします。

指導第二課長

 議題1「令和4年度全国学力・学習状況調査の結果について」、報告させていただきます。
 資料の2ページを御覧ください。
 1の調査の概要については、(1)の調査の目的にのっとり実施いたしました。
 (2)の調査対象は、小学校第6学年が140校、実施人数は10,151人で、中学校第3学年は64校、実施人数は8,794人です。今年度は、小学校1校が6年生の在籍がないため、調査対象外でした。また、新型コロナウイルス感染症の影響により学校全体で調査ができなかった学校はありませんが、調査日当日に学級閉鎖となり、後日に実施したため、集計結果に含まれていない学級が小学校6校で6学級、中学校1校で2学級ありました。
 (3)の調査期日は、令和4年4月19日、火曜日です。
 (4)の調査内容の丸1、児童生徒に対する調査のア、教科に関する調査について、今年度は、国語、算数、数学に加えて3年に一度程度実施することになっている理科を実施しました。
 続いて、次のページを御覧ください。
 2の調査結果の概要について説明します。
 (1)の各教科の平均正答率について説明します。
 平成29年度より、各都道府県教育委員会及び各指定都市の結果については、整数で公表されています。表中の広島県の数値は、広島市を含む数値となっております。
 まず、小学校について、太線で囲んでいる令和4年度のところを御覧ください。本市の調査対象校の状況について、太字で示しておりますように、平均正答率は、国語が67%、算数が65%、理科が66%であり、いずれも国の平均正答率よりやや高く、県の平均正答率とほぼ同じかやや高い結果となっております。
 次に、中学校について、太線で囲んでいる令和4年度のところを御覧ください。平均正答率は国語69%、数学が51%、理科が49%であり、いずれも国の平均正答率とほぼ同じであり、県の平均正答率とほぼ同じかやや高い結果となっております。
 続いて、(2)の正答数の分布状況について説明いたします。
 別紙1を御覧ください。
 左側が小学校調査で、右側が中学校調査の正答数の分布状況を示しています。また、上段が国語、中段が算数、数学、下段が理科のグラフとなっております。それぞれのグラフ中にある二つの棒線は、概ね学習内容が定着していると判断される正答率60%と、課題の目安である30%を示しており、四角囲みで本市と全国の30%未満、60%以上、それぞれの児童生徒の割合を示しております。本市としましては、学力向上に向けて、正答率30%未満の児童生徒の割合を減らしていくことを目指しております。特徴の欄の黒丸(●)は課題が見られる点を示しています。
 それでは、まず左側の小学校について説明いたします。
 各教科、全国平均と同様の分布の形となっています。また、正答率30%未満の児童の割合は、全ての教科で全国平均よりも低くなっています。
 続いて、右側の中学校の正答数の分布状況を御覧ください。各教科、全国平均と同様の分布の形となっています。また、正答率30%未満の生徒の割合について、国語は全国平均とほぼ同じですが、数学が全国平均より0.9ポイント高く、理科が全国平均より0.4ポイント高くなっており、課題が見られます。
 続きまして、次のページを御覧ください。
 別紙2の1から別紙2の6は各教科の問題別の調査結果です。各教科の学習指導要領の領域や評価の観点別に平均正答率を示しています。また、平均正答率が特に低い問題や、各教科平均正答率が60%未満の問題の中で、全国平均に比べて正答率が低い問題や無解答率が高い問題を中心に課題として選択し、太枠内に示しています。
 別紙2の1を御覧ください。こちらは小学校の国語の調査結果です。上段の学習指導要領の内容において、書くことの内容の平均正答率が他の内容と比較して低くなっています。太枠内を御覧ください。B、書くことの内容に関わる文章に対する感想や意見を伝え合い、自分の文章のよいところを見付けることに課題が見られました。
 続いて、別紙2の2を御覧ください。こちらは小学校の算数の調査結果です。上段の学習指導要領の領域において、C、変化と関係の領域の平均正答率が他の領域と比較して低くなっています。太枠内を御覧ください。C、変化と関係の領域で、数量が変わっても割合は変わらないことを理解することに課題が見られました。
 続いて、別紙2の3を御覧ください。こちらは小学校の理科の調査結果です。上段の学習指導要領の区分、領域において、「エネルギー」を柱とする領域の平均正答率が他の領域と比較して低くなっています。太枠内を御覧ください。「エネルギー」を柱とする領域で、実験で得た結果を問題の視点で分析し、解釈し、自分の考えをもち、その内容を記述することに課題が見られました。
 続いて、別紙2の4を御覧ください。こちらは中学校の国語の調査結果です。上段の学習指導要領の内容において、(2)情報の扱い方に関する事項と書くことの内容の平均正答率が他の事項や内容と比較して低くなっています。太枠の一つ目の問題2三を御覧ください。(2)情報の扱い方に関する事項、B、書くことの内容で、自分の考えが伝わる文章になるように、根拠を明確にして書くことに課題が見られました。また、太枠の二つ目、問題3一、比喩などの表現の技法について理解することについても課題が見られました。
 続いて、別紙2の5を御覧ください。こちらは中学校数学の調査結果です。上段の学習指導要領の内容において、C、関数の領域の平均正答率が他の領域と比較して低くなっています。太枠の二つ目の問題4を御覧ください。C、関数の領域で一次関数の変化の割合の意味を理解することに課題が見られました。また、太枠の一つ目、問題1、自然数を素数の積で表すこと、太枠の三つ目、問題9(2)、筋道を立てて考え、事柄が成り立つ理由を説明することについても課題が見られました。
 続いて、別紙2の6を御覧ください。こちらは中学校の理科の調査結果です。上段の学習指導要領の領域において、「エネルギー」を柱とする領域の平均正答率が他の領域と比較して低くなっています。太枠の三つ目を御覧ください。「エネルギー」を柱とする領域で、問題5の(3)、考察の妥当性を高めるために、測定値の増やし方について、測定する範囲と刻み幅の視点から実験の計画を検討して改善できるかどうかをみることに課題が見られました。また、太枠の一つ目、問題1の(1)、日常生活や社会の中で物体が静電気を帯びる現象について理解していること、太枠の二つ目、問題3(2)、粒子の保存性の視点から化学変化に関わる水の質量が変化しないことを分析して解釈することについても課題が見られました。これらの課題については、各学校に配付する報告書や各学校で行われる研究会や学校訪問で行う指導助言等において、改善方法等を示して、学校への周知を図り、今後の各学校での指導改善に役立てていくこととしています。
 続きまして、別紙3の1から別紙3の3については、各学校に配付する報告書の一部で、先ほどの各教科の課題に対して、小学校算数、中学校数学、中学校理科の改善方法を示しております。左側では課題のあった問題と学習指導要領における領域・内容、正答及び正答率等、主な誤答とその要因を示しています。右側では、内容の系統と指導のポイントと活用の手順を示しています。
 それでは、別紙3の1を御覧ください。小学校算数の課題は、数量が変わっても割合は変わらないことを理解することでした。対象の問題は、左側の上段の四角囲み内にあるように、果汁が20%含まれている飲み物を半分に分けたとき、果汁の割合は変わるかというものです。正答は選択肢3の変わりませんですが、選択肢1の果汁の割合も2分の1になると回答した児童が67.4%でした。改善に向けて、小学校2年生で学習する乗法の意味、小学校3年生で学習する除法の意味を確実に理解させ、割合に関わる生活経験を基にした判断と計算で求めた結果を関連付ける場を設定し、生活経験と結びつけて理解させることが指導のポイントであると考えています。
 続いて、別紙3の2を御覧ください。中学校数学の課題は一次関数の変化の割合の意味を理解することでした。対象の問題は、左側の上段の四角囲み内にあるように、表から変化の割合が2であるものを選ぶというものです。正答は、選択肢アのxの値が2ずつ増加しているのに対し、yの値が4ずつ増加している表ですが、xの値が2ずつ増加しているに対し、yの値が2ずつ増加している表である選択肢イと回答した生徒が37.5%でした。改善に向けて小学校6年生で二つの数量関係について表やグラフ、式で表すことができるようにさせ、中学校1年生で具体的な事象について、理想化したり単純化したりすることで、比例とみなし、xが1ずつ増えている様子が示されていない場合においても変化や対応の様子に着目させて数学的に処理することができるようにすること、また、授業で誤答を取り上げて説明し合う場を設定することが指導のポイントであると考えております。
 別紙3の3を御覧ください。中学校理科の課題は、考察の妥当性を高めるために、測定値の増やし方について、測定する範囲と刻み幅の視点から実験の計画を検討して改善するかどうかを見ることでした。対象の問題は左側の上段の四角囲み内にあるように、リニアモーターカーに利用されている磁石に使った「磁気ばね」が縮む長さは、加える力の大きさに比例するのかについて、四角囲み内の左下の実験をして調べた結果、その右側の絵と吹き出しのように測定値が足りないために考察が妥当かどうか判断できないとき、測定値をどのように増やせば良いかというものです。正答は加える力の大きさをゼロから0.2ニュートンずつ2ニュートンまで変化させるなどですが、無解答率が27.5%で、誤答としては測定する間隔をもっと細かくするなど、具体的な数値を上げていないなどがありました。改善に向けて、小学校3年生で風とゴムの力の働きについて、力と物の動く様子を比較しながら調べる場を設定し、中学校1年生で身近なものを使って、力の働きを調べる際に探究の過程を振り返って、実験方法や考察が妥当であるか検証する場を設定することが指導のポイントであると考えています。
 別紙3の1から3の3と同様に、小学校の国語、理科、中学校の国語の指導のポイントについても、各学校に配付する報告書に掲載し、各学校に周知することとしています。
 続いて、別紙4の1を御覧ください。こちらは児童・生徒質問紙調査と学校質問紙調査の結果についてまとめたものです。表の中央には、それぞれの項目の結果を平成29年度から調査が実施されなかった令和2年度を除き令和4年度までを掲載しています。表の下に凡例として示していますとおり、表中の網掛けは全国平均を上回っている項目を、横線は質問項目がその年度にはなかったことを、令和4年度の括弧は全国平均を示しています。
 まず(1)学習意欲に関する項目についてです。丸2の算数、数学に関する質問について、中学校で肯定的回答をした生徒の割合は全国平均と比較して高いものの、それ以外の質問については肯定的回答をした児童生徒の割合は全国平均と比較して低い状況です。
 次に、(2)自尊意識に関する項目についてです。丸3の学校に行くのは楽しいと思うという質問について、小学校で肯定的回答をした児童の割合は全国平均と比較して低いものの、それ以外の質問については、肯定的回答をした児童生徒の割合は全国平均と比較して高い状況です。
 続いて、(3)主体的・対話的で深い学びに関する項目についてです。丸1の課題の解決に向けて、自分で考え、自分から取り組んだという質問の小学校と、丸2の発表する機会で資料や文章、話の組立てなどを工夫したという質問の中学校で、肯定的回答をした児童生徒の割合は、全国平均と比較して低いものの、それ以外の質問については、全国平均と比較して高い状況です。
 続いて、(4)学習・生活習慣についてです。丸1、丸2の家庭学習に関する質問について、小学校、中学校ともに肯定的回答をした児童生徒の割合は全国平均と比較して低い状況です。丸3の読書に関する質問について、小学校、中学校共に肯定的回答をした児童生徒の割合は、全国平均と比較して高い状況です。丸4のテレビゲームの時間に関する質問について、小学校で1日当たり1時間以上している回答した児童の割合は全国平均と比較して低いものの、中学校で1時間以上していると解答した生徒の割合は全国平均よりも高い状況です。
 続いて、(5)学校質問紙における指導方法に関する項目についてです。丸1の家庭学習に関する質問について、小学校、中学校共に、肯定的回答をした学校の割合は全国平均と比較して低い状況です。また、経年変化を見ても、中学校で肯定的回答をした学校の割合は、全国平均より低い状況が令和3年度から続いています。家庭学習については、先ほど説明したとおり、児童生徒質問紙調査でも全国平均と比較して肯定的回答をした児童生徒の割合が低い状況であり、課題があります。家庭学習への取組に課題が見られる学校については、指導主事が学校に訪問する際に状況を聞き取り、対応策について指導・助言したり、他校が取り組んでいる好事例を紹介したりするなどし、改善を図っていきたいと考えています。丸2、丸3、丸4の各教科の指導方法に関する質問について、丸3小学校の算数、丸4中学校の理科について、肯定的回答をした学校の割合は、全国平均と比較して低いものの、それ以外の質問については、肯定的回答をした学校の割合は、全国平均と比較して高い状況です。
 最後に別紙4の2を御覧ください。こちらはICTを活用した学習状況について、児童生徒質問紙調査と学校質問紙調査の結果をまとめたものです。
 (6)児童生徒質問紙におけるICTを活用した学習状況に関する項目です。丸3の「ICT機器を使うのは勉強の役に立つと思う」という質問について、小学校、中学校とも肯定的回答をした児童生徒の割合は、全国平均と比較して高いものの、それ以外のICT機器の使用に関する質問については、肯定的回答をした児童生徒の割合は、全国平均と比較して低い状況であり、課題があります。児童生徒のICTを活用した学習については、役に立つと思っているが、活用が充分に進んでいないという状況になっています。
 (7)学校質問紙におけるICTを活用した学習状況に関する項目です。丸1の電子黒板など大型提示装置に関する質問について、小学校、中学校ともに「ほぼ毎日使用した」と回答した学校の割合は全国平均と比較して高い状況です。丸2の研修会、丸3、丸4の児童生徒の一人1台端末に関する質問について、小学校、中学校ともに肯定的回答をした学校の割合は、全国平均と比較して低い状況です。ICT機器について、教員の活用は進んできていますが、生徒の活用が進んでいないという状況です。しかしながら、今年度の5月に行ったデジタルドリルなどを含む学習支援システムの導入、昨年度から引き続き行っている実践事例の周知、各学校での研修会の実施などにより、本調査を実施した4月と比べると現在はICTの活用は進んできています。本調査で出てきた課題については、各学校に配布する報告書で周知するとともに、課題への対応策の好事例を収集し、指導主事が各学校に訪問する際に、各学校の状況に応じて紹介するなど、改善を図っていきたいと考えています。
 以上、「令和4年度全国学力・学習状況調査の結果について」、報告させていただきました。

糸山教育長

 はい。ありがとうございました。
 ただ今の説明について、御質問等がありましたらお願いします。

栗栖委員

 まず、形式的なことから確認したいのですが、3ページの整数で公表というのは、四捨五入ですか、切捨てですか。

指導第二課長

 四捨五入です。

栗栖委員

 四捨五入ですね。分かりました。それから、5ページ以降の「問題別調査結果」は、本市が作ったものですか、こういう形で出来ているものですか。

指導第二課長

 はい。国が作成したもので、広島市教育委員会と全国の正答率に差がある問題を太枠で囲んでいます。

栗栖委員

 国のフォーマットで、広島市の実態が分かりやすいように作成されているということですね。

指導第二課長

 形としては、そうです。

栗栖委員

 分かりました。学校別の報告書には、こういう分析表も含まれているのですか。

指導第二課長

 はい。各学校で、ウェブシステムで見ることができ、そこからダウンロードする形になっています。

栗栖委員

 では、こちらの資料と同じフォーマットで、各学校の特徴が分かるようになっているのですね。

指導第二課長

 はい。そうです。

栗栖委員

 例えば、5ページの下から5番目の枠で囲んだ問題を、11ページのような形にして、学校に送っているという御説明がありましたね。

指導第二課長

 はい。

栗栖委員

 では、各学校には、この市全体の調査結果の太枠で囲んである問題に関する別紙3以降のものを共通で各学校に送られているということですか。

指導第二課長

 はい、共通の冊子を送付しています。

栗栖委員

 分かりました。

糸山教育長

 項目は、これだけですか。

指導第二課長

 いえ、他にもたくさんございます。

糸山教育長

 本日の資料は、教科ごとに一部の項目を抜粋してあるということですね。

指導担当部長

 そのとおりです。

栗栖委員

 別紙3については、太枠で囲んだ問題以外のものも送られているのですか。

指導第二課長

 それ以外の問題については、この度は重点的に課題のみられる問題のものを指導方法の改善のポイントとして送っています。

栗栖委員

 分かりました。それから、テーマによっては「系統と指導のポイント」が小学校から中学校へ続いているものもありますよね。

指導第二課長

 はい。

栗栖委員

 各学校がこれらの報告書をベースにして、どのように具体的に指導するかをフォローされているのですか。

指導第二課長

 はい。各学校でも教科ごとに重点課題を考え、改善のための指導内容や指導方法の検討をしています。また、正答率30%未満の生徒に対する具体的な手立てについての分析を行い、指導方法等の改善計画を作成しています。各学校は計画を基に取組を進めている状況でございます。

栗栖委員

 分析した後、その課題を授業改善等によって解決して学力を向上させることが目的なので、各学校がどのように資料を活用して、授業改善に結びつけているかのフォローを是非行っていただきたいと思いました。
 また、令和4年9月に作成した、教育委員会事務点検・評価報告書で、「学力の向上」は、重点項目になっていて、こちらにも課題や対応方針が明確に記載されていますが、例えば、正答率が30%未満の児童生徒がいる学校を研究指定校として対応することや、各学校において課題解決に向けた取組を推進するといったことが書いてあるので、そういう具体的な取組を進めるに当たり、このような調査結果がツールとしてあるので、これを活用し、参考にしながら、各学校の課題への対応について、是非、教育委員会としてフォローしていただきたいと思います。
 研究指定校などで何か課題に対して具体的に取り組まれていることがあれば、教えていただきたいのですが、どんな状況でしょうか。

指導第二課長

 全中学校区に設置しております小・中連携教育研究会において、全国学力・学習状況調査の結果を小学校、中学校で共有しまして、実態把握に活かしていたり、課題への対応方法を検討した上で、研究授業を実施することで、課題解決に向けた研究を進めたりしている例がございます。また、先ほどありました、個別最適な学び重点研究校の取組を具体例としまして、家庭学習に課題があることから、家庭で一人でも取り組めるような基礎基本を中心とした学習課題を出し、その学習の成果を学校の授業内の小テストで確認し、次の学習に繋げるためのフィードバックをすることで、基礎的・基本的な事項の定着を図る取組をしている学校もあります。また、基礎的・基本的な事項の定着のために、学習支援システムのデジタルドリルを活用し、計算問題など繰り返し解く機会を増やす取組を進めている学校もございます。

栗栖委員

 分かりました。先ほど、家庭での学習について御説明いただいたのですが、14ページの「家で、自分で計画を立てて勉強している」児童生徒の割合が低いので、家庭学習のこともフォローしていたら良いなと思ったのですけれども、その辺りもきちんと課題対応のところで対応されているという理解をしてよろしいでしょうか。

指導第二課長

 はい。

栗栖委員

 細かく分析をしていただいて、課題をきちんと把握していただいているので、こういうツールを有効活用していただきたいと思います。研究指定校で有効活用の方法として、良い研究事例があれば、それを全市に普及していくというようなことで、全体のレベルを引き上げるように、教育委員会事務局としてフォローしていただいて、こういった学力調査の結果をうまく活用して、本市のレベルアップにつなげるように工夫していただければと思いました。

指導第二課長

 はい。今後、御指摘していただいた点を対応したいと思います。ありがとうございます。

伊藤委員

 14ページのICTに関して、全国平均に比べて、本市は低い割合のものが多いように思います。どういうふうにすれば、各学校でタブレットを活用した授業ができるのか、また先生方のレベルアップができるのかなと思いながら見せていただきました。教科ごとに小中高の部会があり、私も携わっている部会の先生方とお話することが多いのですけど、ICTが得意でない方々が集まって検討されている場合が多いように思います。その場合、「みんな分からないね。」で終わってしまっています。そのため、各先生が自分の学校でICTについて詳しい先生方に聞かれるのだけど、自分の教科の授業に取り入れるところまでは至っていないように思います。部会ごとにICTについて卓越された方々が、各教科に寄り添ったやり方やアプリの紹介や、授業にどういうふうに活用できるかなどを伝えていただくような研修会を増やしていただければ、各教科の先生方がICTを用いた授業に取り組みやすくなり、授業で取り組めば、子どもたちもICTを使っていろいろ活用していけるのではないかなと思います。各教科の部会にICTに卓越した方が講習に来てくださるといったことは可能なのでしょうか。是非お願いしたいと思うのですけれども、いかがでしょうか。

指導第一課長

 はい。各部会というのは、教科研究会ですか。

伊藤委員

 はい、教科研究会です。

指導第一課長

 各教科研究会でそういう研修会は行っていないのですけれども、教育センターの研修は、教員どなたも来れる研修になっているので、その部会の中でICTの推進担当を決めていただければ、そういう方においでいただくことは可能なのかなと思っています。もう一つ、今、学校の中での活用が進むのには、学校の中の情報担当推進教諭、これは必ず1名いますので、ここをどう活用するかというのも考えていまして、一つ、今年から始めたのがその情報担当の方と教育委員会の担当者が常に情報共有できる場というのをクラスルームで作っておりまして、その中で学校の中で頻繁に起こるトラブルであるとか、教科以外でも朝の会や帰りの会でも活用できるので、そういう本当に簡単な事例をたくさん取り入れていただいて、また各情報担当にお返しする。そうすれば苦手な先生もどこかで一つ使っていただけるのかなというところで、新たな取組として、普及の一つの方法として取り入れて、今、見ているところです。

伊藤委員

 はい。いろんな取組をしてくださっていると思います。ただ、ICTに弱い方々は一般論としてICTの講習を受講しただけでは、それをいかに自分の教科に取り込んでいくかについて分からない場合があります。もっとスモールステップの支援が必要なのではないかという気持ちを持ちましたので、言わせていだたきました。よろしくお願いします。

糸山教育長

 はい、おっしゃるとおりだと思います。その他、いかがでしょうか。

秋田委員

 14ページの(5)指導方法の、「理科の指導として、自ら考えた仮説をもとに、観察、実験の計画を立てることができるような指導をしている」という質問で、中学校は71.9で、全国平均よりも7.3ポイント低いのですけれども、これは、なかなか教員が工夫して準備をしないと難しいものかなと思っています。それだけに、こういうふうにしていったら良いという見本的なことを教育委員会が主導してやっていかないとなかなかその数字が伸びていかないのかなと思います。実験というのは数を重ねる必要があって、少しずつ先生方も指導しやすくなるのかなと思うのですけれども、この数字を全国平均並みに上げていくために、どうしていったら良いか、あるいは、どうしていく予定かというプランなどがあれば教えていただきたいです。

指導第二課長

 はい。先ほど御説明した別紙3の3の中学校理科で示しましたとおり、理科における探究の過程を意識した指導について、各学校に配布する報告書に掲載するとともに、理科の教員が集まる研究会等で課題を共有しまして、指導の改善を図っていきたいと考えています。

秋田委員

 それはどのくらいの間で、年に何回とか、どの時期に何時間かけてするとか、何かありますか。

指導第二課長

 理科の教員が集まる研究会が年に3回ございますので、そちらの方で、具体的な指導改善の話を進めていきたいと思います。

糸山教育長

 指導第一課長、何かありますか。

指導第一課長

 はい。今、広島市で国の補助を受けて、理科の実験アシスタントが配置されている学校が数校あります。先ほど秋田委員がおっしゃったように、自ら考えた仮説をもとに観察、実験の計画を立てるということになると、全員で一つの実験をするというのではなくて、仮説ごとに実験方法を考えることになり、当然準備が多く必要になります。そこにアシスタントの補助員が付いてますので、実験準備などの補助ができたら、準備の効率化が図れます。また、子どもたちがこんな予想を立てるだろうということを研究校からいくつか出していきながら、他の学校でもそういうことができるようにというところを意図として、今、小学校、中学校それぞれについた理科の実験支援アシスタントを活用しています。ただ、そこの普及というのが、先ほど指導第二課長が申したような研究会の中でまだ充分ではありませんので、その辺りのノウハウをしっかりと伝えていきたいと思います。

秋田委員

 昨日、広島県女性教育委員グループの研修で、広島県立広島叡智学園を見学しました。中1から高1までおられて、いろいろな科目がある中の一部しか見学していないのですが、先生が前に出て話す場面は余り見当たらなくて、生徒が各自パソコンで延々と作業をしてて、見学者には何をしているのか全然分からない感じなのですが、みんな楽しそうにやってて、外国に視察に来たような感じがしました。理科の実験は見学できなかったのですが、「実験は非常によく、たくさんやっています。」とおっしゃっていて、自分で研究テーマや実験のテーマを決めて、計画を立てて実験をして、調査結果に基づいて分析をして報告をするというふうに、大学生みたいな感じのことをおっしゃっていて、資料の13ページのこの図のとおりにやっていらっしゃったなというふうに思いました。
 ですから、先生が頑張るのは大事なのですけれど、生徒にもうちょっとこうさせるみたいにできたら良いのかなと思います。もちろん、生徒主体にやらせることの工夫に先生方の準備の工夫がいるというのはそのとおりだと思うのですが、スクールロイヤーの研修をしたときも、教員同士のグループワークをもっとした方が良いという話をここでも申し上げたと思うのですけど、生徒たちももっとグループでどんどん意見を出し合って、話し合わせるといった本当に主体的な学びをどんどんしていただければ、自動的にこういうことも後で付いてくるというふうに思いました。
 私のような素人が見学するのではなくて、広島市教育委員会の方も是非、叡智学園の理科の実験などを見学していただければ、すぐにでも実践できることももしかしたらあるかもしれないなと思いました。以上です。

糸山教育長

 はい。ありがとうございました。今、秋田委員がおっしゃったように、レベルを上げるためにいろいろなものを参考にするということもそうなのですが、このアンケートだけ見ると、ここは指導方法の話で、7割はできている。中学校の理科の専科の3割という数は数えられるのはないかと思います。その数えられる先生方に、何が原因でここができていないのかを聞けば、何がネックになっているかが見えてくるはずです。だから、一般的な研修の中でできている人とできていない人が同じようにやるのではなくて、ここでこういうふうに答えた人が悪いというのではなくて、ここをできるようにしようと思えば、何が課題かというのを、それぞれその学校で聞いてもらえば良いと思うので、是非それをやっていただきたいと思います。
 7割というのは、よそに比べると悪いのですが、7割はできていて、できていないのが3割いるということです。おそらく、広島市の先生が真面目だから自己評価を上げて書くということがないのかもしれないにしても、周りにいくらでもできている人がいて、何がネックであるのかを見ていただきたいと思います。
 もう一つ気になったのが、(5)指導方法の丸1の中学校の家庭学習のところも、今の論点で言えば、81.3ですから、8割はできているのですが、全国的には9割以上の先生がそれをやっている。やっているというところで、ここをどうするかということも考えて、実は、前年度を見ると同じ数字でむしろ悪くなっている。他の子どもたちの成績というのは、なかなか直接には動かせませんけども、これも指導方法の話ですから、9割、8割の先生がやっている具体的な家庭学習の例を子どもたちにきちんと伝えてくださいと、残り十何%の先生方に言っていただくということだと思います。とりわけ、先生の指導方法については、教育委員会事務局からきちんと言って、校長からもきちんと言えば、私は数十点当然、上がってくると思っています。もし上がらないとすれば、何がネックなのかっていうところを合わせて聞いていただければと思っています。

井内委員

 先ほどから具体的ないろいろな御指摘があったので、それはもうごもっともだと思うのですが、私がぱっと見て感じたのは、最初の3ページの表です。平成31年、令和3年、令和4年と比較してあるのですが、例えば、小学校の算数は、全国平均もがさっと落ちています。理科は少し上がっているのですが、中学校になると国語も数学もそれから理科もかなり下がっています。通常、試験問題を作るときは、だいたい3分の2くらいはできるように、60点から70点くらいが平均になるように狙って作るのが普通だろうと思うのですが、50点を切るような平均点になるというのは、少し問題があるのではないでしょうか。広島市についての評価とちょっと離れてしまいますけれども、何か今の狙いというか、特に、理科や算数の教えようとしている方向性とこの試験が本当にマッチしているのかどうか、少し疑問に思いました。それで、個々の先生が努力しておられるということはよく分かるのですが、それが本当に結果に結びついていないというのも事実ですね。理解していない子が多い。これを抜本的にもう少し考えてみる時期ではないかなと思います。特に、理数離れが非常にひどいという今の子どもたちの現況から言うと、数学、理科、それから小学校の場合算数あたりはもうひと頑張りして、全体のレベルアップを図っていかなければいけないと私は思っています。
 日本という国がこれからどうあるべきかということを考えたときに、教育委員会としても考えていかなければいけないことなのではないかなという気がしました。
 それで、今のような総論的なことを思いながら、例えば、具体的な問題として11ページの小学校算数でできなかった問題を見て唖然としたのです。この果汁20%のものを二つに分けたら、その答えは我々の常識からすれば、同じ割合で入ると言うと思うのだけど、もし、間違えた子の立場になって考えれば、総量として半分ではないかと思っている。つまり、500ミリリットルを飲んだときの果汁の総量と2分の1になったときの総量みたいなことをつい考えてしまう。要は、割合という意味が全然分かっていないわけですよね。小学校では、こういうことをきちんと理解させるようなことになっていないのかなと、えっ、と思いました。正答率が20%というのにちょっとびっくりしたんですね。つまり、問題の意図を充分把握できていないということが、きっとあるんだろうと思います。子どもたちの理解と、この問題で問いかけている用語そのものが、ミスマッチなのではないかなという気がするのです。数学も理科もそうですけども、そういう類の難しさってありますよね。設問の作り方というのは、非常に理解しにくい。常識的な用語なら分かるのだけど、使っている用語が非日常的な用語で、その非日常的な用語を子どもたちが学校で一生懸命勉強してくれていると思うのだけれど、なかなか日常生活の中に落とし込んで使っているという場面がないのではないかなと思います。
 最初の理数離れがあるといった大きいところからずいぶんと細かいことを言ってしまうようになるのですけれども、やはりもう少し、理科や数学、算数の教え方ももちろん大事なんだけど、教える内容に関しても、もうちょっと大きいところで吟味して良いのではないかなという気がしました。受けた印象です。結局、こういう50点を切るような平均点になるような教え方しかできていないというのは、おそらく、教えられた先生たちもショックだと思います。この結果をもらって、こんな正答率であるはずがないと思われているようなところの分析が、そろそろ必要なのではないかなという気がしました。これは、どうこうしましょうというような提案でもなければ、私の感想みたいになると思うのですが、理科や算数、数学の教え方はかなり難しいです。先生方も、先ほど出たように、人数も少ないし、努力をしなければいけない部分がかなりあって、そのテクニックの問題もかなりあるので、よほど我々が真剣に、どうやって教えたらどう子どもたちが本当に自分の理解の中で、頭の中で分かって、能力として身に付けてくれるかというところをもう少しきちんと考えた方が良いのではないかと思いました。これは、広島市だけの問題ではなくて、全国レベルの話だと思います。小さい子どもたちにどういうふうに、算数や理科を教えていくかというところの抜本的な問題を考えてもらいたいと思います。本当はこういうところで言うべき話ではないかもしれませんが、少しそういうふうな気持ちを持ちましたので、一言、述べさせてもらいました。

糸山教育長

 この設問に、「果汁の割合も2分の1の10%になります。」と書いてあれば、絶対に正答率は上がるのです。おそらく多くの子は、それは理解しているのです。でも、この引っ掛けの設問をされたら、ぱっと答えるのだろうと思いました。20点で10点となった設問は全部この種の引っ掛け的な設問の作り方ですね。わざわざ20%と言って、答えの方には2分の1と書いて、同じ単位に揃えていない。ただ、今のような問題の教え方として、単位をそろえて考えてみるとか、いろいろな場面でそういう部分での教え方の参考にはなると思います。

指導担当部長

 先ほど井内委員、全国学力・学習状況調査の問題のことについておっしゃってくださったのですが、私も問題について、どうこう言える立場には全くないのですけれども、確かに井内委員のおっしゃったように、本来、こういった問題は、子どもたちや先生が取り組んだことが、結果としてどうだったかを確かめる場ですから、経年変化が見れるように、問題の難易度が大きく変わるような問題であるべきではないと思います。
 それから、中学校の数学と理科だったと思うんですが、正答率が1割の問題も中にはあります。ということは、全国的にも1割の子しかできていない問題もあるので、それは問題として成立したのかどうなのかというところも顧みていただきたいという思いはあります。
 ただ、この全国学力・学習状況調査では、先生たちにこういった問題ができる授業をしっかりしてくださいねというメッセージ性があるものというのは、最初から文科省の方は言っています。メッセージ性といえば、確かに、この度、小学校の算数において初めて、プログラミングの問題が出てきます。最後に4問あったと思うのですけれども、順序立てて、命令をして、図形を描くという問題も出ております。初めてです。ですから、今、求められている力を計りたいのも当然ありますし、文科省としても、こういう問題をやっていますか、大丈夫ですか、というメッセージを込めたものも当然あるのだと思います。
 ですから、こういう場を使いながら、子どもたちが取り組んだ、先生たちがやってきたこと、もちろん、結果として見ていくわけなのですが、また新たな課題をここで発見して、次の取組へとつなげてくださいというメッセージだと、この度捉えております。以上です。

井内委員

 ありがとうございました。よく分かりました。
 全国的に正答率が1割しかないような問題がそこに平然と入っているという意味を、先生方がどう捉えるか、子どもたちがその問題をもう一度振り返ったときに、どう思ってくれるかということが本当に問題ですよね。だから、それは文科省が、そのメッセージ性をそこに入れ込んだんだっていう問題にせずに、そこをどう理解するために、どういうやり方をしたら良いのかっていう具体性が現場では求められるかもしれませんね。是非、そういう視点で考えながら、これは正答率が低いとか、しかしそれは今学校でやってきたこういうところとこういうふうに違うからだというような、御指摘もされたような、そういう伝え方ももう一工夫必要かと思います。
 私も同じことを言いたかったのですが、指導担当部長がおっしゃるとおり、経年比較をするためには、同じような平均点になる前提で組まないと、本当に子どもたちの学力が伸びているのか伸びていないのかという比較ができませんし、こんなに下がっているのを見せられると、どうなっているんだろうかとついつい思ってしまうので、それはあまり良くないですよね。こういう試験をやって、みんなで評価をするときには、あまり好ましい傾向ではないと私も思います。

西委員

 3点ほど、お話いたします。
 1点目は、今の話題から、割合という言葉を分量だと捉えると、ここは誤答になると思います。要するに、問題を読み取る力、読解力だと思います。日本人の計算の能力は非常に高いのだけれども、応用問題になって文章題になると点数が下がるということは、読解力が低いのだという言葉も数年前から言われております。問題を読み取る力、何を問われているかを正しく読み取る力をつけてほしいという意図から作成された問題なのかなと思いました。感想です。
 2点目は、毎年調査をしていただくのですが、それについて、細かく分析いただいて、この点が弱いから具体的にこういう指導をしたらどうかという案も丁寧に出してくださるところは、大変ありがたいと思いますし、この出していただいた案が生きる形で学校での指導を続けていただけたらというふうに思います。
 3点目は、疑問に思ったことなのですけれど、3ページの調査結果の概要の表をどんなふうに読み取ったら良いかと思い、この読み取りが正しいかどうか分からないのですけれど、例えば、平成31年度の小学生が3年後の令和4年度に中学生になっています。平成31年に小学校の6年生だった子が、令和4年で中3になっていますので、この子たちは、能力が伸びたのかどうかが見れるのかなと思います。平成31年度の小6と令和4年度の中3を比べると、平均点に比べて、伸びたのかどうかが検証できるのかと思いました。そうすると、今回のデータは、小学生の時よりも中学生になってからの方がやや下がっているというふうに読んで良いのでしょうか。

糸山教育長

 データ的に下がっています。

西委員

 データを見るとそうですね。例えば、平成31年の国語は、小学校だと63.8点の全国平均が市は63ですから、ここは平均よりやや低かったのですが、現在では平均並みなので、ここはちょっとアップしたのかもしれません。しかし、算数では、国の平均が66.6のとき、市は68点ですから、ちょっと頑張って良かったのに、今年はその子たちが平均よりも下回っていますので、小学校から中学校に行く間に下がってきたのかなと思います。同じことが、理科でも読み取れて、それは何でだろうかなと考えたときに、一つは家庭学習に課題があるというところが大きく数字上出てきています。家庭学習に課題があるということの他に、授業の中での、教材とか、先生の教え方が足りないから点数が下がるのか、着実に伸びていくような学習の系統性がうまくいっていないから、伸び悩んでいるのか、あるいは生活習慣のような、家庭での過ごし方が小学校と中学校では変わってきているから、そのことが家庭学習の低下に繋がって効果が出ないのか、いろいろ考えられます。今、学習方法のこととか、先生方にどうしていただくかということが、話題の中心になっているんですけども、その教え方と共に、他の要因もあるのかもしれない、あるとしたら、それは何なのかという辺りも思いを馳せていただきたいと思いました。

指導第一課長

 はい。まず、小学校と中学校を比較して、数字だけ見ると落ちているような結果になっているのですが、まず、これを言っても仕方がないというところもあるのですけど、今回で言うと、小学校6年生が1万人受けているわけですけど、広島の私学の定員で言うと1割くらいは変わっていくような状況があるのかなと思います。その中で、要因としてはその母集団が変わっているところもあろうかと思います。
 それから、どういう要因があるかということで、幾つか言っていただいたのですが、今回、国がクロス分析をして、要因として出している項目がいくつかあります。1番は、テレビゲームの時間が長ければ、各教科の平均正答率が低いということ、それから、読書が好きな児童生徒と教科の正答率の関連、授業の形態では、先ほどの理科で言いますと、観察実験の結果からどういうことが分かったか考察していると答えている児童生徒ほど正答率が高いとか、やはり授業形態の影響というのも幾らか要因としてあると、クロスの結果として出ていますので、細やかに分析をしているわけではないのですが、中学校の授業と小学校の授業を比べたときに、その辺りで小学校ではできていたけれど、中学校ではできていない部分が仮にあるのであれば、「広島型チーム学校」が始まった時からずっと小中で合同してやっていますので、小学校と中学校の授業をにらみながらこの辺りも検討していく必要があろうかと思っております。

西委員

 はい。ありがとうございました。この資料には出ていないのですが、例えば、読書と教科学習の点数とのクロスや授業形態でのクロスなどを見ていくと、今おっしゃってくださったように、他の要因も見えてきます。今のお答えで理解できました。ありがとうございます。

糸山教育長

 はい。ありがとうございました。
 それでは、本件についてはこの程度にしたいと思います。
 以上で議題は全て終了いたしました。
 これをもって、令和4年第15回広島市教育委員会議定例会を閉会いたします。 

7 議決事項

 なし 

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