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ページ番号:0000287883更新日:2022年6月29日更新印刷ページ表示

令和4年第3回教育委員会議(3月定例会)議事録

令和4年第3回 広島市教育委員会議議事録

 令和4年3月2日(水曜日)、令和4年第3回広島市教育委員会議(定例会)を教育委員室において開催した。

1 開会及び閉会に関する事項

 開会 午後1時30分
 閉会 午後2時44分

2 教育長及び委員の出席者

 教育長 糸山 隆
 委員 井内 康輝
 委員 栗栖 長典
 委員 秋田 智佳子
 委員 伊藤 圭子
 委員 西 敦子 

3 事務局等の出席者

 教育次長 松井 勝憲
 総務部長 横山 元信
 青少年育成部長 中谷 智子
 学校教育部長 野間 泰臣
 指導担当部長 川口 潤
 教育センター所長 松浦 宰雄
 総務課長 平山 高成
 育成課長 西本 哲也
 教職員課長 森田 健嗣
 教職員課調整担当課長 穐鹿 和彦 

4 傍聴者等

 なし

5 議事日程

 議題1 青少年交流事業の開催結果について(報告)
 議題2 訴訟について(報告)【非公開】
 議題3 教職員の人事について(議案)【非公開】

6 議事の大要

糸山教育長 

 ただ今から、令和4年第3回広島市教育委員会議定例会を開会いたします。
 本日の議事録署名者は、秋田委員と伊藤委員にお願いします。
 それでは日程に入ります。
 本日の議題は、お手元の議事日程のとおりです。
 本日審議予定の議題2については、広島市教育委員会会議規則第5条第1項第7号「訴訟及び審査請求等に関すること」、議題3については、同項第3号「教育次長、部長、担当部長、医務監、課長、事務長、担当課長、校長、園長その他課長相当職以上の職位の任免に関すること」に該当することから、会議を非公開としたいと思いますが、御異議ございませんか。
 (異議なし)
 異議なしと認め、議題2及び議題3については非公開として審議することに決定しました。
 それでは、議題に入ります。
 議題1「青少年交流事業の開催結果について」を議題とします。
 本件は報告案件です。内容について、育成課長から説明をお願いします。

育成課長

 当課が所管しております三つの青少年交流事業について、御説明させていただきます。
 資料の2ページを御覧ください。
 これらの事業につきましては、それぞれ異なる年齢層の青少年を対象に、様々な交流を通じて、友情や相互理解を深めることや、核兵器廃絶と世界恒久平和実現に向けた意識を深めていくことなどを目的として実施しています。昨年度に引き続き今年度も新型コロナウイルス感染症の影響を受けまして、三つの事業とも、例年とは異なる活動内容となっていますが、その状況の中でも一定の成果があったと考えております。
 それでは、個別の事業ごとに活動の様子や成果を中心に御説明をさせていただきます。
 3ページを御覧ください。「青少年国際平和未来会議2021(第17回)」についてです。
 1、目的、2、主催、3、事業期間は資料に記載のとおりです。
 4の参加者につきましては、8都市、34名でした。このうち、本市からは8名の青少年が参加しています。
 5の年間の取組を御覧ください。令和3年度の青少年国際平和未来会議は、新型コロナウイルス感染症の影響によりまして、令和2年度と同様に、当初予定しておりましたボルゴグラード市での会議開催を見送って、オンライン会議形式で実施いたしました。
 下の表を御覧ください。
 まず、本市から2週間にわたるオンライン会議に参加する青少年に対して、7月4日日曜日から8月1日日曜日まで事前研修を実施しています。研修では、この会議に参加するための心構え、国際理解、被爆の実相などについて学んだほか、本市の平和への取組や文化紹介に関するプレゼンの準備を行っています。そして、8月6日、広島市の青少年の代表として平和記念式典に参列させていただきました。8月2日月曜日からのボルゴグラード市が主催いたしましたオンライン会議では、本市の平和への取組や文化紹介に関するプレゼン、それから海外都市の青少年との意見交換を行っています。
 4ページを御覧ください。この表の続きです。
 10月には、オンライン会議後のグループごとの活動、例えば、SNSを使って、メンバーが作った折り鶴に対するメッセージを世界各市の方に求めるなど、活動ごとの報告や国際フェスタ2021での活動報告のプレゼンの準備を内容とした事後研修を行っています。11月には、国際フェスタ2021で活動報告を行った後、修了証でもあるヒロシマ未来平和大使委嘱状を、会議の議長でもあります井内委員から参加者全員に交付をしていただきました。その後、本事業の振返りや感想、また、今後の抱負について参加者が発表する時間を設けています。
 6の成果については、まず、本市参加者が平和記念式典に参列し、「コロナ禍での式典は、ごく限られた人しか参加できないにも関わらず、本市の代表として参列することの意味をしっかりと考えながら、世界恒久平和やそれぞれが育てた『ヒロシマの心』を自ら世界へ発信する意識を高めることができた。」、次に、「オンライン会議のグループにおいて、6グループ中4グループのリーダーを本市の青少年が務めるなど、語学力に自信が無くても積極的に発言し、会議をリードすることができた。」、「与えられた課題は、インスタグラム等SNSに投稿しながら取り組む内容のものがあり、他都市の青少年と楽しみながら交流を深めることができた。また、会議時間終了後も、それぞれのグループ内のメンバー同士がチャットアプリ等により個別に課題に関する意見交換を続け、時間という制約を克服しながらも取り組んだ。」、最後に、「ヒロシマ平和未来大使委嘱状交付後、今回の活動全体を振り返り、お互いの気持ちを伝え合うことで、他の参加者も勇気付けられ、全員の事後活動へのモチベーションの向上に繋がった。」などを記載しています。
 7の課題と対応についてですが、新型コロナウイルス感染症の影響により来年度のボルゴグラード市での対面での開催も、今予定はしていますが、不透明な状態です。開催方法や期間について、同市をはじめとする姉妹・友好都市等参加各都市と更なる連携を図り、事業計画などについて検討する必要があります。また、2週間のオンライン会議が終わった後、それぞれのグループはSNSを使って平和貢献活動を発信し続けていましたが、閲覧数が乏しい状況でした。つきましては、さらに世界各都市の市民にこうした活動を知ってもらえるよう、参加各都市のホームページなどへの掲載を依頼するとともに、参加者各自のネットワークを通じて拡散するなど、発信力を向上させる必要があります。また、今回の参加者は、研修や会議を通して、それぞれが自分の意見をしっかりと伝え、主体的に行動してくれたと思っていますが、今後もこのように参加者主体の事業とするためには、意識が高い方々を選考する必要があると考えています。このため、より多くの青少年に本事業の参加者として応募してもらえるよう、ホームページなどを活用するとともに、学校に対しては、必要に応じて個別に訪問するなどの周知を図る必要があると考えています。
 5ページには、参加者からの感想を抜粋したもの、6ページは、参加の様子をピックアップした写真を付けています。青少年国際平和未来会議につきましては、以上です。
 続きまして、7ページを御覧ください。「2021広島市・大邱広域市青少年交流事業(第20回)」についてです。1、目的、2、主催、3、事業期間は資料に記載のとおりです。
 4の参加者については、本市は中学生が13名、高校生28名及び指導者6名を含む合計47名、また、大邱広域市は青少年が27名、指導者が4名を含む31名が参加しました。両市とも募集人員を上回る申込みがありましたが、オンラインとなったため申込者全員を参加させることができました。
 5の年間の取組を御覧ください。今年度は大邱市に本市の青少年を派遣する予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の影響により、昨年度と同様に、オンライン交流に変更しました。  
 本市の参加者は、事前研修を10月に行い、11月6日、7日、14日の3日間、大邱市の青少年とオンライン交流を行っています。その後、11月20日の国際フェスタ2021にて、自分たちの活動報告する事後活動にも取り組みました。12月に行いました事後研修では、国際交流への理解や興味を深めた参加者にとって発展的なものとなるよう、朝鮮通信使講座や現在、韓国の大学に留学中の本交流事業のOBによる大学生活に関する講話などを行っています。このOBによる講話についてですが、韓国からオンラインで行い、韓国の大学を受験するために、そのOB自身が取り組んだ学習方法などの体験談を含む内容で、講話後の質疑応答の時間では、その講師をしてくれたOBのメンバーに対して、いくつも質問が出され、参加者にとっても興味深い内容だったと感じました。
 8ページを御覧ください。
 6のオンライン交流についてです。両市青少年によるオンライン交流を3日間行っております。コロナ禍で対面交流ができない今年度の参加者は、オンライン交流の場で、大邱市の青少年と初めて対面することになるため、オンラインでも時間をかけて友好が深められるよう、交流の機会を複数回設定しました。
 (1)のグループ活動については、両市青少年を含む9人から10人のグループを7グループ編成し、オンライン交流の3日間、同じグループのメンバーで活動することで、活発な意見交換を行い、テーマに関するグループの意見をまとめることができました。なお、各グループには両市の大学生などによる通訳ボランティアを2名配置しました。それぞれ、韓国語や日本語が話せなくても、意思の疎通が図れるようにと考えたことによるものです。そして、この大学生のボランティアたちには、グループ内での意見交換が活発にできるように、時にはファシリテーター役も担っていただきました。
 次に、(2)の話し合いのテーマですが、両市の文化を理解することや、共通点や相違点に気付き、その理由について自分なりに考えることをねらいとして、各都市の青少年の生活など、身近な9つの項目を設定いたしました。グループごとにテーマを選択させたのですが、ほとんどのグループが身近なテーマであります各都市の青少年の生活を選択しております。ただ、青少年の生活という同じテーマでも、グループごとに取り上げたものが違っていまして、例えば、生活習慣の話やコロナ禍での学校の生活、部活動、学校行事、それから放課後での生活など、多様な切り口で活発に話し合っていました。      (3)の成果報告について、オンライン交流の最終日には、各グループ2名の代表者が話し合いの成果を報告する成果報告会を行っています。発表の方法を工夫し、大邱市の青少年が日本語で発表をし、本市の青少年が韓国語で発表するグループもありました。昨年度のオンライン交流会では、本市の青少年が準備した動画などを披露しあう発表会を1回行いましたが、今年度は複数回のオンライン交流により、両市の青少年が意見を交換しあうとともに、お互いの友好を深めることができたように思っています。
 次に、7のOB組織についてです。(1)の結成までの経緯は、令和元年度に本交流事業により大邱市を訪問したメンバーが、帰国後に所属学校での成果報告や街頭での日韓関係に関する意識調査など自主的な事後活動に取り組むとともに、令和2年度に新型コロナウイルス感染症の影響で、広島を訪問できなかった大邱市の青少年のために、メンバーが広島を韓国語で紹介する動画を作成し、オンライン交流会で披露してくれました。こうしたことから、このメンバーたちへ働きかけを行った結果、令和3年度、本交流事業経験者によりますOB組織が発足し、本交流事業のサポートなどの活動を行っております。
 結成の目的については、(2)のとおりでございます。
 それから、(3)メンバーにつきましても、資料に記載のとおりです。
 (4)に今年度のOB組織の活動を記載しています。この中で、本交流事業の現役生たちの研修などの運営補助やゲストティーチャーなど、計10回ほど活動しています。本交流事業は単年度開催で1年ごとに参加者が入れ替わりますが、先ほど申したとおり、コロナ禍により対面交流ができなくなったことにより、令和元年度のメンバーが複数年にわたり、本交流事業に関わることになったことで、OB組織の発足に向けた土台を築くことができました。コロナ終息後も組織としての活動を継続し、本交流事業経験者のゆるやかな繋がりの場とすることで、関係者を増やし、本交流事業の充実を図りたいと思っています。
 9ページを御覧ください。
 8の成果ですが、コロナ禍により対面交流ができない中で、「オンライン上ではあるが交流を継続することができたことはよかった。」、それから、「人数の制約が少ないオンラインの特性を生かして、より多くの青少年に貴重な交流の機会を提供することができた。」、「2回目のオンライン交流となる昨年度に比べて、プログラムを充実することができた。」、「OB組織が発足し、自主的な事後活動を継続するとともに、本交流活動の内容の充実に貢献できた。」など、述べています。なお、このOB組織のメンバーの一人が、本市の姉妹都市友好のために活動する「ヒロシマ・メッセンジャー」の令和4年大邱広域市の担当として選ばれています。ますます、活動の幅が広がっていくのではないかと思っています。
 それから、9の課題と対応を御覧ください。
 現在、来年度の事業実施に向けまして、大邱広域市と調整をしているところですが、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し、来年度も対面の交流が難しいことが予想されます。オンラインによる交流活動の事業計画を立案しようと思っています。相互の友情を深め、世界平和への意識を高める交流事業の目的を考えますと、実際に手の届く距離で、共に体験活動を行うことが必要であると考えていますが、オンラインでもOB組織や関係者の協力を仰ぐなどして、交流プログラムの更なる充実を図ることにしたいと考えています。
 次に、オンライン特有の課題ではありますが、今回の活動では、通信障害などによりまして、開催時間が遅延するなど、スムーズな運営ができないことがありました。また、自宅等の通信環境により、参加したくても参加できない方がいらっしゃったということもありました。それがまた、今後予想されます。つきましては、通信環境が整った会場を準備するなど、デジタルディバイドに配慮した運営を行う必要があると考えています。
 10の参加者の感想につきましては、記載のとおりです。
 次の10ページは、活動の様子をピックアップした写真ですので、御覧ください。広島市・大邱広域市青少年交流事業につきましては、以上でございます。
 最後に11ページを御覧ください。「令和3年度広島・長崎市児童生徒平和のつどい(第43回)」の開催結果です。 1、目的、2、主催、3、事業期間は資料に記載のとおりです。
 4の参加者については、本市は小学生から10名、高校生が5名、指導者含む計30名、長崎市は中高生を中心とした児童生徒15名、指導者含む29名となっております。なお、8月に予定しておりましたオンライン交流会を10月に延期をしたことに伴いまして、本市のオンライン交流の参加者は、小学生が8名、高校生が1名、指導者を含む18名となりました。
 次に、5の年間の取組を御覧ください。
 今年度は、長崎市の児童生徒を広島市で受け入れる予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の影響により各市で研修を行い、オンラインで交流会を行って、その成果を発表することとしました。下表のとおり、本市の児童生徒は、7月18日に事前研修、10月9日にオンライン交流会の発表の準備、翌10月10日に平和学習と長崎市とのオンライン交流会を行い、その後10月24日に事後研修を行っております。当初は、8月に本市の児童たちは、三滝少年自然の家に宿泊して、研修や発表資料の準備を行い、その翌日にオンライン交流会等を迎える予定としていました。しかし、コロナ禍ということで、宿泊研修は中止となり、この交流会が10月に延期にしたものです。
 12ページを御覧ください。
 6の事前研修等についてです。7月に行いました事前研修では平和活動に取り組む「Face to Peace」や高校生平和大使の高校生、大学生などのボランティアの皆さんに御協力をいただき、オンライン交流会での発表に向けた平和学習、そして一緒に主催しました安佐南区子ども会連合会リーダーズクラブによるレクリエーションを通じた仲間作りを行いました。オンライン交流会前日の10月9日には、班を二つに分けて、事前研修の平和学習で学んだことに基づいて設定したテーマについて、発表資料の作成とリハーサルと行いました。限られた時間の中でしたが、平和学習の資料を見返し、分からないことはインターネットで自らが調べ、指導者やリーダーの助言を得ながら模造紙や画用紙に発表する内容を書き出しています。オンライン交流会の当日の10月10日の午前中には、旧陸軍被服支廠、平和記念資料館の見学や、平和記念公園内の慰霊碑めぐりなど実施しております。その際、高校生、大学生等のボランティアの皆さんから、施設の内容や資料館の展示物の内容につきまして、説明をいただきました。特に、慰霊碑めぐりでは、慰霊碑の説明に加えて、被爆当時の様子や被爆者の証言などについても、こうした高校生、大学生のボランティアの皆さんから説明をしていただきました。児童生徒が被爆の実相に触れる貴重な機会になりました。
 次に、7のオンライン交流会についてです。オンライン交流会では、両市それぞれが発表し、意見交換を行っています。広島市からの発表では、一つ目の班が「なぜ広島に原爆が落とされたか」、と「広島弁」について、二つ目の班が被爆後の「広島の復興」と「原爆ドームとおりづるタワー」について発表をしています。交流会が始まるぎりぎりまでリハーサルを行って、本番ではカメラを前にして、小学生たちが緊張しながらも、堂々と発表をしています。長崎市からは長崎市出身の著名人やお祭り、長崎の原爆による被害の状況や被爆遺構について、クイズを交えた発表で、本市の児童も積極的に参加し、交流を楽しんでいました。意見交換では、両市の平和学習や名物を食べる頻度など、質問形式で意見交換を行い、両市に対する理解を深めました。
 8の事後研修ですが、グループワークで活動の振り返りを行うとともに、長崎市の児童生徒や、平和学習で講師をしてくれた高校生、大学生等のボランティアに対してのお礼の手紙を作成しています。
 9の成果については、新型コロナウイルス感染症の影響により昨年度に引き続き、対面による交流を中止せざるを得ませんでしたが、オンライン交流を行い、両市に対する理解を深め、友情を育むとともに、来年度に向けた意欲の醸成を図ることができました。また、平和活動に取り組む高校生、大学生等のボランティアからいろいろ学ぶことで、被爆の実相や平和への思いを次世代に伝えるためのこうした活動を行っているお兄さん、お姉さんの姿を見て、こうした活動は自分たちも大切だなと認識を深めたことです。
 それから、10の課題と対応ですが、来年度は長崎市での開催を予定しておりますが、コロナの影響ということも踏まえまして、長崎市と今後連絡を取り合いながら、実施方法につきまして、実行委員会(広島市教育委員会、広島市子ども会連合会)で協議し検討する必要があると思っております。また、来年度以降におきましても、平和についての学びを一層深める交流を行うとともに両市の児童生徒が平和について学んだことを成果物として残せるような活動が実施できるよう、実行委員会で協議し検討していかなければならないと思っています。
 次の11には、参加者の感想を抜粋したものを書いております。次の13ページにつきましては、感想とそれから活動の様子をピックアップした写真を付けております。後ほど御覧ください。説明は以上です。

糸山教育長

 はい。ありがとうございました。
 それでは、ただ今の説明について、御質問等がありましたらお願いします。

栗栖委員

 ただ今、三つの交流事業の御説明をいただきまして、まずは、コロナ禍で、オンラインという形にはなりましたが、このように継続できていることが大変素晴らしいと思います。是非、今後も続けていただきたいと思います。
 3事業に共通することですが、全て事前に研修を行い、その事業の意義を理解していただいた後、活動に移って、最後にまた事後研修を受けるという形ができていること、それから、いろいろな新たな課題をきちんと認識し、整理されていること、こういう全体の取組でPDCAを回しながら進めておられることが非常に素晴らしいと思いました。
 それから、個別の感想ですが、「青少年国際平和未来会議」と「広島市・大邱広域市青少年交流事業」については、今はロシアの問題もありますけども、国家間でいろいろな問題があったとしても、そこにいる国民はこういう活動を通じて、相手のことを理解してお互いの国の架け橋になって大きな活動になっていくと思います。例えば、広島市と大邱広域市の交流活動を通じて、他の国ともお互いを理解しようという力が生まれるのではないかなと思います。
 交流の仕方は、またいろいろと工夫を凝らしていただきながら進めていっていただければと思います。特に、参加者の感想の上から三つ目に、「価値観の違いからも考えて、相互の意見を尊重し、受け入れ、受け止めてあげることが相互理解を深めたり、国家間の関係を改善したりするためにも必要な考え方なのではないかと感じました。」とありますが、このように言っていただく若い人をたくさん育てていければ良いなと思いました。
 それから、大邱広域市との交流事業のOB組織は初めてできたのでしょうか。

育成課長

 はい。そうです。

栗栖委員

 何かきっかけがあったのですか。

育成課長

 通常、大邱広域市との交流は単年度事業になりますので、参加者が入れ替わるのですが、この2019年に大邱広域市を訪問した皆さんについては、その翌年度、急遽、新型コロナウイルス感染症の影響でオンラインにしたことから、その方々にこちらからアプローチをして、広島に来れない大邱広域市の青少年のために、宮島に行ったりとか、お好み焼きの焼き方などを紹介する動画を作ってくれました。2年間、そういう活動をしてくれましたので、事後活動としてのOB組織ということで、こちらから話を持ち掛けたところ、その趣旨に賛同してくれて、2019年の代のメンバーたちでOB組織を結成してくれました。

栗栖委員

 OB組織が発足して、継続的な交流活動の下地ができたことが大変素晴らしいと思いますし、成果報告にもありますが、大邱広域市の青少年は日本語で発表し、逆に本市の青少年が韓国語で発表するといった工夫をすることで、相手のことを理解していくというのが素晴らしいことだと思います。工夫を重ねながら、こういう活動を是非続けていただきたいなと思います。

育成課長

 はい。

栗栖委員

 広島・長崎市児童生徒平和の集いについてですが、オンライン交流会のテーマ「なぜ広島に原爆が落とされたか」は、深堀りができるテーマとして非常に私は良いと思います。歴史上の宇品港の問題も含めていろいろなことがこの切り口で話題になるのではないかと思います。
 それから、参加者の感想のところですが、被爆の実相がだんだん風化していく中で、小学5年生や6年生が、「身近な人からこのことを伝えていきたい」、「一人でも多くの人に伝えたい」、「次世代の人にも伝えていきたい」などの感想を持ったことは、大きな意味で本市の平和教育にとって大変重要だと思いますので、是非、長崎市との交流活動もいろいろ工夫していただきながら、続けていっていただきたいと思います。

育成課長

 オンライン交流会のテーマですが、7月の事前研修で高校生、大学生等のボランティアが、懇切丁寧に細かく教えてくれた結果です。
 子どもたちが、各班で取り組む際に、なぜ原爆が落とされたかということや、事前学習で時間をかけて説明された復興の話が、子どもたちの頭に残っていて、こういう良いテーマを選んでくれたと思っています。大学生、高校生のボランティアたちが上手に子どもたちを導いてくれたと思っていますので、また、こういう取組についても進めていきたいと思っております。

栗栖委員

 そうですね。こういうテーマは、ものすごく深堀りができると思いますので。

育成課長

 はい。

栗栖委員

 いろいろな要素があるので、子どもたちが自ら考え意見を出し合える本当に良いテーマだと思いますので、是非、こういう交流活動を続けていっていただきたいと思います。

育成課長

 はい。ありがとうございます。

伊藤委員

 参加者の感想などを読むと、成果が上がっていると思いますし、今後も継続していただきたいと思います。また、先ほど栗栖委員も言われていましたように、大邱広域市との交流事業ではOB組織が発足して、継続的な活動を支援されていることは、次の代に引き継ぐということで、大変良い取組だと思います。これらの事業の目的の一つには、友好を深める、また、リーダーを育成して広げてもらうということがあると思いますが、その目的及び交流の仕方を、トップダウン式ではなくてボトムアップ式に、例えば、総合的な学習の時間や探究の時間に各学校の取組とタイアップしながらみんなで総合的な学習で取り組んだ成果を代表者に託し、その人たちが集まって、他の国の方々と交流すると、多くの人たちも一緒になって問題意識を持って取り組めるかと思いました。交流の仕方の一つですけれども、今回、コロナ禍でオンライン会議を行って、みんなが参加できるというオンライン会議の良さを生かして、そういうことも可能かなと思いました。

育成課長

 伊藤委員におっしゃっていただいたことは、参考にさせていただきたいと思います。
 育成課では、学校ごとの垣根を意識せず、学校を通じて働きかけをしていただくのですが、学校の代表というよりも年齢全体の代表という意識を持って事業に取り組んでいただきたいということで、研修等を行っています。

伊藤委員

 感想のところに、なかなか多くの人に伝えにくいということがあったので、そういう方法もあるかなと思い申し上げました。

糸山教育長

 伊藤委員がおっしゃったことは、ある意味では、本来、学校の学習の延長線上にこういった活動があるということですね。

伊藤委員

 そうです。

糸山教育長

 それぞれの学校教育の中で国際理解の促進ができるのではないかという趣旨だと思います。育成課の事業としてというよりは、学校でも今、国際理解の学習はいろいろ行っているはずなので。

伊藤委員

 はい。そうですよね。

糸山教育長

 その延長線上でうまくマッチングできる相手がいれば、今のこの時代ですから、オンラインも生かしてこういう事業の繋がりの中で何かできる可能性がないだろうかという感じがしました。
 すぐに出来るかどうか分かりませんが、おそらく今でも学習としてやっているところはあるので、是非、せっかくですのでこういった事業にさらに繋がると、子どもたちも、やる気ややっている実感がわいて、より深まるだろうなと思います。伊藤委員の御意見も参考に事務局全体で取り組んでいきたいと思います。

井内委員

 先ほどの伊藤委員の御指摘と育成課長のお答えのとおりだと思います。
 私が関わっている「青少年国際平和未来会議」のような国際レベルの交流であれば、今、広島の公立高校では、舟入高校に大変意識の高い生徒が何人もいると思います。そういう生徒たちが自分の学校で発表するなど機会をできるだけ使って進めているのですが、今の御提案から、そういうことを学校の平和教育の中で捉えてもらって、彼らがこの「青少年国際平和未来会議」に参加したことをネタにクラスの中でいろいろ話し合ったり、平和学習の材料として使って議論を深めてもらうのが一番簡単で手っ取り早い方法ではないかと思います。そういう中で、「次年度は誰々さんに行ってもらおう。」という話にまでつながるような、学校全体としてこういう国際交流の枠組みの中にこの事業を位置付けてもらえる動きになると良いと思いました。そういう意識を今まであまり持っていなかったのですが、高校生ぐらいだったらそれが出来ると思います。中学生だとなかなか難しいので、今の高校生が一番良いのではないでしょうか。大学生になるとまた大学のクラスで集まるということは考えにくいので、やっぱり高校生が一番、ターゲットになるかなという気がしました。
 2点目ですが、今年度は、ボルゴグラード市が主催で青少年国際平和未来会議をオンライン開催しましたが、昨今のロシアとウクライナの情勢に関して非常に心を痛めています。令和4年8月は、もしリアル開催ができれば、ボルゴグラード市で開催しようという話合いも水面下で進んでいるのですが、どうも現下の情勢では、心がそっちのほうに向かないと思います。せっかくこういう平和に関することを青少年たちが話していて、核や核戦争の恐ろしさなども勉強しているので、出来ればこの会議に参加した今は30代の前半の若い人たちが、「核戦争を持ち出すのは、愚の骨頂である。」とか「全ての人の多様性を認め合いながら、お互いの相互理解を深めて、戦争をなくしていこうと話し合ったはずなのに、なぜこういうことになるのか。」といった議論をロシア国内のそれぞれの都市で起こしてほしいという気持ちを、実は、自分自身としても思っているところです。今のロシアの指導部が勝手に動いたことであると言ってしまえばそれまでですし、ロシアの全ての国民がプーチン大統領の方針に従っているとは思いませんけれども、やはり若い世代の交流を行ってきた人間とすれば、若い世代からの反対運動がもっともっと盛り上がってくれれば良いと思います。
 今回報告しました令和3年の交流事業は大変ハードでした。時差の関係もあって、毎日2時間、2週間ずっとオンラインで交流し、6人一組のグループが、毎日のように顔を合わせて、夜7時から9時の間に話し合いを持つという大変ハードな内容をこなしました。私は最初、日本の高校生・大学生には、それだけの長時間、議論を行うことは難しいのではないかと思っていたのですが、それをずっと耐えてくれたということで、日本の高校生・大学生たちの英語力の向上も肌で感じることができたし、そういうことを考えながら、世界の中で動いてくれる人たちが、今の日本の若い世代の中にも育ってきたということを少し感じられた今年の行事だったと思っています。何はともあれ、この会議そのものを継続していくことは非常に大事です。そのことが、今のようなロシアの事態を抑止する力になれば、本当は一番良いと思っているのですが、まだ少し早計かもしれません。ただ、地道に続ける活動がロシアの若い人たちの中にも広まって、こういうことを起こさないための抑止効果みたいなものになれば良いと切に願っているところです。

糸山教育長

 はい。ありがとうございます。
 井内委員がおっしゃったとおりで、2年前、「広島市・大邱広域市青少年交流事業」を行った当時も、日韓関係が悪化していて、派遣される高校生の保護者から大丈夫だろうかという声もある中で、実際訪問してみたら、人と人、高校生と高校生の交流としてお互い理解し合うことができたということだったと思います。この「青少年国際平和未来会議」も、むしろこういう時だからこそ、このように出来れば良いと私は思っています。

秋田委員

 大邱広域市との交流事業の成果として、人数の制約が少ないオンラインの特性を生かして、より多くの青少年に貴重な機会を提供することができたとありましたが、オンラインになる前は何人くらい参加していたのでしょうか。

育成課長

 大邱広域市から迎えるときに20名程度、派遣するときは、多くて15名程度ぐらいです。旅費が自己負担ということもあり、人数を少し絞っています。

秋田委員

 今後も、経済的な負担が難しい方には、オンラインで参加できるようなかたちで続けられたら良いと思います。

栗栖委員

 ハイブリッド形式で、実際に派遣される人とオンラインで参加する人を組み合わせるような工夫ができるかもしれないですね。

育成課長

 どれほどのことができるか分かりませんが、今後、いろいろ検討してみたいと思っております。

糸山教育長

 それでは、本件については、この程度にしたいと思います。
 次の議題2及び議題3は、冒頭でお諮りしたとおり、非公開となりましたので、傍聴人、報道関係の方は、退席していただきますようお願いします。
 ここで、換気をお願いします。
 (非公開部分省略)

糸山教育長

 以上で議題は全て終了しました。
 これをもって、令和4年第3回広島市教育委員会議定例会を閉会します。

 

7 議決事項

議案番号

件 名

議決結果

5

教職員の人事について

原案可決

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