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令和3年第13回教育委員会議(10月定例会)議事録

令和3年第13回 広島市教育委員会議議事録

 令和3年10月29日(金曜日)、令和3年第13回広島市教育委員会議(定例会)を教育委員室において開催した。

1 開会及び閉会に関する事項

 開会 午前9時30分
 閉会 午前10時32分

2 教育長及び委員の出席者

 教育長 糸山 隆
 委員 井内 康輝
 委員 栗栖長典
 委員 秋田 智佳子
 委員 伊藤 圭子
 委員 西 敦子
 

3 事務局等の出席者

 教育次長 松井 勝憲
 総務部長 横山 元信
 青少年育成部長 中谷 智子
 学校教育部長 野間 泰臣
 指導担当部長 川口 潤
 教育センター所長 松浦 宰雄
 総務課長 平山 高成
 指導第一課長 高田 尚志
 指導第二課長 吉村 敦
 生徒指導課長 横山 善規

4 傍聴者等

 3人

5 議事日程

 議題1 令和3年度全国学力・学習状況調査の結果について(報告)

6 議事の大要

糸山教育長 

 ただ今から、令和3年第13回広島市教育委員会議定例会を開会いたします。
 本日は傍聴の方もお見えになっておられますが、お手元にお渡ししております注意事項をよくお読みいただき、静粛に傍聴していただきますようお願いします。
 本日の議事録署名者は、栗栖委員と西委員にお願いします。
 それでは、日程に入ります。
 本日の議題は、お手元の議事日程のとおりです。
 それでは、議題1「令和3年度全国学力・学習状況調査の結果について」を議題とします。
 本件は報告案件です。内容について、指導第二課長から説明をお願いします。

指導第二課長

 議題1「令和3年度全国学力・学習状況調査の結果について」、報告をさせていただきます。
 資料の2ページを御覧ください。
 1の調査の概要につきまして、(1)の調査の目的のとおり、実施いたしました。
 (2)の調査対象は、小学校第6学年は136校、実施人数は10,069人、中学校第3学年は63校、実施人数は8,446人です。今年度は、試験当日に、新型コロナウイルス感染症で臨時休業の小学校が4校、中学校が1校ございました。これらについて、調査対象外となりました。また、小学校1校が、6年生の在籍がないため、調査対象外となっております。
 (3)の調査期日は、令和3年5月27日です。
 (4)の調査内容の丸1、児童生徒に対する調査のア、教科に関する調査について、対象教科は、小学校第6学年が国語、算数、中学校第3学年が、国語、数学となっています。
 続いて、次のページを御覧ください。
 2の調査結果の概要について説明いたします。
 (1)の各教科の平均正答率について説明いたします。平成29年度から、各都道府県教育委員会及び各指定都市の結果については、整数で公表されています。表中の広島県の数値は、広島市を含む数値となっております。
 まず、小学校について、太線で囲んでいる令和3年度を御覧ください。
 本市の調査対象校の状況について、太字で示していますように、小学校国語の平均正答率は66%であり、国の平均正答率よりやや高く、県の平均正答率とほぼ同じ結果となっております。小学校算数の平均正答率は71%であり、国及び県の平均正答率よりやや高い結果となっています。下の表、中学校につきましては、国語の平均正答率は64%であり、国及び県の平均正答率よりやや低くなっています。中学校数学の平均正答率は58%であり、国及び県の平均正答率より、やや高くなっています。
 続いて、(2)正答数の分布状況について説明します。
 次のページの別紙1を御覧ください。
 左側が小学校、右側が中学校の正答数の分布状況を示しています。また、上段が国語、下段が算数・数学のグラフとなっています。それぞれ、グラフ中にある二つの棒線は、おおむね学習内容が定着していると判断される正答率60%と、課題があると考えられる(正答率)30%を示しており、四角囲みで本市と全国の(正答率)30%未満及び60%以上、それぞれの児童生徒の割合を示しています。「特徴」の欄の白丸(〇)と黒丸(●)は、それぞれ成果が上がっている点と、課題がみられる点を示しています。
 それでは、まず、左側の小学校の正答数の分布状況から説明いたします。
 国語についてですが、全国平均と同様に、分布が右寄りの山形となっています。また、正答率30%未満の児童の割合は全国平均よりも0.7ポイント低く、正答率60%以上の児童の割合は全国平均より1月9日ポイント高くなっています。
 続いて、算数についてですが、全国平均と同様に、分布が右寄りの山形となっています。また、正答率30%未満の児童の割合は全国平均より0.8ポイント低く、60%以上の児童の割合は全国平均より1月1日ポイント高くなっています。
 続いて、右側の中学校の正答数の分布状況を御覧ください。
 上段の国語は、全国平均とほぼ同様に、分布が右寄りの山形となっています。正答率30%未満の生徒の割合は全国平均より0.5ポイント低く、正答率60%以上の生徒の割合は1月1日ポイント低くなっています。下段の数学についても、国語同様に、全国平均とほぼ同様に分布が右寄りの山形となっています。正答率30%未満の生徒の割合は全国平均より1月3日ポイント低く、正答率60%以上の生徒の割合が全国平均より1月2日ポイント高くなっています。
 続いて、別紙2の1を御覧ください。
 こちらは、小学校の国語、算数の調査結果です。各教科の学習指導要領の領域や評価の観点別に、平均正答率等を示しています。また、各教科、正答率が60%未満の問題の中で、無解答率が高い問題や、全国平均に比べて正答率が低い問題を課題として選択し、太枠内に示しています。国語では、目的に応じて文章と図表などを結び付けて、必要な情報を見付けることに課題が見られました。算数では、小数を用いた倍の意味の理解に課題が見られました。
 続きまして、別紙2の2を御覧ください。
 中学校の国語、数学の調査結果です。先ほどと同じく、各教科の学習指導要領の領域や評価の観点別に平均正答率等を示しています。また、各教科、正答率が60%未満の問題の中で、無解答率が高い問題や、全国平均に比べて正答率が低い問題を課題として選択し、太枠内に示しています。国語では、相手や場に応じて、言葉を適切に使うことできること、特に、尊敬語と謙譲語の使い方に課題がみられました。数学では、データ傾向を的確に捉え、数学的な表現を用いて説明することに課題がみられました。
 続きまして、別紙3の1から別紙3の8については、先ほどの各教科の課題に対して、改善方法を示しています。小学校、中学校、校種、また、国語、算数、数学の教科ごとに1枚目では、課題のあった問題と学習指導要領における領域、内容及び主な誤答と要因を示しております。7ページの別紙3の1、小学校国語の例で言いますと、課題のあった問題として、大問2の三、目的に応じ、文章と図表を結びつけて必要な情報を見付けることができる、そして中ほどに、学習指導要領における領域・内容、下に、主な誤答とその要因、このような形式で小学校国語から小学校算数、中学校国語、中学校数学と、同様に示しています。
 8ページの別紙3の2を御覧ください。
 小学校国語の2枚目としまして、内容の系統と指導のポイント及び(本設問の)活用の手順を示しております。指導の改善に向けて、小学校低学年では、文章中の重要な語や文を選び出すことができるようにし、中ほど網掛けの中学年では要約、高学年では目的に応じて文章と図表を結び付け、必要な情報を見付けることができるようにすることが指導のポイントであると考えています。
 続きまして、別紙3の3、3の4では、小学校算数について、先ほどの例のようにまとめております。小学校算数の課題は、小数を用いた倍の意味の理解が不十分であることでした。改善に向けて、10ページの3の4では、小学校2年生で学習する乗法の意味、小学校3年生で学習する除法の意味を確実に理解させ、小数倍の意味を図と関連付けることで、基準量や比較量の関係を的確に捉えることができるようにすることが指導のポイントであると考えています。
 続きまして、別紙3の5、中学校国語になります。中学校国語の課題は、相手や場に応じて、言葉を使うこと、特に、尊敬語や謙譲語の使い方でした。12ページの別紙3の6に示しておりますが、改善に向けて、小学校高学年から、日常よく使われる敬語を理解し、使って慣れるようにさせ、中学校1年生、2年生で相手の立場に立ち、表現の効果などを確かめながら、文章を整えていくようにすることが指導のポイントであると考えています。
 続きまして、別紙3の7、3の8、中学校数学です。中学校数学の課題は、データの傾向を的確に捉え、数学的な表現を用いて説明することでした。改善に向けて、14ページの別紙3の8に示していますが、小学校高学年からデータの特徴や傾向に着目し、適切なグラフを選択できるようにさせ、中学校1年生でデータの分布の傾向を読み取り、批判的に考察し判断できるようにすることが指導のポイントであると考えています。
 これら別紙3の1から3の8につきましては、各学校に今後配布する報告書において、周知を図り、今後の各学校への指導に役立てていくこととしております。
 続きまして、別紙4の1を御覧ください。
 こちらは、児童・生徒質問紙調査と学校質問紙調査の結果についてまとめたものです。表の中央には、それぞれの項目の結果を平成28年度から、調査が実施されなかった令和2年度を除き、令和3年度まで掲載しております。表中の網掛け部分は、全国平均を上回っている項目を、横線(-)は、その年度に質問項目が無かったことを、令和3年度の括弧の数値は全国平均を示しています。
 まず、(児童・生徒質問紙調査の)(1)学習意欲に関する項目を御覧ください。その中で丸2の質問について、中学校で肯定的回答をした生徒の割合は、全国平均と比較して1.0ポイント上回ったものの、それ以外の質問については、全国平均と比較して0.1ポイントから1月7日ポイント低い状況です。全体的には全国平均と大きく変わりませんでした。
 次に、(2)自尊意識に関する項目についてです。丸2の質問について、小学校で肯定的回答をした児童の割合は、全国平均と比較して0.5ポイント下回ったものの、それ以外の質問については、肯定的回答をした児童生徒の割合は、全国平均と比較して高い状況です。また経年変化で見ても、肯定的回答をした児童生徒の割合は、全国平均より高い状況が続いています。
 続いて、(3)思考力・表現力に関する項目についてです。丸2の質問について、小学校で肯定的回答をした児童の割合は、全国平均と比較して0.1ポイント下回ったものの、それ以外の質問については、肯定的回答をした児童生徒の割合は、全国平均と比較して高い状況です。また、経年変化で見ても、肯定的回答をした児童生徒の割合は、全国平均より高い状況が続いています。
 続いて(4)、学習・生活習慣についてです。丸1の質問について、小学校で肯定的回答をした児童生徒の割合は、全国平均と比較して1月9日ポイント下回ったものの、中学校で肯定的回答をした生徒の割合は全国平均と比較して2月1日ポイント高い状況です。丸2の質問について、小学校で肯定的回答をした児童の割合は全国平均と同じですが、中学校で肯定的回答をした生徒の割合は、全国平均と比較して0.5ポイント低い状況です。丸3の質問について、小学校、中学校ともに肯定的回答をした児童生徒の割合は、全国平均と比較してそれぞれ1.8ポイント、4.7ポイント高い状況です。丸4の質問について、小学校で1時間以上していると回答した児童の割合は、全国平均より0.5ポイント低く、中学校では全国平均より1月7日ポイント高い状況です。
 続いて、(学校質問紙調査の)(5)指導方法に関する項目についてです。丸1の質問について、小学校、中学校ともに肯定的回答をした学校の割合は、それぞれ2月1日、9.4ポイント低い状況です。丸3の質問について、小学校で肯定的回答をした学校の割合は、全国平均と比較して0.2ポイント上回りましたが、中学校で肯定的回答をした学校の割合は5.1ポイント低い状況です。丸2と丸4の質問について、小学校、中学校ともに肯定的回答をした学校の割合は、全国平均と比較して、0.4から5.4ポイント高い状況です。
 最後に、別紙4の2を御覧ください。
 今年度は新たにICTを活用した学習状況と新型コロナウイルス感染症の影響についての調査も行われたので、御報告させていただきます。
 (6)児童生徒質問紙におけるICTを活用した学習状況に関する項目です。丸3、丸4の質問について、中学校で肯定的回答をした生徒の割合は、全国平均と比較してそれぞれ1.4、0.1ポイント上回りましたが、それ以外の質問については、肯定的回答をした児童生徒の割合は、全国平均と比較して1月7日から22.3ポイント低い状況です。
 (7)学校質問紙におけるICTを活用した学習状況に関する項目です。丸1、丸2、丸3の質問について、小学校、中学校ともに肯定的回答をした学校の割合は、全国平均と比較して12.4から30.2ポイント低い状況です。丸4の質問について、小学校、中学校ともにほぼ毎日使用したと回答した学校の割合は、全国平均と比較して19.2から19.7ポイント高い状況です。調査が行われた5月には、1人1台のタブレットなど機器の準備が整っていない状況でしたが、令和3年12月末に、本市の全校で整備が完了する計画になっております。準備が整った学校からICT機器を有効に活用した授業の実践を進めてまいります。
 続きまして、(8)児童生徒質問紙における、新型コロナウイルス感染症の影響に関する項目です。丸1の質問について、小学校で「(勉強について)不安を感じた」と回答した児童の割合は全国平均より2.7ポイント低く、中学校で「(勉強について)不安を感じた」と回答した生徒の割合は全国平均より0.6ポイント高い状況です。丸2と丸3の質問について、小学校で肯定的回答をした児童の割合は、全国平均と比較して、それぞれ0.1ポイント、2.7ポイント低い状況です。中学校で肯定的回答をした生徒の割合は、全国平均と比較してそれぞれ3.0ポイント、3.4ポイント高い状況です。
 (9)学校質問紙における、新型コロナウイルス感染症の影響に関する項目です。中学校の丸4の質問について、中学校で肯定的回答をした学校の割合は、全国平均と比較して1.5ポイント上回ったものの、他の質問については、全国平均と比較して0.9から7.0ポイント低い状況です。
 以上、令和3年度全国学力・学習状況調査の結果について、御報告させていただきました。

糸山教育長

 それでは、ただ今の説明について、御質問等がありましたらお願いします。
栗栖委員

 総合的には、正答率30%未満の(児童生徒の)割合や平均正答率が、おおむね全国水準よりも少し上という印象で、評価したいと思います。
 3ページの調査結果の概要を見ると、中学校(国語)の広島市の(平均)正答率が73%から64%に落ちていて、国も72.8%から64.6%に落ちています。私としては、全国学力・学習状況調査は同じレベル感で比較するイメージがあるのですが、これを見ると、問題が難しくなってこういう形になっているのではないかという印象を持ちました。ここで回答を求めるわけではありませんが、在り方の問題として、国に対して、同じ難易度で実施してほしいということが一つあります。
 大事なことは、今後この結果をどのようにして広島市のレベルを上げていくかということにつなげることだと思いますが、学校別で全部(結果が)分かるのですか。

指導第二課長

 はい。学校別に分かります。

栗栖委員

 平均(正答率)はこれで良いのですが、広島市教育委員会(事務局)として行うことは、二つの観点が必要だと思います。
 まず、全国平均と広島市の平均に比べて、この学校はここが高くて、ここが低いとかいうような比較があるだろうと思うので、学校ごとにきちんと分析して、対応していただくという点です。
 もう一つは、学力の向上に関しては事務点検の重点(取組)項目として取り上げていますから、研究指定校で行っている良い実践や研究事例を全市的に普及し、市全体として課題への取組を進めていただきたいと思います。
 要するに、研究指定校での良い取組を普及することと個別の対応の両方でやっていくのが大事だろうと思います。
 例えば、12ページに、小学校第5・6学年から中学校第2学年までの内容の系統と指導のポイントがあります。広島市では、小学校1年から4年までは基礎、小学校5年から中学校3年までは思考力の時期と位置付けて小・中学校の連携のプログラムを組んでいます。こういった広島市の取組を上手く活用していただきたいと思います。また、「ひろしま学びの時間」として数字的な教材や学び方を活かす取組をしていますので、広島の特徴を生かして、課題を認識し、対応して、全体をレベルアップしていく一つの大きな指標になるのではないかと思います。せっかくこのような本格的な調査の結果が出ているので、今後の対応を教育委員会としてきちんと行っていけば良いと思いました。
 それから、15ページの(2)自尊意識に関して、「自分にはよいところがある」という質問に対して肯定的回答(をした児童生徒の割合)が、全国平均を上回っていますが、前回に比べると小学生では少し落ちていて、「将来の夢や目標を持っている」という質問に対しても、小学生で少し低くなっていることが気になります。要因を分析して、何らかの対応が必要だと思いました。
 また、大きな課題の一つだと思いますが、(4)の丸4のスマートフォンやSNSに関して、本市も積極的に対応しているところですが、この数値を今後の対応方法を考える材料にしたら良いと思います。
 ICTに関しては初めてで、調査時期の5月は、ICTの本格的な活用の一歩前のタイミングだと思うので、これらの数値を参考にしながら、ICTの取組を本格的に進めていけば良いとい思いました。以上です。

指導第二課長

 はい、御指摘をありがとうございました。
 各学校において(調査結果を)分析し、また、それを教育委員会として各学校全体としての捉え、これについて取り組んでまいります。既に、児童生徒の実態把握、それを受けての指導の改善を各学校で調査をしています。それを取りまとめて、教育委員会としても、御指摘いただいた対応をしてまいりたいと思います。
 また、質問紙調査についての留意点等について、しっかり受け止めて対応してまいりたいと考えています。

栗栖委員

 学校によって取組に温度差があると思いますが、より具体的な対応策が目に見えてくると思います。それぞれの御担当の方がいらっしゃると思うので、特に、(正答率)30%未満の割合が高い学校を中心にしっかりとフォローしていただきたいと思います。

井内委員

 印象としては、全体的に前回調査よりも良くなっているという感じがしました。特に、4ページのグラフで見ると、正答率30%未満の児童生徒の割合が小学校も中学校も、国語も数学・算数ともに、全国平均よりも低くなっていて、今まで見なかった傾向だと思いました。先生方が、理解不足だった子ども(の学力)を押し上げることに随分努力されたかたちが見え、大変良い傾向だと思っています。
 それから、無解答率についてです。例えば、小学校の国語では、正答率も高いのですが、別紙2の1を見ると、無解答率が全国平均よりずっと低く、(全国で)4.1%が(広島市教育委員会は)3.3%です。小学校の算数でも、全国で10.3%が広島市教育委員会で9.0%です。もちろん正答率も高いのだろうけれども、無解答率が下がったことも先ほどの正答率30%未満の(割合が減少した)結果と軌を一にするものではないかと思いました。
 また、中学校の国語は全国平均より回答率が高く、中学校の数学は無解答率が下がっています。これまで、小学校の算数も中学校の数学もずっと全国平均より成績が少し低く、この問題の解決のために頑張らなければならないということでしたが、特に、中学校の数学に問題があった点に関して言えば、改善傾向が出てきたというふうに感じました。とても良いことではないかと思っています。
 正答率が低かった問題については、問題の趣旨などが分析してあり、大変良い資料になっていると思います。出題の趣旨について、先生方にも非常に理解がしやすく、我々も納得できるようなかたちで指導のポイントが整理してあるのはとても良い傾向であると思います。このような分析を学校単位あるいはクラス単位で、自分たちの成績を数字で並べるだけではなく、どこが出来ていないのかという分析を一つ一つ丁寧にやっていただければ、さらに良い結果が出てくるのかなと思いました。
 それから、質問紙調査の(6)ICTを活用した学習状況に関して、先ほど時期的な問題があると言われたよう思いますが、少しまずいかなという感じがします。以前も申し上げましたが、もう少し先生方が使いこなせないと、子どもたちが端末を使ってどういうことをすれば良いかが実感として分かっていない、分からせる努力が少し足りないかなという気がします。是非、ここは大きな課題として、皆さんに頑張っていただかないといけないという気がいたしました。

糸山教育長

 ICTに関して説明をお願いします。

指導第二課長

 ICTに関しまして、現在、12月を目途に回線の高速化、無線LANの工事とタブレットの設定などの環境整備ができるよう取り組んでおり、12月から整ったところから活用していきたいと考えております。それにあたり、各学校で指導ができるように、説明資料等配付し、また、指導の実践にあたっては、情報教育推進校の事例を共有し、普及していく取組を今後進めていきたいと考えております。以上でございます。

糸山教育長

 教員研修の状況説明をお願いします。

指導第二課長

 教員研修につきましては、Googleワークスペースのクラスルームなどを活用した実践事例を各学校に共有するようなかたちで進めます。

指導第一課長

 教員研修につきましては、各学校の情報教育推進担当に対して、4月当初から教育センターを中心に研修を進めていまして、まだ機材は入っていないけれども、こういうものが入って、こういう学習ができるようになる、学校の中ではこういう準備を進めていかないということは、段階的に研修をしています。
 現在、(情報教育)推進校の小学校4校、中学校3校においては、実際にタブレットも入り、インターネット環境も整っていますので、研究推進者に公開研究会に来ていただいて、実践例を見ていただき、導入された学校はすぐにスタートができるように準備を整えているところでございます。

糸山教育長 

 はい。ありがとうございました。
 (質問紙調査の)数字を見ると、一瞬どうかと思われるかも分かりません。タブレット端末の入荷が(令和3年)3月末で、そこから委託で12月までに設定作業を行うことにしていますので、一応、年内にはキャッチアップできるように、教員の研修をし、(学習に)遅れがないようにします。

井内委員

 教員が新しいことを覚えるのも大変だろうと感じますが、使いこなされている方のやり方を真似るところから始めるのが一番早いのではないかと思います。研修担当者が学校へ行かれて、現実に先生がやっておられることに手直しやアドバイスをするところからやらざるを得ないと思います。全ての先生がICTに強いわけでもないので、皆さんが、使いこなされている方についていってもらわないと、やはりこういうデータになってしまうと思います。真似でも良いから、早く実際に自分でやってみて、「なるほど、こうやれば子どもたちが納得した顔をしているね。」という形を見せてあげることが大事じゃないかなという気がします。是非、しっかり追いついて、少なくとも、子どもたちが、何のためにするのか分からないといったことがないように取り組んでいただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

指導担当部長

 井口中学校は、先週、タブレット開きということで、子どもたちに配布して、実際に活用を始めたばかりです。昨日、先生方の様子を見に行って来たのですが、不得意な先生方が放課後に自主的に集まって、タブレットをどのように活用して授業を行うのか、教科ごとに先生方が研修会を開いておられましたる。先生方もタブレットの効果や認識を少しずつ深めておられまして、子どもの食いつきが良いとかですね、子どもたちが自主的、主体的に調べものをするようになったとか、良い点を少しずつ授業の中に取り入れていこうという機運が随分高まっていると校長から聞きました。今後、こうした先生方の主体的な活動を指導担当としてしっかり支援してまいりたいと考えております。

井内委員

 はい。ありがとうございました。

伊藤委員

 各教科の正答率等、分析された指導のポイントをまとめ、このデータを活用して次の方向を示されていることが方法としてすごく良いと思いました。一つお聞きしたいのは、正答率のデータと質問紙調査のデータの関連は分析されているのでしょうか。もし、関連が見られれば、今後の学力向上の示唆を得られるではないかなと思うのですけれども、いかがでしょうか。

指導第二課長

 文部科学省が、一定の問題について、学力の定着状況と質問紙調査の項目の調査結果とのクロス集計を行っています。本市教育委員会や各学校での明確な統計処理はなかなかできていない状況ですが、数値を照らし合わせながら課題を抽出し、指導の改善または様々な生活指導に向けた対応を考えていきたいと考えております。

伊藤委員

 クロスしたデータがその学力向上の示唆を得るものであればこれから有効に活用できるかなというふうに思いました。

糸山教育長

 好きか嫌いかを問う調査がありますが、例えば、自分肯定感との関係があるとか、あるいは読書時間との関係があるとか、いろいろな要素があると思います。直接の分析はなかなか難しいけれども、今、(伊藤委員が)おっしゃった視点は、すごく面白いと思いました。全ての分析は難しいと思いますが、特に、興味のある項目があれば教えてください。

伊藤委員

 ICT等に関しましては、まだ(環境が)整っていないということがありますけれども、(5)指導方法との関連は各学校によって違いがあると思います。各教科の指導の在り方は、この各教科の平均点と関連があるとは思うのですが、それ以外の各学校での取組との関連が明らかになれば、その部分を強化することが学力向上につながるのではないかと思いました。各学校で差があるのだろうと思います。

糸山教育長

 はい。全国平均よりも、学校差の方がはるかに大きいです。

西委員

 4ページのグラフ等を見ますと、正答率30%未満の児童生徒が減少し、(正答率)60%以上の生徒が増加していて、全体的には(学力)向上の傾向があり、先生方の努力の成果が表れていると思っています。
 少し気になりましたのは、15ページの質問紙調査の結果です。
 全国的な傾向ですので、本市の教育に特別な問題があるとは思わないのですが、小学校から中学校に移ったときに、大きくポイントが下降している項目がいくつかあります。例えば、(1)学習意欲の丸3英語の勉強が好きかについては、小学校では70%近い子どもが好きと答えているのに、中学になると約56%に低下しています。それから、(2)自尊意識では、丸2の将来の夢や目標を持っているか、(4)学習・生活習慣では、丸1の「家で、自分で計画を立てて勉強している」、丸3の、「1日あたりの読書時間」などが小学校と中学校で差が大きいように思います。小学校と中学校との指導の在り方の変化の問題もあるでしょうし、子どもの成長発達の段階の問題もあると思います。この校種間の差がもう少し縮むような指導について、何か工夫できることはないのでしょうか。例えば、英語の勉強について申しますと、学習指導要領の改訂前は、英語は教科ではなくて、英語活動ということで楽しく学習すれば良く、成績評価がなかった段階から、教科になって、楽しく会話できるだけではなく、文法学習なども視野に入れた中学校に繋がる教科学習に移行してきていると思うのですが、おそらく小学校では楽しく勉強できたのに、中学校になると、試験もあるし、細かい文法のこともあるしということになると、英語の楽しさが少し減退するといった理由もあるのではないかと思います。そうすると、今の小学校の英語の授業は、新しくいろいろ考えてスタートしたのだけれども、本当に中学校の英語の授業としての学習に上手く連結しているのかどうかということも考えなければいけないのではないかと思います。本市だけの問題ではないと、はじめに申し上げましたけれども、全国的な傾向ではありますが、そういう見方が必要ではないかと感じました。

指導第二課長

 御提言ありがとうございます。
 中学校区を単位に小学校と中学校が連携する定期的な委員会を設けております。そこで、しっかりと、今御指摘の点に対応していきたいと思います。教科英語についても、小学校英語がどのような形で行われているかということを中学校の英語教諭が個別に把握した上で系統的な指導を行う取組を進めているところです。正答率30%未満の児童生徒が減っている取組の決め手の一つが、御指摘の小・中連携であり、個々の児童生徒の状況をしっかり共有して指導の系統性を高めるといったところがその改善の手立ての一つというふうに学校からの報告もきております。御指摘を受けて、しっかりと取組につなげていきたいと考えております。

西委員

 よろしくお願いいたします。

秋田委員

 西委員も、小学校から中学校の落差が気になるとおっしゃったのですが、学校ごとの成績も全部分かるということなので、ミクロの方を意識して、具体的に、この小学校からこの中学校に行く児童の落差や、最終的には一人一人の子どもが見れたら良いと思います。その上に、各学校がある。この資料は本市全体のことなので、見れるものが少なくなっていると思うので、小さいところから見つめるというかたちで、見つめ直していただきたいと思います。
 それから、出題内容は、「身に付けておかなければ後の学年等の学習内容に影響を及ぼす内容や、実生活において不可欠であり常に活用できるようなっていることが望ましい」とあります。確かに、11ページは、メールの下書きといった非常に実用的な問題で、大人になるまでに、いつか身に付ければ良いとは思うのですが、中学校2年生で、仮に難しかったとしても、中学校3年生の先生も当然、こういうのを頭に入れておいて、似たようなものが出てきたときに、繰り返し思い出させるような説明をするなど、1回だけのテストではなく、他の学年の先生、特にその後の学年の先生などが、これは大事だねと繰り返し説明をして、どこかの段階で身に付けるようにしていただきたいなと思います。毎年、こういう試験の問題が蓄積されて、学力テストの対策は、私は必要ないとは思っているのですが、必要な知識として良い問題が、当然、出されていると思うので、どこかの学年で確実に身に付けられるように、無解答だった子どもも、後々、学年が上がったときに分かるように、短い時間の小テストのような形でも良いと思うのですけれども、繰り返し説明をしていただければ良いと思います。

糸山教育長

 今の質問に関連しますが、現状では、各学校は自校のデータを把握できますが、全校のデータが分かるようにはなっていません。ただし、全市の平均値は分かりますので、各学校は自分の学校の強みや弱みが分かります。あとは、各学校において、小学校6年生のクラス単位で、何か分析や取組を行っているのでしょうか。秋田委員がおっしゃったとおり、最後は結局、個の話ですから、一人一人の個の状況に応じて取り組む必要があります。大きな方向性としては、全体を上げていくにあたっては、とりわけ(正答率)30%未満(の児童生徒)を重視するということで、ここ数年ずっと指導担当でも一生懸命取り組んできましたので、ある程度成果は出てきて、底上げができました。方向としては、そういう形でやっているのですけれども、その中で、各学校の取組として何か御紹介できるようなものがあれば、参考に教えてください。

指導第一課長

 まず、各小学校には、児童一人一人のデータが送られるので、どの子が(正答率)30%未満で、どの問題の正答率が低いかということは当然分かります。教育委員会(事務局)から、「指導方法等の改善計画」というシートを作っていただくようにお願いしますが、そこに「正答率30%未満の児童に対する具体的な手立て」という欄があり、必ず子ども一人ずつに視点を向けていただくようになっています。そうなると、まずは、学年で何が弱いかという分析をした後、個に戻っていくので、その子に対してはどの学習でどこに立ち返って学習していかなければならない、どこが弱いから、ここを重点的に、先ほどの小テストのような形でやっていく、などの取組を進めます。個別の指導計画のような形で、さらに個に迫った指導をしてもらっているところです。

栗栖委員

 藤の木小学校は、随分前から、情報教育推進校としてICTに取り組んでいますよね。我々教育委員も実際に訪問して、相当進んでいると当時思ったのですが、そういうところで活躍された先生方を、このICTの対応に関して、上手く指導的な立場で活用すると良いのではないかと思っているのですが、どんな状況でしょうか。

糸山教育長

 (ICTに関して)先進的な取組をしている学校の活用について、それから、そこで経験を積まれた先生方に、教育センターで指導していただいているなど、どういう活用になっているのか分かる範囲で教えてください。

指導第一課長

 藤の木小学校はとても有名ですので、個別に学校に見に行かれる方もおられるし、学校としても、個人で情報担当としてやっていらっしゃる先生としても、実践発表校あるいは実践発表者として研修会で広く成果を伝えています。教育センターの研修においても、中心になっていただいています。

栗栖委員

 ものすごく実践的だと思います。実際にいろいろな課題にぶつかっておられたと思うので、全市的にICTを活用する際には、相当、貢献していただけるのではないかと思います。是非、そういう先生方に御活躍いただけるようにお願いしたいと思います。

指導担当部長

 補足ですが、そういう先生方が別の学校に異動した後も、(教育委員会)事務局としては、情報に長けた方として研修講師として活用しています。

栗栖委員

 恐らくそういう先生がたくさんいらっしゃると思います。

糸山教育長

 それでは、本件については、この程度にしたいと思います。
 以上で議題は全て終了しました。
 これをもちまして、令和3年第13回広島市教育委員会議定例会を閉会いたします。

7 議決事項

 なし 

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