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令和3年第6回教育委員会議(4月定例会)議事録

令和3年第6回 広島市教育委員会議議事録

 令和3年4月14日(水曜日)、令和3年第6回広島市教育委員会議(定例会)を教育委員室において開催した。

1 開会及び閉会に関する事項

 開会 午前9時30分
 閉会 午前10分58分

2 教育長及び委員の出席者

 教育長 糸山 隆
 委員 井内 康輝
 委員 栗栖 長典
 委員 秋田 智佳子
 委員 伊藤 圭子
 委員 西 敦子 

3 事務局等の出席者

 教育次長 松井 勝憲
 総務部長 横山 元信
 青少年育成部長 中谷 智子
 学校教育部長 野間 泰臣
 指導担当部長 川口 潤
 教育センター所長 松浦 宰雄
 総務課長 平山 高成
 育成課長 西本 哲也
 生徒指導課長 横山 善規
 生徒指導課いじめ対策推進担課長 菅川 雄二

4 傍聴者等

 4人

5 議事日程

 議題1 「10オフ運動」の令和2年度取組結果及び令和3年度取組概要について(報告)
 議題2 令和3年広島市成人祭の開催について(報告)
 議題3 令和2年度広島市におけるいじめ防止対策について(報告)

6 議事の大要

糸山教育長  

 ただ今から、令和3年第6回広島市教育委員会議定例会を開会いたします。
 本日は、傍聴の方もお見えになっておられますが、お手元にお渡ししております注意事項をよくお読みいただき、静粛に傍聴していただきますようお願いします。
 本日の議事録署名者は、井内委員と伊藤委員にお願いします。
 それでは、日程に入ります。
 本日の議題は、お手元の議事日程のとおりです。
 議題1「『10オフ運動』の令和2年度取組結果及び令和3年度取組概要について」を議題とします。
 本件は報告案件です。内容について、育成課長から説明をお願いします。

育成課長

 議題1の「『10オフ運動』の令和2年度取組結果及び令和3年度取組概要について」、御説明させていただきます。
 資料の2ページを御覧ください。
 はじめに、10オフ運動についてですが、SNS等のメッセージのやりとりを止められない児童生徒の悩みを解決するとともに、規則正しい生活習慣の定着を図ることを目的に、携帯電話やスマートフォン等の使用について児童生徒及び保護者に対し、「夜9時以降は送信しない」、「遅くとも夜10時までには使用をやめる」、「家庭で話し合って使用に関するルールをつくる」という三つの取組を、広島市PTA協議会などと連携して行っています。
 なお、広島市PTA協議会につきましては、本運動を推進し、児童生徒の規則正しい生活習慣の定着に寄与したとして、令和2年優れた「早寝早起き朝ごはん」運動の推進にかかる文部科学大臣表彰を受賞されたところです。
 次に、2、令和2年度の取組結果についてですが、10オフ運動強化週間後に実施いたしました児童生徒アンケートを基に報告をさせていただきます。アンケートの実施方法、実施期間等につきましては、資料に記載のとおりです。アンケートの結果について、(2)の集計結果を御覧いただきながら、3ページの(3)の成果及び課題について、御説明します。まず、成果といたしましては、強化週間中に「夜9時以降は送信しない」、「遅くとも10時には使用をやめる」について、どちらか一方でも4日以上達成できた児童生徒の割合は、小学生で92.5%、中学生で65.8%であり、多くの児童生徒が「10オフ運動強化週間」について意識をした生活を送っていることが分かります。特に、小学生につきましては、「全ての日で両方達成できた」児童の割合が5割以上に達しております。続きまして、小学生の「家庭でルールを決めていない」は15.2%で、昨年度と比べ、3.4ポイント減少しております。各家庭において、ルール作りが浸透してきていると思われます。次に、10オフ運動強化週間の取組をして良かったと思うことにつきましては、小学生は「早寝早起きができた」、中学生は「朝ごはんをきちんと食べた」の回答が多く、生活習慣を見直す良い機会になっていることが読み取れます。次に、中学生の平均の睡眠時間について、8時間以上とった生徒の数が普段の睡眠時間に比べまして、13.5ポイントの増加となっており、10オフ運動により睡眠時間の確保を意識づけることができました。また、昨年度と比べても、4ポイントの増加となっております。
 次に、課題ですが、「夜9時以降は送信しない」、「遅くとも10時までには使用をやめる」等につきまして、昨年と比べて、達成率が減少しております。このことにつきましては、スマートフォン等の普及に加え、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、自宅で過ごす時間が長期化したことで、より多くの児童生徒の電子メディアに触れる時間が増えたことが影響しているのではないかと考えております。児童生徒の生活習慣に乱れが生じていることから、各学校においても、本運動等を通して様々な取組を実施されたところですが、昨年度以上の改善には至らなかったものと考えております。こういった状況だからこそ、基本的な生活習慣の定着の観点から、児童生徒が自分事として捉えながら強化週間に取り組めるよう働きかけていくことが必要であると考えております。
 次に、8時間以上睡眠をとっている中学生の割合は、5割程度であることから、適切な睡眠時間の確保の観点からも10オフ運動を推進する必要があると考えております。
 次に、「夜9時以降に送信しない」、「10時までには使用をやめる」について、達成できなかった主な理由は、平成31年度に続きまして、「動画・音楽の視聴」でした。延々と繰り返される動画の視聴を止めるきっかけとして、10オフ運動が効果的な役割を果たすためには、更なる工夫や働きかけが必要であると考えております。
 続きまして、4ページを御覧ください。
 3、令和3年度の取組概要についてです。まず、(1)の「家庭でのルール作り」への更なる働きかけです。昨年度に引き続き、ポスターやチラシをリニューアルしながら、「家庭でのルール作り」に焦点を当てていきたいと考えております。さらに、家族の理解と協力が不可欠ですので、ケータイ出前講座や保護者研修会など従来の啓発活動を一層充実させたいと考えております。また、スマートフォン販売店におきましても、家庭でのルール作りについて啓発を行っていただくよう依頼をしてまいります。こちらについては、3月に依頼済みです。
 次に、(2)の「睡眠時間の確保」の観点から、アプローチを行います。児童生徒が、なぜ睡眠が大切であるかをしっかりと理解し、自分の生活と比較し、見つめ直す機会を提供するため、令和2年度に作成した「睡眠リズムを作ろう」の動画教材を引き続き活用するよう各学校に働きかけてまいります。この動画については、学校の先生の負担を軽減するため、動画を再生するだけで、児童生徒が睡眠の重要性や理想の睡眠時間を学習し、最終的には児童生徒自身に就寝時間や起床時間を記入するなどのワークシートを完成させるところまで、指導ができるように作成をしたものです。本日、動画を見ていただきます。時間の関係で一部となりますが、この動画につきましては、五つのチャプターで構成し、それぞれのチャプターを2分から5分程度とし、学校の実情により、全部を一度に視聴しなくても、学校教育活動の中で、空き時間を使ったり、特別活動の時間、帰りの会、給食時間を使ったりと柔軟に対応できるような構成としております。
 9ページ、10ページに動画のシナリオやワークシートを掲載しておりますので、後ほど御覧ください。それでは、動画を再生させていただきます。

育成課長

 この動画教材につきましては、昨年度の夏の強化週間前に、各学校に配布いたしました。そして、指導の呼び掛けを行ったのですが、特に、育成課から小学校2校、中学校2校にお願いしまして、この動画を児童生徒に視聴させてから、10オフ運動の夏の強化週間を始めていただきました。御協力いただきました先生方からの感想ですが、「生徒たちの生活リズムに関する意識は、なんとなく知っているという程度であったが、具体的に理想の睡眠時間を考えさせることにより、日頃できていないことやできていることを生徒自身が見直す良いきっかけになった。」、「動画は具体的で、児童に語りかける口調となっており、朝食摂取の必要性やブルーライトがもたらす睡眠への影響など、児童の理解促進に有効であった。」、また、「最後に、ワークシートを使って、学習したことを確認できる行程となっているのが良かった。」などの感想をいただきました。ワークシートを作って、自分の生活と比較することで、自分の生活を客観的に見ることはとても大切であり、引き続きこの取組を推進してまいりたいと考えております。
 次に、(3)の10オフ運動強化週間の充実についてです。児童生徒にとって本運動が実りあるものとするため、各学校の児童会・生徒会へ本運動の推進に対する呼び掛けを行い、児童生徒から児童生徒へ問題提起や取組の周知等について協力をお願いしたいと思っております。また、児童生徒や保護者に対し、長時間のオンラインゲームや遅い時間のSNSのやりとり等が、自分自身はもとより電子メディアの向こう側にいる相手に及ぼす影響についても考えさせる資料等を配布したいと考えております。
 (4)の年間を通じた継続的な啓発の充実についてですが、児童生徒がスマホのルール作りや、情報モラルについて自分事として捉えることができるよう、(令和2年12月22日の)教育委員会議で報告しました電子メディアの啓発動画コンテストを、今年度も継続して実施し、児童生徒に意識をさせます。また、10オフ運動の強化週間の啓発資料として、各学校だけではなく、様々なメディアで紹介し、より身近な問題として考えさせ、ルール作りや情報モラルの意識改善を推進したいと考えております。また、引き続き、様々な場面やメディアで広報を行いつつ、広島市電子メディア・インストラクターによる出前講座、これは、児童生徒向け、教職員、保護者向けなど、様々にありますが、そうしたものの更なる活用を、学校、PTA等に呼び掛けてまいりたいと思っております。

糸山教育長

 それでは、ただ今の説明について、御質問等がありましたらお願いします。

栗栖委員

 3点ほど、申し上げたいと思います。
 まず、4ページの令和3年度の取組概要の(1)の「家庭でのルール作り」を特に重点的にお願いしたいと思います。コロナ禍の今、SNSが情報交換やコミュニケーションの上でメリットになる一方、長時間利用によるデメリットもあります。長時間利用すれば、恐らくトラブルも発生しますので、子どもから親への相談もあると思いますが、親も子どもの状況をしっかり見ておくことが重要だと思います。コロナ禍で、親子が家庭で一緒に生活する時間も長くなり、前提となる環境が、少し変わってきているとも思います。令和2年度の「家庭でルールを決めていない」が、小学校で15.2%、中学校で34.5%という達成状況の数値が、どういう水準なのかは分かりませんが、家庭で話し合ってルールを決めておくことは、非常に重要だと思いますので、さらに、注視していただきたいと思います。
 2点目は、先ほど御説明がありました動画教材についてです。目に訴える力は非常に大きいと思います。児童生徒それぞれ生活リズムが違うと思いますので、動画を参考にして自ら考えて自分に合った睡眠・活動計画を作成させるように各学校で取り組んでいただきたいと思います。
 3点目は、電子メディアの啓発動画コンテストについてです。是非、大いに力を入れていただきたいと思います。30秒あるいは1分の動画でも良いと思いますが、児童生徒が考えるということが非常に大切だと思います。皆で考えて、テーマを見付け、一つものを作り上げていくプロセスで、SNSに対するメリットやデメリットに関する理解が深まると思います。また、作成した動画をいろいろなところで紹介して、動機付けを図っていただくという循環で、この啓発動画に関しても、是非、継続して取り組んでいただければと思います。

秋田委員

 先ほど見せていただきました動画教材は、とても良いと思います。9ページの教員用シナリオが、とても良いので、子どもにも見てもらった方が良いと思うのですが、子どもは見ているものですか。

育成課長

 シナリオは、教員の説明用です。子どもは、シナリオに沿った動画を視聴して学習します。

秋田委員

 保護者が、育児や仕事で多忙で、なかなかフォローできない場合もある思います。例えば、朝型の人の方が成績が良いといったデータを、自分自身で理解した方が取り組む意欲が湧くと思うので、子ども自身に動機付けをさせて、きちんと身に付けさせていく方法が、非常に効果的だと思いました。

糸山教育長

 学校では、何の時間に取り組んでいるのですか。

育成課長

 例えば、学活の時間に、短いチャプターの動画を使って学習した学校もありますし、長い時間をとって、全バージョンを視聴した学校もあります。

糸山教育長

 是非、各校で進めていただきたいと思います。

井内委員

 2ページの(2)、集計結果の達成状況の数値についてですが、平成31年度と令和2年度を比較すると、数ポイント下がっています。特に、中学校で、「夜9時以降は送信しない」、「遅くとも10時までには使用をやめる」のどちらかを達成した割合が、(平成31年度の)71.7%から(令和2年度の)65.8%となり、5.9ポイント下がっています。我々の意図としては、10オフ運動そのものの意義から考えると、やっている子とやらない子が混在するという状態ではなくて、友達同士で、きちんと自分たちのルールとして守って、限りなく100%に近い方向へ行ってほしいと思うのです。集計結果では、誤差の範囲内より少し下がっているように見えるのですが、どうなのでしょうか。この運動そのものに対する慣れというか、指導している先生方も、その話を聞く子どもたちの立場からしても、「またか」、「分かっているよ」という程度で終わっているのではないかという危惧を抱きます。こういう運動は、得てして最初の2、3年は上手くいくのですが、継続させるためには、すごくエネルギーが必要です。先ほど見せていただいた動画教材を視聴させるのも一つの方法で、繰り返しということになるのですが、何かもう一度、慣れみたいなところを少し打破して、限りなく100%に近い数値が出せるような状況に持って行けないものでしょうか。

育成課長

 今、井内委員がおっしゃったことについては、私も少し危惧していたところです。そうしたことから、先ほどの動画教材を繰り返し使っていただくことや、今年度は新たに、児童生徒から児童生徒にこの運動の趣旨や良い点を伝えてもらいたいと考えまして、各学校の児童会、生徒会に呼び掛けて、学校の中で、キャンペーン的に呼び掛けていただく取組を行いたいと思っております。それから、昨年度行いました電子メディアの啓発動画コンテストについては、児童生徒が、30秒という短い時間ですけれども、学びながら、楽しみながら動画を作ることで自分事として考えてもらえる機会になると思います。去年は初回で、応募数が少なかったのですが、次回は、たくさん御応募していただけるようにいろいろな呼び掛けを行っていきたいと考えております。

井内委員

 中学生で3分の2しか守っていないというのは、大変難しい状況だと思います。ルール作りに関して、今、育成課長がおっしゃったように、自分たちの自らの問題として、きちんと生徒会あたりで取り組むというふうな、子どもが自身の問題を自分たちで解決するための試みを積極的に行うように指導していただいて、自分らの問題として、もう少し大切に普及させて意図を理解してもらうように地道な活動を続けていかないといけないと思います。自分で動画やポスターを作ることも含めて、中学生ならアクティブにできると思いますから、何か形で見えるような運動にしていただければと思っていますので、よろしくお願いします。

伊藤委員

 2ページの達成状況を見ますと、令和2年度の中学校の「夜9時以降は送信しない」、「遅くとも夜10時までには使用をやめる」で、達成できていない人が、大体34%になります。ルールを決めていない人も34%で、達成できてない人とルール決めてない人が大体同じくらいということは、ルール作りが、達成できる、できないにかなり影響を与えているのかなと思いました。そういう意味で、家庭でのルール作りっていうこと、今後進めていかれるということは、すごく有益であるように思います。そのときに、小学生に対応するルール作りの取組と、中学生への取組は、違うように思います。中学生は自分からというのはなんか難しいものもあるのかもしれません。そういうところ、小学生と比べて中学生の家庭でのルール作りを令和3年度、どういう風に取り組んでいこうと思われているのかをお聞きしたいっていうのが1点目です。
 2点目としては、今、動画を見させていただきまして、すごく分かりやすいと思いました。で、この動画を単発的に見せるだけではなくて、10オフ運動というスローガンのもとに、関連する各教科の中でも、教科横断的に取り組むことも効果的であるのではないのかと思います。例えば、生活時間に関する内容は、家庭科の中で行います。また、保健の中でも行っていることでしょう。また、成長ホルモンに関することは、理科でも学習するのかもしれません。そういう風に、関連する各教科の中でも少しずつ取り組んでいくことを、また御検討いただけないかなと思います。

育成課長

 たしかに、小学生と中学生は生活サイクルが違いますので、同じルールでは難しいところはあろうかと思います。その辺に関しては、違いや数値を見た上で、どういう対応ができるか考えさせていただきたいと思うのですが、例えば、15ページのチラシを保護者に配っておりまして、スマホ時代の子育てのポイントとして、家庭でルールを決めるに当たって、いろいろな危険があるということをお知らせする試みは既にやらせていただいております。また、こういうチラシも使いながら、年齢に応じて取り組んでまいりたいと思います。それから、16ページと17ページでは、ノー電子メディアチャレンジということで、幼稚園児と保育園児とその保護者を対象にした取組のチラシですが、低い年齢の子どもの保護者に向けたものになっておりますので、こういったものといろいろと組み合わせながら対応してまいりたいと考えております。

伊藤委員

 中学生の場合は、先ほど井内委員も言われましたように、主体的な学びが効果的だと思いますので、その辺を取り組んでいただければと思います。

育成課長

 各学校の実情に合わせて取り組んでいただけるように呼び掛けをしてまいりたいと思っております。

伊藤委員

 よろしくお願いします。

糸山教育長

 小学生に比べて中学生のルールづくりができていない状況です。児童生徒には学校から働きかけができますけど、保護者への啓発という点では、PTA協議会が本当に熱心にやっていただいて、このたび文部科学大臣賞も受賞したということもありますので、引き続きPTAからも、中学生を持つ親御さんに対して、大事なことですよというのを、しっかりやっていただくようなこと、また話をしてみてください。

育成課長

 はい。

西委員

 「家庭でのルール作り」に関する数字が上がって来ると良いと思うのですが、保護者もだんだん世代が若くなって、スマホ世代の方が親になっておられる世代だと思います。ですから、保護者研修会や参観日の後に機会を設けて、この動画を保護者の方にも見ていただいて、学校で指導していることを知っていただくことが、まず、一つ方向としてあるかなと思います。それから、例えば、体内時計やブルーライト、成長ホルモンなど、少し専門的・科学的な体系については、学校でしっかり児童生徒本人に、教えていくことが必要かと思います。
 動画に関して、一方的に説明するのではなくて、ワークシートに記入するなど途中で作業をしたり、あるいは、挙手をする、ゲームをするなど、児童生徒が参加・活動しながら視聴して学習できる点が大変良いと思いました。それは、昨年スタートしました啓発動画コンテストにも通じますが、子どもたち自身が自分たちで作るとか、活動することで、意識が高まる、非常に良い手段だと思っております。入選作品の動画を各校に配信して、学校で何かの時間で見ていただくとか、それによって、参加しなかった学校も来年は応募しようとかいった気概も上がると思いますので、そういう児童生徒が参加するチャンスをどんどん増やせていけたら良いなと思っております。以上です。

育成課長

 先ほど言われた、啓発動画コンテストの入選作品につきましては、既に各学校にお配りして、見ていただくようにお願いはしております。また、強化週間前に活用していただき、10オフ運動の推進に役立てていただくようお願いをしてまいりたいと思っております。

栗栖委員

 家庭での取組に関して、特に、7ページの問5、「あなたは、今回の強化週間の取組をしてみて、気になったことがありますか」の回答の丸6で、「食事中や会話中でも家族が使用していた」が、小学生で17.8%、中学生は9.1%です。いくら児童生徒が9時や10時の時間を守っても、親が平気で11時や12時に使用していたら、子どもがそれを見て守るだろうかと思います。16ページのチラシにも、「決めたルールは、周りの大人たちで共有を」とありますので、先ほど教育長もおっしゃられましたけど、PTAを通じて、親もきちんと取り組みましょうということを徹底していただいて、家族ぐるみで取り組む雰囲気を作っていただけるように工夫していただきたいという風に思います。

糸山教育長

 それでは、本件についてはこの程度にしたいと思います。
 次に、議題2「令和3年広島市成人祭の開催について」を議題とします。
 本件は報告案件です。内容について、育成課長から説明をお願いします。

育成課長

 議題2、「令和3年広島市成人祭の開催について」、報告をさせていただきます。
 18ページを御覧ください。
 令和3年の成人祭につきましては、令和3年1月11日、成人の日に開催する予定でございました。しかしながら、昨年12月、本市におきまして、新型コロナウイルス感染が急激に拡大したことから、予定どおり開催した場合の感染症拡大への懸念を踏まえまして、本年5月2日日曜日に延期することと致しました。開催に当たりましては、当初2回としておりました式典等の回数を4回とすることで、会場内の密集を回避するなど、「広島市主催のイベント等の開催に関する基本方針」等を踏まえ、環境を整えることとしております。
 1の目的につきましては、成人の日を迎える青少年を祝福するとともに、成人としての責任と自覚を持たせ、社会の一員として貢献しようとする意識を醸成させるということでございます。
 2の日時についてです。令和3年5月2日日曜日の10時から15時30分まで、表に記載のとおりの居住区により4回に分けて式典等を行う予定でございます。
 3の会場につきましては、例年どおり、広島サンプラザホール及びその周辺としております。 
 4の主催ですが、本市及び本市教育委員会で、5の企画は本市教育委員会及び令和3年成人祭実行委員会となっております。
 6の対象ですけれども、対象者は、約12,000人で、これらの対象者には、12月の下旬に延期開催の案内はがきを送付しております。なお、案内はがきがなくても、参加は可能でございます。
 7の(1)のテーマは、実行委員会の皆さんでアイデアを出し合って決めていただきました、「blooming~ハタチの花」です。それから、7の(2)、成人式のプログラムですけれども、エリザベト音楽大学の学生によります、国歌の歌唱で式典を開始いたしまして、記念品贈呈、市長式辞、議長祝辞、新成人の代表によります宣誓を行います。なお、プログラムを簡素化しておりまして、例年の式典は45分ですけれども、これを30分に短縮しております。また、開場から式典開始までの間、広島に縁のある著名人の方々のビデオメッセージや恩師からのメッセージをホール内のスクリーンで上映する予定です。さらに、当日、来場できない方のため、式典の様子をYouTubeで同時配信することにしています。(3)の同窓広場ですけれども、広島サンプラザ西側の公園に設置をいたします。式典と同様に密集状態を回避するため、四つに分け、完全入替制とします。
 8の記念品につきましては、オリジナルの手提げバックです。デザインは実行委員が行いまして、成人祭のテーマにちなんだイラストとメッセージをプリントしております。
 9のその他についてです。新型コロナウイルス感染症拡大防止対策といたしまして、案内はがき等で、発熱等の症状のある方、感染拡大地域への訪問歴のある方への参加を控えるよう呼び掛けを行っております。式典の開催に当たりましては、参加者全員のマスクの着用、手洗いの徹底や手指の消毒設備の設置、室内の換気等の基本的な感染防止対策を講じるとともに、式典会場や同窓広場への出入り時の密集を回避できるよう、会場内の通路は一方通行として、新成人を誘導いたします。また、各部の終了時には、式典会場の椅子等の消毒を行います。資料には記載をしておりませんが、会場内で、来場者の誘導や声掛けを行う職員を例年より多く配置をしております。入場時に検温も行います。それから、式典終了後は分散退場といたしまして、退場時にはアナウンスにより参加した新成人に対しまして、帰途及び帰途後の行動への注意喚起、広島県の対処方針「広島積極ガード宣言」を踏まえた呼び掛けを行いまして、感染防止対策を徹底したいと思っております。例年開催しております、抽選会や市政啓発コーナー等のサブホールイベント及び着付け直しコーナー等については中止といたします。また、密集回避に向けた座席配置の都合上、来賓の参列につきましては、広島市議会議長、文教委員長のみとし、主催者の参列につきましては、市長、教育長、教育次長のみとさせていただきます。最後に、今後、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、実施困難となった場合には、再度延期をすることも検討してまいります。
 説明は、以上でございます。

糸山教育長

 それでは、ただ今の説明について、御質問等がありましたらお願します。

栗栖委員

 一生に一度のことなので、是非、こういったかたちで開催できれば良いと思います。確認ですが、会場には、当然、消毒設備は設置されると書いてあるのですが、検温はどういう風にされるのですか。

育成課長

 広島サンプラザのホールの入口に据え付けの検温器をお借りして、順次、検温を行って通っていただく形で対応したいと思っております。

栗栖委員

 分かりました。成人式は、距離を取るなどの対応の上で挙行されると思うのですが、その後、久しぶりの懐かしい再会ということで、会食などをすると怖いなと思います。限界はあると思いますが、終了後の会食等についても、新型コロナウイルス感染症の対策に万全を期していただくことをどこかで御案内されて、主催者側から徹底していただければありがたいと思います。

育成課長

 式典終了後、退場時に、アナウンスを行い、広島県の対処方針を踏まえて、具体的に呼び掛けたいと思います。

糸山教育長

 県の「広島積極ガード宣言」で、状況に応じて、会食は何人以内とか、会話中にはマスクしましょうなど注意喚起をされていますので、その時点での状況を踏まえた宣言の中身をきちんと伝えます。

井内委員

 今のお話に続くのですが、我々がやはり危惧するのは、帰途後の行動であって、一番心配です。退場時のアナウンスで呼び掛けるということですが、広島県の対処方針は分かっているものとして、アナウンスだけで良いということなのでしょうか。私の感覚では、退場時に小さな紙でも良いから、渡した方が良いと思います。帰途の行動について、最低限こういうことは守りなさいと、話をしたいだろうけど、マスクを外さないように、食事に行く時には4人以下で行ってくださいなど、より具体的に書いた紙を渡した方が良いのではないかと思いますが、その点はどう思われますか。参加者が、成人して嬉しいということで、舞い上がっている可能性もあるので、アナウンスを聞いていない可能性もあるし、そのことを周知徹底し、我々が何を一番今心配しているかと言ったらそこだということをきちんと伝えることが一番必要なのではないかと思います。

育成課長

 はい。式典会場で、記念品などを椅子の上に置くようにしております。他にも市政情報など配付物がありますので注意事項を記載した紙を一緒に袋に入れておきたいと思います。

井内委員

 そうですね。記念品を入れる袋の中に入れると、余り見えないから、上に置いて、彼らの目に入るような方法で、我々の心配事を伝えた方が良いと思います。それから、もう1点ですが、同窓広場のことも心配です。職員の方は、大変だと思うのですが、少し見回るなどして、マスクを外して大騒ぎしている人がいたら、注意して歩くことも必要だと思いますが、計画には入ってますか。

育成課長

 はい。従事職員のマニュアルには、参加者の行動について、もし、そういう危ないようなことがあれば、積極的に声を掛けるよう記しておりますので、説明の際に、しっかり指導してまいりたいと思います。

井内委員

 はい。我々にできることは、そこが一番大切で、彼らの同窓広場での行動やその後のグループでの行動が気になるので、式典そのものは余り心配していないのですが、新型コロナウイルス感染拡大防止の対策を参加者の皆さんに周知できるような方法を是非考えていただきたいと思っています。

育成課長

 はい。

井内委員

 よろしくお願いします。

伊藤委員

 確認ですけれども、これまでは近隣の中学生がボランティアで参加してくださっていましたけれども、この度は、参加はないということでよろしいでしょうか。

育成課長

 中学生については、式典当日は混み合いますし、新型コロナウイルス感染症のことを考えるとお手伝いいただくことはなかなか難しいと思っております。ただし、前日の資料の袋詰めや会場設営などを学校に御協力をお願いできないかということで、今、お話をしております。それから、こちらも調整中なのですが、できるのであれば、ボランティアの中学生の代表から成人へのメッセージビデオ等を撮らせていただいて、上映できないかと考えております。以上でございます。

伊藤委員

 中学生が支援してくださる際も、コロナ対策をしっかり考えてください。

育成課長

 はい。もちろんでございます。

糸山教育長

 それでは、本件についてはこの程度にしたいと思います。
 次に、議題3「令和2年度広島市におけるいじめ防止対策について」を議題とします。
 本件は報告案件です。内容について、生徒指導課いじめ対策推進担当課長から説明をお願いします。

生徒指導課いじめ対策推進担当課長

 それでは、令和2年度の本市におけるいじめ防止対策の取組についての報告と、令和3年度の取組の方向性についての説明をさせていただきます。
 19ページ、議題3「令和2年度広島市におけるいじめ防止対策について」を御覧ください。なお、別添資料は、これから報告させていただく令和2年度の取組に係る資料です。説明の途中で参照していただきますが、時間の関係上、詳細は後ほど御覧ください。
 それでは、1、令和2年度の取組実績について、昨年度当初に、令和2年度の重点取組として説明させていただいた取組を中心に説明いたします。
 (1)教育相談の充実を御覧ください。教育相談の充実に係る取組では、教育委員会として、教育相談のポイントをまとめたリーフレットを作成し、全校の教育相談・支援主任を対象とする集中研修の資料として活用するとともに、全校に配布しました。別添資料丸1がそのリーフレットです。各学校の取組としては、教育相談・支援主任等が中心となり、集中研修で学んだ内容に係る校内研修等を自らが講師となるなどとして実施し、教職員のスキル向上や教育相談の質的向上を図りました。なお、小学校におきましては、全ての児童を対象とする個別の教育相談の有効性、必要性等についての理解が高まり、昨年度以上に多くの学校が取り組んだとみられますが、令和2年度は、年度当初に、新型コロナウイルス感染症拡大を受けての一斉臨時休業を行い、例年と異なる年度末、年度初めを自宅で長く過ごした児童生徒の心身の状況が心配されたことから、休業明けの6月、児童生徒の実態把握のための個別面談の実施について教育委員会から全校に指示した経緯もあり、全校一律で実施をしたため、小学校の実施率は参考数値としております。
 続いて、(2)ライフスキル教育の充実を御覧ください。ライフスキル教育の充実に係る取組では、教育委員会として各学校におけるライフスキル教育について、いじめ対策推進教諭が全校を定期的に訪問し、他の学校の参考となる好事例を収集、蓄積しました。また、令和元年度に引き続き、全校の教育相談・支援主任を対象とする集中研修において、児童生徒の実態や発達段階を踏まえたライフスキル教育の計画と実施に係る基本的な考え方について理解を深める研修を実施しました。これを受けて、各学校では、教育相談・支援主任が中心となって、令和3年度からのライフスキル教育の実施に向けて年間計画の作成に取り組みました、中には、計画の作成にとどまらず、試行的もしくは一部学年等で実践し始めた学校もあります。先ほど申し上げたコロナ禍の煽りを受けて、年間授業時数が減り、授業時間数のやりくりが本当に大変だった中にあっても、表のとおり、ライフスキル教育を実施した学校が増えていることから、多くの学校が意欲を持って取り組んでいることがお察しいただけるかと思います。
 続いて、(3)学年間・学校間の情報引継ぎの推進を御覧ください。情報引継ぎに係る取組では、教育委員会として、令和元年度に作成した指針に基づく同年度末の小中学校における実施状況を踏まえて、引き継ぎ様式の見直し、改訂を行いました。別添資料丸2及び丸3が改訂版です。また、この改訂について、令和2年10月末に開催した、生徒指導協議会の中で、趣旨の説明と留意すべき引継ぎのポイントの確認を行いました。別添資料丸4がその資料です。各学校においては、令和2年度末から高等学校への引継ぎも含めて、全市で「統一様式」による情報引継ぎを実施しています。また教育委員会として、保幼小連携による情報引継ぎについても検討し、令和2年度末から小学校が各保育園、幼稚園等に対して、別添資料丸5の共通シートを活用して、聞き取りを行う取組を開始しています。
 続いて(4)、児童生徒理解の深化(研修の充実)を御覧ください。教育相談や情報引き継ぎによって得た情報を、効果的な支援、指導に生かしていくために、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーと連携した取組の中心である生徒指導主事や教育相談・支援主任に対し、教育委員会として、児童虐待に対する適切な対応、いじめ問題への適切な対応等の集中研修を実施しました。その中で、本日は、専門家との連携で使用した資料を別添資料丸6及び丸7として添付しております。各学校においては、これらの研修内容について、生徒指導主事や教育相談・支援主任がコーディネーターとなって校内研修を実施し、教職員の資質能力の向上を図りました。その報告が別添資料丸8です。
 続いて(5)、モデル校における取組の推進、好事例の蓄積を御覧ください。皆様御存じのとおり、教育委員会として令和元年度から指定している、「いじめ防止対策及び働き方改革の推進モデル校」である、白島小学校、戸坂城山小学校、安佐中学校、五日市中学校の4校において、答申の提言に基づくいじめ防止の取組を重点的に推進し、有効な実践事例を数多く蓄積することができました。この場では、一覧に掲載しております取組を一つ一つ紹介することは控えますが、2年間の指定の最終年度である令和2年度は全校に向けてモデル校による実践発表を行うフォーラムを教育委員会内部Web上で開催しましたので、その発表資料を別添資料丸9として添付しております。
 続いて、資料の2枚目、(6)その他の取組についてです。まず、令和2年10月末に開催した生徒指導協議会において、前広島市いじめ防止対策推進審議会会長で、広島大学名誉教授の林氏を講師に迎え、「いじめ防止対策についてチーム学校の視点から考える、人を人とする組織を実現する学校経営理論から」と題して講演を行いました。参加者は、校長だけではなく、生徒指導主事等が参加している学校もありましたが、生徒指導主事の感想の中にも、組織づくりの視点で参考になったことなどが多く書かれており、意義深い講演であったと考えております。また、現在いじめの問題の解決に向けた学校と関係機関との連携の推進に資するため、各関係機関の役割などについてまとめたリーフレットを作成しており、広島市いじめ問題対策連絡協議会での確認を経て、各学校に周知する予定です。
 以上が、令和2年度の取組についてです。
 続いて、これらの取組を踏まえ、2、令和3年度の取組の方向性について、説明させていただきます。
 まず(1)、支持的風土の醸成された学級づくりに係る取組の推進です。支持的風土の醸成された学級の実現に向け、これまでも取り組んできているところですが、令和3年度はこの取組をより実効的なものとするため、教員の更なる資質向上と各学校における組織的な取組に資するよう、教育委員会として学校・教員向けの指導資料を作成し、各種研修で活用できるようにします。支持的風土の醸成された学級づくりに係る取組は、道徳や特別活動をはじめとする各教科において横断的に進める必要があることから、指導資料の作成にあたっては、関係各課の実務的な連携が必須であると考えています。
 次に(2)、教育相談の充実に係る取組の徹底です。令和元年度に引き続き、教員の資質向上のための研修等の取組を実施するとともに、先ほど触れました、モデル校における実践校事例について、各学校に普及することで、教育相談の一層の充実を図りたいと思います。特に、小学校においては、全校で全児童対象の個別の教育相談に取り組むことを目指します。
 次に、(3)、ライフスキル教育・MLB教育(命を大切にする教育)の充実です。ライフスキル教育については、いじめ対策推進教諭の定期訪問や、教育相談・支援主任を対象とする集中研修を通して、令和2年度に蓄積した実践事例を周知することで、各学校における取組の推進を後押しします。また、皆様、まだ、聞き慣れないかもしれませんが、今後、本市で進めていくこととしている、命を大切にする教育である、MLB教育のMLBとは、Making Life Betterの略です。具体的には、スクールカウンセラーと教員とが連携して授業を実施するというもので、いわゆる自殺予防に資する重要な取組として、令和2年度からスクールカウンセラー活用授業連絡協議会での研修や校長会での周知、特定の学校における実践発表などを始めております。令和3年度は、児童生徒支援加配校での実施及びその成果の普及に努め、令和5年度からの全校実施に向けた各学校での取組を促進します。
 次に、(4)、学年間・学校間の情報引継ぎの定着です。令和2年末に実施している幼稚園・保育園等から高等学校までの情報引継ぎの実施状況を把握し、その成果と課題を踏まえて必要な改善を行い、本市の園・学校における切れ目のない情報引継ぎの定着を図ってまいります。特に、幼稚園、保育園等に対しては、公立私立を問わず今後も小学校への情報引継ぎに協力を依頼していくこととなりますので、情報引継ぎの成果等について、園長会や幼稚園協会、保育園協会などを通して丁寧に周知する必要があると考えています。
 最後に、(5)、児童生徒による主体的ないじめ防止に向けた取組の充実です。これについては、引き続き、全国子どもいじめ防止サミットや市PTA協議会主催の広島市いじめ問題子どもサミットへ積極的に参加するとともに、小中連携による取組も含む、各学校の児童会・生徒会の好事例について情報収集し、周知を図ります。
 以上で、令和2年度の本市におけるいじめ防止対策の取組実績についての報告と、令和3年度の方向性についての説明を終わります。ありがとうございました。

糸山教育長

 ただ今の説明について、御質問等がありましたら、お願いします。

栗栖委員

 本市におけるいじめ防止対策の取組は、非常にきちんと対応されていると思っています。トータルで引き続きよろしくお願いしたいと思います。

質問ですが、令和3年度のモデル校は、指定されるのでしょうか。

生徒指導課いじめ対策推進担当課長

 令和3年度は、指定しません。

栗栖委員

 令和3年度は、モデル校はなくなるわけですよね。分かりました。2年間、モデル校で実際に取り組んだ好事例を、今度は、全市へ周知するということに取り組んでいただければと思います。

生徒指導課いじめ対策推進担当課長

 はい。

栗栖委員

 それから、もう1点、ライフスキル教育の充実についてです。19ページの実施状況では、令和元年度は52%であったのが、令和2年度は64%となっています。今後の方向性としては、この64%を更に高めていこうということですね。

生徒指導課長

 ライフスキル教育は、各学校で年間6時間程度、特別活動として取組を行うことが望ましいとして、取組をずっと進めてきているものです。全ての学校において、個々の子どもたちの実態に応じて実施していくことを目標として掲げており、この64%を高めていく必要があると考えています。

栗栖委員

 20ページの令和3年度の取組のところで、MLB教育については、令和5年度からの全校実施に向けた各学校での取組を促進すると、明言されています。ライフスキル教育についても、明確な方向付けを示された方が良いのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

生徒指導課長

 ライフスキル教育も、各学校において、是非、取組を進めていく必要性があります。この2年間で、いじめ対策推進教諭の定期訪問等からずいぶん多くの好事例が上がってきました。単発的に行うのではなく、きちんと年間計画の中に位置付けて、各学校の取組を進めていきたいと考えていますので、これも令和5年と言わず、来年度であっても100%に近づけるようにしたいと考えています。

栗栖委員

 そういうことを通じて実効性を高めることが大事なので、そういったことを意識して、是非また引き続き取り組んでいただければと思います。

糸山教育長

 ライフスキル教育について、19ページに、令和3年度からの実施に向けて年間計画の作成に取り組むとあるのは、令和3年度から全校で実施するということですね。

生徒指導課長

 はい、そうです。ただ、全ての学校ができるというところまでは、今年度の状況を今から確認をしていきます。

秋田委員

 ライフスキル教育は、日本語で言いますと、具体的に何をイメージしたら良いでしょうか。

生徒指導課長

 ライフスキル教育は、子どもたちに人間関係能力を高めていくためのスキル、技能をしっかり身に付けさせようというものです。広い意味でライフスキルと呼びますけれども、その中には、例えば、コミュニケーションスキルやアサーションスキルなど、それぞれのテーマに沿った取組がありますので、それらを上手く組み合わせながら、年間数時間程度になりますが、特別活動の中で各学年や発達段階に応じて継続的に取組を進めていくというものです。

秋田委員

 例えば、怒りをコントロールする方法や傷つく言葉を言われた時に、やめて、と言う意思表示の方法ですね。

生徒指導課長 

 はい。上手な断り方や感情の表出の仕方などを、小学校の低学年、中学年、高学年毎、中学校の学年毎に取り組んでます。

秋田委員

 欧米などでは日常的にライフスキル教育をされているのに、日本では行っていないと聞いたことがあるので、とても有益だと思いました。それから、学校間の情報引継ぎは、教育委員会の共通認識としてあると思うのですけれども、小学校の時に特別支援学級だった子どもが、中学校で通常学級に入る時の引継ぎは、非常に慎重に行わないといけないと思います。

伊藤委員

 教育相談・支援主任を対象とした研修に関しては、コーチング研修、リーダー研修として、大変重要だと思います。加えて、Wi-Fi環境が整備されれば、校内研修の一環として研修の内容を各学校に配信していただいて、各学校で教員全員が受講し、その後、各学校の問題状況に応じた検討を行うことも効果的だと思います。研修を受けた教育相談・支援主任のフィルターを通して各学校に伝えていくよりも、校内の教員全員が問題を共有化して、皆で取り組む意識が高まると思いますが、いかがでしょうか。御検討いただければと思います。

生徒指導課いじめ対策推進担当課長

 はい。教育企画課や教育センターと連携しながら、そういったことができればと思います。

糸山教育長

 教育センターで行った研修は、保存していますか。

生徒指導課長

 昨年度、コロナ禍で、多くの先生が研修に参加できませんでしたので、指導主事が研修内容や資料を全て録画し、教育センターのWeb上に載せました。先生方あるいは管理職の先生が見て、校内研修として扱ったり、先生方が視聴した上で、その後の協議を学校で行ったり、時間の確保が難しい中、いろいろな工夫をされています。また、「令和2年度広島市の学校におけるいじめ防止対策及び働き方改革推進フォーラム」もWeb開催となり、これまで参加者しか見ることができなかったものを、広く周知することができました。それから、生徒指導協議会における、広島市いじめ防止対策推進審議会の林前会長の講演についても、御了解を得た上で録画して一定期間流すことができました。昨年度のこうした取組は、今後に活かせると思います。

伊藤委員

 はい。既に取り組んでおられるのであれば、今後も引き継いでいただければと思います。オンラインでなくても、オンデマンドで良いと思いますので、よろしくお願いいたします。

井内委員

 大変多くのことに取り組んでおられると思うのですが、なかなか、評価というか取組後の手応えが感じられないと思います。年度単位で数を出しても仕方がないとは思うのですが、例えば、いじめの件数は、早期発見によって増えているのかもしれませんが、総数がそんなに減っていないという実態がありますね。研修を受けている先生も実践の対象になっている子どもたちも含めて、いじめの問題に対する取組が本当に実効を上げたという形で何か見えるようなものがあると、逆に励まされるのではないかと思います。漠然とした言い方で大変申し訳ないのですが、こういう取組によってこういう点が良くなるとか、何か出てこないのかなと思います。例えば、地域との連携であれば、それによって、どういういじめ防止につながるかという具体的なことまでに、まだ、少し距離があるような気がして、その間を埋めていくものを細かく考えていかないと、たくさん取組を行ったけれど実態としては余り変わっていないということを危惧するのですが、杞憂でしょうか。

生徒指導課長

 いえ、私たちも、実績値として表せられるものと別に、実際に、子どもたちがどんな発達や成長を見せたか、先生方がどんな実感を持ったか、それによって効果がどうだったかに関しては、具体的な先生方の声や子どもたちの変容に着目していく必要があると思います。一例ですが、昨年度、学年間・学校間の情報引継ぎを整備し、幼稚園、保育園から高等学校までのシステムが出来ました。しかし、実際に情報引継ぎを受けた学校で、どういう風に子どもたちの理解が進んだかについては、先生方の声を拾っていく必要があり、それを整備したものをまた広く皆さんに伝えていくことで取組の有効性を示していかなければ、中身の充実を図れないと思います。
 他の取組で言いますと、資料には挙げていませんが、計画的に個別の教育相談を行ったモデル校では、子どもたちの理解が随分進んだという声が先生方から出ています。別添の実践発表の資料にも含まれていますが、そういった先生方の声を広く伝えて、小学校の個別の教育相談に関する、時間や場所の確保などの苦労や工夫について、各学校が取り組みやすいような状態で情報発信していくことが必要ではないかと感じております。今年は是非、そういった検証をして、皆様の声を集めたものを整理できればと思っています。

井内委員

 先生や子どもたちの声を集めるのは、一つの良い方法だと思います。その方が、皆さんの身近な手応えとして感じられる気がします。
 それから、もう1点です。道徳の授業でいじめの問題を取り上げる中で、各クラスで話し合っていることや、子どもたちがどういう風に変わっている、あるいは変わろうとしているかといった手応えも聞かせてもらえるとありがたいです。やっています、というだけではなく、やったからどうだったという検証も必要なのではないかと思いますので、来年度のまとめのときに、是非、検討していただきたいと思います。

生徒指導課長

 先ほどライフスキル教育のところで申し上げましたが、私たちが目指すのは、ライフスキル教育をいつどの内容で行うかではなく、事前に行う道徳科の授業として、学習したスキルを日常の学校生活で活かして、どんな他の特別活動や児童会や生徒会の取組と上手く結び付けるかということです。先生方の負担感が大きくならないよう、そういった年間計画をきちんと整備した上で進めたいと思います。
 2年前の生徒指導協議会で、五日市観音中学校がライフスキル教育を実施する取組をスタートさせましたが、道徳で事前に価値を学び、学んだスキルをその後の学校行事の中で活かす中で、先生が子どもたちの変容として、こういうところが良かったという形で評価することによって、子どもたちは、学んだスキルが使えると感じることができました。そういった一連の流れとしてのプログラム化が目指すところだと思いますので、好事例を広く学校に伝えていきながら、ただ単にライフスキルをやった、MLBをやったというのではなく、他のものと上手く関連付けさせるところに、今後、力を入れていきたいと思います。

井内委員

 そうですね。大変良いアイデアだと思います。先生方も大変だし、子どもたちにも、多面的過ぎてつながりがよく分からないということがないようにしていただきたいと思います。何が最終目標なのかということに関する実感というか、本当に自分たちがいじめをなくそうという気持ちに最終的になってもらえるように、命を大切にしようという風になってもらえるために、各学校で、最終目標をもう少し明確にできるような活動の積み上げを工夫していただければという気がしました。たくさんの取組で、取組疲れしないようにしていただきたいと思います。
 実効性を上げるためには、受け取れる実感がすごく必要だと思います。是非、学校単位で考えていただけるようにしていただければと思いますので、よろしくお願いします。

西委員

 多くの課題をこのように構築していただいたことに敬意を表したいと思います。
 一昨年から課題として挙げられていました学校間の情報引継ぎや、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの人員を増やすだけでなく、どのように活用するかということに関して、各学校が実行しやすい資料としてきちんとまとめていただいています。
 それから、実際に参加した担当者だけでなく、全ての先生が同じものを視聴できる場を設けて、研修を活かしていくことに関しても、既に実施されていて、教育委員会議で出た意見を次々と実行に移していただいていることを大変ありがたく思っております。
 これだけ膨大な資料があり、今後、これをどう評価していくのか、恐らく、主任の先生が研修するところまではとても充実していると思うのですが、各校でどんな風に伝え、先生がどれだけ自分の学校事として感じ、課題に取り組んでいただけるかということが重要だと思います。おしなべてというよりも、自分の学校に応じた課題を見付けて、そこから取り組んでいかれると思いますけれども、お疲れが出ないように、でも、抜け落ちると困ることですので、今後も真摯に取り組んでいただきたいと思っております。

栗栖委員

 先ほど質問しました件で、令和元年度から指定しているモデル校は、「いじめ防止対策及び働き方改革の推進モデル校」ですが、働き方改革の推進モデル校も令和3年度からなくなるのですか。

生徒指導課長

 働き方改革の推進モデル校は、また新たに学校を指定します。

栗栖委員

 働き方改革については、引き続きモデル校における取組を推進していくのですね。

生徒指導課長

 はい。

栗栖委員

 いじめ防止対策のモデル校は、令和2年度で終わりですね。

生徒指導課長

 そうです。モデル校で数多くの実践事例を蓄積することができましたので、今後は、全校へ広げていけたらと思います。

栗栖委員

 「いじめ防止対策及び働き方改革の推進モデル校」において2年間推進し、いじめ防止対策については、こういう形で整理されました。働き方改革も本市の重要な課題の一つなので、引き続き取組を継続していただきたいと思いました。

糸山教育長

 今、栗栖委員がおっしゃったような話は、全ての事務の点検に通じることです。PDCAに関しては、教育委員の皆さんからもずっと言われていることですが、各取組の結果としてどういう成果があったかを見ないと、次の取組はできませんので、この施策だけではなく全体としてやっていきたいと思います。
 それでは、本件についてはこの程度にしたいと思います。
 以上で議題は全て終了しました。
 これをもって、令和3年第6回広島市教育委員会議定例会を閉会いたします。

 

7 議決事項

   なし

 

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